JP3661204B2 - イオン交換装置および再生方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は濾過部とイオン交換部が一体となったイオン交換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
イオン交換装置では被処理液中のSS成分によるイオン交換層の閉塞と汚染を防止するために、濾過装置が前置されているが、装置が複雑になり、大きい敷地面積が必要になるほか、操作も繁雑になる。
このような点を解決するために、濾過器とイオン交換塔を一体化した装置として、比重の小さい不活性粒状物をイオン交換層の上部に積層した装置が提案されている(特公昭55−26901号)。この装置は比重差を利用して軽い不活性樹脂を上層に積層し、濾過層として利用するものであり、これによりSS分を除去してイオン交換の閉塞と汚染が防止される。
【0003】
しかしながら、このような装置では、濾過層が閉塞して差圧が上昇したときでも、濾過層のみを逆洗することができない。この場合イオン交換部から水および/または空気を導入して逆洗を行うと、イオン交換層が乱れて再生形の樹脂と非再生形の樹脂とが混合するため、その状態でイオン交換を再開すると、イオン交換処理水質が低下して採水不可となり、再生剤利用効率が低下する。特にSS濃度の高い被処理液の場合は、差圧上昇による逆洗頻度が高いため、この傾向が強くなる。また逆洗の都度イオン交換樹脂を再生すると、再生剤の利用効率が悪くなるなどの問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記のような問題点を解決するため、イオン交換層を乱すことなく濾過層を独立して逆洗することができ、このため逆洗の都度のイオン交換層の再生を行うことなく引続いてイオン交換を行うことができ、これによりイオン交換層の再生剤利用効率を高くして、長期にわたってイオン交換を行うことが可能なイオン交換装置を得ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は次のイオン交換装置および再生方法である。
(1) 通液可能な仕切部材によって上下に区画された濾過部およびイオン交換部を有するイオン交換塔と、
前記濾過部に廃イオン交換樹脂からなる粒状濾材を充填して形成された濾過層と、
前記イオン交換部に粒状イオン交換樹脂を充填して形成されたイオン交換層と、
前記イオン交換塔の上部に連絡する上部給排液路、および下部に連絡する下部給排液路と、
前記濾過層を独立して逆洗するように濾過部に設けられた濾過層逆洗装置と
を備えていることを特徴とするイオン交換装置。
(2) 濾過層逆洗装置は、濾過層の上部および下方に、逆洗用の水および/または空気を導入する水/空気導入管を備えている上記(1)記載の装置。
(3) イオン交換塔は、側壁の濾過層の上面より上部に水抜口および/または洗浄排液口を備えている上記(1)または(2)記載の装置。
(4) 上記(1)記載のイオン交換装置の再生方法であって、下部給排液路から再生剤をイオン交換層に上向流で通液し、イオン交換樹脂を仕切部材に押付けて固定床を形成した状態でイオン交換樹脂を再生し、再生液を濾過層に通して濾過層を洗浄することを特徴とするイオン交換装置の再生方法。
【0006】
濾過部において濾過層を形成するための粒状濾材としては、使用済の廃イオン交換樹脂を用いる。濾材として使用される廃イオン交換樹脂は、イオン交換用として使用され、使用済となったイオン交換樹脂であり、イオン交換能が低下したものが一般的であるが、イオン交換能が低下しないものであってもよい。このようなイオン交換樹脂としてはカチオン交換樹脂、アニオン交換樹脂のいずれでもよく、両者を混合して用いてもよいが、いずれか一方の樹脂を用いるのが好ましく、被処理水に無機凝集剤を添加して凝集濾過を行う場合は、カチオン交換樹脂、特に強酸性のカチオン交換樹脂が好ましい。濾材となる廃イオン交換樹脂の粒径は、0.3〜1mmφのものが好ましい。
【0007】
イオン交換部においてイオン交換層を形成するためのイオン交換樹脂としては、強もしくは弱酸性カチオン交換樹脂、強もしくは弱塩基性アニオン交換樹脂など、一般に使用されている樹脂を選択することができる。これらは単床式、複床式、混床式など、任意の充填形式とすることができる。また一部のイオン交換樹脂を上記イオン交換部に充填し、残部を別のイオン交換塔に充填して組合せて使用することもできる。
【0008】
本発明のイオン交換装置においては、濾過部とイオン交換部を区画する仕切部材上に粒状濾材を充填して濾過層を形成し、仕切部材の下側に粒状イオン交換樹脂を充填してイオン交換層を形成する。この場合、イオン交換層はイオン交換塔下部に設けられた通液可能な支持板上に形成される。イオン交換部は再生時にイオン交換樹脂が前記仕切部材に押付けられて固定床を形成するように、上部空間を小さくし、逆に濾過部は展開状態を維持するように上部空間を大きくするのが好ましい。
【0009】
濾過部に設けられる濾過層逆洗装置は濾過層に水および/または空気を導入して水逆洗および/または空気逆洗を行う装置であり、濾過層の表層部のみを逆洗するものと、全層を逆洗するものを設けるのが好ましい。
上記給排液路は被処理液の給液路と逆洗排液路として利用される。下部給排液路は処理液取出路と全体に対する逆洗および再生剤給液路として利用される。
【0010】
【作用】
本発明のイオン交換装置においては、上部給排液路からイオン交換塔の上部に被処理液を供給すると、被処理液は濾過部で濾過層を通過して濾過され、SS成分が濾過層に捕捉される。濾過液は仕切部材を通してイオン交換部に移行し、イオン交換層を通過してイオン交換される。イオン交換処理液は下部給排液路から取出される。
こうして被処理液は一つのイオン交換装置において濾過およびイオン交換され、イオン交換層の閉塞、汚染が防止される。
【0011】
濾過層が閉塞して差圧が上昇すると、通液を停止して、濾過層逆洗装置により水および/または空気を濾過部に導入して、濾過層の逆洗を行う。このとき表層のみが閉塞している場合は、表層のみの逆洗を行うことができ、その繰返しにより全層が閉塞している場合は、全層の逆洗を行う。このような逆洗は数回繰返すと、逆洗により剥離しないで残留するSS分が蓄積するので、イオン交換樹脂の再生の際、再生廃液を利用して濾過層の洗浄を行う。
【0012】
イオン交換樹脂の再生は、下部給排液路から逆洗水を送液してイオン交換層と濾過層をともに逆洗した後、イオン交換層に再生剤を上向流で通液してイオン交換樹脂を再生し、再生液はそのまま濾過層に通して濾過層を洗浄する。再生剤はカチオン交換樹脂に対しては1〜10重量%の酸水溶液、アニオン交換樹脂に対しては1〜10重量%のアルカリ水溶液が用いられるが、その一方または両方の再生排液を濾過層に通して洗浄が行われる。どちらの再生排液の場合も、濾過層を通過する際濾材に付着したSS分を剥離、除去し、濾過性能を回復する。特に濾材として廃イオン交換樹脂を用いる場合は、再生排液による洗浄によって残留交換基を再生し、濾材としての活性を付与することができる。
【0013】
本発明では、濾材として廃イオン交換樹脂を用いることにより、SS成分等の捕捉力を大きくして高流速で濾過を行うことができ、しかも酸、アルカリを用いて逆洗を行うことができ、これにより短時間で効率よく濾材の洗浄を行って濾過能力をほぼ完全に回復できるほか、樹脂に残留するイオン交換能力を利用することも可能になる。濾材として廃イオン交換樹脂を用いることにより高流速で濾過が行えるのは、濾材に残留するイオン交換基により、イオン交換その他の電気化学的な作用が、物理化学的な濾過作用に加味されることにより、SS捕捉力が大きくなり、これによりSSがリークしないためであると推測されるが、詳細は不明である。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面により説明する。
図1は実施例のイオン交換装置を示す断面図である。
図1において、1はイオン交換塔であり、通液可能な仕切板2により上部に濾過部3および下部にイオン交換部4が区画されている。濾過部3には仕切板2上に粒状濾材を充填して濾過層5が形成されている。イオン交換部4には通液可能な他の仕切板6上に粒状のイオン交換樹脂を充填して、イオン交換層7が形成されている。イオン交換部4の上部空間4aは再生時にイオン交換層7が仕切板2に押付けられて固定床を形成するように小さいスペースとされ、逆に濾過部3の上部空間3aは全層が展開するように大きいスペースとされている。
【0015】
仕切板6はイオン交換層7の下方に集液部8を形成している。仕切板2、6はそれぞれ多孔板(目皿板)にスクリーンが一体化され、通液は可能であるが、濾材およびイオン交換樹脂は移動できないようになっている。
イオン交換塔1の頂部には空気抜口11が設けられている。またイオン交換塔1の上部、すなわち濾過部3の上部空間3aには被処理水導入路および逆洗排水路を兼ねる上部給排液管12が設けられて、濾過層5の上方に開口している。上部給排液管12の開口部には上向に拡開するロート状部13が形成され、その下側の周辺部には下向に傾斜する笠状のガイド部14が形成され、その接合部に逆J字状の空気抜管15が設けられている。
【0016】
イオン交換塔1の下部の集液部8には処理水取出路および再生剤導入路を兼ねる下部給排液管16が設けられて、イオン交換層7の下方の集液部8に開口している。濾過層5の上部および下方には逆洗用の水および/または空気を導入する水/空気導入管17、18が設けられ、それぞれ交差方向に枝管17a、18aを有し、給水/空気管17b、18bに連絡している。水/空気導入管17および枝管17aには両側に斜上向に開口する開口部が形成され、水/空気導入管18および枝管18aには両側に斜下向に開口する開口部が形成されている(図示省略)。イオン交換塔1の側壁の濾過層5上面より若干上の部分には、水抜口19および洗浄排液口20が設けられている。V1、V2は弁である。他の管にも弁が設けられているが、図示は省略されている。
【0017】
上記のイオン交換装置においては、図2(A)に示すように、濾過部3において濾過を行い、イオン交換部4においてイオン交換が行われる。まず濾過部3では、弁V1は閉、弁V2は開で、被処理液を上部給排液管12から導入して濾過層5を通過させることにより濾過が行われる。このとき濾材として廃イオン交換樹脂を用いると、残留交換基の作用により、SS捕捉力が大きくなって、高流速で濾過が行われ、被処理水に無機凝集剤を添加して凝集濾過を行う場合でも効率よく濾過を行うことができる。
濾過水は仕切板2を通してイオン交換部4に入り、イオン交換層7を通過する間にイオン交換が行われる。イオン交換処理液は仕切板6を通して集液部8に集められ、下部給排液管16から取出される。
【0018】
濾過層5の差圧が上昇したときは、図2(B)に示すように、弁V2を閉じ、イオン交換部4への通水を停止したまま、濾過層5の逆洗を行う。濾過層5の逆洗は、濾過層5の表層部のみが目詰まりしている場合は、水/空気導入管17から水および/または空気を導入して表層部のみを展開し、また濾過層5の全層が目詰まりしている場合は、水/空気導入管18から水および/または空気を導入して全層を展開して逆洗する。この段階では通常LV30〜40m/hrで10〜20分間水逆洗のみが行われるが、空気逆洗を行ってもよい。
【0019】
空気逆洗を行う場合は、弁V1を開とし、水抜口19から水抜きして、液面を濾過層5の上面より若干上の位置まで下降させて空気を吹込むと、濾過層5はほぐされてSSが剥離する。水逆洗の場合は、この状態から水/空気導入管17または18から水を導入することにより濾過層5は展開され、剥離SSを含む逆洗排液は上部給排液管12から排出される。このとき上昇する濾材は上部給排液管12のロート状部13の下側からガイド部14に沿って循環し、SSを含む水がオーバーフロー式にロート状部13から集水されて排出される。空気抜管15はロート状部13とガイド部14の下にたまる空気を抜出し、濾材の循環流を維持する。逆洗終了後は弁V1を閉、弁V2を開とし、前記と同様に図2(A)に従って濾過工程およびイオン交換工程を再開する。
【0020】
このような濾過−逆洗の操作を繰返し、濾過層5の全層が目詰まりし、表層部のみの逆洗により差圧が回復しない場合には、全層の逆洗を行う。そして全層の逆洗によっても、付着SS分が蓄積されるので、イオン交換層7の再生に合せて、再生排液により濾過層5の洗浄を行う。この場合濾過層5およびイオン交換層7とも全層の逆洗を行うが、濾過層5は空気逆洗および水逆洗を組合せて行う。
【0021】
このときの逆洗、再生、洗浄の操作は次のようにして行われる。まず図2(C)に示すように、弁V1を開、弁V2を閉とし、水抜口19から水抜を行い、前述のように液面を濾過層5の若干上の位置に下降させる。この状態で図2(D)に示すように、水/空気導入管18から空気を導入して空気逆洗を行い、濾材をほぐすとともに、付着したSS分を剥離させる。このとき液面21は上部給排液管12の開口部より相当低くなっているので、濾材が飛び上がっても排出されることはない。
【0022】
その後図3(A)に示すように、水/空気導入管18からの空気の導入を停止し、弁V2を開として、下部給排液管16から逆洗水を導入して、イオン交換層7および濾過層5の全層を同時に逆洗し、逆洗排水は上部給排液管12から排出する。これによりイオン交換層7および濾過層5はそれぞれ上向に展開され、剥離したSS分が逆洗排水とともに排出される。このときイオン交換部4の上部空間4aは小さいため、逆洗水の流速をLV30〜40m/hr、好ましくは約35m/hrとすることにより、イオン交換部4のイオン交換樹脂は仕切板2に押付けられて固定床を形成する。これに対して濾過部3の上部空間3aは大きくなっているため、濾過層5は全層が展開状態を維持し、逆洗が行われる。
【0023】
この状態で図3(B)に示すように、下部給排液路管16からの通液を再生剤の通液に切換えると、再生剤の流速を約10m/hr程度に低くしてもイオン交換層7は仕切板2に支持されて固定床を維持し、イオン交換樹脂の再生が行われる。このように上向に固定床を形成した状態で上向流で再生すると、向流再生となるため、再生効率は高くなる。
【0024】
一方濾過層5は流速の低下により仕切板2上に堆積して固定床を形成し、仕切板2を通過して上昇する再生排液により洗浄され、洗浄排液は洗浄排液口20から排出される。これにより濾材に付着していた金属化合物その他の不純物が除去され、SS成分が剥離して濾過能力を回復する。
濾材として廃イオン交換樹脂を用いるときは、再生液中の再生剤成分により残留交換基が再生され、前述のように濾材のSS捕捉力を増大させる。
【0025】
再生剤を通液したのち、同様の通路で純水を通液して押出工程および洗浄工程を行う。そして図3(C)に示すように、水/空気導入管18から純水を導入すると、イオン交換層7はそのまま下に移動して、仕切板上に固定床を形成する。この状態で図3(D)に示すように、弁V2を閉じ、上部給排液管12から被処理水を導入すると、上部空間3aの空気が弁V1から追出され、イオン交換塔1内は満水状態になる。この状態で図2(A)に示すように弁V1を閉、弁V2を開として、上部給排液路12から被処理液を導入して濾過およびイオン工程を再開する。
【0026】
試験例
図1のイオン交換装置の濾過部3に粒径0.3〜1mmの廃イオン交換樹脂(カチオン交換樹脂ダイヤイオンSKIBまたはアニオン交換樹脂SA100)を1mの高さに充填して濾過層5を形成し、イオン交換部4には新しいイオン交換樹脂(カチオン交換樹脂ダイヤイオンSKIBまたはアニオン交換樹脂SA100)を1mの高さに充填してイオン交換層7を形成した。
水道水にカオリンを添加して濁度5〜6度に調整した被処理水にポリ塩化アルミニウムをAlとして0.5mg/l添加し、硫酸でpH6.5に調整して凝集処理を行い、図2(A)に示すように通液してLV35m/hrの流速で濾過およびイオン交換を行った。
【0027】
濾過部3における差圧は当初0.25kgf/cm2であったが次第に上昇し、8時間後に1〜1.5kgf/cm2になったので、図2(B)に示すように濾過層5下部の水/空気導入管18より水を導入してLV35m/hrで15分間逆洗し、終了後通水を再開した。さらに8時間後に同様に水で逆洗した。
24時間後にイオン交換装置の再生が必要になったので、イオン交換樹脂層の再生と濾床の洗浄を行った。
【0028】
このときの洗浄操作は、まず図2(C)に示すようにイオン交換塔1の通水を停止して、濾過層5の上層より上10〜20cmの高さまで水抜を行い、図2(D)に示すように濾過層5下部の水/空気導入管18より空気を導入して1m3/m2・minの流量、0.4kgf/cm2の圧力で15分間空気逆洗を行った後、図3(A)に示すようにイオン交換層7の下部に水を導入してLV35m/hrで15分間イオン交換層7および濾過層5について水逆洗を行い、イオン交換層7を仕切板2に押付ける。その後図3(B)に示すようにイオン交換層7の再生と濾過層5の洗浄を行った。
【0029】
この場合、濾材として廃カチオン交換樹脂を用いた場合は、5重量%塩酸水溶液をイオン交換層7にLV10m/hrで通液してカチオン交換樹脂を再生した後、再生排液を酸洗浄液として濾過層5に導入して濾過層5を洗浄した。濾材が廃アニオン交換樹脂の場合は、2重量%水酸化ナトリウム水溶液をイオン交換層7に通液してアニオン交換樹脂を再生した後、再生排液をアルカリ洗浄液として濾過層5に導入して洗浄した。
【0030】
酸またはアルカリ廃液で洗浄後、イオン交換層7および濾過層5を20分間通水洗浄し、図3(C)、(D)の操作を経て濾過およびイオン交換を再開した。上記の酸またはアルカリ洗浄を行った場合の差圧の変化を図4(A)に示す。比較例1として上記と同様に運転し、3回目の洗浄として酸またはアルカリ洗浄を行わず、空気および水逆洗のみを行った場合の差圧の変化を図4(B)に示す。
また比較例2として、従来装置のように中間水逆洗を行わないで運転を継続したときの結果を図5に示す。
図4(A)から明らかなように、中間逆洗によって蓄積する濾過層5の汚れは酸またはアルカリ洗浄により除去され、初期の差圧が回復するのに対し、中間逆洗を行わない場合は図5に示すように約8時間で通水不可となり、中間逆洗を行う場合でも再生排液による洗浄を行わない場合は、図4(B)に示すように空気および水逆洗によって差圧が初期値まで回復しないことがわかる。
【0031】
【発明の効果】
本発明のイオン交換装置は、濾過部に廃イオン交換樹脂からなる粒状濾材を充填して濾過層を形成し、濾過部とイオン交換部を仕切部材で区画し、濾過部を独立して逆洗する手段を設け、イオン交換部の再生排液で濾過部を洗浄できるようにしたので、イオン交換層を乱すことなく濾過層を独立して逆洗することができ、このため逆洗の都度のイオン交換層の再生を行うことなく引続いてイオン交換を行うことができ、これによりイオン交換層の再生剤利用効率を高くして、長期にわたってイオン交換を行うことが可能なイオン交換装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のイオン交換装置を示す断面図である。
【図2】(A)、(B)、(C)、(D)はそれぞれ実施例のイオン交換装置の工程を示す系統図である。
【図3】(A)、(B)、(C)、(D)はそれぞれ実施例のイオン交換装置の別の工程を示す系統図である。
【図4】(A)、(B)はそれぞれ試験例の結果を示すグラフである。
【図5】試験例の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 イオン交換塔
2、6 仕切板
3 濾過部
4 イオン交換部
5 濾過層
7 イオン交換層
8 集液部
11 空気抜口
12 上部給排液管
13 ロート状部
14 ガイド部
15 空気抜管
16 下部給排液管
17、18 水/空気導入管
17a、18a 枝管
17b、18b 給水/空気管
19 水抜口
20 洗浄排液口
21 液面
Claims (4)
- 通液可能な仕切部材によって上下に区画された濾過部およびイオン交換部を有するイオン交換塔と、
前記濾過部に廃イオン交換樹脂からなる粒状濾材を充填して形成された濾過層と、
前記イオン交換部に粒状イオン交換樹脂を充填して形成されたイオン交換層と、
前記イオン交換塔の上部に連絡する上部給排液路、および下部に連絡する下部給排液路と、
前記濾過層を独立して逆洗するように濾過部に設けられた濾過層逆洗装置と
を備えていることを特徴とするイオン交換装置。 - 濾過層逆洗装置は、濾過層の上部および下方に、逆洗用の水および/または空気を導入する水/空気導入管を備えている請求項1記載の装置。
- イオン交換塔は、側壁の濾過層の上面より上部に水抜口および/または洗浄排液口を備えている請求項1または2記載の装置。
- 請求項1記載のイオン交換装置の再生方法であって、下部給排液路から再生剤をイオン交換層に上向流で通液し、イオン交換樹脂を仕切部材に押付けて固定床を形成した状態でイオン交換樹脂を再生し、再生液を濾過層に通して濾過層を洗浄することを特徴とするイオン交換装置の再生方法。
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