JP2000008174A - 自己触媒型無電解銀めっき液 - Google Patents

自己触媒型無電解銀めっき液

Info

Publication number
JP2000008174A
JP2000008174A JP10178665A JP17866598A JP2000008174A JP 2000008174 A JP2000008174 A JP 2000008174A JP 10178665 A JP10178665 A JP 10178665A JP 17866598 A JP17866598 A JP 17866598A JP 2000008174 A JP2000008174 A JP 2000008174A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silver
water
plating solution
soluble
groups
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10178665A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3937373B2 (ja
Inventor
Teruaki Shimoji
輝明 下地
Kuniaki Otsuka
邦顕 大塚
Ayumi Yamagishi
歩 山岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Okuno Chemical Industries Co Ltd
Original Assignee
Okuno Chemical Industries Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Okuno Chemical Industries Co Ltd filed Critical Okuno Chemical Industries Co Ltd
Priority to JP17866598A priority Critical patent/JP3937373B2/ja
Publication of JP2000008174A publication Critical patent/JP2000008174A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3937373B2 publication Critical patent/JP3937373B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemically Coating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】シアン化合物、窒素系化合物などを含有しない
非シアン、非アンモニアタイプの自己触媒型無電解銀め
っき液であって、めっき液の安定性が良く、良好な皮膜
物性の銀めっき皮膜を形成できる無電解銀めっき液を提
供する。 【解決手段】(i)水溶性銀塩、(ii)分子内に2個の
モノスルフィド基を有する水溶性含硫黄有機化合物、及
び(iii)還元剤、を含有する水溶液からなる自己触媒
型無電解銀めっき液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自己触媒型の無電
解銀めっき液、及び無電解銀めっき方法に関する。
【0002】
【従来の技術】銀めっきは、古くから装飾分野、電子産
業分野などにおいて広く利用されている。従来用いられ
ている銀めっき液は、殆どが銀のキレート剤として、シ
アンイオンを含有するものであるが、シアン化合物には
強い毒性があり、排水処理、薬品管理、作業時の安全管
理等において、取り扱いに注意が必要である。このため
シアン化合物を含まない、非シアン型の銀めっき液が要
望されている。
【0003】非シアン型の銀めっき液は、銀が貴金属で
あることから、浴中で分解し沈殿を生じ易く、めっき液
の安定性に課題がある。さらに、銅等の素材に対して置
換し易いため、密着性のある皮膜が得られ難いという欠
点もある。
【0004】近年では、幾つかの非シアン銀めっき液が
提案されている。例えば、電解めっきを例に挙げると、
特公平5−75837号公報には、有機スルホン酸銀、
硝酸銀、塩化銀等の銀化合物とヨウ化カリウムを含むめ
っき液に、スルファニル酸誘導体を配合しためっき液が
報告されている。しかしながら、このめっき液は、液の
安定性や電導性を維持するためにヨウ化カリウムを大量
に配合する必要があり、従来のシアン浴に比べて非常に
コストが高くなるという欠点がある。
【0005】また、特開平7−166391号公報で
は、有機スルホン酸銀塩、コハク酸イミド又はその誘導
体、緩衝剤等を含むめっき液に、界面活性剤を配合した
電解銀めっき液が報告されている。このめっき液によれ
ば、光沢皮膜を形成することが可能であるが、主キレー
ト成分がめっき液中で不安定で適応できるpHが狭く、
加水分解等が生じやすく、浴寿命が短いという欠点があ
る。
【0006】またこれら電解めっき液では、非導電体上
へめっきを行う場合には、無電解めっき処理等を施して
導電性を付与した後、電解銀めっきを行う必要があり、
経済的、時間的に不利な点は否めない。
【0007】自己触媒型無電解銀めっき液についても幾
つかの報告がなされている。例えば、特開平05−28
7543号公報には、チオ硫酸塩、チオシアン酸塩、亜
硫酸塩等をキレート剤として用い、水素化ホウ素カリウ
ムを還元剤とした自己触媒型無電解銀めっき液が報告さ
れている。しかしながら、チオ硫酸塩、亜硫酸塩等は空
気等で酸化されやすく不安定である。しかも、形成され
る錯体は光に対して敏感であり、安定した溶液を得るこ
とは困難である。
【0008】また、特開昭61−15986号公報に
は、アンモニアやエチレンジアミン等の窒素化合物をキ
レート剤とした自己触媒型無電解銀めっき液が報告され
ている。しかしながら、窒素系化合物は爆発性を有する
窒化銀を形成するおそれがあり、しかもアンモニアやエ
チレンジアミン等は臭気の問題から、作業環境にも注意
を払う必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
シアン化合物、窒素系化合物などを含有しない非シア
ン、非アンモニアタイプの自己触媒型無電解銀めっき液
であって、めっき液の安定性が良く、良好な物性の銀め
っき皮膜を形成できる無電解銀めっき液を提供すること
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の如き
従来技術の問題点を解決するために、鋭意研究を重ねて
きた。その結果、分子内に2個のモノスルフィド基を有
する水溶性含硫黄有機化合物をキレート剤として用いる
ことによって、シアン、アンモニア等を用いることな
く、安定性が良好で、優れた物性を有する銀めっき皮膜
を形成できる非シアン非アンモニアタイプの自己触媒型
無電解銀めっき液が得られることを見出し、ここに本発
明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明は、以下の自己触媒性無電解
銀めっき液、無電解銀めっき方法、及び銀めっき処理品
を提供するものである。 1.(i)水溶性銀塩、(ii)分子内に2個のモノスル
フィド基を有する水溶性含硫黄有機化合物、及び(ii
i)還元剤、を含有する水溶液からなる自己触媒型無電
解銀めっき液。 2.水溶性銀塩が、硫酸銀、硝酸銀、及び過塩素酸銀か
ら選ばれた少なくとも1種である上記項1に記載の無電
解銀めっき液。 3.分子内に2個のモノスルフィド基を有する水溶性含
硫黄有機化合物が、分子内に水酸基、カルボキシル基、
スルホン酸基、アミノ基、ホスホン基及びメルカプト基
から選ばれた少なくとも一種の水溶性基を有し、2個の
モノスルフィド基の間に炭素数2〜8個の2価の炭化水
素基が存在する化合物、及び該化合物の塩から選ばれた
少なくとも一種である上記項1又は2に記載の無電解銀
めっき液。 4.還元剤が、水溶性アルデヒド化合物、水溶性ヒドラ
ジン誘導体、水素化ホウ素化合物、次亜リン酸化合物、
亜リン酸化合物、及びアスコルビン酸化合物から選ばれ
た少なくとも1種である上記項1〜3のいずれかに記載
の無電解銀めっき液。 5.(i)水溶性銀塩を、銀金属量として、0.2〜1
0g/l、(ii)分子内に2個のモノスルフィド基を有
する水溶性含硫黄有機化合物を、銀イオン量に対して、
等モル〜20倍モル、及び(iii)還元剤を、水溶性銀
塩に対して、等グラム当量〜20倍グラム当量、含有す
る水溶液からなる上記項1〜4のいずれかに記載の無電
解銀めっき液。 6.上記項1〜5のいずれかに記載の無電解銀めっき液
を、pH1〜14、液温0〜80℃として、該銀めっき
液に被めっき物を浸漬することを特徴とする無電解銀め
っき方法。 7.無電解銀めっき液が、pH6〜13、液温10〜6
0℃である上記項6に記載の無電解銀めっき方法。 8.上記項6又は7の方法で銀めっき皮膜が形成された
銀めっき処理品。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の自己触媒型無電解銀めっ
き液は、(i)水溶性銀塩、(ii)分子内に2個のモノ
スルフィド基を有する水溶性含硫黄有機化合物、及び
(iii)還元剤、を含有する水溶液からなるものであ
る。
【0013】本発明のめっき液に配合する水溶性銀塩と
しては、めっき液に可溶性であって、所定の濃度の水溶
液が得られるもので有れば特に限定されないが、特に硫
酸銀、硝酸銀、過塩素酸銀等の無機銀塩が溶解性が良好
である点で好ましい。銀化合物は、一種単独又は二種以
上混合して用いることができる。
【0014】水溶性銀塩の配合量は、銀金属量として、
0.2〜10g/lの程度とすることが好ましく、0.
5〜5g/l程度とすることがより好ましい。
【0015】銀金属量が、上記範囲に有る場合には、適
度な析出速度を有し、しかも、良好な安定性を有するめ
っき液となり、しかもめっき液の無駄な持ち出しを減少
させることができる。
【0016】本発明では、銀のキレート剤成分として、
分子内に2個のモノスルフィド基を有する水溶性含硫黄
有機化合物を用いる。該水溶性含硫黄有機化合物を配合
することによって、浴中の銀イオンが十分に錯化され
て、めっき浴の安定性が良好になる。該含硫黄有機化合
物は、分子内に2個のモノスルフィド基を有すると共
に、分子内に水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、
アミノ基、ホスホン基及びメルカオプト基から選ばれた
少なくとも一種の水溶性基を有し、2個のモノスルフィ
ド基の間に炭素数2〜8個の2価の炭化水素基が存在す
る化合物、該化合物のアルカリ金属塩、アンモニウム塩
等が好ましい。水溶性基は、分子内に一個以上存在すれ
ば良いが、二個以上存在することが好ましい。該水溶性
含硫黄有機化合物は、一種単独又は2種以上混合して用
いることができる。
【0017】該水溶性含硫黄有機化合物の好ましい例と
しては、下記一般式で表される化合物、その塩等を挙げ
ることができる。
【0018】X−R1−S−R2−S−R3−Y (式中、R1及びR2は、同一又は異なって、それぞれ、
炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基、R3
は、炭素数2〜8の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基、
X及びYは、同一又は異なって、水酸基、カルボキシル
基、スルホン酸基、アミノ基、ホスホン基又はメルカプ
ト基である。)該水溶性含硫黄有機化合物の具体例とし
ては、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)エタ
ン、2,2’−(エチレンジチオ)ジエタンチオール、
1,4−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)ブタン、3,
3’−(プロピレンジチオ)ジプロピオン酸、これらの化
合物の塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩等)等を挙
げることができる。
【0019】該水溶性含硫黄有機化合物は、一種単独又
は2種以上混合して用いることができる。
【0020】該水溶性含硫黄有機化合物の配合量は、め
っき浴中の銀イオンに対して、等モル以上とすることが
好ましく、2倍モル以上とすることがより好ましい。該
水溶性含硫黄有機化合物の配合量が少なすぎると、銀が
十分に錯化されないため、めっき浴が不安定となり、液
の分解が生じ易くなる。配合量の上限については、使用
する含硫黄有機化合物の溶解度までとすることが可能で
あり、配合量が多いほどめっき液の安定性は向上する
が、大過剰に配合すると、めっき析出速度が低下して、
所定の析出銀量を得るために長時間が必要となる。また
持ち出しの増大により、経済的にも好ましくない。この
ため、通常、銀イオンに対して20倍モル程度までの配
合量とすることが好ましい。
【0021】以上より、水溶性含硫黄有機化合物の配合
量は、めっき浴中の銀イオンに対して、等モル〜20倍
モルとすることが好ましく、2倍モル〜20倍モルとす
ることがより好ましい。
【0022】還元剤としては、めっき液中の水溶性銀塩
を金属銀に還元する能力を有し、且つ水溶性の化合物を
用いることができる。この様な還元剤としては、ホルマ
リン、グリオキシル酸、ヒドロキシベンズアルデヒド、
還元糖類(ブドウ糖、蔗糖等)等の水溶性アルデヒド化
合物;水加ヒドラジン、セミカルバジド等の水溶性ヒド
ラジン誘導体;水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミ
ンボラン等の水素化ホウ素化合物;次亜リン酸、次亜リ
ン酸塩等の次亜リン酸化合物;亜リン酸、亜リン酸塩等
の亜リン酸化合物;アスコルビン酸、アスコルビン酸塩
等のアスコルビン酸化合物等が挙げられる。還元剤は、
一種単独又は2種以上混合して用いることができる。
【0023】還元剤の配合量は、水溶性銀塩に対して等
グラム当量以上とすることが好ましい。配合量が少なす
ぎると、めっき液中に水溶性銀塩が未反応のまま存在す
るために経済的に好ましくない。還元剤の配合量の上限
は、使用する還元剤の溶解度までとすることができる
が、大量に還元剤を配合すると、めっき液の安定性に悪
影響を及ぼし、しかも経済的に好ましくない。このた
め、還元剤の配合量は水溶性銀塩に対して20倍グラム
当量程度以下とすることが望ましい。
【0024】本発明の無電解銀めっき液には、更に、必
要に応じて、上記した各成分の働きに悪影響を及ぼさな
い限り、各種の添加剤を配合することができる。
【0025】本発明の無電解銀めっき液は、上記した各
成分を水に溶解したものであり、好ましくは、水溶性銀
塩及び水溶性含硫黄化合物を溶解した水溶液中に、還元
剤を添加する方法によって調製することができる。
【0026】本発明の無電解銀めっき液は、液温0〜8
0℃程度の範囲で用いることが好ましい。めっき液の温
度が低い場合には、銀の析出速度が遅く所定の銀析出量
を得るために長時間が必要となる。また液温が高過ぎる
と、自己分解反応による還元剤の損失や、浴安定性の低
下を引き起こし易い。本発明めっき液は、特に、10〜
60℃程度で用いることが好ましく、この温度範囲とす
ることによって、めっき液の安定性が良好となり、適度
な析出速度を有するものとなる。
【0027】めっき液のpHは1〜14程度とすること
が適当である。pHが低過ぎる場合には自己分解反応に
よる還元剤の損失や、還元剤自身が水溶性銀塩を還元で
きる電位に達しない場合があり、一方、pHが高過ぎる
場合には、還元剤の還元性が強くなりすぎて、めっき液
が分解する恐れがある。特に、めっき液のpHを6〜1
3程度とすることによって、めっき液の安定性が良好
で、しかも適度な析出速度を有するものとなる。めっき
液のpH調整は、通常、pHを下げる場合には、水溶性
銀塩のアニオン部分と同種のアニオン部分を有する酸、
例えば、水溶性銀塩として硫酸銀を用いる場合には硫
酸、水溶性銀塩として硝酸銀を用いる場合には硝酸を用
いて行えばよく、pHを上げる場合には、アルカリ金属
水酸化物、アンモニア等を用いて行えばよい。
【0028】本発明の無電解銀めっき液を用いてめっき
処理を行うには、上記した液温、及びpH値に調節した
めっき液中に被めっき物を浸漬すればよい。
【0029】本発明の無電解銀めっき液により無電解銀
めっき皮膜を形成できる被めっき物の材質については特
に限定はなく、金属材料やその他の各種の導電性材料、
非導電性材料を被めっき物とすることができる。
【0030】金属材料を被めっき物とする場合には、通
常、常法に従って脱脂処理等の前処理を行った後、被め
っき物を直接めっき液中に浸漬すればよい。
【0031】セラミックス、プラスチックス等の非金属
材料にめっき処理を行うには、脱脂処理等の前処理を行
った後、被めっき物を活性化処理し、その後めっき液に
浸漬すればよい。活性化処理は、常法に従えばよく、例
えば、パラジウム触媒(キャタリスト−アクセラレータ
ー法、センシタイズ−アクチベーター法等)、酸性塩化
第1スズ溶液、特開平10−3188号公報に記載の銀
触媒又は銅触媒等を用いて、公知の条件に従って、活性
化処理を行えばよい。
【0032】以上の方法で、無電解銀めっき皮膜が形成
された材料は、従来から銀めっき皮膜が適用されている
各種分野において用いることができる。例えば、電磁波
シールド、セラミックコンデンサー、抗菌材料等の用途
に有効に用いることができる。
【0033】
【発明の効果】本発明の無電解銀めっき液は、有害なシ
アン化合物やアンモニア等の窒素系化合物を含んでおら
ず、安全で取り扱い易いめっき液である。そして、該め
っき液は、安定性が良好で、適度な析出速度を有し、形
成される銀めっき皮膜は、密着性、耐食性、耐磨耗性等
の皮膜物性、電気的特性などが良好である。
【0034】
【実施例】以下に、実施例を示して本発明をさらに詳細
に説明する。 (実施例1)硝酸銀0.17g/l、1,2−ビス(2
−ヒドロキシエチルチオ)エタン10g/l、及び水加
ヒドラジン8g/lを含有する水溶液からなる無電解銀
めっき液を調製し、これを水酸化カリウムを用いてpH
10に調整した。
【0035】アルミナセラミック試験片(5×5cm)
を被めっき物として用い、これをPd触媒(商標名:キ
ャタリストC、奥野製薬工業(株)製)50ml/l及び
35%塩酸150ml/lを含有する触媒液中に25℃
で3分間浸漬し、次いで、10%硫酸水溶液中に35℃
で3分間浸漬した後、上記無電解銀めっき液に浸漬し、
35℃で1時間無電解銀めっきを行った。その結果、厚
さ1.2μmの平滑で無光沢の緻密な銀めっき皮膜が析
出し、銀めっき皮膜の表面には、外観ムラは認められな
かった。さらに、めっき液を室温で4週間放置後、同様
のめっき試験を行ったが、良好なめっき性能を示し、p
Hの変動、沈殿などは認められなかった。 (実施例2)硫酸銀0.31g/l、1,4−ビス(2
−ヒドロキシエチルチオ)ブタン15g/l、及びホル
ムアルデヒド4g/lを含有する水溶液からなる無電解
銀めっき液を調製し、これを水酸化ナトリウムを用いて
pH11に調整した。
【0036】あらかじめ脱脂を行った圧延銅板(5×5
cm、厚さ0.2mm)を被めっき物として用い、これ
を上記無電解銀めっき液に浸漬し、50℃で1時間無電
解銀めっきを行った。その結果、厚さ3μmの平滑で無
光沢の緻密な皮膜が析出し、銀めっき皮膜の表面には、
外観ムラは認められなかった。さらに、めっき液を室温
で4週間放置後、同様のめっき試験を行ったが、良好な
めっき性能を示し、pHの変動、沈殿などは認められな
かった。 (実施例3)硝酸銀0.34g/l、2,2’−(エチ
レンジチオ)ジエタンチオール20g/l、及び次亜リ
ン酸ナトリウム10g/lを含有する水溶液からなる無
電解銀めっき液を調製し、これを水酸化ナトリウムを用
いてpH10.5に調整した。
【0037】エポキシ樹脂試験片(5×5cm、厚さ
1.8mm)を被めっき物として用い、これを塩化第一
スズ2水和物30g/l及び35%塩酸20ml/lを
含有する酸性塩化第一スズ溶液に25℃で3分間浸漬し
た後、上記無電解銀めっき液に浸漬し、50℃で1時間
無電解銀めっきを行った。その結果、厚さ2.8μmの
平滑で無光沢の緻密な皮膜が析出し、銀めっき皮膜の表
面には、外観ムラは認められなかった。さらに、めっき
液を室温で4週間放置後、同様のめっき試験を行った
が、良好なめっき性能を示し、pHの変動、沈殿などは
認められなかった。 (比較例1)硝酸銀0.5g/l、エチレンジアミン
1.08g/l、ロッセル塩(酒石酸ナトリウムカリウ
ム4水和物)3.78g/l、及び3,5−ジヨードチ
ロシン0.18g/lを含有し、水酸化ナトリウムを使
用してpH11.0とした無電解銀めっき液を調製し
た。
【0038】実施例1と同様にして活性化したアルミナ
セラミック試験片(5×5cm、厚さ0.2mm)を被
めっき物として用い、これを上記めっき液に浸漬し、3
0℃で1時間無電解銀めっきを行った。その結果、厚さ
0.4μmの平滑で無光沢の皮膜が析出したが、めっき
皮膜は試験片全体に析出することなく、所々無めっきの
部分があった。さらにめっき液からはエチレンジアミン
臭が立ちこめ、局所排気設備を必要とした。
【0039】また、めっき液を室温で4週間放置後、同
様の試験を行ったが、pHの変動がみられ、めっき槽の
底に金属銀の沈殿が確認された。 (比較例2)硝酸銀3.5gにアンモニア水を沈殿が溶
解するまで加え、さらにブドウ糖45g/lを加えて、
水で1リットルとして、めっき液(銀鏡反応液)を調製
した。
【0040】このめっき液に、実施例1と同様にして活
性化したアルミナセラミック試験片を浸漬し、25℃で
無電解めっきを行った。
【0041】試験片浸漬後、約5分後にめっき液は懸濁
し始め、約10分後にめっき槽全面にめっきが析出し
た。めっき皮膜は試験片全体に析出したが、膜厚はめっ
き液が分解したため測定不可能であった。
【0042】以上の結果から判るように、本発明の自己
触媒型無電解銀めっき液を使用することにより、安定で
しかも均一な銀めっき皮膜を形成することができる。ま
た、本発明のめっき液は、長期に亘って安定しためっき
性能を発揮できる。しかも、本発明めっき液は、非アン
モニア系であるため、アンモニアの飛散による臭気の問
題や、環境対策に配慮する必要もなく、また爆発性の窒
化銀を生ずることもない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K022 BA01 DA01 DB02 DB03 DB05 DB06 DB07 DB08 DB25 DB26 DB28

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)水溶性銀塩、(ii)分子内に2個の
    モノスルフィド基を有する水溶性含硫黄有機化合物、及
    び(iii)還元剤、を含有する水溶液からなる自己触媒
    型無電解銀めっき液。
  2. 【請求項2】水溶性銀塩が、硫酸銀、硝酸銀、及び過塩
    素酸銀から選ばれた少なくとも1種である請求項1に記
    載の無電解銀めっき液。
  3. 【請求項3】分子内に2個のモノスルフィド基を有する
    水溶性含硫黄有機化合物が、分子内に水酸基、カルボキ
    シル基、スルホン酸基、アミノ基、ホスホン基及びメル
    カプト基から選ばれた少なくとも一種の水溶性基を有
    し、2個のモノスルフィド基の間に炭素数2〜8個の2
    価の炭化水素基が存在する化合物、及び該化合物の塩か
    ら選ばれた少なくとも一種である請求項1又は2に記載
    の無電解銀めっき液。
  4. 【請求項4】還元剤が、水溶性アルデヒド化合物、水溶
    性ヒドラジン誘導体、水素化ホウ素化合物、次亜リン酸
    化合物、亜リン酸化合物、及びアスコルビン酸化合物か
    ら選ばれた少なくとも1種である請求項1〜3のいずれ
    かに記載の無電解銀めっき液。
  5. 【請求項5】(i)水溶性銀塩を、銀金属量として、
    0.2〜10g/l、(ii)分子内に2個のモノスルフ
    ィド基を有する水溶性含硫黄有機化合物を、銀イオン量
    に対して、等モル〜20倍モル、及び(iii)還元剤
    を、水溶性銀塩に対して、等グラム当量〜20倍グラム
    当量、含有する水溶液からなる請求項1〜4のいずれか
    に記載の無電解銀めっき液。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の無電解銀
    めっき液を、pH1〜14、液温0〜80℃として、該
    銀めっき液に被めっき物を浸漬することを特徴とする無
    電解銀めっき方法。
  7. 【請求項7】無電解銀めっき液が、pH6〜13、液温
    10〜60℃である請求項6に記載の無電解銀めっき方
    法。
  8. 【請求項8】請求項6又は7の方法で銀めっき皮膜が形
    成された銀めっき処理品。
JP17866598A 1998-06-25 1998-06-25 自己触媒型無電解銀めっき液 Expired - Fee Related JP3937373B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17866598A JP3937373B2 (ja) 1998-06-25 1998-06-25 自己触媒型無電解銀めっき液

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17866598A JP3937373B2 (ja) 1998-06-25 1998-06-25 自己触媒型無電解銀めっき液

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000008174A true JP2000008174A (ja) 2000-01-11
JP3937373B2 JP3937373B2 (ja) 2007-06-27

Family

ID=16052435

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17866598A Expired - Fee Related JP3937373B2 (ja) 1998-06-25 1998-06-25 自己触媒型無電解銀めっき液

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3937373B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002004060A (ja) * 2000-06-21 2002-01-09 Ishihara Chem Co Ltd 無電解金メッキ浴
JP2006206946A (ja) * 2005-01-27 2006-08-10 Ishihara Chem Co Ltd 銅系素材用銀メッキ浴
KR101731675B1 (ko) * 2014-07-10 2017-05-02 삼성에스디아이 주식회사 도전성 카본볼, 이를 포함하는 태양전지 전극 형성용 조성물, 및 그 제조방법

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5840454B2 (ja) 2011-10-27 2016-01-06 上村工業株式会社 還元型無電解銀めっき液及び還元型無電解銀めっき方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002004060A (ja) * 2000-06-21 2002-01-09 Ishihara Chem Co Ltd 無電解金メッキ浴
JP4660800B2 (ja) * 2000-06-21 2011-03-30 石原薬品株式会社 無電解金メッキ浴
JP2006206946A (ja) * 2005-01-27 2006-08-10 Ishihara Chem Co Ltd 銅系素材用銀メッキ浴
JP4609705B2 (ja) * 2005-01-27 2011-01-12 石原薬品株式会社 銅系素材用銀メッキ浴
KR101731675B1 (ko) * 2014-07-10 2017-05-02 삼성에스디아이 주식회사 도전성 카본볼, 이를 포함하는 태양전지 전극 형성용 조성물, 및 그 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP3937373B2 (ja) 2007-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5910340A (en) Electroless nickel plating solution and method
US8962070B2 (en) Method for the deposition of a metal layer comprising a beta-amino acid
TWI572742B (zh) Reduction Electroless Silver Plating Solution and Reduced Electroless Silver Plating Method
JPS5818430B2 (ja) 無電解メツキ浴およびメツキ方法
KR100930879B1 (ko) 무전해 도금액용 안정화제 및 그의 사용방법
KR20040050887A (ko) 무전해 금도금 용액
WO2005098088A1 (ja) 無電解金めっき液
JP3937373B2 (ja) 自己触媒型無電解銀めっき液
JP3972158B2 (ja) 無電解パラジウムメッキ液
KR100404369B1 (ko) 무전해니켈도금용액및방법
JP3227504B2 (ja) 無電解銅めっき液
TWI804539B (zh) 無電鍍金鍍浴
JP2000309875A (ja) 置換型無電解銀めっき液
EP3394319A1 (en) Gold plating solution
JP3152008B2 (ja) 無電解金めっき液
JPH05295558A (ja) 高速置換型無電解金めっき液
JP2014055314A (ja) 自己触媒型無電解銀めっき液及びめっき方法
JPH09157859A (ja) 無電解金めっき液
WO2023105072A1 (en) Use of an aqueous alkaline composition for the electroless deposition of a metal or metal alloy on a metal surface of a substrate
JPH03287780A (ja) 無電解銅めっき浴
JPH0250990B2 (ja)
JPH0250976A (ja) 亜鉛系めっき用表面処理液及び表面処理方法
JPS5933666B2 (ja) 化学銅めつき液
JPS5817255B2 (ja) 無電解銅メツキ浴
JPH0913175A (ja) ジアミン型生分解性キレート剤を用いた無電解Niメッキ浴

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050801

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061025

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070307

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070316

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110406

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110406

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120406

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130406

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130406

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140406

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees