JP2000016977A - 脂肪族ニトリルの製造方法 - Google Patents
脂肪族ニトリルの製造方法Info
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Abstract
いて、反応温度が 300℃以下で高い活性を持ち、反応液
に難溶の固体触媒を用いて、製品中への触媒の溶解がな
く、高収率でかつ高品質な脂肪族ニトリルを安価に製造
するための方法の提供。 【解決手段】 脂肪族カルボン酸とアンモニアとを、酸
で処理した酸化ニオブの存在下に反応させる脂肪族ニト
リルの製造方法。
Description
な脂肪族ニトリルの製造方法に関する。
ニトリルは、一般に脂肪族カルボン酸又はその誘導体と
アンモニアとの反応によって工業的に作られている。そ
の反応形態としては大別して気相法と液相法がある。気
相法の反応では、Zr, Ta, Ga, In, Sc, Nb, Hf, Fe, Zn
又はSnの酸化物(特開平4−208260)、酸化アルミニウ
ム、シリカゲル、酸化トリウムなどの脱水作用を持つ触
媒を使用して、予め気化させた脂肪族カルボン酸又はそ
の誘導体をアンモニアと共に 250〜600 ℃の温度で接触
させる方法が実施されている。しかし気相法では原料物
質を気化させるために、液相法に比べて比較的エネルギ
ーコストがかかるという欠点を有する。
の存在下で脂肪族カルボン酸又はその誘導体を加熱溶解
させ、この中にアンモニアガスを吹き込むことにより回
分式もしくは連続式で広く行われている。この反応で使
用される触媒としては、コバルトの脂肪族カルボン酸塩
(米国特許第2,493,637 号)、鉄又は鉄化合物(特開昭
58-39653)、酸化亜鉛などが知られている。そのような
触媒は 300℃以下の反応温度で高い触媒活性を示すが、
いずれも反応液に対して溶解し得るもので、反応生成物
からの特別な分離、回収操作が必要となる。そのために
蒸留収率の低下や廃棄物の増加を招くので好ましくな
い。
モニアとの反応において、反応温度が 300℃以下で高い
活性を持ち、反応液に難溶の固体触媒を用いて、製品中
への触媒の溶解がなく、高収率でかつ高品質な脂肪族ニ
トリルを安価に製造するための方法を提供することにあ
る。
した酸化ニオブが触媒として高い活性を持ち、反応液に
難溶な固体であることを見出し、本発明を完成するに至
った。即ち本発明は、脂肪族カルボン酸とアンモニアと
を、酸で処理した酸化ニオブの存在下に反応させる脂肪
族ニトリルの製造方法である。
酸としては、直鎖又は分岐の炭素数6〜22の飽和又は不
飽和脂肪族モノカルボン酸もしくはジカルボン酸が挙げ
られる。これらのカルボン酸は、各々単独或いは2種以
上混合して使用することができる。
プロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、
ベヘン酸、ジメチルオクタン酸、ブチルヘプチルノナン
酸、ヘキセン酸、オクテン酸、デセン酸、ドデセン酸、
テトラデセン酸、ヘキサデセン酸、オクタデセン酸、エ
イコセン酸、ドコセン酸、アジピン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸、ヘキサデカメ
チレンジカルボン酸、オクタデカメチレンジカルボン酸
等が挙げられる。
とは、酸水溶液と酸化ニオブを接触処理したものをい
う。接触させる酸としては、塩酸、ホウ酸、硝酸、硫
酸、リン酸等の無機酸が好ましく、特に塩酸、ホウ酸が
活性、選択性の面から好ましい。酸水溶液の濃度は特に
限定されないが、0.1〜5mol/Lの範囲が触媒活性化効
果の点で好ましく、特に0.5〜5mol/Lが好ましい。ま
たこの時、酸と酸化ニオブとの割合は酸化ニオブ1モル
に対し酸が 0.1〜50モルが好ましく、より好ましくは
0.5〜30モルである。
には、酸が残存していても良いし、残存していなくても
良い。酸が残存している場合には、その存在量は酸化ニ
オブ1モルに対して0.05モル以下が好ましく、特に0.03
モル以下が好ましい。酸の残存が上記範囲であれば、反
応液中に酸が溶出することがほとんどなく、得られた脂
肪族ニトリルを水素還元して脂肪族アミンに誘導する際
に、反応時間が遅延する等の悪影響を及ぼさないため好
ましい。
ニオブ、四酸化ニオブ、三酸化ニオブ、二酸化ニオブ、
一酸化ニオブがあり、どの酸化ニオブを使用しても差し
支えないが、反応性の観点から五酸化ニオブを使用する
のが好ましい。酸化ニオブの形態は特に制限はなく、含
水物を用いても、無水物を用いても良い。
の調製方法は、特に限定されないが、例えば酸化ニオブ
を酸の水溶液に懸濁した後、蒸発乾固、焼成する方法が
用いられる。酸水溶液中での酸化ニオブの懸濁時間は、
特に制限はないが、24時間以上行う方が触媒活性化効果
が大きい。水洗は行っても行わなくても良いが、酸が多
量に残存する場合には、水洗したほうが良い。また焼成
は行っても行わなくても良いが、焼成する場合、焼成温
度には特に制限はないが、500 ℃以下の温度が好まし
い。上記の範囲を越える温度で焼成すると触媒の結晶化
が生じるため、表面積が小さくなり、触媒活性が低下す
る。
よる回分、半回分、連続式でも、また固定床流通式でも
実施できる。反応温度は好ましくは180〜350℃、より好
ましくは250〜300℃の範囲が選定される。反応時の圧力
は、通常やや加圧された状態が選ばれるが、常圧でも良
い。酸で処理した酸化ニオブ触媒の使用量は、懸濁床に
よる回分、半回分、連続式で実施する場合には、カルボ
ン酸に対して 0.1〜10重量%、好ましくは 0.3〜3重量
%である。また固定床流通式で実施する場合には、反応
混合物の触媒層における平均滞留時間は、1秒〜10分が
好ましい。
することによって得られる、高活性で、反応液に難溶の
酸化ニオブを触媒に用いることにより、従来の方法と比
較して、製品中への触媒の溶解がなく、優れた品質の脂
肪族ニトリルを高収率で製造することができ、工業的に
極めて有意義である。
wt%)30.14gと0.5mol/Lのホウ酸水溶液 100mlを加え
て、室温で48時間攪拌し酸処理した後、吸引濾過した。
得られた触媒前駆体をイオン交換水1000ml中で30分間攪
拌し、吸引濾過した。この水洗を3回繰り返した後、 1
00℃で乾燥し、 300℃で3時間焼成してホウ酸で処理し
た酸化ニオブ触媒を得た。
水装置を装備した四つ口フラスコに、上記触媒5.0gとス
テアリン酸500gを混合し、これに 260℃で1050ml/min
のアンモニアガスを5時間に亘って導入して反応させ
た。触媒を分離して得られた反応生成物をガスクロマト
グラフィー[ガスクロ装置:HEWLETT PACKARD Series58
90、カラム:J&W 製、DB-5(内径×長さ:0.53mm×15
m)]で組成分析した結果、ステアロニトリルの生成量
は92.0(GC%)であった。またICP発光分析によって
元素分析した結果、反応生成物中のホウ素及びニオブは
検出限界以下であった。
は実施例1と同様の操作を繰り返し、塩酸で処理した酸
化ニオブ触媒を得た。その触媒を用いて実施例1と同一
条件で反応を行った。反応生成物を実施例1と同様に分
析した。結果を表1に示す。反応生成物中の塩素及びニ
オブは検出限界以下であった。
として用いて、実施例1と同様に反応を行った。結果を
表1に示した。
外は実施例1と同様の操作を繰り返し、ホウ酸で処理し
た酸化ニオブ触媒を得た。その触媒を用いて実施例1と
同一条件で反応を行った。反応生成物を実施例1と同様
に分析した。結果を表1に示す。いずれも反応生成物中
にはホウ素及びニオブは検出されなかった。
時間を表1に示した値に変更した以外は実施例1と同様
に反応した。反応生成物を実施例1と同様に分析した。
結果を表1に示す。いずれも反応生成物中にはホウ素及
びニオブは検出されなかった。
わりにラウリン酸を用いた以外は実施例1と同様に反応
した。反応生成物を実施例1と同様に分析した。ラウロ
ニトリルの生成量は91.0(GC%)であり、また反応生成
物中にはホウ素及びニオブは検出されなかった。
ウ酸で処理した酸化ニオブ粉末を押し出し成形した後、
300℃で3時間焼成して成形触媒を得た。その触媒1.0g
を内径10mm、長さ500mm のステンレス製筒状反応管の中
央部に充填した。アンモニアガスを883 mL/hr、ステア
リン酸を1.5g/hrの速度で反応管の上部から供給し、 2
60℃、常圧下で反応させた。得られた反応生成物は気液
分離処理し、次いで実施例1と同様にガスクロマトグラ
フィーでステアロニトリル生成量を測定した結果、99.5
(GC%)であった。また反応生成物中のホウ素及びニオ
ブは検出限界以下であった。
Claims (4)
- 【請求項1】 脂肪族カルボン酸とアンモニアとを、酸
で処理した酸化ニオブの存在下に反応させる脂肪族ニト
リルの製造方法。 - 【請求項2】 0.1〜5 mol/Lの濃度の酸水溶液で処
理した酸化ニオブを用いる請求項1記載の脂肪族ニトリ
ルの製造方法。 - 【請求項3】 酸が、塩酸又はホウ酸である請求項1又
は2記載の脂肪族ニトリルの製造方法。 - 【請求項4】 炭素数6〜22の脂肪族カルボン酸を用い
る請求項1〜3のいずれか一項に記載の脂肪族ニトリル
の製造方法。
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JP11799099A JP4219481B2 (ja) | 1998-04-27 | 1999-04-26 | 脂肪族ニトリルの製造方法 |
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---|---|---|---|---|
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WO2013079849A1 (fr) | 2011-12-01 | 2013-06-06 | Arkema France | Procede de coupure de chaines grasses insaturees |
US8835661B2 (en) | 2011-08-26 | 2014-09-16 | Arkema France | Process for the synthesis of C11 and C12 omega-aminoalkanoic acid esters comprising a nitrilation step |
US10287238B2 (en) | 2013-02-20 | 2019-05-14 | Arkema France | Gas-phase and liquid-gas-phase nitrilation process |
-
1999
- 1999-04-26 JP JP11799099A patent/JP4219481B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US8835661B2 (en) | 2011-08-26 | 2014-09-16 | Arkema France | Process for the synthesis of C11 and C12 omega-aminoalkanoic acid esters comprising a nitrilation step |
WO2013079849A1 (fr) | 2011-12-01 | 2013-06-06 | Arkema France | Procede de coupure de chaines grasses insaturees |
US9035079B2 (en) | 2011-12-01 | 2015-05-19 | Arkema France | Method for cleaving unsaturated fatty chains |
US10287238B2 (en) | 2013-02-20 | 2019-05-14 | Arkema France | Gas-phase and liquid-gas-phase nitrilation process |
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