JP2000008038A - 土壌組成物 - Google Patents

土壌組成物

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JP2000008038A
JP2000008038A JP10173375A JP17337598A JP2000008038A JP 2000008038 A JP2000008038 A JP 2000008038A JP 10173375 A JP10173375 A JP 10173375A JP 17337598 A JP17337598 A JP 17337598A JP 2000008038 A JP2000008038 A JP 2000008038A
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volume
resin foam
plant
reduced
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JP10173375A
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Yoshiyuki Matsuzuka
禎之 松塚
Kyoichi Tachikawa
亨一 立川
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Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】栽培時の運搬作業が容易で、かつ、長期にわた
り通水性、通気性等の土壌要件が損なわれず、植物の生
育を促進させることが可能な、土壌組成物を提供するこ
とである。 【解決手段】(A)平均直径が0.01〜5.0mm、
アスペクト比が5〜50で、かつその表面に凹凸部を有
する形状に形成された、嵩比重が0.1〜0.3であ
る、熱可塑性樹脂発泡体の異形減容品と、(B)親水性
無機発泡体粒子と、(C)植物系有機質土質改良剤と、
を含有するとともに、全成分に対する、前記異形減容品
(A)の含有割合が20〜40体積%、前記親水性無機
発泡体粒子(B)の含有割合が3〜20体積%である土
壌組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農業用、園芸用と
して好適に使用できる土壌組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、植物栽培における土壌条
件としては、保水性、通水性、通気性等に優れること、
根の伸張抵抗が小さいこと、適度の養分を含有すること
等が要求される。
【0003】また最近では、男性、女性を問わず、ハン
ギングバスケット、ウィンドウズポット等を用いた家庭
園芸、いわゆるガーデニング(Gardening)が
流行していることから、土壌としては、上述のような土
壌条件に加えて、土の入れ換えや、栽培植物の植え代え
等の作業を行う際に、とくに女性にとって持ち運びが簡
単で、作業が楽に行える等の取扱いが容易なものが望ま
れている。
【0004】そこで、これらの要求に応じて、熱可塑性
樹脂発泡体の粉砕物と、植物系有機質土質改良剤および
親水性無機発泡体粒子とを混合して調製した改良土壌が
開発されている。
【0005】上記改良土壌は、根の伸張抵抗が小さいこ
と、適度の養分を含有すること等の条件を満足し、かつ
赤土、黒土、鹿沼土、桐生砂等の天然用土に比べて通水
性、通気性等が改良されるとともに、非常に軽量である
ため、土の入れ換えや植物の植え代え時の運搬等が容易
である。
【0006】また上記樹脂発泡体の粉砕物は、各種緩衝
材、断熱材、食品トレー、梱包材などに使用された不用
の樹脂発泡体成形品を原材料として再利用し、これを約
2〜5mm程度の粒状に粉砕して得られるものである。
従って、上記土壌は、資源の再利用という環境問題が配
慮されたものである。
【0007】しかしながら、上記改良土壌は、親水性無
機発泡体粒子および植物系有機質土質改良剤(以下、他
の土壌成分という)が、樹脂発泡体粒子の表面に単に付
着保持されているだけなので、嵩比重が0.05以下と
小さい樹脂発泡体の粉砕物は、多量の雨等による冠水ま
たは栽培上必要な潅水時において、他の土壌成分と比較
的容易に分離されて浮き上がったり、あるいは風により
吹き飛ばされたりしてしまうおそれがあった。
【0008】その結果、改良土壌中の空隙が減少して通
気性や通水性などが低下し、ひいては栽培植物の成長の
妨げを招くという問題があった。
【0009】そこで、本発明者らは先に、上記樹脂発泡
体の粉砕物として、嵩密度を0.2〜0.8に減容化さ
せた、表面に凹凸部を有し、かつ、独立気泡が残存した
樹脂発泡体の被粉砕物を開発した(特開平5−2716
55号公報)。
【0010】上記樹脂発泡体の粉砕物は、従来の樹脂発
泡体よりも嵩比重が大きく、かつ、粉砕表面に凹凸部を
有することから、他の土壌成分と混和した際の混和性
(混合分散性)が改善されると共に、独立気泡を有する
ので、大きな圧縮強度を備えたものである。
【0011】従って、かかる被粉砕物を用いて調製した
土壌は、従来の樹脂発泡体を用いた場合に比べて、上述
のような問題点を解決できると期待される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが本発明者ら
が、前記公報に記載の樹脂発泡体の被粉砕物についてさ
らなる検討を行ったところ、上記被粉砕物は、嵩密度の
減容化と粉砕表面に有する凹凸部とによって、従来の樹
脂発泡体の粉砕物に比べて他の土壌成分との混和性は向
上するものの、その効果が未だ十分なものでなく、当該
樹脂発泡体が、数回にわたる潅水において浮き上がった
り、あるいは風により吹き飛ばされたりする結果、土壌
の通気性などが低下する場合があるという事実が明らか
になった。
【0013】その結果、従来の樹脂発泡体の粉砕物を用
いた土壌と同様に、長期にわたり良好な土壌条件を維持
することができず、例えば花卉類の栽培においては花数
が少ないものしか生育せず、植物の栽培用土壌としては
不十分なものであった。
【0014】本発明の目的は、栽培時の運搬作業が容易
で、かつ、通気性、通水性等の土壌条件が長期にわたり
損なわれず、植物の生育を促進させることが可能な、土
壌組成物を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
本発明者らは鋭意検討を行ったところ、上記樹脂発泡体
の被粉砕物は、下記(1)〜(3)の原因により、他の
土壌成分(親水性無機発泡体粒子(B)および植物系有
機質土質改良剤(C))との混和性が不十分であること
が明らかとなった。 (1)図1(a)に示すように、従来の樹脂発泡体の粉
砕物のみならず、上記公報に記載の被粉砕物1は、その
アスペクト比(長径/短径比をいう)が1〜4前後であ
るため、被粉砕物1の内部に位置する凹凸部2が他の土
壌成分との保持機能を発揮しないことから、単位重量当
たりの粉砕表面に有する凹凸部3が少ないこと。 (2)アスペクト比が1〜4前後である上記被粉砕物1
と、他の土壌成分とでは、その形状が大きく相違(一般
に、前者は等辺形のもの、後者は細長形状のものが多
い)するため、両者成分の絡みが未だ十分でないこと。 (3)アスペクト比が1〜4前後である被粉砕物1と、
他の土壌成分との配合量が不定であると、他の土壌成分
が多くなる場合には、被粉砕物1表面の凹凸部3が絶対
的に不足してしまうこと。
【0016】そこで、本発明者らは引き続く検討を行っ
た結果、所定のアスペクト比および平均直径を有し、か
つその表面に凹凸部を有する嵩比重が0.1〜0.3で
ある熱可塑性樹脂発泡体の異形減容品(A)と、親水性
無機発泡体粒子(B)および植物系有機質土質改良剤
(C)とを、所定の体積割合になるように配合して調製
した土壌組成物は、驚くべきことに、数回にわたる潅水
時などにおいても発泡体の被粉砕物が浮き上がったりせ
ず、他の成分との混和性が長期にわたり良好であるた
め、優れた通気性や通水性等を有するいう新たな事実を
見出し、本発明を完成するに至った。
【0017】本発明の土壌組成物は、(A)平均直径が
0.01〜5.0mm、アスペクト比が5〜50で、か
つその表面に凹凸部を有する形状に形成された、嵩比重
が0.1〜0.3である、熱可塑性樹脂発泡体の異形減
容品と、(B)親水性無機発泡体粒子と、(C)植物系
有機質土質改良剤と、を含有するとともに、全成分に対
する、前記異形減容品(A)の含有割合が20〜40体
積%、前記親水性無機発泡体粒子(B)の含有割合が3
〜20体積%、であることを特徴とするものである。
【0018】本発明で使用する熱可塑性樹脂発泡体の減
容品(A)(以下、単に樹脂発泡体の減容品(A)とい
う)は、梱包材として使用された樹脂発泡体の成形品を
再利用して得られるので、土壌の生産コストが低減でき
るとともに、資源の再利用が有効に図られる。
【0019】図1(b)に示すように、上記樹脂発泡体
の減容品(A)は、表面に凹凸部を有し、嵩比重が0.
1〜0.3である上、アスペクト比が5〜50、かつ平
均直径が0.01〜5.0mmであるから、上記公報に
記載の樹脂発泡体の粉砕物に比べて、樹脂発泡体の減容
品自体の形状が細長くなり、単位重量当たりの粉砕表面
に有する凹凸部4が多くなる結果、他の土壌成分を有効
に保持することができる。
【0020】加えて、本発明では、上記樹脂発泡体の減
容品(A)と、親水性無機発泡体粒子(B)および植物
系有機質土質改良剤(C)との配合量が、所定の範囲内
に調整されているので、単位重量当たりの粉砕表面に有
する凹凸部が多くなる結果、他の土壌成分を効率よく保
持することができる。
【0021】よって、本発明では、土壌に通気性や通水
性などを付与する樹脂発泡体の減容品(A)が、他の土
壌成分(B)および(C)と分離しにくいため、通気
性、通水性等の土壌条件が長期にわたり損なわれず、植
物の生育(例えば花数など)を促進させることができ
る。
【0022】さらに本発明の土壌組成物は、天然用土な
どに比べて、非常に軽量な樹脂発泡体の減容品(A)、
親水性無機発泡体粒子(B)および植物系有機質土質改
良剤(C)を使用しているので、植物栽培における土の
入れ換え時の搬送等が容易で、マンションのベランダま
たは室内等の植物栽培用の土壌として好適である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を説明する。
【0024】本発明の土壌組成物は、表面に凹凸部を有
し、かつ所定の嵩比重、平均直径およびアスペクト比を
有する樹脂発泡体の減容品(A)と、他の土壌成分(親
水性無機発泡体粒子および植物系有機質土質改良剤)と
を所定量配合して調製される。
【0025】本発明で使用する樹脂発泡体の減容品
(A)としては、アスペクト比が5〜50、平均直径が
0.01〜5.0mmで、かつその表面に凹凸部を有
し、嵩比重が0.1〜0.3であるものが使用される。
【0026】嵩比重が上記範囲外であると、多量の雨等
による冠水時や、または日常行われる潅水作業におい
て、他の土壌成分と分離するおそれがあり、土壌の通気
性や通水性が損なわれる場合がある。
【0027】アスペクト比が上記範囲を下回ると、他の
土壌成分との混和性が低下するため、多量の雨等による
冠水時や、または日常行われる潅水作業において、他の
土壌成分と分離するおそれがある。
【0028】逆に、アスペクト比が上記範囲を上回る
と、製造時に切断されやすく、製造が困難である。
【0029】平均直径が上記範囲を下回ると、混合時の
飛散が多くなり、均質な組成物を製造することが難しく
なるおそれがある。
【0030】逆に、平均直径が上記範囲を上回ると、他
の土壌成分との形状が相違するおそれがあり、その結
果、多量の雨等による冠水時において、他の土壌成分と
分離するおそれがあり、土壌の通気性や通水性が損なわ
れる場合がある。
【0031】従って、本発明では、かかる範囲の物性を
満足する樹脂発泡体の減容品(A)を使用することによ
り、多量の雨等による冠水時や、または日常行われる潅
水作業において、他の土壌成分との分離を防止し、土壌
の通気性や通水性を良好に保つことができる。
【0032】また本発明では、上記のような所定の物性
を有する樹脂発泡体の減容品(A)を、土壌組成物の全
成分量に対して20〜40体積%、好ましくは30〜4
0体積%の範囲になるように配合する。
【0033】樹脂発泡体の減容品(A)の配合量が、上
記範囲外であると、いずれも花数が少なくなる。
【0034】上記所定の物性を有する樹脂発泡体の減容
品(A)は、食器容器、建築材などといった断熱材や、
緩衝材としての梱包材に使用された樹脂発泡体成形品
を、原材料として再利用(リサイクル)して製造され
る。よって本発明では、土壌の生産コストを低減でき、
資源の節約といった環境問題が考慮されている。
【0035】なお、本発明における熱可塑性樹脂発泡体
としては、発泡ポリスチレン、発泡ウレタン、発泡ポリ
メチルメタクリレート、およびこれら各樹脂の共重合体
等があげられる。
【0036】次に、かかる所定の物性を有する樹脂発泡
体の減容品(A)の製造方法について説明する。なおこ
の説明において、上記樹脂発泡体の減容品(A)を、単
に被粉砕物という。
【0037】まず、使用済みの熱可塑性樹脂発泡体の成
形品(比重1,嵩密度0.01〜0.05)を粉砕し
て、長径5〜50mmの粉砕物を得、ついでこの粉砕物
を、例えばイクストルーダにより、中央部から周辺部に
向かって間隔が小さくなるように体面して設置された一
対のディスク間の中央部に押出する。なお、上記の粉砕
には、破砕、裁断、切断などが含まれる。
【0038】上記ディスクは、一方のディスクが固定さ
れ、他方のディスクが回転、または双方のディスクが逆
方向にそれぞれ同軸で回転するように設置され、各ディ
スクの対向面周辺部には、相対し得る位置にカッター等
の粉砕手段がそれぞれ設けられている。
【0039】そして、粉砕物がディスク間に順次供給さ
れることと、ディスクの回転による遠心力とにより、デ
ィスク間の粉砕物がディスク間の中央部から周辺部へと
輸送され、粉砕物は押圧されながら上記の各粉砕手段に
より粉砕される。
【0040】このとき、粉砕物およびディスク間で粉砕
された粉砕物(被粉砕物)は、各ディスク間において転
動することから、摩擦熱により加熱されて軟化するた
め、各ディスク間での押圧や、各粉砕手段による粉砕物
および粉砕物の独立気泡が押し潰されて、それらの容積
が減少(減容化)するのである。
【0041】また上記のように、加熱が摩擦熱によるた
め、エクストルーダからの粉砕物の押出速度、各ディス
ク間の距離、転動時間および各ディスク間の相対回転速
度を調整することにより、樹脂発泡体の被粉砕物の嵩密
度、平均直径、アスペクト比を所望の範囲に調整するこ
とができる。
【0042】本発明における、嵩比重が0.1〜0.
3、アスペクト比が5〜50かつ平均直径が0.01〜
5.0mmである被粉砕物を作製するには、下記の条件
下において行われる。
【0043】・各ディスク間の設定距離:0.1〜1.
0mm ・各ディスク間の相対回転速度:1000〜2000r
pm ・エクストルーダからの粉砕物の押出速度:5〜200
g/時間 本発明で使用する被粉砕物が、上記所定の嵩密度、平均
直径、アスペクト比を満足しない場合には、他の土壌成
分との混和性が低下して、土壌の通気性、通水性などか
損なわれ、ひいては栽培植物の生育の妨げを招くおそれ
がある。
【0044】上記摩擦熱による加熱温度は、被粉砕物お
よび粉砕物が軟化するが溶解しない程度の温度とするこ
とが可能であり、具体的には100〜150℃程度にな
っている。この摩擦熱により得られた被粉砕物は、その
少なくとも一部が元の形状に応じた形状を備えたまま減
容されて、被粉砕物中の独立気泡を残存させることがで
きる。
【0045】ついで、上記ディスク間において得られた
被粉砕物は、回転するディスク間の周辺から遠心力によ
り径方向外向きに搬出され、各ディスクを覆うように設
置されたケース(ディスクと同軸に回転する攪拌棒が設
置)内に搬入される。
【0046】このとき、上記被粉砕物は、各ディスク間
で転動されて角が丸くなっており、また、各被粉砕物の
表面は軟化して各被粉砕物の当接面がそれぞれ粘着され
ている。
【0047】そして、このケース内にはディスクと同軸
に回転する攪拌翼が回転しており、上記粘着された各被
粉砕物は、下記の条件で攪拌翼により適宜攪拌されるこ
とにより、離間、集合を繰り返しながら冷却されて、上
記所定の嵩密度、平均直径およびアスペクト比を有する
樹脂発泡体の被粉砕物が、所望する粒度および形状をも
って得られる。
【0048】・攪拌翼の形状:リボン状羽根(2〜6
枚) ・攪拌翼の回転速度:1000〜2000rpm すなわち、上記攪拌棒により、略団子状に弱く集合、粘
着された被粉砕物が離間されるから、得られる被粉砕物
は、粒状の被粉砕物がそれぞれ結合したものであり、そ
の表面は、入り組んだ複雑な形状となる凹凸部を備え、
かつ独立気泡を有することとなる。
【0049】さらに本発明では、上記被粉砕物の凹凸表
面に、吸水性樹脂からなる保水層が形成されていてもよ
い。この保水層は、土壌に良好な保水性を付与すること
ができるので、植物栽培における潅水作業回数を低減す
ることができる。
【0050】上記保水層は、例えば吸水性樹脂(積水化
成品工業社製,「アクアメイト」)を粉末状とし、この
吸水性樹脂粉末を、前記の粉砕物を減容する際に前記の
ディスク間に投入して、減容されて軟化した被粉砕物表
面に粘着させ、あるいは粉砕物中に半分程度擦り込むこ
とで、被粉砕物の表面に形成される。
【0051】次に、本発明で使用する他の土壌成分(親
水性無機発泡体粒子および植物系有機質土質改良剤)に
ついて説明する。
【0052】上記他の土壌成分のうち、植物系有機質土
質改良剤としては、例えばピートモス、ココピート、バ
ーク堆肥、泥炭、木炭灰、籾殻、紙屑、おがくず、木
綿、麻水苔等の天然繊維、ポリエステル、ナイロン等の
合成繊維、古タイヤの粉などがあげられる。
【0053】これらの植物系有機質土質改良剤の多く
は、窒素、リン酸、カルシウムその他の灰分を含有する
ので分解する際に可給態となり、植物に養分として吸収
される。また、これらの植物系有機質土質改良剤は土壌
全量の嵩密度を低減させ、また土壌内に含まれる気相量
を高めるために有効である。
【0054】とりわけ本発明では、ピートモス、ココピ
ート、バーク堆肥、泥炭、木炭灰を使用するのが好まし
い。
【0055】本発明の土壌組成物において、上記植物系
有機質土質改良剤は、土壌組成物の全成分量から異形減
容品(A)および親水性無機発泡体粒子(B)の配合量
を除いた量、すなわち、土壌組成物の全成分量に対して
77〜40体積%配合される。
【0056】植物系有機質土質改良剤の配合量が上記範
囲を上回ると、排水性を悪くするおそれがある。逆に、
植物系有機質土質改良剤の配合量が上記範囲を下回る
と、保水性を悪くするおそれがある。
【0057】一方、他の土壌成分のうち親水性無機発泡
体粒子としては、ロックウール、石綿、ガラス繊維等の
無機繊維;シリカ;人工用土としても使用されているパ
ーライト、バーミキュライト、珪藻土等の軽量材等があ
げられる。
【0058】とりわけ本発明では、パーライト、バーミ
キュライト、珪藻土の焼結物を使用するのが好ましい。
【0059】本発明の土壌組成物において、上記親水性
無機発泡体粒子は、土壌組成物の全成分量に対して3〜
20体積%配合される。
【0060】親水性無機発泡体粒子の配合量が上記範囲
を上回ると、排水性を悪くするおそれがある。逆に、親
水性無機発泡体粒子の配合量が上記範囲を下回ると、保
水性を悪くするおそれがある。
【0061】また上記植物系有機質土質改良剤および親
水性無機発泡体粒子は、土壌組成物の重量を軽減させる
ために、嵩密度が0.01〜1.5、好ましくは0.3
〜0.8の範囲にあるのが好ましい。
【0062】本発明の土壌組成物は、周知の天然用土、
人工用土等の土壌や、肥料を組み合わせて使用すること
ができる。その際、土壌全体の重量が大きくならないよ
うに、あるいは上記樹脂発泡体の減容品と、他の土壌成
分との混和性が損なわれないように注意しなけれはなら
ない。
【0063】上記土壌としては、例えば赤土、鹿沼土、
荒木用土、けと土、腐葉土、珪藻土、まさ土等の土類;
桐生砂、朝明砂、軽石、富士砂等の砂類などの天然用土
などがあげられる。上記肥料としては、公知のものが使
用できるが、例えば骨分、油かす等の天然肥料;硫安、
硝安、尿素、塩安、石灰窒素、過リン酸石灰、溶成リン
肥、塩化カルシウム、硫酸カルシウム等の化学肥料、複
合肥料、これらの肥料にカルシウム、マグネシウム、マ
ンガン、亜鉛、銅、モリブデン、鉄、ホウ素等を添加し
た肥料などがあげられる。
【0064】また、土壌の腐敗防止、浄化作用を有する
ケイ酸白土、植物の活性を促進する活力剤、植物の伸び
過ぎを抑制する矮化剤、根腐れ防止剤、着色剤、消石灰
等のpH調整剤などと組み合わせて使用してもよい。
【0065】斯くして得られた本発明の土壌組成物は、
使用する材料が非常に軽量であることから持ち運びが楽
で、ビルやマンション等の建物の屋内外を問わず、好適
に使用されるものである。
【0066】
【実施例】以下、比較例および実施例を示して、本発明
を詳細に説明する。 参考例1 (樹脂発泡体の減容品の作製)本文中に記載の製造方法
に準じて、嵩密度0.3、平均直径1.3mm、アスペ
クト比5〜10(平均7.5)の樹脂発泡体を作製し
た。
【0067】なお、各ディスク間の距離、および各ディ
スク間の相対回転速度は以下のとおりである。
【0068】・各ディスク間の距離:0.5mm ・各ディスク間の相対回転速度:1500rpm 実施例1 上記作製した樹脂発泡体の減容品に、植物系有機質土質
改良剤としてココピート、ピートモスおよびバーク堆
肥、ならびに親水性無機発泡体粒子としてパーライトを
それぞれ、体積比で樹脂発泡体の減容品:ココピート:
ピートモス:バーク堆肥:パーライト=30:35:1
0:20:5となるように配合して、土壌を調製した。 実施例2、比較例1〜4 樹脂発泡体の減容品、植物系有機質土質改良剤および親
水性無機発泡体粒子を、下記表1に示す体積比で配合し
た以外は実施例1と同様にして、土壌を調製した。 (栽培試験)直径10.5cm、深さ8.5cmの黒ポ
リポットに、上記調製した供試土壌をそれぞれ1gと、
肥料として「ハイコントロール」(旭化成工業(株)
製,窒素:リン酸:加里(成分)=16:5:10)と
を充填し、被験植物としてマリーゴールド(品種:ボナ
ンザオレンジ)の苗を定植させた。
【0069】ついで、これらの苗を、定植後50日まで
毎日一回、小型スプリンクラーを用いて頭上から潅水を
行うことを条件として、無加温ガラス室にて栽培した。
【0070】なお、対照土壌として積水化成工業(株)
製の商品名:「ソイレンG」を使用して、上記と同様に
してマリーゴールド(品種:ボナンザオレンジ)の苗を
定植させた。
【0071】そして、実施例、比較例および対照土壌に
おけるマリーゴールドについて、定植後29日目に生育
調査[丈(cm)、重量(g)、花数(一株あたり)]
を行った。
【0072】また、定植後51日目から上記の潅水を停
止して、各供試土壌におけるマリーゴールドの日持ち日
数を調査した。
【0073】これらの試験結果を、供試土壌の成分比と
共に下記表1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】
【発明の効果】本発明の土壌組成物は、使用する熱可塑
性樹脂発泡体の異形減容品、植物系有機質土質改良剤お
よび親水性無機発泡体粒子が非常に軽量であるため、土
壌全体の重量が非常に軽量化されて運搬が容易なもので
ある。
【0076】また本発明の土壌組成物は、所定の嵩密
度、平均直径およびアスペクト比を有する、熱可塑性樹
脂発泡体の異形減容品を使用すると共に、該減容品と、
植物系有機質土質改良剤および親水性無機発泡体粒子と
の配合量が所定の範囲に調製されているので、潅水によ
って該減容品が土壌中から低減することがなく、長期に
わたり通気性、通水性に優れているといった効果を有す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の樹脂発泡体の減容品および本発明の樹脂
発泡体の減容品の断面図である。
【符号の説明】
1 被粉砕物 2 内側の凹凸部 3 外側の凹凸部 4 凹凸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 17/04 C09K 17/04 H 17/20 17/20 H 17/22 17/22 H 17/26 17/26 H 17/30 17/30 H 17/32 17/32 H // C09K 101:00 Fターム(参考) 2B022 AA05 BA01 BA02 BA04 BA06 BA07 BA12 BA14 BA16 BA18 BA21 BA22 BA23 BB01 DA19 4H026 AA01 AA10 AA11 AA13 AA14 AB03 4H061 AA10 CC12 CC41 CC47 CC57 EE36 EE42 EE43 EE46 EE61 EE62 FF08 FF21 HH05 HH13 HH14 HH15 HH30 LL15 LL16 LL26

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)平均直径が0.01〜5.0mm、
    アスペクト比が5〜50で、かつその表面に凹凸部を有
    する形状に形成された、嵩比重が0.1〜0.3であ
    る、熱可塑性樹脂発泡体の異形減容品と、 (B)親水性無機発泡体粒子と、 (C)植物系有機質土質改良剤と、 を含有するとともに、全成分に対する、前記異形減容品
    (A)の含有割合が20〜40体積%、前記親水性無機
    発泡体粒子(B)の含有割合が3〜20体積%であるこ
    とを特徴とする土壌組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002084873A (ja) * 2000-09-08 2002-03-26 Sekisui Plastics Co Ltd 土壌代替物

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