JP2000007987A - 被覆用組成物 - Google Patents

被覆用組成物

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JP2000007987A JP17244098A JP17244098A JP2000007987A JP 2000007987 A JP2000007987 A JP 2000007987A JP 17244098 A JP17244098 A JP 17244098A JP 17244098 A JP17244098 A JP 17244098A JP 2000007987 A JP2000007987 A JP 2000007987A
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茂紀 竹内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】撥水撥油性、滑水性を有して汚れにくく、汚れ
ても容易に汚れが除去でき、しかも耐酸性、耐スリ傷性
に優れた被膜を形成できる被覆用組成物を提供する。 【解決手段】(a)シロキサンマクロモノマー、(b)
水酸基含有ビニルモノマー、及び必要により(c)これ
らと共重合可能な他の不飽和モノマーの共重合により得
られる水酸基価が50〜290mgKOH/gの範囲内
である水酸基含有シロキサンポリマー、(B)コロイダ
ルシリカ及び/又はオルガノシリケ−ト、(C)エポキ
シ末端シロキサンポリマ−(d)とスルホン酸化合物
(e)とを、(d)中のエポキシ基/(e)中のスルホ
ン酸基の当量比が1/1〜10/1となる割合で予め反
応させてなる反応生成物、及び(D)ポリイソシアネ−
ト化合物を含有し、該コロイダルシリカ及び/又はオル
ガノシリケ−ト(B)の使用量が、組成物中の樹脂固形
分100重量部に対して5〜100重量部で、該反応生
成物(C)を組成物中の樹脂固形分100重量部に対し
て、固形分量で5〜30重量部含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被覆用組成物に関
し、詳しくは撥水撥油性、滑水性を有して汚れにくく、
汚れても容易に汚れが除去でき、しかも耐酸性、耐スリ
傷性に優れた被膜を形成できる被覆用組成物に関する。
【0002】
【従来技術及びその課題】自動車、鉄道車両、飛行機、
建物等の各種外板の塗膜面は、水や紫外線により経時で
徐々に劣化し、また埃、砂塵、排気ガスなどにより汚染
されたり、傷つけられるため、通常、該塗膜面の保護、
美観維持を目的に、ワックス類等の表面保護剤を塗布す
ることが行われている。自動車用としては、例えばワッ
クスにシリコ−ンオイルを配合したカ−ワックス等が用
いられ、これを自動車外板の塗膜上に塗布して撥水被膜
を形成しているが、該被膜では架橋構造を形成していな
いので持続性に劣るものであり、しかも経時で汚れてく
るという不具合があった。
【0003】撥水性を有する架橋膜を形成する樹脂組成
物としては、従来、フッ素系あるいはシリコン系の樹脂
に硬化剤を配合してなる組成物が提案されている。しか
しながらこれらによる被膜は、耐スリキズ性や耐酸性な
どが不十分であるために、汚染物質が付着しやすく、ま
た除去できなくなり、結果として撥水性も低下してしま
うという不具合があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決すべく鋭意検討した結果、特定の水酸基含有シロ
キサンポリマーにコロイダルシリカ及び/又はオルガノ
シリケ−ト、エポキシ末端シロキサンポリマ−とスルホ
ン酸化合物の反応生成物、及びポリイソシアネ−ト化合
物を含有する被覆用組成物を用いることにより、撥水
性、滑水性、耐汚染性、耐スリキズ性等に優れた保護被
膜を形成しうる被覆用組成物が得られることを見出し本
発明に到達した。
【0005】即ち本発明は(A)(a)下記式(I)
【0006】
【化3】
【0007】(式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル
基を表わし、R2 は炭素数1〜6の二価の炭化水素基を
表わし、R3 は水素原子又はメチル基を表わし、nは6
〜300の数である)で示されるシロキサンマクロモノ
マー、(b)水酸基含有ビニルモノマー、及び必要によ
り(c)これらと共重合可能な他の不飽和モノマーの共
重合により得られる水酸基価が50〜290mgKOH
/gの範囲内である水酸基含有シロキサンポリマー、
(B)コロイダルシリカ及び/又はオルガノシリケ−
ト、(C)下記式(II)
【0008】
【化4】
【0009】(式中、mの平均数は6〜150であり、
lは0〜6の整数であり、R4 は炭素原子数1〜6のア
ルキル基である)で示されるエポキシ末端シロキサンポ
リマ−(d)とスルホン酸化合物(e)とを、(d)中
のエポキシ基/(e)中のスルホン酸基の当量比が1/
1〜10/1となる割合で予め反応させてなる反応生成
物、及び(D)ポリイソシアネ−ト化合物を含有し、該
コロイダルシリカ及び/又はオルガノシリケ−ト(B)
の使用量が組成物中の樹脂固形分100重量部に対して
5〜100重量部であり、該反応生成物(C)を組成物
中の樹脂固形分100重量部に対して固形分量で5〜3
0重量部含有することを特徴とする被覆用組成物を提供
するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において水酸基含有シロキ
サンポリマー(A)は、シロキサンマクロモノマー
(a)、水酸基含有ビニルモノマー(b)及び必要によ
りこれらと共重合可能な他の不飽和モノマー(c)の共
重合により得られるものである。
【0011】上記シロキサンマクロモノマー(a)は、
