JP2000013162A - 利得可変増幅回路、および、それを用いた電子チューナ - Google Patents

利得可変増幅回路、および、それを用いた電子チューナ

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JP2000013162A JP10176383A JP17638398A JP2000013162A JP 2000013162 A JP2000013162 A JP 2000013162A JP 10176383 A JP10176383 A JP 10176383A JP 17638398 A JP17638398 A JP 17638398A JP 2000013162 A JP2000013162 A JP 2000013162A
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attenuator
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Shigeto Masuda
成人 升田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い範囲で減衰量を制御可能で、かつ、雑音
指数を十分に低減可能でありながら、回路構成が簡単な
利得可変増幅回路を実現する。 【解決手段】 RF−AGC回路4は、第一アッテネー
タ部41a、RF−増幅回路42および第二アッテネー
タ部41bを縦続に接続して構成されている。両アッテ
ネータ部41a・41bでは、回路素子の定数が別の値
に設定されており、制御電圧v2に対する減衰量の特性
は、互いに異なっている。これにより、単一の制御電圧
v2で制御されているにも拘わらず、第二アッテネータ
部41bの減衰量の方が大きくなる。また、第二アッテ
ネータ部41bの減衰量が最大になるまでの間に、第一
アッテネータ部41aが減衰を開始するので、RF−A
GC回路4全体の減衰量は、制御電圧v2の変化に対し
て滑らかに変化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、地上波デ
ジタル放送用ダブルコンバージョン方式の電子チューナ
などの電子チューナに好適に使用され、回路構成が簡単
であるにも拘わらず、雑音指数や特性歪みの少ない利得
可変増幅回路(AGC回路)、および、それを用いた電
子チューナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年では、テレビジョン放送やCATV
放送などにおいて、放送の多チャンネル化が進められて
いる。これに伴い、受信装置の電子チューナとして、多
チャンネルの受信時にも、相互変調妨害などを低減可能
なダブルコンバージョン方式の電子チューナが採用され
ることが多くなっている。
【0003】図12に示すように、従来の電子チューナ
101において、入力端子102に入力されたRF信号
は、バンドパスフィルタ103およびRF−AGC回路
104を介し、さらに、RF−増幅回路105にて増幅
された後、第一混合回路106へ入力される。第一混合
回路106は、RF−増幅回路105の出力と、第一局
部発振回路107の発振出力とを混合して、第一IF信
号に周波数変換される。
【0004】当該第一IF信号は、バンドパスフィルタ
108および第一IF増幅回路109にて選択増幅され
た後、バンドパスフィルタ110を介して、第二混合回
路111へ印加され、第二局部発振回路112の出力と
混合される。これにより、第一IF信号は、第二IF信
号へ周波数変換される。
【0005】さらに、第二IF信号は、バンドパスフィ
ルタ113およびIF−AGC回路114を介して、復
調回路115へ印加され、元のベースバンド信号(例え
ば、映像信号など)に復調される。復調された信号は、
例えば、映像増幅回路など、後段の回路へ送出されると
共に、その一部が取り出されて、AGC検波回路116
へ送出される。AGC検波回路116は、受け取った信
号から復調信号の信号レベルを検出し、信号レベルに応
じた直流電圧を生成する。さらに、AGC遅延回路11
7は、AGC制御信号vとして受け取った直流電圧に基
づいて、RF−AGC回路104およびIF−AGC回
路114への制御電圧v101・v102を増減して、
それぞれの減衰量を制御する。
【0006】ここで、AGC検波回路116は、復調信
号の信号レベルが大きい場合、小さなAGC制御信号v
を生成し、信号レベルが小さい場合、AGC制御電圧v
が大きくなるように設定されている。また、両AGC回
路104・114は、制御電圧v101・v102が大
きい程、減衰量が小さくなり、制御電圧v101・v1
02が小さい程、減衰量が大きくなるように形成されて
いる。これにより、電子チューナ101へ入力されるR
F信号の信号レベルが増加して、復調信号の信号レベル
が大きくなると、AGC検波回路116・AGC遅延回
路117は、両AGC回路104・114の減衰量を増
加させ、復調信号の信号レベルを下げる。これとは逆
に、RF信号の信号レベルが減少して、復調信号の信号
レベルが低下すると、両AGC回路104・114の減
衰量が減少して、復調信号の信号レベルを増大させるよ
うに、AGC( Automatic Gain Control )が働く。こ
の結果、電子チューナ101は、RF信号の信号レベル
が変動しても、常に一定レベルの復調信号を出力でき
る。
【0007】ここで、CATV用の電子チューナなどで
は、上記RF−AGC回路104として、例えば、図1
3に示すように、PINダイオードD101〜103を
用いたPINアッテネータ型の回路が使用されている。
当該RF−AGC回路104では、制御電圧v102が
最大の場合、高周波遮断用のコイルL101、PINダ
イオードD101および抵抗R102の経路へ流れる電
流I101が最大となり、抵抗R102へかかる電圧v
103も最大となる。一方、抵抗R103・R104で
電源電圧Bを分圧して生成した電圧v104は、電圧v
103の最大値よりも低く設定されているので、PIN
ダイオードD102・D103は、逆バイアスとなり、
両PINダイオードD102・D103および抵抗R1
02の経路には、電流が流れない(I102=0)。こ
こで、各PINダイオードD101〜D103は、順方
向電流が増加するに従って、高周波抵抗が低下する。し
たがって、RF−AGC回路104の入出力間の高周波
抵抗成分は、最小になり、入力あるいは出力と接地レベ
ルとの間の高周波抵抗成分は、最大になる。この結果、
RF−AGC回路104の減衰量は、最小となってい
る。
【0008】一方、制御電圧v102が低下すると、電
流I101が減少する。また、電流I101の減少に伴
って、電圧v103が低下して、電流I102が増加す
る。したがって、PINダイオードD101の高周波抵
抗が増大すると共に、PINダイオードD102・D1
03の高周波抵抗が減少する。この結果、RF−AGC
回路104の減衰量は、増加する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成では、雑音指数が十分に低く、かつ、十分な減衰量を
持った電子チューナを、簡単な回路構成で実現すること
が難しいという問題を生じる。
【0010】具体的には、地上波デジタル放送を例にす
ると、送信アンテナ付近では、放送の信号レベルが約1
00〔dBu〕程度と非常に大きく設定されている。ま
た、カバーエリアの境界付近では、送信アンテナから遠
く離れているため、信号レベルが約30〔dBu〕程度
まで減少する。したがって、電子チューナがカバーエリ
ア全体で正確に復調するためには、減衰量を制御可能な
範囲(AGCレンジ)として、70〔dB〕程度が必要
になる。ここで、IF−AGC回路114のAGCレン
ジを30〔dB〕程度とすれば、RF−AGC回路10
4には、40〔dB〕のAGCレンジが要求される。
【0011】ところが、上述したPINアッテネータ型
の回路の場合、AGCレンジは、30〔dB〕程度であ
り、地上波デジタル放送の受信に必要なダイナミックレ
ンジをカバーしきれない。
【0012】ここで、RF−AGC回路104のAGC
レンジを拡大する方法の一つとして、例えば、PINダ
イオードD101に直列に、別のPINダイオードを挿
入する構成が採用されていることが多い。ところが、当
該構成では、挿入したPINダイオードの高周波抵抗に
起因する損失によって、信号成分が失われ、雑音指数が
劣化する虞れがある。
【0013】一方、PINアッテネータ型の回路の代わ
りに、従来のTV用の電子チューナで使用されているよ
うなデュアルゲートFETを用いて、RF−AGC回路
104を構成すると、必要なAGCレンジを確保できる
一方で、制御電圧v102によって、歪み特性が大きく
変化するという問題を新たに招来する。具体的には、当
該構成では、ゲートに印加するバイアス電圧を変化させ
