JP2000015009A - 濾過装置及びその方法 - Google Patents

濾過装置及びその方法

Info

Publication number
JP2000015009A
JP2000015009A JP10197966A JP19796698A JP2000015009A JP 2000015009 A JP2000015009 A JP 2000015009A JP 10197966 A JP10197966 A JP 10197966A JP 19796698 A JP19796698 A JP 19796698A JP 2000015009 A JP2000015009 A JP 2000015009A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter
filtration
impurities
salt water
compression plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10197966A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Akashi
博行 明石
Koji Takagi
康志 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ASAHI EE V SANGYO KK
Tsurumi Soda Co Ltd
Original Assignee
ASAHI EE V SANGYO KK
Tsurumi Soda Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ASAHI EE V SANGYO KK, Tsurumi Soda Co Ltd filed Critical ASAHI EE V SANGYO KK
Priority to JP10197966A priority Critical patent/JP2000015009A/ja
Publication of JP2000015009A publication Critical patent/JP2000015009A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Filtration Of Liquid (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば塩水の濾過精製にあたり、濾過速度を
大きくし、濾過材の洗浄の時間を短縮すること。 【解決手段】 濾過筒21に充填された繊維の集合体よ
りなる柔軟なチップ状の多数の濾過材6を濾過筒21と
圧縮板41との間で圧縮して緻密な濾過層60を形成す
る。ここに圧縮板41の通流孔41aを介して懸濁物を
含む原塩水を供給すると、懸濁物は濾過材6表面に捕捉
され、こうして原塩水から懸濁物が分離される。このと
き濾過層60では表層部のみならず深層部においても濾
過が行われるので、濾過の有効面積が大きくなり、濾過
速度が大きくなる。また濾過材6を洗浄するときには、
濾過材6の圧縮を解消し、濾過筒21に洗浄水と空気を
供給する。このとき濾過材6はほぼ元の大きさに戻り、
洗浄水の中で回転運動をするので、濾過材6表面に付着
した懸濁物が剥離しやすく、洗浄時間が短縮される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば塩水の濾過
精製に用いられる濾過装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水酸化ナトリウムを製造する方法の一つ
として、例えば原料塩を水に溶かして得た原塩水をイオ
ン交換膜法などにより電解する方法が広く用いられてい
るが、原塩中には一般にカルシウムイオンやマグネシウ
ムイオンが不純物として含まれており、これら不純物が
存在するとイオン交換膜の電解性能を低下させ、イオン
交換膜の寿命を短くさせるため、電解を行う前にこれら
を除去し、原塩水を精製する必要がある。
【0003】このため例えば水酸化ナトリウム及び炭酸
ナトリウムを原塩水に添加して、カルシウムイオン及び
マグネシウムイオンを夫々炭酸カルシウム及び水酸化マ
グネシウムの結晶粒子とし、さらに高分子凝集剤を添加
して結晶粒子を凝集させてフロックを生成し、こうした
処理を経た原塩水を沈降分離槽内の底部付近に原塩水導
入管を介して供給し、液を上昇させる間にフロックを沈
降させ、上澄液を槽上縁部の越流せきにより排出するよ
うにしている。
【0004】次にこの上澄液にはフロックのキャリ−オ
−バ−がわずかにあると共に、懸濁物があるため、これ
らを除去するために、例えば砂を濾過材として用いたサ
ンドフィルタや、ポ−ラスセラミックを濾過材として用
い、セラミックの表面にアルファセルロ−ス膜等をプレ
コ−トをするタイプのセラミックフィルタを用いて濾過
を行うようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述のサ
ンドフィルタを用いた場合には、濾過速度が小さいため
装置が大きくなってしまうという問題や、所定の割合で
行われる濾過材の洗浄の際、濾過材に付着した懸濁物を
除去するためには大量の洗浄水と空気が必要となり、こ
れが不十分であると濾過材が凝集して団子状となって濾
過精度が低下してしまうという問題があった。またアル
カリ性の原塩水により濾過材が溶出してイオン交換膜の
性能に悪影響を与えるおそれがあり、これによって数年
に一度の割合で濾過材を全量交換しなくてはならず、コ
ストが高くなってしまうという問題もあった。
【0006】またセラミックフィルタの場合には、プレ
コ−トを行うための設備が必要であってランニングコス
トが高くなってしまう上、濾過材の洗浄の際にはプレコ
−ト膜をセラミック表面から剥がさなくてはならないた
め高圧の空気が多量に必要となり、洗浄時間も長くなっ
てしまうという問題がある。また長時間使用すると、セ
ラミックの内部の孔に懸濁物が入り込んで当該孔が閉塞
されてしまうので、これを除去するために塩酸等の薬液
で洗浄しなければならないという問題もある。
【0007】本発明はこのような事情の下になされたも
のであり、その目的は、例えば塩水の濾過精製を行うに
あたり、濾過速度を大きくし、かつ濾過材の洗浄時間を
短縮することができる濾過装置及びその方法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため本発明の濾過装
置は、繊維の集合体よりなる柔軟なチップ状の多数の濾
過材と、前記濾過材を充填するための、一端が塞がれた
濾過筒と、前記濾過筒との間で前記濾過材を圧縮するた
めの、前記濾過筒の内径とほぼ同じ大きさの圧縮板と、
前記濾過筒において圧縮された濾過材に不純物を含む溶
液を供給するための供給路と、前記濾過筒内で圧縮され
た濾過材に少なくとも一部が接触するように当該濾過筒
に設けられた、前記濾過材よりも小さい孔部が形成され
た開口部と、を備え、前記濾過筒に充填された濾過材を
濾過筒と圧縮板との間で圧縮して緻密な濾過層を形成
し、当該濾過層に前記不純物を含む溶液を供給して、濾
過層に不純物を捕捉させることにより不純物を前記溶液
から分離することを特徴とする。
【0009】また本発明の濾過方法は、濾過筒内に充填
された、繊維の集合体よりなる柔軟なチップ状の多数の
濾過材を圧縮して緻密な濾過層を形成する工程と、形成
された濾過層に不純物を含む溶液を供給して当該濾過層
に不純物を捕捉させることにより、不純物を前記溶液か
ら分離する工程と、続いて濾過材の圧縮を解消しなが
ら、濾過材に洗浄水を供給して濾過材に付着した不純物
を除去する工程と、を含むことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て図を用いて説明する。先ず図1により、本発明の濾過
装置を適用した塩水精製装置の全体構成について簡単に
説明すると、図1中11は反応槽であり、原塩を水に溶
かした原塩水と戻り塩水(飽和食塩水)とが原料液とし
て投入されると共に、原塩水中に含まれる不純物として
のカルシウムイオン及びマグネシウムイオンを夫々結晶
化するために炭酸ナトリウム及び水酸化ナトリウムが投
入される。
【0011】12は沈降分離槽であり、当該沈降分離槽
12と反応槽11との間の流路には、反応槽11にて生
成された炭酸カルシウム及び水酸化マグネシウムの各結
晶粒子を凝集させてフロックを形成するための高分子凝
集剤よりなる沈降剤が投入されるようになっている。沈
降分離槽12では生成された原塩水中のフロックが沈降
により分離される。
【0012】2は濾過装置であり、当該装置では、沈降
分離槽12にてフロックが分離除去されたものの懸濁物
が混入している原塩水から濾過により懸濁物が分離され
る。13はキレ−ト樹脂塔であり、濾過装置2により懸
