JP2000017646A - 海洋構造物の摩擦増大用マット - Google Patents

海洋構造物の摩擦増大用マット

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JP2000017646A
JP2000017646A JP10188376A JP18837698A JP2000017646A JP 2000017646 A JP2000017646 A JP 2000017646A JP 10188376 A JP10188376 A JP 10188376A JP 18837698 A JP18837698 A JP 18837698A JP 2000017646 A JP2000017646 A JP 2000017646A
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Takatsu Wagi
多克 和木
Masami Origasa
正美 折笠
Mitsuru Nonoda
充 野々田
Takahiko Ito
隆彦 伊藤
Katsuo Matsuzaki
勝夫 松崎
Hiroshi Nakano
浩 中野
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Taisei Rotec Corp
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Taisei Rotec Corp
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World Engineering Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 海洋構造物を基礎マウンドの上に設置する際
に、マウンドの均し精度の値が大きい場合でも、マット
部材を厚くしても、構造物の作成時の重量に対応でき、
マウンドの表面の大きな凹凸に対処させるようにする。 【解決手段】 マット部材10を配置し、その上に構造
物30を構築するに際して、マットに設けた孔11に充
填物12を充填して荷重を支持する部材を構築し、構造
物構築途中でマットが荷重により変形することを防止す
る。前記充填物12は構造物を移動させる際に除去さ
れ、残った孔の部分が、マウンドの凹凸によって大きく
変形するが、マット10を厚く形成することにより、マ
ウンドの大きな凹凸を解消して構造物を保持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケーソン等の海洋
構造物の下面に配置し、捨石基礎の上での摩擦を増大さ
せるとともに、基礎マウンドの大きな凹凸を調整するた
めのマット部材を配置する海洋構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】防波堤や岸壁、埋立地等の仕切り護岸等
のような海洋構造物を構築するに際しては、一般に海底
の地盤を均してから、その上に所定の高さの基礎マウン
ドを構築し、その基礎マウンドの上面にケーソン等のよ
うな構造物を設置して構築することが行われている。前
記構造物は、一般にコンクリート製の箱型のものや鋼製
のもの、鋼製の構造物の表面に所定の厚さのコンクリー
トを被覆したハイブリッドケーソンと呼ばれるもの等が
用いられる。また、前記ケーソンは陸上で構成されたも
のを、海上に浮かべて構築箇所まで曳航したり、クレー
ン等により吊り下げた状態で搬送され、構造物構築現場
で海面に沈めて基礎マウンドの上に載置される。
【0003】前記構造物はその底部がコンクリートまた
は鋼板であるために、基礎マウンドを構成する石との間
での摩擦係数が小さく、波浪の圧力等の横から加えられ
る圧力により、基礎マウンドの上で構造物が移動するこ
とが懸念される。そこで、前記構造物の滑動の問題を解
消するために、構造物の底部にアスファルトマットやゴ
ムマット等のマット部材を配置し、前記マット部材を基
礎マウンドの石の表面の凹凸に応じて変形させることに
より、マット部材の上面に置かれる構造物と基礎マウン
ド表面との間で、マット部材を圧縮して摩擦係数を増大
させ、構造物の安定性を向上させることが行われてい
る。
【0004】例えば、一般的な海洋構造物として例示す
る防波堤は、図12に示すように構成されるもので、海
底地盤3の上に捨石による基礎マウンド5を構築し、そ
の上面を平らに均してからケーソン1のような構造物を
載置して、海洋構造物を構築している。前記基礎マウン
ド5の上面とケーソン等の構造物1の底版2との間に
は、摩擦増大用のマット10を配置しているもので、前
記マット10はケーソンを製作する際に、そのケーソン
の底版2の下面に一体に取り付けて構成することが多
い。
【0005】また、前記ケーソンの下面に取り付けるマ
ットとしては、アスファルトマットを用いることが多
く、前記アスファルトマットは、図13に示されるよう
に、厚さT1を8cmとして設定したものを規格品として
一般に使用している。そして、前記アスファルトマット
の弾・塑性により、基礎マウンドの表面の凹凸に対して
マット下面13が容易に変形し、石の突部がマットの下
面から構造物の底版2に向けてマットに突入するが、最
終的にはマットの残存厚さTa=3cmを確保して、基礎
マウンドの表面とケーソン底版との間に隙間が形成され
ずに、ケーソンの滑動等を防止して安定保持できるとい
う特徴がある。また、前記アスファルトマットの厚さT
1が8cmのものを用いる場合には、基礎マウンド5の表
面の凹凸の均し精度Saを±5cm以内になるように、基
礎レベルに対する石の突出部7と凹部8の高さS2が、
それぞれ5cm以内となるように基礎マウンドの表面を均
す作業を行い、その基礎マウンドの上にアスファルトマ
ットを介して構造物を載置する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記基礎マウンドを基
礎部材として構築する場合に、水深が10m以下の海底
等の比較的浅い場所では、潜水作業員の活動が容易であ
る。また、基礎マウンドの表面を平らに均す作業も、比
較的容易に行うことができ、構造物を設置する基礎の表
面に対する均し精度を小さい値に構築することが可能で
ある。ところが、水深が20mもある海底で基礎マウン
ドを構築して、その上に構造物等を載置する場合に、基
礎マウンドの均し精度Saが±5cm程度になるようにそ
の表面を均すことは、潜水作業員が海底で作業を行うも
のであることから、潜水作業員の負担が大きく、作業能
率が良くないという問題がある。そして、前述したよう
な深海底での作業を行う場合には、マウンド上面の均し
のためのコストが非常に高価になり、作業期間も長くな
るという問題がある。
【0007】そこで、前述したような問題を解消するた
めに、例えば、均し精度を±5cm以上の大きな値に設
定し、海底での均し作業の負担を軽減することが考えら
れている。前記深海底で基礎マウンドを構築する際に
は、例えば、均し精度を±20〜±30cm程度に設定
し、その基礎マウンドの大きな凹凸に合わせて、ケーソ
ンの下面に配置するマットを厚くして、マウンドの表面
の凹凸を吸収させることが考えられる。前述したような
厚いマットをケーソンの下面に取付ける場合にも、ケー
ソン構築ヤードの床面に30cmの厚さのマットを作成し
てから、そのマット上に構造物を積み上げるようにして
構築することも考えられる。
【0008】ところが、厚いマットの上に重い構造物を
構築する場合には、そのマットの表面全体に均一な荷重
が付与されるものではなく、局部的に大きな荷重が集中
するものとなり、その局部的に大きな荷重を負担する位
置では、圧力によりマットが大きく凹んだりして変形す
る恐れがある。そして、そのような状態のままで高さが
20m以上もあるケーソン等の構造物を構築すること
は、構造物の構築精度を確保できないという問題がある
ために、他の支持部材をマットに埋め込んだ状態で付設
し、支持部材に荷重を支持させて行うことが要求され
る。しかしながら、前記マットに付設する支持部材を堅
いもので構成すると、ケーソン製作後にそれを取り除く
必要があり、その除去作業が非常に多くの手間を要する
という問題が発生する。
【0009】例えば、厚さが30cmもあるような厚いマ
ットを構造物の底面に一体に配置することは、構造物の
作成に際して多くの解決を要する問題が提起されると考
えられる。しかしながら、基礎マウンドの上面の均し精
度が±20〜±30cmに設定されている時に、従来の厚
さが8cm程度のマット部材では容易に対応できないもの
となり、マウンドの表面に大きく突出している石の突部
が、構造物の底版に集中的な圧力を付与するという問題
が発生する。そこで、そのような問題に対処させるため
には、計算上では、底版を厚く形成して非常に強固なも
のとすることも1つの方法である。しかしながら、構造
