JP2000016358A - 自動車用クローラの車輪構造 - Google Patents

自動車用クローラの車輪構造

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JP2000016358A
JP2000016358A JP10180834A JP18083498A JP2000016358A JP 2000016358 A JP2000016358 A JP 2000016358A JP 10180834 A JP10180834 A JP 10180834A JP 18083498 A JP18083498 A JP 18083498A JP 2000016358 A JP2000016358 A JP 2000016358A
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wheel
endless belt
crawler
rolling wheel
guide
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JP10180834A
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English (en)
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Yoshimasa Kimura
嘉昌 木村
Saburo Maruyama
三郎 丸山
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Topy Industries Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Topy Industries Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無端ベルトを厚肉にしなくても損傷を防止で
きる自動車用クローラの車輪構造。 【解決手段】 ホイール30のリム36に、ゴム製で内
部に空気が封入されて袋状とされ、かつ全体として環状
に形成されたタイヤ42が取り付けられて、クローラの
転輪を構成する。支軸26には、無端ベルト44の内面
から所定の間隔hが構成されるように所定の径とされた
ガイド盤38が装着されている。クローラが路面の突起
に乗り上げると、タイヤ42が径方向内側に弾性的に凹
んで突き上げ荷重を吸収し、無端ベルト44の損傷を防
止する。ガイド盤38はホイール30及びタイヤ42と
別体なので、軸方向の位置の変更や取り付け、取り外し
を容易に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動輪を駆動回転
させることによって、駆動輪及び転輪(弾性転輪)に巻
き掛けられた無端ベルトを巻掛方向へ循環させて自動車
を走行させる自動車用クローラの車輪構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車には、エンジン等の駆動手段の駆
動力を受けて駆動輪を回転させ、この駆動輪及び転輪に
巻き掛けた無端ベルトを循環させる、いわゆるクローラ
によって走行するものがある。このようなクローラの構
造の一例が、特開平6−305456号公報に示されて
いる。
【0003】図9に示されるように、このクローラ10
0では、駆動輪102と同軸的にかつ揺動可能に転輪板
104が軸支されている。転輪板104には、駆動輪1
02の下方位置に前側転輪106、後側転輪108及び
中間転輪114が取り付けられており、駆動輪102、
前側転輪106及び後側転輪108のまわりに装着され
た無端ベルト110が、駆動輪102の駆動力を受けて
循環する。
【0004】上記したクローラ100を含め、一般的な
クローラでは、前側転輪106、後側転輪108及び中
間転輪114が硬質の金属によって形成されている。こ
れによって、無端ベルト110の位置及び方向が確実に
決まり、例えば、車両が左右に旋回した場合等でも、無
端ベルト110が幅方向にずれない。
【0005】しかし、このように前側転輪106、後側
転輪108及び中間転輪114が硬質の金属で形成され
ていると、クローラ100が路面の凹凸や突起等を通過
する際の突き上げ荷重により、凹凸や突起と転輪106
との間で無端ベルト110が強く挟まれる。このため、
無端ベルト110は損傷を防止すべく厚肉に形成する必
要があり、重量増となる。また、無端ベルト110を厚
肉にすると、屈曲抵抗が大きくなり、自動車の走行抵抗
が増え、特に高速走行時には多くの走行エネルギーが必
要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実を考
慮し、無端ベルトを厚肉にしなくても損傷を防止できる
自動車用クローラの車輪構造を得ることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
は、駆動力を受けて回転する駆動輪と、前記駆動輪の下
方に配置され、少なくとも1つが半径方向に弾性変形可
能な環状の弾性転輪とされた複数の転輪と、前記駆動輪
及び前記転輪に巻き掛けられ駆動輪の回転により巻掛方
向へ循環する無端ベルトと、前記弾性転輪と別体に設け
られ、前記無端ベルトの内面に形成された突部に当接し
て無端ベルトの幅方向移動を制限する制限手段と、を有
することを特徴とする。
【0008】駆動輪が回転すると、この回転力を受けて
無端ベルトが循環し、自動車が走行する。
【0009】駆動輪の下方に配置された複数の転輪のう
ちの少なくとも1つは、半径方向に弾性変形可能な環状
の弾性転輪なので、クローラが路面の突起や段差に衝突
し、これら突起や段差と弾性転輪との間で無端ベルトが
挟まれた場合には、弾性転輪が半径方向に弾性変形し
て、衝突のエネルギーを吸収する。このため、無端ベル
トを厚肉にしなくても損傷を防止でき、衝撃音も発生し
ない。
【0010】なお、一般的には、駆動輪の下方には複数
の転輪(前側転輪、後側転輪、中間転輪等)が配置され
るが、これらすべての転輪を弾性転輪とする場合に限ら
ず、任意の転輪のみを弾性転輪としても、この弾性転輪
と突起や段差との間に無端ベルトが挟まれた場合に、無
端ベルトの損傷を防止できる。
【0011】無端ベルトが幅方向に移動すると、無端ベ
ルトの内面に形成された突部が制限手段に当接し、無端
ベルトの幅方向の移動が制限される。このため、無端ベ
ルトの外れが防止される。
【0012】制限手段は、弾性転輪と別体に設けられて
いるので、制限手段を交換する場合には、交換が容易に
なる。すなわち、例えば制限手段を弾性転輪に一体的に
取り付けた場合には、一旦弾性転輪を取り外し、さらに
弾性転輪から制限手段を取り外す必要があるが、本発明
の自動車用クローラの車輪構造では、その必要がない。
また、制限手段を弾性転輪と別体で設けたことで、制限
手段の位置を弾性転輪の位置に関係なく設定することが
できる。
【0013】制限手段の形状は特に限定されないが、例
えば、弾性転輪の転輪軸と同軸の円盤状に形成すること
ができる。このような形状とすることにより、弾性転輪
の回転角度に関わらず、制限手段は常に突部と当接可能
な状態を維持することができる。
【0014】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記制限手段が、前記弾性転輪と同
軸の円盤状に形成されたガイド盤であり、前記ガイド盤
に、このガイド盤が部分的に厚肉とされた厚肉部が設け
られていることを特徴とする。
【0015】このように厚肉部が設けられたことによ
り、ガイド盤の固有振動数が低くなる。このため、例え
ば、クローラが路面の突起や段差に衝突し、無端ベルト
を介して作用した衝撃力によってガイド盤が振動して、
いわゆる打音が発生した場合でも、ガイド盤の振動が、
厚肉部が設けられていないものと比較して、短時間で減
衰する。この結果、打音が小さくなる。
【0016】なお、厚肉部が設けられたガイド盤の製造
方法は特に限定されないが、例えば、軽合金等を用いて
一体的に鋳造することができる。これにより、ガイド盤
の製造工程で溶接等を行う必要がなくなるので、ガイド
盤の製造が容易になる。
【0017】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の発明において、前記厚肉部が、前記ガイド盤の外周
に設けられていることを特徴とする。
【0018】このように、厚肉部をガイド盤の外周に設
けたことにより、ガイド盤の外周の強度が高められてい
る。このため、例えば、路面から無端ベルトを介してガ
イド盤に衝撃力が作用した場合には、衝撃力の入力側に
強度の高い部位が存在するとになり、ガイド盤の損傷を
効果的に防止することができる。
【0019】請求項4に記載の発明では、請求項2又は
請求項3に記載の発明において、前記ガイド盤に、この
ガイド盤を板厚方向に貫通する貫通孔が形成されている
ことを特徴とする。
【0020】このような貫通孔が設けられていないガイ
ド盤では、ガイド盤の面全体が打音の放射面として作用
するが、貫通孔を設けたことによってガイド盤の放射面
が小さくなるので、ガイド盤の振動によって生じる打音
も小さくなる。
【0021】貫通孔の位置は特に限定されないが、例え
ば、弾性転輪と対向する位置に設けることができる。こ
の場合には、ガイド盤と弾性転輪との間に異物が入り込
んでも、異物は貫通孔から排出されるので、ガイド盤と
弾性転輪との間に挟まれない。また、異物が貫通孔から
排出されずにガイド盤と弾性転輪との間に挟まれてしま
ったときでも、貫通孔から手等を差し入れて異物を容易
に取り除くことができる。
【0022】請求項5に記載の発明では、請求項1〜請
求項4のいずれかに記載の発明において、前記制限手段
に、この制限手段に作用した所定値以上の外力によって
制限手段を破損させる脆弱部が設けられていることを特
徴とする。
【0023】このため、例えば、クローラが路面の突起
や段差に衝突し、無端ベルトを介してガイド盤に所定値
以上の外力が作用すると、脆弱部によって制限手段が破
損される。このため、ガイド盤が変形して弾性転輪に接
触することがなく、車両の走行に影響を与えない。
【0024】また、ガイド盤に作用した外力のエネルギ
ーが制限手段の破損によって吸収されるので、このエネ
ルギーが自動車の車体や、クローラを構成する他の構成
要素等に作用しない。
【0025】
【発明の実施の形態】図1には、本発明の第1の実施の
形態に係る自動車用クローラの車輪構造を採用したクロ
ーラ10が示されている。
【0026】このクローラ10は、車体12(図7参
照)に支持された駆動軸14を有している。駆動軸14
は、車体12に搭載されたエンジン(図示省略)の駆動
