JP2000016383A - コンクリート製浮体構造物 - Google Patents

コンクリート製浮体構造物

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JP2000016383A
JP2000016383A JP10189295A JP18929598A JP2000016383A JP 2000016383 A JP2000016383 A JP 2000016383A JP 10189295 A JP10189295 A JP 10189295A JP 18929598 A JP18929598 A JP 18929598A JP 2000016383 A JP2000016383 A JP 2000016383A
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Haruo Aoki
治雄 青木
Eitaro Yoshitomi
英太郎 吉冨
Shigeo Sugo
茂夫 須郷
Kazuo Ishiguro
和男 石黒
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Fujita Corp
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Fujita Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性に優れ、水の浸透による沈みまたは劣
化に対する心配のない強固なコンクリート製浮体構造物
を提供すること。 【解決手段】 コンクリート製浮体構造物12は、内部
に空間部1402を有する外側部材14と、空間部14
02に収容される内側部材16とを備えている。外側部
材14のコンクリートとしては従来のコンクリートの他
に軽量コンクリートを用いることができる。内側部材1
6は比重が1.0以下の軽量コンクリートによりに形成
され、空間部1402に縦横上下に隙間なく並べられて
複数収容されている。内側部材16の表面は遮水性およ
び気密性を有する被覆層18により覆われ、コンクリー
ト製浮体構造物12は全体として比重が1.0以下に形
成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はできた構造物の比重
が1.0未満になり、その軽い比重のために水に浮くコ
ンクリート製浮体構造物に関するものであり、特に、水
上の飛行場や、水上都市などの大型構造物、または桟橋
用の小型構造物などに好適なコンクリート製浮体構造物
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリート製の浮体構造物とし
て、中空状に形成されたコンクリートと、このコンクリ
ートの内部空間に充填された発泡スチロールからなるも
のが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな浮体構造物では、コンクリートから水が浸透し、発
泡スチロールが吸水するので、結果として浮体構造物の
比重が重くなりやすかった。また、浸透した水のために
発泡スチロールが劣化しやすく、結果として浮体構造物
の耐久性に対する不安があった。本発明は前記事情に鑑
み案出されたものであって、本発明の目的は、耐久性に
優れ、水の浸透による沈みまたは劣化に対する心配のな
い強固なコンクリート製浮体構造物を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明のコンクリート製浮体構造物は、内部に空間部を
有する中空状の外側部材と、前記空間部に収容される内
側部材とからなり、前記外側部材はコンクリートにより
形成され、前記内側部材は、比重が1.0以下の軽量コ
ンクリートにより形成され、前記内側部材の表面は、水
および空気の通過を不能とした遮水性および気密性を有
する被覆層により覆われ、前記外側部材と内側部材は、
全体として比重が1.0以下に形成されていることを特
徴とする。また、本発明は、前記外側部材を形成するコ
ンクリートが軽量コンクリートであることを特徴とす
る。また、本発明は、前記外側部材を形成するコンクリ
ートが鉄筋コンクリートであることを特徴とする。ま
た、本発明は、前記内側部材を形成する軽量コンクリー
トが、気泡モルタル、気泡コンクリート、発泡モルタ
ル、発泡コンクリート、超軽量骨材を用いた超軽量モル
タル、超軽量骨材を用いた超軽量コンクリートの何れか
であることを特徴とする。また、本発明は、前記被覆層
が、合成樹脂製またはゴム製のシートが内側部材の表面
に取着されることで構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記被覆層が、防水塗料が内側部材の
表面に塗布され、あるいは、防水モルタルが内側部材の
表面に吹き付けられることで構成されていることを特徴
とする。また、本発明は、前記被覆層が、合成樹脂から
なる層が内側部材の表面に形成されることで構成されて
いることを特徴とする。また、本発明は、前記外側部材
の内面が、水および空気の通過を不能とした遮水性およ
び気密性を有する被覆層により覆われていることを特徴
とする。また、本発明は、前記被覆層が、合成樹脂製ま
たはゴム製のシートが外側部材の内面に取着されること
で構成されていることを特徴とする。また、本発明は、
前記空間部に複数の内側部材が収容されていることを特
徴とする。また、本発明は、前記複数の内側部材が前記
空間部内において隙間なく並べられて収容されているこ
とを特徴とする。また、本発明は、前記複数の内側部材
が前記空間部内において隙間が確保されるように並べら
れて収容されていることを特徴とする。また、本発明
は、前記空間部に、内側部材に加えて中空状の物が混入
されていることを特徴とする。また、本発明は、前記中
空状の物は、口が閉じられたペットボトルまたは口が閉
じられたあきびんであることを特徴とする。また、本発
明は、前記空間部に単一の内側部材が収容されているこ
とを特徴とする。また、本発明は、前記外側部材の内部
に壁部が設けられ、前記空間部は前記壁部により複数に
仕切られ、前記内側部材は各空間部に収容されているこ
とを特徴とする。また、本発明は、前記外側部材の外形
が矩形板状に形成され、前記外側部材の内部空間と前記
内側部材は共に矩形板状に形成されていることを特徴と
する。
【0005】本発明では、内側部材が水を吸水せず、劣
化しない。また、外側部材と内側部材が共にコンクリー
ト製である。したがって、本発明によれば、比重の変動
がなく耐久性に優れた強固なコンクリート製浮体構造物
が得られる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に従って説明する。図1は実施の形態に係るコンクリー
ト製浮体構造物の斜視図、図2は図1のAA線断面図、
図3は図1のBB線断面図、図4(A)は内側部材の平面
図、(B)は内側部材の断面正面図、(C)は内側部材の側
面図である。本実施の形態に係るコンクリート製浮体構
造物12は、内部に空間部1402を有する中空状の外
側部材14と、前記空間部1402に収容される内側部
材16とを備えている。
【0007】前記外側部材14はコンクリートにより外
形が矩形板状に形成されており、その寸法は、例えば、
幅が2.5m、高さが1.2m、長さが10mである。
前記外側部材14は上面部と、下面部と、前面部と、後
面部と、左面部と、右面部との6つの面部から構成さ
れ、各面部の厚さは、例えば、15cmである。外側部
材14のコンクリートとしては、従来のコンクリートの
他に、気泡コンクリートや発泡コンクリートなどを含む
軽量コンクリートを用いることができる。外側部材14
として、コンクリートの内部に鉄筋を配筋した鉄筋コン
クリートを用いれば、コンクリート製浮体構造物12の
強度、剛性を高める上で有利となり、また、軽量コンク
リートを用いれば、軽量化を図る上で有利となる。外側
部材14は、型枠内にコンクリートを打ち込んで形成し
てもよいし、あるいは、予め工場で生産されたプレキャ
ストコンクリート板を組み立てることで形成してもよい
し、これらの組み合わせでもよい。
【0008】前記内側部材16は、比重が1.0以下の
材料により矩形板状に形成され、空間部1402に縦横
上下に隙間なく並べられて複数収容されている。前記内
側部材16の表面は、水および空気の通過を不能とした
遮水性および気密性を有する被覆層18により覆われ、
コンクリート製浮体構造物12は全体として比重が1.
0以下に形成されている。前記内側部材16を構成する
材料としては、比重が1.0以下の軽量コンクリートを
用いることができる。なお、本発明において「軽量コン
クリート」は、モルタルや超軽量コンクリートを含んだ
広い概念であり、内側部材16を構成する軽量コンクリ
ートして、気泡モルタルや、気泡コンクリート、発泡モ
ルタル、発泡コンクリート、超軽量骨材を用いた超軽量
モルタル、超軽量骨材を用いた超軽量コンクリートなど
を用いることができる。超軽量骨材を用いた超軽量モル
タルまたはコンクリートに気泡を用いたモルタルまたは
コンクリートの比重は0.2程度まで軽くすることは簡
単であり、このように比重を小さくするとコンクリート
製浮体構造物12の軽量化を図る上で有利となる。ま
た、内側部材16を構成するコンクリートとしておこし
状のコンクリートも用いることができる。なお、内側部
材16のコンクリートに用いる軽量骨材は、特に制限が
ない。天然軽量骨材も人工軽量骨材も用いることができ
る。例えば、大島産の天然軽量骨材も榛名産の天然軽量
骨材も用いることができる。人工軽量骨材としては
(株)サンライト社製、商品名Gライト、日本メサライ
ト工業(株)社製、商品名メサライト細・粗骨材等が揚
げられる。また、内側部材16のコンクリートに用いる
セメントは特に制限がない。例えば、普通ポルトランド
セメント、早強ポルトランドセメント、高炉セメント、
アルミナセメント、三成分セメントなども用いることが
できる。なお、空間部1402内においてその外側に位
置する内側部材16どうしを隙間なく並べておくと、コ
ンクリートを打設して外側部材14を形成する際に、内
側部材16をコンクリート型枠としても利用でき、便利
となる。
【0009】前記被覆層18は、ビニールシートやアク
リルシート、ゴムシートなどのような合成樹脂製または
ゴム製のシートが内側部材16の表面に取着されること
で構成されている。このようなシートとしてアスファル
トシートも利用可能である。なお、被覆層18は、防水
塗料を内側部材16の表面に塗布し、あるいは、防水モ
ルタルを内側部材16の表面に吹き付けることで構成す
ることも可能である。また、防水ペーストを内側部材1
6の表面に塗布して構成することも可能である。また、
被覆層18は、ポリエチレン、テフロン、エポキシ、ア
クリルなどのような有機化合物を内側部材の表面に層状
に(膜状に)形成することで構成することも可能である。
【0010】本実施の形態に係るコンクリート製浮体構
造物12は、外側部材14の内部に水が浸入しても、内
側部材16の表面は被覆層18により覆われているの
で、内側部材16の内部に水が侵入できない。したがっ
て、耐久性に優れ、水の浸透による沈みまたは劣化に対
する心配のないコンクリート製浮体構造物12が得られ
る。また、コンクリート製浮体構造物12は外側部材1
4と内側部材16からなり、外側部材14と内側部材1
6は共にコンクリート製であるので、コンクリート製浮
体構造物12の強度、剛性は高い。実施の形態では、外
側部材14の内側に複数の内側部材16を隙間なく並べ
ているので、強度、剛性を高める上でより有利となって
いる。また、コンクリート製浮体構造物12の内部の充
填物の荷重状況が把握しやすく、調整しやすいので、浮
力や揚げ能力も自由に選択でき、コンクリート製浮体構
造物12の水平性を確保しやすい。
【0011】なお、外側部材14の内面全域を、水およ
び空気の通過を不能とした遮水性および気密性を有する
被覆層で覆うようにしてもよく、このようにすると水が
空間部1402に侵入しないので、コンクリート製浮体
構造物12の比重の変動を抑える上でより有利となる。
このような被覆層は、例えば、ビニールシートやアクリ
ルシート、ゴムシートなどのような合成樹脂製またはゴ
ム製のシートを外側部材14の内面に取着することで構
成される。また、外側部材14の内面に被覆層を設けた
場合に、図5に示すように、長さの異なる内側部材16
02を混ぜて空間部1402内において隙間Sが確保さ
れるように並べると、コンクリート製浮体構造物12の
軽量化を図る上で有利となる。また、複数の内側部材1
6に加え中空状の物を混入することも可能である。この
場合の中空状の物として、口が閉じられたペットボト
ル、口が閉じられたあきびん、サッカーボールなどのよ
うな廃材が挙げられる。これらの廃材を利用してコンク
リート製浮体構造物12を作れば、廃材の量を削減する
上でも有利となる。また、実施の形態では複数の内側部
材16を用いた場合について説明したが、内側部材16
は単一であってもよい。また、実施の形態では、外側部
材14の内側に単一の空間部1402が形成されている
場合について説明したが、空間部1402を複数として
もよい。外側部材14の内側に壁部を設け、外側部材1
4の内側に複数の空間部1402を形成した場合には、
各空間部1402に前記と同様に内側部材16が収容さ
れる。さらに、外側部材14や内側部材16の大きさや
形状も任意である。例えば、外側部材14の形状を平面
視した場合に、三角形や台形に、あるいは円板状や楕円
状に、あるいはS字状やX字状、Y字状に、あるいは矩
形枠状や三角形の枠状、環板状に形成するなど任意であ
る。また、内側部材16の形状は、このような外側部材
14の形状に対応した適宜形状とされる。
【0012】以下、本発明の実施例を説明する。 (実施例1)高さ1.2m×横10m×幅2.5mの全
容積30m3のコンクリート製浮体構造物12を製造し
た。鉄筋コンクリートできた外側部材14の厚さは15
cm、空間部1402の容積は19.206m3であ
る。外側部材14に用いたコンクリートは人工軽量コン
クリートでありセメントは早強セメントを、骨材は日本
メサライト工業(株)社製の商品名、人工軽量骨材メサ
ライト細・粗骨材を絶乾状態で用いた。減水剤はポリカ
ルボン酸系であり日本シーカ(株)社製の商品名、シー
カメント2500を、AE剤はシーカAER−Gを用い
た。このコンクリートの材齢28日における比重は1.
5、圧縮強度は50N/mm2であった。内側部材16
に用いた軽量コンクリートは気泡入り人工軽量コンクリ
ートであり、セメントは早強セメントを、細骨材は芙蓉
パーライト(株)社製の商品名、フヨーライトを、粗骨
材は(株)サンライト(株)社製の商品名、Gライト
を、減水剤はポリカルボン酸系であり日本油脂(株)社
製の商品名、マリアリムを、AE剤はAE−5を用い
た。気泡剤として(株)セルフォーム技術研究所社製の
商品名、セルフォームL−50を、気泡発生装置は
(株)セルフォーム技術研究所社製の商品名、セルエー
スを用いた。この気泡入り人工軽量コンクリートの材齢
28日における比重は0.25、圧縮強度は5N/mm
2であった。
【0013】[実施例1の製造方法]外側部材14は厚
さ15cmの鉄筋入り軽量コンクリートの二次部材(プ
レキャストコンクリート)で、内側部材16も軽量コン
クリートの二次部材がポリエチレンシートで覆われた大
きさが50×50×50cm、30×30×30cm、
40×40×40cmの立方体を用いた。製造順は先ず
コンクリート製浮体構造物12の底になる床版を厚さ1
5cmの二次部材で製作し、表面がポリエチレンシート
で隙間のないように覆われた大きさが50×50×50
cm、30×30×30cm、40×40×40cmの
立方体の内側部材16を積み上げた。その後、外側部材
14の前後左右面部と上面部に相当する部分を厚さ15
cmの二次部材で組立て、コンクリート製浮体構造物1
2の製造を完了した。できたコンクリート製浮体構造物
12の重さは21tであり、コンクリート製浮体構造物
12の比重は0.7であった。
【0014】(実施例2)実施例1と同じ大きさのコン
クリート製浮体構造物12を同じ材料、同じ製造順で、
外側部材14の内面に、厚さ2mmのビニール・シート
を設けた。即ち、製造順は先ずコンクリート製浮体構造
物12の底になる床版を厚さ15cmの二次部材で製作
し、その上に厚さ2mmのビニール・シートをひき、そ
の後その上に、表面がポリエチレンシートで隙間のない
ように覆った50×50×50cm、30×30×30
cm、40×40×40cmの内側部材16を積み上げ
た。その後、積み上げられた内側部材16の外面を厚さ
2mmのビニール・シートで覆った。覆ったビニール・
シートには隙間がないように配慮した上、外側部材14
の前後左右面部と上面部に相当する部分を厚さ15cm
の二次部材で組立て、コンクリート製浮体構造物12の
製造を完了した。できたコンクリート製浮体構造物12
の重さは、実施例1の場合と大差はなかった。
【0015】(実施例3)高さ1.2m×横10m×幅
2.5mの全容積30m3のコンクリート製浮体構造物
12を製造した。鉄筋コンクリートできた外側部材14
の厚さは15cm、横5mの位置に厚さ15cmの間仕
切り壁を設けた。間仕切り壁により内部は二つの空間部
1402に仕切られ、各空間部1402の容積は9.4
5m3である。外側部材14及び間仕切り壁に用いたコ
ンクリートは人工軽量コンクリートでありセメントは早
強セメントを、細骨材は(株)サンライト(株)社製の
商品名、Gライトを、粗骨材は日本メサライト工業
(株)社製の商品名、スーパーメサライトを各々絶乾状
態で用いた。減水剤はポリカルボン酸系であり日本油脂
(株)社製の商品名、マリアリムを、AE剤はAE−5
を用いた。このコンクリートの材齢28日における比重
は1.1、圧縮強度は33N/mm2であった。内側部
材14に用いたコンクリートは気泡入り人工軽量コンク
リートでありセメントは早強セメントを、細骨材は芙蓉
パーライト(株)社製の商品名、フヨーライトを、粗骨
材は(株)サンライト(株)社製の商品名、Gライト
を、減水剤はポリカルボン酸系でありエヌエムビー
(株)社製の商品名、SP−8HEを、AE剤は775
Sを用いた。気泡剤として竹本油脂(株)社製の商品
名、気泡剤エアーセットAを、気泡発生装置は(株)セ
ルフォーム技術研究所社製の商品名、セルエースを用い
た。この気泡入り人工軽量コンクリートの材齢28日に
おける比重は0.3、圧縮強度は6N/mm2であっ
た。
【0016】[実施例3の製造方法]製造順は先ずコン
クリート製浮体構造物12の底になる床版を厚さ15c
mの鉄筋入り軽量コンクリートで打設し、養生を行っ
た。この床版が硬化した後、外側部材14の前後左右面
部に相当する部分と間仕切り壁を厚さ15cmの二次部
材で組立て、その内部には厚さ3mmのビニール・シー
トをひき、ビニール・シートの内側に気泡入り人工軽量
コンクリートを一気に打設し、養生を行い内側部材16
を作った。この内側部材16を構成する気泡入り人工軽
量コンクリートが硬化した後、さらに内側部材16の上
面にビニール・シートをひき、ビニール・シートに隙間
がないようにした上、外側部材14の上面部に相当する
部分を厚さ15cmの二次部材で組立て、コンクリート
製浮体構造物12の製造を完了した。できたコンクリー
ト製浮体構造物12の重さは19tであり、比重は0.
64であった。
【0017】(実施例4)実施例3のコンクリート製浮
体構造物12と同じ大きさ、同じ構造のコンクリート製
浮体構造物12を製造した。外側部材14及び間仕切り
壁に用いたコンクリートは人工軽量コンクリートであり
セメントは高炉セメントB種を、細骨材は(株)サンラ
イト(株)社製の商品名、Gライトを、粗骨材は日本メ
サライト工業(株)社製の商品名、スーパーメサライト
を各々絶乾状態で用いた。減水剤はポリカルボン酸系で
あり日本油脂(株)社製の商品名、マリアリムを、AE
剤はAE−5を用いた。このコンクリートの材齢28日
における比重は1.05、圧縮強度は31N/mm2
あった。内側部材16を構成するコンクリートは気泡入
り人工軽量コンクリートでありセメントは早強セメント
を、細骨材は芙蓉パーライト(株)社製の商品名、フヨ
ーライトを、粗骨材は(株)サンライト(株)社製の商
品名、Gライトを、減水剤はポリカルボン酸系であり日
本油脂(株)社製の商品名、マリアリムを、AE剤はA
E−5を用いた。気泡剤として(株)セルフォーム技術
研究所社製の商品名、セルフォームL−50を、気泡発
生装置は(株)セルフォーム技術研究所社製の商品名、
セルエースを用いた。この気泡入り人工軽量コンクリー
トの材齢28日における比重は0.25、圧縮強度は5
N/mm2であった。
【0018】[実施例4の製造方法]外側部材14と間
仕切壁は厚さ15cmの鉄筋入り軽量コンクリートの二
次部材で、内側部材16は軽量コンクリートの二次部材
の表面をポリエチレンシートで覆った50×50×50
cm、30×30×30cm、40×40×40cmの
立方体を用いた。製造順は先ずコンクリート製浮体構造
物12の底になる床版と間仕切り壁を厚さ15cmの二
次部材で製作し、その上に、表面をポリエチレンシート
で隙間のないように覆った50×50×50cm、30
×30×30cm、40×40×40cmの内側部材1
6を積み上げた。その後、外側部材14の前後左右面部
に相当する部分を厚さ15cmの二次部材で組立てた
後、上面部に相当する部分に配筋を施した後、生コンを
打設し、本発明によるコンクリート製浮体構造物12の
製造を完了した。できたコンクリート製浮体構造物12
の重さは20tであり、比重は0.67であった。
【0019】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明のコ
ンクリート製浮体構造物は、内部に空間部を有する中空
状の外側部材と、前記空間部に収容される内側部材とか
らなり、前記外側部材はコンクリートにより形成され、
前記内側部材は、比重が1.0以下の軽量コンクリート
により形成され、前記内側部材の表面は、水および空気
の通過を不能とした遮水性および気密性を有する被覆層
により覆われ、前記外側部材と内側部材は、全体として
比重が1.0以下に形成されている構成とした。そのた
め、内側部材が水を吸水せず劣化しなので、耐久性に優
れ、外側部材および内側部材が共にコンクリート製であ
るので強度剛性にも優れ、水の浸透による沈みまたは劣
化に対する心配がない強固なコンクリート製浮体構造物
が得られる。そして、内側部材の荷重状況も把握しやす
く、調整しやすいので、結果的にコンクリート製浮体構
造物の水平性も確保しやすい。本発明のコンクリート製
浮体構造物は幾らでも大きくでき、また、連結して用い
る個体としてのコンクリート製浮体構造物の生産にも適
している。また浮力も選定しやすいので、本発明による
コンクリート製浮体構造物は、水上の飛行場、水上都市
などの大型構造物にも、または桟橋用の小型構造物に好
適である。また、本発明によるコンクリート製浮体構造
物は、組立手法、連続打設手法も適用できるので、施工
手法は工業化しやすく、施工期間も短く、経済的であ
る。また、本発明によるコンクリート製浮体構造物は、
補修しやすい。なお部分的な材料の取り替えがしやすい
ので、使用しながら目的に合わせて性能を変えることが
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るコンクリート製浮体構造物の
斜視図である。
【図2】図1のAA線断面図(断面平面図)である。
【図3】図1のBB線断面図(断面正面図)である。
【図4】(A)は内側部材の平面図、(B)は内側部材の断
面正面図、(C)は内側部材の側面図である。
【図5】図2と同様な図で長さの異なる内側部材を混入
した説明図である。
【符号の説明】
12 コンクリート製浮体構造物 14 外側部材 16 内側部材 18 被覆層
フロントページの続き (72)発明者 須郷 茂夫 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目6番15号 株 式会社フジタ内 (72)発明者 石黒 和男 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目6番15号 株 式会社フジタ内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に空間部を有する中空状の外側部材
    と、 前記空間部に収容される内側部材とからなり、 前記外側部材はコンクリートにより形成され、 前記内側部材は、比重が1.0以下の軽量コンクリート
    により形成され、 前記内側部材の表面は、水および空気の通過を不能とし
    た遮水性および気密性を有する被覆層により覆われ、 前記外側部材と内側部材は、全体として比重が1.0以
    下に形成されている、 ことを特徴とするコンクリート製浮体構造物。
  2. 【請求項2】 前記外側部材を形成するコンクリートは
    軽量コンクリートであることを特徴とする請求項1記載
    のコンクリート製浮体構造物。
  3. 【請求項3】 前記外側部材を形成するコンクリートは
    鉄筋コンクリートであることを特徴とする請求項1また
    は2記載のコンクリート製浮体構造物。
  4. 【請求項4】 前記内側部材を形成する軽量コンクリー
    トは、気泡モルタル、気泡コンクリート、発泡モルタ
    ル、発泡コンクリート、超軽量骨材を用いた超軽量モル
    タル、超軽量骨材を用いた超軽量コンクリートの何れか
    であることを特徴とする請求項1乃至3に何れか1項記
    載のコンクリート製浮体構造物。
  5. 【請求項5】 前記被覆層は、合成樹脂製またはゴム製
    のシートが内側部材の表面に取着されることで構成され
    ていることを特徴とする請求項1乃至4に何れか1項記
    載のコンクリート製浮体構造物。
  6. 【請求項6】 前記被覆層は、防水塗料が内側部材の表
    面に塗布され、あるいは、防水モルタルが内側部材の表
    面に吹き付けられることで構成されていることを特徴と
    する請求項1乃至4に何れか1項記載のコンクリート製
    浮体構造物。
  7. 【請求項7】 前記被覆層は、合成樹脂からなる層が内
    側部材の表面に形成されることで構成されていることを
    特徴とする請求項1乃至4に何れか1項記載のコンクリ
    ート製浮体構造物。
  8. 【請求項8】 前記外側部材の内面は、水および空気の
    通過を不能とした遮水性および気密性を有する被覆層に
    より覆われていることを特徴とする請求項1乃至7に何
    れか1項記載のコンクリート製浮体構造物。
  9. 【請求項9】 前記被覆層は、合成樹脂製またはゴム製
    のシートが外側部材の内面に取着されることで構成され
    ていることを特徴とする請求項8記載のコンクリート製
    浮体構造物。
  10. 【請求項10】 前記空間部に複数の内側部材が収容さ
    れていることを特徴とする請求項1乃至9に何れか1項
    記載のコンクリート製浮体構造物。
  11. 【請求項11】 前記複数の内側部材は前記空間部内に
    おいて隙間なく並べられて収容されていることを特徴と
    する請求項10記載のコンクリート製浮体構造物。
  12. 【請求項12】 前記複数の内側部材は前記空間部内に
    おいて隙間が確保されるように並べられて収容されてい
    ることを特徴とする請求項10記載のコンクリート製浮
    体構造物。
  13. 【請求項13】 前記空間部に、内側部材に加えて中空
    状の物が混入されていることを特徴とする請求項8また
    は9記載のコンクリート製浮体構造物。
  14. 【請求項14】 前記中空状の物は、口が閉じられたペ
    ットボトルまたは口が閉じられたあきびんであることを
    特徴とする請求項13記載のコンクリート製浮体構造
    物。
  15. 【請求項15】 前記空間部に単一の内側部材が収容さ
    れていることを特徴とする請求項1乃至9に何れか1項
    記載のコンクリート製浮体構造物。
  16. 【請求項16】 前記外側部材の内部に壁部が設けら
    れ、前記空間部は前記壁部により複数に仕切られ、前記
    内側部材は各空間部に収容されていることを特徴とする
    請求項1乃至15に何れか1項記載のコンクリート製浮
    体構造物。
  17. 【請求項17】 前記外側部材の外形は矩形板状に形成
    され、前記外側部材の内部空間と前記内側部材は共に矩
    形板状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至
    16に何れか1項記載のコンクリート製浮体構造物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006085592A1 (ja) * 2005-02-10 2006-08-17 Takeshi Hayashi 浸水浮上建築物およびその施工方法
JP2019500255A (ja) * 2016-01-04 2019-01-10 京東方科技集團股▲ふん▼有限公司Boe Technology Group Co.,Ltd. 水上光発電システム

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