JP2000021546A - 嵌合型接続端子の製造方法 - Google Patents

嵌合型接続端子の製造方法

Info

Publication number
JP2000021546A
JP2000021546A JP10184173A JP18417398A JP2000021546A JP 2000021546 A JP2000021546 A JP 2000021546A JP 10184173 A JP10184173 A JP 10184173A JP 18417398 A JP18417398 A JP 18417398A JP 2000021546 A JP2000021546 A JP 2000021546A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tin
sliding contact
laser beam
base material
copper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10184173A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3411825B2 (ja
Inventor
Yoshifumi Saka
喜文 坂
Jun Shiotani
準 塩谷
Atsuhiko Fujii
淳彦 藤井
Atsushi Nakamura
篤 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Wiring Systems Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Harness System Technologies Research Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Wiring Systems Ltd, Sumitomo Electric Industries Ltd, Harness System Technologies Research Ltd filed Critical Sumitomo Wiring Systems Ltd
Priority to JP18417398A priority Critical patent/JP3411825B2/ja
Publication of JP2000021546A publication Critical patent/JP2000021546A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3411825B2 publication Critical patent/JP3411825B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Electrical Connectors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 嵌合型接続端子のうち相手側の接続端子との
嵌合時における摺接部分に錫よりも硬度が高い合金層を
形成すること。 【解決手段】 雄端子10のタブ12のうち相手側の接
続端子との嵌合時における摺接部分12aに、その摺接
部分12a表面から焦点をずらした状態でレーザ光を照
射して、その摺接部分12aにおける錫めっき層のうち
銅母材との界面近傍に錫よりも硬度が高い錫銅合金層を
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、産業機器
などの電気配線に用いられる嵌合型接続端子の製造方法
に関する。
【0002】
【背景技術】従来より、一般に、自動車、産業機器など
の電気配線において電線同士の接続に用いられる嵌合型
接続端子には、錫めっきが施されてきた。これは、端子
の接続時に、錫めっきの表面酸化皮膜を摩擦によって破
壊し、新鮮な錫を凝着させることにより、低い接触抵抗
を安定して得ることを目的としたものである。
【0003】また、自動車のABS(アンチロックブレ
ーキシステム)やエアバックなど、特に重要な信号回路
に用いられる電気配線には、接続端子に金めっきを施し
て使用していた。
【0004】上記錫めっきの凝着は、錫の硬度が低い
(ビッカース硬度40〜80)ことに起因するものであ
る。しかし、錫の硬度が低いことは、接続時の挿入力を
上昇させるという問題の原因ともなっている。即ち、端
子の嵌合接続時には錫めっきの凝着磨耗が発生し、錫の
変形抵抗に逆らって嵌合させるため、挿入力が上昇する
こととなる。
