JP4421032B2 - コンクリート製浮体構造物とその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はできた構造物の比重が1.0未満になり、その軽い比重のために水に浮くコンクリート製浮体構造物に関するものであり、特に、水上の飛行場や、水上都市などの大型構造物、または桟橋用の小型構造物などに好適なコンクリート製浮体構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンクリート製の浮体構造物として、中空状に形成されたコンクリートと、このコンクリートの内部空間に充填された発泡スチロールからなるポンツーンが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のポンツーンでは、コンクリートから水が浸透し、発泡スチロールが吸水するので、結果として浮体構造物の比重が重くなりやすかった。
また、浸透した水のために発泡スチロールが劣化しやすく、結果として浮体構造物の耐久性に対する不安があった。
また、内部に隔壁が設けられたポンツーンでは、製作時、内部型枠および支保工の施工が必要で、使用した内部型枠は、小径のマンホールにより搬出するため、材料の再利用が困難となり、内部型枠、支保工作業により施工日数も長期間必要となり、製作費が増大する不具合があった。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、耐久性に優れ、水の浸透による沈みまたは劣化に対する心配がなく、製造作業の省力化を図ることができる強固なコンクリート製浮体構造物を提供することにある。
また、本発明の目的は、製造作業のより省力化を図ることができるコンクリート製浮体構造物の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明は、コンクリート部と、このコンクリート部に埋設されたパイプフレームとからなるコンクリート製浮体構造物であって、前記パイプフレームは、長さを有するパイプ材と、このパイプ材の両端を閉塞する蓋材とで、その内部に閉塞された空間部が形成されるように構成され、前記パイプフレームは、水および空気の通過を不能とした遮水性および気密性を有すると共に、前記コンクリート部の補強部材として機能するように強度、剛性を有する材料により形成され、前記コンクリート部とパイプフレームとは全体として比重が1.0未満に形成され、前記コンクリート部は、比重の異なる複数種類のコンクリートで構成され、前記コンクリート部の下方に位置する箇所と上方に位置する箇所では、下方に位置するコンクリートの比重は、上方に位置するコンクリートの比重よりも大きいことを特徴とする。
【0005】
また、本発明は、コンクリート部と、このコンクリート部に埋設されたパイプフレームとからなり、全体として比重が1.0未満の板状のコンクリート製浮体構造物を製造する方法であって、前記コンクリート部の底壁全体と側面全体をなすコンクリート部分を予め形成しておき、前記コンクリート部分の底壁の上にパイプフレームを設置し、前記コンクリート部分をコンクリート型枠としてコンクリート部分の内部にコンクリートを打設してコンクリート製浮体構造物を得るようにしたことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は第1の実施の形態に係るコンクリート製浮体構造物の断面側面図、図2(A)はコンクリート部とパイプフレームの関係を示す平面図、(B)は同正面図、図3(A)はコンクリート部とパイプフレームと補強筋との関係を示す平面図、(B)は同正面図を示す。
第1の実施の形態に係るコンクリート製浮体構造物12は、コンクリート部14と、このコンクリート部14に埋設されたパイプフレーム16と、補強筋18とで構成されている。
【0007】
前記コンクリート製浮体構造物12の外形、すなわちコンクリート部14の外形は、幅と厚さと長さを有する板状に形成され、したがって、コンクリート部14の上面1402と下面1404は平行している。さらに詳細には、厚さよりも幅が大きく、幅よりも長さが極めて大きい長方形断面の板状に形成されている。
【0008】
前記コンクリート部14を構成するコンクリートとしては、通常のコンクリートの他に、比重が1.7以下の軽量コンクリートや、気泡モルタル、気泡コンクリート、発泡モルタル、発泡コンクリート、超軽量骨材を用いた超軽量モルタル、超軽量骨材を用いた超軽量コンクリートを用いることができる。なお、本発明において、「コンクリート」はモルタルを含む広い概念である。
