JP2000016036A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

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JP2000016036A
JP2000016036A JP11109193A JP10919399A JP2000016036A JP 2000016036 A JP2000016036 A JP 2000016036A JP 11109193 A JP11109193 A JP 11109193A JP 10919399 A JP10919399 A JP 10919399A JP 2000016036 A JP2000016036 A JP 2000016036A
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filament
carcass
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filaments
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Kiyoshi Ikehara
清 池原
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B1/00Constructional features of ropes or cables
    • D07B1/06Ropes or cables built-up from metal wires, e.g. of section wires around a hemp core
    • D07B1/0606Reinforcing cords for rubber or plastic articles
    • D07B1/062Reinforcing cords for rubber or plastic articles the reinforcing cords being characterised by the strand configuration
    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B2201/00Ropes or cables
    • D07B2201/20Rope or cable components
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 タイヤサイドウォールの倒れ込みを抑制し、
かつ耐久性を向上した空気入りラジアルタイヤを提供す
る。 【解決手段】 標準リム8のフランジの曲率中心点を起
点として、タイヤの回転軸からタイヤ径方向外側への仰
角が60°となる線分をタイヤ外側から内側に引いたと
き、該線分上のタイヤ厚みの中心点よりタイヤ外側寄り
の領域に、線分を横切る向きに延在するスチールコード
による補強層9を少なくとも1層は有し、該スチールコ
ードは、3本の同径のフィラメントを撚り合わせてな
り、コードの長手方向と直交する断面において、各フィ
ラメントの中心点を結んで形成される三角形の最大角度
が90°以上180 °未満で、かつ最大角度をなす頂点が常
に同一フィラメント上にあり、さらに該フィラメントと
これに隣接するフィラメントとの中心間距離が、フィラ
メント径の1.0 〜1.3 倍である、フィラメントの配置と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、空気入りラジア
ルタイヤ、特に車両に装着された空気入りタイヤが走行
中にパンクした場合にも、その後の通常走行を可能とし
た、いわゆるランフラットタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】車両の走行中に、該車両に装着された空
気入りタイヤに、例えば釘や金属片などの異物が突き刺
さり、その外傷からタイヤ内の空気が急速に漏洩し、内
圧が極端に低下する、パンクが発生した際、パンクが発
生した地点から所望の地点、例えばタイヤ交換が可能な
ガスステーションや自宅までの距離を、タイヤを損傷す
ることなく、しかも運動性能、中でも操縦安定性を損な
うことなく、安全に走行するために、パンク後の通常走
行を可能とする、ランフラットタイヤについて種々の提
案がなされている。
【0003】この種のタイヤ、とりわけ乗用車に供する
ランフラットタイヤについて、特公昭52−41521 号公報
には、図1に示すように、タイヤの最も剛性が低い部分