架橋塗膜表面に撥水性を付与するものであり、下記式
(I)
【0012】
【化5】
【0013】で示されるものであり、ここで、R1 は炭
素数1〜10のアルキル基を表わし、R2 は炭素数1〜
6の二価の炭化水素基を表わし、R3 は水素原子又はメ
チル基を表わし、また、nはジメチルシロキサン単位の
平均重合度を意味し、6〜300、好ましくは6〜10
0の範囲内の数である。
【0014】シロキサンマクロモノマー(a)は、一般
に300〜30,000、好ましくは500〜20,0
00の範囲内の数平均分子量を有することができる。
【0015】上記水酸基含有ビニルモノマー(b)は、
架橋剤との架橋官能基としての役割と滑水性を与える役
割とを併せ持つものであり、具体的には、例えば、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸の炭
素数2〜8のヒドロキシアルキルエステル;ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレ
ングリコールなどのポリエーテルポリオールと(メタ)
アクリル酸などの不飽和カルボン酸とのモノエステル;
ヒドロキシアルキルビニルエーテル、アリルアルコー
ル、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステ
ル、(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート等とラクトン類(例えば、ε−カプロラクトン、
γ−バレロラクトン)との付加物;ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコ
ールなどのポリエーテルポリオールと2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有不飽和モノ
マーとのモノエーテル;α,β−不飽和カルボン酸と、
カージュラE10(シェル化学社製)やα−オレフィン
エポキシドのようなモノエポキシ化合物との付加物;グ
リシジル(メタ)アクリレートと酢酸、プロピオン酸、
p−t−ブチル安息香酸、脂肪酸類のような一塩基酸と
の付加物;無水マレイン酸や無水イタコン酸のごとき酸
無水基含有不飽和化合物と、エチレングリコール、1,
6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの
グリコール類とのモノエステル化物またはジエステル化
物;ヒドロキシエチルビニルエーテルのごときヒドロキ
シアルキルビニルエーテル類、3−クロロ−2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレートのような塩素を含ん
だ水酸基含有単量体、アリルアルコ−ル等を挙げること
ができる。
【0016】上記他の不飽和モノマー(c)としては、
例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタ
コン酸、マレイン酸、フマル酸、2−カルボキシエチル
(メタ)アクリレート、2−カルボキシプロピル(メ
タ)アクリレート、5−カルボキシペンチル(メタ)ア
クリレート等のカルボキシル基含有不飽和モノマー;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリ
ル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル(n−,
i−,t−)、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)
アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n
−オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アク
リル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル等のアクリル酸又はメタ
クリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステル又はシク
ロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸メトキシブチ
ル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アク
リル酸エトキシブチル等のアクリル酸又はメタクリル酸
の炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステル;エチ
ルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソ
プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、t−
ブチルビニルエーテル、ペンチルビニルエーテル、ヘキ
シルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル等の鎖状
アルキルビニルエーテル類;シクロペンチルビニルエー
テル、シクロヘキシルビニルエーテル等のシクロアルキ
ルビニルエーテル類;フェニルビニルエーテル、トリビ
ニルフェニルエーテル等のアリールビニルエーテル類;
ベンジルビニルエーテル、フェネチルビニルエーテル等
のアラルキルビニルエーテル類;アリルグリシジルエー
テル、アリルエチルエーテル等のアリルエーテル類;酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、乳酸ビニル、酪酸ビニ
ル、イソ酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、イソカプロン
酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ベオ
バモノマ−(シェル化学社製)等のビニルエステル;酢
酸イソプロペニル、プロピオン酸イソプロペニル等のプ
ロペニルエステル;エチレン、プロピレン、ブチレン、
塩化ビニル等のオレフィン系化合物;スチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン、α−クロルスチレン等
のビニル芳香族化合物;N,N−ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル
(メタ)アクリレートなどの含窒素アルキル(メタ)ア
クリレート;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−
メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)ア
クリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−
ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメ
チル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノ
プロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリルアミド等の重合性アミド
類;2−ビニルピリジン、1−ビニル−2−ピロリド
ン、4−ビニルピリジンなどの芳香族含窒素モノマー;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の重合性ニト
リル;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラ
ン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン、ビニルトリアセトオキシシラン、β−(メ
タ)アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシ
ラン等の加水分解性アルコキシシリル基含有モノマー;
グリシジル(メタ)アクリレート,アリルグリシジルエ
ーテル等の重合性グリシジル化合物;ジアリルフタレー
ト、ジアリルイソフタレート、トリアリルイソシアヌレ
ート、ジアリルテトラブロムフタレート、ペンタエリス
リト−ルジアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル
等のアリルモノマー;パーフルオロブチルエチル(メ
タ)アクリレート、パーフルオロイソノニルエチル(メ
タ)アクリレ−ト、パーフルオロオクチルエチル(メ
タ)アクリレート等のパーフルオロアルキル(メタ)ア
クリレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−
ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−
ブタンジオールジアクリレート、グリセリンジ(メタ)
アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールペンタ(メタ)アクリレート、ヒドロキシイソシア
ヌレートトリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジア
クリレート、グリセロールアリロキシジ(メタ)アクリ
レート、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタ
ンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリス(ヒド
ロキシメチル)エタントリ(メタ)アクリレート、トリ
アリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、
ジアリルテレフタレート、ジアリルフタレート、ジアリ
ルイソフタレート、ペンタエリスリトルジアリルエ−テ
ル、ジビニルベンゼン等の多価アルコールの(メタ)ア
クリル酸エステル類等を挙げることができる。
【0017】上記モノマー類の使用割合は、得られる水
酸基含有シロキサンポリマー(A)に望まれる物性等に
応じて広い範囲にわたって変えることができるが、モノ
マー混合物の合計量を基準にして、シロキサンマクロモ
ノマー(a)が2〜40重量%、好ましくは3〜25重
量%、水酸基含有ビニルモノマー(b)が5〜98重量
%、好ましくは10〜70重量%、他の不飽和モノマー
(c)が0〜93重量%、好ましくは5〜87重量%の
範囲内である。
【0018】上記のモノマー混合物の共重合は、通常、
有機溶媒中で、モノマーの合計量100重量部あたり約
0.01〜約8重量部の重合開始剤の存在下に、約−2
0℃〜約150℃の温度で、常圧で又は場合により約3
0kg/cm2 Gまでの加圧下に反応させることにより
行なうことができる。
【0019】かくして得られる水酸基含有シロキサンポ
リマー(A)は、水酸基価が50〜290mgKOH/
g、好ましくは60〜200mgKOH/gの範囲内で
ある。該水酸基価が50mgKOH/g未満では硬化性
が低下し、得られる被膜の滑水性及びその維持性が低下
するので好ましくない。
【0020】さらに、水酸基含有シロキサンポリマー
(A)は、数平均分子量が1,000〜100,00
0、好ましくは3,000〜50,000の範囲内であ
ることが望ましい。
【0021】本発明においてコロイダルシリカ及び/又
はオルガノシリケ−ト(B)は、被膜の硬度、耐スリキ
ズ性、滑水性を向上させるために配合されるものであ
り、コロイダルシリカ、及びオルガノシリケ−トを夫々
単独で使用してもよいし、さらにこれらの混合物或いは
これらの部分反応物として使用してもよい。
【0022】ここで使用されるコロイダルシリカは、無
水ケイ酸の超微粒子を溶媒に分散した分散液である。シ
リカ粒子の粒子径は、5〜200nm程度であり、溶媒
としてはメタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、エチ
レングリコ−ルなどのアルコ−ル類;アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン
類;酢酸エチルなどのエステル類;ジイソプロピルエ−
テルなどのエ−テル類、及びこれらの混合物などが挙げ
られる。このようなコロイダルシリカとしては、市販品
では、例えば「スノ−テックス」シリ−ズ(日産化学工
業社製)、「オスカル」(触媒化学工業社製)などが挙
げられる。
【0023】ここで使用されるオルガノシリケ−トは、
例えばテトラヒドロキシシラン、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラ
ン、テトラプロポキシシラン、テトラフェノキシシラン
などのアルキルシリケ−ト、及びこれらの低縮合物が挙
げられ、縮合物としては縮合度が2〜100、好ましく
は2〜10のものが挙げられる。
【0024】上記コロイダルシリカ及びオルガノシリケ
−トを反応させる場合には、必要に応じて酸触媒や水溶
性有機溶剤をこれらに添加し、水の存在下で加水分解反
応させることにより行われる。
【0025】本発明において上記コロイダルシリカ及び
オルガノシリケ−トは、夫々単独で配合できるが、両者
の混合物或いは部分反応物を使用した場合には、より多
くの量が配合できるので、得られる被膜の硬度や耐スリ
キズ性の向上には有利である。上記コロイダルシリカ及
び/又はオルガノシリケ−ト(B)の使用量は、組成物
中の合計樹脂固形分100重量部に対して5〜100重
量部、好ましくは10〜80重量部の範囲内が好適であ
る。該使用量が5重量部未満では硬度の向上が得られ
ず、100重量部を越えると被膜が脆くなる恐れがある
ので好ましくない。
【0026】本発明においてエポキシ末端シロキサンポ
リマ−(d)とスルホン酸化合物(e)との反応生成物
(C)は、滑水性向上に寄与するものである。エポキシ
末端シロキサンポリマ−(d)は、下記一般式(II)
【0027】
【化6】
【0028】で示されるものであり、ここで、R4 は炭
素数1〜6、好ましくは1〜4のアルキル基であり、m
はジメチルシロキサン単位の平均重合度を意味し、6〜
300、好ましくは6〜100の範囲内の数であり、ま
たlは0〜6、好ましくは1〜5の整数である。該シロ
キサンポリマ−(d)は、一般に300〜30,00
0、好ましくは500〜20,000の範囲内の数平均
分子量を有することができる。
【0029】上記シロキサンポリマ−(d)と反応せし
められるスルホン酸化合物(e)は、下記式 R5 −SO3 H (式中、R5 は有機残基、例えば、脂肪族炭化水素基、
芳香族炭化水素基などを表わし、該脂肪族炭化水素基、
芳香族炭化水素基は場合によりハロゲン原子などにより
置換されていてもよい)で示されるものであり、具体的
には、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、
2,4−もしくは2,5−ジメチルベンゼンスルホン
酸、ナフタリン−α−スルホン酸、ナフタリン−β−ス
ルホン酸などが挙げられ、中でもメタンスルホン酸が好
適である。
【0030】反応生成物(C)は、上記シロキサンポリ
マ−(d)とスルホン酸化合物(e)とを、(d)中の
エポキシ基/(e)中のスルホン酸基の当量比が0.5
/1〜10/1、好ましくは1/1〜8/1となる割合
で反応させることによって得ることができる。反応生成
物(C)中には、未反応のエポキシ基含有シロキサンポ
リマ−(d)が存在していてもよい。反応生成物(C)
中に、未反応のスルホン酸化合物(e)が残存していて
もよいが、未反応のスルホン酸化合物(e)を実質的に
含まないことが望ましい。
【0031】シロキサンポリマ−(d)とスルホン酸化
合物(e)の反応は、例えば両者を、必要に応じて有機
溶剤の存在下で室温〜100℃で混合することによって
行なうことができる。もちろん、両者を混合して加熱し
てもよい。上記有機溶剤としては、例えばトルエン、キ
シレン、シクロヘキサン、石油エ−テル、ガソリン、ケ
ロシン、ナフサ、クロロホルム、四塩化炭素、二塩化エ
チレン、2−エチルヘキサノ−ル、ジエチルエ−テル、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソプ
ロピルアルコ−ル、ブタノ−ル、ジオキサン、鉱物油な
どが挙げられる。
【0032】上記の通り得られる反応生成物(C)は、
そのままで、又は有機溶剤で希釈或いは一部脱溶剤する
などして固形分濃度を適宜調整し、また未反応のスルホ
ン酸化合物を除去するなどして使用に供することができ
る。
【0033】本発明では、上記反応生成物(C)を、組
成物中の樹脂固形分100重量部に対して、固形分量で
5〜30重量部、好ましくは5〜20重量部含有する。
該含有量が5重量部未満では、滑水性の発現が不十分で
あり、30重量部を越えると、得られる塗膜の強度や硬
さが不十分となるので好ましくない。
【0034】本発明においてポリイソシアネ−ト化合物
(D)としては、例えば、トリレンジイソシアネ−ト、
キシリレンジイソシアネ−ト、フェニレンジイソシアネ
−ト、ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、ビス(イソ
シアネ−トメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジ
イソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、ト
リメチルヘキサメチレンジイソシアネ−ト、メチレンジ
イソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−トなどの芳
香族、脂環族又は脂肪族のポリイソシアネ−ト化合物、
及びこれらのイソシアネ−ト化合物のイソシアヌレ−ト
体やビュウレット体、これらのイソシアネ−ト化合物の
過剰量にエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、
トリメチロ−ルプロパン、ヘキサントリオ−ル、ヒマシ
油などの低分子活性水素含有化合物を反応させて得られ
る末端イソシアネ−ト含有化合物、リジントリイソシア
ネ−トなどを挙げることができる。
【0035】本発明においては、上記樹脂(A)〜
(D)には、必要に応じて活性水素基含有フッ素系樹脂
(E)を併用することができる。
【0036】本発明において活性水素基含有フッ素系樹
脂(E)は、水酸基、トリアルキルシリルオキシ基、ア
ミノ基、カルボキシル基などの活性水素基を含有する有
機溶剤に可溶型の樹脂であり、主に水酸基を含有するも
のである。
【0037】該水酸基含有フッ素系樹脂としては、例え
ば、フルオロオレフィン及びヒドロキシアルキルビニル
エ−テルを主成分とし必要に応じてアルキルビニルエ−
テル等のその他のモノマ−を含むモノマ−混合物を共重
合して得られる含フッ素共重合体(E−1)が挙げられ
る。
【0038】該フルオロオレフィンとしては、特に制限
なく公知のモノマ−が使用できるが、パ−フルオロオレ
フィン、中でもクロロトリフルオロオレフィン、テトラ
フルオロオレフィン及びこれらの混合物が好適である。
またヒドロキシアルキルビニルエ−テルとしては、炭素
数2〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基を有するヒド
ロキシアルキルビニルエ−テルが好適である。さらにア
ルキルビニルエ−テル等のその他のモノマ−としては、
シクロヘキシル基や炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状の
アルキル基を有するアルキルビニルエ−テル、脂肪酸ビ
ニルエステルや脂肪酸イソプロペニルエステルなどが使
用できる。これらモノマ−混合物中のフルオロオレフィ
ンの含有量が10〜40重量%、ヒドロキシアルキルビ
ニルエ−テルの含有量が5〜20重量%、その他のモノ
マ−の含有量が85〜40重量%の範囲内が適当であ
る。
【0039】上記含フッ素共重合体(E−1)の具体例
として、例えば、旭硝子社製商品「ルミフロン」シリ−
ズのルミフロンLF100、ルミフロンLF200、ル
ミフロンLF300、ルミフロンLF400、ルミフロ
ンLF9012などが市販されている。
【0040】また水酸基含有フッ素系樹脂として、パ−
フルオロアルキル基含有(メタ)アクリル系モノマ−、
水酸基含有モノマ−及びこれらと共重合可能なその他の
モノマ−を含むモノマ−混合物を共重合して得られるア
クリル系共重合体(E−2)が挙げられる。
【0041】該パ−フルオロアルキル基含有(メタ)ア
クリル系モノマ−は、下記一般式
【0042】
【化7】
【0043】(式中、R6 は水素原子又はメチル基を、
Xは水素原子又はフッ素原子を、kは1〜8の整数を、
jは1〜30の整数を夫々示す。)で示されるモノマ−
であり、例えば2−パ−フルオロオクチルエチル(メ
タ)アクリレ−ト、2−パ−フルオロノニルエチル(メ
タ)アクリレ−トなどが挙げられる。水酸基含有モノマ
−としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレ−ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−トな
どの(メタ)アクリル酸の炭素数1〜8のヒドロキシア
ルキルエステルなどが好適である。またこれらと共重合
可能なその他のモノマ−としては、例えばメチル(メ
タ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、n
−,i−,t−ブチル(メタ)アクリレ−ト、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ラウリル(メタ)ア
クリレ−ト、イソボルニル(メタ)アクリレ−ト等のア
クリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜24のアルキル
エステル又はシクロアルキルエステル;スチレン、α−
メチルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族化合
物;酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルエ−テル、(メ
タ)アクリロニトリルなどが挙げられ、これらは1種又
は2種以上適宜選択して使用できる。これらモノマ−混
合物中のパ−フルオロアルキル基含有(メタ)アクリル
系モノマ−の含有量が5〜40重量%、水酸基含有モノ
マ−の含有量が5〜25重量%、これらと共重合可能な
その他のモノマ−の含有量が90〜35重量%の範囲内
が適当である。
【0044】上記共重合体(E−2)の具体例として、
例えば、三菱レ−ヨン社製、「AR−5564」、「A
S−8558」、「AS−8615」などが市販されて
いる。
【0045】上記共重合体(E−1)及び(E−2)
は、従来公知の製造法、例えば溶液重合法により製造さ