また、コンクリート部14を構成するコンクリートとしては、コンクリートに繊維を混入した繊維補強コンクリートを用いることができる。この場合には繊維として、金属製の繊維の他、炭素繊維やアラミド繊維などのような有機材製の繊維や、商品名「ワラストナイト」などのような無機材製の繊維、あるいはこれらの繊維を組み合わせて用いることができる。
超軽量骨材を用いた超軽量モルタル、または、コンクリートに気泡を混入した気泡コンクリートまたは気泡モルタルの比重は、0.2程度まで軽くすることができる。
【0009】
本発明の軽量コンクリートに用いる軽量骨材は、特に制限がない。天然軽量骨材も人工軽量骨材も用いることができる。例えば、大島産の天然軽量骨材も榛名産の天然軽量骨材も用いることができる。人工軽量骨材としては(株)サンライト社製、商品名Gライト、日本メサライト工業(株)社製、商品名メサライト細・粗骨材、スーパメサライト粗骨材、太平洋セメント(株)社製、商品名マイクロセルズ等が揚げられる。
また、上記のコンクリートに用いるセメントは特に制限がない。例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、高炉セメント、アルミナセメント、三成分セメントなども用いることができる。
また、軽量コンクリートは、連続打設ができ、また、単味でも異種でも採用ができる。またコンクリート二次部材を用いることもできる。
コンクリート部14に、比重が1.0以下のモルタルやコンクリートを用いることで、コンクリート部14表面からパイプフレーム16までのかぶり厚さや、補強筋までのかぶり厚さを大きく取れ、耐久性に優れるコンクリート製浮体構造物12を得る上で有利となる。
【0010】
前記パイプフレーム16は、断面が円形で長さを有するパイプ材1602と、このパイプ材1602の両端を閉塞する円板状の蓋材1604と、前記パイプ材1602と蓋材1604によりその内部に閉塞された円柱状の空間部1606とから構成されている。パイプフレーム16はその閉塞された空間部1606によりコンクリート製浮体構造物12の比重を小さくする部材として機能すると共に、後述するようにコンクリート製浮体構造物12の構造体としても機能する。
前記パイプフレーム16はコンクリート部14の幅方向に等間隔をおきコンクリート部14の幅方向に3本並べて配設されている。
前記パイプフレーム16は、図2に示すように、コンクリート製浮体構造物12の安定性を高めるため、コンクリート部14の上面1402および下面1404ならびにコンクリート部14の長さ方向に平行するように埋設され、パイプフレーム16はコンクリート部14の全長にわたって延在するように配設されている。
【0011】
前記パイプフレーム16はコンクリート部14の補強部材として機能する材料、言い換えると構造体として機能する材料で、かつ、水および空気の通過を不能とした遮水性および気密性を有する材料から形成されている。このような材料として、例えば、鋼材やアルミニウム合金などの金属材料からなる管体、あるいはこれら金属材料製の管体にめっきを施したもの、金属材料製の管体の内周面や外周面に塩化ビニルなどのような合成樹脂製の薄板(または膜)を取着したもの、あるいは、合成樹脂や繊維強化合成樹脂からなる管体などを用いることができる。
なお、図2に示すように、パイプフレーム16の長手方向に間隔をおいた箇所に仕切り板1608を設け、空間部1606を複数に仕切るようにしてもよい。このように空間部1606を複数に仕切ると、例えば、コンクリート製浮体構造物12を水に浮かせた際に、仕切られた一つの空間部に水などを注入しコンクリート製浮体構造物12の平行バランスを取る場合などに有利となる。
【0012】
前記補強筋18は多数の棒状部材(棒材)1802から構成され、各棒状部材1802はコンクリート部14の上面1402、下面1404ならびに両側面、両端面の各表面近傍に位置するようにコンクリート部14に碁盤の目の状に縦横に交差して組み込まれている。
前記補強筋18としては、通常用いられる鉄筋、すなわち鋼製の棒材の他に、炭素やアラミドなどの有機材製の棒材を用いることができる。なお、補強筋18は必要に応じて設けられ、省略することも可能である。
このような構成からなるコンクリート製浮体構造物12は、すなわち、コンクリート部14とパイプフレーム16と補強筋18は、全体として比重が1.0未満に形成され、水に浮かべた際に下面1404が水中に臨み、上面1402が水面の上方に臨むように構成されている。
【0013】
本実施の形態に係るコンクリート製浮体構造物12は、コンクリート部14の内部に水が浸入しても、パイプフレーム16の内部に水が侵入できない。
