JP2000015380A - 金属管の増肉加工方法 - Google Patents
金属管の増肉加工方法Info
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Abstract
で増肉加工を行った後のダイス引き抜き作業を容易とす
る。 【解決手段】 ダイス10の外面に金属管1の長手方向
沿いに勾配を設けておき、金属管1の増肉加工によって
ダイス10の外側に厚肉部1Aを形成した後のダイス引
き抜きに際し、ダイス10を外径が大きい側に引き抜く
ことで、厚肉部との間に隙間を生じさせ、小さい力で容
易に且つ厚肉部内面を傷付けることなくダイスを引き抜
き可能とする。
Description
管等の金属管の長手方向の所望区間を増肉させて厚肉部
を形成する金属管の増肉加工方法に関する。
域を、誘導コイル等で局部的に加熱して赤熱状態の加熱
部を形成し、該加熱部を金属管の長手方向に移動させな
がら該加熱部に金属管の長手方向の圧縮力を付与して順
次増肉させ、且つ前記加熱部の後端部分を増肉直後に冷
却して固化させ、それ以上の増肉が生じないようにする
ことによって、金属管を連続的に所望厚さに増肉させて
ゆく金属管の増肉加工方法が知られている。ところが、
この増肉加工方法では増肉を生じている部分が何ら拘束
されていないので、不安定な歪みが生じることがあり、
このため増肉加工条件(温度、圧力等)を厳密に制御す
る必要があった。また、増肉加工で形成した厚肉部に熱
処理を施すことがあるが、その熱処理で加熱した際に好
ましくない変形が生じることもあった。
等は先に、金属管の増肉加工すべき領域内に、形成する
厚肉部の長さ以上の長さを有するダイスをあらかじめ挿
入しておき、この状態で前記金属管に増肉加工を施し、
また必要に応じ熱処理を施す方法を開発し、特許出願し
た(特開平9−76011号公報参照)。この方法は、
増肉加工時にダイスの外面で、金属管の増肉変形を生じ
ている部分の内面を規制し、増肉加工時の不安定な変形
を抑制することができ、また、熱処理時にはやはりダイ
スの外面で厚肉部の好ましくない変形を抑制することが
できるという効果を有している。
に金属管の厚肉部内面をダイスで規制した場合、厚肉部
の内面が強くダイスに押し付けられることとなり、しか
も、増肉加工や熱処理の終了時に厚肉部が冷える時の収
縮によって一層強く締め付けられた状態となる。このた
め、ダイスを金属管から引き抜く際にきわめて大きい力
が必要となるばかりでなく、引き抜きの際に金属管内面
に傷をつけてしまうことがあった。また、場合によって
は引き抜き不能となることもあった。
潤滑剤を塗布して滑りを良くすることが考えられるが、
増肉加工時にきわめて高温となることから、潤滑剤が燃
焼してしまい、本来の性能を発揮しない。そこで、前記
した特開平9−76011号公報では、ダイスを拡縮可
能又は分解可能な構造とし、ダイスの引き抜き時にはダ
イスを縮径させるか又は分解して引き抜くことを提案し
ている。
スは構造が複雑で高価であり、しかも構造が複雑なため
メンテナンスを頻繁に行う必要があり、維持費が大とな
る。また、寸法的な制約から構成部材が小さく、弱い。
従って、寿命も短く、これらの欠点は小径管ほど顕著に
生じる。更に拡縮可能な構成とした場合には、ダイスを
周方向に複数のセグメントに分割した構造とする必要が
あり、そのため、厚肉部内面を規制するため拡径した状
態ではセグメント間の隙間が大きくなり、その隙間の部
分では厚肉部内面を良好に規制できず、厚肉部の形状を
悪くすることがある。この欠点は、特に円管の場合に顕
著に生じる。また、分解可能な構成とした場合には、ダ
イス引き抜きに際し、分解する必要があり、作業性が悪
いという問題もあった。
もので、金属管の内面をダイスで規制する方式で増肉加
工を行う方法において、拡縮可能な構成のダイスを用い
ることなく、容易にダイスを引き抜くことを可能とする
金属管の増肉加工方法を提供することを目的とする。
を解決するため、金属管内に挿入するダイスとして、そ
の外面の金属管の長手方向沿いに勾配を施してあるダイ
スを用いたものである。このようにダイスに勾配を施し
ておくと、金属管からダイスを引き抜く際、そのダイス
