JP2999698B2 - 金属管の増肉加工熱処理方法及び装置 - Google Patents
金属管の増肉加工熱処理方法及び装置Info
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Description
管等の金属管の長手方向の所望区間を増肉させて厚肉部
を形成し且つその厚肉部を熱処理する金属管の増肉加工
熱処理方法及びその方法の実施に用いる金属管の増肉加
工熱処理装置に関する。
域を局部的に一定幅に加熱して加熱部を形成し、該加熱
部の位置を管の長手方向に相対的に移動させながら管軸
方向に圧縮力を付与して増肉させ、前記加熱部の後端部
分を冷却して固化することにより、金属管を長手方向に
沿って順次増肉させて行く増肉加工方法(フリー増肉
法)が知られている(例えば、特公昭52−470号公
報参照)。従って、この増肉方法を用いることにより、
金属管の所望領域を増肉させて金属管に一体化した厚肉
の補強部即ち厚肉部を形成でき、そのような厚肉部を有
する金属管を建築資材として使用することが考えられ
る。この厚肉部を一体に有する金属管を建築資材として
使用すると、その厚肉部を梁接合等に使用でき、従来行
われていたダイアフラムの溶接などの面倒な補強工作を
省略することができ、大きなメリットがもたらされる。
肉加工方法で形成した厚肉部は、高温に加熱された後、
急冷されるため、焼入れされた状態となり、伸び等の機
械的特性が低下するという問題があった。そこで、厚肉
部を再度加熱して熱処理を行い、機械的特性を改善する
ことが考えられるが、厚肉部の加熱、冷却による熱処理
時に、増肉加工時の残留応力等によって厚肉部にゆがみ
が生じ、問題となることが判明した。例えば、上記した
増肉加工及び熱処理を円形管に対して行うと、厚肉部の
断面形状が円形からゆがんで真円度が低下し、また角形
管に対して行うと、厚肉部の平坦な管壁に内側への凹み
を生じ、平坦度が低下するという現象の生じることが判
明した。このようなゆがみは、特に角形管において顕著
に生じ、重大な問題となった。
もので、金属管の長手方向の所望の領域を、断面におけ
る望ましくないゆがみを防止しながら、増肉加工及び熱
処理して断面形状の良好な厚肉部を形成することの可能
な金属管の増肉加工熱処理方法及びそれに使用する装置
を提供することを目的とする。
された本発明の金属管の増肉加工熱処理方法は、増肉加
工すべき金属管内に、増肉加工によって形成される厚肉
部の内側に位置するように、その厚肉部の長さ以上の長
さを有する熱処理用ダイスをあらかじめ挿入しておき、
この状態で、前記金属管の長手方向の小領域を加熱装置
で局部的に加熱して赤熱状態の加熱部を形成し、該加熱
部を金属管の長手方向に相対的に移動させながら該加熱
部に金属管の長手方向の圧縮力を付与して順次増肉さ
せ、且つ前記加熱部の後端部分を増肉直後に冷却するこ
とによって、金属管を連続的に増肉させて、前記熱処理
用ダイスの外側に厚肉部を形成し、その後、その厚肉部
の内側に熱処理用ダイスを位置させた状態で前記厚肉部
を熱処理することを特徴とするものである。
厚肉部全体を同時に所望温度に加熱して熱処理を行って
もよいが、増肉加工と同様に、厚肉部の小領域を補助加
熱装置によって、所望の熱処理温度に加熱して熱処理加
熱部を形成し、該熱処理加熱部を厚肉部の長手方向に相
対的に移動させることにより、厚肉部の全体を加熱して
熱処理する方法を採用することが好ましい。この方法で
は、比較的小型の補助加熱装置によって厚肉部を所望温
度に加熱可能である。また、その熱処理動作を増肉加工
と並行して行うことが、生産性を向上させるので好まし
い。
工によって熱処理用ダイスの外側に厚肉部を形成し、そ
の状態で厚肉部の熱処理を行っているので、熱処理時の
加熱、冷却によって厚肉部の断面にゆがみが生じようと
しても、厚肉部内面を熱処理用ダイスが拘束して望まし
くないゆがみを防止でき、このため、所定の断面形状の
且つ熱処理された厚肉部を形成できる。また、熱処理時
のゆがみを熱処理用ダイスによって強制的に防止できる
ため、熱処理時における加熱速度、冷却速度等を調整し
てゆがみの防止を図る必要がなく、換言すれば、加熱速
度、冷却速度等を必要な熱処理を行うことができるよう
に設定できる。
を施す前に挿入しているので、挿入時には金属管との間
に適当な間隙が生じており、このため、容易に所定位置
に挿入可能である。しかも、その熱処理用ダイスは、増
肉加工時における断面形状のゆがみを防止する作用を有
しており、この点からも断面形状の良好な厚肉部の形成
を可能としている。更に、熱処理用ダイスは、増肉を生
じている部分に生じやすい不安定な変形(例えば、じゃ
ばら状の変形)を防止し、増肉加工を安定させる作用も
有しており、このため、良好な増肉加工を可能とする増
肉加工条件(例えば、加熱部の温度、圧縮力、冷却速
度、増肉加工速度等)の範囲を広げることができ、増肉
加工速度を上げて生産性を向上させるとか、増肉率を大
きく設定できるとか、増肉加工温度を低く設定して、省
エネを図ることができる等の効果を奏する。
は、増肉加工によって形成された厚肉部の内面を熱処理
時に過度のゆがみを生じないように拘束しうるものであ
ればよく、例えば、熱処理用ダイスの外面が厚肉部の内
面に強く接触してその厚肉部を支持した状態とするもの
であってもよいし、或いは、熱処理用ダイスの外面が厚
肉部の内面にほぼ接触した状態、即ち両者が軽く接触す
るか、両者間に微小な(例えば0.5mm程度)の隙間
が生じた状態とするものであってもよい。なお、後者の
寸法としておくと、熱処理後に熱処理用ダイスを引き抜
く動作が容易となる利点が得られる。
ぼ接触する状態とするには、熱処理用ダイスを増肉加工
前の金属管に挿入した状態での両者の間隙gを、増肉前
の管壁の肉厚t、金属管に生じさせる増肉率β(=増肉
により増加した肉厚÷増肉前の肉厚)に対して、 g≒0.5tβ と設定すればよい。一般に、増肉をダイスを用いない前
記フリー増肉法によって行った場合、増肉は管壁の内外