【0005】ところで、自動車などの電気配線では複数
の電線の束(以下、「ワイヤーハーネス」と称する)を
1つのコネクタで接続するのが一般的であり、コネクタ
の接続に必要な力は、端子1個当たりの挿入力に電線の
本数(従来は、一般に10極〜20極)を乗じた値とし
て概算することができる。従って、端子1個当たりの挿
入力が高いと、コネクタの接続に必要な力はワイヤーハ
ーネスの電線数に応じた大きな値となる。
【0006】特に、近年のカーエレクトロニクスの著し
い進歩・発展は、自動車に搭載する電子機器やCPUの
数を飛躍的に増加させ、それに伴ってワイヤーハーネス
の電線本数が増加し、コネクタの多極化(30極〜40
極)を図りたいとの要望も強まっている。
【0007】しかしながら、上述の如く、コネクタを多
極化すると当該コネクタの接続に必要な力も電線本数に
比例して上昇し、ボルトやてこなどの補助機構なしで
は、コネクタの接続ができなくなる。このため、端子を
小型化しても、補助機構がコネクタの小型化・軽量化を
阻害することとなる。
【0008】端子の挿入力を低減するには、接点圧力
(嵌合部で接点に与える押しつけ力)を低下させること
が考えられるが、この場合は、安定した低い接触抵抗が
得られなくなる。換言すれば、安定した接触抵抗を維持
したまま端子の挿入力を低下させることが困難であるた
め、コネクタを多極化する際に補助機構が不可欠とな
り、コネクタの小型化・軽量化を阻害する要因となって
いる。
【0009】なお、接続端子に金めっきを使用すれば、
低い接点圧力でも低い接触抵抗が安定して得られるた
め、端子の挿入力を低くすることができ、コネクタを多
極化してもその接続に要する力が著しく上昇することは
ないが、金めっきは錫めっきに比較して数倍〜数十倍の
コストを要するため、特に多極化したコネクタには適し
ない。
【0010】そこで、接続端子を形成する銅母材の表面
に錫めっき層を形成し、これに150℃以上170℃以
下の温度条件下において1〜3時間熱処理を施した接続
端子が提案されている。
【0011】このような接続端子では、錫めっき層のう
ち銅母材との界面近傍部分が金属間化合物Cu6Sn5
に変換され、かつ、その表面には所定厚さの錫めっき層
が残留した構造となっている。
【0012】この場合、金属間化合物Cu6Sn5の硬度
は錫の硬度よりも高いため、接続端子自体のみかけの硬
度も高くなり、接続端子の嵌合接続時の挿入力を低減さ
せることが可能となる。また、銅母材表面には錫めっき
層が残留しているため、端子の接続時に低い接触抵抗を
安定して得ることも可能である。
【0013】なお、これに関連する技術として本願出願
人が先に出願した特願平9−110898号に係る発明
を挙げておく。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
な接続端子では、その表面全体に亘って金属間化合物C
6Sn5層が形成された構成となっている。
【0015】従って、例えば、その接続端子が他の電線
との圧着接続部を備えている場合には、その圧着接続部
においても錫めっき層が薄くなっているため、圧着接続
部と電線間でのガスタイト構造が不十分であり、それら
の間に低くて安定した接触抵抗が得られないという問題
がある。また、金属間化合物Cu6Sn5層は硬くて脆い
性質を有しているため、電線への圧着時において圧着接
続部にひび割れが生じるという問題もある。
【0016】そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなさ
れたものであり、嵌合型接続端子のうち相手側の接続端
子との嵌合時における摺接部分にのみ錫よりも硬度が高
い合金層を形成することが可能な嵌合型接続端子の製造
方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1の発明は、相手側の接続端子との嵌合によ
って電気的接触を得る嵌合型接続端子の製造方法であっ
て、前記接続端子を形成する銅母材の表面に錫めっき層
を形成するめっき工程と、前記錫めっき層が形成された
前記銅母材のうち相手側の接続端子との嵌合時における
摺接部分に、その摺接部分表面から焦点をずらした状態
でレーザ光を照射して、前記摺接部分における前記錫め
っき層のうち前記銅母材との界面近傍に錫よりも硬度が
高い錫銅合金層を形成するレーザ光照射工程とを含んで
いる。
【0018】なお、この際、請求項2記載のように、レ
ーザ光の焦点を摺接部分表面から上又は下方向に1mm
〜2mmずらすのがよい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施の形態について詳細に説明する。
