JP6270006B1 - ろ過装置、ろ過方法及びろ過材の洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ろ過効率に優れるろ過装置、ろ過方法及びろ過材の洗浄方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明のろ過装置100は、ろ過材収容容器10と、ろ過材収容容器10に収容されたろ過材1とを有するろ過装置100であって、ろ過材1は多孔質に形成された弾性圧縮変形された状態の弾性体であり、ろ過装置100は、ろ過材収容容器10に昇降自在に支持され、ろ過材1を弾性圧縮変形可能なピストン機構30を有する。ピストン機構30は、ろ過材収容容器10に対して水密状態を維持したまま昇降自在なロッド31と、ロッド31の端部に設けられ、被ろ過水を通すことはできるが、ろ過材1を通すことはできない大きさの第1通水孔32hが設けられた目皿板32と、を有する。【選択図】 図4
Description
本発明は、ろ過装置、ろ過方法及びろ過材の洗浄方法に関するものである。
従来から、魚介類の循環飼育において、サンゴ片(砂)、カキ殻、親水性セラミック、発泡性ガラス質等、様々な種類のろ過材が用いられている。このようなろ過材は、複数の粒体が集まった集合体として用いられている。
しかしながら、従来のろ過材の集合体は、ろ過材の粒体の形状や大きさに応じて、隣り合うろ過材の粒体同士の間に必要以上の隙間が生じ、被ろ過水がろ過されることなく通過する流路が形成される場合があり、ろ過効率について改良の余地があった。
また、ろ過材を使用して時間が経過するにつれて、ろ過材の粒体の内部に形成された空隙(気孔)に汚れが詰まっていくと、空隙(気孔)が閉塞する場合がある。この場合、ろ過材をろ過装置から取り出して、揉み洗いをしたり、高圧水を吹き付けたりする等の必要があり、ろ過材の閉塞を取り除くためには相応の労力やエネルギーを必要としていた。
しかしながら、従来のろ過材の集合体は、ろ過材の粒体の形状や大きさに応じて、隣り合うろ過材の粒体同士の間に必要以上の隙間が生じ、被ろ過水がろ過されることなく通過する流路が形成される場合があり、ろ過効率について改良の余地があった。
また、ろ過材を使用して時間が経過するにつれて、ろ過材の粒体の内部に形成された空隙(気孔)に汚れが詰まっていくと、空隙(気孔)が閉塞する場合がある。この場合、ろ過材をろ過装置から取り出して、揉み洗いをしたり、高圧水を吹き付けたりする等の必要があり、ろ過材の閉塞を取り除くためには相応の労力やエネルギーを必要としていた。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであって、ろ過効率に優れるとともに洗浄し易いろ過装置、ろ過方法及びろ過材の洗浄方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、以下の構成によって把握される。
(1)本発明のろ過装置は、ろ過材収容容器と、前記ろ過材収容容器に収容されたろ過材とを有するろ過装置であって、前記ろ過材は多孔質に形成された弾性圧縮変形された状態の弾性体である。
(2)上記(1)の構成において、前記ろ過装置は、前記ろ過材収容容器に昇降自在に支持され、前記ろ過材を弾性圧縮変形可能なピストン機構を有する。
(3)上記(2)の構成において、前記ピストン機構は、前記ろ過材収容容器に対して水密状態を維持したまま昇降自在なロッドと、前記ロッドの下端部に設けられ、被ろ過水を通すことはできるが、前記ろ過材を通すことはできない大きさの第1通水孔が設けられた目皿板と、を有する。
(4)上記(3)の構成において、前記ろ過装置は、前記ろ過材収容容器内の空間と連通する内腔を有するとともに被螺合部を有するロッド支持部と、前記ロッド支持部と前記ロッドとの間に配置された弾性シールリングと、前記被螺合部と係合する螺合部を有し、前記被螺合部に前記螺合部を螺合して前記弾性シールリングを支圧することで前記ロッドを前記ロッド支持部に対して固定自在な締結部材と、を有する。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの構成において、前記ろ過装置は、前記ろ過材収容容器内にエアを噴出するエアブロー機構を有する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のろ過装置。
(6)上記(5)の構成において、前記エアブロー機構は、エア噴出口が設けられたエア噴出部と、前記エア噴出部に連通し、空気を送出するブロワまたはコンプレッサーと、を有し、前記エア噴出口は、平面視において前記ろ過材収容容器の中央から偏心した位置に設けられる。
(7)本発明のろ過方法は、ろ過材収容容器と、前記ろ過材収容容器に収容されたろ過材とを有するろ過装置に被ろ過水をろ過させるろ過方法であって、前記ろ過材は多孔質に形成された弾性体であり、前記ろ過材収容容器が前記ろ過材を弾性圧縮変形させている状態で、前記被ろ過水をろ過する。
(8)本発明のろ過材の洗浄方法は、ろ過材収容容器と、前記ろ過材収容容器に収容されたろ過材とを有するろ過装置における前記ろ過材を洗浄する洗浄方法であって、前記ろ過材は多孔質に形成された弾性体であり、前記ろ過材収容容器が前記ろ過材を弾性圧縮変形させている状態から弾性圧縮変形させていない状態に戻した後、前記ろ過材を洗浄する。
(1)本発明のろ過装置は、ろ過材収容容器と、前記ろ過材収容容器に収容されたろ過材とを有するろ過装置であって、前記ろ過材は多孔質に形成された弾性圧縮変形された状態の弾性体である。
(2)上記(1)の構成において、前記ろ過装置は、前記ろ過材収容容器に昇降自在に支持され、前記ろ過材を弾性圧縮変形可能なピストン機構を有する。
(3)上記(2)の構成において、前記ピストン機構は、前記ろ過材収容容器に対して水密状態を維持したまま昇降自在なロッドと、前記ロッドの下端部に設けられ、被ろ過水を通すことはできるが、前記ろ過材を通すことはできない大きさの第1通水孔が設けられた目皿板と、を有する。
