JP2002155456A - 組 紐 - Google Patents

組 紐

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JP2002155456A
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  • Braiding, Manufacturing Of Bobbin-Net Or Lace, And Manufacturing Of Nets By Knotting (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】径が細くても高い破断強度、耐摩耗性、耐久
性、及び寸法安定性等をバランスよく向上させることが
でき、特に昇降或いは開閉を要する用途に好適な組紐を
提供する。 【解決手段】複数の糸条からなる組紐であって、各糸条
の15〜95重量%を高強力繊維が占めてなる組紐。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、組紐、さらにはそ
れを用いた昇降及び開閉が要求されるブラインドコー
ド、プリーツコード、プリーツ網戸コード、カーテン
紐、遮光スクリーン等の各種インテリアコードについて
の発明であり、極めて高い破断強度、耐摩耗性、寸法安
定性及び耐久性が要求される組紐に関するもの。
【0002】
【従来の技術】従来、ブラインドコードやプリーツコー
ド、プリーツ網戸等コードに用いられているインテリア
用組紐には、主にポリエステルフィラメントの組紐が使
用されており、高い使用実績を有していた。しかしなが
ら、近年、これらの用途はニーズの多様化に伴い大型化
する傾向にあり重量が増加する傾向にある。また、美観
の向上の観点から、例えばブラインドコードの径を細く
する要望が強いことから、ブラインドコードに加わる負
荷が大きくなってきている。このため、従来のポリエス
テルフィラメントからなる組紐では、要求される破断強
度、耐摩耗性、寸法安定性及び耐久性を満たすことがで
きないという問題が生じてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この問題に対処するた
め、高強力繊維を用いた組紐が注目されいくつかの試み
がなされたが、この高強力繊維を使用した組紐は以下の
ような問題を生じることが明らかになった。すなわち、
アラミド繊維やポリベンザゾール繊維、等の高強力繊維
を使用した組紐は、紫外線に照らされる厳しい使用環境
を考慮した場合、耐候性(耐光性)に問題があり、コス
トも著しく増大することから、実用上不向きである。
【0004】また、これらの用途は以前、縦軸方向に昇
降する場合が多く組紐も組先方向への負荷が掛かるのが
多かった。最近はこれらの用途で横軸方向に開閉する商
品が増え、組紐先端部と組紐後方部の両軸方向に力が加
えられ、組紐故編み縮みが発生する問題が起こってき
た。
【0005】一方、超高分子量ポリオレフィンの超延伸
物からなる高強力繊維を使用した組紐は、繊維自身がも
つ滑りの良さから対象物への耐摩耗性は良いものの、組
紐構造ではその滑りの良さが災いし編み縮みが発生し、
組紐長さが短くなったり、径が太くなり、ひいては偏平
化による耐久性への問題が発生して十分な問題解決手段
とはなり得ていない。
【0006】以上のことからこれら用途へ用いられる組
紐は依然としてポリエステルフィラメントを用いた組紐
が使用されており、その破断強度、耐摩耗、寸法安定性
及び耐久性を補うため美観を犠牲にして組紐径を増大さ
せて使用している。
【0007】本発明は、上記従来の組紐の有する問題点
を解決し、径が細くても高い破断強度、耐摩耗性、耐久
性、及び寸法安定性を要求される組紐を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の目
的を念頭に鋭意検討を重ねた結果、本発明を得るに至っ
た。すなわち本発明は複数の糸条からなる組紐であっ
て、各糸条の15〜95重量%を高強力繊維が占めてな
ることを特徴とする組紐である。そして具体的には高強
力繊維が、破断強度15cN/dTex以上、破断伸度
15%以下、重量平均分子量100万以上、及び初期弾
性率500cN/dTex以上のマルチフィラメント繊
維であることを特徴とする上記記載の組紐、各糸条にモ
ノフィラメントを含有してなることを特徴とする上記記
載の組紐、及び上記記載の組紐の芯部にモノフィラメン
トまたはマルチフィラメントが配されてなることを特徴
とする組紐である。また本発明は、各糸条にモノフィラ
メントを含有してなることを特徴とするインテリアコー
ド、及び上記記載の組紐の芯部にモノフィラメントまた
はマルチフィラメントが配されてなることを特徴とする
インテリアコードである。以下、本発明を詳述する。
【0009】ここで、本発明に係る組紐を構成する各糸
状に高強力繊維が特定割合占められているとは、構成す
る糸条のうち任意の本数に高強力繊維を使用し、残りに
他の繊維を使用して組紐にして構成したものや、高強力
繊維と他の繊維を引き揃え又は合撚した糸条を形成し、
この組紐にして構成したものや、あるいは芯部に高強力
繊維、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリオ
レフィン、フッ素繊維等のマルチフィラメントやそれら
のモノフィラメントを使用したもの)を意味する。尚、
高強力繊維と複合化して使用される繊維としては、ポリ
エステルモノフィラメントが好適であるが、これのみに
限定されるものではない。
【0010】この場合において、高強力繊維としては、
破断強度が15cN/dTex以上、好ましくは、25
cN/dTex以上、破断伸度が15%以下、好ましく
は8%以下、初期弾性率が500cN/dTex以上、
好ましくは800cN/dTex以上の繊維を使用する
ことが望ましい。
【0011】また、高強力繊維としては、アラミド繊
維、ポリアリレート繊維、或いは重量平均分子が100
万以上、好ましくは200万以上の超高分子量ポリオレ
フィン繊維、等を使用することができる。
【0012】以下、本発明の組紐の実施形態について説
明する。本発明に係る組紐は、主として、昇降及び開閉
が要求されるブラインドコードやプリーツコード、プリ
ーツ網戸等コードに用いられるもので、任意の本数の糸
状を三つ打ち、四つ打ち、六つ打ち、八つ打ち、十二つ
打ち、十六つ打ち、二十四つ打ち、三十二つ打ち等の形
態に編組みした組紐からなる。またそれらの芯部にモノ
フィラメントまたはマルチフィラメントを入れた形態に
編組した組紐からなるものも含まれる。
【0013】このうち構成する糸条の任意の本数に高強
力繊維である超高分子量ポリオレフィンの延伸物からな
るマルチフィラメントと、ポリエステルモノフィラメン
ト等の繊維とが、引き揃え又は合撚された糸条を使用し
て構成されている。
【0014】ここで使用される超高分子量ポリオレフィ
ンの延伸物からなるマルチフィラメントとしては、軽量
で、かつ、破断強度、耐摩耗性、寸法安定性、及び耐久
性の面で優れた特性を有している、エチレンを主体とす
る重量平均分子量が100万以上の超高分子量ポリエチ
レンを10倍以上の高倍率で延伸することによって得ら
れる超高分子量ポリエチレンが好ましい。
【0015】このような超高分子量ポリエチレン繊維を
得る方法としては、例えば、特開昭59−216912
号公報、特開昭59−216913号公報、特開昭59
−216914号公報、特開昭60−45630号公
報、特開昭60−52647号公報、特開昭60−52
613号公報、特開昭60−59172号公報、特開昭
60−151311号公報、特公平3―57964号公
報等に開示されている公知の方法がある。
【0016】また、高強力繊維と複合化される繊維とし
ては、ポリエステルモノフィラメントを使用するのが好
ましいが、これのみに限定されるものではない。
【0017】これまで一般的に使用されてきたポリエス
テルフィラメントのみを使用した組紐は、ブラインドや
カーテン等の大型化される中、組紐を見えなくする美観
の要求で細径化によって、組紐を構成する糸条に加わる
負荷荷重が増大し、強度不足となるものであり、さらに
負荷荷重が増大するに伴い、糸条が伸長され、これによ
って小さくなるため、摩耗切断されるまでに要する時間
が短くなり、耐摩耗性は必然的に著しく低下するもので
ある。これらの用途で縦軸方向への昇降時に使用される
組紐は絶えず荷重が下に負荷されるため組紐が伸長され
るが、一方横軸方向への開閉時に使用される時は十分な
荷重が掛かっていないため、開閉を繰り返すと組紐構造
故の編み縮みが発生し易くなり短長する問題が生れる。
短長するとこれら組紐と一体構成となっている例えばブ
ラインドのスラットやプリーツそのものが傾いた状態に
なり、商品の景観が損なわれてしまう。また、昇降や開
閉作業で硬くなり支障を来すことになり得る。
【0018】これに対して、高強力繊維とポリエステル
モノフィラメントとを複合化した組紐は、従来素材の組
紐と比較すると、破断強度及び寸法安定性の向上につな
がることは勿論のこと、組紐を構成する糸条の伸長量を
抑制することが可能となり、結果的に耐摩耗性及び耐久
性の向上をもたらすものである。
【0019】前述のこれら用途の組紐に使用する組紐の
要求特性に鑑み、好適な組紐構造の例としては、超高分
子量ポリエチレンフィラメントのみからなる糸条と、ポ
リエステルモノフィラメントのみからなる糸条とを引き
揃え又は撚糸して個別に準備し、例えば前者を4本、後
者を4本使用して、八つ打ちに編み組した組紐が推奨さ
れる。
【0020】この組紐は、荷重が加わった状態でも低伸
度繊維である超高分子量ポリエチレンフィラメントのみ
に荷重応力が集中し、結果的に組紐全体の伸度を小さく
抑えることができるため、荷重が加わった状態で使用し
ても繊維径の低下を招かず、組紐の真円形態を維持し、
組紐との対接触物と摩擦抵抗を小さいままに維持するこ
とが出来、耐摩耗性の向上選られる。
【0021】加えて耐摩耗性をあげるために組紐表面に
樹脂を着色することが考えられる。特に限定されない
が、例えば含浸材としてあげられて溶液はエチレン−ア
クリル酸共重合物、低分子量ポリエチレン、低分子量イ
オノマー、高分子量イオノマー及びポリウレタンの各水
溶液並びに有機溶媒又は鉱油(特に、フィラメントに浸
透する分子量200〜700のもの)中の染料または顔
料を含む。
【0022】
【実施例】(実施例1) 試料構造:シングルブレード構造 超高分子量ポリエチレン繊維(重量平均分子量400
万、破断強度26cN/dTex、破断伸度4%、初期
弾性率880cN/dTex)ダイニーマSK60(登
録商標)(440dTex)とポリステルモノフィラメ
ント(44dTex)の8つ打ち
【0023】(実施例2) 試料構造:ダブルブレード構造 芯部:ポリエステルモノフィラメント(165dTe
x) 鞘部:ダイニーマSK60(登録商標)(330dTe
x)とポリステルモノフィラメント(44dTex)の
8つ打ち
【0024】(比較例2) 試料構造:シングルブレード構造 ダイニーマSK60(登録商標)(220dTex)の
8つ打ち
【0025】
【表1】
【0026】(実施例3)実施例2で使用したブライン
ドコードの評価は耐摩耗性が良好な結果を得た。
【0027】(実施例4)実施例1で使用したプリーツ
網戸コードの評価は耐摩耗性が良好な結果を得た。
【0028】(実施例5)実施例1で使用したプリーツ
網戸コードにエチレン−アクリル酸共重合物を付着した
組紐は良好な結果を得た。
【0029】(実施例6)実施例1で使用したプリーツ
網戸コードにエチレン−アクリル酸共重合物に黒色酸性
染料を含浸させ着色した組紐は良好な結果を得た。
【0030】また対接触物と摩耗されると組紐構造故の
問題点である編み縮みが発生するが、この原因の一つと
して繊維間摩耗が多大に発生することにより組紐構造を
撓ませる現象が発生する。この現象は組紐構造の断面が
真円状であるものを偏平にさせるため、組紐全長が短く
なってしまう。組紐の長さが変化してしまうことは例え
ばブラインドのスラットやプリーツそのものが傾いた状
態になり、商品の景観が損なわれてしまうことに繋が
る。また昇降や開閉作業で硬くなり支障を来すことにな
り得る。
【0031】この問題を解決すべく鞘部を構成する糸条
が高強力繊維と残りに例えばポリエステルモノフィラメ
ントをいれることにより、組紐構造で起こり得る編み縮
みを抑えることが出来る。モノフィラメントはマルチフ
ィラメントと比較して元来繊維断面が大きいことから剛
性が生まれ易い。そのため適度なコシ或いは硬さが生れ
編み縮みが起き難い。これはマルチフィラメントと比較
して繊維本数が極端に少ないことから繊維間摩耗が発生
に難いことによると考えられる。この場合モノフィラメ
ントはポリエステルモノフィラメントだけに限定するも
のではない。
【0032】この編み縮みを証明すべく次の実験を行っ
た。試験装置は、図1に示すように、シートベルト六角
摩耗試験機を用い、六角摩耗棒の代わりにφ9mmセラ
ミックガイドを取りつけたものを用意した。試験サンプ
ル(組紐)は、直径40cmのドラムに一方の端を固定
し、他端をその先のガイドに通した後、そのガイドの下
部にあるセラミック棒で折り返し、再びドラムの下面側
に巻付けながら上面まで持って行き、隣の固定部に固定
する。この他端を固定する際に、組紐繊度に対し、1.1g
/dtexの荷重をかけ、初期テンションとした。試験を開
始する前に、ガイドにて摩耗される部分の長さをマーク
ペンなどで印を付け、その長さを計っておく。ドラムを
6000回往復運転させた後、サンプルを装置から取り
外し、印の間の長さを計り、試験前後での試長変化の割
合を算出した。
【0033】(実施例7) 試料構造:シングルブレード構造 ダイニーマSK60(登録商標)(440dTex)と
ポリステルモノフィラメント(44dTex)の8つ打
【0034】(比較例3) 試料構造:シングルブレード構造 ダイニーマSK60(登録商標)(330dTex)の
8つ打ち
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、従来のポリエステルフ
ィラメントを使用した組紐との比較において、径が細く
ても高い破断強度、耐摩耗性、耐久性、及び寸法安定性
等をバランスよく向上させることができ、特に昇降或い
は開閉を要する用途で従来の100%マルチフィラメン
トを使用した組紐との比較において編み縮みを解消する
効果を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】編み縮みの試験装置の概略図。
【符号の説明】
1:セラミックガイド(磨耗部分)、2:組紐サンプ
ル、3:固定部、4:ドラム、5:クランクアーム、
6:クランク。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の糸条からなる組紐であって、各糸条
    の15〜95重量%を高強力繊維が占めてなることを特
    徴とする組紐。
  2. 【請求項2】高強力繊維が、破断強度15cN/dTe
    x以上、破断伸度15%以下、重量平均分子量100万
    以上、及び初期弾性率500cN/dTex以上のマル
    チフィラメント繊維であることを特徴とする請求項1記
    載の組紐。
  3. 【請求項3】各糸条にモノフィラメントを含有してなる
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の組紐。
  4. 【請求項4】請求項1記載の組紐の芯部にモノフィラメ
    ントまたはマルチフィラメントが配されてなることを特
    徴とする組紐。
  5. 【請求項5】請求項3記載の組紐からなることを特徴と
    するインテリアコード。
  6. 【請求項6】請求項4記載の組紐からなることを特徴と
    するインテリアコード。
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