【0020】<A.嵌合型接続端子の形態>まず、この
発明にかかる製造方法によって製造された嵌合型接続端
子について説明しておく。
【0021】図1はそれぞれ嵌合型接続端子である雄端
子10と雌端子20とを示す側面図であり、これらは互
いに相手側の端子20又は10と嵌合し合うことによっ
て電気的接触を得る構成となっている。また、図2はこ
れら雄端子10及び雌端子20の接続部分の一部切欠平
面図である。
【0022】雄端子10は、電線との圧着を行う圧着部
分であるワイヤバレル11と、雌端子20との嵌合部分
であるタブ12とを備える。タブ12は平板状に形成さ
れ、その上面および下面はそれぞれ平滑な面に仕上げら
れている。
【0023】雌端子20は、電線との圧着を行う圧着部
分であるワイヤバレル24と、雄端子10との嵌合部分
である嵌合部25とを備える。嵌合部25は、中空の箱
形状であり、舌片21、エンボス22およびビード23
とをその内部に備えている。なお、図2は、嵌合部25
の内部を示した一部切欠平面図である。
【0024】エンボス22は、舌片21の上部に設けら
れた凸状の部材であり、雄端子10との嵌合時には、タ
ブ12の下面と点接触する。舌片21は、接点圧力即ち
エンボス22をタブ12に押付ける圧力を作用させるバ
ネとしての機能を有している。また、ビード23も凸状
の部材であり、タブ12の上面と接触し、当該エンボス
22がタブ12に及ぼす接点圧力を受ける。
【0025】雄端子10を雌端子20に嵌合させる際に
は、タブ12をエンボス22とビード23との間隙に挿
入する。このとき、ビード23がタブ12の上面に摺接
すると共に、エンボス22がタブ12の下面に摺接す
る。そして、タブ12を嵌合部25内に完全に挿入する
と、ビード23及びエンボス22がそれぞれタブ12に
接触した状態で、タブ12がそれらの間に圧接保持さ
れ、これにより雄端子10及び雌端子20間の電気的接
続がなされる構成となっている。
【0026】このように嵌合がなされるに際には、雄端
子10側については、そのタブ12の上面のうちその幅
方向中央部の長手方向に沿った帯状部分がビード23と
の摺接部分12a(図2の2点鎖線で囲まれた部分)と
なっており、タブ12の下面のうちその幅方向中央部の
長手方向に沿った帯状部分がエンボス22との摺接部分
12b(図2の点線で囲まれた部分)となっている。一
方、雌端子20側については、そのエンボス22の頂部
部分がタブ12の摺接部分12bとの摺接部分22a
(図2のエンボス22の2点鎖線で囲まれた部分)とな
っており、また、ビード23の凸面の長手方向に沿った
帯状部分がタブ12の摺接部分12aとの摺接部分23
a(図2のビード23の2点鎖線で囲まれた部分)とな
っている。
【0027】<B.嵌合型接続端子の製造方法>次に、
嵌合型接続端子の製造方法について説明する。この嵌合
型接続端子である雄端子10又は雌端子20は、まず板
状の条材に錫めっき処理を行った後、その条材を上記形
態に加工する前又は後にその所定部分にレーザ光の照射
を行うことにより製造される。
【0028】<B−1.錫めっき工程>本実施形態で
は、嵌合型接続端子の母材として銅または銅合金を使用
する。これは、本発明に係る嵌合型接続端子において
は、銅または銅合金は錫と金属間化合物を形成しやすい
ためである。
【0029】まず、錫めっき層の密着性を高めるために
銅または銅合金の板状条材表面の線状や酸化皮膜の除去
等の前処理を行う。そして、次に、条材の表面に錫めっ
き処理を施し、錫めっき層を形成する。なお、錫めっき
層は条材の両面の表面全面に形成する。このときの錫め
っき層の厚さは0.5μm以上2.0μm以下であれば
よく、より好ましくは0.8μm以上1.2μm以下と
するのが望ましい。
【0030】錫めっき処理後、雄端子10については、
条材を加工して図1及び図2に示すような形態に形成し
ておく。
【0031】一方、雌端子20については、条材を打抜
いて当該雌端子20を展開した打抜き型に加工するが、
図1及び図2に示す雌端子20の形態には組立てないで
おく。これは、雌端子20を図1及び図2に示す形態に
組立ててしまうとその内部のエンボス22及びビード2
3に後述するレーザ光の照射を行えないからである。
【0032】但し、エンボス22及びビード23に相当
する部分はプレス加工等により凸状に形成しておく。後
述するようにレーザ光の照射を行った後では、これらの
部分の加工が困難になるからである。
【0033】<B−2.レーザ光照射工程>次に、上記
雄端子10及び半加工状態の雌端子20に対してレーザ
光の照射を行う。