(4)上記(3)の構成において、前記ろ過装置は、前記ろ過材収容容器内の空間と連通する内腔を有するとともに被螺合部を有するロッド支持部と、前記ロッド支持部と前記ロッドとの間に配置された弾性シールリングと、前記被螺合部と係合する螺合部を有し、前記被螺合部に前記螺合部を螺合して前記弾性シールリングを支圧することで前記ロッドを前記ロッド支持部に対して固定自在な締結部材と、を有する。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの構成において、前記ろ過装置は、前記ろ過材収容容器内にエアを噴出するエアブロー機構を有する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のろ過装置。
(6)上記(5)の構成において、前記エアブロー機構は、エア噴出口が設けられたエア噴出部と、前記エア噴出部に連通し、空気を送出するブロワまたはコンプレッサーと、を有し、前記エア噴出口は、平面視において前記ろ過材収容容器の中央から偏心した位置に設けられる。
(7)本発明のろ過方法は、ろ過材収容容器と、前記ろ過材収容容器に収容されたろ過材とを有するろ過装置に被ろ過水をろ過させるろ過方法であって、前記ろ過材は多孔質に形成された弾性体であり、前記ろ過材収容容器が前記ろ過材を弾性圧縮変形させている状態で、前記被ろ過水をろ過する。
(8)本発明のろ過材の洗浄方法は、ろ過材収容容器と、前記ろ過材収容容器に収容されたろ過材とを有するろ過装置における前記ろ過材を洗浄する洗浄方法であって、前記ろ過材は多孔質に形成された弾性体であり、前記ろ過材収容容器が前記ろ過材を弾性圧縮変形させている状態から弾性圧縮変形させていない状態に戻した後、前記ろ過材を洗浄する。
本発明によれば、ろ過効率に優れるとともに洗浄し易いろ過装置、ろ過方法及びろ過材の洗浄方法を提供できる。
(実施形態)
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。
なお、以下では、本発明のろ過装置100を循環飼育システムSの環水路に適用する例を説明する。ただし、本発明のろ過装置100は、循環飼育システムSに限らず、掛け流し方式の飼育システムに適用してもよい。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。
なお、以下では、本発明のろ過装置100を循環飼育システムSの環水路に適用する例を説明する。ただし、本発明のろ過装置100は、循環飼育システムSに限らず、掛け流し方式の飼育システムに適用してもよい。
(循環飼育システム)
図1は、循環飼育システムSの全体図である。図2は、ろ過装置100の断面図である。図3は、図2におけるA矢視断面図である。
図1に示すように、循環飼育システムSは、主に、魚介類等の水生生物を飼育するための飼育水槽200と、飼育水槽200から排水された流水(被ろ過水、飼育水)を一度受けて小型粒子を含む懸濁物を除去するための泡沫分離装置300と、泡沫分離装置300から排水された流水からアンモニア硝化を行うろ過装置100と、ろ過装置100から排水された流水を殺菌し、飼育水槽200に排水する流水殺菌装置400と、環水路(図1において矢印で示される)に設けられて流水を循環させる動力を供給するポンプPと、を備え、循環路内で流水を循環させるものである。なお、飼育水槽200には、適宜、新水を注水し、飼育水槽200からは、適宜、流水の一部を排水する。
図1は、循環飼育システムSの全体図である。図2は、ろ過装置100の断面図である。図3は、図2におけるA矢視断面図である。
図1に示すように、循環飼育システムSは、主に、魚介類等の水生生物を飼育するための飼育水槽200と、飼育水槽200から排水された流水(被ろ過水、飼育水)を一度受けて小型粒子を含む懸濁物を除去するための泡沫分離装置300と、泡沫分離装置300から排水された流水からアンモニア硝化を行うろ過装置100と、ろ過装置100から排水された流水を殺菌し、飼育水槽200に排水する流水殺菌装置400と、環水路(図1において矢印で示される)に設けられて流水を循環させる動力を供給するポンプPと、を備え、循環路内で流水を循環させるものである。なお、飼育水槽200には、適宜、新水を注水し、飼育水槽200からは、適宜、流水の一部を排水する。
このように、循環飼育システムSは、少なくとも、飼育水槽200に対して後述する流入管12及び流出管23(図2参照)を介して連通するろ過装置100を備える。
なお、循環飼育システムSに通水される被ろ過水は、海水であっても淡水であってもよい。ただし、泡沫分離装置300は、被ろ過水が海水の場合に適用される。また、流水殺菌装置400は、オプションであり、循環飼育システムSにおいて、流水殺菌装置400がなくてもよい。なお、循環飼育は、飼育水の浄化システムを設置して飼育水を再利用して飼育する手法であって、閉鎖循環飼育(蒸発等以外の飼育水の補充を行わないもの)と半循環飼育(飼育水の一部を再利用する手法で、若干の換水を伴うもの)の2つに分類されるものであり、循環飼育システムSは、閉鎖循環飼育と半循環飼育の両方を含む概念である。
(ろ過装置)
次に、循環飼育システムSの環水路に適用されるろ過装置100を説明する。
図2は、本実施形態に係るろ過装置100の断面図である。
次に、循環飼育システムSの環水路に適用されるろ過装置100を説明する。
図2は、本実施形態に係るろ過装置100の断面図である。
図2に示すように、ろ過装置100は、ろ過材収容容器10と、ろ過材収容容器10に収容されたろ過材1と、ろ過材収容容器10内に被ろ過水を給水する流入管12と、ろ過材収容容器10内からろ過後に得られるろ過水を排水する流出管23と、を有する。
なお、本実施形態においては、通水の流れ方向は、図4において矢印で示すように、流入管12から流出管23へ向かうもので説明するが、この逆の流れ方向、すなわち、流出管23から流入管12へ向かうものであってもよい。
ろ過装置100は、ろ過材収容容器10内に、飼育水槽200の容量に対して所定の割合となる総かさ体積の複数のろ過材1を有する。
ここで、ろ過材1は、多孔質に形成された弾性圧縮変形された状態の弾性体である。
また、ろ過装置100は、多孔質に形成されたろ過材1を弾性圧縮変形された状態にするため、具体的には、ろ過装置100を工場の床等の構造物に固定されるベース部材20と、ろ過材収容容器10に昇降自在に支持され、ろ過材1を押圧することによって圧縮して弾性変形させることが可能なピストン機構30を有する。
なお、図2において、ろ過材1は、密度が水より小さいため、浮力を受けて浮上して積み重なっており、ろ過材1の集合体の下端とトラップ板25との間には余裕がある。
なお、本実施形態においては、通水の流れ方向は、図4において矢印で示すように、流入管12から流出管23へ向かうもので説明するが、この逆の流れ方向、すなわち、流出管23から流入管12へ向かうものであってもよい。
ろ過装置100は、ろ過材収容容器10内に、飼育水槽200の容量に対して所定の割合となる総かさ体積の複数のろ過材1を有する。
ここで、ろ過材1は、多孔質に形成された弾性圧縮変形された状態の弾性体である。
また、ろ過装置100は、多孔質に形成されたろ過材1を弾性圧縮変形された状態にするため、具体的には、ろ過装置100を工場の床等の構造物に固定されるベース部材20と、ろ過材収容容器10に昇降自在に支持され、ろ過材1を押圧することによって圧縮して弾性変形させることが可能なピストン機構30を有する。
なお、図2において、ろ過材1は、密度が水より小さいため、浮力を受けて浮上して積み重なっており、ろ過材1の集合体の下端とトラップ板25との間には余裕がある。
(ろ過材収容容器)
ろ過材収容容器10は、円筒状の容器本体11と、容器本体11の上部に、中央に後述するロッド31が挿入される挿入孔13aが設けられた第1上部フランジ13を有し、容器本体11の下部に、中央に容器本体11の内径と略同径の開口孔14aを有する第1下部フランジ14を有する。第1上部フランジ13は容器本体11の上部に、第1下部フランジ14は容器本体11の下部に、それぞれ水密状態で溶接等により固定されている。
ろ過材収容容器10は、円筒状の容器本体11と、容器本体11の上部に、中央に後述するロッド31が挿入される挿入孔13aが設けられた第1上部フランジ13を有し、容器本体11の下部に、中央に容器本体11の内径と略同径の開口孔14aを有する第1下部フランジ14を有する。第1上部フランジ13は容器本体11の上部に、第1下部フランジ14は容器本体11の下部に、それぞれ水密状態で溶接等により固定されている。
円筒状の容器本体11は、流水による水圧に耐え得る剛性を有するものであり、塩化ビニル製であってよく、ろ過材1の汚れ具合等の内部の様子を確認できるようにするために、透明なアクリル製または透明な塩化ビニル製等であってもよい。容器本体11は、上部に、被ろ過水を給水する流入管12を有し、流入管12が配置された位置より上部に、オーバーフローノズル11vを有する。なお、流入管12及びオーバーフローノズル11vには、それぞれ、流路の開閉を切り替え自在な弁(不図示)が設けられている。オーバーフローノズル11vには、減圧機構(不図示)が設けられている。これにより、ろ過材1の目詰まりによる通水量の低下が始まって容器本体11の内圧が高まっても、オーバーフローノズル11vが開放されて容器本体11を減圧でき、容器本体11の破損を予防できる。
流入管12は、ろ過装置100の天井面(第1上部フランジ13の下面)または近傍に設けられ、流出管23は、底面(第2下部フランジ22の上面)近傍に設けられる。流入管12は、図2、4及び5においては、容器本体11の側壁に設けられているが、例えば、上蓋16の上面から立設されてもよい。流入管12及び流出管23は、ろ過装置100の外部における飼育水槽200と直接的又は間接的に接続され、飼育水槽200内の被ろ過水をろ過装置100の内部へと流入させ、ろ過後に得られたろ過水をろ過装置100の外部へと流出させる機能を有する。
第1上部フランジ13は、後述する上蓋16の締結孔16bに対してボルト及びナット等の締結部材(不図示)によって連結するための締結孔13bを有する。
第1下部フランジ14は、後述するベース部材20の第2上部フランジ21の締結孔21bに対してボルト及びナット等の締結部材(不図示)によって連結するための締結孔14bを有する。
ろ過装置100は、ろ過材収容容器10の上端部に、中央にロッド31が挿入される挿通孔16aが設けられた上蓋16を有する。
上蓋16は、容器本体11の内部に連通するエア抜き管16cを有する。なお、エア抜き管16cの上端には、着脱自在なキャップまたは弁(不図示)が設けられてもよい。
また、上蓋16は、ろ過材収容容器10内の空間と連通し、ロッド31の外径より大きな内径を有する内腔を有するとともに、例えば雄螺子等の被螺合部16eを有するロッド支持部16dと、ロッド支持部16dとロッド31との間に配置された弾性シールリング17と、被螺合部16eと螺合する、例えば雌螺子等の螺合部18dを有し、被螺合部16eに螺合部18dを螺合することによって弾性シールリング17を支圧することで、ロッド31をロッド支持部16dに対して固定自在な締結ナット18と、を有する。
上蓋16は、容器本体11の内部に連通するエア抜き管16cを有する。なお、エア抜き管16cの上端には、着脱自在なキャップまたは弁(不図示)が設けられてもよい。
また、上蓋16は、ろ過材収容容器10内の空間と連通し、ロッド31の外径より大きな内径を有する内腔を有するとともに、例えば雄螺子等の被螺合部16eを有するロッド支持部16dと、ロッド支持部16dとロッド31との間に配置された弾性シールリング17と、被螺合部16eと螺合する、例えば雌螺子等の螺合部18dを有し、被螺合部16eに螺合部18dを螺合することによって弾性シールリング17を支圧することで、ロッド31をロッド支持部16dに対して固定自在な締結ナット18と、を有する。
弾性シールリング17は、ロッド支持部16d及び締結ナット18に比べて摩擦係数が高く、弾性係数が低いゴム系の部材であり、弾性を有するので、ロッド支持部16dとロッド31との間に配置された状態で締結ナット18によって支圧されると弾性変形し、摩擦力によってロッド31をその位置に留めるように支持する。また、弾性シールリング17は、弾性を有するので、締結ナット18による支圧力がなくなると、弾性変形が元に戻り、摩擦力がなくなってロッド31が昇降自在となる。よって、ロッド31を支持する状態と、昇降自在にする状態との切り替えを、繰り返すことができる。
締結ナット18は、ロッド31の外径より大きな内径を有する内腔を有するとともに、その内腔の上部に、ロッド支持部16dに螺合した状態において上部に行くにつれて内径が弾性シールリング17の外径より小さくなるテーパ部を有する。これにより、ロッド支持部16dに締結ナット18を螺合して締め付けることで、ロッド支持部16d、締結ナット18及びロッド31の三者に挟まれた弾性シールリング17を内径側(ロッド31側)に強く支圧でき、ロッド31を確実にその位置に留めた状態で支持できる。なお、締結ナット18の内腔の下部には、ロッド支持部16dの被螺合部16eと螺合する雌螺子等の螺合部18dが設けられている。
締結ナット18は、平面視において、例えば六角形状のような多角形状を有する。これにより、ユーザが締結ナット18に対して締結トルクを作用させ易くなる。
締結ナット18は、平面視において、例えば六角形状のような多角形状を有する。これにより、ユーザが締結ナット18に対して締結トルクを作用させ易くなる。
ベース部材20は、ベース部材本体26と、第2上部フランジ21と、第2下部フランジ22とを有する。第2上部フランジ21及び第2下部フランジ22は、ベース部材本体26の上端部及び下端部に、それぞれ溶接等の手段によって固定されている。
第2上部フランジ21は、ろ過材収容容器10の第1下部フランジ14に対して、トラップ板25を介して取り付けられる。
第2下部フランジ22は、地面や工場の床等の構造物に対して、アンカー(不図示)によって固定される。
第2上部フランジ21は、ろ過材収容容器10の第1下部フランジ14に対して、トラップ板25を介して取り付けられる。
第2下部フランジ22は、地面や工場の床等の構造物に対して、アンカー(不図示)によって固定される。
また、ベース部材20は、ろ過材収容容器10内からろ過後に得られるろ過水を排水する流出管23と、清掃等のメンテナンス時において、主にろ過材収容容器10の底部である第2下部フランジ22の上面に積もるゴミ等を排出する目的で適宜用いられるベント管24とを有する。
ベント管24は、流出管23よりも底面(第2下部フランジ22の上面)に近いベース部材20の側面に設けられる。ベント管24に設けられた弁(不図示)の開閉により、ベント管24の通水状態が制御される。ベント管24は、流入管12と流出管23とに通水が行われるろ過作業中や、ろ過材1及びろ過材収容容器10の内部を洗浄する際には、弁により閉じられる。
一方で、洗浄後等には、ベント管24に設けられた弁は開状態とされ、ベント管24から洗浄用水が排水される。ろ過材収容容器10の内部の洗浄時には、流出管23の内部が汚水によって汚染されることを防止するため、流出管23に設けられた図示しない弁を閉状態にする等して、流出管23に洗浄用水が通水されないようにすることが好ましい。
一方で、洗浄後等には、ベント管24に設けられた弁は開状態とされ、ベント管24から洗浄用水が排水される。ろ過材収容容器10の内部の洗浄時には、流出管23の内部が汚水によって汚染されることを防止するため、流出管23に設けられた図示しない弁を閉状態にする等して、流出管23に洗浄用水が通水されないようにすることが好ましい。
トラップ板25は、第1下部フランジ14と第2上部フランジ21との間に挟まれた状態で配置されている。トラップ板25と第1下部フランジ14との間、及び、トラップ板25と第2上部フランジ21との間は、いずれも、適宜のシール手段によって水密性が確保されている。
トラップ板25は、被ろ過水を通すことはできるが、ろ過材1を通すことはできない大きさの第2通水孔25hを複数有する。
トラップ板25によって、ろ過材1の下方(下流側)への移動がせき止められる。一方、被ろ過水は、トラップ板25における第2通水孔25hを通り、トラップ板25よりも下流側に設けられた流出管23へと到る。
トラップ板25は、被ろ過水を通すことはできるが、ろ過材1を通すことはできない大きさの第2通水孔25hを複数有する。
トラップ板25によって、ろ過材1の下方(下流側)への移動がせき止められる。一方、被ろ過水は、トラップ板25における第2通水孔25hを通り、トラップ板25よりも下流側に設けられた流出管23へと到る。
ベース部材20は、ろ過材収容容器10内にエアを噴出するエアブロー機構40(図3参照)を有する。これにより、ろ過材収容容器10及びろ過材収容容器10内のろ過材1を噴出されたエアとエアの噴出によって生じた水流の作用によって洗浄できる。
エアブロー機構40は、図2及び図3に示すように、エア噴出口41aが設けられたエア噴出部41と、エア噴出部41に連通し、空気を送出するブロワWと、を有する。なお、ブロワWに代えてコンプレッサー(エアコンプレッサー)を用いてもよい。
エアブロー機構40は、図2及び図3に示すように、エア噴出口41aが設けられたエア噴出部41と、エア噴出部41に連通し、空気を送出するブロワWと、を有する。なお、ブロワWに代えてコンプレッサー(エアコンプレッサー)を用いてもよい。
エア噴出部41は、具体的には、ブロワWに接続される配管に対して、一端が連通し他端が閉塞される管を並行して複数有する。そして、各管には、エア噴出口41aが複数設けられている。各管は、ベース部材本体26を貫通している。なお、図2は、エア噴出部41が2つ設けられている場合を示している。エア噴出部41は、エア噴出口41aが設けられた管を複数有するので、単数有する場合と比べて、エア噴出口41aからエアを噴出した際に、ろ過材1がろ過材収容容器10の内部における隅、特に、トラップ板25の上面の周縁部に堆積することを抑制できる。
エア噴出口41aは、平面視においてろ過材収容容器10の中央から偏心した位置に設けられる。エア噴出口41aは、上向きに設けられる。エア噴出口41aを中央から偏心した位置に設けることにより、エア噴出口41aからエアを噴出させた際に、ろ過材収容容器10の内部における隅まで行き渡る渦流を作り出すことができ、ろ過材1がろ過材収容容器10の内部における隅、特に、トラップ板25の上面の周縁部に堆積することを抑制しつつろ過材1をろ過材収容容器10の内部で大きく運動させることができ、ろ過材1の集合体を隔たりなく洗浄できる。
(ピストン機構)
ピストン機構30は、ろ過材収容容器10に対して水密状態を維持したまま昇降自在なロッド31と、ロッド31の下端部に設けられ、被ろ過水を通すことはできるが、ろ過材1を通すことはできない大きさの第1通水孔32hが設けられた目皿板32と、を有する。
ロッド31は、少なくともトラップ板25の上面から締結ナット18の上面までの長さより長い寸法を有する。ロッド31は、中空のパイプ状であってよく、中実な棒状であってもよい。これにより、ユーザはロッド31を直接掴んで、ロッド31を昇降させたり、押圧力を作用させたりすることができる。ロッド31は、上蓋16のロッド支持部16dに対して昇降自在に支持される。
目皿板32は、全体が平板状であり、容器本体11の内径よりやや小さい外径を有し、被ろ過水を通すことはできるが、ろ過材1を通すことはできない大きさの第1通水孔32hを複数有する。これにより、ろ過材1の上方(上流側)への移動がせき止められる。一方、被ろ過水は、目皿板32における第1通水孔32hを通り、目皿板32よりも下流側に設けられた流出管23へと到る。そして、ろ過材収容容器10の内部であって目皿板32とトラップ板25との間に収容されたろ過材1の集合体を押圧できる。
ピストン機構30は、ろ過材収容容器10に対して水密状態を維持したまま昇降自在なロッド31と、ロッド31の下端部に設けられ、被ろ過水を通すことはできるが、ろ過材1を通すことはできない大きさの第1通水孔32hが設けられた目皿板32と、を有する。
ロッド31は、少なくともトラップ板25の上面から締結ナット18の上面までの長さより長い寸法を有する。ロッド31は、中空のパイプ状であってよく、中実な棒状であってもよい。これにより、ユーザはロッド31を直接掴んで、ロッド31を昇降させたり、押圧力を作用させたりすることができる。ロッド31は、上蓋16のロッド支持部16dに対して昇降自在に支持される。
目皿板32は、全体が平板状であり、容器本体11の内径よりやや小さい外径を有し、被ろ過水を通すことはできるが、ろ過材1を通すことはできない大きさの第1通水孔32hを複数有する。これにより、ろ過材1の上方(上流側)への移動がせき止められる。一方、被ろ過水は、目皿板32における第1通水孔32hを通り、目皿板32よりも下流側に設けられた流出管23へと到る。そして、ろ過材収容容器10の内部であって目皿板32とトラップ板25との間に収容されたろ過材1の集合体を押圧できる。
(ろ過材)
ろ過材1は、多孔質に形成された弾性体であり、塊状の形状を有し、より具体的には、例えば、1辺が約1cm又は約2cm又は約3cmの略立方体形状を有する。そして、複数のろ過材1が、ろ過装置100のろ過材収容容器10内に収容される。ここで、ろ過材1は、弾性圧縮変形された状態で用いられ、被ろ過水をろ過する。そして、ろ過材1は、その構造的特徴により、被ろ過水に対して、物理ろ過及び生物ろ過を行う。
ろ過材1は、多孔質に形成された弾性体であり、塊状の形状を有し、より具体的には、例えば、1辺が約1cm又は約2cm又は約3cmの略立方体形状を有する。そして、複数のろ過材1が、ろ過装置100のろ過材収容容器10内に収容される。ここで、ろ過材1は、弾性圧縮変形された状態で用いられ、被ろ過水をろ過する。そして、ろ過材1は、その構造的特徴により、被ろ過水に対して、物理ろ過及び生物ろ過を行う。
ろ過材1は、例えば、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」と呼ぶ場合がある。)により形成されるものであり、水中に生育する雑菌類及びSS(Suspended Solids、水中の粉塵)等の吸着能力が高く、水のろ過機能に優れるものである。なお、ろ過材1は、ポリビニルアルコールを主成分とするものであり、物理ろ過及び硝化細菌による生物ろ過を阻害しない範囲で、不純物が含まれてもよい。
ろ過材1は、ポリビニルアルコール原料の重量に対して、セルロースを3重量%〜10重量%含むことが好ましい。これにより、PVA原料を単体で形成したろ過材1に比べて、ろ過材1の表面に定着した硝化細菌によるアンモニア態窒素から亜硝酸態窒素を経て硝酸態窒素までの硝化が速くなる。3重量%未満であると、硝化が速くなる効果が明白でなくなり、10重量%超であると、硬質となり、洗浄が困難となったりする場合がある。
ろ過材1は、多孔質に形成された弾性体である。ろ過材1が多孔質であることによって、重量当たりの表面積の割合を上昇させることができ、ろ過材1におけるかさ体積及び重量当たりのろ過処理能力を向上させることができる。また、ろ過材1が弾性体であることによって、ろ過材1は、ピストン機構30によって圧縮変形させた後であっても、圧縮変形させる前の形状に戻る。よって、ろ過材1が圧縮変形した状態で使用でき、ろ過材1の圧縮変形を解除した状態で洗浄がし易く、ろ過材1を繰り返し使用できる。
ろ過材1の内部及び表面には、空隙T(気孔)としてセルが形成される。ろ過材1の気孔率は、圧縮変形していない状態において、90%以上95%以下である。この範囲であれば、硝化細菌が定着し易いとともに、通水速度を確保できる。ろ過材1の気孔率が95%よりも大きくなると、被ろ過水のろ過中に、ろ過材1の気孔が目詰まりを起こし、通水速度が低下してしまうことがあるので好ましくない。また、ろ過材1の気孔率が90%よりも小さいと、かさ体積当たりの表面積の割合が十分ではなく、硝化細菌の定着が促進されず、ろ過材1のろ過処理能力が効果的に発揮されないことがある。ろ過材1の気孔率の測定方法は特に制限されないが、例えば、アルキメデス法を用いて測定することができる。
また、ろ過材1におけるセルの平均径(以下、「平均セル径」と称することがある。)は、圧縮変形していない状態において、1200μm以上1900μm以下であることが好ましい。ろ過材1におけるセルの平均径が1200μmよりも小さいと、90%以上の気孔率を達成することが難しいことがある。ろ過材1におけるセルの平均径が1900μmよりも大きくなると、圧縮通水時、被ろ過水のろ過中に、ろ過材1の気孔が圧縮されていることで、目詰まりを起こし、通水速度が低下してしまうことがあるので好ましくない。ろ過材1におけるセルの平均径の測定方法は特に制限されない。例えば、ろ過材1を任意の面で切断することにより現れる切断面において、約20mm2の領域を電子顕微鏡等で観察し、観察視野内に存在する各セルにおける開口部の最大長さを測定し、測定された最大長さを相加平均して得られた平均値を、セルの平均径とすることができる。
ろ過材1は、圧縮変形していない状態において、その単位体積当たりの表面積である比表面積(単位:m2/m3)が3000m2/m3以上5000m2/m3以下であることが好ましい。ろ過材1の比表面積が3000m2/m3よりも小さいと、物理ろ過のための表面積が小さくなり、硝化細菌が定着する面積も小さくなるので、被ろ過水をろ過した際に、物理ろ過と生物ろ過とを合わせた総合的なろ過処理能力が効果的に発揮されないことがある。また、ろ過材1の比表面積が5000m2/m3よりも大きいと、ろ過材1の気孔が目詰まりを起こし易くなることがある。ろ過材1の比表面積の測定方法は、特に制限されず、市販されている比表面積測定装置を用いてろ過材1の比表面積を測定することができる。
ろ過材1は、圧縮変形していない状態において、その密度が1.0g/cm3よりも小さいことが好ましい。ろ過材1の密度が1.0g/cm3以上であると、ろ過材1を収容したろ過材収容容器10に被ろ過水を通水させる際に、ろ過材1は水中で浮上することなく、ろ過材収容容器10の底部に堆積される。一方でろ過材1の密度が1.0g/cm3よりも小さいと、ろ過材1が水中を浮上し易くなり、洗浄時においてエア噴出による洗浄用水の流れに伴って運動し易くなり、洗浄効率が向上する。また、密度が1.0g/cm3よりも小さいろ過材1は、体積当たりの重量が軽く、取扱いに優れる。ろ過材1の密度の下限値は特に制限されないが、ろ過材1の密度は0.01g/cm3以上であることが好ましい。ろ過材1の密度の測定方法は特に制限されず、例えば、ろ過材1の質量及び体積を測定し、質量/体積を計算することによって密度が求められる。
また、ろ過材1は、硝化細菌が表面に定着している状態で、その密度が1.0g/cm3よりも小さいことがより好ましい。硝化細菌が表面に定着している状態でのろ過材1の密度が1.0g/cm3よりも小さいと、ろ過材1が水中を浮上し易くなり、洗浄時においてエア噴出による洗浄用水の流れに伴って運動し易くなり、洗浄効率が向上する。
なお、ろ過材1の形状及び大きさは、特に制限されない。ろ過材1は、通常、片手で使用可能な程度の大きさを有する塊状体である。ろ過材1の形状の具体例としては、球形状、円柱形状、多角柱形状、円錐台形状、及び多角錐台形状、円錐形状、多角錐形状等が挙げられる。ろ過材1の形状としては、球形状又は多角柱形状であることが特に好ましく、立方体形状であることが最も好ましい。ろ過材1の形状が立方体形状であると、複数のろ過材1同士の間隙を少なくし、ろ過装置100においてろ過材1を高密度に収容できる。立方体形状であるろ過材1の大きさは、立方体の一辺が0.5cm以上3.5cm以下であることが特に好ましい。また、球形状であるろ過材1の大きさは、球の直径が0.5cm以上3.5cm以下であることが特に好ましい。球の直径又は立方体の一辺が0.5cmよりも小さいと、ろ過材1を充填した際に、ろ過材1同士の間隙が小さくなりすぎることにより、被ろ過水を通水した際に目詰まりを起こし易くなることがある。また、球の直径又は立方体の一辺が3.5cmよりも大きいと、複数のろ過材1を収容した際に、ろ過材1同士の間隙が大きくなり、ろ過材1同士の間隙を短時間で被ろ過水を通過させる場合において、被ろ過水とろ過材1表面との接触効率が低下することがある。立方体形状であるろ過材1の大きさは、2.0cm程度であると、洗浄時においてエア噴出による洗浄用水の流れに伴って運動し易くなり、洗浄効率が良好である。
ところで、被ろ過水のろ過効率を上げるため、ろ過材収容容器10内におけるろ過材1の収容量、並びに、流入管12及び流出管23における流水速度は、例えば、ろ過材収容容器10内を通過する被ろ過水の空間速度を基準にして、適宜調節される。空間速度は、一般に「SV」と略称されることもある。なお、SVは、単位時間当たりにおいて、ろ過材収容容器10内に収容されるろ過材1のかさ体積に対し、ろ過される被ろ過水の体積の割合を示す数値である。本実施形態のろ過装置100は、SV60〜90程度で使用することで最も効果が得られる。
(ろ過方法)
次に、被ろ過水のろ過方法について説明する。
図4は、ろ過時におけるろ過装置100の断面図である。
(A1)まず、図1に示すように、循環飼育システムSの環水路に、ろ過装置100を設置する。この際、図2に示すように、ろ過装置100において、ろ過材1の集合体を、目皿板32とトラップ板25との間に配置する。
(A2)次に、ロッド31を下方に向けて押し込み、多孔質に形成された弾性体であるろ過材1の集合体を押圧して弾性圧縮変形させる(図4参照)。なお、押圧時にはろ過材収容容器10内に水がない方が、押圧圧縮がし易い。
この際、弾性圧縮変形させることにより、例えば、ろ過材1の集合体のかさ体積を半分程度(かさ密度を2倍程度)にする。なお、かさ密度は、ある容積の容器にろ過材1の集合体を充填し、その内容積を体積としたときの密度のことであり、内容積は、ろ過材1自身の体積と、ろ過材1内の空隙T(気孔)の体積と、ろ過材1表面の凹凸部の空間の体積と、隣り合うろ過材1同士の間隙の体積と、ろ過材1と容器の間隙の体積を含むものである。
すると、ろ過材1内の空隙T(気孔)と、ろ過材1表面の凹凸部の空間と、隣り合うろ過材1同士の間隙と、ろ過材1と容器の間隙がそれぞれ狭まる。これにより、特に、隣り合うろ過材1同士の間隙に必要以上の流路が形成されることが抑制され、つまり、被ろ過水がろ過材1によってろ過されずに通過してしまうことが抑制されるので、ろ過効率が向上する。
(A3)続いて、循環飼育システムSの環水路に設けられたポンプPを運転する。なお、ろ過材収容容器10内へ新水を注水する場合は、気泡がろ過材1に付着滞留しないように流出管23側より通水し水密状態を作ることが好ましい。
(A4)そして、図4に示すように、ろ過材1の集合体を弾性圧縮変形させた状態で、飼育水槽200において魚介類等の水生生物を飼育する。
次に、被ろ過水のろ過方法について説明する。
図4は、ろ過時におけるろ過装置100の断面図である。
(A1)まず、図1に示すように、循環飼育システムSの環水路に、ろ過装置100を設置する。この際、図2に示すように、ろ過装置100において、ろ過材1の集合体を、目皿板32とトラップ板25との間に配置する。
(A2)次に、ロッド31を下方に向けて押し込み、多孔質に形成された弾性体であるろ過材1の集合体を押圧して弾性圧縮変形させる(図4参照)。なお、押圧時にはろ過材収容容器10内に水がない方が、押圧圧縮がし易い。
この際、弾性圧縮変形させることにより、例えば、ろ過材1の集合体のかさ体積を半分程度(かさ密度を2倍程度)にする。なお、かさ密度は、ある容積の容器にろ過材1の集合体を充填し、その内容積を体積としたときの密度のことであり、内容積は、ろ過材1自身の体積と、ろ過材1内の空隙T(気孔)の体積と、ろ過材1表面の凹凸部の空間の体積と、隣り合うろ過材1同士の間隙の体積と、ろ過材1と容器の間隙の体積を含むものである。
すると、ろ過材1内の空隙T(気孔)と、ろ過材1表面の凹凸部の空間と、隣り合うろ過材1同士の間隙と、ろ過材1と容器の間隙がそれぞれ狭まる。これにより、特に、隣り合うろ過材1同士の間隙に必要以上の流路が形成されることが抑制され、つまり、被ろ過水がろ過材1によってろ過されずに通過してしまうことが抑制されるので、ろ過効率が向上する。
(A3)続いて、循環飼育システムSの環水路に設けられたポンプPを運転する。なお、ろ過材収容容器10内へ新水を注水する場合は、気泡がろ過材1に付着滞留しないように流出管23側より通水し水密状態を作ることが好ましい。
(A4)そして、図4に示すように、ろ過材1の集合体を弾性圧縮変形させた状態で、飼育水槽200において魚介類等の水生生物を飼育する。
このように、本実施形態に係るろ過方法は、ろ過材収容容器10と、ろ過材収容容器10に収容されたろ過材1とを有するろ過装置100に被ろ過水をろ過させるろ過方法であって、ろ過材1は多孔質に形成された弾性体であり、ろ過材収容容器10がろ過材1を弾性圧縮変形させている状態で、被ろ過水をろ過するものである。
(ろ過材の洗浄方法)
次に、ろ過材1の洗浄方法について説明する。
図5は、洗浄時におけるろ過装置100の断面図である。図6(a)は弾性圧縮されたろ過材1のモデルを示す図であり、図6(b)は弾性圧縮が解除されたろ過材1のモデルを示す図である。
(B1)まず、流入管12に設けられた弁を閉状態にし、ろ過装置100への被ろ過水の供給を停止する。その後、流出管23に設けられた弁を閉状態にして、ろ過装置100の内部の被ろ過水を洗浄のため利用する。エア抜き管16cは大気に開放しておく。なお、ろ過材収容容器10の内部の水を一旦排水してから、洗浄用水を注水してもよい。
(B2)次に、図4に示すようなろ過材1の集合体を弾性圧縮変形させている状態から、図5に示すようなろ過材1の集合体を弾性圧縮変形させていない状態に戻るように、ピストン機構30のロッド31を掴み、目皿板32を上昇させる。このようにすることで、目皿板32の下面とトラップ板25の上面と容器本体11の内面とで囲まれた内容積が大きくなり、隣り合うろ過材1同士の間隙の平均が大きくなり、洗浄用水中におけるろ過材1の移動がし易くなる。言い換えると、隣り合うろ過材1同士の間隙の平均が大きくなり、ろ過材1同士の間隙を洗浄用水が通過し易くなる。
(B3)続いて、エアブロー機構40のブロワWを作動させて、エア噴出部41のエア噴出口41aからエアを上方に向けて噴出する。なお、図5において、ろ過装置100の内部に描かれた白抜矢印は、エアの噴出方向を示し、実線矢印は、洗浄用水の流れ又はろ過材1の運動方向を示す。
(B4)すると、図5においてろ過装置100の内部に描かれた実線矢印が示すように、エアの噴出によって洗浄用水に流れが発生し、洗浄用水の流れに伴ってろ過材1が運動する。そして、洗浄用水の流れと運動するろ過材1との摩擦により、ろ過材1に付着した目詰まりの原因となるゴミ等の物質Dを効率良く除去できる。よって、ろ過材1を交換することなく、ろ過材1をろ過材収容容器10から取り出さなくてもろ過材1を簡単に洗浄でき、ろ過効率を向上させることができる。
(B5)洗浄用水をベント管24から排水する。
次に、ろ過材1の洗浄方法について説明する。
図5は、洗浄時におけるろ過装置100の断面図である。図6(a)は弾性圧縮されたろ過材1のモデルを示す図であり、図6(b)は弾性圧縮が解除されたろ過材1のモデルを示す図である。
(B1)まず、流入管12に設けられた弁を閉状態にし、ろ過装置100への被ろ過水の供給を停止する。その後、流出管23に設けられた弁を閉状態にして、ろ過装置100の内部の被ろ過水を洗浄のため利用する。エア抜き管16cは大気に開放しておく。なお、ろ過材収容容器10の内部の水を一旦排水してから、洗浄用水を注水してもよい。
(B2)次に、図4に示すようなろ過材1の集合体を弾性圧縮変形させている状態から、図5に示すようなろ過材1の集合体を弾性圧縮変形させていない状態に戻るように、ピストン機構30のロッド31を掴み、目皿板32を上昇させる。このようにすることで、目皿板32の下面とトラップ板25の上面と容器本体11の内面とで囲まれた内容積が大きくなり、隣り合うろ過材1同士の間隙の平均が大きくなり、洗浄用水中におけるろ過材1の移動がし易くなる。言い換えると、隣り合うろ過材1同士の間隙の平均が大きくなり、ろ過材1同士の間隙を洗浄用水が通過し易くなる。
(B3)続いて、エアブロー機構40のブロワWを作動させて、エア噴出部41のエア噴出口41aからエアを上方に向けて噴出する。なお、図5において、ろ過装置100の内部に描かれた白抜矢印は、エアの噴出方向を示し、実線矢印は、洗浄用水の流れ又はろ過材1の運動方向を示す。
(B4)すると、図5においてろ過装置100の内部に描かれた実線矢印が示すように、エアの噴出によって洗浄用水に流れが発生し、洗浄用水の流れに伴ってろ過材1が運動する。そして、洗浄用水の流れと運動するろ過材1との摩擦により、ろ過材1に付着した目詰まりの原因となるゴミ等の物質Dを効率良く除去できる。よって、ろ過材1を交換することなく、ろ過材1をろ過材収容容器10から取り出さなくてもろ過材1を簡単に洗浄でき、ろ過効率を向上させることができる。
(B5)洗浄用水をベント管24から排水する。
このように、ろ過材収容容器10がろ過材1を弾性圧縮変形させている状態から弾性圧縮変形させていない状態に戻した後、ろ過材1を洗浄するので、図6(a)及び図6(b)においてモデルで示すように、ろ過材1が弾性圧縮変形されている状態(図6(a)参照)では狭まっていたろ過材1の内部の空隙T(気孔)は、弾性圧縮変形が取り除かれて拡がった状態(図6(b)参照)になる。したがって、ろ過材1が弾性圧縮変形されている状態では狭まっていたろ過材1の内部の空隙T(気孔)に詰まったゴミ等の物質Dと、弾性圧縮変形が取り除かれたろ過材1の内部の空隙T(気孔)との間に隙間Zが生じ、洗浄用水がその隙間Zに流れ込むことができるようになり、ろ過材1の内部の空隙T(気孔)に詰まったゴミ等の物質Dも除去できるようになる。これは、言い換えると、あらかじめ、ろ過材1を弾性圧縮変形させておくことで、ろ過材1の内部の空隙T(気孔)を敢えて狭めておくことで、空隙T(気孔)に詰まるゴミ等の物質Dの大きさを制限し、弾性圧縮変形を解除して空隙T(気孔)を拡げ、詰まったゴミ等の物質Dを空隙T(気孔)から取り除き易くした、ともいえる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明に係るろ過装置100、ろ過方法及びろ過材1の洗浄方法は上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変化が可能である。
本発明のろ過装置100によれば、ろ過材収容容器10と、ろ過材収容容器10に収容されたろ過材1とを有するろ過装置100であって、ろ過材1は多孔質に形成された弾性圧縮変形された状態の弾性体であるので、被ろ過水をろ過する際には、ろ過材1を弾性圧縮変形させた状態に維持して、ろ過効率を向上させることができ、しかも、ろ過材1を洗浄する際には、ろ過材1を弾性圧縮変形させていない状態に戻して、洗浄効率を上げることができる。
本発明のろ過装置100によれば、ろ過材収容容器10と、ろ過材収容容器10に収容されたろ過材1とを有するろ過装置100であって、ろ過材1は多孔質に形成された弾性体であり、ろ過装置100は、ろ過材収容容器10に昇降自在に支持され、ろ過材1を弾性圧縮変形可能なピストン機構30を有するので、被ろ過水をろ過する際には、簡単な操作でろ過材1を弾性圧縮変形させた状態に維持して、ろ過効率を向上させることができ、しかも、ろ過材1を洗浄する際には、簡単な操作でろ過材1を弾性圧縮変形させていない状態に戻して、洗浄効率を上げることができる。
本発明のろ過方法によれば、ろ過材収容容器10と、ろ過材収容容器10に収容されたろ過材1とを有するろ過装置100に被ろ過水をろ過させるろ過方法であって、ろ過材1は多孔質に形成された弾性体であり、ろ過材収容容器10がろ過材1を弾性圧縮変形させている状態で、被ろ過水をろ過するので、被ろ過水をろ過する際には、簡単な操作でろ過材1を弾性圧縮変形させた状態に維持して、ろ過効率を向上させることができ、しかも、ろ過材1を洗浄する際には、簡単な操作でろ過材1を弾性圧縮変形させていない状態に戻して、洗浄効率を上げることができる。
本発明のろ過材1の洗浄方法によれば、ろ過材収容容器10と、ろ過材収容容器10収容されたろ過材1とを有するろ過装置100におけるろ過材1を洗浄する洗浄方法であって、ろ過材1は多孔質に形成された弾性体であり、ろ過材収容容器10がろ過材1を弾性圧縮変形させている状態から弾性圧縮変形させていない状態に戻した後、ろ過材1を洗浄するので、被ろ過水をろ過する際には、簡単な操作でろ過材1を弾性圧縮変形させた状態に維持して、ろ過効率を向上させることができ、しかも、ろ過材1を洗浄する際には、簡単な操作でろ過材1を弾性圧縮変形させていない状態に戻して、洗浄効率を上げることができる。
1 ろ過材
10 ろ過材収容容器
11 容器本体
11v オーバーフローノズル
12 流入管
13 第1上部フランジ
13a 挿入孔
13b 締結孔
14 第1下部フランジ
14a 開口孔
14b 締結孔
15 水位
16 上蓋
16a 挿通孔
16b 締結孔
16c エア抜き管
16d ロッド支持部
16e 被螺合部
17 弾性シールリング
18 締結ナット
18d 螺合部
20 ベース部材
21 第2上部フランジ
21b 締結孔
22 第2下部フランジ
23 流出管
24 ベント管
25 トラップ板
25h 第2通水孔
26 ベース部材本体
30 ピストン機構
31 ロッド
32 目皿板
32h 第1通水孔
40 エアブロー機構
41 エア噴出部
41a エア噴出口
100 ろ過装置
200 飼育水槽
300 泡沫分離装置
400 流水殺菌装置
D ゴミ等の物質
P ポンプ
S 循環飼育システム
T 空隙(気孔)
W ブロワ
Z 隙間
10 ろ過材収容容器
11 容器本体
11v オーバーフローノズル
12 流入管
13 第1上部フランジ
13a 挿入孔
13b 締結孔
14 第1下部フランジ
14a 開口孔
14b 締結孔
15 水位
16 上蓋
16a 挿通孔
16b 締結孔
16c エア抜き管
16d ロッド支持部
16e 被螺合部
17 弾性シールリング
18 締結ナット
18d 螺合部
20 ベース部材
21 第2上部フランジ
21b 締結孔
22 第2下部フランジ
23 流出管
24 ベント管
25 トラップ板
25h 第2通水孔
26 ベース部材本体
30 ピストン機構
31 ロッド
32 目皿板
32h 第1通水孔
40 エアブロー機構
41 エア噴出部
41a エア噴出口
100 ろ過装置
200 飼育水槽
300 泡沫分離装置
400 流水殺菌装置
D ゴミ等の物質
P ポンプ
S 循環飼育システム
T 空隙(気孔)
W ブロワ
Z 隙間
Claims (3)
- ろ過材収容容器と、前記ろ過材収容容器に収容されたろ過材とを有するろ過装置であって、
前記ろ過材は多孔質に形成された弾性圧縮変形された状態の弾性体であり、
前記ろ過装置は、前記ろ過材収容容器に昇降自在に支持され、前記ろ過材を弾性圧縮変形可能なピストン機構を有し、
前記ピストン機構は、
前記ろ過材収容容器に対して水密状態を維持したまま昇降自在なロッドと、
前記ロッドの下端部に設けられ、被ろ過水を通すことはできるが、前記ろ過材を通すことはできない大きさの第1通水孔が設けられた目皿板と、を有し、
前記ろ過装置は、
前記ろ過材収容容器内の空間と連通する内腔を有するとともに被螺合部を有するロッド支持部と、
前記ロッド支持部と前記ロッドとの間に配置された弾性シールリングと、
前記被螺合部と螺合する螺合部を有し、前記被螺合部に前記螺合部を螺合して前記弾性シールリングを支圧することで前記ロッドを前記ロッド支持部に対して固定自在な締結部材と、を有する
ことを特徴とするろ過装置。 - 前記ろ過装置は、前記ろ過材収容容器内にエアを噴出するエアブロー機構を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のろ過装置。 - 前記エアブロー機構は、エア噴出口が設けられたエア噴出部と、前記エア噴出部に連通し、空気を送出するブロワまたはコンプレッサーと、を有する
ことを特徴とする請求項2に記載のろ過装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017159219A JP6270006B1 (ja) | 2017-08-22 | 2017-08-22 | ろ過装置、ろ過方法及びろ過材の洗浄方法 |
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JP2017159219A JP6270006B1 (ja) | 2017-08-22 | 2017-08-22 | ろ過装置、ろ過方法及びろ過材の洗浄方法 |
Publications (2)
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