物が大型化する現状では、底版を厚く形成すると、構造
物の重量が増大するために、大型のケーソン等の構造物
では、設置現場までの搬送に支障が発生すると懸念され
る。
【0010】本発明は、前述したような従来の海洋構造
物の構築の際の問題を解消するもので、基礎表面の均し
精度を大きい値に設定することに対応させて、基礎表面
の凹凸を解消するためにマット部材の厚さを増大させ、
構造物の安定支持作用を良好に行わせるとともに、構築
コストを低減可能な工法を提供することを目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の海洋構造物の摩
擦増大用マットは、基礎マウンドの上の均し精度を大き
な値に設定し、前記基礎マウンドの上にマット部材を介
して設置する構造物に関する。本発明の請求項1の発明
は、前記構造物の下面に配置するマット部材を、前記基
礎マウンドの均し精度に対応する厚さのものとして構成
し、前記マットの上に構造物を構築するに際して、マッ
トの所定の位置に形成した孔もしくは隙間の部分に荷重
支持用の材料を配置して設け、前記荷重支持用の材料に
より構造物の荷重を支持させながら、マット部材を一体
に形成することを特徴とする。請求項2の発明は、前記
マット部材に配置する荷重支持用の材料は、粒状のもの
を使用することを特徴とする。
【0012】請求項3の発明は、前記構造物の下面に配
置するマット部材を、前記基礎マウンドの均し精度に対
応しないものとして構成し、前記基礎マウンドの上に1
枚または複数枚の第2のマット部材を配置し、前記第2
のマット部材の上に下面にマット部材を取付けた構造物
を設置し、複数枚のマット部材を用いて構造物の支持を
行うことを特徴とする。請求項4の発明は、前記第2の
マット部材は、基礎マウンドの上面の大きな凹凸の調整
用のマットとして用いることを特徴とする。請求項5の
発明は、前記第2のマット部材を用いて構造物の支持を
行うに際して、前記第2のマット部材は、ゴムタイヤを
面状に並べて構成したタイヤマットで構成することを特
徴とする。
【0013】前述したように、下面に厚いマット部材を
配置して構造物を構築する際に、その構造物の重量を支
持させるための部材を配置することにより、厚いマット
に直接構造物の重量を支持させないことから、構造物の
構築の精度を良好に維持できる。また、前記支持材料を
粒状のもので構成することにより、構造物の完成後に吊
り上げることにより、支持材料を容易に除去できる。さ
らに、基礎マウンド上面の均し精度を大きな値とし、複
数マットにより支持させる場合には、構造物に対しては
従来の均し精度に対応させたマットを装着するので、構
造物の構築に際しては何等影響を受けることがなく、マ
ウンドの上面の大きな凹部を第2のマット部材により埋
める状態となる。したがって、マウンド上面での均し精
度の値を小さくした場合と同様な状態が仮想的に設定さ
れ、大きな石の突部が構造物の底面に対して集中的な押
圧作用を加えることを防止できる。そして、タイヤマッ
トを第2のマット部材として利用する場合には、マウン
ドの表面の凹凸に対して大きな適応性を発揮させること
ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図示される例にしたがって、本発
明の海洋構造物を説明する。図1、2に示す例におい
て、ケーソンのような構造物30の底版35の下面に、
厚いアスファルトマットのようなマット部材10を取付
ける場合を示しているもので、前記マット部材10は基
礎マウンドの表面の均し精度が±20〜±30cmの場合
に対応させて、設けるものと仮定する。本実施例におい
て、構造物30の構築ヤードに厚いマット部材を作成し
てから、構造物の底版35を配置し、前記底版35の上
に構造物の本体を構築するもので、前記構造物の重量が
集中する柱等の支持部材33に対応する位置には、マッ
トに孔11を配置している。そして、前記孔11に荷重
支持用の粒状の充填物12を充填し、前記充填物12に
より構造物の重量を支持させることによって、マット部
材の変形を防止しながら、構造物の構築に対処させる。
【0015】前記充填物12としては、例えば、砂や砂
利のように、大きな圧縮力が加えられた場合にも対処が
可能であり、マット部材を持ち上げた際に、マットの孔
から容易に抜け出して、除去の手間を省くことができる
ような材料を使用する。そこで、前記マット部材10を