ることで、利得を制御している。したがって、制御電圧
v102によって、RF−AGC回路104のバイアス
電圧が大きく変化し、歪み特性が大きく変化してしま
う。さらに、当該構成では、RF−AGC回路104の
入出力インピーダンスが大きく変化するため、電子チュ
ーナ101の入力インピーダンスが変化する。この結
果、アンテナと電子チューナ101との間で、インピー
ダンスの整合性が変化してしまう。したがって、デュア
ルゲートFETを用いた構成では、雑音指数を十分に低
減することが困難である。
【0014】なお、特開平7−226888号公報に
は、2つのAGC回路と、その間に設けられた増幅回路
とを設け、後段のAGC回路が動作している間、前段の
AGC回路を最小減衰量に保つと共に、後段のAGC回
路が最大の減衰量になってから、前段のAGC回路が減
衰を開始するRF−AGC回路が開示されている。
【0015】ところが、上記構成では、RF−AGC回
路全体の減衰量の変化は、前段のAGC回路が動作を開
始する時点の前後で不連続になるため、フィードバック
制御が不安定になりやすく、電子チューナの出力を一定
レベルに保つことが困難になる虞れがある。
【0016】さらに、当該構成では、例えば、利得保持
回路など、後段のAGC回路が動作している間、前段の
AGC回路を最小減衰量(最大ゲイン)に保つ回路と、
後段のAGC回路が最大減衰量になった状態を検出する
ための回路とが必要になる。この結果、RF−AGC回
路、あるいは、RF−AGC回路を制御する回路の回路
構成が複雑になり、多くの回路面積を必要とするので、
電子チューナのコストと消費電力とを増大させやすくな
る。
【0017】加えて、一般に、AGC回路は、受信周波
数が低い場合には、大きな減衰量を確保できる一方で、
受信周波数が高くなるに従って、最大減衰量が減少する
傾向にあるので、AGC回路の最大減衰量を検出する場
合は、受信周波数によって、RF−AGC回路の動作範
囲が変化するという問題が新たに発生する。
【0018】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、広いAGCレンジを持ち、か
つ、雑音指数や特性歪みを十分に低減可能でありなが
ら、回路構成が簡単な利得可変増幅回路、および、それ
を用いた電子チューナを実現することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る利
得可変増幅回路は、上記課題を解決するために、予め定
められたゲインで入力信号を増幅する増幅回路と、当該
増幅回路の前段に配され、第一制御信号に基づいて、減
衰量を制御可能な第一アッテネータ部と、上記増幅回路
の後段に配され、上記第一制御信号に基づいて、減衰量
を制御可能な第二アッテネータ部とを備え、上記両アッ
テネータ部は、上記第一制御信号に対する減衰量の特性
の形状が、互いに異なる形状に設定されていることを特
徴としている。なお、減衰量の特性の形状は、例えば、
各アッテネータ部を構成する回路素子の定数を互いに異
なる値に設定したり、一方のアッテネータ部へ入力する
制御信号を所定の比率で低下させたりすれば、複雑な回
路を用いることなく、互いに異なる形状に設定できる。
【0020】上記構成において、利得可変増幅回路へ入
力された信号は、第一アッテネータ部、増幅回路および
第二アッテネータ部を介して出力される。これにより、
利得可変増幅回路が制御可能な減衰量の幅(レンジ)
は、両アッテネータ部の減衰量のレンジを合計した値に
なる。また、第一アッテネータ部で信号レベルが減衰し
ても、増幅回路にて信号レベルが補われるので、入力信
号が両アッテネータ部を介して出力されるにも拘わら
ず、信号成分の損失が抑えられる。これらの結果、両ア
ッテネータ部として、減衰量のレンジが小さなアッテネ
ータを用いても、減衰量のレンジが広く、かつ、信号成
分の損失が小さな利得可変増幅回路を実現できる。
【0021】特に、両アッテネータ部として、単体での
減衰量は小さいものの、回路構成が簡単で特性歪みの小
さなPINアッテネータを用いた場合であっても、例え
ば、地上波デジタル放送などで要求される程度以上に、
減衰量のレンジを拡大できる。この結果、地上波デジタ
ル放送の復調回路にて好適に使用可能な利得可変増幅回
路を提供できる。
【0022】また、上記両アッテネータ部は、減衰量特
性の形状が互いに異なるので、同じ制御信号で制御され
ているにも拘わらず、双方の減衰量が異なる値に設定さ
れる。この結果、特に、両アッテネータ部が動作する順
序を制御する回路を設けなくても、両アッテネータ部の
制御順番を付けることができ、減衰量を互いに異なる値
に設定できる。これにより、両アッテネータ部の減衰量
を同一の値に制御する場合に比べて、利得可変増幅回路
の雑音指数を低下させたり、増幅回路の入力信号レベル
の最大値を制限したりでき、利得可変増幅回路の性能を
向上できる。また、上記動作の順番を制御する回路を設
け、一方が利得制御(減衰量の制御)を停止してから、
他方が利得制御を開始する構成とは異なり、利得可変増
幅回路の回路構成を簡略化できる。
【0023】加えて、両アッテネータ部が同時に動作す
るので、一方が最大減衰量になってから他方が減衰を開
始する従来技術とは異なり、両アッテネータ部は、周波
数特性が平坦な領域(最大減衰量ではない領域)で動作
する。この結果、利得可変増幅回路へ入力される信号の
周波数が変化しても、利得可変増幅回路の動作範囲を一
定に保つことができる。さらに、両アッテネータ部の減
衰量は、変化の程度が異なるだけで同時に変化するの
で、両アッテネータ部が排他的に動作する従来技術とは
異なり、利得可変増幅回路全体において、制御信号に対
する減衰量の特性は、滑らかに(連続に)変化する。
【0024】それゆえ、単一の制御信号で制御可能であ
るにも拘わらず、両アッテネータ部に制御順番を付ける
ことができるので、優れた性能を持ち、低コストで製造
可能な利得可変増幅回路を提供できる。
【0025】また、請求項2の発明に係る利得可変増幅
回路は、請求項1記載の発明の構成において、上記第二
アッテネータ部の上記減衰量特性の形状は、上記第一制
御信号が同じ値の場合、第一アッテネータ部の減衰量よ
りも大きくなるように設定されていることを特徴として
いる。
【0026】上記構成によれば、より前段の第一アッテ
ネータ部の利得の方が大きくなるので、両アッテネータ
部の減衰量を同一の値に制御する場合に比べて、利得可
変増幅回路の雑音指数を低下させることができ、利得可
変増幅回路の性能を向上できる。
【0027】一方、請求項3の発明に係る利得可変増幅
回路は、請求項1記載の発明の構成において、上記第二
アッテネータ部の上記減衰量特性の形状は、上記第一制
御信号が同じ値の場合、第一アッテネータ部の減衰量よ
りも小さくなるように設定されていることを特徴として
いる。
【0028】上記構成によれば、利得可変増幅回路全体
に要求される減衰量が同じ場合で比較すると、増幅回路
の入力信号レベルは、両アッテネータ部の減衰量が同一
のときよりも小さくなる。
【0029】ここで、増幅回路は、例えば、トランジス
タなど、非線形の素子から構成されていることが多く、
所定の入力レンジを越えると、特性歪みが発生する虞れ
がある。この結果、利得可変増幅回路への入力信号レベ
ルが大きい場合には、増幅回路の入力信号レベルが上記
入力レンジを越え、増幅回路の特性歪みによって、利得
可変増幅回路の特性が歪む可能性がある。
【0030】ところが、上記構成では、増幅回路の入力
信号レベルを制限する回路を特に設けなくても、増幅回
路の入力信号レベルを制限できる。この結果、増幅回路
の特性歪みに起因する利得可変増幅回路の特性歪みを抑
制でき、性能の良い利得可変増幅回路を実現できる。
【0031】なお、利得可変増幅回路への入力信号の雑
音指数が低い場合、利得可変増幅回路は、請求項2記載
の発明の構成のように、第二アッテネータ部の減衰量の
方を大きく設定して、利得可変増幅回路の雑音指数を低
下させるよりも、請求項3記載の発明の構成のように、
増幅回路の特性歪みを防止した方が、より良好な信号を
出力できる。
【0032】さらに、請求項4の発明に係る利得可変増
幅回路は、請求項1、2または3記載の発明の構成にお
いて、上記両アッテネータ部には、入力される直流電圧
値に対する減衰量の特性の形状が互いに同一に設定され
たPINアッテネータが設けられており、両アッテネー
タ部の一方には、直流電圧として与えられる上記第一制
御信号が直接印加されると共に、上記第一制御信号を分
圧して、他方のアッテネータ部に入力する分圧回路を備
えていることを特徴としている。
【0033】上記構成では、一方のアッテネータ部に
は、分圧回路を介した制御信号が入力されるので、両ア
ッテネータ部には、互いに異なる直流電圧が入力され
る。したがって、入力される直流電圧に対して、両PI
Nアッテネータが同じ形状の減衰量特性を有しているに