であるサイドウォールのカーカス内側に、断面が三日月
状の補強ゴム層Gを配置し、正常時には荷重を主として
内圧で支持し、パンク発生後は補強されたサイドウォー
ル自体の剛性で荷重を支持する、構造が提案されてい
る。
【0004】このランフラットタイヤは、パンクが発生
すると、図1に点線で示すように、主にビード部がタイ
ヤの外側に倒れ込む形で走行が継続されるが、ランフラ
ット走行に伴う発熱を抑えるために、倒れ込みを極力抑
えることが重要である。この倒れ込みの抑制手段とし
て、変形の大きい領域に補強層、中でもスチールコード
による補強層を設けることが、簡便かつ有効である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、乗用車用タ
イヤの荷重負担は比較的小さいけれども、大型乗用車で
はタイヤ1本当たりの荷重は500kgf前後にもなり、この
種タイヤをパンク後の極低内圧下でランフラット走行さ
せた場合は、サイドウォールに加わる荷重は静荷重の数
倍にもなる。従って、ランフラット走行中は、タイヤの
サイドウォールに応力が集中することは避けられず、サ
イドウォールのビード部付近はリムのフランジに突き上
げられ、ビード部付近に配置したスチールコードに座屈
が生じる結果、コードに圧縮応力が加わり、やがてコー
ド破断に到る。
【0006】座屈に起因したコード破断に対する耐久性
を向上したスチールコードとして、特開平5−295681号
および同5−295683号各公報には、特定の構造が与えら
れた1+3のコードが開示されている。この提案は、特
にタイヤのベルトへの適用を前提としたものであり、ベ
ルトに比し過大な入力のあるビード部付近に適用した場
合、コードの中心のコアフィラメントに大きな圧縮歪み
が加わる可能性があり、コアフィラメントがシースフィ
ラメントに先行して破断し、結局はコード破断をまね
く、おそれがある。また、特開平4−257385号公報に
は、1×3構造のコードをタイヤのベルトに適用した際
の、コード長手方向におけるフィラメントの適正配置が
示されているが、ベルトに比し過大な入力のあるタイヤ
サイド部、それも極低内圧下でのランフラット走行時の
ビード部における過大な圧縮歪みに対して、耐久性の向
上手段を与えるまでには到らない。
【0007】そこで、この発明は、特にランフラット走
行などの極低内圧下の走行における、タイヤサイドウォ
ールの倒れ込みをスチールコードの補強層によって抑制
し、かつ該スチールコードの耐疲労性を改善して耐久性
を向上した空気入りラジアルタイヤを提供しようとする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者らは、種々のコー
ドおよびタイヤの試作を重ねて検討した結果、特定構造
のスチールコードでビード部の所定領域を補強すること
により、上記の問題点が解決されることを見出し、この
発明を完成するに到った。
【0009】この発明の要旨構成は、次のとおりであ
る。 (1) 1対のビード部間でトロイド状に延びるラジアル配
列コードのプライからなるカーカスを骨格とし、このカ
ーカスのクラウン部の径方向外側に複数層のベルトおよ
びトレッドを配置し、さらにサイド部のカーカスの内側
に、断面が三日月状の補強ゴム層を配置した空気入りラ
ジアルタイヤであって、該タイヤを標準リムに装着後に
最高空気圧を充填した状態において、該標準リムのフラ
ンジの曲率中心点を起点として、タイヤの回転軸からタ
イヤ径方向外側への仰角が60°となる線分をタイヤ外側
から内側に引いたとき、該線分上のタイヤ厚みの中心点
よりタイヤ外側寄りの領域に、線分を横切る向きに延在
するスチールコードによる補強層を少なくとも1層は有
し、該スチールコードは、3本の同径のフィラメントを
撚り合わせてなり、コードの長手方向と直交する断面に
おいて、各フィラメントの中心点を結んで形成される三
角形の最大角度が90°以上180 °未満で、かつ最大角度
をなす頂点が常に同一フィラメント上にあり、さらに該
フィラメントとこれに隣接するフィラメントとの中心間
距離が、フィラメント径の1.0 〜1.3倍である、フィラ
メントの配置に成ることを特徴とする空気入りラジアル
タイヤ。
【0010】(2) 1対のビード部間でトロイド状に延び
るラジアル配列コードのプライからなるカーカスを骨格
とし、このカーカスのクラウン部の径方向外側に複数層
のベルトおよびトレッドを配置し、さらにサイド部のカ
ーカスの内側に、断面が三日月状の補強ゴム層を配置し
た空気入りラジアルタイヤであって、該タイヤを標準リ
ムに装着後に最高空気圧を充填した状態において、該標