濁物が分離された原塩水に残存する微量のカルシウムイ
オン及びマグネシウムイオンを除去するためのものであ
る。14は電解槽であり、不純物が除去された精製塩水
を例えばイオン交換膜法により電解して水酸化ナトリウ
ム溶液を得るためのものである。
【0013】次に本発明の実施の形態に係る濾過装置に
ついて図2の断面図により説明する。 図2中21は、
上下端部が閉塞された例えば円筒状の濾過筒であり、こ
の濾過筒21には、例えば側面の上下2か所の位置に濾
過材投入取出口22,23が設けられていて、例えば下
側の濾過材投入取出口23の下方側は透明なアクリル板
により構成されている。また濾過筒21の例えば上端側
には、濾過の対象となる原塩水を供給すると共に、後述
する洗浄水を排出するための原塩水供給管31が取り付
けられており、さらに例えば底部には、濾過後の原塩水
(濾液)を排出すると共に、洗浄水及び空気を供給する
ための原塩水排出管32が目皿部24を介して取り付け
られている。
【0014】前記目皿部24は開口部をなすものであっ
て、直径が例えば濾過筒本体21の内径の2/5程度の
大きさに設定されており、この目皿部24には原塩水か
ら懸濁物を除去した後の液体成分を通流させるための孔
部をなす通流孔24aが多数形成されている。
【0015】濾過筒21の内部には圧縮部材4が設けら
れている。この圧縮部材4は、例えば図2及び図3
(a)の斜視図、図3(b)の平面図に示すように、濾
過筒21の内径とほぼ同じ大きさの水平な円板からなる
圧縮板41と、圧縮板41上面のほぼ中心に取り付けら
れた鉛直なピストンロッド42とから構成されている。
前記圧縮板41は図3に示すように、中心部分(図3中
に一点鎖線で示す円の内側部分)が目皿状に構成されて
おり、当該部分には原塩水を通流させるための通流孔4
1aが多数形成されている。
【0016】また圧縮板41の上面とピストンロッド4
2には、例えば8本の鉛直な補強板43がピストンロッ
ド42から圧縮板41の外縁まで直径方向に設けられて
おり、これにより圧縮板41の水平性が保持されるよう
になっている。本実施の形態では、原塩水供給管31と
圧縮板41の通流孔41aが後述する濾過材6に原塩水
を供給するための供給路に相当する。
【0017】前記ピストンロッド42の他端側は濾過筒
21の上方側において昇降機構5に接続されている。こ
の昇降機構5は、シリンダ部51と、例えばシリンダ部
51の頂部に設けられた第1の高圧空気入出ノズル52
と、例えばシリンダ部51の下部側に設けられた第2の
高圧空気入出ノズル53とを備えており、シリンダ部5
1への第1及び第2の高圧空気入出ノズル52,53に
よる高圧空気の入出によってピストンロッド42が昇降
され、これにより圧縮板41が例えば上側の濾過材投入
取出口22よりも上方側の供給位置(図2中一点鎖線で
示す位置)と、例えば下側の濾材投入取出口23近傍の
押圧位置(図2中実線で示す位置)との間で昇降される
ように構成されている。
【0018】また濾過筒21の頂部とピストンロッド4
2との間には、オイルシ−ルとグランドパッキンとが組
み合わせて設けられており、これにより密閉性が保たれ
ると共に水封され、ピストンロッド42の昇降の際の液
漏れが防止されて、飽和濃度に近い原塩水の漏れを抑え
て食塩の結晶の析出を防ぐようになっている。
【0019】ここで本発明では濾過材6に特徴があり、
この濾過材6として例えばポリエステル繊維の集合体に
より構成された多数の柔軟なチップ状体が用いられてい
る。この濾過材6は例えば図4(a)に示すように、懸
濁物が通過できない程度の大きさの微細なポリエステル
繊維を一方向に並んだ状態で熱融着させ、例えば直径φ
6〜20、長さ6〜20mmの大きさの円柱状に成形し
たものである。また濾過材6は、ポリエステル繊維の
他、ポリエチレン及びポリプロピレン等の繊維により構
成してもよいし、チップ状体の形状は円柱状のみならず
球状等に成形してもよい。
【0020】このような濾過材6が用いられていること
から、前記目皿部24の通流孔24aと圧縮板41の通
流孔41aの大きさは、濾過材6が入り込まない程度の
大きさにすることが望ましく、このため例えばこれら通
流孔24a,41aの大きさは濾過材6よりも小さい直
径4φ程度に設定されている。また原塩水中の懸濁物は
粒子が細かいので、後述の逆洗浄処理の際、通流孔41
への濾過材の詰まりを抑えて濾過材の再生率を上げる必
要があり、このため圧縮板41では、目詰まりの対象と