したがって、耐久性に優れ、水の浸透による沈みまたは劣化に対する心配のないコンクリート製浮体構造物12が得られる。
また、コンクリート製浮体構造物12はコンクリート部14と、構造体をなすパイプフレーム16からなり、コンクリート製浮体構造物12の強度、剛性に優れる。
また、本実施の形態では、パイプフレーム16を、コンクリート部14のほぼ全長にわたって延在させたので、空間部1606によりコンクリート製浮体構造物12の比重を小さくする上で有利となり、同時に、コンクリート製浮体構造物12の強度、剛性を高める上でも有利となっている。
また、コンクリートを打設してコンクリート製浮体構造物12を製造する際、従来の内部型枠などを支える場合の煩雑な支保工を大幅に簡略化でき、簡単に短期間で施工してコストダウンを図ることが可能となる。
【0014】
次に、第2の実施の形態について説明する。
図4(A)は第2の実施の形態に係るコンクリート製浮体構造物の断面側面図、(B)は同正面図を示す。
第1の実施の形態と同様な箇所部材に同一の符号を付して説明すると、第2の実施の形態では、コンクリート部14を、比重の異なる2種類のコンクリートを用いて形成している点が前記第1の実施の形態と異なっている。
すなわち、第2の実施の形態では、パイプフレーム16の下方の高さ、詳細には、パイプフレーム16の下面に接する高さの底壁部分1412が比重が大きい、例えば、比重が1.0を越えるコンクリートで形成され、残りの上方部分1414が底壁部分1412よりも比重の軽い、例えば、比重が1.0未満のコンクリートで形成され、全体として比重が1.0未満に形成されている。
【0015】
第2の実施の形態のコンクリート製浮体構造物12は、底壁部分1412を予め工場で製造しておき、この底壁部分1412をコンクリート型枠の底板として用い、底壁部分1412上にパイプフレーム16を設置し、その上からコンクリートを打設することでコンクリート製浮体構造物12が簡単に得られる。
第2の実施の形態によれば、耐久性に優れ、水の浸透による沈みまたは劣化に対する心配のない強固なコンクリート製浮体構造物12が得られることは無論のこと、コンクリート製浮体構造物12を水に浮かべた際にその安定性を高める上で有利となり、また、その製造をより簡易化する上で有利となる。
なお、上記のように比重の異なる複数種類のコンクリートでコンクリート部14を構成する場合、比重の大きいコンクリートと比重の小さいコンクリートが占める体積の割合は、例えば、下半部と上半部にするなど任意である。要するに、コンクリート部14の下方に位置するコンクリートに、上方に位置するコンクリートよりも比重の大きいものを用いればコンクリート製浮体構造物12の安定性を高める上で有利となり、その場合、下方に位置するコンクリート部分に比重が1.0を越えるコンクリートを用い、上方に位置するコンクリート部分に比重が1.0未満のコンクリートを用いれば、コンクリート製浮体構造物12の比重を小さくする上で、また、安定性を高める上で有利となる。
【0016】
次に、第3の実施の形態について説明する。
図5(A)は第3の実施の形態に係るコンクリート製浮体構造物の断面側面図、(B)は同正面図を示す。
第1の実施の形態と同様な箇所部材に同一の符号を付して説明すると、第3の実施の形態では、第2の実施の形態と同様に、コンクリート部14を、比重の異なる2種類のコンクリートを用いて形成している点が前記第1の実施の形態と異なっている。
すなわち、第3の実施の形態では、パイプフレーム16の下方の高さ、詳細には、パイプフレーム16の下面に接する高さの底壁部分1422と、底壁部分1422の全周から起立する全ての側壁部分1424が、比重の大きい、例えば、比重が1.0を越えるコンクリートで形成され、残りの内側部分1426が底壁部分1422および側壁部分1424よりも比重の軽い、例えば、比重が1.0未満のコンクリートで形成され、全体として比重が1.0未満に形成されている。
【0017】
このような第3の実施の形態のコンクリート製浮体構造物12は、底壁部分1422および側壁部分1424を予め工場で製造しておき、これら底壁部分1422および側壁部分1424をコンクリート型枠の底板、側板として用い、それらの内部にパイプフレーム16を設置し、その上からコンクリートを打設することでコンクリート製浮体構造物12が簡単に得られる。
第3の実施の形態によっても、耐久性に優れ、水の浸透による沈みまたは劣化に対する心配のない強固なコンクリート製浮体構造物12が得られることは無論のこと、コンクリート製浮体構造物12を水に浮かべた際にその安定性を高める上で有利となり、また、その製造をより簡易化する上で有利となる。