力を受けて回転する。駆動軸14には、径方向外側に向
かう歯が周方向に所定間隔で形成されたスプロケット状
の駆動輪16が同軸的に固定されている(図1ではこの
歯の図示を省略)。従って、この駆動輪16が駆動軸1
4と共に、エンジンの駆動力によって回転する。
【0027】駆動軸14には、フレーム20が軸支され
ている。このフレーム20は側面視にて、下方に向かう
に従って幅広の三角形状とされ、さらにこの三角形状の
下端部で車両前方側及び後方側にアーム状に延出され
て、全体として略逆T字状に形成されている。三角形状
の頂角の近傍に形成された軸支孔22には駆動軸14が
挿通されており、これによって、フレーム20が駆動軸
14回りに揺動可能となっている。
【0028】フレーム20の底部には、複数(本実施の
形態では4個)の軸支孔24が、図1左右対称の位置に
形成されている。図2にも示すように、これらの軸支孔
24には、ベアリング18を介して、支軸26が回転可
能に、かつ軸方向に移動不能に挿通されている。
【0029】支軸26の両端近傍は径方向に拡径された
円板状の取付板部28とされている。この取付板部28
に、金属製のホイール30が複数のボルト32によって
取り付けられている。
【0030】ホイール30は、外側ホイール部材60
と、内側ホイール部材70と、で構成されている。外側
ホイール部材60は略有底円筒状に形成されており、円
板状のディスク部62と、ディスク部62の外周から延
設された円筒状のリム部64及び、リム部64の延出端
から径方向外側に延出され、さらに幅方向外側に延出さ
れたフランジ66と、を有している。また、内側ホイー
ル部材70も略有底円筒状に形成されており、ディスク
部62と同径の円板状のディスク部72と、リム部64
と同径で、ディスク部72の外周から延設された円筒状
のリム部74、リム部74の延出端から延出されたフラ
ンジ76を有している。
【0031】そして、ディスク部62及びディスク部7
2にそれぞれ形成された取付孔(図示省略)を一致させ
てディスク部62とディスク部72とを面接触させ、取
付孔にボルト32を挿通して、ホイール30(外側ホイ
ール部材60及び内側ホイール部材70)が取付板部2
8に取り付けられている。この状態で、リム部64とリ
ム部74とが一体となって、ホイール30のリム36を
構成する。
【0032】リム36には、タイヤ42がホイール30
と同軸的に取り付けられており、ホイール30とタイヤ
42とが一体で回転する。タイヤ42はゴム製(チュー
ブ入り)で、内部に空気が封入されて袋状とされ、かつ
全体として環状に形成されている。
【0033】そして、それぞれのタイヤ42とホイール
30とによって、図1に示すように、本発明の弾性転輪
である前側転輪52、後側転輪54及び、前側転輪52
と後側転輪54との間の中間転輪56が構成される(以
下、本実施の形態において単に「弾性転輪」というとき
は、タイヤ42とホイール30とによって構成された前
側転輪52、後側転輪54及び中間転輪56を指すもの
とする)。
【0034】駆動輪16、前側転輪52及び後側転輪5
4には、無端ベルト44が側面視にて略二等辺三角形状
に巻きかけられている。この状態で、それぞれのタイヤ
42は半径方向内側に弾性変形し、無端ベルト44に適
正な張力を付与している。また、中間転輪56は、車両
の荷重を支持している。
【0035】図2に示すように、無端ベルト44の幅方
向中央には、無端ベルト44の長手方向に沿って突条4
6が形成されている。さらに、図1に示すように、突条
46には、無端ベルト44の長手方向に沿って所定間隔
で断続的に、複数の凹部48が形成されている(従っ
て、各々の凹部48の間に突起50が形成されているこ
とになる)。凹部48には、駆動輪16の図示しない歯
が係合しており、駆動輪16の回転力が、この係合によ
り無端ベルト44に伝えられて、無端ベルト44が循環
する。
【0036】図2に示すように、タイヤ42とフレーム
20との間には、弾性転輪とは別体で、ガイド盤38が
配置されている。ガイド盤38は、図3にも詳細に示す
ように、円筒状に形成された挿通円筒部80と、この挿
通円筒部80の軸方向一端の位置から、径方向外側に向
かって形成された略円板状のガイド円板部82と、で構
成されている。
【0037】挿通円筒部80の内径は、支軸26の外径
と等しくなっており、挿通円筒部80の内側に支軸26
が挿通される。挿通状態で、図示しないピン等の固定手
段によってガイド盤38が支軸26に固定されて、ガイ
ド盤38が支軸26と一体で回転するようになってい
る。
【0038】また、支軸26には、挿通円筒部80と取
付板部28との間、及び挿通円筒部80とフレーム20
との間に円筒状のスペーサ86、88が隙間無く装着さ
れている。このスペーサ86、88によって、ガイド盤
38が支軸26の軸方向に位置決めされている。スペー
サ86、88の軸方向長さを変えることにより、ガイド
盤38の位置を変更することができる。
【0039】ガイド円板部82は、挿通円筒部80が支
軸26に装着されると共に、チューブ入りのタイヤ42
に空気が封入され、かつ無端ベルト44が巻きかけられ
た状態で、その外周と無端ベルト44の内面との間に所
定の間隔hが構成されるように、所定の径とされてい
る。ガイド円板部82と突条46との間にも、無端ベル
ト44の幅方向に所定の隙間があくように、ガイド盤3
8の形状及びスペーサ88の長さが決められている。従