なる通流孔41aはあまり多すぎないことが望ましい。
これにより濾過筒本体21の断面積に対して流通孔41
aの面積の比率を15%以下とすることが望ましく、例
えば圧縮板41では目皿部分が濾過筒本体21の内径の
0.6倍程度の大きさに設定されている。
【0021】次に前記濾過装置4の作用について図5を
用いて説明する。先ず圧縮板41を前記供給位置に位置
させた状態で、例えば内径φ1000、容積1300リ
ットルの濾過筒21内に、濾過材投入取出口22,23
から例えば650リットルの濾過材6を投入して充填す
る。次いで濾過材投入取出口22,23を閉じた状態で
図5(a)に示すように、シリンダ部51に高圧空気を
第1の高圧空気入出ノズル52から供給しながら、第2
の高圧空気入出ノズル53から排出することによってピ
ストンロッド42を押圧して圧縮板41を押し下げ、濾
過材6の圧縮圧が2kg/cm2 程度になるまで(濾過
材6の体積が1/4程度になるまで)圧縮する。
【0022】このようにすると濾過材6は柔軟性を持っ
ているので、例えば図5(b)に示すように潰された状
態となり、繊維の密度が高くなる。またチップ状の濾過
材6が多数集合した状態で圧縮されているので、相互の
重なり部分が多くなり、結果として緻密な濾過層60が
形成される。さらに圧縮板41は補強板43により水平
性が保持されているので、濾過材6が濾過筒21の面内
においてほぼ均一に圧縮され、均一な濾過層60が形成
される。なお下側の濾過材投入取出口23の下方側は透
明であるので、濾過材6の圧縮状態や形状変化、濾過状
態等が目視により確認できる。
【0023】続いて図5(b)に示すように、原塩水供
給管31より原塩水を所定の流量例えば40m3 /Hで
濾過筒21内部に供給して濾過を行う。この濾過では供
給された原塩水は圧縮板41の通流孔41aを介して下
方側に通流して行き、濾過層60により濾過される。つ
まり原塩水中に含まれる懸濁物は濾過材6を通過できず
濾過材6表面に捕捉され(図3(b)参照)、原塩水の
みが濾過材6内を通過して下方側に流れていく。
【0024】この際濾過層60は多数の濾過材6により
構成されているので、原塩水は濾過材6同士の重なり部
分に生じた僅かな隙間を介して下方側に流れていき、濾
過層60の表層部のみならず、中層部や深層部において
も濾過される。こうして濾過層60全体で濾過が行われ
て原塩水と懸濁物が分離され、懸濁物が除去された原塩
水は目皿部24を通過し、原塩水排出管32を介して次
工程に通流して行く。
【0025】このようにして所定時間濾過を行って所定
量の原塩水を濾過した後、逆洗浄を行う。この逆洗浄は
濾過材6への懸濁物の付着量が多くなると、濾過能力が
低下するため、濾過材6から懸濁物を除去するための処
理である。逆洗浄では、先ず図5(c)に示すように、
濾過材投入取出口22,23を閉じた状態で、圧縮板4
1を前記供給位置まで上昇させる。つまりシリンダ部5
1に第2の高圧空気入出ノズル52から高圧空気を供給
しながら、第1の高圧空気入出ノズル52から排出する
ことによってピストンロッド42を押し上げ、こうして
圧縮板41を供給位置まで上昇させる。
【0026】次いで濾過液排出管32から洗浄水及び空
気を夫々所定の流量例えば洗浄水8m3 /n、10倍量
の空気量を濾過筒21内部に供給する。このようにする
と濾過材6は圧縮を解かれるのでほぼ元の大きさに戻
る。また濾過筒21には逆洗水と空気が供給されている
ので、図5(d)に矢印で示すような下から上に向か
い、下降する流れが生じ、濾過材6はこの流れに乗って
回転する。こうして濾過材6は回転運動しながら洗浄水
によって表面に付着した懸濁物が洗い落とされる。そし
て懸濁物は洗浄水と共に、原塩水供給管31を介して濾
過筒21の外部へ排出される。
【0027】このような濾過装置では、濾過材6を圧縮
して濾過層60を形成しているので、濾過層60の繊維
が緻密になり、しかも濾過層60では表層部のみならず
全体で濾過が行われるので、懸濁物の除去性能が高く、
濾過後の原塩水に含まれる懸濁物の濃度を極めて低くす
ることができる。このため後段の電解槽14で原塩水を
電解する際、イオン交換膜の電解性能を低下が抑えられ
ると共に、イオン交換膜の寿命が長くなる。また濾過材
6は、内部で構成繊維が相互に熱融着している構造であ
るため、強靭であり、かつ柔軟性を持っているので、耐
久性も大きい。
【0028】さらに本発明の濾過装置では後述の実験結
果から明らかなように、サンドフィルタやセラミックフ
ィルタに比べて濾過速度が大きい。これは懸濁物が濾過
層60の表層だけではなく、内部においても除去される
ので、濾過面積(実際の有効面積)が断面積よりも大き
くなり、サンドフィルタやセラミックフィルタ等の表層
濾過タイプのもののように濾過面積が断面積と同じにな
るものに比べて原塩水の流量を大きくすることができる
ためである。また濾過面積が断面積より大きくなること
から、濾過装置における圧力損失が表層濾過タイプのも
のより小さくなる。
【0029】このようにこの濾過装置では、サンドフィ
ルタやセラミックフィルタよりも濾過速度が大きいの
で、同じ量の原塩水を同じ時間で濾過する場合にはこれ
らに比べて濾過層を小さくすることができ、濾過装置を
小形化することができる。このため設置面積も小さくな
るので、建設コストを低くすることができる。またこの
濾過装置では、セラミックフィルタで必要であったプレ
コ−ト処理が不要であるため、セラミックフィルタに比
べてランニングコストを低くすることができる。
【0030】さらにこの濾過装置では、後述の実験結果
から明らかなように、サンドフィルタやセラミックフィ
ルタに比べて逆洗浄にかかる時間が短い。これは逆洗浄
では濾過材6の圧縮が解かれ、濾過層60の密度が小さ
くなるので洗浄水が入り込みやすく、供給時間が短くな
ること、また懸濁物は濾過材6の表面に付着し、内部に
はほとんど入り込んでいないので懸濁物が剥離しやすい
こと、さらに濾過材6の圧縮を解くことによって濾過材
6の繊維自体が開き、このときの回復力により懸濁物が
濾過材6表面から剥離しやすくなること、さらにまた濾
過材6は既述のように洗浄水の中を回転しながら動いて
いるため、この回転運動によってより懸濁物が剥離しや
すくなることなどが理由であると推察される。
【0031】一方サンドフィルタでは、濾過材である砂
の下方側から洗浄水と空気とを供給して逆洗浄を行って
いるが、砂は重く、動かないので、密度の大きい濾過層
に洗浄水を供給することとなる。このため洗浄水が浸透
しにくく、砂に付着した懸濁物を除去するには、洗浄水
や空気を供給するために大きな圧力が必要となり、時間
も長くなる。またセラミックフィルタでは表面に付着し
た懸濁物をプレコ−ト膜と共に空気で吹き飛ばさなくて
はならないのである程度の時間が必要であり、別個に薬
液による洗浄も必要となるのでト−タルの時間が長くな
ってしまう。
【0032】このように本発明の濾過装置では、サンド
フィルタやセラミックフィルタに比べて濾過速度が早
く、かつ逆洗浄にかかる時間が短いので、濾過処理にか
かるト−タルの処理時間が大幅に短縮され、スル−プッ
トを向上させることができる。また逆洗浄時間が短縮さ
れることから洗浄水の必要量が大幅に低減される。
【0033】続いて本発明の効果を確認するために行っ
た実験例について説明する。内径φ1000,高さ19
00mm,容積1300リットルの濾過筒内に直径φ1
2,長さ12mmのポリエステル繊維からなる円柱状の
濾過材940リットルを投入し、上述の方法で、懸濁物
濃度が2.2mg/リットルの原塩水の濾過を行った。
この際濾過の条件は、原塩水の濾過材の圧縮圧を2kg
/cm2 ,原塩水の流量を25m3 /H,濾過速度をL
V=31.8m/H(SV=106H-1)とし、連続し
て12時間濾過を行い、その間濾過後の原塩水(濾液)
を60分毎にサンプリングして懸濁物濃度を測定し、そ
の平均値を求めた。また濾過速度をLV=51m/H
(SV=170H-1)とした場合についても同様に実験
を行った。
【0034】ここで濾過速度LVとは、{原塩水の流量
(m3 /H)/濾過材の断面積(m2 )}によって算出
される速度であり、濾過速度SVとは、{原塩水の流量
(m3 /H)/濾過材の容積(m3 )}によって算出さ
れる速度である。
【0035】さらに比較実験として、内径4600m
m、高さ6500mmの大きさのサンドフィルタと、内
径1500mm、高さ3000mmの大きさのセラミッ
クフィルタを用いて同様の実験を行った。この際サンド
フィルタの場合には、懸濁物濃度が2.3mg/リット
ルの原塩水を用い、濾過速度をLV=5m/H(SV=
8.4H-1)として濾過を行った。またセラミックフィ
ルタの場合には、懸濁物濃度が1.5mg/リットルの
原塩水を用い、濾過速度をLV=1.9m/Hとした。
【0036】この結果を図6に夫々示すが、図中原液と
は濾過前の原塩水のことである。この結果より、本発明
の濾過装置では、濾過速度LVを31.8m/Hに設定
した場合のみならず、51m/Hに設定した場合におい
ても、サンドフィルタと同等の濾過精度を有しているこ
とが確認され、この濾過装置を用いれば、サンドフィル
タやセラミックフィルタに比較して濾過速度LVをかな
り大きくしても、原塩水中の懸濁物を十分除去できるこ
とが認められた。
【0037】続いて上述の濾過装置を用いて濾過と逆洗
浄を繰り返して長期間連続的に処理を行い、濾過性能を
確認した。このときの濾過条件は、開始時の原塩水の懸
濁物濃度を2.2mg/リットル,原塩水の濾過材の圧
縮圧を2kg/cm2 ,原塩水の流量を40m3 /H,
濾過速度をLV=50m/H,濾過時間を24時間とし
た。その後逆洗浄を行ない、このときの逆洗浄条件は、
洗浄水の流量を8m3/H,空気の流量を80m3
H,洗浄時間を10分とした。こうして濾過と逆洗浄を
繰り返して約1年間運転し、濾液の懸濁物濃度と、濾過
装置の差圧とを測定した。
【0038】この結果を図7に示すが、1サイクルとは
濾過と逆洗浄を夫々1回ずつ行った場合を示している。
また結果は、各サイクルにおいて120分間隔でサンプ
リングした濾液の懸濁物濃度の平均値と、濾過筒の入口
(原塩水供給管の出口)と濾過筒の出口(原塩水排出管
の入口)の差圧を示している。
【0039】この結果より、濾過と逆洗浄を繰り返して
長期間処理を行った場合においても160サイクルでは
濾液の懸濁物濃度が多少高いものの全体に亘って濾液の
懸濁物濃度は低く、また差圧も低いことが認められ、長
期間に亘って濾過性能の低下を抑えて安定した濾過処理
を行うことができることが確認された。さらにこのよう
に濾過時間24時間毎に逆洗浄を10分程度行えば、長
期間の処理に対応できることから、濾過時間48時間毎
に逆洗浄が30分程度行なわれているサンドフィルタ
や、濾過時間48時間毎に逆洗浄が90分程度行なわ
れ、半年で1回程度の割合で半日程度の薬液洗浄が行な
われているセラミックフィルタに比べて逆洗浄にかかる
時間をかなり短くできることが確認された。
【0040】なお160サイクルで濾液の懸濁物濃度が
多少高くなっているのは、サイクルを重ねるにつれて濾
過材の繊維が剥がれて圧縮板の通流孔に詰まってしま
い、逆洗浄を行っても通流孔から繊維が除去できなくな
るためと推察される。
【0041】以上において本発明の濾過装置は、塩水の
濾過精製以外に例えば工業用水、アオコの除去等の濾過
に用いることができる。
【0042】
【発明の効果】本発明の濾過装置によれば、多数のチッ
プ状の柔軟な濾過材を圧縮して緻密濾過層を形成してい
るので濾過速度を大きくすることができる。また本発明
の濾過方法によれば、濾過速度を大きくすることがで
き、かつ濾過材の洗浄にかかる時間を短縮することでき
るので、スル−プットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の濾過装置を適用した塩水精製装置の全
体構成を示す構成図である。
【図2】本発明の濾過装置の一実施の形態を示す断面図
である。
【図3】圧縮部材の一例を示す斜視図及び平面図であ
る。
【図4】濾過材の一例を示す斜視図及び断面図である。
【図5】本発明の濾過方法を説明するための工程図であ
る。
【図6】本発明の効果を確認するために行った実験例の
結果を示す特性図である。
【図7】本発明の効果を確認するために行った実験例の
結果を示す特性図である。
【符号の説明】
11 反応槽 12 沈降分離槽 13 キレ−ト樹脂塔 14 電解槽 2 濾過装置 21 濾過筒 24 目皿部 41 圧縮板 41a 通流孔 42 ピストンロッド 5 昇降機構 6 濾過材 60 濾過層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 29/38 520B 580H (72)発明者 高木 康志 神奈川県横浜市鶴見区末広町1−7 鶴見 曹達株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維の集合体よりなる柔軟なチップ状の
    多数の濾過材と、 前記濾過材を充填するための、一端が塞がれた濾過筒
    と、 前記濾過筒との間で前記濾過材を圧縮するための、前記
    濾過筒の内径とほぼ同じ大きさの圧縮板と、 前記濾過筒において圧縮された濾過材に不純物を含む溶
    液を供給するための供給路と、 前記濾過筒内で圧縮された濾過材に少なくとも一部が接
    触するように当該濾過筒に設けられた、前記濾過材より
    も小さい孔部が形成された開口部と、を備え、 前記濾過筒に充填された濾過材を濾過筒と圧縮板との間
    で圧縮して緻密な濾過層を形成し、当該濾過層に前記不
    純物を含む溶液を供給して、濾過層に不純物を捕捉させ
    ることにより不純物を前記溶液から分離することを特徴
    とする濾過装置。
  2. 【請求項2】 濾過筒内に充填された、繊維の集合体よ
    りなる柔軟なチップ状の多数の濾過材を圧縮して緻密な
    濾過層を形成する工程と、 形成された濾過層に不純物を含む溶液を供給して当該濾
    過層に不純物を捕捉させることにより、不純物を前記溶
    液から分離する工程と、 続いて濾過材の圧縮を解消しながら、濾過材に洗浄水を
    供給して濾過材に付着した不純物を除去する工程と、を
    含むことを特徴とする濾過方法。
JP10197966A 1998-06-29 1998-06-29 濾過装置及びその方法 Pending JP2000015009A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10197966A JP2000015009A (ja) 1998-06-29 1998-06-29 濾過装置及びその方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10197966A JP2000015009A (ja) 1998-06-29 1998-06-29 濾過装置及びその方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000015009A true JP2000015009A (ja) 2000-01-18

Family

ID=16383294

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10197966A Pending JP2000015009A (ja) 1998-06-29 1998-06-29 濾過装置及びその方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000015009A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007301453A (ja) * 2006-05-10 2007-11-22 Nippon Rensui Co Ltd 塩水の精製方法
JP2010194520A (ja) * 2009-02-27 2010-09-09 Tosoh Corp 塩水精製方法
WO2011016513A1 (ja) * 2009-08-07 2011-02-10 パナソニック電工株式会社 濾過装置
JP2012101973A (ja) * 2010-11-09 2012-05-31 Tsurumi Soda Co Ltd 塩水精製装置
CN104190122A (zh) * 2014-09-11 2014-12-10 山东国辰环境科技有限公司 全自动无压差纤维丝过滤器及使用方法
JP6270006B1 (ja) * 2017-08-22 2018-01-31 日本施設株式会社 ろ過装置、ろ過方法及びろ過材の洗浄方法
CN112774554A (zh) * 2020-12-31 2021-05-11 湖南普菲克生物科技有限公司 一种坚强芽孢杆菌的发酵产物免疫蛋白的制备工艺及装置
CN114588684A (zh) * 2022-03-11 2022-06-07 宏伟建设工程股份有限公司 一种市政工程用生活废水处理装置

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007301453A (ja) * 2006-05-10 2007-11-22 Nippon Rensui Co Ltd 塩水の精製方法
JP2010194520A (ja) * 2009-02-27 2010-09-09 Tosoh Corp 塩水精製方法
WO2011016513A1 (ja) * 2009-08-07 2011-02-10 パナソニック電工株式会社 濾過装置
JP2012101973A (ja) * 2010-11-09 2012-05-31 Tsurumi Soda Co Ltd 塩水精製装置
CN104190122A (zh) * 2014-09-11 2014-12-10 山东国辰环境科技有限公司 全自动无压差纤维丝过滤器及使用方法
JP6270006B1 (ja) * 2017-08-22 2018-01-31 日本施設株式会社 ろ過装置、ろ過方法及びろ過材の洗浄方法
JP2019037903A (ja) * 2017-08-22 2019-03-14 日本施設株式会社 ろ過装置、ろ過方法及びろ過材の洗浄方法
CN112774554A (zh) * 2020-12-31 2021-05-11 湖南普菲克生物科技有限公司 一种坚强芽孢杆菌的发酵产物免疫蛋白的制备工艺及装置
CN114588684A (zh) * 2022-03-11 2022-06-07 宏伟建设工程股份有限公司 一种市政工程用生活废水处理装置
CN114588684B (zh) * 2022-03-11 2023-12-08 宏伟建设工程股份有限公司 一种市政工程用生活废水处理装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1218022A (en) Pneumatic hydro-pulse filter system and method of operation
JPH11509771A (ja) 流体フィルタシステムの逆洗装置及び同方法
US4560483A (en) Process and apparatus for filtration of oil and gas well fluids
JP2000015009A (ja) 濾過装置及びその方法
US4212737A (en) Processes and apparatus for removing suspended matter from suspensions by filtration through foams
US7258784B2 (en) Solid liquid filtration apparatus and method
US3155613A (en) Filtering apparatus
US3826369A (en) Filtration process and filtration equipment
JPH10249170A (ja) 炭素系吸着剤を用いる廃水処理方法及び装置
JPH04114722A (ja) 有機物を含む液の濾過方法
GB2128098A (en) Multilayer filter bed regeneration
JP3661204B2 (ja) イオン交換装置および再生方法
SU1031458A1 (ru) Фильтр дл разделени малоконцентрированных суспензий
JP2002113301A (ja) 油水分離装置
JPS63302910A (ja) 多孔質フィルタの洗浄方法
JPS6058222A (ja) 多孔質濾過膜の再生方法
JP2519319B2 (ja) ろ過装置
JPH07251016A (ja) 非対称構造のろ過膜並びにそのろ過膜を用いたろ過装置
JPS6223529Y2 (ja)
KR0142996B1 (ko) 역 세척이 가능한 폐수의 여과 처리방법과 이에 사용되는 장치
EP0204871A1 (en) Process and apparatus for filtration of oil and gas well fluids
JPH0730097Y2 (ja) 逆洗可能な2重式濾過装置
JP4001490B2 (ja) ろ過装置、それを用いた海水処理方法および凝集剤の再生方法
JPS59199005A (ja) 透過膜チユ−ブの洗浄方法
JP3488410B2 (ja) 濾過装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050714

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050726

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050926

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051025

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060328