準リムのフランジの曲率中心点を起点として、タイヤの
回転軸からタイヤ径方向外側への仰角が60°となる線分
をタイヤ外側から内側に引いたとき、該線分上のタイヤ
厚みの中心点よりタイヤ外側寄りの領域に、線分を横切
る向きに延在するスチールコードによる補強層を少なく
とも1層は有し、該スチールコードは、1本のコアフィ
ラメントのまわりに、3本の同径のシースフィラメント
を撚り合わせてなり、コードの長手方向と直交する断面
において、各フィラメントの中心点を結んで形成される
三角形の最大角度が90°以上180 °未満で、かつ最大角
度をなす頂点が常に同一フィラメント上にあり、さらに
該フィラメントとこれに隣接するフィラメントとの中心
間距離が、フィラメント径の1.0 〜1.3 倍である、フィ
ラメントの配置に成ることを特徴とする空気入りラジア
ルタイヤ。
【0011】(3) 上記(1) または(2) において、フィラ
メントの径が0.10〜0.27mmである空気入りラジアルタイ
ヤ。
【0012】(4) 上記(1) 、(2) または(3) において、
スチールコードによる補強層がカーカスプライである空
気入りラジアルタイヤ。
【0013】(5) 上記(1) 、(2) 、(3) または(4) にお
いて、カーカスはプライをビードコアのまわりにタイヤ
の内側から外側へ巻返してタイヤ径方向外側に延びる折
返し部を有し、この折返し部に沿ってスチールコードに
よる補強層を配置した空気入りラジアルタイヤ。
【0014】(6) 上記(1) 、(2) 、(3) 、(4) または
(5) において、カーカスは、そのプライがタイヤの外周
面に沿ってタイヤ径方向内側に向かってビードコア付近
まで延びる、ダウンプライを有し、このダウンプライを
スチールコードによる補強層とした空気入りラジアルタ
イヤ。
【0015】
【発明の実施の形態】さて、図2に、この発明に従う乗
用車用ラジアルタイヤの具体例を図解する。このタイヤ
は、1対のビードコア1間でトロイド状に延びるカーカ
ス2、このカーカス2のクラウン部のタイヤ径方向外側
に配置した複層、図示例で2層のベルト3、このベルト
3のタイヤ径方向外側に配置したトレッド4およびタイ
ヤサイド部のカーカス2の内側に配置した補強ゴム層5
から成る。この補強ゴム層5は、断面が三日月状の硬質
ゴム、例えばショアA硬さが70〜90°および最大厚みが
5〜25mmのゴムを、カーカスのクラウン部側域からビー
ド部付近まで、カーカスに沿って延在して成る。
【0016】カーカス2は、ゴム被覆したコードをラジ
アル配列したプライの少なくとも2枚を積層した構造に
成り、図2の例では、第1カーカスプライ6およびその
外側に配置した第2カーカスプライ7の組み合わせにな
り、両プライ5および6をビードコア1のまわりにタイ
ヤ内側から外側に巻き返し、その端縁をさらにタイヤ径
方向外側に延ばした、折り返し部6aおよび7aをそれぞれ
有する。
【0017】そして、上記タイヤを標準リム8に装着後
に最高空気圧を充填した状態において、この標準リム8
のフランジ8aの曲率中心点を起点Aとしてタイヤの回転
軸Oからタイヤ径方向外側への仰角が60°となる線分H
をタイヤ外側から内側に引いたとき、該線分H上のタイ
ヤ厚みの中心点Bよりタイヤ外側寄りの領域に、線分H
を横切る向きに延在するスチールコードによる補強層を
少なくとも1層は設けることによって、タイヤの特にビ
ード部を補強することが重要である。すなわち、図2に
示したタイヤでは、第1カーカスプライ6および第2カ
ーカスプライ7にスチールコードを用いることによっ
て、第1カーカスプライ6および第2カーカスプライ7
の折り返し部6aおよび7aを、スチールコード補強層とし
た。
【0018】また、図3に示すタイヤは、図2に示した
タイヤ構造において、その折り返し部6aおよび7aとビー
ドコア1上に据えたビードフィラーとの間に、スチール
コード補強層9を配置した例であり、この場合、第1カ
ーカスプライ6および第2カーカスプライ7の補強材
は、テキスタイルコードおよびスチールコードのいずれ
を用いてもよく、または第1カーカスプライ6にいずれ
か一方のコードを使用し、第2カーカスプライ7にいず
れか他方のコードを使用することもできる。なお、スチ
ールコード補強層9は、少なくとも上記した線分Hを含
む、2.0 cm以上、好ましくは5.0cm 以上の区域に跨がる
ことが好ましい。また、スチールコード補強層9におけ
るコードの配列は、ラジアル方向に対して0〜70°の傾
斜角度で配置することが、サイド部の倒れ込みを補強す
る上で好ましい。
【0019】さらに、図4に示すタイヤは、図2に示し
たタイヤ構造において、第2カーカスプライ7の外側に
第3カーカスプライ10を配置した例である。この第3カ
ーカスプライ10は、その両端部を第2カーカスプライ7
の折り返し部7aの外側に沿ってビードコア1付近までタ
イヤ径方向内側に延ばして成る、ダウンプライである。
この例では、第3カーカスプライ10にスチールコードを
用いることによって、第3カーカスプライ10の端部領域
を、スチールコード補強層とした。従って、第1カーカ
スプライ6および第2カーカスプライ7の補強材は、テ
キスタイルコードおよびスチールコードのいずれを用い
てもよく、または第1カーカスプライ6にいずれか一方
のコードを使用し、第2カーカスプライ7にいずれか他
方のコードを使用することもできる。
【0020】ここで、図2〜4に示した各態様で設置し
たスチールコード補強層には、図5〜図8に示すスチー
ルコードを適用し、コードの圧縮歪みに対する耐疲労性
を改善することが、肝要である。次に、このコードにつ
いて、詳しく説明する。まず、図5に示すスチールコー
ドは、3本の同径のフィラメント11〜13を撚り合わせて
成る。そして、これらフィラメント11〜13は、コードの
長手方向と直交する断面のいずれにおいても、各フィラ
メントの中心点11a 、12a および13a を結んで形成され
る三角形の最大角度αが90°以上180 °未満で、かつ最
大角度をなす頂点が常にフィラメント12上にあり、さら
にフィラメント12とこれに隣接するフィラメント11およ
び13との中心間距離Lが、フィラメント径ds の1.0 〜
1.3 倍である、配置としたことに特徴がある。
【0021】また、図6〜8に示すスチールコードは、
1本のコアフィラメント14のまわりに、3本の同径のシ
ースフィラメントを撚り合わせてなり、3本のシースフ
ィラメントは、図5に示したコードのフィラメント11〜
13と同様に、コードの長手方向と直交する断面のいずれ
においても、各フィラメントの中心点11a 、12a および
13a を結んで形成される三角形の最大角度αが90°以上
180 °未満で、かつ最大角度をなす頂点が常にシースフ
ィラメント12上にあり、さらにフィラメント12とこれに
隣接するフィラメント11および13との中心間距離Lが、
フィラメント径ds の1.0 〜1.3 倍である、配置とした
ものである。なお、図6に示すコードはコアフィラメン
ト14が直線状の例であり、図7に示すコードはコアフィ
ラメント14に波形の型付けを施した例であり、さらに図
8に示すコードはコアフィラメント14にらせん形の型付
けを施した例である。
【0022】上記に従って各フィラメントを配置するこ
とによって、フィラメントに所定の型付けを施した際
に、各フィラメント間の位相は実質的に同一となり、耐
コード破断性が改善されるのである。
【0023】なお、フィラメントの径は、0.12〜0.25mm
とすることが好ましい。なぜなら、フィラメント径が0.
12mm未満では、補強層の剛性が低下して補強効果が小さ
くなり、一方0.25mmをこえると、耐疲労性が低下するか
らである。さらに、フィラメントの撚りピッチは、9.5
mm未満では経済的に不利で、一方28mmをこえると耐コー
ド破断性が劣化するところから、9.5 〜28mmとすること
が望ましい。
【0024】上記の図5に示したスチールコードを製造
するには、必要とする型付量をプレフォーマーにて付与
し、3本のフィラメントの位相を実質的に同一にして撚
り合わせてもよいし、あるいは3本の束線に所定の型付
量をプレフォーマーにて付与して撚っても製造可能であ
る。一方、図6〜8に示したスチールコードを製造する
には、必要とする型付量をプレフォーマーにて付与し、
3本のフィラメントの位相を実質的に同一にしてコアフ
ィラメントのまわりに撚り合わせてもよいし、あるいは
3本の束線に所定の型付量をプレフォーマーにて付与し
てコアフィラメントのまわりに撚っても製造可能であ
る。さらに、該コードを押さえロール等により扁平加工
し、楕円状コードに製造することも可能である。
【0025】ここに、上記コードの各フィラメント11〜
13の中心点を結んで形成される三角形の最大角度を90°
以上、かつ最大角に位置するフィラメントとこれに隣接
するフィラメントとの距離Lを、フィラメント径ds
1.0 〜1.3 倍とするのは、以下の理由による。すなわ
ち、図9および10に示すような従来の1×3撚り構造お
よび1+3撚り構造のコードでは、圧縮曲げ入力がある
と、図11に示すように、大きな曲げ変形がある臨界点で
起こる、圧縮座屈現象が認められるのに対し、図5〜8