って、2枚のガイド盤38が、突条46と所定の間隔を
あけて対向して配置され、突条46の両側に位置してい
ることになる。このように2枚のガイド盤38を突条4
6の両側に配置したことにより、車両走行中に無端ベル
ト44が幅方向に移動すると、突条46がガイド円板部
82に当たって、無端ベルト44の移動が制限される。
【0040】また、ガイド円板部82の外縁部分には、
ガイド円板部82の他の部分よりも厚肉とされた厚肉部
84が、ガイド円板部82の全周にわたって形成されて
いる。この厚肉部84によって、ガイド円板部82の強
度が高められている。また、ガイド円板部82は、厚肉
部84が形成されていないガイド円板部と比較して、固
有振動数が低くなっている。
【0041】ガイド円板部82には、板厚方向にガイド
円板部82を貫通する略扇形の貫通孔90が、周方向に
所定間隔で複数形成されており、軽量化が図られてい
る。また、貫通孔90が形成されていることにより、図
3からも分かるように、ガイド円板部82を軸方向に視
たときの面積が、貫通孔90が形成されていないガイド
円板部と比較して小さくなっている。このため、ガイド
円板部82は、それ自体の振動によって空間に音の振動
を放射する面(放射面)の面積が少なくなっており、ガ
イド円板部82から発生する放射音が小さくなる。
【0042】さらに、図2からも分かるように、フレー
ム20を挟んで対向する2枚のガイド円板部82の間に
構成される空間が、貫通孔90によって、支軸26の軸
方向に開放されていることになる。このため、この空間
内で、ガイド円板部82からの放射音の反響が防止さ
れ、放射音が短時間で減衰する。
【0043】それぞれの貫通孔90の外周側には、周方
向両端の位置に略楔状の切欠90Aが形成されている。
この切欠90Aによって、ガイド円板部82には、部分
的に径方向に薄肉とされた脆弱部92が形成されている
(なお、図3では脆弱部92を一部のみ図示し、他は図
示を省略しているが、切欠90Aのそれぞれに対応して
ガイド円板部82に脆弱部92が形成されている)。そ
して、ガイド円板部82に対して外部から系方向内側に
向かって所定値以上の荷重が作用すると、図3に一点鎖
線で示すように、脆弱部92に応力が集中してガイド円
板部82が破断され、荷重のエネルギーが吸収されるよ
うになっている。
【0044】ガイド盤38の材質としては、無端ベルト
44が幅方向に移動して突条46が当たっても不用意に
変形することなく、無端ベルト44の移動を制限できる
強度を有するものであれば、限定されない。特に、本実
施の形態のガイド盤38はそれ自体で独立しており、他
の部材(例えば、ホイール30や支軸26)と一体化さ
れていないので、独自の材質で形成することができる。
例えば、軽合金を使用して一体的に鋳造してもよい。鋳
造によって形成した場合には溶接等をする必要がないの
で、製造が容易になり、製造コストを低下させることが
可能となる。
【0045】次に、本実施の形態に係る自動車用クロー
ラの車輪構造の作用を説明する。
【0046】通常走行時には、駆動輪16の回転が、駆
動輪16の図示しない歯から突起50に伝達されて無端
ベルト44が循環し、車両が走行する。
【0047】無端ベルト44が前側転輪52、後側転輪
54又は中間転輪56に対して幅方向に移動すると、こ
の移動により突条46がガイド盤38に当たり、無端ベ
ルト44の幅方向への移動が所定範囲に制限される。特
に、クローラ10が装着された車両12(図7参照)が
急旋回した場合には、前側転輪52、後側転輪54又は
中間転輪56に対して無端ベルト44が幅方向へ大きく
移動しようとするが、この移動が制限されるため、無端
ベルト44の外れが防止されると共に、車両12は確実
に旋回できる。
【0048】クローラ10が、例えば目地段差等の凹凸
上を走行する際には、凹凸からの荷重により、衝撃音を
伴う振動(いわゆるハーシュネス)が発生しようとする
が、本実施の形態に係るクローラ10では、タイヤ42
で構成された前側転輪52、後側転輪54及び中間転輪
56(いずれも図1参照)が弾性変形して径方向内側に
凹み、路面の凹凸からの衝撃を吸収するので、ハーシュ
ネスが小さくなる。
【0049】中間転輪56が弾性的な凹みとこの凹みの
復元を繰り返すと、無端ベルト44と中間転輪56との
接触点が上下振動しようとしたり、クローラ10全体が
駆動軸14を中心として回転振動しようとしたりする。
そして、これらの振動が、無端ベルト44の接地面を車
両前後方向に振動させ、車両全体を前後方向に揺する、
いわゆるサージ現象が発生する原因となる。しかし、本
実施の形態に係るクローラ10では、前側転輪52及び
後側転輪54がタイヤ42で構成されているので、前側
転輪52及び後側転輪54の弾性変形によって無端ベル
ト44の車両前後方向の振動が吸収され、サージ現象が
緩和される。
【0050】同様に、駆動輪16の駆動と制動とを短時
間で繰り返し行った場合にも、サージ現象の発生の原因
となるが、この場合でも、前側転輪52及び後側転輪5
4の弾性変形によって無端ベルト44の車両前後方向の
振動が吸収され、サージ現象が緩和される。
【0051】また、悪路走行によってクローラ10に車
両先後方向の荷重が作用した場合でも、前側転輪52及
び後側転輪54が弾性的に凹むことで、この荷重が吸収
される。
【0052】図5に示すように、クローラ10(図1参
照)が路面の段差Tに当たった場合には、この段差Tか