【0018】
次に、第4の実施の形態について説明する。
図6は第4の実施の形態に係るコンクリート製浮体構造物の断面側面図、図7(A)はコンクリート部とパイプフレームの関係を示す平面図、(B)は同正面図を示す。
第1の実施の形態と同様な箇所、部材に同一の符号を付して説明すると、第4の実施の形態に係るコンクリート製浮体構造物22は、コンクリート部14と、このコンクリート部14に埋設されたパイプフレーム16と、連結材24とで構成されている。
【0019】
前記コンクリート製浮体構造物22の外形、すなわちコンクリート部14の外形は、厚さよりも幅が大きく、幅よりも長さが極めて大きい長方形断面の板状に形成され、コンクリート部14に用いるコンクリートは前記第1の実施の形態と同様である。
前記パイプフレーム16はコンクリート部14の幅方向に間隔をおきコンクリート部14の幅方向に5本並べて配設され、各パイプフレーム16は、コンクリート部14の全長にわたって延在するように配設されている。
【0020】
前記各パイプフレーム16は、第1の実施の形態と同様なパイプ材1602と蓋材1604とで構成され、内部に閉塞された空間部1606が形成されている。
5本のパイプフレーム16のうち、隣り合うパイプフレーム16どうしはその上下部が、パイプフレーム16の長手方向に間隔をおいた複数箇所でそれぞれ連結材24により連結されている。連結材24は、パイプフレーム16の長手方向と直交する方向で、コンクリート部14の上面1402および下面1404の近傍で上面1402および下面1404に平行するように延在している。
前記連結材24としては、軽量でしかも強度、剛性を有する管体、例えば鋼管が用いられる。
なお、コンクリート部14に、第2、第3の実施の形態のように比重の異なるコンクリートを用いるなど任意である。
【0021】
第4の実施の形態によれば、第1の実施の形態による作用、効果に加え、5本のパイプフレーム16とそれらを連結する複数の連結材24とがあたかも単一の構造体として機能するので、コンクリート製浮体構造物22の強度、剛性を高める上でより一層有利となる。
【0022】
なお、第1乃至第4の実施の形態では、コンクリート製浮体構造物12の外形が、厚さよりも幅が大きく、また、幅よりも長さが極めて大きく、均一の厚さの長方形断面の板状の場合について説明したが、コンクリート製浮体構造物12の外形は、円板、正方形、楕円形など任意であり、また、その厚さも、上面や下面に凹凸を有していたり、あるいは、船底のように中央部が厚く形成されなど、任意である。
さらにはまた、構造物の安定性を高めるために、錘の役目をはたす突起を構造物下面にバランスよく設けることもできる。こうした様々な形状においては、パイプフレームは補強部材として有効に機能する方向に埋設される。
また、第1乃至第4の実施の形態ではパイプ材1602の断面形状が円形の場合について説明したが、断面形状は任意であり、三角形や矩形、多角形、楕円などであってもよい。
また、第1乃至第4の実施の形態では、コンクリート部14の幅方向に3本あるいは5本のパイプフレーム16を並べて配設した場合について説明したが、パイプフレーム16の本数は任意であり、1本であっても2本であっても、あるいは4本、あるいは6本以上であってもよい。
また、コンクリート部14の幅方向に並べられたパイプフレーム16の列を上下方向において1列としたが、幅方向に並べられたパイプフレーム16の列を上下方向において複数列設けるようにしてもよい。
また、第1乃至第4の実施の形態では、パイプフレーム16の全ての部分をコンクリート部14の表面の内側に埋め込むようにしたが、例えば、パイプフレーム16の外周面の一部をその長手方向の全長にわたりコンクリート部14の表面から露出させ、あるいは、パイプフレーム16の長手方向の端部の端面をコンクリート部14の表面から露出させるようにしてもよい。
【0023】
次に、具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
高さ1.2m×横15m×幅3.0mの全容量54m3のポンツーン(コンクリート製浮体構造物12)を製造した。鉄筋入り軽量コンクリートでできた表層部の厚さは15〜20cm、内部の容量は30.0m3である。
表層部に用いたコンクリートは人工軽量コンクリートでありセメントは早強セメントを混和材としてエルケムジャパン社製の商品名、マイクロシリカを、骨材は日本メサライト工業(株)社製の商品名、人工超軽量骨材スーパーメサライト粗骨材、細骨材として(株)サンライト社製、商品名Gライトと太平洋セメント(株)社製、商品名マイクロセルズを絶乾状態で用いた。減水剤はポリカルボン酸系であり日本シーカ(株)社製の商品名、シーカメント2500を、AE剤はシーカAER−Gを用いた。このコンクリートの材齢28日における比重は0.95、圧縮強度は32N/mm2であった。