【0034】図3は、雄端子10のタブ12の摺接部分
12aにレーザ光を照射している状態を示す図である。
このレーザ光照射工程では、焦点を摺接部分12a表面
からずらした状態でそのレーザ光を照射し、このレーザ
光の照射を帯状の摺接部分12aに沿って複数箇所で行
う。レーザ光の焦点をずらすには、図4に示すように、
その焦点を摺接部分12a表面からその表面と直交する
方向に沿って上方へFLずらしてもよいし(図4の一点
鎖線で示す位置)或いは下方にFMずらしてもよい(図
4の二点鎖線で示す位置)。
【0035】この際、レーザ光の出力は、スポットの単
位面積当たりのエネルギとして190J/mm2以上、
その照射時間は5〜10msとし、レーザ光の焦点を摺
接部分12a表面からずらす距離は、銅母材や錫めっき
の厚さ等によって適宜変化させるが、摺接部分12a表
面に対してその表面に直交する方向に沿って上又は下方
向に1mm〜2mm程度ずらすのが好ましい。
【0036】錫めっきを施した銅母材に150〜160
℃の温度条件下で1〜3時間加熱処理を行えば、その錫
めっき層のうち銅母材との界面近傍が金属間化合物Cu
6Sn5層に合金化されることは既述の通りである。とこ
ろが、本願発明者等は、錫めっきを施した銅母材に一定
出力以上のレーザ光を照射することによっても、図5に
示すように、錫めっき層2が銅母材1との界面近傍で銅
と合金化し、そこに錫よりも硬度が高い錫銅合金層2a
を形成可能なことを確認した。なお、この錫銅合金層2
aは、Cu6Sn5金属間化合物であろうことが確認され
ている。そこで、この雄端子10の摺接部分12aにも
レーザ光を照射することにより、それら摺接部分12a
において錫めっき層2を銅母材1との界面近傍で合金化
させるようにしたのである。
【0037】ところで、上述のようにレーザ光を照射す
る際、そのレーザ光の焦点を摺接部分12a表面からず
らす理由は、以下の通りである。
【0038】即ち、図4の実線位置に示すように、レー
ザ光の焦点を摺接部分12aの表面に一致させた状態
(FL=FM)で当該レーザ光を照射した場合、レーザ光
のエネルギー分布が光の特性上、中央部で高くなること
から、そのレーザ光を照射した部分の中心部が高温とな
りすぎて、図6に示すように、そのレーザ光による変質
部分C(図6の斜線部分)が錫めっき層2から銅母材1
の内部深くにまで及ぶことになる。この場合、銅母材1
のバネ性等に悪影響を及ぼすことになる。
【0039】ここで、前記変質部分Cが銅母材1の内部
奥深くにまで及ぶのを防止するためにレーザ光の出力を
小さくすることも考えられるが、レーザ光の出力を小さ
くすれば錫銅合金層2aを形成できなくなる。
【0040】そこで、図4の一点鎖線位置又は二点鎖線
位置に示すように、レーザ光の出力を錫銅合金層2aの
形成に必要な一定出力以上に保ちながら、そのレーザ光
の焦点を摺接部分12の表面から上方へ又は下方へずら
して照射するようにしているのである。これにより、図
7に示すように、錫めっき層2からその錫めっき層2と
銅母材1との界面近傍部分にかけて浅くかつ広い部分に
亘って変質部分C(図7の斜線部分)が生じることにな
る。そして、この変質部分Cにおいて錫めっき層2が銅
母材1との境界近傍で錫銅合金層2aに合金化される。
従って、銅母材1への悪影響を防止しつつ錫銅合金層2
aを形成することが可能となる。
【0041】なお、実際に、銅合金の表面に錫めっき処
理を施した被照射体に焦点をずらしてレーザ光を照射し
たところ、図8に示すような結果が得られた。なお、図
8の横軸は、被照射体の表面を基準(F0=0)とする
焦点の上下位置を示しており、縦軸は、レーザ光の焦点
を被照射体の表面に一致させた場合の変質部分Cの深さ
0(図6参照)に対する変質部分Cの深さdx(図7参
照)の比率(%)を示している。
【0042】同図に示すように、例えば、焦点を被照射
体表面から上方又は下方へ3mmずらした場合の変質部
分Cの深さdxは、焦点を被照射体表面に一致させた場
合の深さd0と比較して、およそ20%となっており、
当該変質部分Cが浅くなることがわかる。
【0043】このようなレーザ光の照射を、雄端子10
のタブ12の摺接部分12a,12b及び雌端子20の
摺接部分22a,23aについて同様に行い、それぞれ
の摺接部分12a,12b,22a,23aにおいて錫
めっき層2のうち銅母材との界面近傍に錫よりも硬度が
高い錫銅合金層2aを形成する。そして、雌端子20に
ついては図1及び図2に示す形態に屈曲加工する。
【0044】このようにして雄端子10及び雌端子20
が製造される。
【0045】このように各摺接部分12a,12b,2