らクローラ10が車両後方側に押し戻し荷重を受ける。
しかし、タイヤ42で構成された前側転輪52が径方向
内側に弾性的に凹むことで、この衝撃のエネルギーがタ
イヤ42の弾性エネルギーとして一時的に蓄積されるの
で、車体12(図7参照)に大きな荷重が作用しない。
このため、クローラ10が路面の段差Tに当たった場合
を考慮して、車体12の強度をあらかじめ高めておく必
要がなくなる。
【0053】また、このとき、段差Tと前側転輪52と
の間で無端ベルト44を挟むことになるが、前側転輪5
2が弾性的に凹むことで、無端ベルト44を挟む力が小
さくなる。このため、段差Tと前側転輪52との間で無
端ベルト44が強く挟まれた場合の損傷を防止すべく、
無端ベルト44を厚肉に形成する必要がなくなり、クロ
ーラ10の軽量化を図ることができる。さらに、無端ベ
ルト44を厚肉に形成しないので、高速での走行が可能
となる。無端ベルト44のころがり抵抗も低くなるの
で、高速走行に必要な走行エネルギーも少なくてすむ。
【0054】前側転輪52が凹むことで、段差Tへの乗
り上げ能力も向上する。すなわち、図9に示すように、
金属製の前側転輪106が採用された従来のクローラ1
00の場合には、段差Tをクローラ100が乗り越える
ためには、駆動輪102の回転軸回りに図7時計周り方
向の力のモーメントMが発生する必要があるが、このモ
ーメントMは、図6に示すように、クローラ100の押
し込み力(車両進行方向に沿ってクローラ100が段差
Tを押す力)をF、この押し込み力Fの反力をF’、押
し込み力Fの作用点Pにおける無端ベルト44の接線方
向成分をFT 、押し込み力Fの作用点Pにおける無端ベ
ルト44の法線方向成分をFV 、クローラ10の駆動力
の乗り越え方向(駆動輪16の周方向)成分をFTT、駆
動輪16の回転軸の軸心と反力F’との距離をH、駆動
輪16の回転軸の軸心とFTTとの距離をLとすると、
【0055】
【数1】 で表される。従って、段差Tの高さが高くなるとFT
小さくなり、モーメントMも小さくなって、段差Tに対
する乗り越え能力が低くなる。また、駆動輪16に駆動
力が作用しない場合(例えば、後輪駆動の自動車の前
輪)には、上式においてFTT=0となるため、さらに乗
り越え能力が低下する。
【0056】これに対し、本実施の形態に係るクローラ
10では、図5に示すように、タイヤ42で構成された
前側転輪52が段差Tに押されて径方向内側に弾性的に
凹むため、駆動軸14が実質的に車両進行方向に移動す
ると共に、図9に示すクローラ100の場合と比較し
て、段差Tとの接触面が車両前方側に傾き、押し込み力
の接線方向成分FT が大きくなる。このため、段差Tに
対する乗り越え能力が高くなっている。
【0057】また、図1に示すように、このクローラ1
0では、駆動軸14回りに揺動可能なフレーム20に、
前側転輪52、後側転輪54及び中間転輪56が支持さ
れている。このため、図7に示すように、段差T乗り上
げ時には、駆動軸14を中心として図7時計周り方向
に、前側転輪52、後側転輪54及び中間転輪56が一
体となって揺動し、段差Tに乗り上げる。これにより、
前側転輪52が段差Tに乗り上げる時の駆動軸14の上
昇量は段差Tの高さと比較して僅かとなり、車両全体も
僅かに上昇するのみである。これに対し、図8に示すよ
うに、通常のタイヤ112で車輪が構成されている場合
には、段差Tへの乗り上げ時に、車体12の上昇量が段
差Tの高さと等しくなる。
【0058】車両の走行に伴って、路面からクローラ1
0に作用する振動により、駆動輪16と前側転輪52と
の間の無端ベルト44が、その両端(すなわち、駆動輪
16との接触端及び前側転輪52との接触端)を節とし
て弦振動しようとする。しかし、本実施の形態に係るク
ローラ10では、前側転輪52を弾性変形可能なタイヤ
42で構成したので、前側転輪52の節が固定されず、
弦振動が緩和される。また、弦振動に伴ううなり音も減
少する。
【0059】同様に、駆動輪16と後側転輪54との間
の無端ベルト44に関しても、後側転輪54を弾性変形
可能なタイヤ42で構成したので、この後側転輪54の
節が固定されず、弦振動が緩和され、うなり音が減少す
る。
【0060】図4に示すように、クローラ10が路面の
突起Sに乗り上げた場合においても、段差Tに当たった
場合と同様、この突起Sからの突き上げ荷重を直接受け
た転輪(図3では、一例として中間転輪56としてい
る)を構成するタイヤ42が、径方向内側に弾性的に凹
む。この弾性的な凹みにより、突き上げ荷重が吸収さ
れ、車体12に大きな突き上げ荷重が作用しないので、
このような大きな突き上げ荷重を考慮して車体12を強
固に形成する必要がなくなる。また、無端ベルト44が
傷つくこともない。
【0061】クローラ10が段差Tや突起S等に当たっ
てタイヤ42が径方向内側に凹むと、この凹んだ部分の
近傍の無端ベルト44がクローラ10の内側(無端ベル
ト44によって構成される三角形の内側)に移動するた
め、無端ベルト44の他の部分に弛みが生じることがあ
る。特に、前側転輪52又は後側転輪54を構成するタ
イヤ42が凹んだ場合には、中間転輪56を構成するタ
イヤ42が凹んだ場合よりも無端ベルト44の弛みが多
くなる。しかし、本実施の形態のクローラ10では、無
端ベルト44の内面がガイド盤38のガイド円板部82
の外周に当たることで、クローラ10内側への無端ベル
ト44の部分的な移動が一定範囲(図2に示す間隔hに
等しい)に制限されるため、結果的に、無端ベルト44
の弛みも一定範囲に制限される。このため、無端ベルト
44が弾性転輪から外れたり、無端ベルト44の凹部4
8が駆動輪の歯(図示省略)から外れたりすることがな
い。
【0062】なお、上記したように、前側転輪52又は
後側転輪54を構成するタイヤ42が凹んだ場合の方
が、中間転輪56を構成するタイヤ42が凹んだ場合よ
りも無端ベルト44の弛みが多くなる。従って、無端ベ
ルト44の弛みを効果的に一定範囲に制限するために
は、前側転輪52及び後側転輪54における間隔hを、
中間転輪56における間隔hよりも小さく設定しておく
ことが好ましい。
【0063】タイヤ42は突起Sを通過すると弾性復元
し、突起S通過前の形状(図2参照)に戻る。
【0064】タイヤ42の凹み量(変形前のタイヤ42
の半径と、タイヤ42が最も変形したときの最小の半径
との差)が、無端ベルト44の内面とガイド盤38の外
周との間隔h(図2参照)を越えた場合には、無端ベル
ト44の内面がガイド盤38の外周に当るので、ガイド
盤38のガイド円板部82が振動し、いわゆる打音が発
生する。しかし、本実施の形態のクローラ10では、ガ
イド円板部82の外縁部分に形成された厚肉部84によ
って、厚肉部84が形成されていないガイド円板部と比
較して固有振動数が低くなっている。このため、ガイド
円板部82の振動が短時間で減衰し、打音が低減する。
また、ガイド円板部82に形成された貫通孔90によっ
てガイド円板部82自体の放射面が狭くなっており、ガ
イド円板部82から放射される打音が小さくなる。さら
に、対向する2枚のガイド円板部82の間に構成される
空間が、貫通孔90によって、支軸26の軸方向に開放
されているので、この空間内で、ガイド円板部82から
の放射音の反響せず、放射音が短時間で減衰する。
【0065】無端ベルト44がガイド盤38のガイド円
板部82の外縁に衝撃的に当たって、ガイド円板部82
に、径方向内側へ所定値以上の荷重が作用した場合に
は、脆弱部92に応力が集中して破断される。これによ
り、荷重のエネルギーが吸収されるので、このエネルギ
ーを考慮して、車体12やフレーム20、支軸26等を
強固に成形する必要がない。また、車体12やフレーム
20、支軸26等の損傷も防止される。
【0066】また、このようにガイド円板部82は径方
向内側への荷重によって部分的に破断され、タイヤ42
側やフレーム20側に折れ曲がることがない。この結
果、折れ曲がったガイド盤38がタイヤ42に食い込ん
でタイヤ42をパンクさせたり、変形したガイド盤38
がフレーム20に当たって異音を発生させたりすること
もない。
【0067】さらに、ガイド盤38がこのように破損さ
れることで、無端ベルト44はガイド盤38に当たって
も傷つかないので、無端ベルト44の損傷を防止すべ
く、間隔h(図2参照)を大きくとる必要がない。この
ように、間隔hを小さく設定することにより、無端ベル
ト44が幅方向に移動した場合の突条46とガイド盤3
8との接触面積が広くなるので、無端ベルト44の幅方
向への移動を制限する効果が大きくなる。
【0068】ガイド盤38は支軸26と共に回転するの
で、無端ベルト44の内面とガイド盤38の外周とが接
した状態で、無端ベルト44が循環しても、ガイド盤3
8の外周と無端ベルト44の内面とが擦れてしまわな
い。このため、いわゆる擦れ音が発生せず、また、無端
ベルト44の損傷も防止される。
【0069】ガイド盤38が破損した場合には、新たな
ガイド盤38に交換する必要が生じるが、本実施の形態
のクローラ10では、ガイド盤38を弾性転輪とは別体
に形成しているので、交換を容易に行うことができる。
すなわち、ガイド盤38を弾性転輪のホイール30と一
体で形成した場合には、弾性転輪を支軸26の取付板部
28から取り外した後、さらに、弾性転輪を構成するタ
イヤ42をホイール30から取り外すことによって初め
て、破損したガイド盤を交換することができる。これに
対し、本実施の形態のクローラ10では、弾性転輪を取
付板部28から取り外すのみで、スペーサ86、88を
支軸26から抜き出し、ガイド盤38を交換することが
できる。
【0070】また、弾性転輪を取付板部28から取り外
し、長さの異なるスペーサ86、88に交換すること
で、ホイール30及びタイヤ42の位置を変更すること
なく、ガイド盤38の軸方向の位置を変更することもで
きる。タイヤ42が軸方向に移動しないので、無端ベル
ト44の内面の、タイヤ42と当接している部位が移動
せず、タイヤ42から無端ベルト44に作用する張力
や、無端ベルト44の接地面圧が変化しない。これに対
し、ガイド盤38を弾性転輪のホイール30と一体で形
成した場合には、ガイド盤38の軸方向位置を変更する
ために、ホイール30及びタイヤ42を全体的に軸方向
に移動させる必要があり、無端ベルト44の内面の、タ
イヤ42と当接している部位が移動する。このため、タ
イヤ42から無端ベルト44に作用する張力や、無端ベ
ルト44の接地面圧が変化してしまうおそれがある。
【0071】なお、ガイド盤38の位置によっては、ス
ペーサ86、88のいずれか一方を省略してもよい。
【0072】車両の走行により、路面の石等の異物がタ
イヤ42とガイド盤36のガイド円板部82との間に入
ることがあるが、ガイド円板部82に形成された貫通孔
90によってこれらの異物が排出されるので、異物はタ
イヤ42とガイド円板部82とに挟み込まれない。ま
た、ガイド円板部82のうち貫通孔90が形成されてい
ない部分とタイヤ42との間に異物が挟み込まれても、
貫通孔90から手等を差し入れることにより、この異物
を容易に取り除くことができる。
【0073】なお、上記説明においては、前側転輪5
2、後側転輪54及び中間転輪56の全てが、タイヤ4
2及びホイール30で構成された弾性転輪とされている
ものを例として説明したが、これらすべての転輪を弾性
転輪とする必要はなく、これらのうちの任意の転輪を弾
性転輪としてもよい(前側転輪52、後側転輪54又は
中間転輪56のうちのいずれか一つであってもよい)。
この場合でも、弾性転輪を構成するタイヤ42が弾性的
に半径方向内側に凹むことで、路面の凹凸等からの突き
上げ荷重を吸収できる。また、弾性転輪対応してガイド
盤38(図2参照)を設ければ、無端ベルト44の外れ
を防止できる。
【0074】弾性転輪は、必ずしも上記した空気入りの
タイヤ42で構成されている必要はなく、要するに、半
径方向内側に弾性変形可能な環状に形成されていればよ
い。例えば、袋状とされず内部までゴムで形成された総
ゴムタイヤであってもよいし、ゴムに限らず、弾性変形
する合成樹脂等の弾性体で形成されていてもよい。
【0075】また、ガイド盤38としても、上記したも
のに限られず、無端ベルト44が幅方向に移動してとき
に、突条46が当接して無端ベルト44の移動を制限す
るものであればよい。例えば、円筒ゴム部84から径方
向外側に向かって放射状に複数のスポークが突設された
ものや、これらスポークの先端を結ぶリング状のガイド
リングが形成されたものであってもよい。さらに、これ
らのスポークを幅広に形成して、ガイドリングを省略し
てもよい。
【0076】貫通孔90の数及び形状としても、上記し
たものに限られず、ガイド円板部82を板厚方向に貫通
する貫通孔が、少なくとも1つ形成されていればよい。
同様に、切欠90Aの形状、位置及び数としても、上記
したものに限られず、要するに、ガイド円板部82に径
方向内側へ所定値以上の荷重が作用したときに、ガイド
円板部82を破損させるように、ガイド円板部82の一
部に脆弱部を構成するものであればよい。
【0077】ガイド盤38の取付け位置も上記したもの
に限られず、無端ベルト44の幅方向への移動によっ
て、突条46が当接して、無端ベルト44の移動が制限
される位置であればよい。特に、本実施の形態のクロー
ラ10では、ガイド盤38を弾性転輪とは別体に形成し
ているので、ホイール30や支軸26とは無関係に、任
意の位置に設けることができる。例えば、ガイド盤38
をフレーム20や車体12に、回転可能又は回転不能に
取り付けてもよい。
【0078】厚肉部84の位置は、ガイド円板部82の
振動による打音を低減する目的のためには、特にガイド
円板部82の外縁部分に限定されず、ガイド円板部82
のどの位置に形成されていてもよい。すなわち、厚肉部
84が形成されている部分は厚肉部84が形成されてい
ない部分よりも低い固有振動数を有するので、打音が低
減する。
【0079】本発明の自動車用クローラの車輪構造が適
用されるクローラとしても、上記した構造のクローラ1
0に限定されない。例えば、図9に示すクローラ120
(以下、このクローラ120に関し、クローラ10と同
一の構成要素については同一符号を付して説明を省略す
る)では、駆動軸14に固定フレーム122が、駆動軸
14回りに回転不能に組付けられ、固定フレーム122
の下部に、揺動フレーム124がベアリングを介して揺
動可能に軸支されている。揺動フレーム124に、前側
転輪52、後側転輪54及び中間転輪56が回転可能に
取り付けられており、揺動フレーム124の揺動中心
が、前側転輪52と後側転輪54とを結ぶ線分Qよりも
所定距離だけ下方へオフセットされている。これによ
り、クローラ120が路面の突起等に乗り上げたときの
乗り上げ能力を高く維持しつつ、狭い設置スペース12
6であっても揺動フレーム124を揺動可能としてい
る。また、固定フレーム122には、支持板128が一
体的に形成され、さらに支持板128の底面には、車両
前方側及び車両後方側にゴム体130が固着されてい
る。揺動フレーム124の揺動は、揺動フレーム124
がゴム体130に当たって一定範囲に制限される。
【0080】このような構造のクローラ120において
も、前側転輪52、後側転輪54及び中間転輪56を構
成するタイヤ42及びフレーム20(共に図2参照)と
別体で、ガイド盤38(図2及び図3参照)を配置する
ことにより、本発明の自動車用クローラの車輪構造を適
用することができる。
【0081】
【発明の効果】請求項1に記載の発明では、駆動力を受
けて回転する駆動輪と、前記駆動輪の下方に配置され、
少なくとも1つが半径方向に弾性変形可能な環状の弾性
転輪とされた複数の転輪と、前記駆動輪及び前記転輪に
巻き掛けられ駆動輪の回転により巻掛方向へ循環する無
端ベルトと、前記弾性転輪と別体に設けられ、前記無端
ベルトの内面に形成された突部に当接して無端ベルトの
幅方向移動を制限する制限手段と、を有するので、無端
ベルトを厚肉にしなくても損傷を防止でき、衝撃音も発
生しない。また、無端ベルトの外れが防止される。さら
に、制限手段を交換する場合には、交換が容易になると
共に、制限手段の位置を弾性転輪の位置に関係なく設定
することができる。
【0082】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記制限手段が、前記弾性転輪と同
軸の円盤状に形成されたガイド盤であり、前記ガイド盤
に、このガイド盤が部分的に厚肉とされた厚肉部が設け
られているので、ガイド盤の固有振動数が低くなり、ガ
イド盤の振動によって生じる打音が小さくなる。
【0083】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の発明において、前記厚肉部が、前記ガイド盤の外周
に設けられているので、ガイド盤の外周の強度が高めら
れ、ガイド盤の損傷を効果的に防止することができる。
【0084】請求項4に記載の発明では、請求項2又は
請求項3に記載の発明において、前記ガイド盤に、この
ガイド盤を板厚方向に貫通する貫通孔が形成されている
ので、ガイド盤の放射面が小さくなり、ガイド盤の振動
によって生じる打音が小さくなる。また、ガイド盤と弾
性転輪との間に異物が挟まれない。
【0085】請求項5に記載の発明では、請求項1〜請
求項4のいずれかに記載の発明において、前記制限手段
に、この制限手段に作用した所定値以上の外力によって
制限手段を破損させる脆弱部が設けられているので、無
端ベルトを介してガイド盤に所定値以上の外力が作用す
ると、脆弱部によって制限手段が破損される。このた
め、ガイド盤が変形して弾性転輪に接触することがな
く、車両の走行に影響を与えない。
【0086】また、ガイド盤に作用した外力のエネルギ
ーが制限手段の破損によって吸収されるので、このエネ
ルギーが自動車の車体や、クローラを構成する他の構成
要素等に作用しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る自動車用クローラ
の車輪構造が採用されたクローラを示す側面図である。
【図2】図1に示すクローラのII−II線断面図であ
る。
【図3】本発明の一実施の形態に係る自動車用クローラ
の車輪構造に使用されるガイド盤を示す側面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る自動車用クロ
ーラの車輪構造が採用されたクローラが突起に乗り上げ
た状態を示す側面図である。
【図5】図1に示すクローラが段差に乗り上げる状態を
示す前側転輪付近の側面図である。
【図6】従来のクローラが段差に乗り上げる状態を示す
側面図である。
【図7】図1に示すクローラが段差に乗り上げる状態を
示す車両の側面図である。
【図8】前輪としてタイヤが採用された車両が段差に乗
り上げる状態を示す側面図である。
【図9】本発明の自動車用クローラの車輪構造が適用可
能なクローラの図1と異なるタイプを示す側面図であ
る。
【図10】従来のクローラを示す側面図である。
【符号の説明】
10 クローラ 16 駆動輪 30 ホイール(弾性転輪) 38 ガイド盤(制限手段) 42 タイヤ((弾性転輪)前側転輪、後側転輪、中
間転輪) 44 無端ベルト 50 突条(突部) 52 前側転輪(弾性転輪、転輪) 54 後側転輪(弾性転輪、転輪) 56 中間転輪(弾性転輪、転輪) 84 厚肉部 90 貫通孔 92 脆弱部 120 クローラ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動力を受けて回転する駆動輪と、 前記駆動輪の下方に配置され、少なくとも1つが半径方
    向に弾性変形可能な環状の弾性転輪とされた複数の転輪
    と、 前記駆動輪及び前記転輪に巻き掛けられ駆動輪の回転に
    より巻掛方向へ循環する無端ベルトと、 前記弾性転輪と別体に設けられ、前記無端ベルトの内面
    に形成された突部に当接して無端ベルトの幅方向移動を
    制限する制限手段と、 を有することを特徴とする自動車用クローラの車輪構
    造。
  2. 【請求項2】 前記制限手段が、前記弾性転輪と同軸の
    円盤状に形成されたガイド盤であり、 前記ガイド盤に、このガイド盤が部分的に厚肉とされた
    厚肉部が設けられていることを特徴とする請求項1に記
    載の自動車用クローラの車輪構造。
  3. 【請求項3】 前記厚肉部が、前記ガイド盤の外周に設
    けられていることを特徴とする請求項2に記載の自動車
    用クローラの車輪構造。
  4. 【請求項4】 前記ガイド盤に、このガイド盤を板厚方
    向に貫通する貫通孔が形成されていることを特徴とする
    請求項2又は請求項3に記載の自動車用クローラの車輪
    構造。
  5. 【請求項5】 前記制限手段に、この制限手段に作用し
    た所定値以上の外力によって制限手段を破損させる脆弱
    部が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項
    4のいずれかに記載の自動車用クローラの車輪構造。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2445227C1 (ru) * 2010-11-16 2012-03-20 Сергей Владимирович Карпеев Опорный каток гусеничного транспортного средства

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