パイプフレーム16と補強筋18の配設構造は図1乃至図3に示す通りである。
【0024】
(実施例1の製造方法)
高さ1.2m×横15m×幅3.0mの容量が入る型枠を組立て、その中に、予め用意したパイプフレーム16の設置と補強筋18の配筋の作業を行った。その後、流動性のよい軽量コンクリートを連続打設し、作業終了後、養生を行った。
施工上、特に難しいことはなかった。
脱型・硬化後、横15m×幅3.0mの仕上げ面と脱型面ともに健全であった。できたポンツーン(コンクリート製浮体構造物12)の重さは32.7t、比重は0.605であった。
【0025】
(実施例2)
実施例1と同じ形態・容量のポンツーン(コンクリート製浮体構造物22)を製造した。
表層部に用いたコンクリートは人工軽量コンクリートでありセメントは高炉セメントを混和材としてエルケムジャパン社製の商品名、マイクロシリカを、骨材は日本メサライト工業(株)社製の商品名、人工超軽量骨材スーパーメサライト粗骨材、細骨材として(株)サンライト社製、商品名Gライトと太平洋セメント(株)社製、商品名マイクロセルズを絶乾状態で用いた。減水剤はポリカルボン酸系であり日本シーカ(株)社製の商品名、シーカメント2500を、AE剤はシーカAER−Gを用いた。このコンクリートの材齢56日における比重は0.92、圧縮強度は31N/mm2であった。
パイプフレーム16と補強筋18の配設構造は図1乃至図3に示す通りであり、施工上、特に難しいことはなかった。
【0026】
(実施例2の製造方法)
実施例1に準じた。
脱型・硬化後、横15m×幅3.0mの仕上げ面と脱型面ともに健全であった。できたポンツーン(コンクリート製浮体構造物22)の重さは32.0t、比重は0.59であった。
【0027】
(実施例3)
実施例1と同じ形態・容量のポンツーン(コンクリート製浮体構造物22)を製造した。
実施例2に用いた配合材を用いて、炭素繊維で補強し、図4で示す底壁部分1412に比重1.05のコンクリートを用い、残りの上方部分1414に比重0.85のコンクリートを用い連続打設を行った。
パイプフレーム16と補強筋18の配設構造は図1乃至図3に示す通りであり、実施例1、2と同様に施工上、特に難しいことはなかった。
【0028】
(実施例3の製造方法)
補強筋18(図3参照)を含む底壁部分1412を予め形成しておき、この底壁部分1412をコンクリート型枠の底板として用い、その上に比重0.85のコンクリートを打設した。脱型・硬化後、横15m×幅3.0mの仕上げ面と脱型面ともに健全であったが仕上げ面に若干の繊維が見られた。できたポンツーン(コンクリート製浮体構造物12)の重さは32.4t、比重は0.6であった。
【0029】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明のコンクリート製浮体構造物によれば、耐久性に優れ、水の浸透による沈みまたは劣化に対する心配のない強固なコンクリート製浮体構造物が得られ、また、従来の内部型枠などを支える場合の煩雑な支保工を大幅に簡略化でき、簡単に製造することが可能となる。
そして、本発明のコンクリート製浮体構造物は、その形状や大きさも自由に選定でき、連結して用いる個体としてのポンツーンの生産にも適し、浮力も選定し易いので、水上の飛行場や、水上都市などの大型構造物、または桟橋用の小型構造物などに好適となる。
また、本発明のコンクリート製浮体構造物の製造方法によれば、コンクリート製浮体構造物の部分を予め形成しておき、このコンクリート部分をコンクリート型枠として利用するので、製造をより簡易化する上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るコンクリート製浮体構造物の断面側面図である。
【図2】(A)はコンクリート部とパイプフレームの関係を示す平面図、(B)は同正面図である。
【図3】(A)はコンクリート部とパイプフレームと補強筋との関係を示す平面図、(B)は同正面図である。
【図4】(A)は第2の実施の形態に係るコンクリート製浮体構造物の断面側面図、(B)は同正面図である。
【図5】(A)は第3の実施の形態に係るコンクリート製浮体構造物の断面側面図、(B)は同正面図である。
【図6】第4の実施の形態に係るコンクリート製浮体構造物の断面側面図である。
【図7】(A)はコンクリート部とパイプフレームと連結材の関係を示す平面図、(B)は同正面図である。
【符号の説明】
12、22 コンクリート製浮体構造物
14 コンクリート部
16 パイプフレーム
18 補強筋
24 連結材

Claims (14)

  1. コンクリート部と、このコンクリート部に埋設されたパイプフレームとからなるコンクリート製浮体構造物であって、
    前記パイプフレームは、長さを有するパイプ材と、このパイプ材の両端を閉塞する蓋材とで、その内部に閉塞された空間部が形成されるように構成され、
    前記パイプフレームは、水および空気の通過を不能とした遮水性および気密性を有すると共に、前記コンクリート部の補強部材として機能するように強度、剛性を有する材料により形成され、
    前記コンクリート部とパイプフレームとは全体として比重が1.0未満に形成され、
    前記コンクリート部は、比重の異なる複数種類のコンクリートで構成され、
    前記コンクリート部の下方に位置する箇所と上方に位置する箇所では、下方に位置するコンクリートの比重は、上方に位置するコンクリートの比重よりも大きい、
    ことを特徴とするコンクリート製浮体構造物。
  2. 前記コンクリート部は、幅と厚さと、前記幅および厚さよりも大きい寸法の長さを有する板状に形成され、前記パイプフレームは前記コンクリート部の長さ方向に平行して配設されていることを特徴とする請求項1記載のコンクリート製浮体構造物。
  3. 前記コンクリート部は、前記コンクリート製浮体構造物を水に浮かべた際に水中に臨む下面と、前記下面と平行で水面の上方に臨む上面とを有し、前記パイプフレームは上面および下面に平行して延在していることを特徴とする請求項1または2記載のコンクリート製浮体構造物。
  4. 前記パイプフレームは前記コンクリート部の長さ方向の全長にわたって延在していることを特徴とする請求項1、2または3記載のコンクリート製浮体構造物。
  5. 前記空間部は、パイプフレームの長手方向に間隔をおいた箇所で複数に仕切られていることを特徴とする請求項1乃至4に何れか1項記載のコンクリート製浮体構造物。
  6. 前記パイプフレームは、コンクリート部の幅方向に間隔をおいて複数設けられていることを特徴とする請求項1乃至5に何れか1項記載のコンクリート製浮体構造物。
  7. 前記複数のパイプフレームのうち、隣り合うパイプフレームどうしは互いに連結材により連結されていることを特徴とする請求項6記載のコンクリート製浮体構造物。
  8. 前記下方に位置するコンクリートの比重は1.0を越え、上方に位置するコンクリートの比重は1.0未満であることを特徴とする請求項1乃至7に何れか1項記載のコンクリート製浮体構造物。
  9. 前記コンクリート部は、比重が1.7以下の軽量コンクリートで形成されていることを特徴とする請求項1乃至に何れか1項記載のコンクリート製浮体構造物。
  10. 前記軽量コンクリートは、気泡モルタル、気泡コンクリート、発泡モルタル、発泡コンクリート、超軽量骨材を用いた超軽量モルタル、超軽量骨材を用いた超軽量コンクリートの何れかであることを特徴とする請求項記載のコンクリート製浮体構造物。
  11. 前記コンクリート部は、コンクリート中に、金属製の繊維、または、有機材製の繊維、または、無機材製の繊維が混入された繊維補強コンクリートであることを特徴とする請求項1乃至10に何れか1項記載のコンクリート製浮体構造物。
  12. 前記コンクリート部の表面近傍には補強筋が埋設され、前記補強筋は、鉄筋、または有機材製の棒材、または無機材製の棒材、またはこれらの組み合わせで構成されていることを特徴とする請求項1乃至11に何れか1項記載のコンクリート製浮体構造物。
  13. コンクリート部と、このコンクリート部に埋設されたパイプフレームとからなり、全体として比重が1.0未満の板状のコンクリート製浮体構造物を製造する方法であって、
    前記コンクリート部の底壁全体と側面全体をなすコンクリート部分を予め形成しておき、
    前記コンクリート部分の底壁の上にパイプフレームを設置し、前記コンクリート部分をコンクリート型枠としてコンクリート部分の内部にコンクリートを打設してコンクリート製浮体構造物を得るようにした、
    ことを特徴とするコンクリート製浮体構造物の製造方法。
  14. 前記コンクリート部分を形成するコンクリートは、後から打設するコンクリートよりも比重が大きいことを特徴とする請求項13記載のコンクリート製浮体構造物の製造方法。
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