JP2000012526A - プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法

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JP2000012526A
JP2000012526A JP10178659A JP17865998A JP2000012526A JP 2000012526 A JP2000012526 A JP 2000012526A JP 10178659 A JP10178659 A JP 10178659A JP 17865998 A JP17865998 A JP 17865998A JP 2000012526 A JP2000012526 A JP 2000012526A
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plasma
ashing
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gas
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JP10178659A
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English (en)
Inventor
Hirotoshi Ise
博利 伊勢
Yoshiaki Terasaki
芳明 寺崎
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマの酸化力を向上させ、かつ、プラズ
マ密度の均一化を図ることが可能なプラズマ処理装置お
よびプラズマ処理方法を提供する。 【解決手段】 プラズマ処理装置は、処理容器1と固定
台14と配管4とマイクロ波照射手段8、9、10と紫
外線照射手段34a、34e、16a、16bとを備え
る。固定台14は、処理容器1の内部で、処理される基
板13を保持する。配管4は、処理容器1の内部に灰化
処理用ガスを導入する。マイクロ波照射手段8、9、1
0は、処理容器1の内部において配管4から導入された
灰化処理用ガスにマイクロ波を照射する。紫外線照射手
段34a、34e、16a、16bは、処理容器1の内
部において、基板13に対して異なる方向から紫外線1
7a、17eを灰化処理用ガスに照射することが可能な
複数の紫外線照射部34a、34eを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ処理装置
およびプラズマ処理方法に関するものであり、より特定
的には、マイクロ波を用いてプラズマを発生させるプラ
ズマ処理装置およびプラズマ処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置の製造工程において、
エッチングなどに用いたレジストパターンやポリマーな
どを除去するアッシング(灰化処理)工程が行なわれて
いる。そして、このアッシング工程においては、マイク
ロ波によりプラズマを発生させ、このプラズマによりこ
のレジストパターンなどを除去する技術が広く用いられ
ている。
【0003】図10は、従来アッシング工程において用
いられているプラズマ処理装置を示す断面模式図であ
る。図10を参照して、プラズマ処理装置を説明する。
【0004】図10を参照して、従来のプラズマ処理装
置は、反応処理室101と、被処理基板113を固定す
る試料台114と、灰化処理用ガスである酸素または水
蒸気を反応処理室101に導入するための導入管104
と、反応処理室101の内部の圧力を調節するための圧
力制御器106と、プラズマ118を発生させるための
マイクロ波発生器108と、マイクロ波発生器108に
おいて発生させたマイクロ波を反応処理室101に導く
ための導波管110とを備える。
【0005】反応処理室101の内部には、試料台11
4が設置されている。反応処理室101の下には、圧力
制御器106が設置されている。この圧力制御器106
により反応処理室101の内部から排出された気体は、
排気口105から外部へと放出される。また、反応処理
室101の内部の圧力は、圧力表示器107に表示され
る。導入管104は、流量制御器103a、103bと
配管102a、102bとを介して、酸素および水蒸気
の供給源に接続されている。マイクロ波発生器108と
反応処理室101とは、導波管110を介して接続され
ている。導波管110と反応処理室101との接続部に
は、石英窓111が設置されている。導波管110に
は、マイクロ波の反射波を熱として外部に拡散させるア
イソレータ109が設置されている。石英窓111の下
に位置する領域には、スリット板112が設置されてい
る。
【0006】図10に示したプラズマ処理装置におい
て、被処理基板113の表面に形成されたレジストパタ
ーンなどの被覆膜をアッシング処理する際には、まず、
試料台114に被処理基板113を固定する。反応処理
室101の内部の圧力を、圧力制御器106を用いて2
Torr程度に制御する。この際、導入管104を介し
て酸素または水蒸気を反応処理室101の内部に導入す
る。そして、マイクロ波発生器108にて発生させたマ
イクロ波を、導波管110および石英窓111を介して
反応処理室101の内部に導入する。このマイクロ波に
より、反応処理室101の内部において、酸素や水など
の灰化処理用ガスの分子を電離させることにより、酸素
ラジカルや酸素イオンなどを含むプラズマ118を形成
する。この際、スリット板112はイオン成分をトラッ
プする。そして、このスリット板112にトラップされ
なかった酸素ラジカルなどが、被処理基板113の表面
に形成されたレジストなどと反応することにより、この
被覆膜を被処理基板113から除去していた。
【0007】また、被処理基板113には、このアッシ
ング工程の前に行なわれるエッチング工程に起因する塩
素が残留している。この塩素は、被処理基板の腐食(コ
ロージョン)の原因となる。そのため、試料台114を
高温に保つことにより、被処理基板113に残留してい
る塩素を拡散させ、被処理基板113から塩素を除去し
ていた。
【0008】このようにアッシング処理を行なった後、
有機物の剥離性および無機物の除去性が強い剥離液によ
る被処理基板113の洗浄工程と、水溶液による被処理
基板113の水洗工程とを含む湿式処理を実施する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図10に示した従来の
プラズマ処理装置では、マイクロ波発生器108におい
て発生させたマイクロ波のみを用いてプラズマ118を
形成している。このため、プラズマ118の密度を十分
に高くすることができず、その結果、このプラズマ11
8の酸化力を十分大きくすることができなかった。その
ため、被処理基板113から被覆膜を十分に除去するた
めにはアッシング処理の時間を長くする必要があった。
【0010】ここで、図11は、従来のアッシング処理
を行なった後の被処理基板の表面を示す断面模式図であ
る。図11を参照して、被処理基板の表面には酸化膜1
19が形成されている。酸化膜119上にはTi−Ti
N合金膜120が所定の間隔を隔てて形成されている。
Ti−TiN合金膜120上には配線として作用するA
l−Cu合金膜121が形成されている。Al−Cu合
金膜121上にはTiNからなる反射防止膜122が形
成されている。これらの反射防止膜122とAl−Cu
合金膜121とTi−TiN合金膜120とは、アッシ
ング処理の前に行なわれるエッチング工程においてパタ
ーニングされ、図11に示すような形状となっている。
また、反射防止膜122とAl−Cu合金膜121とT
i−TiN合金膜120との側面には、エッチング処理
工程に起因して形成された有機・無機系のポリマー膜1
24a〜124hが残存している。この有機・無機系の
ポリマー膜124a〜124hは、CHCl、CCl、
AlClなどを含む。これらの有機・無機系のポリマー
膜124a〜124hは、アッシング処理による酸化で
は除去できず、湿式処理により除去する。しかし、アッ
シング処理時間が長くなることに起因してアッシング処
理中の熱などによりポリマー膜124a〜124hが硬
化・変質し、この結果、上記の湿式処理によって除去さ
れにくくなる。
【0011】このように、ポリマー膜124a〜124
hが硬化・変質した場合には、図12に示すように、ア
ッシング処理後の湿式処理において、Al−Cu合金膜
121やTi−TiN合金膜120が部分的に損傷を受
けることとなる。図12は、図11に示した被処理基板
に対して湿式処理を行なった後の状態を示す断面模式図
である。
【0012】ここで、図11に示した被処理基板に湿式
処理を行なう際、図11に示すように、配線構造の間な
ど幅の狭い溝の内部に形成されたポリマー膜124c〜
124hと、隣接した位置に配線などの構造が位置して
いない領域に形成されたポリマー膜124a、124b
との膜厚には差があるため、湿式処理を行なう際、この
ようなポリマー膜124a、124bを十分に除去しよ
うとすると、膜厚の薄いポリマー膜124c〜124h
が形成された領域においては、図12に示すように、A
l−Cu合金膜121およびTi−TiN合金膜120
などがこの湿式処理において用いられる剥離液などによ
って損傷を受ける。このようにして、サイドエッチ部1
50a〜150fおよびアンダーカット部151a〜1
51dが形成される。このようなサイドエッチ部150
a〜150fおよびアンダーカット部151a〜151
dが形成されると、配線として作用するAl−Cu合金
膜121の断面積が変化することにより配線抵抗が変動
するなど、半導体装置の電気的特性が劣化するという問
題が発生していた。
【0013】また、従来、被処理基板のエッチング工程
に起因して、被処理基板には塩素が残留していた。この
残留する塩素は、被処理基板上に形成された被覆膜など
の腐食(コロージョン)の原因となっていた。そのた
め、従来から、被処理基板の温度を上昇させ、塩素を拡
散させることにより、被処理基板からこれらの塩素を除
去していた。しかし、このような熱による拡散を利用し
た塩素の除去は完全ではなく、この塩素に起因する被処
理基板での腐食の発生を完全に防止することは困難であ
った。
【0014】また、図10を参照して、従来は、プラズ
マ118を発生させるためにマイクロ波を利用している
が、このマイクロ波の照射条件などにより、被処理基板
113に対して、プラズマ濃度が部分的に不均一になる
場合があった。このような場合には、被処理基板113
でのアッシング速度が局所的に変化することになり、被
処理基板113におけるレジスト残りなどが発生すると
いった問題が発生していた。
【0015】上記した課題のうち、プラズマの酸化力が
不足しているという課題については、紫外線とオゾンと
を利用してプラズマの酸化力を増大させ、被処理基板か
ら有機物などの除去を行なうドライ処理装置が特開平6
−84843号公報において提案されている。しかし、
上記公報において提案されたドライ処理装置において
も、被処理基板からの塩素の除去については、被処理基
板の温度を上昇させるという従来と同じ手法を用いてい
る。また、プラズマの密度の均一化という点については
何ら開示されていない。このように、上記した課題をす
べて満足するものではなかった。
【0016】本発明は、このような課題を解決するため
になされたものであり、本発明の1つの目的は、半導体
装置の製造工程において、プラズマの酸化力を向上さ
せ、かつ、プラズマ密度の均一化を図ることが可能なプ
ラズマ処理装置を得ることである。
【0017】本発明のもう1つの目的は、プラズマの酸
化力を向上させることにより、レジストなどのアッシン
グ時間を短縮すると同時に、半導体装置に付着している
塩素を有効に除去することにより、半導体装置の腐食を
防止することが可能なプラズマ処理装置を提供すること
である。
【0018】本発明のもう1つの目的は、プラズマの酸
化力を向上させ、かつ、プラズマ密度の均一化を図るこ
とが可能なプラズマ処理方法を提供することである。
【0019】本発明のもう1つの目的は、プラズマの酸
化力を向上させることにより、レジストなどのアッシン
グ時間を短縮すると同時に、被処理基板に付着している
塩素を除去することにより、被処理基板の腐食を防止す
ることが可能なプラズマ処理方法を提供することであ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の1の局面におけ
るプラズマ処理装置は、処理容器と固定台と配管とマイ
クロ波照射手段と紫外線照射手段とを備える。固定台
は、処理容器の内部で、処理される基板を保持する。配
管は、処理容器の内部に灰化処理用ガスを導入する。マ
イクロ波照射手段は、処理容器の内部において配管から
導入された灰化処理用ガスにマイクロ波を照射する。紫
外線照射手段は、処理容器の内部において、基板に対し
て異なる方向から紫外線を灰化処理用ガスに照射するこ
とが可能な複数の紫外線照射部を含む(請求項1)。
【0021】このため、基板に対して異なる方向から紫
外線を灰化処理用ガスに照射することができるので、基
板に対して任意の位置において、プラズマの生成反応を
局所的に促進することができ、その結果、この紫外線の
照射する場所を制御することにより、プラズマの密度分
布を制御することができる。この結果、プラズマの密度
分布が不均一になったような場合にも、プラズマの密度
分布を均一化させるように制御することが可能となる。
これにより、基板でのアッシング処理を均一に行なうこ
とができる。
【0022】また、灰化処理用ガスにマイクロ波のみな
らず紫外線をも照射することができるので、灰化処理用
ガスの単位量から、イオンやラジカルを含むプラズマを
より多く生成させ、プラズマ密度を高くすることができ
る。これにより、基板上に形成された被覆膜をこのプラ
ズマにより酸化して除去する場合にも、単位時間あたり
のプラズマによる被覆膜の酸化反応数を多くすることが
できる。この結果、プラズマによる被覆膜の酸化速度を
増大させ、この被覆膜を除去するアッシング反応の速度
を大きくすることができる。
【0023】また、アッシング速度を大きくすることが
できるので、所定の膜厚の被覆膜を除去するためのアッ
シング時間を従来よりも短くすることができる。
【0024】また、通常、このようなプラズマ処理装置
において処理される基板は、その前工程としてエッチン
グ処理を受けているが、このエッチング処理に起因し
て、基板の表面にはCHClなどを含むポリマー膜が形
成されている。そして、このポリマー膜が、アッシング
処理中の熱やプラズマ放電などにより、硬化・変質す
る。しかし、本発明では、上記のようにプラズマによる
被覆膜の酸化速度が向上し、アッシング時間を短くでき
るので、このようなポリマー膜の変質を抑制することが
できる。また、プラズマの酸化力が向上することによ
り、ポリマー膜の酸化が促進され、アッシング処理中に
ポリマー膜を一様に酸化することができる(湿式処理時
にポリマー膜を除去する際、ポリマー膜がまばらに除去
されることによるAl配線基板の荒れが防止できる)。
【0025】また、このアッシング処理の後、通常、基
板に残存するポリマー膜などの有機物および無機物など
を基板から除去するために、水溶液などを用いた洗浄工
程および水洗工程を含む湿式処理を行なう。しかし、本
発明ではアッシング処理におけるプラズマによる被覆膜
の酸化速度が向上することにより、基板に残存する有機
物などの量が低減するため、この湿式処理の時間を従来
よりも短縮することができる。
【0026】また、プラズマの密度を高くでき、このプ
ラズマによる基板表面での酸化反応を促進することがで
きるので、アッシング処理の際に、被覆膜が除去された
基板の表面において堅固な酸化膜を形成することができ
る。この酸化膜は、その後の湿式処理などにおいて基板
表面の構造を保護する保護膜として作用する。このよう
な酸化膜が形成されることにより、アッシング処理の後
に行なわれる湿式処理において、基板上に形成された配
線などの微細な構造が損傷を受けることを有効に防止で
きる。
【0027】また、紫外線を照射することにより、プラ
ズマの生成反応を助長するので、従来よりも処理容器の
内部を低圧とし、灰化処理用ガスの処理容器内への流量
を少なくした場合にも、十分な量のプラズマを生成させ
ることができる。このため、従来よりも処理容器の内部
の圧力を低くした状態で、安定したプラズマを得ること
ができる。
【0028】上記1の局面におけるプラズマ処理装置で
は、灰化処理用ガスがフッ素を含んでいてもよい(請求
項2)。
【0029】このため、処理される基板に、前工程のエ
ッチング工程に起因して塩素が残留しているような場合
にも、この灰化処理用ガスに含まれるフッ素と基板に残
留する塩素とが置換反応を起こすことにより、基板から
塩素を有効に除去することができる。基板に残留する塩
素は、基板における腐食(コロージョン)の原因となる
ため、このように基板から塩素を除去することにより、
基板において腐食が発生することを有効に防止できる。
【0030】この発明の他の局面におけるプラズマ処理
装置は、処理容器と固体台と配管とマイクロ波照射手段
と紫外線照射手段とを備える。固定台は、処理容器の内
部で、処理される基板を保持する。配管は、処理容器の
内部にフッ素を含む灰化処理用ガスを導入する。マイク
ロ波照射手段は、処理容器の内部において、配管から導
入された灰化処理用ガスにマイクロ波を照射する。紫外
線照射手段は、処理容器の内部において、配管から導入
された灰化処理用ガスに紫外線を照射する紫外線照射部
を含む(請求項3)。
【0031】このため、基板にアッシング処理前のエッ
チング工程などに起因して塩素が残留しているような場
合にも、この灰化処理用ガスに含まれるフッ素と基板に
残留する塩素とが置換反応を起こすことにより、基板か
らこれらの塩素を除去することができる。基板に付着し
た塩素は、基板における腐食の発生の原因となるため、
このように基板から塩素を除去することにより、基板で
の腐食の発生を有効に防止できる。
【0032】また、灰化処理用ガスにマイクロ波のみな
らず紫外線をも照射することで、灰化処理用ガスからイ
オンやオゾンを含むプラズマを生成する反応を促進させ
ることができる。これにより、プラズマの密度を向上さ
せ、このプラズマの酸化力を向上させることができる。
これにより、基板の表面に形成された被覆膜をプラズマ
により酸化することによって除去するアッシング処理を
行なう場合にも、単位時間あたりに発生する、プラズマ
による被覆膜の酸化反応数を多くすることができ、アッ
シング処理を促進させることができる。この結果、一定
量の被覆膜を除去するためのアッシング時間を短くする
ことができる。
【0033】また、通常、このようなアッシング処理を
行なう前には、基板はエッチング処理を受けているが、
このエッチング処理の際に、基板上にはCHClなどを
含むポリマー膜が形成されている。そして、このポリマ
ー膜はアッシング処理の際の熱やプラズマ放電などに起
因して、硬化・変質する。しかし、本発明では、上記の
ようにアッシング時間を短くすることができるので、こ
のようなポリマー膜の変質を抑制することができる。
【0034】また、プラズマの酸化力が向上することに
より、基板上のこのようなポリマー膜をアッシング処理
時にほぼ除去することができ、アッシング処理終了後に
基板上にこのようなポリマー膜が残存することを防止で
きる。
【0035】また、このようなアッシング処理の後、通
常、基板上に残存するポリマー膜などの有機物もしくは
無機物などを基板から除去するため、水溶液などを用い
た洗浄工程もしくは水洗工程などの湿式処理を行なう。
しかし、本発明では、上記のようにポリマー膜の変質も
なく、また、ポリマー膜をアッシング処理時にほぼ除去
することができるので、このような湿式処理の時間を従
来よりも短くすることができる。
【0036】また、プラズマの酸化力が向上することに
より、アッシング処理の際に、被覆膜を除去した後、基
板上の構造の表面に堅固な酸化膜を形成することができ
る。このような酸化膜は、アッシング処理の後の湿式処
理において、基板上の構造の保護膜として作用し、湿式
処理において基板上に形成された構造が損傷を受けるこ
とを防止できる。
【0037】また、紫外線を照射することによりプラズ
マの生成反応を促進することができるので、処理容器の
内部の圧力を従来よりも低くし、灰化処理用ガスの処理
容器の内部への流量を従来よりも小さくした場合でも、
十分な量のプラズマを発生させることができる。このた
め、処理容器の内部の圧力を従来よりも低くしても、安
定したプラズマを発生させることができる。
【0038】上記1の局面または上記他の局面における
プラズマ処理装置では、灰化処理用ガスが、フルオロホ
ルムもしくはテトラフルオロメタンを含んでいてもよい
(請求項4)。
【0039】上記1の局面もしくは上記他の局面におけ
るプラズマ処理装置では、紫外線照射部が、処理容器に
形成された窓部と、紫外線発生部と、紫外線発生部から
窓部にまで紫外線発生部において発生した紫外線を案内
するファイバーとを含んでいてもよい(請求項5)。
【0040】上記1の局面もしくは上記他の局面におけ
るプラズマ処理装置は、基板を加熱する加熱部材をさら
に備えていてもよい(請求項6)。
【0041】このため、アッシング処理の前に行なわれ
たエッチング処理などに起因する塩素が基板に残留して
いるような場合にも、基板を加熱することによりこれら
の残留塩素を拡散させ、基板から除去することができ
る。これにより、これらの塩素に起因する基板での腐食
の発生を抑制することができる。
【0042】上記1の局面もしくは上記他の局面におけ
るプラズマ処理装置では、灰化処理用ガスが、酸素と水
蒸気とオゾンとをさらに含んでいてもよい(請求項
7)。
【0043】この発明の別の局面におけるプラズマ処理
方法では、被覆膜が形成された基板を処理容器の内部に
設置する。処理容器の内部に灰化処理用ガスを導入す
る。マイクロ波を灰化処理用ガスに照射する。複数の異
なる方向から、紫外線を灰化処理用ガスに照射する。灰
化処理用ガスからプラズマを発生させる。プラズマによ
り、被覆膜を基板から除去する(請求項8)。
【0044】このため、基板に対して異なる方向から灰
化処理用ガスに紫外線を照射するので、この紫外線が照
射された領域について、プラズマの生成反応を促進する
ことができる。このため、プラズマ密度が局所的に低下
するなど、プラズマ密度が不均一となる場合にも、局所
的に紫外線を照射することにより、プラズマ密度を局所
的に向上させることにより、プラズマ密度の均一化を図
ることができる。
【0045】また、マイクロ波のみならず紫外線をも利
用して、灰化処理用ガスからイオンやラジカルなどを含
むプラズマを生成させる反応を活性化することができる
ので、従来よりも、プラズマの密度を高くすることがで
きる。このため、プラズマを用いて被覆膜を基板から除
去する際、単位時間あたりのプラズマによる被覆膜の酸
化反応数を増加させることができ、この結果、プラズマ
の酸化力を向上させることができる。これにより、一定
の膜厚の被覆膜を基板から除去するアッシング処理の時
間を短縮することができる。
【0046】また、このようなアッシング処理を受ける
基板は、通常、このアッシング処理の前にエッチング処
理を受けているが、このエッチング処理に起因して、基
板の表面にCHClなどを含むポリマー膜が形成されて
いる。このポリマー膜はアッシング処理時の熱やプラズ
マ放電などに起因して、硬化・変質する。しかし、この
ようにアッシング処理の時間を短縮することができるの
で、ポリマー膜の変質を抑制することができる。
【0047】また、プラズマの酸化力が向上しているの
で、アッシング処理の際に、基板上のポリマー膜を有効
に除去することができ、アッシング処理終了後にこのポ
リマー膜が基板に残存することを防止できる。
【0048】また、このようなアッシング処理の後、基
板に残存するポリマー膜などの有機物および無機物など
を基板から除去するため、有機物の剥離性および無機物
の除去性が比較的強い剥離液を用いた洗浄工程や水溶液
による水洗工程などの湿式処理を行なうが、上記のよう
にプラズマの酸化力が向上し、ポリマー膜がほとんど残
存していないため、この湿式処理の時間を従来よりも短
縮することができる。
【0049】また、プラズマの密度を高くでき、このプ
ラズマによる基板表面での酸化反応を促進することがで
きるので、アッシング処理の際に、被覆膜が除去された
基板の表面において堅固な酸化膜を形成することができ
る。この酸化膜は、その後の湿式処理などにおいて基板
表面の構造を保護する保護膜として作用する。このよう
な酸化膜が形成されることにより、アッシング処理の後
に行なわれる湿式処理において、基板上に形成された配
線などの微細な構造が損傷を受けることを有効に防止で
きる。
【0050】また、紫外線によりプラズマの生成反応を
促進するので、従来よりも灰化処理用ガスの処理容器内
部への流入量を低減し、処理容器の内部を低圧にした場
合にも、安定したプラズマを得ることができる。
【0051】上記別の局面におけるプラズマ処理方法で
は、灰化処理用ガスはフッ素を含んでもよい(請求項
9)。
【0052】このため、このようなアッシング処理の前
に基板がエッチング処理され、このエッチング処理に起
因して基板に塩素が残留しているような場合にも、灰化
処理用ガス中のフッ素と基板に残留する塩素とが置換反
応を起こすことにより、基板から塩素を有効に除去する
ことができる。基板に残留する塩素は、基板の腐食など
の原因となるが、このように基板から塩素を有効に除去
することにより、基板の腐食を抑制することができる。
【0053】この発明のもう1つの局面におけるプラズ
マ処理方法では、被覆膜が形成された基板を処理容器の
内部に設置する。処理容器の内部にフッ素を含む灰化処
理用ガスを導入する。マイクロ波を灰化処理用ガスに照
射する。紫外線を灰化処理用ガスに照射する。灰化処理
用ガスからプラズマを発生させる。プラズマにより、被
覆膜を基板から除去する(請求項10)。
【0054】このため、このアッシング処理の前には、
通常、基板はエッチング処理を受けるが、このエッチン
グ処理に起因して、基板に塩素が残留する場合がある。
このように基板に塩素が残留する場合には、この塩素に
起因して基板に腐食が発生する。しかし、灰化処理用ガ
スがフッ素を含むので、このフッ素と基板に残留する塩
素とが置換反応を起こすことにより、基板から塩素を有
効に除去することができる。この結果、基板に残留する
塩素に起因して基板に腐食が発生することを防止でき
る。
【0055】また、プラズマを発生させるのにマイクロ
波のみならず紫外線をも利用するので、オゾンやラジカ
ルを含むプラズマの生成反応を促進することができる。
これにより、プラズマの密度を向上させることができ
る。これにより、単位時間あたり、プラズマが被覆膜を
酸化することにより除去する反応数を増加させることが
でき、プラズマの酸化力を向上させることができる。こ
の結果、一定の膜厚の被覆膜を除去するためのプラズマ
による被覆膜の酸化反応(アッシング処理)の時間を従
来よりも短縮することができる。
【0056】また、通常、このようなアッシング処理を
受ける前に、基板はエッチング処理されるが、このエッ
チング処理の際に、基板の表面にはCHClなどを含む
ポリマー膜が形成されている。そして、このポリマー膜
は、アッシング処理の際の熱やプラズマ放電などに起因
して、硬化・変質する。このように変質したポリマー膜
は、アッシング処理などで除去することが困難となり、
アッシング処理後も残存する可能性が高い。しかし、上
記したようにアッシング処理の時間を短縮することがで
きるので、このようにポリマー膜が変質することを抑制
することができる。
【0057】また、アッシング処理の後、基板上に付着
したポリマー膜などの有機物および無機物などを基板か
ら除去するため、有機物の剥離性および無機物の除去性
が比較的強い剥離液を用いた洗浄工程や水溶液による水
洗工程などの湿式処理を行なうが、プラズマの酸化力が
向上し、アッシング処理後にポリマー膜や有機物などが
ほとんど残存しないため、この湿式処理の時間を短縮す
ることができる。
【0058】また、プラズマの密度を高くでき、このプ
ラズマによる基板表面での酸化反応を促進することがで
きるので、アッシング処理の際に、被覆膜が除去された
基板の表面において堅固な酸化膜を形成することができ
る。この酸化膜は、その後の湿式処理などにおいて基板
表面の構造を保護する保護膜として作用する。このよう
な酸化膜が形成されることにより、アッシング処理の後
に行なわれる湿式処理において、基板上に形成された配
線などの微細な構造が損傷を受けることを有効に防止で
きる。
【0059】また、紫外線を照射することにより、プラ
ズマの生成反応を促進するので、処理容器の内部に導入
する灰化処理用ガスの流量を低減し、処理容器の内部を
従来より低圧にした場合でも、十分なプラズマ密度を得
ることができる。
【0060】上記別の局面もしくは上記もう1つの局面
におけるプラズマ処理方法では、灰化処理用ガスが、フ
ルオロホルムもしくはテトラフルオロメタンを含んでい
てもよい(請求項11)。
【0061】上記別の局面もしくは上記もう1つの局面
におけるプラズマ処理方法では、基板を加熱してもよい
(請求項12)。
【0062】このように、基板を加熱することにより、
基板に残留していた塩素を熱拡散により基板から有効に
除去することができる。
【0063】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。
【0064】(実施の形態1)図1は、本発明によるプ
ラズマ処理装置の実施の形態1を示す断面模式図であ
る。図1を参照して、プラズマ処理装置を説明する。
【0065】図1を参照して、プラズマ処理装置は、反
応処理室1と、灰化処理用ガスを反応処理室1の内部に
導く導入管4と、被処理基板13を設置する試料台14
と、石英窓15と、紫外線発生器16と、マイクロ波発
生器8と、導波管10と、石英窓11と、圧力制御器6
と、圧力表示器7とを備える。導入管4は、流量制御器
3a〜3cおよび配管2a〜2cを介して、灰化処理用
ガスの供給源に接続されている。灰化処理用ガスとして
は、酸素、水蒸気およびオゾンなどの酸素原子または水
素原子を含むガスを用いる。また、この灰化処理用ガス
に窒素あるいはアルゴンを含むガスを加えてもよい。ま
た、フルオロホルム(CHF3 )、テトラフルオロメタ
ン(CF4 )を灰化処理用ガスに混入してもよい。
【0066】反応処理室1の内部には、被処理基板13
を載せる試料台14が設置されている。反応処理室1の
下には、圧力制御器6が設置され、この圧力制御器6に
より排気されたガスは排気口5を介して外部に放出され
る。圧力表示器7は反応処理室1の内部の圧力を表示す
る。また、反応処理室1の側面には、石英窓15が設置
され、紫外線発生器16は、石英窓15を介して紫外線
17を反応処理室1の内部に照射できるように設置され
ている。また、反応処理室1の上部には石英窓11が設
置されている。マイクロ波発生器8と反応処理室1と
は、導波管10を介して接続されている。マイクロ波発
生器8において発生したマイクロ波は、導波管10と石
英窓11とを介して反応処理室1の内部に照射される。
また、導波管10には、マイクロ波の反射波を熱として
外部に拡散させるアイソレータ9が設置されている。石
英窓11下に位置する領域には、イオン成分をトラップ
するためのスリット板12が設置されている。試料台1
4は、被処理基板13を加熱することが可能なヒータを
備える。
【0067】図1に示したプラズマ処理装置において
は、たとえば、マイクロ波発生器8において周波数が
2.45GHzのマイクロ波を発生させ、このマイクロ
波を導波管10と石英窓11とを介して反応処理室1の
内部に照射する。同時に、紫外線発生器16において発
生させた紫外線を、石英窓15を介して反応処理室1の
内部に照射する。そして、このマイクロ波と紫外線17
とにより、導入管4を介して反応処理室1の内部に導か
れた灰化処理用ガスから、酸素ラジカルやOH- イオン
などを含むプラズマ18を生成する。
【0068】このように、プラズマ18を生成するため
に、マイクロ波のみではなく紫外線17をも利用するの
で、灰化処理用ガスからオゾンやイオンを含むプラズマ
18の生成反応を従来より活性化することができる。こ
れにより、プラズマ18の密度を従来よりも高くするこ
とができる。その結果、プラズマ18の酸化力を向上さ
せることができ、このプラズマ18により、被処理基板
13の表面に形成されたレジストなどを酸化して除去す
るアッシング反応を促進することができる。この結果、
一定の膜厚を有する被処理基板13上のレジストなどを
除去するためのアッシング処理時間を従来よりも短くす
ることができる。
【0069】また、プラズマ18の生成反応に、マイク
ロ波のみならず紫外線17をも利用するので、灰化処理
用ガスの反応処理室1内部への流量を従来よりも小さく
し、反応処理室1内部の圧力を低下させた場合にも、十
分な密度のプラズマ18を得ることができる。このた
め、反応処理室1の内部を従来よりも低圧にして処理を
行なう場合にも、十分な密度のプラズマ18を得ること
ができ、アッシング処理を行なうことができる。
【0070】また、このようなプラズマ処理装置により
アッシング処理を行なう前、通常、被処理基板13はエ
ッチング処理を受けるが、このエッチング処理の際、被
処理基板13には塩素が残留している。この塩素は、被
処理基板13での腐食の原因となるが、灰化処理用ガス
がフッ素を含む場合には、このフッ素と被処理基板13
に残留する塩素とが置換反応を起こすことにより、被処
理基板13から塩素を有効に除去することができる。こ
れにより、被処理基板13での腐食の発生を抑制するこ
とができる。
【0071】また、試料台14を少なくとも150℃以
上に保つことにより、被処理基板13から塩素を拡散さ
せ、除去することができる。この結果、被処理基板13
での腐食の発生をより有効に抑制することができる。
【0072】なお、図1を参照して、配管2a〜2cの
いずれかにオゾン発生器を接続し、このオゾン発生器に
おいて発生させたオゾンを反応処理室1の内部に導入す
るようにしてもよい。また、試料台14の加熱温度を1
50℃以上としたが、試料台14の温度を、たとえば−
40℃から350℃程度の温度範囲で制御してもよい。
【0073】(実施の形態2)図2は、図1に示したプ
ラズマ処理装置を用いて、プラズマによるアッシング処
理を行なう場合を示す模式図である。図2を参照して、
アッシング処理について説明する。
【0074】図2を参照して、アッシング処理を受ける
被処理基板の表面には、酸化膜19とTi−TiN合金
膜20とAl−Cu合金膜21とTiNなどからなる反
射防止膜22と、レジスト23とが形成されている。被
処理基板13(図1参照)上には酸化膜19が形成され
ている。酸化膜19上には、所定の間隔を隔ててTi−
TiN合金膜20が形成されている。Ti−TiN合金
膜20上には配線として作用するAl−Cu合金膜21
が形成されている。Al−Cu合金膜21上には反射防
止膜22が形成されている。反射防止膜22上にはレジ
スト23が形成されている。
【0075】このレジスト23の膜厚は、約500Å以
上である。また、Ti−TiN合金膜20とAl−Cu
合金膜21と反射防止膜22との側面には、ポリマー膜
24a〜24hが形成されている。このポリマー膜24
a〜24hは、このアッシング処理の前に行なわれるエ
ッチング処理において形成されるものである。
【0076】また、紫外線のエネルギー25およびマイ
クロ波のエネルギー26により、酸素イオン27、酸素
ラジカル28、HO- イオン32などを含むプラズマを
生成する。この際、このプラズマの生成にマイクロ波だ
けでなく紫外線も使用することにより、酸素イオン27
や酸素ラジカル28などを含むプラズマの濃度が上昇
し、この結果、プラズマの酸化力を向上させることがで
きる。
【0077】また、このとき、試料台14(図1参照)
の温度を200℃に制御することにより、被処理基板1
3(図1参照)の酸化膜19やAl−Cu合金膜21も
しくはポリマー膜24a〜24h中に残留する塩素を熱
拡散により被処理基板13から除去することができる。
また、プラズマの酸化力が向上することにより、塩素を
酸化することでClO31として被処理基板13から除
去することもできる。
【0078】また、プラズマの生成に紫外線も利用する
ことにより、プラズマの生成反応を促進できるので、灰
化処理用ガスの流量を少なくし、反応処理室1(図1参
照)の内部の圧力を低くした場合でも、安定して酸素イ
オン27、酸素ラジカル28およびHO- イオン32な
どを含むプラズマを形成することができる。
【0079】また、プラズマの酸化力が向上するため、
レジスト23を除去するためのアッシング処理の時間を
従来より短くすることができる。そのため、ポリマー膜
24が、このアッシング処理時の熱やプラズマ放電など
に起因して硬化・変質することを防止できる。
【0080】また、プラズマの酸化力が向上するので、
このアッシング処理において、ポリマー膜24a〜24
hをもほぼ除去することができる。
【0081】また、このアッシング処理の際、酸化膜1
9とTi−TiN合金膜20とAl−Cu合金膜21と
反射防止膜22との上には、全面を覆うように酸化膜3
3(図3参照)が形成される。通常、このアッシング処
理の後、被処理基板13の表面に残存する有機物および
無機物などを除去するため、有機物の剥離性および無機
物の除去性が比較的強い剥離液を用いた洗浄工程と水溶
液による水洗工程とを含む湿式処理を行なう。この湿式
処理を行なった後の被処理基板13の表面を、図3に示
す。図3は、湿式処理を行なった後の被処理基板を示す
断面模式図である。
【0082】図3を参照して、図2に示したアッシング
処理に続き、湿式処理を行なった後の被処理基板は、基
本的には図3に示した被処理基板と同様の構造を備え
る。しかし、被処理基板の表面からはレジスト23(図
2参照)とポリマー膜24a〜24h(図2参照)とが
完全に除去され、全体を覆うように、酸化膜33が形成
されている。このレジスト23とポリマー膜24a〜2
4hとは、図2に示したアッシング処理においてほぼす
べて除去され、その後、酸化膜33がアッシング処理に
おけるプラズマの酸化によって形成されている。このよ
うに、アッシング処理において、処理基板の表面に保護
膜として作用する酸化膜33が形成されるので、従来の
ように湿式処理において被処理基板のAl−Cu合金膜
21やTi−TiN合金膜20などが損傷を受けること
を防止できる。このため、半導体装置を微細化した場合
にも、アッシング処理の前に行なわれるエッチング工程
において形成された微細な加工形状が、湿式処理などに
起因して損傷を受けることを防止でき、微細な形状の構
造を有する半導体装置を得ることができる。
【0083】また、アッシング処理において、プラズマ
の酸化力が向上しているので、アッシング処理後に被処
理基板に残留する有機物などを少なくでき、その結果、
湿式処理の時間を短くすることができる。
【0084】また、アッシング処理におけるプラズマの
酸化力が向上しているので、アッシング処理および湿式
処理後にポリマー膜24a〜24h(図2参照)が被処
理基板13上に残存していることもない。
【0085】なお、上記した湿式処理において、有機物
の剥離性および無機物の除去性が比較的強い剥離液によ
る洗浄工程および水溶液による水洗工程を使用したが、
他の工程を用いてもよい。
【0086】また、被処理基板としては、図2および3
に示したもの以外にも、アルミニウムなどの他の配線構
造を備える基板や他の半導体製品となる基板に対してこ
の発明を適用しても、同様の効果を得ることができる。
【0087】(実施の形態3)図4は、本発明によるプ
ラズマ処理方法の実施の形態3におけるCO発光強度と
紫外線の照射強度との関係を示すグラフである。以下、
図4を参照してグラフについて説明する。
【0088】図4を参照して、プラズマ処理方法は、図
1に示した本発明の実施の形態1によるプラズマ処理装
置を用いて行なった。アッシング処理の条件としては、
酸素と水蒸気との流量比を10対1とし、マイクロ波の
周波数を2.45GHz、試料台の加熱温度を200℃
とした。そして、紫外線の照射強度を変化させた場合
の、CO発光強度を測定した。ここで、CO発光強度と
は、反応処理室1(図1参照)の内部に存在するCOの
存在量を示すデータであり、CO発光強度が高いほど、
反応処理室1の内部にCOが多く存在することを示す。
そして、COは、プラズマ中の酸素ラジカルなどとレジ
スト23(図2参照)中の炭素とが反応して形成される
ため、結果として、COの存在量は、レジスト23が酸
化され除去された程度を示す。
【0089】図4に示すように、紫外線の照射強度を大
きくするほど、CO発光強度が大きくなっていることが
わかる。
【0090】図5は、本発明のプラズマ処理方法の実施
の形態3における紫外線の照射強度とフォトレジストア
ッシング速度との関係を示すグラフである。図5に示し
たグラフのデータを測定した際のアッシング処理条件
は、図4に示した紫外線の照射強度とCO発光強度との
関係を示すグラフに示したデータを測定した際のアッシ
ング処理条件と同様である。
【0091】図5に示すように、紫外線の照射強度を上
げるほど、フォトレジストアッシング速度が向上してい
ることがわかる。
【0092】なお、ここでは試料台の加熱温度を200
℃としたが、少なくとも150℃から300℃の加熱温
度の範囲内で同様の効果を得ることができる。
【0093】また、マイクロ波の周波数として2.45
GHzという値を用いているが、他の比較的高い周波数
を有する高周波であれば同様の効果を得ることができ
る。
【0094】また、この実施の形態3においては、図2
および3に示したような構造を有する被処理基板を用い
ているが、他の構造を有する被処理基板に対しても同様
の効果を得ることができる。
【0095】図6は、本発明のプラズマ処理方法の実施
の形態3の変形例における、紫外線の照射強度とフォト
レジストアッシング速度との関係を示すグラフである。
図6を参照して、この変形例におけるアッシング処理条
件は、基本的には図5に示したグラフのデータを測定し
た際のアッシング処理条件と同様である。しかし、図6
に示す変形例での灰化処理用ガスは、酸素と水蒸気とオ
ゾンとの混合ガスであり、その流量比は酸素:水蒸気:
オゾン=10:1:1である。なお、オゾンの濃度は5
%である。
【0096】図6に示すように、この変形例において
も、紫外線の照射強度を大きくすればフォトレジストア
ッシング速度を大きくすることができる。
【0097】(実施の形態4)図7は、本発明によるプ
ラズマ処理装置の実施の形態4を示す断面模式図であ
る。図7を参照して、プラズマ処理装置を説明する。
【0098】図7を参照して、プラズマ処理装置は、基
本的には図1に示した本発明の実施の形態1によるプラ
ズマ処理装置と同様の構造を備える。ただし、この図7
に示したプラズマ処理装置では、反応処理室1上に紫外
線発生器16を設置し、石英窓11を介して紫外線17
を反応処理室1の内部に照射している。
【0099】このため、このプラズマ処理装置では、図
1に示した本発明の実施の形態1におけるプラズマ処理
装置によって得られる効果と同様の効果を得ることがで
きる。
【0100】また、アッシング処理の際、酸化されたレ
ジストなどの成分が異物となって石英窓11に付着する
場合があるが、このような場合にも、紫外線17を石英
窓11を介して反応処理室1に照射しているので、紫外
線17に起因して石英窓11の近傍において発生するオ
ゾンによる異物の酸化反応や紫外線が直接異物に作用す
ることにより、石英窓11に付着した異物を有効に除去
することができる。このため、石英窓11に異物が付着
し、マイクロ波が反応処理室1の内部に照射される際の
効率が落ちることを防止できる。
【0101】(実施の形態5)図8は、本発明によるプ
ラズマ処理装置の実施の形態5を示す断面模式図であ
る。図8を参照して、プラズマ処理装置を説明する。
【0102】図8を参照して、プラズマ処理装置は、基
本的には図1に示した本発明の実施の形態1によるプラ
ズマ処理装置と同様の構造を備える。ただし、この図8
に示したプラズマ処理装置は、反応処理室1に、被処理
基板13に対して異なる複数の方向から紫外線17a、
17bを照射することができるようになっている。ここ
で、線分100−100における平面模式図を図9に示
す。
【0103】図9は、図8における線分100−100
における平面模式図である。図9を参照して、反応処理
室1の側壁には複数の石英窓15a〜15hが設置され
ている。また、石英窓15a〜15hには、紫外線発生
器16a,16b(図8参照)で発生させた紫外線を反
応処理室1の内部に照射するためのファイバー34a〜
34hが設置されている。また、紫外線17a〜17h
の照射のON/OFFを任意に切換えることができるよ
うになっている。
【0104】このため、被処理基板13に対して、プラ
ズマ18(図8参照)の密度が局所的に変動した場合に
も、プラズマ18に対して任意の方向から紫外線17a
〜17hを照射することができるので、プラズマ密度を
局所的に制御することができる。この結果、プラズマ1
8の密度分布を均一になるように制御することが可能と
なる。この結果、被処理基板13でのアッシング処理の
速度を、被処理基板13の全面において制御し、均一化
することが可能となる。
【0105】なお、この図8および9に示した本発明の
実施の形態5によるプラズマ処理装置では、紫外線の照
射方向を8方向としたが、少なくとも異なる2方向以上
から紫外線を照射するようにすれば、同様の効果を得る
ことができる。
【0106】また、図8を参照して、紫外線17a、1
7eを照射する石英窓15a、15eの位置を、被処理
基板13のなるべく近い位置になるようにすれば、被処
理基板13に近い領域において、紫外線17a、17e
によりプラズマの生成反応を起こすことができ、よりプ
ラズマの酸化力を向上させる効果を大きくすることがで
きる。また、同時に、アッシング処理の速度を制御する
際の制御性もより向上させることができる。
【0107】また、被処理基板13に紫外線17a、1
7eを直接照射できるようにすれば、被処理基板13表
面に付着する異物をこの紫外線との反応により除去する
効果を得ることもできる。
【0108】また、灰化処理用ガスとして、本発明の実
施の形態1と同様のガスを用いてもよく、この場合に
も、本発明の実施の形態1と同様の効果を得ることがで
きる。
【0109】なお、今回開示された実施の形態は全ての
点で例示であって、制限的なものではないと考えられる
べきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではな
くて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と
均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれるこ
とが意図される。
【0110】
【発明の効果】以上のように、請求項1〜12に記載の
発明によれば、プラズマの酸化力を向上させ、かつ、プ
ラズマ密度の均一化を図ることが可能であり、また、プ
ラズマの酸化力を向上させることにより、レジストなど
のアッシング時間を短縮すると同時に、被処理基板に付
着している塩素を除去することにより、被処理基板の腐
食を防止することが可能なプラズマ処理装置およびプラ
ズマ処理方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるプラズマ処理装置の実施の形態
1を示す断面模式図である。
【図2】 図1に示したプラズマ処理装置を用いて、プ
ラズマによるアッシング処理を行なう場合を説明するた
めの模式図である。
【図3】 湿式処理を行なった後の被処理基板の表面を
説明するための断面模式図である。
【図4】 本発明によるプラズマ処理方法の実施の形態
3における紫外線の照射強度とCO発光強度との関係を
示すグラフである。
【図5】 本発明によるプラズマ処理方法の実施の形態
3における紫外線の照射強度とフォトレジストアッシン
グ速度との関係を示すグラフである。
【図6】 本発明によるプラズマ処理方法の実施の形態
3の変形例における紫外線の照射強度とフォトレジスト
アッシング速度との関係を示すグラフである。
【図7】 本発明によるプラズマ処理装置の実施の形態
4を示す断面模式図である。
【図8】 本発明によるプラズマ処理装置の実施の形態
5を示す断面模式図である。
【図9】 図8における線分100−100での平面模
式図である。
【図10】 従来のプラズマ処理装置を示す断面模式図
である。
【図11】 従来のアッシング処理を行なった後の被処
理基板の表面を示す断面模式図である。
【図12】 従来の湿式処理を行なった後の被処理基板
の表面を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1 反応処理室、2a〜2c 配管、3a〜3c 流量
制御器、4 導入管、5 排気口、6 圧力制御器、7
圧力表示器、8 マイクロ波発生器、9 アイソレー
タ、10 導波管、11,15,15a〜15h 石英
窓、12 スリット板、13 被処理基板、14 試料
台、16,16a,16b 紫外線発生器、17 紫外
線、18 プラズマ、19,33 酸化膜、20 Ti
−TiN合金膜、21 Al−Cu合金膜、22 反射
防止膜、23 レジスト、24a〜24h ポリマー
膜、25 紫外線のエネルギー、26 マイクロ波のエ
ネルギー、27 酸素イオン、28 酸素ラジカル、3
0 CO、31 ClO、32 HO- イオン、34a
〜34h ファイバー。
フロントページの続き Fターム(参考) 5F004 AA09 BA20 BB02 BB14 BB26 BC08 BD01 CA02 CA04 CB02 DA00 DA01 DA16 DA26 DA27 DB00 DB26 5F046 MA12 MA17

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理容器と、 前記処理容器の内部で、処理される基板を保持する固定
    台と、 前記処理容器の内部に灰化処理用ガスを導入する配管
    と、 前記処理容器の内部において、前記配管から導入された
    前記灰化処理用ガスにマイクロ波を照射するマイクロ波
    照射手段と、 前記処理容器の内部において、前記基板に対して異なる
    方向から紫外線を前記灰化処理用ガスに照射することが
    可能な複数の紫外線照射部を含む紫外線照射手段とを備
    える、プラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 前記灰化処理用ガスはフッ素を含む、請
    求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 処理容器と、 前記処理容器の内部で、処理される基板を保持する固定
    台と、 前記処理容器の内部にフッ素を含む灰化処理用ガスを導
    入する配管と、 前記処理容器の内部において、前記配管から導入された
    前記灰化処理用ガスにマイクロ波を照射するマイクロ波
    照射手段と、 前記処理容器の内部において、前記配管から導入された
    前記灰化処理用ガスに紫外線を照射する紫外線照射部を
    含む紫外線照射手段とを備える、プラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】 前記灰化処理用ガスは、フルオロホルム
    もしくはテトラフルオロメタンを含む、請求項1〜3の
    いずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】 前記紫外線照射部は、 前記処理容器に形成された窓部と、 紫外線発生部と、 前記紫外線発生部から前記窓部にまで前記紫外線発生部
    において発生した紫外線を案内するファイバーとを含
    む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラズマ処理
    装置。
  6. 【請求項6】 前記基板を加熱する加熱部材をさらに備
    える、請求項1〜5のいずれか1項に記載のプラズマ処
    理装置。
  7. 【請求項7】 前記灰化処理用ガスが、酸素と水蒸気と
    オゾンとを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の
    プラズマ処理装置。
  8. 【請求項8】 被覆膜が形成された基板を処理容器の内
    部に設置する工程と、 前記処理容器の内部に灰化処理用ガスを導入する工程
    と、 マイクロ波を前記灰化処理用ガスに照射する工程と、 前記基板に対して複数の異なる方向から、紫外線を前記
    灰化処理用ガスに照射する工程と、 前記灰化処理用ガスからプラズマを発生させる工程と、 前記プラズマにより、前記被覆膜を前記基板から除去す
    る工程とを備える、プラズマ処理方法。
  9. 【請求項9】 前記灰化処理用ガスはフッ素を含む、請
    求項8に記載のプラズマ処理方法。
  10. 【請求項10】 被覆膜が形成された基板を処理容器の
    内部に設置する工程と、 前記処理容器の内部にフッ素を含む灰化処理用ガスを導
    入する工程と、 マイクロ波を前記灰化処理用ガスに照射する工程と、 紫外線を前記灰化処理用ガスに照射する工程と、 前記灰化処理用ガスからプラズマを発生させる工程と、 前記プラズマにより、前記被覆膜を前記基板から除去す
    る工程とを備える、プラズマ処理方法。
  11. 【請求項11】 前記灰化処理用ガスは、フルオロホル
    ムもしくはテトラフルオロメタンを含む、請求項8〜1
    0のいずれか1項に記載のプラズマ処理方法。
  12. 【請求項12】 前記基板を加熱する工程をさらに備え
    る、請求項8〜11のいずれか1項に記載のプラズマ処
    理方法。
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