作成する際には、構造物の重量が集中して加えられる部
分に対して、あらかじめ孔11……を所定の間隔で配置
し、前記孔11を円形または角型に構成し、その孔11
の内部に充填物12を充填させて、十分に突き固めてお
く。前記マット部材に孔を構成する際には、厚紙で構成
した円筒状のものをマット作成時に埋設して設けること
ができるものであり、その他に、任意の板部材を組み合
わせたものを配置することができ、マット部材作成後に
板部材を除去できる。また、厚紙や変形可能な薄い板部
材を用いて孔の区画を形成する場合には、マット部材を
作成した後でも区画材を除去せずに敷設できる。
【0016】図3に示す例は、前記厚いマット部材10
を作成してから、その上にコンクリート製の構造物30
を構築する場合を示しているもので、前記厚いマット部
材10の内部に内部補強部材20を配置しておき、前記
内部補強部材20と構造物30の鉄筋32とを番線25
を用いて接続して、構造物30の下面にマット部材10
を一体に取付ける。前記厚いマット部材10において
は、従来のマット部材と同様に、アスファルトマスチッ
クの層の間に埋設する内部補強部材20を、所定の間隔
で配置した縦横の鉄筋21、22と、ガラスクロス23
を組み合わせて構成し、マット部材の重量を確実に支持
させ得る強度を確保している。なお、前記内部補強部材
20には、前記鉄筋やガラスクロスの他に、金網やその
他の任意の補強部材を用いることも可能である。
【0017】前述したような構成を有するマット部材1
0には、内部補強部材20に対して番線25を所定の間
隔で配置し、前記番線25をマット部材の上面に突出さ
せておき、構造物30の下部の鉄筋32に接続する。ま
た、マット部材の孔に充填した充填物12の上には、必
要に応じてベース部材19を配置し、前記ベース部材の
上にマット部材の柱等の支持部材33に対応する鉄筋を
組み立てる。そして、前記マット部材10上に型枠を組
み立てて、コンクリート31を打設して構造物30を構
築するが、その構造物の重量を充填物12に保持させる
ことが可能である。
【0018】図4に示す例は、鋼製ケーソンのような構
造物に対して、マット部材10を取付ける場合を示して
いるもので、前記構造物30の底版35には所定の間隔
で開口36を配置する。そして、マット部材10に埋設
して設けているスタッド36を、底版35に設けた開口
36に貫通させるように組み合わせて、前記スタッド2
6を固定具28により底版35に対して固定する。前記
スタッド26は、マット部材の内部補強部材に対して固
定配置することにより、構造物を持ち上げて移動させる
際にもマット部材を確実に保持できるようにする。ま
た、図5に示す例では、構造物の底版とマット部材とを
接続するために、溶接手段を用いる場合を示しているも
ので、内部補強部材20に取付けるスタッド36の上部
にプレート27を設け、前記プレート27の上面をマッ
ト部材の上面と面一に形成して置くことにより、底版3
5の開口36に対して溶接部39を介して一体に取付け
るようにする。
【0019】前記図4、5に示す例では、構造物の下面
が鉄で構成されることから、マット部材の孔を介して海
水に鉄が接して、腐食を早めるという問題が発生する。
そこで、本実施例においては、前記マット部材に形成す
る孔に対して、不透水性のシート17を配置しておき、
マット部材の孔11から充填物12が除去された後で
も、底版の下面をシート17により保護できるようにす
る。前記シート17としては、例えば、アスファルトを
含浸させた不織布等のようなクロスや、プラスチック製
のシート等を使用することが可能であり、強度を要求す
る場合には、厚いものを用いることができる。そして、
前記シート17はマット部材を構築した後で孔に充填物
12を充填し、孔の上部とその周囲の所定の範囲に亘っ
てシートを配置してから、構造物の底版を配置してスタ
ッドを固定し、前記底版の上に本体構造物を積み重ねる
ようにして構築することができる。
【0020】
【実施例1】前記実施例では、構造物構築ヤードでマッ
ト部材を作成してから、その上に構造物を構築する場合
を例にして説明したが、その他に、既成の小サイズのマ
ットを構造物構築ヤードに敷き詰めてから、構造物を構
築する方法を用いることもできる。例えば、構造物構築
ヤードで大サイズのマット部材を作成するための期間を
短くする必要がある時等には、前記小サイズのマットを
工場等で製作して、トラック等により運搬してヤードに
敷き詰めることにより、構造物本体の構築作業を直ちに
開始可能になるという利点を発揮できる。そこで、図
6、7に示す例では、小サイズのマット単位体15……
を構造物の底面に対応させて縦横に配置してマット部材
10aを形成し、その上に構造物を構築する。
【0021】本実施例においては、前記縦横に配置する
マット単位体15……の目地部16を所定の間隔だけ開
けて置き、前記目地部16の部分に充填物12を充填し
て、上部構造物に対する支持部材を構成する。前記マッ
ト単位体15の目地部16に対しては、その上面にシー
ル部材18やベース部材を配置して、構造物の荷重を充
填物に向けて伝達させる手段を設けることができる。ま
た、構造物の底版が鉄の場合には、前記各目地部の部分
に対して不透水性のシート等を配置して、鉄板が海水に
接しないように保護することもできる。
【0022】前記図6、7に示す例では、マット単位体
を任意のサイズに形成することができるものであるか
ら、構造物の荷重が集中して付与される部分に目地部を
配置するように、マット単位体の配置関係を設定できる
が、その他に、マット単位体に孔を設けて充填物を充填
し、構造物の荷重を支持させることも可能である。ま
た、前記マット単位体を組み合わせて設けることにより
マット部材10aを構成する場合でも、前記図3〜5に
示したようなマット部材の接続手段を用いることも可能
であり、番線25を用いてマット部材を底版に接続する
場合には、図示されるような接続手段を適用することが
可能である。
【0023】前記各実施例に示されるように、厚いマッ
ト部材を構造物の底版に設ける場合においても、従来の
均し精度が±5cmに対応させる標準的な厚さのマット部
材と同様に、構造物構築ヤードで、構造物の底版に対し
て一体に取付けて作成することができる。そして、前述
したようにして作成した構造物をクレーン等で吊り下げ
るか、または海上を曳航して運搬し、基礎マウンドの上
に載置して設置することが可能である。本実施例に示す
厚いマット部材は、例えば、基礎マウンドの表面の均し
精度が±20cmの場合には、マット部材の厚さを12〜
20cm程度に設定することができる。また、均し精度が
±30cmの場合には、マット部材の厚さを14〜30cm
に設定することにより、マウンド表面に大きく突出して
いる石がマット下面から食い込む状態でも、底版に石の
突部が直接当たることを防止して、構造物に対する支持
作用を良好に発揮させることができる。なお、前記マッ
ト部材の厚さは、前記均し精度の値に対して、マットの
残存厚さを正確に維持できれば、任意の設定が可能であ
るが、均し精度の値に対して、マットの厚さを0.5〜
2.0の範囲の間で選択すると良い。
【0024】
【実施例2】前記各実施例は、マット部材を1枚の厚い
もので構成する場合で説明したが、本発明においては、
図8に示すように、基礎マウンド5の上に1枚のマット
を配置し、その上に構造物の底版に取付けたマットを重
ねるようにして配置する方法を用いることもできる。前
記図8に示す例では、構造物の底版に対しては、従来の
工法と同様に、構造物のマット部材10Aを一体に取付
けて構成する。また、基礎マウンド5の上には、別体に
構成したマット部材10Bをあらかじめ敷設しておき、
前記マット部材10Bの上にマット部材10Aを取付け
た構造物30を載置する。
【0025】前述したようにして、2枚のマット部材を
介して構造物を基礎マウンドの上に設置する場合には、
前記2枚のマットが基礎マウンド5の表面の均し精度に
対応する厚さであれば良いことになるから、構造物に取
付けるマット10Aは、従来の工法の場合と同様に比較
的薄いものとすることが可能である。また、下部に配置
するマット部材10Bは、例えば、軟質の変形しやすい
性質を有するもので、内部に鉄筋やガラスクロスを補強
部材として配置し、荷役用のワイヤ等を所定の間隔で埋
設したものとして構成する。そして、構造物の重量によ
り、下部のマットを基礎マウンドの上に押圧した際に、
大きく変形することによって、マウンドの表面の大きな
凹凸の凹部を、柔らかいマットの下部に突出する突部1
3により埋める作用を発揮させるように構成する。した
がって、前記柔らかいマットの上に配置する構造物に取
付けたマット10Aに対しては、石の突部が大きな集中
荷重を付与しないように、下部のマット部材により保護
する作用を発揮させることが可能になる。
【0026】前記図8に示すように、2枚のマットを構
造物の下面に介在させる場合には、図9に示すように、
各マットに対する変形作用が付与されるものと推定する
ことができる。つまり、構造物30の底版31を介し
て、構造物の重量が付与されることにより、基礎マウン
ド5の上のマット部材10Bは、石の突部7により大き
く変形される。しかしながら、前記下部のマット部材1
0Bにおいては、内部に配置している補強部材を、石の
突部7が破ることが阻止されるので、残存厚さを所定の
値に維持することが可能となる。そして、前記下部のマ
ット部材では、その上面が石の突部に対応して大きく凹
凸を生じる状態となり、その表面の変形が上のマット部
材の下面に対して局部的な凹凸を形成させる作用を生じ
るので、上部のマット部材は構造物の底版との間で変形
されるが、残存厚さTaを維持できる状態で、構造物に
対する支持作用を発揮する。
【0027】前記図8に示すように、2枚のマットを用
いて構造物を支持させる場合の他に、構造物の底版に取
付けるマットの他に、任意の厚さのマットを1枚または
2枚重ねるように配置して、構造物に対する支持部材を
形成することも可能である。前記複数枚のマットを介し
て構造物を支持させる場合には、基礎マウンドの均し精
度が±30cm以上の大きな値として形成する場合にも、
容易に適用可能なものとなる。例えば、均し精度が±3
0cmの値に形成する基礎マウンドを構築する場合には、
積み重ねた石の突部と凹部(谷の部分)との絶対値(高
さの差)が60cmも許容されることになる。そして、通
常の基礎マウンドの構築に際して使用する石が、50〜
200kgの場合には、大きな石を積み重ねてから、その
上に10kg程度の小さい石を投下するのみで、その表面
で潜水作業員が均し作業を行わなくても、前記均し精度
は容易に確保することが可能になる。
【0028】したがって、均し精度の値を大きな値とし
て設定する場合には、基礎マウンドの構築経費を従来の
±5cmに対して、大幅に低下させることが可能となる他
に、深い海底での潜水作業員による作業を大幅に低減さ
せることができる。なお、前記図1〜7に示したよう
に、1枚の厚いマットを用いる場合にも、前記マット部
材が石の突部により大きな押圧作用を受けた状態では、
前記マット部材が厚いものであることから、石の突部が
マット部材を突き破って、構造物の底版に直接当接して
集中荷重を付与するという問題は発生しない。
【0029】前記図8に示すように、構造物に取付ける
上のマット部材の下面に、別体のマット部材を配置する
場合には、前記下部のマット部材10Bとして、アスフ
ァルトマットの他に、図10、11に示すようなタイヤ
マット40、40aを用いることも可能である。前記タ
イヤマットの例においては、任意のサイズの古タイヤ4
1……を面状に並べて配置し、縦横のワイヤ42、43
に対して固定部44……を介して接続する。また、前記
縦横のワイヤ42、43の交差部には、任意の接続手段
45を用いて接続し、ワイヤ自体を大きなネットとして
形成し、そのネットに対して面状にタイヤを配置して、
アスファルトマットと同様な変形可能なマットとして構
成している。
【0030】前記タイヤマットにおいては、大きく突出
した石の突部が局部的な押圧作用を加えたとしても、ワ
イヤネットまたはタイヤが抵抗作用を発揮して、前記柔
らかいマットの場合と同様に、石の突部がタイヤマット
を突き破ることがない状態で変形される。そして、下部
のマットの上面に凹凸を生じた状態で、構造物に配置す
る上のマットに対して変形させる作用を伝達することに
より、基礎マウンドの表面の均し精度の値を大きく設定
した場合でも、構造物の底版に石の突部が直接集中する
ことを防止して、マット部材の残存厚さを一定に維持で
きる。
【0031】前記タイヤマットを下部のマットとして配
置する場合に、タイヤマットに用いる古タイヤは任意の
サイズのものを使用できるものであり、アスファルトマ
ットと同様にして、ワイヤを用いて吊り下げて敷設する
ことが可能である。さらに、前記タイヤマットにおいて
は、タイヤの層を二重に配置してマット状に構成するこ
とや、大サイズのタイヤと小サイズのタイヤとを組み合
わせて構成することもできるので、前記タイヤマットの
厚さと、配置するタイヤの密度を適宜設定し、圧密され
た際の変形の度合いを任意に設定できる。そして、前述
したようなタイヤマットを形成することにより、アスフ
ァルト等の用途の広い材料の使用量を少なくし、処理に
困っている古タイヤを有効に使用できるという利点をも
発揮可能となる。
【0032】なお、マウンド表面の均し精度(最大変動
量)を大きい値とした場合に、例えば、従来の均し精度
±5cmに対して、±30cmのような大きな値とした時
に、ケーソン等の構造物底版に発生するモーメントは、
従来の設計(最大変動量が±5cm)の場合に比較して、
1.6倍となると試算されているといわれる。そして、
構造物の底版に対しては、ねじれが生じるような不陸
(凹凸)の大きな値が付与されるので、前記構造物の設
計に際しては、局部的に大きな値として加えられるモー
メントに対応させるために、底版の強度を大幅に向上さ
せる必要があるといわれる。したがって、マウンドの上
面の均し精度を大きな値として構成する場合には、均し
作業に要する費用に比較して、構造物の構築費用が大幅
に増大して、結果としては、工事コストが上昇するとい
う問題につながる恐れがある。
【0033】前述したような問題に対して、本実施例に
おいては、マウンド上面の均し精度を例えば±30cmに
設定した場合でも、厚い1枚のマット部材または複数枚
のマット部材を重ねて配置することにより、前記大きな
凹凸に対してマットが容易に追従して変形させるように
している。そして、厚いマット部材を配置する場合に
は、マットが大きく変形されて、マウンド表面に形成さ
れている大きな凹部にマットの変形した部分が入り込む
ことにより、結果として均し精度を小さな値に設定した
場合と同様な効果を奏することができる。これに対し
て、従来の薄いマットを1枚だけ配置する場合には、マ
ットを突き抜けた石の突部のみが底版に当るという問題
が生じていたものである。
【0034】したがって、本実施例に示されるように、
厚いマット部材を1枚配置する場合と、第2のマット部
材という概念で説明しているマット部材を、従来の構造
物に配置しているマット部材に組み合わせて用いること
により、マウンドの上面の大きな不陸(凹凸)をマット
部材により解消することができる。また、例えば、第2
マット部材を調整マット部材として用いる場合には、構
造物の重量により押圧されるマット部材がクリープ変形
してマウンド上面の凹部に食い込み、あたかも均し精度
が±5cmに設定されている場合と同様な状態で、構造物
を支持することができるものとなる。そして、前記実施
例に示したように、厚いマット部材または第2の調整マ
ット部材を用いることにより、捨石を作業船から投入し
てマウンドを構築するに際して、上面に均し作業を行わ
なくても、従来の±5cmの均し精度に設定した場合と同
様な構造物に対する支持作用を発揮できる。さらに、構
造物底版に対しては、厚いマットまたは調整マット部材
を用いることによって、局部的に大きな反力が加えられ
ることがなく、従来の均し精度で構築した場合と同様な
反力が作用するので、構造物の底版に対する補強等の対
策を用いなくても対応が可能になる。
【0035】
【発明の効果】本発明は前述したように構成しているも
のであるから、下面に厚いマット部材を配置して構造物
を構築する際に、その構造物の重量を支持させるための
部材を配置することにより、厚いマットに直接構造物の
重量を支持させないことから、構造物の構築の精度を良
好に維持できる。また、前記支持材料を粒状のもので構
成することにより、構造物の完成後に吊り上げることに
より、支持材料を容易に除去できる。さらに、基礎マウ
ンド上面の均し精度を大きな値とし、複数マットにより
支持させる場合には、構造物に対しては従来の均し精度
に対応させたマットを装着するので、構造物の構築に際
しては何等影響を受けることがなく、マウンドの上面の
大きな凹部を第2のマット部材により埋める状態とな
る。したがって、前記厚いマット部材を用いる場合と、
調整マット部材(第2マット部材)を用いる場合におい
ては、マウンド上面での均し精度の値を小さくした場合
と同様な状態が仮想的に設定され、大きな石の突部が構
造物の底面に対して集中的な押圧作用を加えることを防
止できる。そして、タイヤマットを第2のマット部材と
して利用する場合には、マウンドの表面の凹凸に対して
大きな適応性を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に適用するマットの平面図である。
【図2】 構造物とマットの組み合わせの説明図であ
る。
【図3】 構造物にマットを固定する例の説明図であ
る。
【図4】 構造物にマットを固定する別の例の説明図で
ある。
【図5】 構造物にマットを固定する他の例の説明図で
ある。
【図6】 小サイズのマット単位体を組み合わせて大サ
イズのマットを形成する例の説明図である。
【図7】 図6のマットに対して構造物を組み合わせる
例の説明図である。
【図8】 複数枚のマットを組み合わせる例の説明図で
ある。
【図9】 図8におけるマットの変形の状態を示す説明
図である。
【図10】 タイヤマットの構成を示す説明図である。
【図11】 タイヤマットの別の例の構成を示す説明図
である。
【図12】 一般的な海洋構造物の構成を示す説明図で
ある。
【図13】 従来のマットの変形状態の説明図である。
【符号の説明】
1 構造物、 2 底版、 3 海底地盤、 5
基礎マウンド、7 石の突部、 8 凹部、
10 マット部材、 11 孔、12 充填物、
13 マットの突部、 14 ヤードの地盤、1
5 マット単位体、 16 目地部、 17 シ
ート、18 シール、 19 ベース部材、 20
内部補強部材、21・22 鉄筋、 23 ガ
ラスクロス、 25 番線、26 スタッド、 2
7 プレート、 28 固定具、29 溶接部、
30 構造物、 31 コンクリート、32・3
3 鉄筋、 35 底版、 36 開口、40
タイヤマット、 41 古タイヤ、 42・43
ワイヤ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000230711 日本海上工事株式会社 東京都港区赤坂2丁目10番9号 (72)発明者 和木 多克 神奈川県横浜市旭区鶴ヶ峰1−29−4 ワ ールドエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 折笠 正美 神奈川県横浜市旭区鶴ヶ峰1−29−4 ワ ールドエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 野々田 充 東京都大田区多摩川2丁目11番20号 日本 道路株式会社内 (72)発明者 伊藤 隆彦 東京都中央区京橋3−13−1 大成ロテッ ク株式会社内 (72)発明者 松崎 勝夫 東京都港区赤坂2丁目10番9号 日本海上 工事株式会社内 (72)発明者 中野 浩 東京都港区赤坂2丁目10番9号 日本海上 工事株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基礎マウンドの上面の均し精度を大きな
    値に設定し、前記基礎マウンドの上にマット部材を介し
    て設置する構造物において、 前記構造物の下面に配置するマット部材を、前記基礎マ
    ウンドの均し精度に対応する厚さのものとして構成し、 前記マットの上に構造物を構築するに際して、マットの
    所定の位置に形成した孔もしくは隙間の部分に荷重支持
    用の材料を配置して設け、 前記荷重支持用の材料により構造物の荷重を支持させな
    がら、マット部材と一体に形成することを特徴とする海
    洋構造物の摩擦増大用マット。
  2. 【請求項2】 前記マット部材に配置する荷重支持用の
    材料は、粒状のものを使用することを特徴とする請求項
    1に記載の海洋構造物の摩擦増大用マット。
  3. 【請求項3】 基礎マウンドの上面の均し精度を大きな
    値に設定し、前記基礎マウンドの上にマット部材を介し
    て設置する構造物において、 前記構造物の下面に配置するマット部材を、前記基礎マ
    ウンドの均し精度に対応しないものとして構成し、 前記基礎マウンドの上に1枚または複数枚の第2のマッ
    ト部材を配置し、前記第2のマット部材の上に下面にマ
    ット部材を取付けた構造物を設置し、複数枚のマット部
    材を用いて構造物の支持を行うことを特徴とする海洋構
    造物の摩擦増大用マット。
  4. 【請求項4】 前記第2のマット部材は、基礎マウンド
    の上面の大きな凹凸の調整用のマットとして用いること
    を特徴とする請求項3に記載の海洋構造物の摩擦増大用
    マット。
  5. 【請求項5】 前記第2のマット部材を用いて構造物の
    支持を行うに際して、前記第2のマット部材は、ゴムタ
    イヤを面状に並べて構成したタイヤマットで構成するこ
    とを特徴とする請求項3または4に記載の海洋構造物の
    摩擦増大用マット。
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