JP2000012093A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池

Info

Publication number
JP2000012093A
JP2000012093A JP10179968A JP17996898A JP2000012093A JP 2000012093 A JP2000012093 A JP 2000012093A JP 10179968 A JP10179968 A JP 10179968A JP 17996898 A JP17996898 A JP 17996898A JP 2000012093 A JP2000012093 A JP 2000012093A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
separator
electrode
negative electrode
positive electrode
aqueous electrolyte
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10179968A
Other languages
English (en)
Inventor
Fusaji Kita
房次 喜多
Yuki Ishikawa
祐樹 石川
Kazunobu Matsumoto
和伸 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Maxell Ltd filed Critical Hitachi Maxell Ltd
Priority to JP10179968A priority Critical patent/JP2000012093A/ja
Publication of JP2000012093A publication Critical patent/JP2000012093A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Cell Separators (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極体上下部でのデンドライト状リチウムの
析出がみられず、高容量で安全性およびサイクル特性に
すぐれ、また量産化可能で低コストな非水電解液二次電
池を提供することを目的とする。 【解決手段】 正極1と負極2とを両者間に微孔性フイ
ルムからなるセパレ―タ3を介して積層して用いる非水
電解液二次電池において、セパレ―タ3の上下両端が正
極1および負極2より上下にはみ出しており、かつこの
はみ出し部分3aと正極1および負極2に接触する接触
部分3bとの境界3cないしその近傍の微孔の一部また
は全部が閉孔されているとともに、正極1と負極2の上
下方向の長さの差が1mm以下であることを特徴とする非
水電解液二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解液二次電
池、さらに詳しくは、高容量で安全性およびサイクル特
性にすぐれる非水電解液二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】負極としてリチウムやリチウム合金、炭
素材料のようなリチウムイオンのド―プ・脱ド―プが可
能な物質を使用し、正極としてリチウムコバルト複合酸
化物などのリチウム複合酸化物を使用した非水電解液二
次電池は、電池電圧が高く、高いエネルギ―密度を有す
るという特徴がある。このため、この種の二次電池は、
近年、ビデオ・カメラやラツプトツプ・パソコンなどの
消費電流の比較的大きな携帯用電子機器の供給電源とし
て、利用されている。
【0003】ところで、電池を消費電流の大きな電子機
器の供給電源として用いる場合は、電極形式として積層
電極または捲回電極体形式とするのが望ましい。たとえ
ば、捲回電極体は、帯状正極と帯状負極とを両者間にセ
パレ―タを介して渦巻き状に捲回することにより作製さ
れ、このものは、電極面積が広くとれ、耐重負荷放電に
耐えうるという特徴がある。しかし、このような電極体
は、セパレ―タの幅と帯状正極および帯状負極の幅とを
同一にすると、作製過程で上記正極および負極が高さ方
向にずれたとき、上記正極および負極の一部がセパレ―
タよりはみ出して互いに接触し、内部短絡を誘発するお
それがある。
【0004】このため、通常は、セパレ―タとして帯状
正極や帯状負極よりも幅が2mm以上大きいものを用い
て、積層体を捲回した状態において、セパレ―タの上下
両端が上記正極および負極よりも上下にはみ出すような
構成とし、これによつて、上記正極および負極が上下に
幾分ずれても、セパレ―タを越えて接触するという不具
合が生じないように、余裕をもつた設計としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにセ
パレ―タの上下両端が帯状正極および帯状負極より上下
にはみ出すような設計としても、これだけでは、二次電
池用充電装置が故障を起こして、二次電池が過充電状態
となつたとき、上記正極および負極とセパレ―タとの間
に上下方向に隙間があるために、電極体の上下部にデン
ドライト状のリチウムが堆積し、内部短絡を誘発するお
それがあつた。
【0006】また、セパレ―タにおける正負両極に接触
する接触部分は、捲回圧力の加わつた圧力部を構成して
いるのに対し、セパレ―タの上下両端のはみ出し部分
は、上記圧力がほとんどかからない非圧力部を構成して
おり、過充電の場合、両部分の境界(電極エツジ部)な
いしその近傍において、とくにデンドライトが生じやす
い。このため、通常は、電池が過充電状態にならないよ
うに、安全回路などを用いて対策しているのが実状であ
る。さらに、このように電極体の上下に堆積したデンド
ライト状リチウムは、その多くが負極から遊離して、充
放電に寄与しなくなるため、サイクル寿命の実質的な低
下につながる。
【0007】この問題に対し、撥液性のセパレ―タの一
部の面に保液性を与える界面活性剤を塗布する方法(特
開平2−281574号公報)、セパレ―タのはみ出し
部分を加熱成形する方法(特開平7−153488号公
報)などが提案されている。しかし、これらの方法は、
工程が複雑で量産化が困難であり、コスト高の要因とな
る。また、上記後者の方法は、電極内部のセパレ―タま
では熱が届きにくく、接触部分(圧力部)とはみ出し部
分(非圧力部)の境界ないしその近傍でのデンドライト
の発生阻止には、効果が不十分である。
【0008】また、このような現状を改善するため、帯
状正極の幅を帯状負極の幅に比べて2mm程度小さくし
て、積層体を捲回した状態において、正極の上下方向の
長さが負極の上下方向の長さよりも2mm程度小さくなる
ようにし、これにより、充電時に負極エツジ部にリチウ
ムが析出するのを抑制する試みもある。しかしながら、
このように正負両極の上下方向の長さに差異をもたせる
方式では、正極が小さくなるぶん、電池容量が低下する
欠点を免れない。
【0009】本発明は、このような事情に照らし、電極
体上下部でのデンドライト状リチウムの析出がみられ
ず、高容量で安全性およびサイクル特性にすぐれ、また
量産化可能で低コストな非水電解液二次電池を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的に対する鋭意検討の過程において、セパレ―タとして
特定の微孔性フイルムを用い、これを帯状正極と帯状負
極との間に介装した電極積層体を筒状電池内に装填し、
これに非水電解液を注入したときに、セパレ―タの上下
両端のはみ出し部分と正負両極に接触する接触部分との
間で、非水電解液の浸透による収縮応力差が生じて、両
部分の境界ないしその近傍において、セパレ―タを構成
する微孔性フイルムの微孔の少なくとも一部が閉孔され
たような状態となり、このような閉孔状態にすると、帯
状正極の幅と帯状負極の幅を電池容量の低下をきたさな
いほぼ同等に設定したときでも、デンドライト状リチウ
ムの析出,堆積の阻止に好結果が得られることを見い出
した。
【0011】また、上記状態に加えて、上下両端のはみ
出し部分が筒状電池の内周側に曲折したような端部構造
となり、これが正負両極の短絡防止にさらに好結果を与
え、しかも熱履歴を受けることなく、電解液の浸透作用
だけで上記微孔の閉孔さらには内周側への曲折が起こる
ため、電池作製の工程が簡単で量産化が可能であり、ま
た低コスト化にも寄与する、高容量で安全性およびサイ
クル特性にすぐれた非水電解液二次電池が得られること
を知り、本発明を完成するに至つた。
【0012】すなわち、本発明は、正極と負極とを両者
間に微孔性フイルムからなるセパレ―タを介して積層し
て用いる非水電解液二次電池において、セパレ―タの上
下両端が正極および負極より上下にはみ出しており、か
つこのはみ出し部分と正極および負極に接触する接触部
分との境界ないしその近傍の微孔の一部または全部が閉
孔されているとともに、正極と負極の上下方向の長さの
差が1mm以下であることを特徴とする非水電解液二次電
池(請求項1)に係るものである。
【0013】また、本発明は、上記構成の非水電解液二
次電池において、上記のセパレ―タが、BET孔径が
0.05〜0.11μm、非水電解液収縮率が0.3〜
5%の微孔性フイルムからなり、上下両端のはみ出し部
分が内周側へ曲折されている非水電解液二次電池(請求
項2)、また上記のセパレ―タが、その上下両端のはみ
出し部分と正極および負極に接触する接触部分との境界
ないしその近傍の平均孔径が、上記接触部分の平均孔径
の30%以下である非水電解液二次電池(請求項3)、
さらに上記の正極と負極とをセパレ―タを介して積層し
てなる電極積層体の単位体積当りの容量が140mAh
/cm3 以上である非水電解液二次電池(請求項4)に係
るものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参考にして説明する。図1は、本発明の円筒型の非
水電解液二次電池の一例を示したものである。図におい
て、1は帯状正極、2は帯状負極であり、この両極1,
2を両者間に微孔性フイルムからなるセパレ―タ3を介
して積層して、渦巻状に捲回し、この電極積層体を負極
端子を兼ねるステンレス鋼製の有底円筒状の電池ケ―ス
4内に装填し、これに非水電解液を注入した構成となつ
ている。
【0015】なお、図中、5,6は電池ケ―ス4の底部
および電極積層体上部に配置された絶縁体、7は環状パ
ツキングである。8は封口体であり、内部にPTC素
子、セ―フテイベント、電流遮断機構を備えている。
【0016】帯状正極1としては、たとえば、リチウム
コバルト酸化物、リチウムニツケル酸化物、LiMn2
4 、二酸化マンガン、五酸化バナジウム、クロム酸化
物などの金属酸化物、二硫化モリブデンなどの金属硫化
物が正極活物質として用いられ、これらの正極活物質に
導電助剤やポリテトラフルオロエチレンなどの結着剤な
どを適宜添加した正極合剤を、アルミ箔などの集電材料
を芯材として帯状成形体に仕上げたものが用いられる。
なお、上記の正極活物質の中でも、4V以上の放電電圧
が得られるリチウムコバルト酸化物、リチウムニツケル
酸化物、LiMn2 4 、これらを主構成成分としてこ
れをさらに改良した材料(たとえばLiNi0.7 Co
0.2 Al0.1 2 など)が、とくに好ましく用いられ
る。
【0017】帯状負極2としては、アルカリ金属または
アルカリ金属を含む化合物を銅箔などの集電材料を芯材
として帯状電極に仕上げたものが用いられる。上記のア
ルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム
などが挙げられる。また、上記のアルカリ金属を含む化
合物としては、たとえば、アルカリ金属とアルミニウ
ム、鉛、インジウム、カリウム、カドミウム、スズ、マ
グネシウムなどとの合金や、アルカリ金属と炭素材料と
の化合物、低電位のアルカリ金属と金属酸化物、硫化物
との化合物などが挙げられる。
【0018】帯状負極2としては、上記のほか、良好な
サイクル特性が得られやすい炭素材料を用いてもよい。
炭素材料は、リチウムイオンをド―プ、脱ド―プできる
ものであればよく、たとえば、黒鉛、熱分解炭素類、コ
―クス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成
体、メソカ―ボンマイクロビ―ズ、炭素繊維、活性炭な
どがある。この炭素材料は、(002)面の面間距離d
002 が3.5Å以下、好ましくは3.45Å以下、より
好ましくは3.4Å以下であるのがよい。また、C軸方
向の結晶子の大きさLcが30Å以上、好ましくは80
Å以上、より好ましくは250Å以上であるのがよい。
さらに、平均粒径は8〜15μm、とくに10〜13μ
mが好ましく、純度は99.9%以上であるのが好まし
い。
【0019】セパレ―タ3は、BET孔径が0.05〜
0.11μm、好ましくは0.06〜0.08μmで、
非水電解液収縮率が0.3〜5%の微孔性フイルムから
構成されている。BET孔径が0.05μm以上となる
と、孔径が適度に大きくて電池での分極が小さくなり、
負極でのリチウム析出が起こりにくくなり、0.11μ
m以下となると、孔径が適度に小さくて閉孔が起こりや
すく、孔内部でのデンドライトリチウムの成長を抑制で
きる。また、非水電解液収縮率が0.3%以上となる
と、収縮応力差が適度に生じて円筒内周側への曲折性が
増し、5%以下となると、極端な収縮が起きにくく、上
下両端のはみ出し高さが小さくても、内部短絡防止の安
定性に好結果を得ることができる。
【0020】なお、BET孔径とは、セパレ―タの表面
積をBET1点法にて求め、細孔をすべて同一径の円筒
状細孔と仮定して、つぎの式; D=4V/S (式中、DはBET孔径、Vは試料細孔容積、Sは試料
表面積である)により算出したものである。測定装置
は、フロ―ソ―プ‖2300形(島津製作所社製)を使
用できる。上記の式において、Vは、つぎの式; V={(w/d)/(1−ε/100)}×(ε/10
0) (式中、wは試料重量、dは試料真密度、εは気孔率で
ある)により算出することができる。また、非水電解液
収縮率とは、23〜25℃の非水電解液中にセパレ―タ
を浸漬し、20時間放置後の寸法変化を収縮前の寸法に
対する百分率で表したものである。
【0021】このようなセパレ―タ3としては、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリブチレンなどのポリオレ
フイン系樹脂、ナイロン、セルロ―スアセテ―ト、ポリ
アクリロニトリルなどよりなる微多孔性フイルムが用い
られる。この微多孔性フイルムは、上記の樹脂を主材と
してこれに必要により老化防止剤、充填剤、着色剤、帯
電防止剤などの添加剤を含ませた成形材料をフイルム状
に溶融押出したのち、延伸多孔質化し、さらにエ―ジン
グする、とくに延伸方向に熱収縮させて寸法安定性を付
与するなどの方法により、作製することができる。この
微多孔性フイルムは、単層構造だけでなく、多層構造と
されていてもよく、厚さは、全厚が15〜45μm、と
くに15〜28μmであるのが望ましい。
【0022】本発明においては、上記の帯状正極1と帯
状負極2とを、上記の微孔性フイルムからなるセパレ―
タ3を介して積層して、渦巻状に捲回し、この電極積層
体を電池ケ―ス4内に装填するが、その際、帯状正極1
の幅と帯状負極2の幅を同じにするか、帯状正極1の幅
が帯状負極2の幅より小さいが、その差が1mm以下、と
くに0.5mm以下となるように設定しておくことによ
り、電池ケ―ス4内に装填した状態において、両極1,
2の上下方向の長さの差が1mm以下、好ましくは0.5
mm以下、より好ましく0mmとなるようにする。
【0023】こうすることにより、電池の高容量化がは
かられ、たとえば、従来構成として帯状正極1の幅が4
8mm、帯状負極2の幅が50mmであつたものを、両極
1,2の幅をともに50mmに設定することにより、電池
容量を約4%程度増加できる。このように高容量化をは
かれる上記電極積層体の単位体積当りの実際の容量とし
ては、通常140mAh/cm3 以上、好ましくは150
mAh/cm3 以上、より好ましくは155mAh/cm3
以上であるのがよい。
【0024】なお、上記の電極積層体の体積は、正極
1、負極2、セパレ―タ3の見掛けのかさ体積を加えた
ものであり、渦巻状に捲回したときの中空部などは含ま
ない。この電極積層体の単位体積あたりの容量は、通常
充電後(1Cレ―ト20℃)の放電容量(同一条件で
2.75Vまで放電)を上記電極積層体の体積で割つた
ものである。
【0025】また、本発明においては、上記の電極積層
体を電池ケ―ス4内に装填するにあたり、セパレ―タ3
の幅を、帯状正極1の幅はもちろん、帯状負極2の幅よ
りも大きく、たとえば帯状負極2の幅よりも2mm以上大
きく設定することにより、図2の拡大図に示すように、
セパレ―タ3における上下両端が正負両極1,2より上
下にはみ出して、はみ出し部分3aが生じるようにす
る。なお、上記の電極積層体は、電池内に装填したとき
の電極面中央部の捲回圧力が1Kg/cm2 以上となるよう
にするのが望ましく、このようにすると、帯状正極1、
帯状負極2およびセパレ―タ3間に隙間ができにくくな
り、セパレ―タ3に生じさせる収縮応力差を安定性よく
起こさせることができる。
【0026】このように装填したのち、非水電解液を注
入して、上記電極積層体に浸透させると、微孔性フイル
ムからなるセパレ―タ3は、帯状正極1および帯状負極
2に接触する接触部分3b(圧力部)と、上記のはみ出
し部分3a(非圧力部)との収縮応力差により、上記両
部分3a,3bの境界(電極エツジ部)3cないしその
近傍において、微孔の一部または全部が閉孔する。つま
り、目詰まりしたり、孔径が小さくなる。また、これに
伴い、セパレ―タ3の上記境界3cないしその近傍が僅
かに収縮して、はみ出し部分3aは円筒内周側へ自ら曲
折し、正負両極1,2とセパレ―タ3間の上下方向の隙
間を閉じる。
【0027】このセパレ―タ3において、上記の境界3
cないしその近傍の平均孔径としては、正負両極1,2
に接触する接触部分3bの平均孔径の30%以下、好ま
しくは20%以下となつているのがよい。非水電解液の
浸透による上記作用だけではこのような平均孔径が得ら
れないときは、必要により、上記の充填を行う前に、は
み出し部分3aに対して、真空乾燥機や恒温槽による8
0℃から100℃までの低温熱処理や、ヒ―トガンなど
による熱風処理を行つて、目詰まりの程度を適宜調整す
るようにしてもよい。とくに低温熱処理は、ヒ―トガン
などに比べて、均一にセパレ―タの目詰まりが起こりや
すく、望ましい。
【0028】これらの作用により、正負両極1,2の上
下方向の長さの差を高容量化のために前記1mm以下とし
ても、上記境界3cないしその近傍でのデンドライト状
リチウムの成長による短絡が抑制され、また電解液が存
在しにくくなることにより、デンドライト状リチウムが
セパレ―タに保持されている液中を成長しながら進み、
電極上下端部に堆積することが阻止される。その結果、
デンドライト状リチウムの堆積がもたらす内部短絡ブリ
ツジの形成が防がれ、また充放電に寄与しうるリチウム
イオン量の減少が防がれ、結局、煩雑な工程を要するこ
となく、高容量で安全性およびサイクル特性にすぐれ、
しかも量産化可能で低コストである実用性にすぐれた非
水電解液二次電池が得られることになる。
【0029】上記の非水電解液としては、たとえば、リ
チウム塩を電解質とし、これを有機溶媒に溶解した電解
液が用いられる。有機溶媒としては、とくに限定され
ず、たとえば、プロピレンカ―ボネ―ト、エチレンカ―
ボネ―ト、ブチレンカ―ボネ―ト、γ−ブチロラクト
ン、γ−バレロラクトン、ジメチルカ―ボネ―ト、プロ
ピオン酸メチル、酢酸ブチルなどのエステル類、アセト
ニトリルなどのニトリル類、1,2−ジメトキシエタ
ン、1,2−ジメトキシメタン、ジメトキシプロパン、
1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチ
ルテトラヒドロフラン、4−メチル−1,3−ジオキソ
ランなどのエ―テル類、スルフオランなどの1種または
2種以上の混合溶媒を使用することができる。
【0030】また、電解質としては、たとえば、LiC
lO4 、LiPF6 、LiBF4 、LiAsF6 、Li
SbF6 、LiCF3 SO3 、LiC4 9 SO3 、L
iCF3 CO2 、Li2 2 4 (SO3 2 、LiN
(CF3 SO2 2 、LiN(C2 5 SO2 2 、L
iN(CF3 SO2 )(C4 9 SO2 )、 LiN
〔(CF3 2 CHOSO2 2 、LiC(CF3 SO
2 3 、LiCn 2n+1SO3 (n≧2)などの1種ま
たは2種以上の混合物が用いられる。非水電解液中の電
解質の濃度は、とくに限定されないが、通常は、0.3
〜1.7モル/リツトル、とくに0.4〜1.5モル/
リツトルであるのが好ましい。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例を記載して、より具体
的に説明する。
【0032】実施例1 LiCoO2 に導電助剤としてリン状黒鉛を重量比9
0:5で加えて混合し、この混合物と、ポリフツ化ビニ
リデンをN−メチルピロリドンに溶解させた溶液とを混
合してスラリ―にした。この正極合剤スラリ―を70メ
ツシユの網を通過させて大きなものを取り除いたのち、
厚さが15μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の
両面に均一に塗布して乾燥し、その後、ロ―ラプレス機
により圧縮成形したのち、切断し、リ―ド体を溶接し
て、幅56mmの帯状正極とした。
【0033】炭素材料(d002 =3.37Å、Lc=9
50Å、平均粒径10μm、純度99.9%以上)を、
フツ化ビニリデンをN−メチルピロリドンに溶解させた
溶液と混合してスラリ―にした。この負極合剤スラリ―
を70メツシユの網を通過させて大きなものを取り除い
たのち、厚さが10μmの帯状の銅箔からなる負極集電
体の両面に均一に塗布して乾燥し、その後、ロ―ラプレ
ス機により圧縮成形したのち、切断し、リ―ド体を溶接
して、幅56mmの帯状負極とした。
【0034】セパレ―タとして、外層にポリプロピレン
層、内層にポリエチレンとポリプロピレンとの混合層を
有する、全厚が25μmで、幅が59mmの微多孔性フイ
ルムからなり、BET孔径が0.071μmで、非水電
解液収縮率(非水電解液は後記のものを使用)が0.7
%であるものを使用した。
【0035】上記の帯状正極と帯状負極とを、上記のセ
パレ―タを介して、このセパレ―タの上下両端がそれぞ
れ正負両極より上下に1.5mmはみ出すように、渦巻き
状に捲回して、電極積層体とした。しかるのち、セパレ
―タの上下両端のはみ出し部分を90℃の真空乾燥機で
5時間低温熱処理して収縮させた。この電極積層体を外
径が18mmの有底円筒状の電池ケ―ス内に充填し、正負
両極のリ―ド体の溶接を行つた。この電池ケ―ス内に、
エチレンカ―ボネ―ト1容量部とメチルエチルカ―ボネ
―ト2容量部との混合溶媒中にLiPF6 を1.4モル
/リツトルの割合で溶解した非水電解液を注入し、この
電解液がセパレ―タなどに十分に浸透したのち、封口
し、予備充電、エイジングを行い、図1に示す構造の円
筒型の非水電解液二次電池を作製した。
【0036】この非水電解液二次電池について、作製後
10時間放置したのち、電池上端部を切断し、電極積層
体を取り出したところ、電極積層体の上下端部のセパレ
―タのはみ出し部分は内周側へ曲折していた。また、走
査型電子顕微鏡(倍率50,000倍)を用いた観察に
より、セパレ―タにおける正負両極に接触する接触部分
(圧力部)と上下両端のはみ出し部分(非圧力部)との
境界ないしその近傍では、微孔のほぼ全部が閉孔してい
ることがわかつた。さらに、上記同様の観察により、こ
のセパレ―タの上記境界ないしその近傍の平均孔径は、
正負両極に接触する接触部分の平均孔径の5%以下とな
つていることもわかつた。
【0037】実施例2 電極積層体を電池ケ―ス内に充填する前の低温熱処理を
省いた以外は、実施例1と同様にして、円筒型の非水電
解液二次電池を作製した。
【0038】この非水電解液二次電池について、作製後
10時間放置したのち、電池上端部を切断し、電極積層
体を取り出したところ、電極積層体の上下端部のセパレ
―タのはみ出し部分は内周側へ曲折していた。また、実
施例1と同様の走査型電子顕微鏡を用いた観察により、
セパレ―タにおける正負両極に接触する接触部分と上下
両端のはみ出し部分との境界ないしその近傍では微孔の
ほぼ全部が閉孔していること、さらにこの境界ないしそ
の近傍の平均孔径は上記接触部分の平均孔径の10%以
下となつていることが、それぞれ確認された。
【0039】比較例1 セパレ―タとして、ポリエチレン単層からなる、厚さが
25μm、幅が59mmの微多孔性フイルムからなり、B
ET孔径が0.078μmで、非水電解液収縮率が0.
1%であるものを使用した以外は、実施例2と同様にし
て、円筒型の非水電解液二次電池を作製した。
【0040】この非水電解液二次電池について、作製後
10時間放置したのち、電池上端部を切断し、電極積層
体を取り出したところ、電極積層体の上下端部のセパレ
―タのはみ出し部分は内周側へ曲折していなかつた。ま
た、実施例1と同様の走査型電子顕微鏡により、セパレ
―タにおける正負両極に接触する接触部分、上下両端の
はみ出し部分、およびこれらの境界ないしその近傍は、
いずれも、電池ケ―ス内への充填前とほとんど変わらな
い孔径を有していることがわかつた。
【0041】比較例2 セパレ―タとして、ポリエチレン単層からなる、厚さが
27μm、幅が59mmの微多孔性フイルムからなり、B
ET孔径0.12μmで、非水電解液収縮率が0.1%
であるものを使用し、かつ帯状正極の幅を54mmに変更
(つまり、帯状正極の幅を帯状負極の幅より2mm小さ
く)した以外は、実施例2と同様にして、円筒型の非水
電解液二次電池を作製した。
【0042】この非水電解液二次電池について、作製後
10時間放置したのち、電池上端部を切断し、電極積層
体を取り出したところ、電極積層体の上下端部のセパレ
―タのはみ出し部分は内周側へ曲折していなかつた。ま
た、実施例1と同様の走査型電子顕微鏡により、セパレ
―タにおける正負両極に接触する接触部分、上下両端の
はみ出し部分、およびこれらの境界ないしその近傍は、
いずれも、電池ケ―ス内への充填前とほとんど変わらな
い孔径を有していることがわかつた。
【0043】以上の実施例1,2および比較例1,2の
各非水電解液二次電池について、上限電圧4.2Vで
0.3A定電流充電を5時間行い、この充電状態のまま
30℃条件下、24時間保存した。ついで、3A定電流
充電を2.75Vに達するまで行つたのち、分解し、二
次電池内部の電極積層体の上下端部を観察した。また、
上記の実施例1,2および比較例1,2に準じた方法
で、別途、各非水電解液二次電池を作製し、それぞれの
電池について、100サイクル後の容量保持率と、電極
積層体の単位体積あたりの容量を調べた。これらの試験
結果は、下記の表1に示されるとおりであつた。
【0044】
【0045】上記の表1から、実施例1,2では、電極
積層体の上下端部にデンドライト状リチウムが析出する
のが防がれており、特別な工程を要することなく、高容
量で安全性およびサイクル特性にすぐれる非水電解液二
次電池が容易に得られるものであることがわかる。これ
に対して、セパレ―タの構成が本発明とは異なる比較例
1では、上記デンドライト状リチウムの析出が明らかに
みられ、これに伴つてサイクル性が低下しており、また
帯状正極の幅を帯状負極の幅より2mmも小さくした比較
例2では、それにより上記析出が防がれてサイクル特性
が向上しても、放電容量の低下を免れないものであるこ
とがわかる。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、微孔性
フイルムからなる特定構成のセパレ―タを使用し、かつ
帯状の正負両極として両極の幅の差が1mm以下であるも
のを用いることにより、電極積層体上下部でのデンドラ
イト状リチウムの析出がみられない、高容量で安全性お
よびサイクル特性にすぐれ、しかも量産化可能で低コス
トな非水電解液二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非水電解液二次電池の一例を示す断面
図である。
【図2】図1のII部分を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
1 正極 2 負極 3 セパレ―タ 3a セパレ―タの上下両端のはみ出し部分 3b セパレ―タの正負両極への接触部分 3c 上記はみ出し部分と接触部分との境界
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 和伸 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 5H014 AA06 BB05 CC00 CC07 EE01 HH00 HH04 HH06 5H021 BB04 CC00 CC05 CC17 EE02 HH00 HH03 HH10 5H028 AA01 AA05 CC08 CC10 CC12 EE06 HH00 HH05 HH10 5H029 AJ03 AJ05 AJ12 AJ14 AK02 AK03 AK05 AL02 AL06 AL07 AL08 AL11 AL12 AL13 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ02 BJ14 CJ01 CJ07 DJ04 DJ12 DJ13 HJ00 HJ04 HJ06 HJ19

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極と負極とを両者間に微孔性フイルム
    からなるセパレ―タを介して積層して用いる非水電解液
    二次電池において、セパレ―タの上下両端が正極および
    負極より上下にはみ出しており、かつこのはみ出し部分
    と正極および負極に接触する接触部分との境界ないしそ
    の近傍の微孔の一部または全部が閉孔されているととも
    に、正極と負極の上下方向の長さの差が1mm以下である
    ことを特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 【請求項2】 セパレ―タは、BET孔径が0.05〜
    0.11μm、非水電解液収縮率が0.3〜5%の微孔
    性フイルムからなり、上下両端のはみ出し部分が内周側
    へ曲折されている請求項1に記載の非水電解液二次電
    池。
  3. 【請求項3】 セパレ―タは、上下両端のはみ出し部分
    と正極および負極に接触する接触部分との境界ないしそ
    の近傍の平均孔径が、上記接触部分の平均孔径の30%
    以下である請求項1または2に記載の非水電解液二次電
    池。
  4. 【請求項4】 正極と負極とをセパレ―タを介して積層
    してなる電極積層体の単位体積当りの容量が140mA
    h/cm3 以上である請求項1〜3のいずれかに記載の非
    水電解液二次電池。
JP10179968A 1998-06-26 1998-06-26 非水電解液二次電池 Pending JP2000012093A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10179968A JP2000012093A (ja) 1998-06-26 1998-06-26 非水電解液二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10179968A JP2000012093A (ja) 1998-06-26 1998-06-26 非水電解液二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000012093A true JP2000012093A (ja) 2000-01-14

Family

ID=16075135

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10179968A Pending JP2000012093A (ja) 1998-06-26 1998-06-26 非水電解液二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000012093A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002100409A (ja) * 2000-09-22 2002-04-05 Yuasa Corp 非水二次電池
JP2009266715A (ja) * 2008-04-28 2009-11-12 Hitachi Maxell Ltd 円筒形非水電解液一次電池およびその製造方法
CN114497886A (zh) * 2022-01-25 2022-05-13 中山大学 二维水滑石分子刷改性pp隔膜的制备方法和应用

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002100409A (ja) * 2000-09-22 2002-04-05 Yuasa Corp 非水二次電池
JP2009266715A (ja) * 2008-04-28 2009-11-12 Hitachi Maxell Ltd 円筒形非水電解液一次電池およびその製造方法
CN114497886A (zh) * 2022-01-25 2022-05-13 中山大学 二维水滑石分子刷改性pp隔膜的制备方法和应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6192146B2 (ja) リチウム電極及びそれを含むリチウム二次電池
JP4605287B2 (ja) 正極活物質、正極および非水電解質二次電池
KR101440884B1 (ko) 표면 처리된 음극 활물질을 포함하는 음극 및 이를 채용한리튬 전지
JP3932653B2 (ja) 非水電解液二次電池
US20150349308A1 (en) Lithium Secondary Battery
JPH11154508A (ja) 非水電解液電池
JP4031635B2 (ja) 電気化学デバイス
KR20090092104A (ko) 니오븀 산화물 함유 전극 및 이를 채용한 리튬 전지
JP4649113B2 (ja) 非水電解質二次電池
WO2018025469A1 (ja) リチウムイオン二次電池及びその製造方法
KR102207527B1 (ko) 전극 보호층을 포함하는 음극 및 이를 적용한 리튬 이차전지
JP3501113B2 (ja) 非水系二次電池およびその製造方法
JP2002279956A (ja) 非水電解質電池
JPH06181058A (ja) 非水電解液型電池用巻回電極体の緩み抑制手段
JP7003775B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP3805452B2 (ja) 非水電解液二次電池の製造方法
JP5017769B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP4664455B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP4161396B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP2000012093A (ja) 非水電解液二次電池
JP3694557B2 (ja) 非水電解液二次電池
WO2024209852A1 (ja) リチウム二次電池及びその製造方法
JPH11135107A (ja) リチウム二次電池
JP2003203636A (ja) 非水電解液二次電池正極用導電剤及びこれを用いた正極板と非水電解液二次電池
JPH09320632A (ja) 有機電解液二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060731

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070619

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070815

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071023

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080304