2a,23aにおいて錫めっき層2のうち銅母材1との
界面近傍に錫よりも硬度が高い錫銅合金層2aが形成さ
れた場合、それらの摺接部分12a,12b,22a,
23aではみかけの硬度が高くなるため、雄端子10及
び雌端子20を互いに嵌合させる際の挿入力の低減を図
ることができる。また、それらの摺接部分12a,12
b,22a,23aにおいて形成された錫銅合金層2a
上には錫めっき層2が残留しているため、雄端子10及
び雌端子20間の接触抵抗としては小さくかつ安定した
値を得ることができる。
【0046】以上のようにこの発明にかかる接続端子1
0,20の製造方法によると、錫めっき層2が形成され
た銅母材1のうち互いに相手側の端子10,20との嵌
合時における摺接部分12a,12b,22a,23a
に、その摺接部分12a表面から焦点をずらした状態で
レーザ光を照射しているため、電線との圧着部分である
ワイヤバレル11,24を除いて摺接部分12a,12
b,22a,23aのみにおいて錫めっき層2を銅母材
1との境界近傍部分で錫よりも硬度が高い錫銅合金層2
aに合金化することが可能となる。
【0047】従って、接続端子10,20を嵌合する際
の挿入力の低減を図りつつそれらの間の接触抵抗を安定
して小さくすることができるのと同時に、接続端子1
0,20の圧着部分であるワイヤバレル11,24に電
線を圧着してもそれらの電線との接触抵抗が不必要に大
きくなったり、また、それらワイヤバレル11,24部
分にひび割れが生じたりするようなことはない。
【0048】また、摺接部分12a,12b,22a,
23aに、それらの表面から焦点をずらした状態でレー
ザ光を照射しているため、そのレーザ光による熱的影響
等が銅母材に及ぶのを防止しつつ、上記加工を施すこと
ができる。
【0049】なお、銅母材として、亜鉛等を含有した銅
合金の上に銅めっき層を形成したもの等を用いてもよ
い。この場合には、レーザ光による変質部分が内部の銅
合金にまで及ぶとその銅合金の亜鉛等が錫銅合金に混じ
ってしまうことになる。しかし、上述のように、焦点を
摺接部分12a,12b,22a,23a表面からずら
した状態でレーザ光を照射することによって、銅めっき
層とその上の錫めっき層のみを合金化させることが可能
となり、亜鉛等が混じらない良質な錫銅合金層を形成す
ることが可能となるという利点がある。
【0050】
【発明の効果】以上のようにこの発明の請求項1及び2
記載の嵌合型接続端子の製造方法によると、錫めっき層
が形成された銅母材のうち相手側の接続端子との嵌合時
における摺接部分に、その摺接部分表面から焦点をずら
した状態でレーザ光を照射しているため、その摺接部分
において錫めっき層のうち銅母材との近傍部分に錫より
も硬度が高い合金層を形成することが可能となる。
【0051】特に、摺接部分表面から焦点をずらした状
態でレーザ光を照射しているため、そのレーザ光による
熱的影響等が銅母材に及ぶのを防止しつつ、上記加工を
施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製造方法によって製造された嵌合
型接続端子の側面図である。
【図2】図1の嵌合型接続端子の接続部分の一部切欠平
面図である。
【図3】図1の嵌合型接続端子にレーザ光を照射する工
程を示す斜視図である。
【図4】レーザ光を照射する工程を示す要部拡大図であ
る。
【図5】レーザ光照射によって形成された錫銅合金層を
説明するための図である。
【図6】焦点を摺接部分表面に一致させた状態でレーザ
光を照射した場合の変質部分を示す図である。
【図7】焦点を摺接部分表面からずらした状態でレーザ
光を照射した場合の変質部分を示す図である。
【図8】焦点位置と変質部分の深さとの相関関係を示す
図である。
【符号の説明】
10 雄端子 12 タブ 12a,12b 摺接部分 20 雌端子 25 嵌合部 22a,23a 摺接部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂 喜文 愛知県名古屋市南区菊住1丁目7番10号 株式会社ハーネス総合技術研究所内 (72)発明者 塩谷 準 愛知県名古屋市南区菊住1丁目7番10号 株式会社ハーネス総合技術研究所内 (72)発明者 藤井 淳彦 愛知県名古屋市南区菊住1丁目7番10号 株式会社ハーネス総合技術研究所内 (72)発明者 中村 篤 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電 装株式会社内 Fターム(参考) 5E063 GA07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相手側の接続端子との嵌合によって電気
    的接触を得る嵌合型接続端子の製造方法であって、 前記接続端子を形成する銅母材の表面に錫めっき層を形
    成するめっき工程と、 前記錫めっき層が形成された前記銅母材のうち相手側の
    接続端子との嵌合時における摺接部分に、その摺接部分
    表面から焦点をずらした状態でレーザ光を照射して、前
    記摺接部分における前記錫めっき層のうち前記銅母材と
    の界面近傍に錫よりも硬度が高い錫銅合金層を形成する
    レーザ光照射工程とを含む嵌合型接続端子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記レーザ光の焦点を前記摺接部分表面
    から上又は下方向に1mm〜2mmずらす請求項1記載
    の嵌合型接続端子の製造方法。
JP18417398A 1998-06-30 1998-06-30 嵌合型接続端子の製造方法 Expired - Fee Related JP3411825B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18417398A JP3411825B2 (ja) 1998-06-30 1998-06-30 嵌合型接続端子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18417398A JP3411825B2 (ja) 1998-06-30 1998-06-30 嵌合型接続端子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000021546A true JP2000021546A (ja) 2000-01-21
JP3411825B2 JP3411825B2 (ja) 2003-06-03

Family

ID=16148650

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18417398A Expired - Fee Related JP3411825B2 (ja) 1998-06-30 1998-06-30 嵌合型接続端子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3411825B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004179055A (ja) * 2002-11-28 2004-06-24 Mitsubishi Shindoh Co Ltd コネクタ端子、コネクタおよびその製造方法
US7145243B2 (en) * 2002-09-23 2006-12-05 Intel Corporation Photo-thermal induced diffusion
WO2009116601A1 (ja) * 2008-03-19 2009-09-24 古河電気工業株式会社 コネクタ用金属材料およびその製造方法
WO2009116602A1 (ja) * 2008-03-19 2009-09-24 古河電気工業株式会社 コネクタ用端子およびその製造方法
JP2009230932A (ja) * 2008-03-19 2009-10-08 Furukawa Electric Co Ltd:The コネクタ用端子およびその製造方法
JP2009230930A (ja) * 2008-03-19 2009-10-08 Furukawa Electric Co Ltd:The コネクタ用金属材料およびその製造方法
JP2009228033A (ja) * 2008-03-19 2009-10-08 Furukawa Electric Co Ltd:The コネクタ用金属材料およびその製造方法
JP2019517730A (ja) * 2016-06-02 2019-06-24 ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンクTE Connectivity Germany GmbH 潤滑式コンタクト素子およびその製造方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7145243B2 (en) * 2002-09-23 2006-12-05 Intel Corporation Photo-thermal induced diffusion
JP2004179055A (ja) * 2002-11-28 2004-06-24 Mitsubishi Shindoh Co Ltd コネクタ端子、コネクタおよびその製造方法
WO2009116601A1 (ja) * 2008-03-19 2009-09-24 古河電気工業株式会社 コネクタ用金属材料およびその製造方法
WO2009116602A1 (ja) * 2008-03-19 2009-09-24 古河電気工業株式会社 コネクタ用端子およびその製造方法
JP2009230932A (ja) * 2008-03-19 2009-10-08 Furukawa Electric Co Ltd:The コネクタ用端子およびその製造方法
JP2009230930A (ja) * 2008-03-19 2009-10-08 Furukawa Electric Co Ltd:The コネクタ用金属材料およびその製造方法
JP2009228033A (ja) * 2008-03-19 2009-10-08 Furukawa Electric Co Ltd:The コネクタ用金属材料およびその製造方法
US8728629B2 (en) 2008-03-19 2014-05-20 The Furukawa Electric Co., Ltd. Terminal for connector and method of producing the same
JP2019517730A (ja) * 2016-06-02 2019-06-24 ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンクTE Connectivity Germany GmbH 潤滑式コンタクト素子およびその製造方法
US10958006B2 (en) 2016-06-02 2021-03-23 Te Connectivity Germany Gmbh Contact element and method for production thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JP3411825B2 (ja) 2003-06-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11135226A (ja) 嵌合型接続端子の製造方法
TW463424B (en) Method for producing electrical connector
JP5192878B2 (ja) コネクタおよびコネクタ用金属材料
JP3286560B2 (ja) 嵌合型接続端子
WO2009116602A1 (ja) コネクタ用端子およびその製造方法
EP2434584B1 (en) Connector terminal
JPH11121075A (ja) 嵌合型接続端子
WO2011096526A1 (ja) 圧着端子、接続構造体、並びに圧着端子の作製方法
TWI449809B (zh) Electrical and electronic components for the use of composite materials and electrical and electronic components
JP2008285729A (ja) リフローSnめっき材及びそれを用いた電子部品
US9831567B2 (en) Crimp terminal having a conductor crimping part with an intermediate material with recessed parts and a thin-film layer on its top
JPH10302867A (ja) 嵌合型接続端子の製造方法
JP2000021545A (ja) 嵌合型接続端子の製造方法
JP2000021546A (ja) 嵌合型接続端子の製造方法
WO2009116601A1 (ja) コネクタ用金属材料およびその製造方法
JP3562719B2 (ja) 端子
JPH11233228A (ja) 嵌合型接続端子の製造方法
JPH11111422A (ja) 嵌合型接続端子の製造方法
JP6451385B2 (ja) 端子金具及びコネクタ
WO2015174262A1 (ja) コネクタ用端子
JP2000150039A (ja) 嵌合型接続端子の電線接続構造
JP2003031333A (ja) 端子製造方法
JP5101235B2 (ja) 電子部品用Snめっき材及び電子部品
JPH10302865A (ja) 嵌合型接続端子の製造方法
JPH10302866A (ja) 嵌合型接続端子

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees