JP2000009719A - 鋼中含有炭素の形態別定量方法及び形態別定量装置 - Google Patents

鋼中含有炭素の形態別定量方法及び形態別定量装置

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JP2000009719A
JP2000009719A JP10188159A JP18815998A JP2000009719A JP 2000009719 A JP2000009719 A JP 2000009719A JP 10188159 A JP10188159 A JP 10188159A JP 18815998 A JP18815998 A JP 18815998A JP 2000009719 A JP2000009719 A JP 2000009719A
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carbon monoxide
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Hisashi Murayama
尚志 村山
Atsushi Chino
淳 千野
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼中含有炭素の形態別定量方法及び形態別定
量装置を提供する。 【解決手段】 定量方法は、分析対象鋼の抽出残渣を酸
素下で加熱して生成する一酸化及び二酸化炭素の量を測
定して、分析対象鋼中の炭素を形態別に定量する方法で
あって、各形態炭素の最低燃焼開始温度より低い温度か
ら前記加熱を開始した後、(1)一酸化又は二酸化炭素
の生成開始まで加熱温度を上昇し;(2)前記生成の開
始から終了までの間、温度を一定に保ち、その間の発生
一酸化及び/又は二酸化炭素の全量を測定し;(3)前
記生成の終了後に、再び温度を上昇する工程を少なくと
も1回実施する。定量装置は、一酸化又は二酸化炭素発
生の開始及び終了の検知手段9からの検知信号に応じ
て、抽出残渣の加熱温度を制御できる手段10を有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼中含有炭素の形
態別定量方法、及び鋼中含有炭素の形態別定量装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】鋼中の炭素は、鋼を構成する成分や熱処
理の差異等により種々の形態の炭化物を形成する。この
炭化物の量や形態は、鋼の性質に著しい影響を与える。
また、炭化物を形成せずに、固溶炭素として鋼中に存在
している炭素もまた、鋼の時効性や加工性に影響を与え
る。従来、鋼中の全炭素量の定量は、JIS G−12
11−1995「鉄及び鋼−炭素定量方法」に規定され
た方法、すなわち、鋼試料を酸素気流中にて高温で燃焼
させ、鋼中の炭素を一酸化炭素若しくは二酸化炭素に変
換し、変換された一酸化炭素若しくは二酸化炭素を赤外
線吸収法で測定することにより行われている。こうし
て、鋼中の全炭素量(T)を定量することができるの
で、鋼中の炭化物の炭素量(M)を定量することができ
れば、固溶炭素量(S)はそれらの差(T−M)、すな
わち、以下の式 S=T−M (式中、Sは固溶炭素量であり、Tは全炭素量であり、
そしてMは炭化物の炭素である)から求めることがで
き、鋼中炭素の形態別定量が可能となる。
【0003】従来、この鋼中炭化物の形態別定量法とし
ては、「日本鉄鋼業における分析技術」〔日本鉄鋼協会
編,(1982)166〜167〕に報告されているよ
うに、炭化物を電解抽出法によりマトリックスから抽出
分離した後、炭化物を形成する金属元素を定量して、そ
の値から炭化物型炭素量を算出する方法が多く用いられ
ている。また、特にTi添加極低炭素鋼については、各
析出物の化学的溶解挙動の差異を利用して、各析出物を
形成する金属元素の分離定量を行い、更にTiCについ
てEELS−プラズモン法で実際の組成を決定して、炭
化物中の炭素量を高精度に計算する方法がある〔鉄と
鋼,83(1997),479〕。また、鋼の電解抽出
残渣を酸素気流中で燃焼し、発生したCO2 を測定する
方法も報告されている(特開昭61−280564号公
報)。一方、鋼試料を直接分析する方法としては、鋼試
料を水素気流中で加熱して、鋼中炭素をCH4 として抽
出し、更に管路の終端にて水素ガスと共に燃焼し、イオ
ン化した炭素を定量することによって鋼中炭素を形態別
に定量する方法が報告されている(特開昭56−102
51号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、マトリ
ックスから電解抽出した炭化物について、その炭化物を
形成する金属元素を定量し、その値から炭化物型炭素量
を算出する前記の方法では、抽出した残渣中の金属元素
には、炭化物だけでなく酸化物、硫化物及び窒化物等が
含まれているため、金属元素の定量値からは炭化物型炭
素量を求めることができない場合が多く、必ずしも形態
別定量法として確立していない。仮に、鋼中に炭化物し
か存在していない場合でも、実際の鋼では炭化物が量論
組成をとらないことが多いにもかかわらず、炭化物型炭
素量は量論組成であることを前提として計算するため、
正確な炭化物型炭素量を求めることができない。また、
TiCについて実際の組成を決定して炭化物中の炭素量
を計算することからなり、Ti添加極低炭素鋼に特有の
前記の方法は、もうひとつの炭化物であるTi4 2
2 については標準物質がないために組成を決定すること
ができず、量論組成であることを前提として計算するた
め、この方法も正確な炭化物型炭素量を求めることがで
きない。また、一つの試料について、電解抽出、ハロゲ
ン−有機溶媒抽出及び電解抽出残渣の二次処理を行うの
で、非常に煩雑で時間がかかるという欠点もある。
【0005】次に、電解抽出残渣を酸素気流中で燃焼
し、発生したCO2 を測定する前記特開昭61−280
564号公報記載の方法では、電解抽出によって固溶炭
素を除去した後に、残渣中に含まれる炭化物の燃焼温度
の違いを利用して炭化物型炭素を形態別に定量する。し
かしながら、実際の電解抽出においては、固溶炭素も残
渣として抽出されてしまうことが確認されており、この
方法に従って分析を行うと、固溶炭素と炭化物型炭素と
を態別して定量することができない。また、この方法で
は、はじめに測定試料の抽出残渣、若しくは残渣中に含
まれる炭化物と同じ標準物質を用いて各炭化物の燃焼開
始温度を求めてから、装置の測定温度を決定して測定を
行う必要がある。しかし、鋼中炭化物の粒径は、炭素や
添加元素の量、及び熱処理によって様々に変化するた
め、同じ炭化物でも標準物質と鋼中炭化物とでは燃焼開
始温度が異なることがある。また、Ti−IF鋼中のT
4 2 2 のように、標準物質の入手が困難な炭化物
もある。したがって、結局、測定試料の抽出残渣を用い
て、装置の測定温度を決定することとなり、炭化物の抽
出操作が二度必要となる。
【0006】更に、実際の測定作業においては、電解抽
出後の残渣をどのように捕集するのかという問題がある
にもかかわらず、前記特開昭61−280564号公報
には捕集方法についての記載がない。すなわち、通常、
電解抽出後の残渣捕集は、ストレートな孔を有する有機
質メンブレンフィルターが用いられている〔例えば、
「日本鉄鋼業における分析技術」,日本鉄鋼協会編(1
982),166〜167参照〕。しかし、残渣中の炭
素定量においては、このフィルターを用いることができ
ない。これは、フィルター自身に炭素が多く含まれてい
るため、燃焼時にフィルター起因の二酸化炭素を多量に
発生してしまうためである。そのため、前記の方法にお
いては、フィルターとして何を用いるかの記載がないと
実際には定量することができないことになる。もっと
も、前記特開昭61−280564号公報の実施例に記
載されているように、鋼中炭素量が0.2%と非常に高
い場合には、マトリックスの溶解量を少なくして、試料
表面に残渣が付着した状態で試料をメタノール中で超音
波洗浄し、残渣の分散した洗液をボートに流し込み、乾
燥させてメタノールを除去し、次にボートを酸素中で燃
焼させて発生した二酸化炭素を測定するという手順で、
フィルターに捕集することなく、残渣のまま、燃焼させ
ることも可能である。しかし、鋼中炭素量が低い場合
は、マトリックスの溶解量を増やさなくてはならない。
この場合、残渣は試料表面から脱落し、電解液中に分散
するため、電解抽出残渣の捕集にはフィルターを使うこ
とが必須になる。以上のように、前記特開昭61−28
0564号公報記載の方法は、固溶炭素と炭化物型炭素
とを区別することができないだけでなく、残渣の捕集方
法についての教示がなく、特に鋼中炭素量が低い場合に
は、鋼中の炭素の形態別定量に適用することができな
い。
【0007】また、鋼試料を水素気流中で加熱し、鋼中
炭素をCH4 として抽出し、更に管路の終端にて水素ガ
スとともに燃焼しイオン化した炭素を定量する前記特開
昭56−10251号公報に記載の方法では、鋼中炭化
物から鋼への再固溶温度の差異を利用して炭素を形態別
に定量する。この方法においても、固溶炭素とセメンタ
イト(Fe3 C)とを態別して定量することができない
という問題がある。また、同一昇温速度では鋼試料のサ
イズにより鋼中炭素の抽出開始温度が変わるため、実際
の定量操作においては、定量に要する試料のサイズを厳
密に規制する必要がある。更に、試料サイズが大きい
と、加熱により試料内部で発生した固溶炭素が試料表面
に拡散するまで時間がかかるため、試料サイズを小さく
する必要がある。実際の測定は、試料粒度74〜149
μmで、昇温速度100℃/hour、測定時間12時
間、又は、試料粒度44〜74μmで、昇温速度100
〜200℃/hour、測定時間12〜6時間で行って
いる〔鉄と鋼,69(1997),153〕。したがっ
て、試料の微細な切削作業が必要となるが、この操作に
は炭素のコンタミネーションが避けられず、微量域の定
量の際には精度悪化をもたらす。また、試料を粉体にな
るまで小さくしても、測定時間は非常に長く、実用的で
はない。すなわち、前記特開昭56−10251号公報
に記載の方法は、固溶炭素とセメンタイト(Fe3 C)
とを態別して定量することができず、微量域の定量の際
には精度が悪く、更に、測定時間が非常に長いという問
題がある。従って、本発明の課題は、従来技術の前記の
欠点を解消し、鋼中に含まれる炭素を形態別に、且つ迅
速に定量することのできる方法、及びその方法を実施す
る装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題は、本発明によ
る、分析対象鋼の抽出残渣を酸素存在下で加熱すること
によって前記残渣から生成する一酸化炭素及び二酸化炭
素の量を測定することにより、分析対象鋼中に含まれる
炭素を形態別に定量する方法であって、分析対象鋼中に
含まれる各形態の炭素のそれぞれの燃焼開始温度の内で
最低の燃焼開始温度よりも低い温度から前記加熱を開始
した後、(1)一酸化炭素又は二酸化炭素の生成が開始
するまで、加熱温度を実質的に上昇させ;(2)一酸化
炭素又は二酸化炭素の前記生成が開始してから、一酸化
炭素及び/又は二酸化炭素の前記生成が終了するまでの
間、加熱温度を一定に保ち、その間に発生した一酸化炭
素及び/又は二酸化炭素の全量を測定し;そして、
(3)一酸化炭素及び/又は二酸化炭素の前記生成が終
了してから、再び加熱温度の上昇を開始する工程を、少
なくとも1回実施することを特徴とする、前記の鋼中含
有炭素の形態別定量方法によって解決することができ
る。
【0009】また、本発明は、前記の鋼中含有炭素の形
態別定量方法を実施する装置であって、一酸化炭素又は
二酸化炭素の発生の開始及び終了を検知することのでき
る手段からの検知信号に応じて、前記抽出残渣の加熱温
度を制御することのできる手段を有することを特徴とす
る、鋼中含有炭素の形態別定量装置にも関する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明を用いると、鋼中に種々の形態で含まれる炭素量
を形態別に定量することができる。分析対象である鋼
(すなわち、分析対象鋼)は特に限定されず、炭素を高
含量で含む軸受鋼や肌焼き鋼から、炭素含量が低いIF
鋼、BH鋼、電磁鋼、又はほうろう用鋼等も本発明によ
って炭素量を形態別に定量することができる。また、本
発明によって定量が可能な分析対象鋼に含まれる炭素の
形態も特に限定されず、例えば、固溶炭素としての炭
素、及び種々の炭化物(例えば、TiC、NbC、V
C、Mo2 C、Fe3 C、又はCr236 等)としての
炭素が含まれる。
【0011】本発明方法においては、まず、分析対象鋼
から、定量対象である鋼中含有炭素を含む抽出残渣を調
製する。前記抽出残渣は、例えば、公知の抽出方法を用
いて分析対象鋼の抽出を行なうことにより得ることがで
きる。前記の抽出方法は、定量対象である鋼中含有炭素
を分解することなく、分析対象鋼から抽出することので
きる方法である限り、特に限定されるものではなく、例
えば、化学的溶解法又は電解抽出法などを挙げることが
できる。
【0012】前記化学的溶解法では、適当な化学的抽出
用溶媒、例えば、無機酸(例えば、硝酸又は硫酸)、又
はハロゲンと有機溶媒との混合溶媒(例えば、ヨウ素−
メタノール)を用いることにより、鋼中含有炭素を化学
的に抽出することができる。化学的溶解法においては、
分析対象鋼の形状は制限されず、分析対象鋼を適当な形
状に加工する必要がない。従って、任意形状の分析対象
鋼をそのまま用いることができるので、加工の際に生じ
る可能性のある炭素のコンタミネーションは発生しな
い。
【0013】前記電解抽出法では、電解液として、電解
によって生成するマトリックス金属のイオンを可溶性に
するためのキレート試薬及び導電性を高くするための支
持電解質の組み合わせからなる非水溶媒系電解液を用い
ることができる。前記電解液として、例えば、キレート
試薬としてアセチルアセトン又はサリチル酸を用い、支
持電解質としてテトラアルキルアンモニウムハライドを
用い、これらを低級アルコール(例えば、メタノール又
はエタノール等)に加えた電解液を用いると、微細な炭
化物であっても分解することなく抽出することができる
点で好ましく、10%アセチルアセトン−1%塩化テト
ラメチルアンモニウム−メタノール系電解液、又は4%
サリチル酸メチル−1%サリチル酸−1%塩化テトラメ
チルアンモニウム−メタノール系電解液が特に好まし
い。前記のテトラアルキルアンモニウムハライドとして
は、低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、又
はプロピル基等)で置換されている第4アンモニウムの
ハロゲン化物(例えば、塩化物、臭化物、又はヨウ化物
等)を挙げることができる。電解抽出法においては、例
えば、板状又はブロック形状の分析対象鋼をそのまま用
いることができるので、複雑な加工を施す必要がなく、
加工の際に生じる可能性のある炭素のコンタミネーショ
ンを抑制することができる。
【0014】本発明方法においては、前記の抽出方法に
より得られた抽出残渣を、フィルターにより捕集し、以
下の操作に使用することが好ましい。前記フィルターと
しては、耐熱性の非炭素質フィルター、すなわち、後述
する本発明方法における測定工程において一酸化炭素及
び/又は二酸化炭素を生成しない材料からなるフィルタ
ー、例えば、無機質フィルターを使用することが好まし
い。無機質フィルターとしては、例えば、ガラスフィル
ター、アルミナフィルター、又は銀メンブレンフィルタ
ーを挙げることができる。
【0015】前記フィルターは、その製造工程におい
て、通常、フィルターの表面に炭素が付着して汚染され
ているので、本発明方法においてフィルターを使用する
場合には、フィルターの表面に付着している汚染炭素を
除去してから使用することが好ましい。例えば、大気雰
囲気下で、且つ適当な温度(例えば、300℃以上)で
仮焼することによって、フィルター表面に付着している
汚染炭素を除去することができる。なお、フィルターの
孔径が抽出残渣を捕集するには大きすぎる場合(例え
ば、定量対象である炭化物が微細である場合)には、例
えば、スパッタリング(例えば、ニッケルスパッタリン
グ又は白金スパッタリング等)により、フィルターの孔
径を小さくすることができる。
【0016】更に、抽出残渣をフィルターに捕集する
と、抽出残渣の調製に使用した有機溶媒や有機電解液に
よって、フィルター及びその上に捕集されている抽出残
渣は、溶媒や電解液からの炭素に汚染される。この場合
も、フィルター及びその上に捕集されている抽出残渣か
ら汚染炭素を除去した後に、以下の測定工程を実施する
ことが好ましい。汚染炭素の除去方法としては、例え
ば、高真空雰囲気下(好ましくは、真空度が10-1To
rr以下である雰囲気下)で、且つ適当な温度(好まし
くは、400℃以上、例えば400℃〜800℃)で加
熱する方法を挙げることができる。真空度が10-1To
rrに達しないと、定量対象である炭化物及び/又は固
溶炭素などの酸化が生じることがある。また、温度が4
00℃未満であると、汚染炭素の除去が不充分となるこ
とがあり、温度が800℃を越えると、炭化物の分解が
一部生じることがある。
【0017】本発明方法においては、前記の抽出処理及
び場合により実施するその他の処理工程の後に、測定工
程を実施することができる。測定工程では、抽出残渣
(好ましくは、フィルター状に捕集されている抽出残
渣)を、加熱温度を変化させながら(好ましくは、加熱
温度の上昇と一定温度での維持とを繰り返しながら)酸
素存在下で加熱し、順次、生成する一酸化炭素及び二酸
化炭素の量を、それぞれ別々に測定する。すなわち、或
る形態の炭素のみを、その形態の炭素に特有の燃焼温度
の下で、その温度を維持しながら燃焼させ、その形態の
炭素から誘導される一酸化炭素及び/又は二酸化炭素の
全量を測定し、その形態の全炭素の燃焼が終了してか
ら、その形態の炭素の燃焼温度よりも高い燃焼温度を有
する別の形態の炭素を、その形態の炭素に特有の一定の
燃焼温度の下で、その温度を維持しながら燃焼させ、そ
の形態の炭素から誘導される一酸化炭素及び/又は二酸
化炭素の全量を測定する。こうした工程を、順次温度を
上昇させながら繰り返して実施することにより、鋼中含
有炭素の形態別定量を行うことができる。
【0018】したがって、本発明方法の測定工程におい
ては、分析対象鋼中に含まれる各形態の炭素のそれぞれ
の燃焼開始温度よりも低い温度(すなわち、分析対象鋼
中に含まれる各形態の炭素のそれぞれの燃焼開始温度の
内、最も低い燃焼開始温度よりも低い温度)から、一酸
化炭素及び/又は二酸化炭素の発生を監視しながら、加
熱温度を徐々に上昇させる。その監視下加熱の開始温度
は分析対象鋼中に含まれる各形態の炭素が予め判明して
いる場合には、例えば、標準物質を用いる予備実験を行
なって得られる実測値、及び/又は文献値から、各形態
の炭素のそれぞれの燃焼開始温度を把握することによ
り、前記の監視下加熱開始温度を決定することができ
る。一方、分析対象鋼中に含まれる各形態の炭素が予め
判明していない場合には、分析対象鋼中に含まれること
が予想される各形態の炭素のそれぞれの燃焼開始温度よ
りも、はるかに低い温度、例えば、100℃〜200℃
低い温度を、前記測定工程における監視下加熱開始温度
として採用することができる。一般的には、固溶炭素の
燃焼開始温度(400℃程度)が最も低いので、その温
度よりも低い温度を、加熱開始温度とすることができ
る。
【0019】本発明方法の測定工程においては、抽出残
渣の加熱を前記の監視下加熱開始温度から開始した後、
徐々に、加熱温度を実質的に上昇させる。ここで「温度
を実質的に上昇させる」とは、全体として、或る温度か
らそれよりも高い温度まで、温度を変化させることを意
味し、その途中で一時的に温度を維持及び/又は低下さ
せることがある場合を含むものとする。前記の監視下加
熱開始温度では、抽出残渣中に含まれる各形態の炭素の
いずれもが、安定に存在することができるので、抽出残
渣から一酸化炭素又は二酸化炭素が生成されることはな
い。しかし、加熱温度を徐々に上昇させていき、或る鋼
中含有炭素(すなわち、抽出残渣中に含まれる各形態の
炭素の内、最も低い燃焼開始温度を有する炭素)の燃焼
開始温度に到達すると、その炭素が燃焼して一酸化炭素
又は二酸化炭素の生成が開始される。なお、加熱温度の
上昇速度は、一酸化炭素及び/又は二酸化炭素の生成を
検知し、その検知にしたがって、加熱温度の上昇を停止
して一酸化炭素及び/又は二酸化炭素の生成温度に維持
することのできる速度である限り、特に限定されるもの
ではない。一般的には、0.3〜10℃/秒であること
が好ましく、0.5〜3℃/秒であることがより好まし
い。
【0020】一酸化炭素又は二酸化炭素の生成の開始を
検出したところで、加熱温度の上昇を停止し、加熱温度
を一定に維持する。本発明方法において、一酸化炭素及
び/又は二酸化炭素を検知し、更にその量を定量的に測
定する方法(以下、一括して分析方法とすることがあ
る)としては、特に限定されるものではなく、公知の従
来方法、例えば、赤外線吸収スペクトル法又は電量滴定
法等を用いることができる。本発明に用いることのでき
る一酸化炭素及び二酸化炭素の分析方法としては、一酸
化炭素及び二酸化炭素を、それぞれ別々に分析すること
ができる方法を用いるか、あるいは、一酸化炭素及び二
酸化炭素の合計量として分析する方法を用いることがで
きる。また、発生した一酸化炭素及び二酸化炭素を酸化
管を通してすべて二酸化炭素の形にして分析する方法を
用いることもできる。前記の燃焼開始温度を維持しなが
ら加熱を続けると、その燃焼開始温度を有する鋼中含有
炭素は、一酸化炭素及び/又は二酸化炭素にすべて変換
されるまで、一酸化炭素及び/又は二酸化炭素を生成す
る。一酸化炭素及び/又は二酸化炭素の前記生成が終了
したところで、加熱温度の維持を停止し、再び加熱温度
の上昇を開始する。
【0021】再び、加熱温度を徐々に実質的に上昇させ
ると、抽出残渣中に未反応の鋼中含有炭素(すなわち、
一酸化炭素及び/又は二酸化炭素に変換されていない鋼
中含有炭素)が1つ又はそれ以上残っている場合には、
残存する鋼中含有炭素の内、最も低い燃焼開始温度を示
す鋼中含有炭素の燃焼開始温度に到達すると共に、再
び、一酸化炭素又は二酸化炭素の生成が開始される。一
酸化炭素又は二酸化炭素の前記生成が開始してから、一
酸化炭素及び/又は二酸化炭素の前記生成が終了するま
での間、加熱温度を一定に保ち、そして、一酸化炭素及
び/又は二酸化炭素の前記生成が終了した後に、再び加
熱温度の上昇を開始する。
【0022】以上のように、本発明方法の測定工程にお
いては、前記の各工程、すなわち、(1)一酸化炭素又
は二酸化炭素の生成が開始するまで、加熱温度を実質的
に上昇させる工程〔生成検知工程〕;(2)一酸化炭素
又は二酸化炭素の前記生成が開始してから、一酸化炭素
及び/又は二酸化炭素の前記生成が終了するまでの間、
加熱温度を一定に保ち、その間に発生した一酸化炭素及
び/又は二酸化炭素の全量を測定する工程〔加熱温度維
持工程〕;そして、(3)一酸化炭素又は二酸化炭素の
前記生成が終了してから、再び加熱温度の上昇を開始す
る工程〔加熱温度再上昇工程〕を、分析対象鋼中に含ま
れる各形態の炭素のそれぞれについて実施し、分析対象
鋼中に含まれる各形態の炭素がすべて一酸化炭素又は二
酸化炭素に変換されるまで、繰り返すことができる。こ
うして、抽出残渣中に含まれる各形態の炭素は、それぞ
れの炭素に特有の燃焼開始温度において、一酸化炭素及
び/又は二酸化炭素に変換されるので、各燃焼開始温度
毎に生成される一酸化炭素及び/又は二酸化炭素の量を
それぞれ別々に測定することにより、抽出残渣中に含ま
れている各形態の炭素の量をそれぞれ求めることができ
る。
【0023】本発明方法において、前記工程(1)〜
(3)を繰り返して実施する数は、原則として、分析対
象鋼中に含まれる各形態の炭素の種類数に依存する。す
なわち、一般的には、前記の加熱温度再上昇工程(3)
によって、次の一酸化炭素又は二酸化炭素の生成が検知
されなくなるまで、前記工程(1)〜(3)を繰り返し
て実施する。この場合、最後の加熱温度再上昇工程
(3)以外の加熱温度再上昇工程(3)は、前記の生成
検知工程(1)に相当し、最後の加熱温度再上昇工程
(3)は、鋼中炭素の一般的な最高燃焼開始温度(約1
200℃)より50〜100℃ほど高温まで実施して、
測定工程を終了する。
【0024】また、本発明方法において、分析対象鋼中
含有炭素の内、最も燃焼開始温度が高い炭素(以下、最
終燃焼炭素と称する)の燃焼開始温度が予め判明してい
る場合には、その最終燃焼炭素から誘導される一酸化炭
素及び/又は二酸化炭素の量を測定を、前記の加熱温度
維持工程(2)ではなく、加熱温度再上昇工程(3)に
おいて実施することもできる。すなわち、最終燃焼炭素
以外の炭素については、前記の工程(1)〜(3)を繰
り返すことによってそれぞれの炭素から生成される一酸
化炭素及び/又は二酸化炭素の量を測定し、最終燃焼炭
素については、加熱温度再上昇工程(3)において、そ
の最終燃焼炭素の燃焼開始温度に到達して、一酸化炭素
及び/又は二酸化炭素の生成が検知されても加熱温度の
上昇を停止せずに温度上昇を続け、前記最終燃焼炭素か
ら生成される一酸化炭素及び/又は二酸化炭素の量を測
定する。この最後に実施する加熱温度再上昇工程(3)
において生成する一酸化炭素及び/又は二酸化炭素は最
終燃焼炭素から誘導されたことが明白であるので、抽出
残渣中に含まれている各形態の炭素の量をそれぞれ求め
ることができる。この場合に、最後に実施する加熱温度
再上昇工程(3)も、一酸化炭素及び/又は二酸化炭素
の生成が終了し、更に、鋼中炭素の一般的な最高燃焼開
始温度(約1200℃)より50〜100℃ほど高温ま
で実施して、測定工程を終了する。
【0025】また、本発明方法において、分析対象鋼中
に含まれる各形態の炭素の種類数が予め判明している場
合にも、前記と同様に、その最終燃焼炭素から誘導され
る一酸化炭素及び/又は二酸化炭素の量を測定を、前記
の加熱温度維持工程(2)ではなく、加熱温度再上昇工
程(3)において実施することができる。このように、
最終燃焼炭素から一酸化炭素及び/又は二酸化炭素が生
成される際に、加熱温度を一定温度(すなわち、最終燃
焼炭素の燃焼開始温度)に維持せず、加熱温度を上昇さ
せながら、最終燃焼炭素から生成される一酸化炭素及び
/又は二酸化炭素を測定すると、測定時間を短縮するこ
とができる。
【0026】次に、前記の本発明方法を実施するのに適
した本発明装置の一実施態様を、以下、図1に沿って説
明する。本発明装置では、抽出残渣の燃焼室としての燃
焼管3において、抽出残渣試料6を(例えば、燃焼ボー
ト5に載置して)酸素存在下で加熱する。酸素ガスは、
酸素ガス供給源(図示せず)から酸素ガス供給パイプ1
aを経て供給される。ガス中の不純物を除去するため
に、酸素ガス供給パイプ1aの途中に酸素ガス精製器1
を設けるのが好ましい。抽出残渣試料6は、試料挿入口
開閉扉2を開いて、燃焼管3に装着する。燃焼管3に
は、加熱手段としての抵抗発熱体4が装備され、燃焼部
の温度は、温度測定手段としての熱電対7によって検出
することができる。燃焼管3で発生するガスはパイプ2
aを経て赤外線吸収セル9へ送られる。赤外線吸収セル
9は、一酸化炭素及び/又は二酸化炭素の検知及び定量
手段であり、一酸化炭素及び/又は二酸化炭素の生成開
始と生成終了とを検知すると共に、生成される一酸化炭
素及び/又は二酸化炭素の定量を行うことができる。一
酸化炭素及び/又は二酸化炭素の検知手段と、一酸化炭
素及び/又は二酸化炭素の定量手段とを別々に設けるこ
ともできる。
【0027】燃焼管3と赤外線吸収セル9との間に、脱
水管8を設け、抽出残渣の燃焼によって生じるわずかな
水蒸気を除去するのが好ましい。赤外線吸収セル9で、
一酸化炭素及び/又は二酸化炭素の生成開始と生成終了
とを検知し、その情報をコンピュータ10へ送ることが
できる。また、熱電対7によって検出された温度の情報
もコンピュータ10へ送ることができる。コンピュータ
10では、これらの情報を処理して、抵抗発熱体4によ
る加熱条件を制御することができる。更に、必要によ
り、これらの情報及び制御状況をデータ出力装置11か
ら出力することもできる。また、赤外線吸収セル9で得
られた一酸化炭素及び/又は二酸化炭素の定量結果は、
コンピュータ10へ送られ、同様に、データ出力装置1
1から出力することができる。以上のように、本発明装
置は、一酸化炭素又は二酸化炭素の発生の開始及び終了
を検知することのできる手段(例えば、赤外線吸収セル
又は電量滴定セル)からの検知信号に応じて、前記抽出
残渣の加熱温度を制御することのできる手段(例えば、
コンピュータ)を有しているので、前記の本発明方法を
適切に実施することができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。
【実施例1】本実施例では、固溶炭素と、炭化物として
Fe3 Cとを含有する炭素含有量が0.015%の鋼を
分析対象鋼として用いた。10%アセチルアセトン−1
%塩化テトラメチルアンモニウム−メタノール系電解液
500ml中で、炭素鋼(含有炭素量=0.015%)
1.0gの定電位電解抽出を行なった。前記定電位電解
抽出は、−100mV vs.SCEの電位で実施し
た。これとは別に、銀メンブレンフィルター(孔径=
0.2μm,直径=25mm)を500℃で10分間仮
焼し、続いて、ニッケルスパッタリングにより表面の穴
埋めを行なった。前記のニッケルスパッタリングは、ス
パッタリング量が膜厚換算で約1.2μmになるような
条件で実施し、表面の孔径が0.1μm以下であること
を、走査型電子顕微鏡により確認した。
【0029】前記の定電位電解抽出を行なった後、電解
液500ml及び試料の洗浄液50mlを、穴埋め処理
を実施した前記の銀メンブレンフィルターを用いて濾過
し、フィルター上に抽出残渣を捕集した。次に、抽出残
渣を載せたままの状態のフィルターを、真空度10-6
orrの真空雰囲気下において500℃で30分間加熱
した後に、内部温度を予め300℃に設定した燃焼管の
中に配置し、以下の測定を実施した。なお、一酸化炭素
及び/又は二酸化炭素の測定は、赤外線吸収スペクトル
法により行ない、一酸化炭素及び二酸化炭素の合計量と
して測定した。加熱温度を1.5℃/秒の割合で上昇さ
せたところ、加熱温度が390℃になったところで、最
初の一酸化炭素及び/又は二酸化炭素の生成が検出され
た。すぐに、加熱温度をその温度で維持し、一酸化炭素
及び/又は二酸化炭素の生成が終了したところで、2℃
/秒の割合で800℃まで加熱温度を上昇させた。加熱
温度が800℃に到達したところで測定を終了した。測
定に要した時間は、約7.5分であった。
【0030】加熱温度の経時変化と、生成された一酸化
炭素及び二酸化炭素量の合計量とを図2に示す。最初に
生成された一酸化炭素及び/又は二酸化炭素、すなわ
ち、加熱温度が390℃の条件下で生成された一酸化炭
素及び/又は二酸化炭素は、固溶炭素に由来し、次に生
成された一酸化炭素及び/又は二酸化炭素は、Fe3
に由来する。図2に示すグラフから求めた固溶炭素量
は、0.002質量%であり、Fe3 Cとしての炭素量
は、0.013質量%であった。また、Fe3 Cとして
の前記炭素量は、これとは別に、抽出残渣中のFe量か
ら算出したFe3 Cとしての炭素量と一致した。この結
果から、本発明により、鋼中の固溶炭素及びFe3 Cの
形態別定量を短時間で行なうことができることが判明し
た。
【0031】
【実施例2】本実施例では、表1に示す各種の炭素鋼及
び合金鋼を分析対象鋼として用いた。炭素鋼の代わりに
炭素鋼及び合金鋼を使用すること以外は、実施例1に記
載の手順を繰り返すことにより、フィルター上に捕集さ
れた状態の抽出残渣を燃焼管の中に配置した。昇温時の
加熱温度の上昇速度を0.6℃/秒に設定し、加熱温度
が1250℃に到達するまで、測定を実施した。結果を
表1に示す。本発明方法により求めた固溶炭素(表1の
欄D;単位=質量%)と炭化物(表1の欄E;単位=質
量%)との合計量は、これとは別に、JIS G−12
11−1995に規定されている鋼の炭素定量方法によ
り求めた鋼中炭素量(表1の欄B;単位=質量%)と一
致した。この結果から、鋼中含有炭素の燃焼開始温度が
不明であっても、本発明方法を用いることにより、一度
の操作で、鋼中の固溶炭素及び炭化物を形態別に高精度
で定量することができることが判明した。
【0032】
【表1】 (A) (B) (C) (D) (E) 合金鋼 鋼中炭素量 炭化物形態 固溶炭素 炭化物 Fe−C系 0.017 Fe3 C 0.003 0.015 Fe−Ti−C系 0.051 TiC 0.013 0.035 Fe−Cr−C系 0.069 (*) 0.002 0.066Fe−V−C系 0.055 VC 0.006 0.047 *:(Cr,Fe)7 3 +(Cr,Fe)236
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、鋼中に含まれる炭素
を、一度の操作で、且つ形態別に定量することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の一態様を模式的に説明する説明図
である。
【図2】本発明方法を用いた鋼中含有炭素の形態別定量
において、加熱温度と生成された一酸化炭素及び/又は
二酸化炭素量とを示すグラフである。
【符号の説明】
1・・酸素ガス精製器;1a・・酸素ガス供給パイプ;
2a・・パイプ;2・・試料挿入口開閉扉;3・・燃焼
管;4・・抵抗発熱体;5・・燃焼ボード;6・・抽出
残渣試料;7・・熱電対;8・・脱水管;9・・赤外線
吸収セル;10・・コンピュータ;11・・データ出力
装置。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分析対象鋼の抽出残渣を酸素存在下で加
    熱することによって前記残渣から生成する一酸化炭素及
    び二酸化炭素の量を測定することにより、分析対象鋼中
    に含まれる炭素を形態別に定量する方法であって、分析
    対象鋼中に含まれる各形態の炭素のそれぞれの燃焼開始
    温度の内で最低の燃焼開始温度よりも低い温度から前記
    加熱を開始した後、(1)一酸化炭素又は二酸化炭素の
    生成が開始するまで、加熱温度を実質的に上昇させ;
    (2)一酸化炭素又は二酸化炭素の前記生成が開始して
    から、一酸化炭素及び/又は二酸化炭素の前記生成が終
    了するまでの間、加熱温度を一定に保ち、その間に発生
    した一酸化炭素及び/又は二酸化炭素の全量を測定し;
    そして、(3)一酸化炭素及び/又は二酸化炭素の前記
    生成が終了してから、再び加熱温度の上昇を開始する工
    程を、少なくとも1回実施することを特徴とする、前記
    の鋼中含有炭素の形態別定量方法。
  2. 【請求項2】 分析対象鋼の抽出残渣を酸素存在下で加
    熱することによって前記残渣から生成する一酸化炭素及
    び二酸化炭素の量を測定することにより、分析対象鋼中
    に含まれる炭素を形態別に定量する請求項1に記載の鋼
    中含有炭素の形態別定量方法を実施する装置であって、
    一酸化炭素又は二酸化炭素の発生の開始及び終了を検知
    することのできる手段からの検知信号に応じて、前記抽
    出残渣の加熱温度を制御することのできる手段を有する
    ことを特徴とする、鋼中含有炭素の形態別定量装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103439452A (zh) * 2013-08-15 2013-12-11 莱芜钢铁集团有限公司 一种转炉炼钢中实时在线快速测定钢水碳的方法

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