も拘わらず、第一制御信号に対しては、両アッテネータ
部の減衰量特性を互いに異なる形状に設定できる。この
結果、両PINアッテネータのバイアス電圧を同一に設
定できるため、第一および第二アッテネータ部の双方
で、インピーダンス整合を最適な状態に保つことができ
る。それゆえ、両PINアッテネータのバイアス電圧を
互いに異なる値に設定する場合に比べて、インピーダン
スの不整合に起因する利得可変増幅回路の雑音を抑制で
き、利得可変増幅回路の性能を、さらに向上できる。
【0034】ところで、請求項5の発明に係る電子チュ
ーナは、請求項1、2、3または4記載の利得可変増幅
回路と、予め定められる周波数で発振する第一局部発振
回路と、上記利得可変増幅回路および第一局部発振回路
の出力を混合して、当該利得可変増幅回路の出力信号
を、第一中間周波数の信号に変換する第一混合回路と、
上記第一混合回路の後段に設けられた検出点における信
号レベルが一定になるように、上記利得可変増幅回路へ
与える第一制御信号を制御する制御回路とを備えている
ことを特徴としている。
【0035】上記構成では、第一混合回路が利得可変増
幅回路の出力を、第一中間周波数の信号に変換し、スー
パーヘテロダイン方式の電子チューナとして動作する。
なお、上記第一混合回路の後段に、例えば、混合回路な
どの周波数を変換する回路を、さらに設け、ダブルスー
パーヘテロダイン方式の電子チューナとして動作させて
もよい。
【0036】ここで、上記電子チューナには、請求項
1、2、3または4記載の利得可変増幅回路が使用され
ているため、簡単な回路構成で、かつ、広い減衰量のレ
ンジを持つにも拘わらず、第一混合回路へ入力される信
号の雑音指数を抑制できる。したがって、優れた性能を
持ち、簡単な回路構成の電子チューナを実現できる。
【0037】なお、上記利得可変増幅回路は、両アッテ
ネータ部として特性歪みの少ないPINアッテネータを
用いた場合であっても、地上波デジタル放送で要求され
る減衰量のレンジを確保できるので、上記電子チューナ
は、例えば、地上波デジタル放送の受信装置にて好適に
使用できる。
【0038】また、請求項6の発明に係る電子チューナ
は、請求項5記載の発明の構成において、予め定められ
る周波数で発振する第二局部発振回路と、上記第一混合
回路および第二局部発振回路の出力を混合して、第一混
合回路の出力信号を、第二中間周波数の信号に変換する
第二混合回路と、第二混合回路の出力に接続され、与え
られた第二制御信号に基づいて利得を制御する中間周波
利得可変増幅回路とを備え、上記制御回路は、上記中間
周波利得可変増幅回路より後段の検出点での信号レベル
が一定になるように、上記第一および第二制御信号を制
御することを特徴としている。なお、上記検出点は、電
子チューナの性能を向上させるために信号レベルを一定
に保ちたい箇所と、同様の信号レベル変化が現れる点で
ある。ここで、信号レベルを一定に保つべき箇所の一例
としては、例えば、第二混合回路の出力信号をアナログ
復調する場合は、当該復調回路の入力などが挙げられ、
第二混合回路の出力信号を、さらに周波数変換した後で
A/D変換する場合は、A/Dコンバータの入力などが
挙げられる。したがって、検出点としては、例えば、復
調回路の出力などが選ばれる。
【0039】上記構成によれば、上記第一および第二制
御信号は、上記検出点のレベルが一定になるように制御
される。例えば、電子チューナの入力信号の信号レベル
が大きく、検出点での信号レベルが所望の値よりも大き
い場合、制御回路は、中間周波利得可変増幅回路および
利得可変増幅回路の少なくとも一方のゲインが低下する
ように、第一および第二制御信号を制御する。この結
果、検出点での信号レベルは、所望の値に近づくように
制御される。これとは逆に、検出点での信号レベルが少
ない場合には、両利得可変増幅回路のゲインの合計が増
加して、信号レベルを上昇させる。なお、ゲインを増加
させると、検出点の信号レベルが低下する場合は、制御
回路は、上記とは逆の方向にゲインを制御する。
【0040】いずれの場合であっても、両利得可変増幅
回路のゲインが検出点の信号レベルを保つようにフィー
ドバック制御されるので、電子チューナは、入力信号の
信号レベルに拘わらず、検出点の信号レベルを一定に保
つことができる。この結果、優れた性能を持ち、簡単な
回路構成の電子チューナを実現できる。
【0041】また、請求項7の発明に係る電子チューナ
は、請求項6記載の発明の構成において、上記制御回路
は、上記検出点での信号レベルが所定の値より低い場合
は、上記利得可変増幅回路の減衰量を最小に設定し、上
記中間周波利得可変増幅回路のみで利得制御するよう
に、上記両制御信号を制御すると共に、上記検出点での
信号レベルが所定の値を越えた場合は、上記中間周波利
得可変増幅回路の利得を一定値に保ち、上記利得可変増
幅回路のみで利得制御するように、上記両制御信号を制
御することを特徴としている。
【0042】上記構成によれば、より前段の利得可変増
幅回路の利得の方が、より後段の中間周波利得可変増幅
回路の利得よりも大きくなる。したがって、両利得可変
増幅回路の利得を同一の値に制御する場合に比べて、電
子チューナ全体の雑音指数を低下させることができ、電
子チューナの性能を向上できる。
【0043】また、請求項8の発明に係る電子チューナ
は、請求項6記載の発明の構成において、上記制御回路
は、上記検出点での信号レベルが所定の値より低い場合
は、上記利得可変増幅回路の減衰量を最小に設定し、上
記中間周波利得可変増幅回路のみで利得制御するよう
に、上記両制御信号を制御すると共に、上記検出点での
信号レベルが所定の値を越えた場合は、上記中間周波利
得可変増幅回路および利得可変増幅回路の双方で利得制
御するように、上記両制御信号を制御することを特徴と
している。
【0044】上記構成によれば、電子チューナ全体に要
求される減衰量が同じ場合で比較すると、第一および第
二混合回路の入力信号レベルは、特に、入力信号レベル
を抑制する回路を設けなくても、請求項7記載の発明の
構成よりも小さくなる。したがって、第一および第二混
合回路が非線形の素子から構成され、特性歪みを生じな
い入力レンジが限定されている場合であっても、入力信
号レベルを当該入力レンジ内に納めることができる。こ
の結果、両混合回路の特性歪みに起因する電子チューナ
の特性歪みを特性でき、性能の良い電子チューナを実現
できる。
【0045】なお、電子チューナへの入力信号の雑音指
数が低い場合、電子チューナは、請求項7記載の発明の
構成のように、中間周波利得可変増幅回路の減衰量の方
を大きく設定して、電子チューナの雑音指数を低下させ
るよりも、請求項8記載の発明の構成のように、各混合
回路の特性歪みを防止した方が、より良好な信号を出力
できる。
【0046】
【発明の実施の形態】〔第一の実施形態〕本発明の一実
施形態について図1ないし図7に基づいて説明すると以
下の通りである。すなわち、本実施形態に係る電子チュ
ーナは、例えば、地上波デジタル放送用などに用いられ
るダブルコンバージョン方式の電子チューナであって、
RF信号をデジタルデータに復調するために使用されて
いる。
【0047】具体的には、例えば、図2に示す電子チュ
ーナ1において、入力端子2から入力されたRF信号
は、バンドパスフィルタ3を介して、RF−利得可変増
幅回路(以下では、RF−AGC回路のように略称す
る)4にて増幅され、第一混合回路5へ入力される。第
一混合回路5は、RF−AGC回路4の出力信号と、第
一局部発振回路6にて発振された信号とを混合する。こ
れにより、RF信号は、第一IF信号に周波数変換され
る。
【0048】上記第一IF信号は、バンドパスフィルタ
7、第一IF増幅回路8およびバンドパスフィルタ9に
て選択増幅された後、第二混合回路10へ入力される。
当該第二混合回路10は、バンドパスフィルタ9の出力
信号と、第二局部発振回路11で発振された信号とを混
合して、第二IF信号へ周波数変換する。また、第二I
F信号は、バンドパスフィルタ12およびIF−AGC
回路13にて増幅され、第三混合回路14へ入力され、
第三局部発振回路15で発振された信号と混合される。
これにより、第二IF信号は、Low−IF信号に周波
数変換される。さらに、上記Low−IF信号は、A/
Dコンバータ16にて、デジタル信号に変換された後、
デジタル復調回路17にてデジタル信号処理され、元の
デジタルデータに復調される。
【0049】一方、デジタル復調回路17は、例えば、
同期信号の信号レベルを示す信号など、復調信号の信号
レベル(検出点での信号レベル)を示す信号を取り出
し、AGC検波回路18へ出力している。AGC検波回
路18は、当該信号に基づいて、A/Dコンバータ16
へ入力されるLow−IF信号の信号レベルが、常に一
定になるように、AGC制御信号vの値を制御する。さ
らに、AGC遅延回路19は、AGC制御信号vに基づ
いて、RF−AGC回路4およびIF−AGC回路13
へ制御電圧v1およびv2を印加して、それぞれの減衰
量を調整する。これにより、電子チューナ1は、入力端
子2から入力されるRF信号の信号レベルに拘わらず、
A/Dコンバータ16へ入力されるLow−IF信号の
信号レベルを、常に一定に保つことができる。
【0050】なお、RF−AGC回路4およびIF−A
GC回路13が、特許請求の範囲に記載の利得可変増幅
回路および中間周波利得可変増幅回路に対応し、AGC
検波回路18およびAGC遅延回路19が制御回路に対
応している。さらに、上記制御電圧v1およびv2が、
第二および第一制御信号に対応する。
【0051】ところで、上記電子チューナ1の性能は、
A/Dコンバータ16へ入力されるLow−IF信号の
C/N比(搬送波 対 雑音比)によって略決定される
ため、当該C/N比を向上することが求められる。ここ
で、当該Low−IF信号のC/N比で支配的な要素と
しては、RF信号のC/N比、RF信号のレベル、およ
び、電子チューナ1の雑音指数(NF)が挙げられ、L
ow−IF信号のC/N比は、RF信号のC/N比およ
び信号レベルが低下する程、あるいは、電子チューナ1
のNFが増大する程低下する。したがって、電子チュー
ナ1の性能を向上するために、電子チューナ1のNFを
低下させることが要求されている。
【0052】以下では、図2に示す電子チューナ1のよ
うに、所定のゲインおよび雑音指数を有するブロックが
複数縦続に接続された場合における各ブロックのゲイン
と全体の雑音指数との関係について、図3の模擬的なブ
ロック図を参照して簡単に説明する。すなわち、ブロッ
クB1〜B4が縦続に接続されている場合、全体の雑音
指数NFtは、各ブロックB1〜B4のゲインをG1〜
G4、雑音指数をNF1〜NF4とすると、以下の式
(1)に示すように、 NFt=NF1+(NF2−1)/G1+(NF3−1)/(G1・G2) +(NF4−1)/(G1・G2・G3) …(1) となる。したがって、より前段のブロックの雑音指数を
低減する程、また、より前段のゲインが高い程、全体の
雑音指数NFtは、低い値となる。
【0053】本実施形態では、図2に示すAGC遅延回
路19は、両AGC回路4・13へ制御電圧v2・v1
を印加して、それぞれの減衰量を制御する際、制御順番
を付けており、RF信号の信号レベルが小さい場合(一
例として、65〔dBu〕以下など)、AGC遅延回路
19は、RF−AGC回路4を最大ゲイン(最小減衰
量)に設定し、IF−AGC回路13のみで、ゲインコ
ントロールする。一方、信号レベルが非常に大きくな
り、IF−AGC回路13のみではコントロールできな
くなった場合には、IF−AGC回路13の減衰量を一
定に保ち、RF−AGC回路4にてゲインコントロール
する。
【0054】上記AGC遅延回路19は、例えば、AG
C制御信号vが所定の値に達した場合に、最小減衰量を
示す値で飽和するように乗算する演算増幅回路により構
成できる。なお、演算増幅回路の比例定数は、AGC制
御信号vが最小減衰量を示す場合に、当該演算増幅回路
の出力が最小減衰量を示す制御電圧v1で飽和するよう
に設定される。これにより、AGC遅延回路19は、A
GC制御信号vが所定の値を越えるまでの間、IF−A
GC回路13の減衰量を一定に保ち、RF−AGC回路
4でゲインコントロールすると共に、AGC制御信号v
が所定の値を越えると、RF−AGC回路4の減衰量を
最小に保ち、IF−AGC回路13でゲインコントロー
ルすることができる。
【0055】この結果、RF−AGC回路4の減衰量
は、IF−AGC回路13よりも小さくなるので、より
前段のRF−AGC回路4のゲインは、より後段のIF
−AGC回路13よりも大きくなる。したがって、IF
−AGC回路13の減衰量の方を小さく制御する場合や
両AGC回路4・13の減衰量を同一に制御する場合に
比べて、RF−AGC回路4からIF−AGC回路13
までの雑音指数NFを低減できる。これにより、A/D
コンバータ16へ入力されるLow−IF信号のC/N
比が向上され、電子チューナ1の性能を向上できる。
【0056】さらに、本実施形態のRF−AGC回路4
は、第一アッテネータ部41aと、所定のゲインのRF
−増幅回路42と、第二アッテネータ部41bとを縦続
接続して構成されている。したがって、第一アッテネー
タ部41aにて、信号を減衰したとしても、RF−増幅
回路42によって、第二アッテネータ部41bへ入力さ
れるまでの間に信号レベルが補われる。この結果、両ア
ッテネータ部41a・41bを直接接続する場合に比べ
て、信号成分の低下を抑制できる。なお、RF−増幅回
路42が特許請求の範囲に記載の増幅回路に対応する。
【0057】また、両アッテネータ部41a・41b
は、それぞれPINアッテネータから構成されており、
AGC遅延回路19から印加される同一の制御電圧v2
によって、減衰量が調整される。ただし、両アッテネー
タ部41a・41bは、制御電圧v2に対する減衰量の
特性fa・fbが互いに異なっており、それぞれの特性
fa・fbは、同じ制御電圧v2の場合、第一アッテネ
ータ部41aの減衰量が第二アッテネータ部41bより
も大きくなるように設定されている。
【0058】上記両アッテネータ部41a・41bは、
例えば、図1に示す回路で実現されている。なお、本実
施形態に係る両アッテネータ部41a・41bは、互い
に同一の回路構成であり、素子の定数のみを変更して、
互いに異なる特性に設定している。したがって、以下で
は、第一アッテネータ部41aの構成について説明する
と共に、第二アッテネータ部41bの各部材には、第一
アッテネータ部41aで同一の機能を有する部材の参照
符号のうち、末尾の英小文字をbに変更した符号を付し
て説明を省略する。例えば、第二アッテネータ部41b
において、第一アッテネータ部41aのPINダイオー
ドD1aに対応する部材は、PINダイオードD1bと
して参照される。
【0059】すなわち、第一アッテネータ部41aにお
いて、入力端子INaと出力端子OUTaとの間には、
PINダイオードD1aが設けられている。当該PIN
ダイオードD1aのアノードは、接続用のコンデンサC
1aを介して、入力端子INaに接続されており、カソ
ードは、コンデンサC2aを介して出力端子OUTaに
接続されている。
【0060】また、PINダイオードD1aのアノード
には、駆動用の抵抗R1aおよびトランジスタTr1
a、並びに、高域遮断用のコイルL1aを介して、制御
電圧v2が印加されている。さらに、PINダイオード
D1aのカソードは、抵抗R2aを介して接地されてい
る。なお、同図では、各PINダイオードD1a〜D3
a(後述)を駆動するための電流バッファとして、トラ
ンジスタTr1aを用いているが、図2に示すAGC遅
延回路19が、両アッテネータ部41a・41bのPI
NダイオードD1a〜D3a・D1b〜D3bを十分駆
動可能な駆動能力を有していれば、両アッテネータ部4
1a・41bから、トランジスタTr1a・抵抗R1
a、および、トランジスタTr1b・抵抗R1bを省略
できる。
【0061】さらに、上記PINダイオードD1aのア
ノードは、直流防止用のコンデンサC3a、PINダイ
オードD2aおよびコンデンサC4aを介して接地され
ている。当該PINダイオードD2aのアノード、すな
わち、コンデンサC3aとPINダイオードD2aとの
接続点には、所定の電圧v4aが印加されている。当該
電圧v4aは、例えば、抵抗R3aおよびR4aで、所
定の電源電圧Bを分圧して生成されており、制御電圧v
2が最大の場合におけるPINダイオードD1aのカソ
ード端の電圧v3aよりも低くなるように設定される。
また、PINダイオードD2aのカソードは、PINダ
イオードD3aを介して、PINダイオードD1aのカ
ソードに接続される。
【0062】上記構成において、第一アッテネータ部4
1aの高周波領域における等価回路は、図4に示すよう
になり、入力端子INaとPINダイオードD1aのカ
ソード端(点P3)との間の抵抗R11aの抵抗値は、
PINダイオードD1aの高周波抵抗によって変化す
る。また、抵抗R11aの入力端に一端が接続され、他
端が接地された抵抗R12aは、抵抗値がPINダイオ
ードD2aの高周波抵抗によって変化する。さらに、抵
抗R11aの出力端に一端が接続され、他端が接地され
た抵抗R13aは、抵抗値がPINダイオードD3aの
高周波抵抗によって変化する。なお、抵抗R13aに並
列に設けられている抵抗RLは、図1に示す抵抗R2a
と、第一アッテネータ部41aの出力に接続される負荷
およびコンデンサC2aの直列回路とを並列に接続した
場合の等価的な抵抗である。
【0063】ここで、各PINダイオードD1a〜D3
aの高周波抵抗の値は、それぞれの順方向電流によって
変化し、図5に示すように、順方向電流IF が増加する
に従って、高周波抵抗rdは低下する。したがって、制
御電圧v2を制御して、それぞれの順方向電流IF を増
減することで、第一アッテネータ部41aの減衰量を制
御できる。
【0064】具体的には、制御電圧v2が最大の場合、
コイルL1a・PINダイオードD1a・抵抗R2aの
経路に流れる電流I1aも最大になる。この結果、PI
NダイオードD1aの高周波抵抗rdの値、および、図
4に示す等価的な抵抗R11aの抵抗値は、最も小さい
値に保たれている。
【0065】一方、上記電流I1aが最大なので、図1
に示す電圧v3aも最大となり、電圧v4aよりも高く
なる。したがって、PINダイオードD2aおよびD3
aは、逆バイアスになり、両PINダイオードD2a・
D3aには、電流が流れない。これにより、両PINダ
イオードD2a・D3aの高周波抵抗rd、および、図
4に示す抵抗R12a・R13aの抵抗値は、極めて大
きな値となる。この結果、第一アッテネータ部41aの
入出力特性(入力端子INa−OUTa間の通過特性)
は、PINダイオードD1aの高周波抵抗による抵抗R
11aのみによる減衰量となる。
【0066】これに対して、制御電圧v2が低下して、
トランジスタTr1aがPINダイオードD1aへ供給
する電流I1aが減少すると、図4に示す抵抗R11a
の抵抗値が増大し、第一アッテネータ部41aの減衰量
が増大し始める。さらに、電流I1aの減少に伴って電
圧v3aが低下して上記所定の電圧v4aを下回ると、
抵抗R3aから両PINダイオードD2a・D3aを介
して抵抗R2aへ至る経路へ、電流I2aが流れ始め
る。当該電流I2aは、電流I1aの減少に伴って増加
するので、図4に示す抵抗R11aの抵抗値が増大する
一方で、抵抗R12a・R13aの抵抗値が減少する。
この結果、第一アッテネータ部41aの減衰量は、制御
電圧v2の低下に伴って大きくなる。なお、第二アッテ
ネータ部41bも同様に動作して、制御電圧v2の低下
に伴って、減衰量が大きくなる。
【0067】これにより、各アッテネータ部41a・4
1bのAGC特性(制御電圧v2に対する減衰量の特
性)fa・fbは、例えば、図6に示すように、制御電
圧v2が最大の際には、最大のゲインを持ち、制御電圧
v2を下げるに従ってゲインが低下するような特性とな
る。同図では、制御電圧v2が10〔V〕から0〔V〕
まで変化した場合、各アッテネータ部41a・41bの
減衰量は、それぞれ、0〔dB〕から30〔dB〕程度
まで変化する。
【0068】ここで、各アッテネータ部41a・41b
のAGC特性fa・fbは、互いに異なるように設定さ
れており、制御電圧v2が同一の場合、第一アッテネー
タ部41aの減衰量よりも、第二アッテネータ部41b
の減衰量の方が大きくなるように設定されている。この
結果、同じ制御電圧v2で制御しているにも拘わらず、
2つのアッテネータ部41a・41bに制御順番を持た
せることができる。
【0069】具体的には、図1に示す構成の場合、各ア
ッテネータ部41a(41b)のAGC特性fa・fb
は、上述したように、各PINダイオードD1a〜D3
a(D1b〜D3b)に流れる電流によって決まるた
め、図2に示すAGC遅延回路19から与えられる制御
電圧v2と、電源電圧Bを抵抗R3a・R4a(R3b
・R4b)で分圧して生成した電圧v4a(v4b)
と、ダイオードバイアス用の抵抗R2a(R2b)にか
かる電圧v3a(v3b)とにより決定される。したが
って、第一アッテネータ部41aに設けられた抵抗R2
a・3a・4aの抵抗値の組み合わせと、第二アッテネ
ータ部41bに設けられた抵抗R2b・3b・4bの抵
抗値の組み合わせとを、それぞれ別に設定することによ
って、制御電圧v2が同一であるにも拘わらず、電圧v
3a・v4aの組み合わせと、電圧v3b・v4bの組
み合わせとがそれぞれ別に変化して、両アッテネータ部
41a・41bのAGC特性fa・fbを互いに異なる
値に設定できる。
【0070】本実施形態の場合、上記各抵抗R2a〜4
a、R2b〜R4bの抵抗値は、同一の制御電圧v2が
印加された場合、第一アッテネータ部41aの減衰量
が、第二アッテネータ部41bの減衰量よりも大きくな
るように設定されている。例えば、図6に示すように、
第二アッテネータ部41bのAGC特性fb(fb1)
は、第一アッテネータ部41aのAGC特性faよりも
下側、すなわち、同じ制御電圧v2が与えられた場合、
減衰量が大きくなるように設定されている。一例とし
て、制御電圧v2が3〔V〕の場合を例にすると、第一
アッテネータ部41aの減衰量が1.5〔dB〕である
のに対して、第二アッテネータ部41bの減衰量は、7
〔dB〕になり、第二アッテネータ部41bの減衰量の
方が大きくなっている。
【0071】したがって、制御電圧v2が10〔V〕か
ら0〔V〕へ変化する方向を考えると、第一アッテネー
タ部41aから減衰し始め、次に、第二アッテネータ部
41bが減衰を開始することになる。これにより、同じ
制御電圧v2で制御しているにも拘わらず、2つのアッ
テネータ部41a・41bには、制御順番が付けられ
る。
【0072】この結果、両アッテネータ部41a・41
bおよびIF−AGC回路13のうち、より前段の第一
アッテネータ部41aのゲインは、より後段の第二アッ
テネータ部41bよりも大きくなる。したがって、第二
アッテネータ部41bのゲインの方が大きい場合や、両
アッテネータ部41a・41bのゲインが等しい場合に
比べて、RF−AGC回路4全体の雑音指数NFを低減
できる。これにより、RF−AGC回路4からIF−A
GC回路13までの雑音指数NFを低減でき、電子チュ
ーナ1の性能を向上できる。
【0073】ところで、RF−AGC回路4全体のAG
C特性fは、両AGC特性fa・fbの和で表現され
る。これにより、個々のアッテネータ部41a・41b
が特性の歪みの少ないPINアッテネータで構成されて
いるにも拘わらず、図7に示すように、所望のゲイン4
0〔dB〕を達成している。
【0074】また、両アッテネータ部41a・41b
は、AGC特性が互いに異なっているだけであり、特
に、AGC遅延回路19のようなタイミングを制御する
回路を設けなくても、同一の制御電圧v2で制御でき
る。この結果、極めて簡単な回路で、RF−AGC回路
4を構成でき、RF−AGC回路4に必要な回路面積
と、消費電力とを削減できる。
【0075】加えて、第二アッテネータ部41bが最大
減衰量に達するまでの間に、第一アッテネータ部41a
が減衰を開始しているので、最大減衰量に達したことを
検出してから動作を開始する従来技術とは異なり、RF
−AGC回路4の動作範囲は、RF信号の周波数に拘わ
らず、一定に保たれる。さらに、両アッテネータ部41
a・41bが同時に減衰量を制御しているため、RF−
AGC回路4に要求される減衰量に応じて、一方のアッ
テネータ部41の動作/動作停止を制御する場合とは異
なり、図7に示すように、RF−AGC回路4全体のA
GC特性fは、連続して(滑らかに)変化する。これら
の結果、両アッテネータ部41a・41bのAGC特性
が互いに異なっているにも拘わらず、電子チューナ1
は、A/Dコンバータ16の入力信号の信号レベルを、
より安定してフィードバック制御できる。
【0076】〔第二の実施形態〕ところで、上記第一の
実施形態に係る電子チューナ1では、第二IF信号を周
波数変換した後で、A/Dコンバータ16へ入力する場
合について説明した。これに対して、本実施形態では、
他の構成のデジタル放送用受信装置の一例として、第二
IF信号をアナログ復調した後で、A/Dコンバータ1
6へ印加する構成について説明する。
【0077】具体的には、図8に示すように、本実施形
態に係る電子チューナ1aでは、上記電子チューナ1の
第三混合回路14および第三局部発振回路15に代え
て、ベースバンド復調回路20が設けられている。当該
ベースバンド復調回路20は、例えば、8VSB( Ves
tigial SideBand modulation)や64QAM( Quadrat
ure Amplitude Modulation)など、デジタル放送で多く
用いられている多値振幅変調方式で変調された信号をア
ナログ復調できる。これにより、第二IF信号をアナロ
グ復調して、A/Dコンバータ16へ印加できる。な
お、ベースバンド復調回路20以外の構成は、上記電子
チューナ1と同様であるため、同じ機能を有する部材に
は、同じ参照符号を付して説明を省略する。
【0078】当該構成であっても、A/Dコンバータ1
6の出力信号は、デジタル復調回路17にてデジタル復
調され、復調信号として出力される。さらに、例えば、
デジタル復調の際における同期信号の信号レベルなどに
基づいて、AGC制御信号が生成される。これにより、
上記電子チューナ1と同様に、全体の減衰量が増加する
場合、IF−AGC回路13の減衰量、RF−AGC回
路4の順番で、減衰量が制御される。また、RF−AG
C回路4では、単一のAGC制御電圧によって、第二ア
ッテネータ部41bの減衰量が第一アッテネータ部41
aの減衰量よりも大きくなるように制御される。この結
果、上記電子チューナ1と同様の効果が得られる。
【0079】〔第三の実施形態〕ところで、上記第一お
よび第二の実施形態では、RF−AGC回路4の両アッ
テネータ部41a・41bのAGC特性を互いに異なる
特性に設定する際、例えば、図1に示す抵抗R2a〜R
4aと抵抗R2b〜R4bとのように、それぞれの回路
素子の定数を別の値に設定している。この場合は、特別
な回路を付加することなく、両者のAGC特性を設定で
きるため、非常に簡単な回路で実現できる。
【0080】ところが、上記構成では、制御電圧v2の
変化に伴って、第一アッテネータ部41aのバイアス電
圧v3aあるいはv4aと、第二アッテネータ部41b
のバイアス電圧v3bあるいはv4bとが、それぞれ別
の特性で変化する。同様に、PINダイオードD1a〜
D3aを流れる電流量は、PINダイオードD1bから
D3bに流れる電流量が変化する際の特性とは異なる特
性で変化する。この結果、両アッテネータ部41a・4
1bのインピーダンス整合を、常に最適に保つことは困
難になる。
【0081】これに対して、本実施形態では、極めて簡
単な回路を付加することで、両アッテネータ部のインピ
ーダンス整合を最適に保つことができるRF−AGC回
路について説明する。具体的には、本実施形態に係るR
F−AGC回路4bは、図9に示すように、図1に示す
RF−AGC回路4と略同様であるが、抵抗R31およ
びR32からなる分圧回路43が、第二アッテネータ部
41bへ制御電圧v2が印加されるまでの間に追加され
ている。したがって、制御電圧v2が当該分圧回路43
によって分圧された後、制御電圧v2bとして、トラン
ジスタTr1bのベース抵抗となる抵抗R1bに印加さ
れる。一方、第一アッテネータ部41aには、制御電圧
v2が、そのまま制御電圧v2aとして与えられる。な
お、制御電圧v2a・v2bが特許請求の範囲に記載の
直流電圧に対応する。
【0082】ここで、上記分圧回路43は、2つの抵抗
R31・R32で構成でき、極めて簡単な回路なので、
RF−AGC回路4bは、図1に示すRF−AGC回路
4と略同じ程度の回路規模で実現できる。
【0083】また、両アッテネータ部41a・41bの
回路素子の定数は、例えば、第二アッテネータ部41b
の抵抗R2b〜R4bの抵抗値は、第一アッテネータ部
41aにて抵抗R2a〜R4aのうち、対応する抵抗の
抵抗値と同一に設定するなど、両アッテネータ部41a
・41bが共に最適なインピーダンス整合を取れる値に
設定されている。なお、残余の構成は、RF−AGC回
路4と同様であるため、同じ機能を有する部材には、同
じ参照符号を付して説明を省略する。
【0084】上記構成によれば、各アッテネータ部41
a(41b)において、PINダイオードD1a〜D3
a(D1b〜D3b)のバイアス電圧v3a・v4a
(v3b・v4b)は、両アッテネータ部41a・41
bが共に、常に最適なインピーダンスに整合するように
決定できる。
【0085】また、制御電圧v2は、分圧回路43によ
って分圧された後、第二アッテネータ部41bへ印加さ
れるため、第二アッテネータ部41bの制御電圧v2b
は、第二アッテネータ部41bの制御電圧v2a(制御
電圧v2)よりも低くなる。これにより、両アッテネー
タ部41a・41bのAGC特性が同一な場合、第二ア
ッテネータ部41bの減衰量は、第一アッテネータ部4
1aよりも大きくなる。
【0086】例えば、分圧回路43の分圧比を1/2と
すると、制御電圧v2が10〔V〕の場合、第一アッテ
ネータ部41aの制御電圧v2aが、10〔V〕である
のに対して、第二アッテネータ部41bの制御電圧v2
bは、5〔V〕になる。したがって、図6に示すよう
に、第二アッテネータ部41bの制御電圧v2bに対す
るAGC特性が第一アッテネータ部41aのAGC特性
faと同一に設定されている場合を例にすると、制御電
圧v2に対する第二アッテネータ部41bのAGC特性
fb2は、第一アッテネータ部41aのAGC特性fa
よりも下方(減衰量が大きい方向)に配される。この結
果、両アッテネータ部41a・41bの減衰量は、制御
電圧v2が10〔V〕の場合、それぞれ、0〔dB〕・
0.1〔dB〕となり、最大ゲインの状態となる。ま
た、制御電圧v2が4〔V〕の場合は、制御電圧v2a
・v2bは、それぞれ、4〔V〕・2〔V〕となるの
で、それぞれの減衰量は、0.5〔dB〕・4〔dB〕
となる。なお、分圧回路43の分圧比や各アッテネータ
部41a・41bのAGC特性は、上記の例に限らず、
必要に応じた値や特性に設定できる。
【0087】この結果、第一の実施形態と同様に、単一
の制御電圧v2で制御しているにも拘わらず、両アッテ
ネータ部41a・41bのAGC制御に順番を付けるこ
とができる。したがって、第二アッテネータ部41bの
減衰量を第一アッテネータ部41aよりも大きく設定で
き、RF−AGC回路4b全体の雑音指数、および、電
子チューナ1(1a)の雑音指数を低減できる。
【0088】さらに、RF−AGC回路4bでは、両ア
ッテネータ部41a・41bが共に最適なインピーダン
ス整合を維持できるように、各PINダイオードD1a
〜D3a・D1b〜D3bのバイアス電圧を決定できる
ため、第一の実施形態の効果に加えて、インピーダンス
の不整合に起因する反射などを抑制できる。この結果、
RF−AGC回路4b全体の雑音指数、および、電子チ
ューナ1(1a)の雑音指数を、さらに低減できる。
【0089】〔第四の実施形態〕ところで、上記第一な
いし第三の実施形態では、電子チューナ1(1a)全体
のC/N比が、RF−増幅回路42の振幅歪みよりも、
両アッテネータ部41a・41bのC/N比の影響を受
ける場合を例にして説明している。
【0090】ところが、例えば、RF信号のC/N比が
良好で、妨害信号のレベルが大きいときなどには、RF
−増幅回路42の振幅歪みを無視できなくなる場合があ
る。具体的には、RF−増幅回路42は、トランジスタ
などの非線型素子で構成されているため、入力される信
号のレベルが高い時には、相互変調妨害などの歪みが無
視できなくなる。この場合、第二アッテネータ部41b
の減衰量を第一アッテネータ部41aよりも大きく設定
すると、RF−増幅回路42の入力信号のレベルが大き
くなり、振幅歪みが発生する虞れがある。
【0091】一例として、RF−増幅回路42におい
て、入力信号のレベルが80〔dBu〕以上になると、
RF−増幅回路42の振幅歪みが許容範囲を越える場合
について説明する。この場合、以下の表1に示すよう
に、両アッテネータ部41a・41bの減衰量が設定さ
れているとすると、RF信号の信号レベルが90〔dB
u〕以上の場合、RF−増幅回路42の入力信号のレベ
ルが80〔dBu〕以上となるので、振幅歪みが発生し
て、電子チューナ1(1a)の復調信号のC/N比を低
下させてしまう。
【0092】
【表1】
【0093】これに対して、本実施形態に係る電子チュ
ーナでは、両アッテネータ部41a・41bのAGC特
性が上記第一ないし第三の実施形態とは逆に設定されて
おり、例えば、以下の表2に示すように、制御電圧v2
が同じ場合、第一アッテネータ部41aの方が減衰量が
大きくなるように設定されている。なお、AGC特性の
設定方法は、第一の実施形態のように、各抵抗R2a〜
R4a・R2b〜R4bの抵抗値によって設定してもよ
いし、第三の実施形態のように、両トランジスタTr1
a・Tr1bへ印加される電圧の比率によって設定して
もよい。なお、この場合は、図9に示すRF−AGC回
路4bとは異なり、抵抗R31・R32からなる分圧回
路は、抵抗R1aの前段に配され、抵抗R1bには、制
御電圧v2が直接印加される。
【0094】
【表2】
【0095】上記構成によれば、RF−増幅回路42の
入力信号レベルは、上記第一ないし第三の実施形態に比
べて低下する。これにより、RF信号の信号レベルに拘
わらず、RF−増幅回路42の入力信号のレベルを、例
えば、80〔dBu〕以下など、所定の値以下に保つこ
とができる。
【0096】ここで、RF−増幅回路42の振幅歪みの
レベルは、非線形素子への入力信号レベルが大きい程、
大きくなるのに対して、電子チューナ1(1a)へ入力
されるRF信号のC/N比は、RF信号の信号レベルが
増大するに従って減少する。したがって、RF信号のC
/N比が良好で、振幅歪みに起因する妨害信号のレベル
が大きいときには、第一ないし第三の実施形態に示すよ
うにC/N比の低下を防止するよりも、本実施形態に示
すように振幅歪みを抑制する方が、より特性歪みの少な
い良好な復調信号を出力できる。
【0097】〔第五の実施形態〕ところで、第四の実施
形態では、RF−増幅回路42の振幅歪みを抑制する構
成について説明したが、振幅歪みは、RF−増幅回路4
2だけではなく、例えば、図2および図8に示す第一混
合回路5、第一IF増幅回路8および第二混合回路10
においても発生する虞れがある。本実施形態では、これ
らの回路5・8・10の振幅歪みを抑制可能な電子チュ
ーナについて説明する。
【0098】具体的には、上記各回路5・8・10も、
RF−増幅回路42と同様に、トランジスタのように非
線形の素子を含んでおり、所定の入力レンジを越えた信
号レベルの信号が入力されると、振幅歪みが発生する。
したがって、RF信号のC/N比が良好で、これらの回
路5・8・10の振幅歪みに起因する妨害信号のレベル
が大きいときには、RF信号の信号レベルが小さい(例
えば、65〔dBu〕以下)であっても、両AGC回路
4・13の双方が利得制御して、各回路5・8・10の
入力信号レベルを低減する方がよい。
【0099】この場合、図2および図8に示すAGC遅
延回路19は、例えば、図10に示すように、AGC検
波回路18が出力するAGC制御信号v(AGC検波出
力)を所定のゲインで増幅し、RF−AGC回路4へ印
加する演算増幅回路19aから構成できる。なお、この
構成例では、IF−AGC回路13には、AGC制御信
号vがそのまま制御電圧v1として印加されている。
【0100】例えば、演算増幅回路19aのゲインが5
倍で、出力が0〔V〕から10〔V〕まで出力可能とす
ると、両AGC回路13・4への制御電圧v1・v2
は、AGC制御信号vが0〔V〕から10〔V〕まで変
化した場合、図11に示すように変化する。この例で
は、AGC制御信号vが2〔V〕から10〔V〕までの
間、制御電圧v2は、10〔V〕に保たれている。した
がって、この状態では、RF−AGC回路4は、減衰量
が最小(最大ゲイン)に維持され、IF−AGC回路1
3のみで利得制御が行われる。一方、AGC制御信号v
が2〔V〕以下になると、制御電圧v2が変化しはじめ
るため、RF−AGC回路4による利得制御が開始され
る。これにより、第一ないし第四の実施形態に比べて簡
単な回路構成のAGC遅延回路19によって、2つのA
GC回路4・13に制御順位を付けることができる。な
お、上述のAGC遅延回路19、および、AGC制御信
号vに対する制御電圧v1・v2の特性は、あくまで一
例であり、両AGC回路4・13に同様の制御順位を付
けることができれば、同様の効果が得られる。
【0101】上記構成によれば、RF信号の信号レベル
が小さい場合であっても、両AGC回路4・13の双方
により利得制御が行われる。したがって、第一混合回路
5・第一IF増幅回路8・第二混合回路10の入力信号
レベルは、第一ないし第四の実施形態のように、RF信
号の信号レベルが小さいときにRF−AGC回路4のみ
で利得制御する場合に比べて低減される。この結果、特
に、入力信号レベルを抑制する回路を設けることなく、
入力信号レベルの超過に起因する振幅歪みを抑制でき
る。これにより、特性歪みのない電子チューナ1(1
a)を簡単な回路構成で実現できる。
【0102】なお、上記各実施形態では、電子チューナ
1(1a)の特性について説明する際、幾つかの数値例
を挙げて説明したが、本発明は、これらの数値例に限定
されるものではない。電子チューナ1(1a)を含む受
信装置の性能は、電子チューナ1(1a)の性能(ゲイ
ン、雑音指数NF、振幅歪み特性など)によって大きく
変化すると共に、受信装置を有するシステムによって、
要求される性能が異なるので、例えば、RF信号の信号
レベルに対する減衰量など、電子チューナ1(1a)の
各種設定は、用途に応じて設定される。
【0103】
【発明の効果】請求項1の発明に係る利得可変増幅回路
は、以上のように、同一の第一制御信号で制御される第
一および第二アッテネータ部が、増幅回路の前段および
後段に配され、当該両アッテネータ部は、上記第一制御
信号に対する減衰量の特性の形状が、互いに異なる形状
に設定されている構成である。
【0104】上記構成によれば、利得可変増幅回路全体
の減衰量のレンジは、両アッテネータ部の減衰量レンジ
の合計になるので、減衰量レンジを拡大できる。また、
特に、両アッテネータ部が動作する順序を制御する回路
を設けなくても、両アッテネータ部の制御順番を付ける
ことができ、減衰量を互いに異なる値に設定できる。さ
らに、両アッテネータ部の減衰量は、変化の程度が異な
るだけで同時に変化するので、利得可変増幅回路全体に
おいて、制御信号に対する減衰量の特性は、滑らかに
(連続に)変化する。これらの結果、単一の制御信号で
制御可能であるにも拘わらず、両アッテネータ部に制御
順番を付けることができ、優れた性能を持ち、低コスト
で製造可能な利得可変増幅回路を提供できるという効果
を奏する。
【0105】請求項2の発明に係る利得可変増幅回路
は、以上のように、請求項1記載の発明の構成におい
て、上記第二アッテネータ部の上記減衰量特性の形状
は、上記第一制御信号が同じ値の場合、第一アッテネー
タ部の減衰量よりも大きくなるように設定されている構
成である。
【0106】上記構成によれば、より前段の第一アッテ
ネータ部の利得の方が大きくなるので、利得可変増幅回
路の雑音指数を低下させることができ、利得可変増幅回
路の性能を向上できるという効果を奏する。
【0107】請求項3の発明に係る利得可変増幅回路
は、以上のように、請求項1記載の発明の構成におい
て、上記第二アッテネータ部の上記減衰量特性の形状
は、上記第一制御信号が同じ値の場合、第一アッテネー
タ部の減衰量よりも小さくなるように設定されている構
成である。
【0108】上記構成によれば、増幅回路の入力信号レ
ベルを制限する回路を特に設けなくても、増幅回路の入
力信号レベルを制限できる。この結果、増幅回路の特性
歪みに起因する利得可変増幅回路の特性歪みを抑制で
き、性能の良い利得可変増幅回路を実現できるという効
果を奏する。
【0109】請求項4の発明に係る利得可変増幅回路
は、以上のように、請求項1、2または3記載の発明の
構成において、上記両アッテネータ部には、入力される
直流電圧値に対する減衰量の特性の形状が互いに同一に
設定されたPINアッテネータが設けられており、両ア
ッテネータ部の一方には、直流電圧として与えられる上
記第一制御信号が直接印加されると共に、上記第一制御
信号を分圧して、他方のアッテネータ部に入力する分圧
回路を備えている構成である。
【0110】上記構成では、両PINアッテネータが当
該直流電圧に対して同じ形状の減衰量特性を有している
ため、第一および第二アッテネータ部の双方で、インピ
ーダンス整合を最適な状態に保つことができる。この結
果、インピーダンスの不整合に起因する利得可変増幅回
路の雑音を抑制でき、利得可変増幅回路の性能を、さら
に向上できるという効果を奏する。
【0111】請求項5の発明に係る電子チューナは、以
上のように、請求項1、2、3または4記載の利得可変
増幅回路と、予め定められる周波数で発振する第一局部
発振回路と、上記利得可変増幅回路および第一局部発振
回路の出力を混合して、当該利得可変増幅回路の出力信
号を、第一中間周波数の信号に変換する第一混合回路
と、上記第一混合回路の後段に設けられた検出点におけ
る信号レベルが一定になるように、上記利得可変増幅回
路へ与える第一制御信号を制御する制御回路とを備えて
いる構成である。
【0112】上記構成によれば、請求項1、2、3また
は4記載の利得可変増幅回路が使用されているため、簡
単な回路構成で、かつ、広い減衰量のレンジを持つにも
拘わらず、第一混合回路へ入力される信号の雑音指数を
抑制できる。したがって、優れた性能を持ち、簡単な回
路構成の電子チューナを実現できるという効果を奏す
る。
【0113】請求項6の発明に係る電子チューナは、以
上のように、請求項5記載の発明の構成において、予め
定められる周波数で発振する第二局部発振回路と、上記
第一混合回路および第二局部発振回路の出力を混合し
て、第一混合回路の出力信号を、第二中間周波数の信号
に変換する第二混合回路と、第二混合回路の出力に接続
され、与えられた第二制御信号に基づいて利得を制御す
る中間周波利得可変増幅回路とを備え、上記制御回路
は、上記中間周波利得可変増幅回路より後段の検出点で
の信号レベルが一定になるように、上記第一および第二
制御信号を制御する構成である。
【0114】上記構成によれば、両利得可変増幅回路の
ゲインが検出点の信号レベルを保つようにフィードバッ
ク制御されるので、電子チューナは、入力信号の信号レ
ベルに拘わらず、検出点の信号レベルを一定に保つこと
ができる。この結果、優れた性能を持ち、簡単な回路構
成の電子チューナを実現できるという効果を奏する。
【0115】請求項7の発明に係る電子チューナは、以
上のように、請求項6記載の発明の構成において、上記
制御回路は、上記検出点での信号レベルが所定の値より
低い場合は、上記利得可変増幅回路の減衰量を最小に設
定し、上記中間周波利得可変増幅回路のみで利得制御す
るように、上記両制御信号を制御すると共に、上記検出
点での信号レベルが所定の値を越えた場合は、上記中間
周波利得可変増幅回路の利得を一定値に保ち、上記利得
可変増幅回路のみで利得制御するように、上記両制御信
号を制御する構成である。
【0116】上記構成によれば、より前段の利得可変増
幅回路の利得の方が、より後段の中間周波利得可変増幅
回路の利得よりも大きくなる。したがって、両利得可変
増幅回路の利得を同一の値に制御する場合に比べて、電
子チューナ全体の雑音指数を低下させることができ、電
子チューナの性能を向上できるという効果を奏する。
【0117】請求項8の発明に係る電子チューナは、以
上のように、請求項6記載の発明の構成において、上記
制御回路は、上記検出点での信号レベルが所定の値より
低い場合は、上記利得可変増幅回路の減衰量を最小に設
定し、上記中間周波利得可変増幅回路のみで利得制御す
るように、上記両制御信号を制御すると共に、上記検出
点での信号レベルが所定の値を越えた場合は、上記中間
周波利得可変増幅回路および利得可変増幅回路の双方で
利得制御するように、上記両制御信号を制御する構成で
ある。
【0118】上記構成によれば、第一および第二混合回
路が非線形の素子から構成され、特性歪みを生じない入
力レンジが限定されている場合であっても、特に、入力
信号レベルを抑制する回路を設けることなく、入力信号
レベルを当該入力レンジ内に納めることができる。この
結果、両混合回路の特性歪みに起因する電子チューナの
特性歪みを特性でき、性能の良い電子チューナを実現で
きるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、RF−
AGC回路の要部構成を示す回路図である。
【図2】上記RF−AGC回路を用いた電子チューナの
要部構成を示すブロック図である。
【図3】複数のブロックからなる回路全体の雑音指数
と、個々のブロックの雑音指数およびゲインとの関係を
説明するものであり、各ブロックの接続を示す模擬的な
ブロック図である。
【図4】上記RF−AGC回路内のアッテネータ部を示
すものであり、各アッテネータ部の高周波等価回路を示
す回路図である。
【図5】上記各アッテネータ部で使用されるPINダイ
オードの順方向電流と高周波抵抗との関係を示すグラフ
である。
【図6】上記各アッテネータ部の特性を示すものであ
り、制御電圧と減衰量との関係を示すグラフである。
【図7】上記RF−AGC回路全体の特性を示すもので
あり、制御電圧と減衰量との関係を示すグラフである。
【図8】本発明の他の実施形態を示すものであり、電子
チューナの要部構成を示すブロック図である。
【図9】本発明のさらに他の実施形態を示すものであ
り、RF−AGC回路の要部構成を示す回路図である。
【図10】本発明のまた別の実施形態を示すものであ
り、上記電子チューナのAGC遅延回路の構成例を示す
回路図である。
【図11】上記AGC遅延回路の動作を示すものであ
り、AGC遅延回路の入出力特性を示すグラフである。
【図12】従来例を示すものであり、電子チューナの要
部構成を示すブロック図である。
【図13】上記電子チューナのRF−AGC回路を示す
回路図である。
【符号の説明】
1・1a 電子チューナ 4・4b RF−AGC回路(利得可変増幅回路) 5 第一混合回路 6 第一局部発振回路 10 第二混合回路 11 第二局部発振回路 13 IF−AGC回路(中間周波利得可変
増幅回路) 18 AGC検波回路(制御回路) 19 AGC遅延回路(制御回路) 41a 第一アッテネータ部(PINアッテネ
ータ) 41b 第二アッテネータ部(PINアッテネ
ータ) 42 RF−増幅回路(増幅回路) 43 分圧回路 v AGC制御信号 v1 制御電圧(第二制御信号) v2 制御電圧(第一制御信号) v2a・v2b 制御電圧(直流電圧)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 5/52 H04N 5/52

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予め定められたゲインで入力信号を増幅す
    る増幅回路と、 当該増幅回路の前段に配され、第一制御信号に基づい
    て、減衰量を制御可能な第一アッテネータ部と、 上記増幅回路の後段に配され、上記第一制御信号に基づ
    いて、減衰量を制御可能な第二アッテネータ部とを備
    え、 上記両アッテネータ部は、上記第一制御信号に対する減
    衰量の特性の形状が、互いに異なる形状に設定されてい
    ることを特徴とする利得可変増幅回路。
  2. 【請求項2】上記第二アッテネータ部の上記減衰量特性
    の形状は、上記第一制御信号が同じ値の場合、第一アッ
    テネータ部の減衰量よりも大きくなるように設定されて
    いることを特徴とする請求項1記載の利得可変増幅回
    路。
  3. 【請求項3】上記第二アッテネータ部の上記減衰量特性
    の形状は、上記第一制御信号が同じ値の場合、第一アッ
    テネータ部の減衰量よりも小さくなるように設定されて
    いることを特徴とする請求項1記載の利得可変増幅回
    路。
  4. 【請求項4】上記両アッテネータ部には、入力される直
    流電圧値に対する減衰量の特性の形状が互いに同一に設
    定されたPINアッテネータが設けられており、 両アッテネータ部の一方には、直流電圧として与えられ
    る上記第一制御信号が直接印加されると共に、 上記第一制御信号を分圧して、他方のアッテネータ部に
    入力する分圧回路を備えていることを特徴とする請求項
    1、2または3記載の利得可変増幅回路。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3または4記載の利得可変
    増幅回路と、 予め定められる周波数で発振する第一局部発振回路と、 上記利得可変増幅回路および第一局部発振回路の出力を
    混合して、当該利得可変増幅回路の出力信号を、第一中
    間周波数の信号に変換する第一混合回路と、 上記第一混合回路の後段に設けられた検出点における信
    号レベルが一定になるように、上記利得可変増幅回路へ
    与える第一制御信号を制御する制御回路とを備えている
    ことを特徴とする電子チューナ。
  6. 【請求項6】予め定められる周波数で発振する第二局部
    発振回路と、 上記第一混合回路および第二局部発振回路の出力を混合
    して、第一混合回路の出力信号を、第二中間周波数の信
    号に変換する第二混合回路と、 第二混合回路の出力に接続され、与えられた第二制御信
    号に基づいて利得を制御する中間周波利得可変増幅回路
    とを備え、 上記制御回路は、上記中間周波利得可変増幅回路より後
    段の検出点での信号レベルが一定になるように、上記第
    一および第二制御信号を制御することを特徴とする請求
    項5記載の電子チューナ。
  7. 【請求項7】上記制御回路は、上記検出点での信号レベ
    ルが所定の値より低い場合は、上記利得可変増幅回路の
    減衰量を最小に設定し、上記中間周波利得可変増幅回路
    のみで利得制御するように、上記両制御信号を制御する
    と共に、 上記検出点での信号レベルが所定の値を越えた場合は、
    上記中間周波利得可変増幅回路の利得を一定値に保ち、
    上記利得可変増幅回路のみで利得制御するように、上記
    両制御信号を制御することを特徴とする請求項6記載の
    電子チューナ。
  8. 【請求項8】上記制御回路は、上記検出点での信号レベ
    ルが所定の値より低い場合は、上記利得可変増幅回路の
    減衰量を最小に設定し、上記中間周波利得可変増幅回路
    のみで利得制御するように、上記両制御信号を制御する
    と共に、 上記検出点での信号レベルが所定の値を越えた場合は、
    上記中間周波利得可変増幅回路および利得可変増幅回路
    の双方で利得制御するように、上記両制御信号を制御す
    ることを特徴とする請求項6記載の電子チューナ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7345556B2 (en) 2004-08-06 2008-03-18 Alps Electric Co., Ltd. Variable attenuation circuit having large attenuation amount with small circuit size

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7345556B2 (en) 2004-08-06 2008-03-18 Alps Electric Co., Ltd. Variable attenuation circuit having large attenuation amount with small circuit size

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