JP2000017553A - ブレード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲げの回復性を生産性やコスト面に悪影響を
及ぼさずに高めたブレードを提供することである。 【解決手段】 麻等の繊維４を束ねた原糸３の中に、ポ
リエチレン、ナイロン等で形成された腰の強いモノフィ
ラメント５を含ませ、その原糸３を平打ちに組んだので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、形態安定機能を
有するブレード（平打ちの組紐）と、そのブレードを材
料にして作られる帽子に関する。なお、この発明は、帽
子以外の製品、例えば、籠や手提バッグなどの素材とし
ても利用できる。

【０００２】

【従来の技術】ブレードを素材として作られる帽子は通
気性に優れ、夏用の帽子として広く愛用されている。帽
子用のブレードは、帽子用真田と称され、麦わら真田な
ども知られているが、これは耐久性や質感などに問題が
あり、また、最近では材料の入手も難しくなってきたこ
とから、現在は麻真田（麻のブレード）が多くを占めて
いる。その麻のブレードは麻の繊維を束ねて長く継ぎ合
わせたものを原糸とし、これを平打ちに組んだものであ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】麻は天然繊維の中では
最も腰の強い繊維であるが、腰の強さは充分と言えるも
のではなく、それで作ったブレードは曲げの回復性が悪
い。このため、麻のブレードで作った帽子は折り畳んで
バッグ等に収納すると折り目が残り、体裁が悪くなる。

【０００４】また、吸水するとしなやかになって形態安
定性が悪化し、形崩れし易くなる。そこで、この発明
は、ブレードの曲げの回復性を生産性やコストに悪影響
を及ぼさずに高めることを課題としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、構成繊維の中に腰の強い化学
繊維のモノフィラメントを含ませた原糸を平打ちに組ん
でブレードを形成したのである。原糸の何本かを原糸よ
りも腰の強いモノフィラメントに置き換え、これと残り
の原糸を平打ちに組んでブレードにしてもよい。

【０００６】原糸を構成する繊維は、帽子用ブレードの
場合、涼感があり、しかも、他の天然繊維に比べると腰
が強くて保形性があり、さらに、吸水性にも優れる麻が
好ましいが、これに限定されるものではない。

【０００７】また、ブレードに含ませる化学繊維のモノ
フィラメントは、ポリエステルやナイロンのモノフィラ
メントが腰が強くて好ましい。

【０００８】この発明の帽子は、かかるブレードを渦状
に巻き、縫合成形して得られる。

【０００９】

【作用】化学繊維、中でもポリエステルやナイロンのモ
ノフィラメントは、麻等の繊維に比べて腰が強く、曲げ
ても自己復元力で元に戻る。また、水に濡れても腰の強
さが変化しない。この発明のブレードは、そのモノフィ
ラメントを含ませたので、モノフィラメントの反発力で
曲げの回復性が良くなる。従って、このブレードで作っ
た帽子等の製品は、形態安定性に優れ、形崩れし難く、
折り目も自然に消えて良好な体裁が長く維持される。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１に、この発明のブレードの実
施形態を示す。このブレード１は、数本（図は２本）の
たて糸２を中に通して数本（通常６〜１２本）の原糸３
を平打ちに組んだものである。

【００１１】原糸３は、図２（ａ）に示すように、麻の
繊維４とポリエステルやナイロンのモノフィラメント５
を一緒に引き揃えて軽く撚り合わせたものや、図２
（ｂ）に示すように、繊維４の束の外周にモノフィラメ
ント５を巻き沿わせたものや、図２（ｃ）に示すよう
に、モノフィラメント５を芯にしてその外周に麻の繊維
４を軽く撚り合わせたものなどを用いた。

【００１２】モノフィラメント５は、１本の原糸３の中
に数本含ませてもよい。また、たて糸２を中に通した、
ブレードの場合、たて糸２もモノフィラメント又はモノ
フィラメントを含む糸としてよい。さらに、平打ちに組
む原糸３の何本かをモノフィラメントに置き換えてもよ
い。

【００１３】モノフィラメント５は、繊維４よりも大き
な反発力を有する太さのものを選んでおり、このモノフ
ィラメント５の反発力で、ブレード１の曲げの回復性が
向上する。

【００１４】なお、原糸３を構成する繊維４は麻に限定
されない。モノフィラメントによる反発力の増強効果が
得られるので、麻よりも腰の弱い繊維を用いる場合にも
必要な保形性と良好な曲げ回復性を確保できる。

【００１５】図３は、図１のブレード１を部分的にオー
バラップさせて渦状に巻き、隣り合うブレードの重ね部
を縫合（６が縫い目）して作られた円形シート７を示し
ている。この円形シート７を成形型（図示せず）を用い
て成形し、図４に示すような帽子８に仕上げる。

【００１６】なお、この発明のブレードは、籠、手提バ
ッグ、腰かけ座など、他の製品の素材としても利用でき
る。そのブレードを縫合して継ぎ合わせる方法や図５に
示すように平織りする方法で材料シートを作り、そのシ
ートを加工すれば様々な製品を作ることができる。

【００１７】

【発明の効果】以上述べたように、この発明のブレード
は、平打ちに組む原糸の中にもモノフィラメントを含ま
せてそのモノフィラメントの反発力で曲げの回復性を高
めたので、それを素材として作られる帽子やその他の製
品に折り目が殆どつかず、製品を意図的に変形させても
ほぼ元通りに回復し、体裁が悪くならない。

【００１８】そのため、ブレード製の製品を小さく折り
畳んでバッグ等に入れると言ったことが可能になり、従
来品との差別化が図れる。

【００１９】また、水を含んでも形態安定性が維持され
るので、雨に濡れたり、水洗いしても形崩れが起こり難
い。

【００２０】このほか、従来のブレードと比べて製造工
程の増加がなく、高機能化に伴うコスト増も回避でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施形態のブレードの概要を示す平面図

【図２】モノフィラメントを含む原糸の具体例を示す図

【図３】ブレードを渦状に巻き縫合して得られる円形シ
ートの平面図

【図４】図３の円形シートを成形して得られるブレード
製帽子の一例を示す斜視図

【図５】ブレードを平織りしてできるシートの平面図

【符号の説明】

１ ブレード ２ たて糸 ３ 原糸 ４ 麻の繊維 ５ ポリエステルやナイロンのモノフィラメント ６ 縫い目 ７ 円形シート ８ 帽子

フロントページの続き (72)発明者 福山 満 大阪府羽曳野市碓井４丁目22番２号 Ｆターム(参考） 4L046 AA02 AA22 AA24 AD05 BB04

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 構成繊維の中に腰の強い化学繊維のモノ
   フィラメントを含ませた原糸を平打ちに組んで成るブレ
   ード。
2. 【請求項２】 原糸の何本かを腰の強い化学繊維のモノ
   フィラメントに置き換え、そのモノフィラメントと残り
   の原糸を平打ちに組んで成るブレード。
3. 【請求項３】 請求項１又は２記載のブレードを渦状に
   巻き、縫合、成形して得られる帽子。