に示した、この発明に従うコードの場合は、図11に示す
ように座屈現象は認められない。
【0026】これは、図5〜図8に示すフィラメント配
列とすることによって、各フィラメント間の位相は実質
的に同一となるため、コードに圧縮曲げ入力があって
も、3本のフィラメントは座屈を起こさずに、該入力を
吸収でき、座屈現象が発生しないと考えられる。
【0027】しかし、コードの断面に形成される三角形
の最大角が90°未満のものについては、図9および10に
示した従来コードと同様に、座屈現象が現われるため、
90°以上となる配置が必要である。一方、上記最大角を
180 °未満とするのは、3本のフィラメントを一直線に
配列すると、すなわち最大角が180 °になると、寄り性
状が不均一になって耐コード破断性が低下するから、こ
れを防止するためである。
【0028】さらに、最大角に位置するフィラメントと
これに隣接するフィラメントとの距離Lを、シースフィ
ラメント径ds の1.0 〜1.3 倍としたのは、以下のよう
な理由による。すなわち、耐コード破断性を向上するに
は、L=ds とすること、つまり3本のフィラメントは
隣接することが、有利であるが、3本撚りのフィラメン
トをお互いに接触させることは、製造上極めて困難を伴
うから、1.3 倍以下ならば実質的な効果が得られるた
め、上記範囲に限定した。
【0029】
【実施例】図5に示した1×3構造のスチールコードを
表1に従って、また図6〜8に示した1+3構造のスチ
ールコードを表2に従って、それぞれ試作し、これらコ
ードを、図3に示した乗用車用ラジアルタイヤのスチー
ルコード補強層9に適用し、サイズ225 /60R16のタイ
ヤを試作した。なお、カーカスは、第1カーカスプライ
6としてレーヨン1650 2/dのコードを打ち込み数50本/
50mmで適用し、第2カーカスプライ7としてレーヨン16
50 2/dのコードを打ち込み数50本/50mmで適用した。一
方、ベルトは1×3×0.30(mm)構造のコードを周方向
に対するコード角度:22.0°および打ち込み数30本/50
mmで適用した。また、比較として、図9および10に示し
た構造のスチールコードを表1に従って試作し、同様の
条件下に適用した。ここで、各スチールコードの最大角
αおよび隣接フィラメント間距離は、スチールコード補
強層9における任意の20箇所のコード断面につき測定し
た結果を、上下限の範囲で示したものである。
【0030】かくして得られた試作タイヤを、低内圧
(3.0kgf/cm2 )および高荷重(1200kgfの下に1万km
のドラム走行させた後、タイヤのスチールコード補強層
9からコードを取り出して、破断コードの本数について
調べることによって、耐疲労性を評価した。その結果
を、表1および2に併記する。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表1および2から、この発明に従うスチー
ルコードをタイヤのビード部を補強するスチールコード
補強層9に適用することは、該補強層の耐疲労性を向上
するのに極めて有効であることがわかる。従って、タイ
ヤを極低内圧下で走行するランフラット走行時に、この
発明がとりわけ有利に適合することが明らかである。
【0034】
【発明の効果】この発明によれば、パンク時の安全走行
を想定したランフラットタイヤにおける、耐久性、とく
にタイヤビード部に設けたスチールコード補強層の耐久
性を格段に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ランフラットタイヤの構造およびランフラッ
ト走行時の状態を示した図である。
【図2】 乗用車用タイヤの構造を示した図である。
【図3】 乗用車用タイヤの構造を示した図である。
【図4】 乗用車用タイヤの構造を示した図である。
【図5】 この発明に従うスチールコードの断面図であ
る。
【図6】 この発明に従うスチールコードの断面図であ
る。
【図7】 この発明に従うスチールコードの断面図であ
る。
【図8】 この発明に従うスチールコードの断面図であ
る。
【図9】 在来のスチールコードの断面図である。
【図10】 在来のスチールコードの断面図である。
【図11】 スチールコードの圧縮歪(%)と圧縮応力
(kgf )との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ビードコア 2 カーカス 3 ベルト 4 トレッド 5 補強ゴム層 6 第1カーカスプライ 7 第2カーカスプライ 8 標準リム 8a フランジ 9 スチールコード補強層 10 第3カーカスプライ 11〜13 フィラメント(シースフィラメント) 14 コアフィラメント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60C 15/06 B60C 15/06 A D07B 1/06 D07B 1/06 A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1対のビード部間でトロイド状に延びる
    ラジアル配列コードのプライからなるカーカスを骨格と
    し、このカーカスのクラウン部の径方向外側に複数層の
    ベルトおよびトレッドを配置し、さらにサイド部のカー
    カスの内側に、断面が三日月状の補強ゴム層を配置した
    空気入りラジアルタイヤであって、 該タイヤを標準リムに装着後に最高空気圧を充填した状
    態において、 該標準リムのフランジの曲率中心点を起点として、タイ
    ヤの回転軸からタイヤ径方向外側への仰角が60°となる
    線分をタイヤ外側から内側に引いたとき、該線分上のタ
    イヤ厚みの中心点よりタイヤ外側寄りの領域に、線分を
    横切る向きに延在するスチールコードによる補強層を少
    なくとも1層は有し、 該スチールコードは、3本の同径のフィラメントを撚り
    合わせてなり、コードの長手方向と直交する断面におい
    て、各フィラメントの中心点を結んで形成される三角形
    の最大角度が90°以上180 °未満で、かつ最大角度をな
    す頂点が常に同一フィラメント上にあり、さらに該フィ
    ラメントとこれに隣接するフィラメントとの中心間距離
    が、フィラメント径の1.0 〜1.3 倍である、フィラメン
    トの配置に成ることを特徴とする空気入りラジアルタイ
    ヤ。
  2. 【請求項2】 1対のビード部間でトロイド状に延びる
    ラジアル配列コードのプライからなるカーカスを骨格と
    し、このカーカスのクラウン部の径方向外側に複数層の
    ベルトおよびトレッドを配置し、さらにサイド部のカー
    カスの内側に、断面が三日月状の補強ゴム層を配置した
    空気入りラジアルタイヤであって、 該タイヤを標準リムに装着後に最高空気圧を充填した状
    態において、 該標準リムのフランジの曲率中心点を起点として、タイ
    ヤの回転軸からタイヤ径方向外側への仰角が60°となる
    線分をタイヤ外側から内側に引いたとき、該線分上のタ
    イヤ厚みの中心点よりタイヤ外側寄りの領域に、線分を
    横切る向きに延在するスチールコードによる補強層を少
    なくとも1層は有し、 該スチールコードは、1本のコアフィラメントのまわり
    に、3本の同径のシースフィラメントを撚り合わせてな
    り、コードの長手方向と直交する断面において、各フィ
    ラメントの中心点を結んで形成される三角形の最大角度
    が90°以上180°未満で、かつ最大角度をなす頂点が常
    に同一フィラメント上にあり、さらに該フィラメントと
    これに隣接するフィラメントとの中心間距離が、フィラ
    メント径の1.0 〜1.3 倍である、フィラメントの配置に
    成ることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、フィラメン
    トの径が0.10〜0.27mmである空気入りラジアルタイヤ。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3において、スチー
    ルコードによる補強層がカーカスプライである空気入り
    ラジアルタイヤ。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4において、カ
    ーカスはプライをビードコアのまわりにタイヤの内側か
    ら外側へ巻返してタイヤ径方向外側に延びる折返し部を
    有し、この折返し部に沿ってスチールコードによる補強
    層を配置した空気入りラジアルタイヤ。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4または5におい
    て、カーカスは、そのプライがタイヤの外周面に沿って
    タイヤ径方向内側に向かってビードコア付近まで延び
    る、ダウンプライを有し、このダウンプライをスチール
    コードによる補強層とした空気入りラジアルタイヤ。
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