外面に金属管内面が強く押し付けられた状態であって
も、ダイスを金属管の長手方向にわずかに移動させるの
みでダイスと金属管との接触圧が急減し、引き抜きに要
する力がきわめて小さくなり且つ安定する。このため、
ダイスを引き抜き時に縮径させるとか、分解するといっ
た操作を行うことなく、ダイスを容易に引き抜くことが
でき且つ金属管内面に傷を付けるということもない。
肉加工すべき金属管内に、増肉加工によって形成される
厚肉部の内側に位置するように、その厚肉部の長さ以上
の長さを有するダイスをあらかじめ挿入しておき、この
状態で前記金属管の長手方向の小領域を加熱装置で局部
的に加熱して赤熱状態の加熱部を形成し、該加熱部を金
属管の長手方向に移動させながら該加熱部に金属管の長
手方向の圧縮力を付与して順次増肉させ、且つ前記加熱
部の後端部分を増肉直後に冷却することによって、金属
管を連続的に増肉させて前記ダイスの外側に厚肉部を形
成する方法において、前記ダイスとして、その外面の金
属管の長手方向沿いに勾配を施してあるダイスを用いる
という構成としたものである。この構成では、金属管の
増肉加工が定位置に配置されたダイスの外側で行われ、
従って、増肉時に生じがちな好ましくない変形をダイス
外面で規制でき、安定して良好に増肉加工を行なうこと
ができる。そして、増肉加工を終わった後は、ダイスの
外面に厚肉部が押し付けられた状態となっているが、ダ
イス引き抜きの際には、ダイスに金属管の長手方向の力
を与えるか衝撃を与えてわずかに動かせば、ダイス外面
の勾配によってダイスと金属管との間に隙間が生じて接
触圧が急減し、引き抜き力がきわめて小さくなり、この
ため、金属管内面を傷付けることなく、ダイスを容易に
引き抜くことができる。
挿入させた状態で増肉加工する際の厚肉部の増肉率を、
金属管の長手方向に一定とし一定肉厚の厚肉部を形成す
る構成としてもよいが、この構成とすると、厚肉部の外
面にダイスの勾配を倣った勾配が形成され、外径寸法が
長手方向に変化する場合がある。従って、もし厚肉部外
面の寸法公差が厳しく要求される場合には、厚肉部外面
の勾配をなくすことが必要であり、その場合には、金属
管の増肉率を、金属管の長手方向位置及びダイスの勾配
に応じて調整しながら増肉加工する構成とすることによ
り、厚肉部の外径寸法を金属管の長手方向に沿って一定
となるようにすることができる。
を抜きやすくする点からは大きい方が良いが、増肉によ
って形成する厚肉部の形状からは極力小さい方が良い。
本発明者等が確認した結果、ダイスの勾配を1/100
0程度とした場合でも容易に抜くことができたので、ダ
イスの勾配は1/000〜1/100程度に設定するこ
とが好ましい。
き金属管の長手方向の小領域を加熱装置で局部的に加熱
して赤熱状態の加熱部を形成し、該加熱部を金属管の長
手方向に移動させながら該加熱部に金属管の長手方向の
圧縮力を付与して順次増肉させ、且つ前記加熱部の後端
部分を増肉直後に冷却することによって、金属管を連続
的に増肉させて厚肉部を形成する方法において、前記金
属管の加熱部の内側に位置するように、外面に金属管の
長手方向沿いに勾配を施してあるダイスを、勾配の大径
側が前記加熱部の金属管に対する移動方向側となるよう
に位置させ、且つそのダイスを前記加熱部の金属管に対
する移動に同調させて金属管に対して相対的に移動させ
る構成としたものである。この構成においても、増肉加
工時には、金属管の増肉変形を生じている部分の内面に
はダイスがあって内面の好ましくない変形を抑制してお
り、良好な増肉加工を行うことができ、また、ダイス引
き抜き時には外面の勾配により、容易に且つ金属管内面
に傷付けることなく引き抜くことができる。なお、この
場合には、ダイスは増肉で形成した厚肉部の一端の一部
のみを支持しているので、ダイスに設ける勾配はあまり
小さくする必要はなく、例えば、1/10〜1/2程度
とすることが好ましい。
明する。図1は本発明方法の実施に用いる増肉加工装置
の好適な例を示す概略断面図、図2(a)、(b)はそ
れぞれ図1のA−A矢視断面図、B−B矢視断面図、図
3は増肉加工終了時の厚肉部及びダイスを示す概略断面
図である。1は増肉加工の対象とする金属管であり、本
実施例では角形鋼管が使用されている。この金属管1は
図2から良く分かるように、4つの平坦な管壁(以下側
壁という)1aと4つのコーナー部の円弧状の管壁(以
下コーナー壁という)1bを備えている。2は金属管1
の一端を定位置に固定、保持するための固定支持体、3
は金属管1の反対端を保持して金属管1の軸線方向に移
動可能な可動支持体である。この可動支持体3には油圧
シリンダ等の圧縮装置(図示せず)が連結されており、
可動支持体3を介して金属管1に圧縮力を作用させうる
構成となっている。
に加熱して赤熱状態の加熱部5とすることの可能な加熱
装置であり、ここでは誘導コイルが用いられている。6
は加熱装置4に取り付けられた冷却装置であり、加熱装
置4が矢印Cで示す方向に移動した際、加熱部5の後ろ
側に冷却水等の冷却媒体7を吹き付けるものである。8
は、加熱装置4及び冷却装置6を金属管1に沿って所望
の速度で移動させる移動装置であり、加熱装置4と冷却
装置6を保持して移動する移動台8aと、その移動台8
aを移動させる送りねじ8bと、その送りねじ8bを回
転駆動するサーボモータ8c等を備えている。なお、移
動装置8としては、図示実施例に示すものに限らず、モ
ータと送り用チェーンを用いたもの、油圧シリンダを用
いたもの等、適宜変更可能である。
スであり、金属管1の増肉加工時に生じる恐れのある不
安定な変形を抑制するためのものである。本実施例では
ダイス10として図2に示すように、金属管1の内面に
相似な外面を有する角形管が使用されており、金属管1
の平坦な側壁1aに対向する平坦な側壁ダイス面10a
と、金属管1の円弧状のコーナー面1bに対向する円弧
状のコーナーダイス面10bを有している。ダイス10
は、その内側に長手方向に適当な間隔をあけて配置され
た支持材11を介して支持軸12に保持されており、そ
の支持軸12は可動支持体3側に延び出し、ダイス10
を金属管1に対して出し入れするための油圧シリンダ等
のダイス移動装置(図示せず)に連結されている。
厚肉部1Aの長さLよりも長い長さに作られている。更
にダイス10の外面には、その全長に渡って、金属管1
の長手方向沿いに勾配を施している。この勾配は、図3
で誇張して示すように、ダイス10の金属管1からの引
き抜き側(図1、図3では左側)が大径となるように、
すなわち、引き抜き側の外径D1 が反対側の外径D2 よ
りも大きくなるように形成している。なお、本明細書で
は、用語「径」は円形断面の直径を示す場合に限らず、
図2に示すような角形断面における直径(中心を通る直
線上での寸法)をも示しており、前記した径D1 、D2
は一対の側壁ダイス面10a間の距離である。勾配の大
きさとしては、通常、1/1000〜1/100程度
(傾斜角θは0.057°〜0.57°)に設定する。
属管1との間に、ダイス10を金属管1内に容易に挿入
させうる隙間が生じるように定められている。更に、ダ
イス10と金属管1との間隙g(図2参照)は、増肉加
工時に生じる恐れのある好ましくない変形(例えば、金
属管1の平坦な側壁1aが内側に凹むような変形)をダ
イス10で抑制しうるように定められている。更に具体
的には、ダイス10と金属管1との間隙g(図2参照)
は、増肉による金属管1の内面の内側への変位量(通常
は、増肉量の1/2)よりも小さくし、金属管1の増肉
加工時に増肉した厚肉部1Aの内面を常にダイス10の
外面で規制しうるように定めたものでも良いし、或い
は、金属管1の内面の内側への変位量よりも少し大きく
し、金属管1が正常な形状で増肉した時にはダイス10
の外面に厚肉部内面がほとんど接触しないが、平坦な側
壁1aが内側に凹むような好ましくない変形を生じた時
には、その内面を規制しうるように定めたものでもよ
い。
肉加工動作を説明する。図1において、増肉加工すべき
金属管1を固定支持体2及び可動支持体3で所定位置に
保持し、その金属管1の厚肉部1Aを形成する領域内に
ダイス10を挿入し、その位置に停止させる。次いで、
金属管1に可動支持体3を介して圧縮装置(図示せず)
で圧縮力を作用させた状態で、加熱装置4によって金属
管1の長手方向の小領域を加熱して、塑性変形容易な赤
熱状態の加熱部5とし、その加熱部5に圧縮力による増
肉を生じさせながら、その加熱装置4を金属管1に沿っ
て矢印C方向に移動させ、同時に冷却装置6から冷却媒
体7を加熱部5の後端部分に吹き付けて増肉直後の部分
を冷却、固化する。これにより、金属管1が長手方向に
連続的に増肉させられ、厚肉部1Aが形成されてゆく。
そして所望長さLの厚肉部1Aが形成された時点で上記
した動作を終了する。
場合には増肉した部分に不安定な変形(例えば、平坦な
側壁が凹むとか、長手方向にジャバラ状となるといった
変形)が生じる恐れがあるが、金属管1の増肉した部分
の内側にダイス10の外面が位置しているので、そのよ
うな不安定な変形を防止でき、良好な増肉加工を行うこ
とができる。
定長さの厚肉部1Aが形成された後、必要に応じ、ダイ
ス10をその位置に配置したままで厚肉部1Aの熱処理
を行う。この熱処理は、加熱装置4(図1参照)で厚肉
部1Aを局部的に加熱し、加熱装置4を厚肉部1Aに沿
って移動させることで、厚肉部1Aの全長に対して実施
できる。また、この代わりに、特開平9−76011号
公報に記載のように、加熱装置4の後ろに熱処理用の補
助加熱装置を設け、増肉動作と並行して熱処理を行うこ
とも可能である。このような熱処理の際にも、厚肉部1
Aの内側にダイス10があって厚肉部1Aの内面を規制
するので、好ましくない熱変形を防止できる。
イス移動装置(図示せず)によってダイス10に引き抜
き力を作用させ、ダイス10を金属管1から引き抜く。
このダイス10の引き抜きの際、ダイス10の外面には
厚肉部1Aの内面が押し付けられた状態となっており、
摩擦による引き抜き抵抗が作用している。いま、図3に
示すように、厚肉部1Aのダイス10外面に対する押付
力(締付力)をQ、ダイス10外面の傾斜角をθ、厚肉
部1Aとダイス10との摩擦係数をμ、最大摩擦角を
ρ、ダイス10の引き抜きに要する力(引き抜き力)を
Fとすると、この力Fは次式で表される。 F=Qtan(ρ−θ)・・・(1) ここで、ρ=tan-1μ・・・(2)
ス10に加えることにより、ダイス10は金属管1に対
して軸線方向に移動することとなる。そして、ダイス1
0が金属管1に対してわずかに移動すると、ダイス10
の外面に設けている勾配により、厚肉部1A内面とダイ
ス10の外面との間に隙間が生じ、厚肉部1Aによる押
圧力Qが急減する。このため、引き抜き力Fも急減し、
ダイス10をきわめて軽く引き抜くことができる。ま
た、厚肉部1Aがダイス10に強く押し付けられた状態
でダイス10を引き抜くのではないため、ダイス10の
引き抜き時に厚肉部1A内面に傷を付けることもない。
このように、本実施例では、ダイス10の引き抜き開始
時には或る程度大きい引き抜き力が必要であるとして
も、ダイス10がわずかでも動いた後は、きわめて軽い
力で引き抜くことができ、ダイス10を容易に且つ金属
管内面に傷を付けることなく引き抜くことができる。な
お、ダイス10の引き抜き開始時にダイス10に大きい
引き抜き力を与えるために、適当な打撃手段によって支
持軸12に軸線方向の打撃を与えてダイス10を少し移
動させる構成としてもよい。このように構成すると、ダ
イス10を出し入れするためのダイス移動装置には、あ
まり大きい力を発生させる必要がなくなり、装置の小型
化を図ることができる。
が一定になるように、すなわち、厚肉部の肉厚が均一に
なるように行う。このため、図3に示すように、増肉に
よって形成された厚肉部1Aは、その外面1Aaがダイ
ス10の外面10aに平行となっており、金属管1の軸
線O−Oに対して傾斜した形状となる。しかしながら、
ダイス10に形成している勾配はきわめて小さいので、
厚肉部1Aの大径側と小径側との外径の差はさほど問題
にはならない。例えば、勾配を1/500として、50
0mmの厚肉部を形成した時には大径側と小径側とにお
ける外径差は2mm程度となり、金属管1の外径(通
常、200mm程度以上)に比べて1%以下となり、許
容される場合が多い。
厳密に均一にするよう要求されるものもある。このよう
に寸法公差を厳密に要求される場合には、厚肉部の増肉
率を、金属管1の長手方向位置及びダイス10の勾配に
応じて調整しながら増肉加工することにより、図4に示
すように、厚肉部1Bの厚みをダイス10の勾配に応じ
て変化させ、厚肉部1Bの外面1Baを金属管1の軸線
O−Oに対して平行とし、従って、外径寸法を金属管の
長手方向に沿って等しくすることができる。ここで、増
肉率βを、「増肉により増加した肉厚÷増肉前の肉厚」
と定義すると、その増肉率βは、図1における加熱部5
の矢印C方向の移動速度すなわち加熱装置4の移動速度
Wと、その加熱部5に向かって押し込まれる金属管1の
未増肉部分の移動速度すなわち可動支持体3の移動速度
Vに対して、 β=V/W・・・(3) で示す関係となっている。従って、加熱装置4の移動速
度Wと可動支持体3の移動速度Vのいずれか一方若しく
は双方を金属管1の長手方向位置に応じて調整する(変
化させる)ことにより、増肉率βを金属管1の長手方向
に沿って所望のように変化させることができ、勾配を有
するダイス10の外側に形成した厚肉部1Aの外径寸法
を長手方向に一定とすることができる。
の移動速度Vを調整する方法としては、1)加熱部5の温
度を一定に保った状態(従って、加熱部の変形抵抗を一
定に保った状態)で、可動支持体3に加える圧縮装置
(図示せず)の押圧力を変化させる方法、2)可動支持体
3に加える圧縮装置(図示せず)の押圧力を一定に保っ
た状態で加熱部5の温度を変化させる方法、3)可動支持
体3を移動させる圧縮装置として、可動支持体3を移動
させる速度を制御可能なもの(例えば、デジタルシリン
ダ、デジタルサーボ機構等を備えたもの)を用いる方法
等を挙げることができる。
るように、ダイス10として、金属管1の内面に相似な
外面を有する角形管を使用したが、本発明に使用するダ
イスは必ずしも全周がつながった管状のものに限らず、
複数のセグメントで構成されるものとしてもよい。例え
ば、図5(a)に示す4個セグメント10Aaからなる
ダイス10A、或いは、図5(b)に示す4個セグメン
ト10Baからなるダイス10B等を用いることができ
る。これらの複数のセグメント10Aa又は10Baか
らなるダイス10A、又は10Bを用いる場合、各セグ
メント間に隙間が存在することとなるが、これらのセグ
メントは中心に対して拡縮させる必要がないので、各セ
グメント間の隙間をきわめて小さくでき、増肉加工時の
厚肉部の内面支持に何ら支障は生じない。
を可動支持体3側から金属管1に出し入れする構成であ
るが、この代わりに、固定支持体2側から金属管1に出
し入れする構成に変更してもよい。その場合には、当
然、ダイス10に形成する勾配は、固定支持体2側の端
部が大径側となるようにする。
工装置の図1とは異なる例を示す概略断面図、図7
(a)、(b)は増肉加工途中及び終了時の厚肉部及び
ダイスを示す概略断面図であり、図1〜図5に示す装置
と同一又は同様な部品には同一番号を付している。図
6、図7の増肉加工装置では、金属管1内に挿入される
ダイス20が、金属管1の加熱部5を含む短い領域の内
面を支持しうる程度の短いものである。また、このダイ
ス20を支持した支持軸22に連結され、ダイス20を
金属管1の軸線方向に移動させるためのダイス移動装置
(図示せず)が、ダイス20を加熱装置4と同期移動さ
せる機能を備えている。ダイス20の外面には、その全
長に渡って、金属管1の長手方向沿いに勾配を、ダイス
20の金属管1からの引き抜き側(図1では左側)が大
径となるように、形成している。この勾配の大きさは、
図1に示す装置におけるダイス10の勾配よりも大きく
することが好ましく、例えば、1/10〜1/2程度
(傾斜角θは5.7°〜26.6°)に設定する。その
他の構成は、図1に示す装置と同様である。
移動と同期してダイス20が移動し、従って、図7
(a)に示すように、加熱部5の増肉を生じている部分
の内側に常にダイス20が位置してその内面を規制す
る。これにより、増肉時の不安定な変形が阻止される。
そして、図7(b)に示すように増肉動作を終了した時
点では、ダイス20が厚肉部1Cの端部に位置している
のみであり、しかも、そのダイス20には勾配を形成し
ているので、ダイス20をきわめて容易に引き抜くこと
ができる。更に、傾斜角θを大きく設定しているので、
上記した(1)式からわかるように、引き抜き力Fが小
さくなり、増肉加工時にダイス20を移動させる力、及
び増肉終了後にダイス20を引き抜く際に要する力のい
ずれも小さくできる。また、この実施例では、増肉率を
一定としておくことにより、厚肉部1Cの外面を金属管
の軸線に平行とすることができる。
管内に挿入するダイスとして、その外面に金属管の長手
方向沿いに勾配を施してあるダイスを用いたことによ
り、ダイスを引き抜く時に縮径させるとか、分解すると
いった操作を行うことなく、ダイスを容易に且つ金属管
内面に傷を付けることなく引き抜くことができ、従っ
て、拡縮機構や分解可能な機構を備えていない簡単な構
造の、安価なダイスを用いることができ、曲げ加工に使
用する装置のコストダウンを図ることができると共に、
ダイスのメンテナンスが簡単となり、維持費も削減でき
るという効果を有している。
る厚肉部の全長を支持しうる長さのものを用いると、定
位置に停止させているダイスの外面上に厚肉部を形成で
き、そのダイスで厚肉部を支持した状態で熱処理を行う
ことが可能となり、厚肉部に不安定な熱変形を生じさせ
ることなく、熱処理を行うことができるという効果が得
られる。
部と同期して移動する短いダイスを用いると、ダイスを
短くできるので一層ダイスのコストを下げることがで
き、しかも引き抜きを一層容易に行うことができるとい
う効果が得られる。
な例を示す概略断面図
面図、B−B矢視断面図
びダイスを示す概略断面図
図3と同一部分の概略断面図
す概略端面図
例を示す概略断面図
る増肉加工途中及び終了時の厚肉部及びダイスを示す概
略断面図
Claims (4)
- 【請求項1】 増肉加工すべき金属管内に、増肉加工に
よって形成される厚肉部の内側に位置するように、その
厚肉部の長さ以上の長さを有するダイスをあらかじめ挿
入しておき、この状態で前記金属管の長手方向の小領域
を加熱装置で局部的に加熱して赤熱状態の加熱部を形成
し、該加熱部を金属管の長手方向に移動させながら該加
熱部に金属管の長手方向の圧縮力を付与して順次増肉さ
せ、且つ前記加熱部の後端部分を増肉直後に冷却するこ
とによって、金属管を連続的に増肉させて前記ダイスの
外側に厚肉部を形成する方法において、前記ダイスとし
て、その外面の金属管の長手方向沿いに勾配を施してあ
るダイスを用いたことを特徴とする金属管の増肉加工方
法。 - 【請求項2】 前記厚肉部の外径寸法が金属管の長手方
向に沿って等しくなるように、前記厚肉部の増肉率を、
前記金属管の長手方向位置及び前記ダイスの勾配に応じ
て調整しながら増肉加工することを特徴とする請求項1
記載の金属管の増肉加工方法。 - 【請求項3】 前記ダイスの勾配を、1/1000〜1
/100としたことを特徴とする請求項1又は2記載の
金属管の増肉加工方法。 - 【請求項4】 増肉加工すべき金属管の長手方向の小領
域を加熱装置で局部的に加熱して赤熱状態の加熱部を形
成し、該加熱部を金属管の長手方向に移動させながら該
加熱部に金属管の長手方向の圧縮力を付与して順次増肉
させ、且つ前記加熱部の後端部分を増肉直後に冷却する
ことによって、金属管を連続的に増肉させて厚肉部を形
成する方法において、前記金属管の加熱部の内側に位置
するように、外面に金属管の長手方向沿いに勾配を施し
てあるダイスを、その勾配の大径側が前記加熱部の金属
管に対する移動方向側となるように位置させ、且つその
ダイスを前記加熱部の金属管に対する移動に同調させて
金属管に対して相対的に移動させることを特徴とする金
属管の増肉加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19028798A JP3660802B2 (ja) | 1998-07-06 | 1998-07-06 | 金属管の増肉加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19028798A JP3660802B2 (ja) | 1998-07-06 | 1998-07-06 | 金属管の増肉加工方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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