面にほぼ等しく生じるので、上記の間隙gを採用してお
くと、管壁の増肉変形によって内面側に膨出した部分が
前記間隙gをほぼ満たすこととなり、厚肉部の内面が熱
処理用ダイス外面にほぼ接触する状態即ち軽く接触する
か或いは両者間に微小な隙間が生じた状態となる。即
ち、熱処理用ダイスは増肉加工時において管壁内面の位
置を、フリー増肉が好ましく行われた(図4のような凹
みが生じない)場合の位置に制限する整形用ダイスとし
て作用し、増肉によって形成される厚肉部の内面を整っ
た形状に規制する。
せてその厚肉部を支持する状態とするには、熱処理用ダ
イスを増肉加工前の金属管に挿入した状態での両者の間
隙gを、 0<g<0.5tβ と設定すればよい。ここで、間隙gを0よりも大きくし
たのは、熱処理用ダイスを金属管内に挿入する動作を容
易とするためである。この範囲に設定すると、増肉変形
によって内面側に膨出する管壁部分が前記間隙gを満た
して熱処理用ダイス外面に押し付けられ、その後はその
熱処理用ダイスで内面位置を規制された状態で外面側に
増肉を生じることとなる。換言すれば、熱処理用ダイス
は増肉加工時において管壁内面の位置を、フリー増肉の
場合よりも管外面方向にシフトさせて規制する内面用成
形ダイスとして作用し、増肉によって形成される厚肉部
の内面を所定形状に成形する。このように熱処理用ダイ
スを増肉加工時の内面用成形ダイスとして作用させる
と、厚肉部内面を平滑にし且つ所望寸法に成形できる。
加工時の内面用成形ダイスとして作用させた場合、形成
された厚肉部は熱処理用ダイス外面に強く押し付けられ
た状態となっており、熱処理後にその熱処理用ダイスを
引き抜く動作が困難となる場合がある。そこで、この引
き抜き動作を容易とするため、熱処理用ダイスを縮小可
能な構造とすることが好ましい。縮小可能な構造の例と
しては、ねじ機構を利用して、熱処理用ダイスの外形寸
法を縮小可能とするとか、熱処理用ダイスとして金属管
を用い、その内部に液圧を供給して少し膨張させた状態
で使用し、引き抜き時には液圧を解放することで縮小さ
せる構成等を挙げることができる。
管の場合においては、その中に挿入する熱処理用ダイス
は、角形管の厚肉部内面を全周に渡って拘束しうる構成
のものに限らず、平坦な管壁のみを凹みを生じないよう
拘束する構成としても所期の目的を達成しうる。この構
成とすると、熱処理用ダイスの製造が容易となり、ま
た、角形管からの抜き取りも容易となる利点が得られ
る。
工時における内面用成形ダイスとして作用させる場合に
は、増肉加工の開始時には増肉率を金属管の長手方向位
置に応じて一定比率で増加させ、金属管内面が熱処理用
ダイスに接触した時点以降はその増肉率の増加比率を約
半分に低下させ、所定の増肉率に達した後は増肉率を一
定に保って増肉加工を行う方法を採用することが好まし
い。この方法を採用すると、増肉加工で形成される厚肉
部の増肉開始側端部に、非増肉部から所定厚さの厚肉部
に到る一定勾配の斜面を形成することができ、応力集中
の生じにくい増肉部を形成できる。
管の長手方向位置に応じて一定比率で減少させ、金属管
内面が熱処理用ダイスに非接触となった時点以降はその
増肉率の減少比率を約倍として減少させる方法を採用す
ることが好ましい。この方法を採用すると、増肉加工で
形成される厚肉部の増肉終了側端部に、所定厚さの厚肉
部から非増肉部に到る一定勾配の斜面を形成することが
でき、応力集中の生じにくい増肉部を形成できる。
金属管に形成する前記加熱部の外側に外面用成形ダイス
を配置し、増肉によって外側に変形する管壁の外面位置
を前記外面用成形ダイスによって規制する構成とするこ
ともできる。この構成を採用すると、増肉した管壁の外
面を成形して平滑にすることができる。また、この外面
用成形ダイスで管壁の外面側に生じる増肉量の一部を抑
制し、その分内面側を増肉させることが可能となり、外
面側の増肉量を必要に応じ内面側よりも少なくすること
ができる。
適な装置も提供する。すなわち、本発明の金属管の増肉
加工熱処理装置は、増肉加工すべき金属管内に、増肉加
工によって形成される厚肉部の内側に位置するように挿
入され、前記厚肉部の長さ以上の長さを有する熱処理用
ダイスと、前記金属管に長手方向の圧縮力を作用させる
圧縮装置と、前記金属管の長手方向の小領域を加熱して
赤熱状態の加熱部を形成する加熱装置と、その加熱部の
一端を冷却する冷却装置と、前記加熱装置及び冷却装置
を、角形管に対して相対的に移動させる移動装置と、前
記加熱装置の後ろに該加熱装置と一緒に移動するように
設けられ、増肉加工によって形成された厚肉部の小領域
を、熱処理を行う温度に加熱して熱処理加熱部を形成す
る補助加熱装置とを有することを特徴とする。この構成
の装置では、加熱装置が金属管を局部的に加熱して増肉
を生じさせ且つその金属管に相対的に移動して厚肉部を
形成してゆく増肉加工動作と並行して、その厚肉部の小
領域を補助加熱装置が加熱して熱処理加熱部を形成し、
且つその補助加熱装置が金属管に対して相対的に移動し
て前記熱処理加熱部を厚肉部の長手方向に相対的に移動
させ、厚肉部の全域の熱処理を行うことができ、作業効
率が良い。また、単一の移動装置によって増肉用の加熱
装置と熱処理用の補助加熱装置とを金属管に相対的に移
動させることができ、装置構成を簡略化できる。
増肉加工熱処理装置の好適な例を示す概略断面図、図2
(a)、(b)はそれぞれ図1の矢印A−A断面図、矢
印B−B断面図、図3は図1における増肉加工部分の拡
大断面図である。1は増肉加工すべき金属管であり、こ
こでは角形鋼管が使用されている。以下、この金属管1
を角形管という。角形管1は図2から良く分かるよう
に、4つの平坦な管壁(以下側壁という)1aと、4つ
のコーナー部の円弧状に湾曲した管壁(以下コーナー壁
という)1bを有している。この実施例では、この角形
管1に対して、図1に長さLで示す領域に厚肉部1A
(一部を二点鎖線で示している)を形成する場合を示
す。なお、説明の便宜上、角形管1の長手方向の領域の
なかで、増肉加工をしないで元の肉厚のまま残す部分を
非増肉部1B、1Cとし、増肉加工を行うがまだ増肉さ
せてない部分を未増肉部1Dとする。
する固定装置、3は角形管1の反対端を押圧して角形管
に圧縮力を作用させる油圧シリンダ等の圧縮装置、4
は、角形管1の長手方向の小領域を局部的に加熱して赤
熱状態の加熱部5とすることの可能な環状の加熱装置で
あり、ここでは高周波加熱コイルが使用されている。こ
の加熱装置4は、角形管1に沿って矢印C方向に移動す
る際に冷却水等の冷却媒体7を加熱部5の移動方向に関
して後端となる部分に吹き付ける冷却装置6(図3参
照)を備えている。8は加熱装置4及び冷却装置6を角
形管1に沿って所望の速度で移動させる移動装置であ
り、加熱装置4及び冷却装置6を保持して移動する移動
台8aと、その移動台8aを移動させる送りねじ8b
と、その送りねじ8bを回転駆動するモータ8c等を備
えている。なお、移動装置8としては、図示実施例に示
すモータと送りねじを用いたものに限らず、モータと送
り用チェーンを用いたもの、デジタルシリンダを用いた
もの等、適宜変更可能である。
いように適当な距離をおいて配置され且つ加熱装置4と
一緒に移動するように移動台8aに保持された熱処理用
の補助加熱装置であり、増肉加工により形成された厚肉
部1Aの小領域を環状に且つ所望の熱処理温度に加熱し
て熱処理加熱部26を形成するためのものである。この
補助加熱装置9としても、高周波加熱コイルが使用され
ている。補助加熱装置9には、必要に応じ熱処理加熱部
26の後端を水噴射等によって冷却する冷却装置が設け
られて良い。なお、補助加熱装置9の前には、角形管1
に噴射された冷却媒体7の影響をなくすよう水切り24
が配置されている。
理用ダイスであり、厚肉部1Aの熱処理時に厚肉部内面
位置を規制してゆがみ発生を防止するためのものであ
る。本実施例では熱処理用ダイス10として図2に示す
ように、角形管1の内面と相似な外面を有する角形管が
使用されており、角形管1の側壁1aの内面に対向する
平坦な側壁ダイス面10aと角形管1のコーナー壁1b
に対向する円弧状のコーナーダイス面10bを有してい
る。更に、内部には、向かい合った壁面間隔を一定に保
つための補強材10cを配置している。この補強材10
cは必要に応じて設ければよく、また、その構造も任意
であり、例えば、単に剛性を有する鋼材を溶接等によっ
て固定したものでもよいし、ボルト、ナットを組み合わ
せたターンバックル等を用い、熱処理用ダイス10の壁
面間隔を調整可能としたものでもよい。補強材10cと
して、それを取り付けている壁面間隔を調整可能なもの
を用いると、外形寸法(互いに反対側に位置する側壁ダ
イス面10a、10a間距離)を変化させることがで
き、このため増肉加工及び熱処理を終了し、その熱処理
用ダイス10を角形管1から引き抜く時に、その熱処理
用ダイスの外形寸法を縮小させることで、引抜きを容易
とすることができる利点が得られる。なお、熱処理用ダ
イス10は、必要に応じ加熱する構成、或いは冷却する
構成としてもよい。
する厚肉部1Aの長さLよりも長い長さを有しており、
且つその厚肉部1Aを形成する領域に位置するように、
固定装置2に固定して設けられる。
工によって形成された厚肉部1Aを熱処理する時に厚肉
部内面位置を規制してゆがみ発生を防止しうるように定
められるものであり、具体的には、熱処理用ダイス10
の外周面が厚肉部1Aの内面に強く接触してその厚肉部
1Aを支持するような寸法、或いは、ほぼ接触するよう
な寸法に定められる。更に、具体的には、熱処理用ダイ
ス10を増肉前の角形管1内に容易に挿入しうるよう、
熱処理用ダイス10の側壁ダイス面10aと増肉前の角
形管1の側壁1aの内面との間に、0より大きい間隙g
が存在し、且つその間隙gが、角形管1を増肉加工した
際に増肉によって完全に或いはほぼ満たされるような寸
法に定められる。一般に、角形管1を圧縮して増肉させ
る際、内外面を拘束しない場合には通常、増肉は内側、
外側にほぼ等しく生じる。このため増肉率βを、「増肉
により増加した肉厚Δt(=増肉後の肉厚T−増肉前の
肉厚t)÷増肉前の肉厚t」と定義すると、増肉率βの
増肉を行った時、角形管1の側壁1aの内面は増肉によ
り、0.5×t×βだけ、内側に膨出することとなる。
従って、前記した間隙gを0.5tβにほぼ等しくする
か或いはそれより小さく設定しておけば、増肉加工時に
側壁1aの内側への膨出によって前記間隙gがほぼ満た
されるか或いは完全に満たされることとなり、増肉によ
り形成された厚肉部1Aの内面が、側壁ダイス面10a
にほぼ接触する状態(軽く接触するか接触しないとして
もその間隙が微小な状態)或いは強く接触する状態とな
り、厚肉部1Aの熱処理時に厚肉部1Aのゆがみ発生を
防止できる。
ほぼ等しく設定している。コーナー壁1bとコーナーダ
イス面10bとの間隙も、上記した間隙gと同様に定め
られる。なお、上記した間隙gは理論的なものであり、
実際の設計に当たっては熱処理用ダイス10の熱膨張を
考慮して、適宜補正することが好ましい。
熱処理時の動作を説明する。図1において、増肉加工す
べき角形管1の一端を固定装置2に固定、保持させ、そ
の反対端を油圧シリンダ等の圧縮装置3で押圧して角形
管1に圧縮力を作用させた状態で、加熱装置4によって
角形管1の長手方向の小領域を加熱して、塑性変形容易
な赤熱状態の加熱部5とし、その加熱部5に圧縮力によ
る増肉を生じさせながら、その加熱装置4を角形管1に
沿って矢印C方向に移動させ、同時に冷却手段6から冷
却媒体7を加熱部5の後端部分に吹き付けて増肉直後の
部分を冷却、固化する。これにより角形管1が長手方向
に連続的に増肉させられ、厚肉部1Aが形成されてゆ
く。
よって補助加熱装置9も移動し、その補助加熱装置9が
厚肉部1Aの端部に達すると、補助加熱装置9が加熱を
開始し、厚肉部1Aの小領域を所望の熱処理温度に加熱
して熱処理加熱部26を形成しながら、矢印C方向に移
動し、その熱処理加熱部26の後端を強制冷却するか放
冷する。これにより、厚肉部1Aが連続的に熱処理され
る。かくして、加熱部5に於ける増肉加工と熱処理加熱
部26における熱処理が並行して行われ、所望長さLの
厚肉部1Aが形成され、その厚肉部1の終端まで熱処理
加熱部26が移動した時点で、動作が終了する。これに
より、所定長さLの厚肉部1Aが形成されると共にその
全体が熱処理され、機械的特性の改善が図られる。
しない状態で増肉加工した場合には、圧縮変形及び冷却
による収縮変形等により、得られた厚肉部1Aの断面形
状は図4(b)に示すようになる傾向があり、平坦であ
るべき側壁1Aaが内側に凹み、その位置に凹み12
(凹み量e)を生じ、平坦度が低下するという現象があ
り、これを防止するには、加熱温度、増肉加工速度、冷
却速度等を凹みの生じにくい狭い条件範囲に設定する必
要があった。また、側壁1Aaへの凹み発生現象は厚肉
部1Aを熱処理する時にも生じており、特に熱処理時に
凹み量eが大きくなる傾向があった。これに対し、本実
施例においては、増肉加工の際、内側に熱処理用ダイス
10が存在しているため、加熱部5が圧縮力により増肉
し、その際凹み12が生じようとしても、増肉した部分
の内面が熱処理用ダイス10の平坦なダイス面10aに
接触して規制され、その状態で冷却されて固化する。か
くして、形成された厚肉部1Aには凹み12はほとんど
生じない。次いで、その厚肉部1Aが熱処理のために加
熱され、その際にも平坦な側壁1Aaに凹み12が生じ
ようとするが、その内面が熱処理用ダイス10の平坦な
ダイス面10aによって規制され、平坦に保たれたまま
熱処理される。かくして、図4(a)に示すように、側
壁1Aaに対する凹みの発生が抑制され、角形管1の管
壁に対して内外面にほぼ等しい増肉を生じながら、側壁
への凹み発生を防止した状態で増肉加工及び熱処理が行
われ、平坦度の良い側壁1Aaを備えた厚肉部1Aが形
成される。
も得られる。すなわち、側壁1Aaに対する凹みの発生
を熱処理用ダイス10で抑制可能であるため、凹みの発
生を抑制するために増肉加工速度を低く抑える必要がな
くなり、このため増肉加工速度を高めて生産性を上げる
ことが可能である。また、増肉加工を生じている部分の
内面を熱処理用ダイス10が支持するため、厚肉加工時
に生じ勝ちなじゃばら状の変形(図13参照)が生じに
くく、このため増肉加工条件(例えば、加熱部の温度、
圧縮力、冷却速度、増肉加工速度等)に多少の変動が生
じても、良好な増肉加工が可能であり、操業性が向上す
る。更に、加熱部温度を低下させた状態での増肉加工も
可能となり、増肉加工時の加熱、冷却による硬化を抑制
し、増肉加工部の機械的物性の低下を抑制できる。ま
た、厚肉部1A全体の内面を熱処理用ダイス10で規制
することにより、厚肉部1Aの内面を平滑とすることが
できると共に、厚肉部1Aの真直度も高めることがで
き、厚肉部1Aの品質を向上できる。
ー壁1b内面にコーナーダイス面10bを位置させ、増
肉したコーナー壁内面も規制している。しかしながら、
コーナー壁1bには増肉時或いは熱処理時において凹み
等の異常は生じにくいので、このコーナー壁1bの内面
は必ずしも規制する必要はなく、従って、図5(a)に
示すように、コーナー壁1bの内面とそれに対向するコ
ーナーダイス面10bとの間隙を大きくして、増肉して
も両者が非接触のままとするとか、図5(b)に示すよ
うに、内面用成形ダイス10を、隣接した平坦なダイス
面10a、10aのコーナー部分が切り欠かれた、コー
ナーダイス面の無い形状とする等の変更を行うことも可
能である。
等しい増肉を生じさせるように増肉を行っているが、内
外面における増肉量を異ならせることも可能である。図
6は外面側の増肉量を多くした場合の実施例を示すもの
であり、この実施例では、角形管1の内側にセットする
熱処理用ダイス10の寸法を、図3に示すものよりも大
きくし、角形管1の増肉前の管壁内面との間隙gを小さ
くしている。すなわち、 g<0.5tβ としている。ただし、金属管1に対して熱処理用ダイス
10の挿入を容易とするため、間隙gは0より大として
いる。その他の構成は、図1〜図3に示す実施例と同様
である。
際、内側への変形量が間隙gよりも大きくなろうとする
ため、その内面が熱処理用ダイス10の外面に強く押し
付けられ、その熱処理用ダイス10の形状に成形され、
従って、内側への変形量が制限され、その分、外面側の
増肉量が増加した状態で増肉が行われる。この時、増肉
された部分の内面を熱処理用ダイス10の平坦な側壁ダ
イス面10aが平坦に拘束しているので、図4(b)に
示したような凹み12が生じることはない。更に、増肉
加工によって形成された厚肉部1Aは熱処理用ダイス1
0に強く押し付けられた状態のままで、補助加熱装置9
によって加熱され、熱処理される。このため、熱処理時
においても、厚肉部1Aの平坦な側壁1Aaは平坦な側
壁ダイス面10aで平坦に拘束された状態を保持してお
り、図4(b)に示したような凹み12が生じることは
ない。
加熱部5の移動速度及びその加熱部5に向かって押し込
まれる角形管1の未増肉部分1Dの速度によって決ま
る。いま、図1において、加熱部5の後ろに位置する角
形管1の厚肉部1A或いはその後ろの非増肉部分1Bに
対する加熱部5の移動速度をW、加熱部5の前の未増肉
部分1Dの移動速度をVとすると、増肉率βは、 β=V/W で表される。ここで、この実施例では、厚肉部1A或い
はその後ろの非増肉部分1Bは固定装置2によって移動
しないように構成されているため、上記した加熱部5の
移動速度Wは、加熱装置4の移動速度に等しく、また、
未増肉部分1Dの移動速度Vは圧縮装置3が角形管1の
端部を押し込む速度に等しくなっている。従って、加熱
装置4の移動速度Wと圧縮装置3による押し込み速度V
の比を一定に保つことにより、例えば、加熱装置4の移
動速度Wを一定に保ち且つ圧縮装置3による押し込み速
度Vを一定に保つことにより、一定増肉率での増肉加工
が行われる。ここで、圧縮装置3による押し込み速度を
一定に保つには、圧縮装置3による圧縮力を一定に保ち
且つ加熱部5の温度を一定に保つ(これにより加熱部5
の平均変形抵抗を一定に保つ)方法、圧縮装置3として
押し込み速度を制御可能なもの(例えば、デジタルシリ
ンダ、デジタルサーボ機構等を備えたもの)を用い、圧
縮装置3の制御により一定の押し込み速度に保持する方
法等を用いることができる。
肉加工を開始する際、単に最初から所定の増肉率βとな
るように増肉加工を開始すると、図7(a)に示すよう
に、厚肉部1Aの開始点において非増肉部分1Bとの間
に段部14が形成されてしまう。このような段部14は
応力集中を生じさせるので好ましくなく、従って、図7
(b)に示すような傾斜面15を形成することが好まし
い。増肉加工によって形成する厚肉部の肉厚をTとする
と、その肉厚Tと増肉率βとの間には、 T=(1+β)t の関係がある。従って、増肉率βを変化させることで、
肉厚Tを変化させることが可能であり、図7(b)にお
いて、増肉開始点Dから角形管1の長手方向位置に応じ
て増肉率βを一定比率で増加するように変化させること
で、厚肉部1Aの開始位置に傾斜面15を形成すること
ができ、その増肉率βが所定の値に達した後(点Eに達
した後)は増肉率βを一定に保って増肉加工を行うこと
により、増肉開始部分に傾斜面15を有する一定厚みの
厚肉部1Aを形成することが可能となる。
いので、加熱装置4を角形管1に沿って移動させ加熱部
5を移動させて増肉が生じる位置を角形管1の長手方向
に移動させる際、その位置に応じてV/W(=β)が一
定比率で増加するように、加熱装置4の移動速度Wと圧
縮装置3による押し込み速度Vの一方若しくは双方を制
御する。これにより、増肉開始部分に傾斜面15を形成
することができ、また、その時に増加する比率を適当に
設定することにより、傾斜面15の傾斜を適当に設定で
きる。厚肉部1Aの終了部においても同様に、増肉が生
じる位置が角形管1の長手方向に移動するにつれて、そ
の位置に応じて、V/W(=β)が一定比率で減少する
ように、加熱装置4の移動速度Wと圧縮装置3による押
し込み速度Vの一方若しくは双方を制御する。これによ
り、厚みが徐々に小さくなるような傾斜面を形成でき
る。
記した傾斜面15を形成することは図1〜図3に示す実
施例の場合でも、図6に示す実施例の場合でも適用可能
である。ところが、図6に示す実施例のように、熱処理
用ダイス10で増肉部分を外面側に押し出す場合に適用
すると、若干問題が生じる。すなわち、図8(a)に示
すように、増肉開始部に一定勾配の傾斜面15を形成す
るように増肉率βを増加させて行く場合、図8(b)に
示すように、増肉率を増加させながら増肉位置が角形管
1の長手方向に移動し、内面側に増肉した部分が熱処理
用ダイス10に接触する位置Pを通り過ぎた後、内面側
に増肉しようとする部分(ハッチングaで示す部分)が
熱処理用ダイス10で制限されるため、その分外面側に
増肉することとなり、外面側にハッチングbで示す部分
が付加されたようになる。このため、傾斜面15が位置
Pのところで折れ曲がり、勾配の急な傾斜面15Aとな
る。このような折れ曲がりは応力集中の原因となるの
で、好ましくない。
折れ曲がりを防止することが可能である。すなわち、一
実施例では、図9(a)、(b)に示すように、増肉開
始点Dを過ぎるとまず増肉率β(=W/V)を、角形管
1の長手方向位置に応じて一定比率で増加させ、一定勾
配の傾斜面15を形成してゆき、内面側に増肉した部分
が熱処理用ダイス10に接触する位置Pを通り過ぎた後
は、その増加率の増加比率を約半分に低下させる。これ
により、図9(a)に示すように、熱処理用ダイス10
が無いものと仮定した場合には、位置Pの次に、先に形
成した傾斜面15の勾配の約半分の勾配を有する傾斜面
15Bが形成されることとなり、実際には、図9(b)
に示すように熱処理用ダイス10があるため内面側に増
肉しようとする部分(ハッチングaで示す部分)がその
熱処理用ダイス10で制限されてその分外面側に増肉す
ることとなり、外面側にハッチングbで示す部分が付加
され、傾斜面15Cが形成される。この傾斜面15Cの
勾配は傾斜面15にほぼ等しい。かくして、外面側に折
れ曲がりの殆どない傾斜面15、15Cが形成されるこ
ととなり、図9(c)に示すように応力集中を生じやす
い部分の無い厚肉部1Aを形成することができる。
だし、増肉開始部とは逆に増肉率を変化させることによ
り、外面側に折れ曲がりの殆どない傾斜面を形成可能で
ある。すなわち、図10に示すように、増肉終了の開始
点Fを越えた時点から、増肉率β(=W/V)を、角形
管1の長手方向位置に応じて一定比率で減少させること
により、一定勾配の傾斜面16を形成してゆき(この
時、熱処理用ダイス10が無いと想定した場合には二点
鎖線で示す傾斜面16Aが形成される)、内面側に増肉
した部分が熱処理用ダイス10から離れる位置Qを通り
過ぎた後は、その増加率の減少比率を約倍に増加させ
る。これにより、位置Qの後ろには、内外面に傾斜面1
6Bが形成されることとなり、且つ外面側の傾斜面16
Bは、先に形成した傾斜面16と同じ勾配となる。かく
して、厚肉部1Aの終了部においても外面側に折れ曲が
りの殆どない傾斜面を形成できる。
を示すものである。この実施例では、加熱装置4の後ろ
側に加熱装置4と一緒に移動するように外面用成形ダイ
ス20が配置されている。この外面用成形ダイス20
は、増肉よって外側に変形する管壁の外面位置を規制す
るダイス面20aを有すると共に、内部を冷却媒体で冷
却する構成となっており、そのダイス面20aに接触し
た管壁を冷却可能である。従って、この実施例では外面
用成形ダイス20が、角形管1の加熱部5の後端を冷却
する冷却手段を構成する。なお、この外面用成形ダイス
20の後ろに冷却媒体を角形管に噴射して冷却する冷却
手段を配置してもよい。
0との間隔は、増肉加工によって形成する厚肉部1Aの
肉厚に等しく設定されている。外面用成形ダイス20と
角形管1の外面との間隙g′は、通常、管壁が増肉によ
り外面側に増肉する量よりも小さく、すなわち、 g′<0.5tβ に設定されている。従って、内側に配置した熱処理用ダ
イス10と角形管1の内面との間隙gは、 g >0.5tβ となっている。その他の構成は上記実施例と同様であ
る。
管1に圧縮力を作用させた状態で、加熱装置4が角形管
1を局部的に加熱して加熱部5を形成し、且つ角形管1
に沿って移動する。これにより、加熱部5に増肉が生じ
且つその後端が外面用成形ダイス20で冷却、固化され
ながら、その加熱部5が角形管1の長手方向に移動し、
連続的に増肉が行われる。この際、増肉によって外面側
に増肉しようとする加熱部5の管壁が外面用成形ダイス
20によって抑制され、その分内面側に増肉が生じる。
また、角形管の側壁に生じ勝ちな凹みは熱処理用ダイス
10で抑制される。かくして、外面側の寸法を外面用成
形ダイス20で規制しながら、凹みのない側壁を備えた
厚肉部1Aを形成することができる。また、得られた厚
肉部1Aは内外面を共にダイス面で規制されるため、き
わめて平滑となっている。増肉加工で形成された厚肉部
1Aは、その後、直ちに補助加熱装置9によって加熱さ
れ、熱処理が行われる。この場合においても、厚肉部1
A内面が熱処理用ダイス10で規制されているため、凹
みが生じることはなく、ゆがみの無い厚肉部を形成でき
る。
ても、増肉を開始する位置及び/又は増肉を終了する位
置において、図8〜図10で説明したように増肉率を変
化させることで、傾斜面を形成し、しかもその際、増肉
部の外面が外面用成形ダイス20に接触した時点或いは
離れた時点で増肉率の変化比率を変更することにより、
一定勾配の傾斜面を形成することが可能である。
外面用成形ダイス20と角形管1の外面との間隙g′
を、g′<0.5tβ と設定し、増肉が角形管の内面
側に多く生じるように規制する構成としている。しかし
ながら、本発明は必ずしもこの構成に限らず、熱処理用
ダイス10と角形管1の内面との間隙gが、 0<g≦0.5tβ となるように設定し、増肉が内外面で均等に生じるか或
いは外面側で多く生じるようにしてもよい。この場合に
は、外面用成形ダイス20と角形管外面との間隙g′
は、 g′≧0.5tβ となる。この場合にも、加熱部5の増肉直後の部分を外
面用成形ダイス20で成形することで、平滑な外面を得
ることができる。
熱装置4の後ろに、熱処理用の補助加熱装置9を加熱装
置4と一緒に移動するように設けているが、本発明は必
ずしもこの構成に限らず、補助加熱装置9を加熱装置4
とは独立して移動する構成としてもよい。また、上記実
施例では、増肉加工と熱処理を並行して行う構成として
いるが、熱処理は必ずしも、増肉加工と並行して行う必
要はなく、増肉加工を終了した後、熱処理のみを行って
もよい。熱処理のみを単独に行う場合には、当然金属管
1に対して圧縮装置3による圧縮力を付与する必要はな
い。また、その場合、熱処理のための補助加熱装置9の
移動方向は図1における矢印C方向に限らず、その反対
方向としてもよい。更に、熱処理用の補助加熱装置9を
増肉加工用の加熱装置4と別に設ける必要はなく、加熱
装置4を熱処理に使用してもよい。また、厚肉部1Aの
熱処理を行うには、厚肉部1Aの全体を同時に加熱しう
る熱処理用加熱装置を用いて、全域を同時に加熱し、放
冷或いは強制冷却して熱処理するように変更してもよ
い。
理を行う場合を説明したが、本発明は角形管1に限定さ
れるものでなく、例えば、丸形管に対しても適用可能で
あることは言うまでもない。
通り。 圧縮装置3:油圧シリンダ 加熱装置4:高周波加熱コイル(幅20mm) 冷却装置6:水噴射冷却方式 加熱幅(加熱装置4の先端から水吹き付け位置までの距
離):65mm 補助加熱装置9:高周波加熱コイル(幅50mm) 熱処理加熱部26の冷却方式:水噴射冷却方式 加熱装置4と補助加熱装置9の間隔:300mm 熱処理用ダイス10:外形264×264mm、長さ3
00mm
管 増肉率β:1.0(厚み12mmを24mmに増肉) 加熱部5の最高温度:1150±50°C 加熱装置4の移動速度W:0.45mm/s 圧縮装置3による圧縮力P:53,600kg (この結果圧縮手段3による押し込み速度V=0.45
mm/sとなる) 増肉加工速度(W+V):0.9mm/s 熱処理加熱部26の最高温度:950±50°C
さ約250mmの厚肉部1Aを形成した。得られた厚肉
部1Aの厚みは約24mm(増肉率β=1.0)でほぼ
予定した値となっていた。また、外形寸法は311.8
×311.5mmであり、内外面にほぼ等しく増肉が生
じていた。この厚肉部1Aの内外面はいずれも平滑であ
り、じゃばらや小じわの無い良好な外観を備えていた。
得られた厚肉部の4つの平坦面における凹み量e〔図4
(b)参照〕を測定したところ、0.2〜0.7mmの
範囲内であり、きわめて小さいものであった。更に得ら
れた厚肉部1Aの機械的物性を測定したところ、表面硬
度はHv200以下、伸びは20%以上であった。
以外は、実施例1と同一条件で同一角形管に対して増肉
加工及び熱処理を行おうとしたところ、図13に示すよ
うに角形管1に対してじゃばら状の変形30を生じ、良
好な増肉が出来なかった。
0±50°Cとし、圧縮装置3による圧縮力Pを34,
500kgとした以外は、比較例1と同じ条件で増肉加
工及び熱処理を行い、長さ約250mmの厚肉部1Aを
形成した。得られた厚肉部1Aの厚みは約24mm(増
肉率β=1.0)でほぼ予定した値となっていた。この
厚肉部1Aの内外面はいずれも平滑であり、じゃばらや
小じわの無い良好な外観を備えていた。しかしながら、
得られた厚肉部の4つの平坦面における凹み量eを測定
したところ、1.2〜2.8mmであり、かなり大きく
なっていた。
い以外は比較例2と同一条件で、増肉加工のみを行い、
長さ約250mmの厚肉部1Aを形成した。得られた厚
肉部1Aの厚みは約24mm(増肉率β=1.0)でほ
ぼ予定した値となっていた。この厚肉部1Aの内外面は
いずれも平滑であり、じゃばらや小じわの無い良好な外
観を備えていた。得られた厚肉部1Aの4つの平坦面に
おける凹み量eを測定したところ、0.5〜1.5mm
であり、比較例2よりは小さいが、実施例1に比べると
かなり大きくなっていた。更に、得られた厚肉部1Aの
機械的物性を測定したところ、表面硬度はHv350±
50、伸びは10±5%であり、熱処理を行っていない
ため、増肉加工による硬化の影響が出ていた。
管 増肉率β:1.0(厚み12mmを24mmに増肉) 加熱部最高温度:1300±50°C 加熱手段4の移動速度W:0.9mm/s 圧縮手段3による圧縮力P:38,000kg (この結果圧縮手段3による押し込み速度V=0.9m
m/sとなる) 増肉加工速度(=W+V):1.8mm/s 熱処理加熱部26の最高温度:1000°C
さ約250mmの厚肉部1Aを形成した。得られた厚肉
部1Aの厚みは約24mm(増肉率β=1.0)でほぼ
予定した値となっていた。また、外形寸法は312.5
×311.6mmであり、内外面にほぼ等しく増肉が生
じていた。この厚肉部1Aの内外面はいずれも平滑であ
り、じゃばらや小じわの無い良好な外観を備えていた。
得られた厚肉部の4つの平坦面における凹み量eは、
0.2〜0.7mmの範囲内であり、きわめて小さいも
のであった。このように、実施例2では実施例1よりも
増肉加工速度及び熱処理速度を2倍としているが、実施
例1のものとほぼ等しい外形の厚肉部1Aを形成でき
た。なお、得られた厚肉部1Aの機械的物性を測定した
ところ、表面硬度はHv200以下、伸びは20%以上
であり、熱処理による機械的特性の改善が十分行われて
いた。
れば、増肉加工すべき金属管内に熱処理用ダイスを挿入
しておき、金属管に対する増肉加工によってその熱処理
用ダイスの外側に厚肉部を形成し、且つその状態で厚肉
部の熱処理を行っているので、増肉加工時の加熱、冷
却、及び熱処理時の加熱、冷却によって厚肉部の断面に
ゆがみが生じようとしても、厚肉部内面を熱処理用ダイ
スが拘束して望ましくないゆがみを防止でき、このた
め、所定の断面形状の且つ所望の熱処理を施された厚肉
部を形成できるという効果が得られる。また、熱処理時
のゆがみを熱処理用ダイスによって強制的に防止できる
ため、熱処理時における加熱速度、冷却速度等を調整し
てゆがみの防止を図る必要がなく、このため、必要な熱
処理に応じた所望の加熱速度、冷却速度等を採用でき、
良好な熱処理を施した厚肉部を生産性良く製造できると
いう効果も得られる。
生じさせる部分における断面でのゆがみを阻止するのみ
ならず、増肉加工時の不安定な変形、例えば長手方向に
生じ勝ちなじゃばら状の変形を防止する効果も有してお
り、このため、本発明は、良好な増肉加工を可能とする
増肉加工条件(例えば、加熱部の温度、圧縮力、冷却速
度、増肉加工速度等)の範囲を広げることが可能とな
り、増肉加工速度を上げて生産性を向上させるとか、増
肉率を大きく設定できる等の効果も得られる。
て、厚肉部の小領域を補助加熱装置によって、所望の熱
処理温度に加熱して熱処理加熱部を形成し、該熱処理加
熱部を厚肉部の長手方向に相対的に移動させる方法を採
用すると、比較的小型の補助加熱装置によって厚肉部を
所望温度に加熱して熱処理を行うことができ、設備費を
削減できるという効果が得られる。また、その熱処理動
作を増肉加工と並行して行うことが可能であり、増肉加
工と熱処理とを並行して行うと、生産性を向上できると
いう効果が得られる。
べき金属管内にセットした状態での前記熱処理用ダイス
と増肉前の角形管内面との間の間隙gを、 g≒0.5tβ と設定しておくと、増肉加工による増肉が管壁の内外面
にほぼ等しく生じ且つその増肉加工で形成した厚肉部の
内面が熱処理用ダイス外面に軽く接触するか或いは両者
間に微小な隙間が残る状態となり、この状態で熱処理し
た後、熱処理用ダイスを厚肉部内から引き抜く作業を容
易とすることができるという効果が得られる。
用成形ダイスとして作用して管壁の内面を所定形状に成
形でき、断面におけるゆがみを防止するのみならず、内
面を平滑にすることができるという効果が得られる。
加工の開始時には増肉率を金属管の長手方向位置に応じ
て一定比率で増加させ、金属管内面が熱処理用ダイスに
接触した時点以降はその増肉率の増加比率を約半分に低
下させ、所定の増肉率に達した後は増肉率を一定に保っ
て増肉加工を行うことができ、この方法を採用すると、
増肉加工で形成される厚肉部の増肉開始側端部に、非増
肉部から所定厚さの厚肉部に到る一定勾配の斜面を形成
することができ、応力集中の生じにくい増肉部を形成で
きるという効果が得られる。
管の長手方向位置に応じて一定比率で減少させ、金属管
内面が熱処理用ダイスに非接触となった時点以降はその
増肉率の減少比率を約倍として減少させることもでき、
その場合には、増肉加工で形成される厚肉部の増肉終了
側端部に、所定厚さの厚肉部から非増肉部に到る一定勾
配の斜面を形成することができ、応力集中に生じにくい
増肉部を形成できるという効果が得られる。
に外面用成形ダイスを配置する構成とすると、増肉した
管壁の外面を成形して平滑にすることができ、また、こ
の外面用成形ダイスで管壁の外面側に生じる増肉量の一
部を抑制し、その分内面側を増肉させることが可能とな
り、外面側の増肉量を必要に応じ内面側よりも少なくす
ることができるという効果が得られる。
に、増肉加工によって形成される厚肉部の内側に位置す
るように挿入され、前記厚肉部の長さ以上の長さを有す
る熱処理用ダイスと、前記金属管に長手方向の圧縮力を
作用させる圧縮装置と、前記金属管の長手方向の小領域
を加熱して赤熱状態の加熱部を形成する加熱装置と、そ
の加熱部の一端を冷却する冷却装置と、前記加熱装置及
び冷却装置を、角形管に対して相対的に移動させる移動
装置と、前記加熱装置の後ろに該加熱装置と一緒に移動
するように設けられ、増肉加工によって形成された厚肉
部の小領域を、熱処理を行う温度に加熱して熱処理加熱
部を形成する補助加熱装置とを有する構成としたことに
より、加熱装置が金属管を局部的に加熱して増肉を生じ
させ且つその金属管に相対的に移動して厚肉部を形成し
てゆく増肉加工動作と並行して、その厚肉部の小領域を
補助加熱装置が加熱して熱処理加熱部を形成し、且つそ
の補助加熱装置が金属管に対して相対的に移動して前記
熱処理加熱部を厚肉部の長手方向に相対的に移動させ、
厚肉部の全域の熱処理を行うことができ、しかも、それ
らの増肉加工及び熱処理は金属管内に熱処理用ダイスが
存在する状態で行われるため断面形状にゆがみを生じる
ことがなく、断面形状の良好な且つ熱処理により機械的
特性を改善した厚肉部を効率良く製造できるという効果
を有している。また、単一の移動装置によって増肉用の
加熱装置と熱処理用の補助加熱装置とを金属管に相対的
に移動させることができ、装置構成を簡略化できるとい
う効果も有している。
と、増肉加工及び熱処理時において平坦な側壁に生じ勝
ちな凹みの発生を防止でき、平坦度の良い厚肉部を形成
できるという効果が得られる。
の好適な例を示す概略断面図
断面図、B−B矢視断面図
図
の断面図 (b)は熱処理用ダイスを用いないで形成した厚肉部1
Aの断面図
変形例を示す図2(a)と同一部分の断面図
大断面図
始部分を示す概略断面図 (b)は好ましい傾斜面を有する増肉開始部分を示す概
略断面図
増肉率を一定比率で増加した場合の増肉開始部分を示す
概略断面図 (b)は熱処理用ダイスが有る状態で増肉率を一定比率
で増加した場合の増肉開始部分を示す概略断面図
熱処理用ダイスが無いものと想定して増肉率を一定比率
で増加し、位置Pからその比率を変化させた場合の増肉
開始部分を示す概略断面図 (b)は熱処理用ダイスが有る状態で増肉率を一定比率
で増加し、位置Pからその比率を変化させた場合の増肉
開始部分を示す概略断面図 (c)はこの実施例で得た厚肉部の増肉開始部分を示す
概略断面図
ダイスが有る状態で増肉率を一定比率で減少させ、位置
Qからその比率を変化させた場合の増肉終了部分を示す
概略断面図
置の他の例を示す概略断面図
分の拡大断面図
面図
Claims (10)
- 【請求項1】 増肉加工すべき金属管内に、増肉加工に
よって形成される厚肉部の内側に位置するように、その
厚肉部の長さ以上の長さを有する熱処理用ダイスをあら
かじめ挿入しておき、この状態で、前記金属管の長手方
向の小領域を加熱装置で局部的に加熱して赤熱状態の加
熱部を形成し、該加熱部を金属管の長手方向に相対的に
移動させながら該加熱部に金属管の長手方向の圧縮力を
付与して順次増肉させ、且つ前記加熱部の後端部分を増
肉直後に冷却することによって、金属管を連続的に増肉
させて、前記熱処理用ダイスの外側に厚肉部を形成し、
その後、その厚肉部の内側に熱処理用ダイスを位置させ
た状態で前記厚肉部を熱処理することを特徴とする金属
管の増肉加工熱処理方法。 - 【請求項2】 前記厚肉部の小領域を補助加熱装置によ
って、所望の熱処理温度に加熱して熱処理加熱部を形成
し、該熱処理加熱部を厚肉部の長手方向に相対的に移動
させることにより、前記厚肉部の熱処理を行うことを特
徴とする請求項1記載の金属管の増肉加工熱処理方法。 - 【請求項3】 金属管に対する増肉加工操作と、その増
肉加工によって形成された厚肉部の熱処理操作とを、並
行して行うことを特徴とする請求項2記載の金属管の増
肉加工熱処理方法。 - 【請求項4】 前記熱処理用ダイスを増肉加工すべき金
属管内にセットした状態での前記熱処理用ダイスと増肉
前の金属管内面との間の間隙gを、増肉前の管壁の肉厚
t、金属管に生じさせる増肉率βに対して、 g≒0.5tβ となるように設定することを特徴とする請求項1から3
のいずれか1項に記載の金属管の増肉加工熱処理方法。 - 【請求項5】 前記熱処理用ダイスを増肉加工すべき金
属管内にセットした状態での前記熱処理用ダイスと増肉
前の金属管内面との間の間隙gを、増肉前の管壁の肉厚
t、金属管に生じさせる増肉率βに対して、 0<g<0.5tβ となるように設定することを特徴とする請求項1から3
のいずれか1項に記載の金属管の増肉加工熱処理方法。 - 【請求項6】 請求項5に記載の金属管の増肉加工熱処
理方法において、増肉加工の開始時には増肉率を金属管
の長手方向位置に応じて一定比率で増加させ、金属管内
面が熱処理用ダイスに接触した時点以降はその増肉率の
増加比率を約半分に低下させ、所定の増肉率に達した後
は増肉率を一定に保って増肉加工を行うことを特徴とす
る金属管の増肉加工熱処理方法。 - 【請求項7】 請求項5又は6に記載の金属管の増肉加
工熱処理方法において、増肉加工の終了時には増肉率を
金属管の長手方向位置に応じて一定比率で減少させ、金
属管内面が熱処理用ダイスに非接触となった時点以降は
その増肉率の減少比率を約倍として減少させることを特
徴とする金属管の増肉加工熱処理方法。 - 【請求項8】 更に、金属管に増肉加工のために形成す
る加熱部の外側に外面用成形ダイスを配置し、増肉によ
って外側に変形する管壁の外面位置を前記外面用成形ダ
イスによって規制することを特徴とする請求項1から5
のいずれか1項に記載の金属管の増肉加工熱処理方法。 - 【請求項9】 前記金属管が角形管であることを特徴と
する請求項1から8のいずれか1項に記載の金属管の増
肉加工熱処理方法。 - 【請求項10】 増肉加工すべき金属管内に、増肉加工
によって形成される厚肉部の内側に位置するように挿入
され、前記厚肉部の長さ以上の長さを有する熱処理用ダ
イスと、前記金属管に長手方向の圧縮力を作用させる圧
縮装置と、前記金属管の長手方向の小領域を加熱して赤
熱状態の加熱部を形成する加熱装置と、その加熱部の一
端を冷却する冷却装置と、前記加熱装置及び冷却装置
を、角形管に対して相対的に移動させる移動装置と、前
記加熱装置の後ろに該加熱装置と一緒に移動するように
設けられ、増肉加工によって形成された厚肉部の小領域
を、熱処理を行う温度に加熱して熱処理加熱部を形成す
る補助加熱装置とを有する金属管の増肉加工熱処理装
置。
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1995
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