れる。これら共重合体(E−1)及び(E−2)は、単
独又は併用して使用してもよい。また水酸基以外の活性
水素基を有する共重合体は、例えば、上記共重合体(E
−1)におけるヒドロキシアルキルビニルエ−テル又は
共重合体(E−2)における水酸基含有モノマ−の代わ
りに、或いはこれと併用して、2−トリメチルシリルオ
キシエチル(メタ)アクリレ−トなどのトリアルキルシ
リルオキシ基含有モノマ−、ジメチルアミノエチルビニ
ルエ−テル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ−
トなどのアミノ基含有モノマ−、アジピン酸モノビニル
エステル、(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含
有モノマ−などを共重合成分として使用することにより
得られる。
【0046】上記の通り得られる活性水素基含有フッ素
系樹脂(E)は、硬化性の点から、活性水素基を1分子
中に少なくとも2個、さらには3〜23個有することが
好ましい。活性水素基が2個より少ないと硬化性が低下
し得られる被膜の撥水性が持続できなくなり、一方23
個より多くなると耐水性、仕上り性が低下するので好ま
しくない。
【0047】また該活性水素基含有フッ素系樹脂(E)
は、重量平均分子量が5,000〜40,000、好ま
しくは7,000〜30,000の範囲内が好適であ
る。この範囲外では、硬化性、被膜物性、仕上り性等が
低下するので好ましくない。
【0048】上記樹脂(E)の使用量は、重量固形分比
で(A)/(E)=100/0〜50/50、好ましく
は95/5〜80/20の範囲内となるようにするのが
好適である。
【0049】本発明においては、また上記樹脂(A)〜
(E)に、滑水性の点から、必要に応じて活性水素基含
有ポリシロキサン(F)を併用することができる。該活
性水素基含有ポリシロキサン(F)としては、下記一般
【0050】
【化8】
【0051】(式中、R7 は、同一又は異なって、フェ
ニル基又は炭素数1〜20のアルキル基を、Yは、同一
又は異なって、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル
基、炭素数1〜4のアルコキシ基又は活性水素基含有基
を示し、且つYの少なくとも1つは活性水素基含有基で
あり、pは10〜1000の整数を、qは1〜20の整
数を示す。)で示される末端又は側鎖に活性水素基を有
するオルガノポリシロキサンが使用できる。
【0052】Yは、少なくとも1つ以上は活性水素基含
有基であり、該活性水素基含有基としては、水酸基、ア
ミノ基、トリアルキルシリルオキシ基、カルボキシル基
などの活性水素基、さらにこれら活性水素基を脂肪鎖を
介して末端に含有する基が挙げられる。またYとして
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの
アルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ
基、ビニル基、アリル基などのアルケニル基、フェニル
基、シクロヘキシル基などであってもよい。R7として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの
アルキル基、フェニル基、シクロヘキシル基などが挙げ
られる。
【0053】上記ポリシロキサン(F)の具体例として
は、水酸基を有するものとして、例えば「X−22−1
60AS」、「X−22−4015」、「KF−600
1」、「KF−6002」、「KF−6003」(いず
れも信越シリコ−ン社製)、「YF−3800」、「Y
F−3807」、「XF−3905」、「YF−305
7」(いずれも東芝シリコ−ン社製)など、アミノ基を
有するものとして、例えば「X−22−161AS」、
「X−22−161A」、「X−22−161B」、
「KF−8012」、「KF−393」、「KF−85
8」(いずれも信越シリコ−ン社製)、「TSF470
2」、「TSF4703」(いずれも東芝シリコ−ン社
製)などが挙げられる。
【0054】上記ポリシロキサン(F)は、硬化性の点
から、活性水素基を1分子中に少なくとも2個以上、さ
らには3〜23個有することが好ましい。活性水素基が
2個よりすくないと硬化性が低下し得られる被膜の撥水
性が持続できなくなり、一方23個より多くなると耐水
性、仕上り性が低下するので好ましくない。
【0055】また上記ポリシロキサン(F)は、粘度が
10〜20,000cSt、好ましくは30〜10,0
00cStの範囲内のものが好適である。この範囲外で
は、得られる被膜の撥水性、滑水性が低下したり、前記
樹脂(A)との相溶性が低下し白濁する恐れがあるので
好ましくない。
【0056】上記(F)成分の使用量は、重量固形分比
で(A)/(F)=100/0〜50/50、好ましく
は95/5〜80/20の範囲内となるようにするのが
好適である。該(F)成分の使用比が50を越えると得
られる被膜の硬度が低下するので好ましくない。
【0057】本発明の被覆用組成物は、上記(A)〜
(C)成分、及び必要により(E)及び(F)成分を含
む主剤(I)と、(D)成分を含む架橋剤(II)からな
り、これらは主剤(I)中に含まれる活性水素基1モル
に対して架橋剤(II)中に含まれるイソシアネ−ト基が
0.3〜2.5モル、好ましくは0.5〜2.0モルと
なるように使用直前に混合して使用に供される。
【0058】本発明の被覆用組成物には、必要に応じ
て、硬化触媒を配合することができる。該硬化触媒とし
ては、特に制限なく従来公知のものが使用でき、例えば
トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルア
ミン、ジエタノ−ルアミン、トリエタノ−ルアミンなど
のアミン触媒;リン酸、スルホン酸などの有機酸及びそ
のエステル;ジブチル錫ジラウレ−ト、ジブチル錫オキ
サイド、オクチル酸錫、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバ
ルトなどの有機金属化合物等が使用でき、これらのうち
特に有機金属化合物が好適である。該硬化触媒は、主剤
(I)に配合しても硬化剤(II)に配合してもよい。
【0059】本発明の被覆用組成物には、さらに必要に
応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、表面調整剤、有機溶
剤、顔料類などの添加剤を配合することができる。
【0060】本発明の被覆用組成物は、基材面上に乾燥
膜厚で10μm以下、好ましくは5μm以下となるよう
塗布されて、これらの保護、美観維持に適用してなる。
【0061】上記基剤面としては、種々の素材面やこれ
らの上に形成された硬化塗膜面が挙げられ、素材面とし
ては、例えばガラス、金属、プラスチック、セラミック
などが挙げられ、硬化塗膜面としては、例えば自動車、
鉄道車両、飛行機、建築物などの各種外板の塗膜面など
が挙げられる。上記被覆用組成物を塗布する際には基材
面を適宜ポリッシュして下地調整をしておくことが望ま
しい。該被覆層の膜厚が10μmを越えると、ゴミなど
の付着が多くその除去に長時間を要するという不具合が
生じる恐れがあり、また該膜厚内であれば、再塗装前に
該被覆層が簡単な研磨で容易に除去できるので好適であ
る。
【0062】また上塗り塗料の塗装後の未乾燥の塗膜上
に、本発明の被覆用組成物を塗装して仕上げることもで
きる。新又は補修塗装の上塗り塗装では、通常、ベ−ス
コ−ト塗料を塗装し次いでトップクリヤ−塗料を塗装し
て仕上げる方法等が施され、例えば該方法においては、
該トップクリヤ−塗料の塗装後、未乾燥の該クリヤ−塗
膜上に、本発明の被覆用組成物を塗装して仕上げること
ができる。
【0063】該ベ−スコ−ト塗料としては、メタリック
顔料及び/又は着色顔料を含有する従来公知のベ−スコ
−ト塗料であれば特に制限なく使用でき、架橋剤を含ま
ないラッカ−塗料、あるいはポリイソシアネ−ト化合物
などの架橋剤を含む硬化性塗料など適宜選択できる。
【0064】該トップクリヤ−塗料としては、従来公知
のものが特に制限なく使用でき、主として有機溶剤型塗
料(非水分散型を含む)や粉体塗料が挙げられ、例えば
水酸基などの架橋性官能基を有するアクリル樹脂やフッ
素樹脂と(ブロック)ポリイソシアネ−トやメラミン樹
脂などの架橋剤とを主成分とする硬化型塗料、あるいは
セルロ−スアセテ−トブチレ−ト変性のアクリル樹脂を
主成分とするラッカ−塗料などが好適に使用できる。こ
のうち該トップクリヤ−塗料としては、特にウレタン硬
化型クリヤ−が好適である。
【0065】該トップクリヤ−塗料は、通常、乾燥膜厚
で約20〜50μmとなるよう従来公知の手段で塗装さ
れる。その上に本発明の被覆用組成物は乾燥膜厚で10
μm以下となるようスプレ−塗装されるのが好適であ
る。
【0066】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。尚、「部」及び「%」は夫々「重量部」及び
「重量%」を示す。
【0067】水酸基含有シロキサンポリマ−(A)溶液
の製造 温度計、還流冷却器、攪拌機及び滴下装置を備えた4つ
口フラスコにキシレン53.8部及びメチルイソブチル
ケトン28部を仕込み、攪拌下で加熱し、115℃に保
った。次いで同温度で、「サイラプレ−ンFM−072
1」(チッソ社製、メタクリル基含有シロキサンマクロ
モノマ−、分子量約5,000)5部、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレ−ト35部、スチレン15部、n−ブ
チルメタクリレ−ト14部、i−ブチルメタクリレ−ト
30部、アクリル酸1部及びアゾビスイソブチロニトリ
ル4.2部からなる混合物を3時間かけて滴下した。滴
下終了後、115℃で2時間熟成し、不揮発分55%、
水酸基価151mgKOH/g、数平均分子量12,0
00の水酸基含有シロキサンポリマ−の溶液を製造し
た。
【0068】また水酸基含有シロキサンポリマ−溶液
として、市販品である「レゼダGSX−1015」(東
亜合成化学社製、不揮発分45%、水酸基価120mg
KOH/g)を用いた。
【0069】反応生成物(C)の製造 温度計、還流冷却器、攪拌機及び滴下装置を備えた4つ
口フラスコ中にトルエン100部を加え、その中に「サ
イラプレ−ンFM−0511」(チッソ社製、片末端エ
ポキシ基含有ポリジメチルシロキサン、式(II)のR4
がメチル基、分子量1,000)98.8部を加え攪拌
して溶解した後、さらにメタンスルホン酸1.2部を常
温で混合し、攪拌を行なって約1時間反応させ、さらに
脱トルエンを行なって不揮発分83%の反応生成物溶液
を得た。
【0070】被覆用組成物の作成 実施例1〜9及び比較例1〜6 下記表1に示す各成分を容器に配合し、ディスパ−で混
合撹拌して主剤を作成後、硬化剤を混合して各被覆用組
成物を得た。表中の(注1)〜(注5)は下記の通りで
ある。
【0071】(注1)「スノ−テックスMIBK−S
T」:日産化学工業社製、有機溶剤型コロイダルシリ
カ、不揮発分30% (注2)「メチルシリケ−ト51」:コルコ−ト社製、
オルガノシリケ−ト、不揮発分51% (注3)「レゼダGF−2000」:東亜合成化学社
製、水酸基含有フッ素系樹脂、不揮発分60%、水酸基
価97mgKOH/g (注4)「KF−6002」:信越シリコ−ン社製、水
酸基含有ジメチルポリシロキシサン、不揮発分100
%、水酸基価35mgKOH/g (注5)「デュラネ−トTPA−90E」:旭化成社
製、ポリイソシアネ−ト、揮発分90%、イソシアネ−
ト基含有量:23重量%(固形分中)
【0072】
【表1】
【0073】塗装 #400サンドペ−パ−にて表面を研磨した軟鋼板上
に、「レタンPG−80No531ホワイト」(関西ペ
イント社製、2液型アクリルウレタン系塗料)を乾燥膜
厚で40μmとなるようにスプレ−塗装し、50℃で3
0分間乾燥させて試験板Iを作成した。
【0074】この試験板I上に、上記で製造した各被覆
用組成物を表2に示すように乾燥膜厚で約3μmとなる
ようスプレ−塗装し、50℃で30分間乾燥させた後、
これを室温(25℃)で2日間放置して、各試験塗板を
得た。得られた試験塗板を下記性能試験に供した。尚、
耐水性試験においては、表面を脱脂したガラス板を試験
板IIとして使用し、上記と同様にして各被覆用組成物を
塗装し各試験塗板を作成して耐水性試験に供した。これ
らの結果を表2に示す。
【0075】(性能試験方法) (1)鉛筆硬度:各試験塗板を温度20℃・湿度75%
RHの恒温恒湿室中にてJIS K−5400に準じて
鉛筆引っ掻き試験を行った。
【0076】(2)耐スリキズ性:磨き粉(ダルマ・ク
レンザ−)を水と3:2で混合し研磨剤とし、染色物堅
牢度摩擦試験機FR−II(スガ試験機社製)を用いた。
該研磨剤をネルに付着させ500gの荷重をかけ、各試
験塗板の塗面を往復20回こすりつけた。その後、塗面
を流水で洗浄し、自然乾燥後、その塗面の20度鏡面反
射率(20°G値)を測定し、試験前の20°G値に対
する光沢保持率で下記の通り評価した。
【0077】 ○:20°G光沢保持率が40%以上 △: 〃 20%以上40%未満 ×: 〃 20%未満 (3)耐汚染性:カーボンブラックを汚染物質とし、こ
れをネルに付着させ、各試験塗板の塗面に軽くこすりつ
けた。これを20℃・75%RHの恒温恒湿室中に24
時間放置後、塗面を流水で洗浄し、塗膜の汚染度を目視
により評価した。 ○:良好 △:少し汚れが残る ×:かなり汚れが残る (4)促進耐候性:サンシャインウエザーオメーターを
用いて、1000時間試験後の塗面状態を目視で評価し
た。
【0078】 ○:塗面にほとんど変化がない ×:塗面に水跡が認められ光沢低下が大きい (5)耐ワレ性:各試験塗板を「70℃で1時間放置→
20℃の水道水中に1時間浸漬→−20℃で1時間放
置」を1サイクルとするテストを20サイクル連続して
試験後の塗面状態を調べた。
【0079】 ○:異常なし △:一部にワレ発生 ×:全面にワレ発生 (6)耐ガソリン性:試験板を水平に固定し、4つ折り
にしたガ−ゼ(50×50mm)にレギュラ−タイプの
ガソリンを約5ccしみこませ、そのまま3分間放置し
た。その後、ガ−ゼを取り除き、ガソリンを別のガ−ゼ
でふきとった後の塗面の状態を観察した。
【0080】 ○:異常なし △:塗面の光沢低下 ×:塗面の光沢低下および軟化が発生 (7)耐水性:20℃の水道水に7日間浸漬後の塗面状
態を調べた。
【0081】 ○:異常なし ×:フクレ、白化発生 (8)仕上り外観:各試験塗板の塗膜の平滑性と塗り肌
を目視で評価した。
【0082】 ○:良好 △:少し肌あれ ×:かなり肌あれ (9)滑水性:20μlの水を各試験塗板上に滴下した
後、各試験塗板を一定速度で傾けて水滴が流れ出した時
の傾斜角度を調べた。
【0083】(10)接触角:一定量(3μl)の水及
びパラフィンを夫々試験塗板上に滴下し、30秒後の接
触角を測定した。
【0084】
【発明の効果】本発明組成物によれば、滑水性、撥水撥
油性、耐汚染性、耐スリ傷性等に優れた被膜を形成でき
る。本発明組成物は、金属、プラスチック、磁器、ガラ
ス等の表面やこれらに形成された塗膜面の保護被覆用と
して、またこれらへの仕上げ塗装用組成物として有用で
ある。
【0085】
【表2】
フロントページの続き Fターム(参考) 4H020 BA12 BA32 4J027 AC03 AC04 AF05 BA04 BA05 BA06 BA07 BA08 BA10 BA13 BA14 BA15 BA19 BA20 BA23 BA24 BA27 CB09 CD08 4J038 CB061 CB091 CC022 CD042 CD071 CD122 CD132 CE051 CE052 CF021 CF022 CG031 CG071 CG141 CG142 CG162 CH031 CH041 CH051 CH121 CH232 CJ011 CJ021 CJ061 CJ131 CJ141 CJ151 CJ181 DG272 DG282 DL032 DL052 DL082 DL092 DL111 GA03 GA06 GA09 GA11 HA446 JC30 KA03 KA08 LA03 LA06 MA10 NA01 NA03 NA04 NA05 NA07 NA11 PA07 PA18 PB05 PB07 PC02 PC03 PC04 PC08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(a)下記式(I) 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル基を表わし、
    2 は炭素数1〜6の2価の炭化水素基を表わし、R3
    は水素原子又はメチル基を表わし、nは6〜300の数
    である)で示されるシロキサンマクロモノマー、(b)
    水酸基含有ビニルモノマー、及び必要により(c)これ
    らと共重合可能な他の不飽和モノマーの共重合により得
    られる水酸基価が50〜290mgKOH/gの範囲内
    である水酸基含有シロキサンポリマー、(B)コロイダ
    ルシリカ及び/又はオルガノシリケ−ト、(C)下記式
    (II) 【化2】 (式中、mの平均数は6〜150であり、lは0〜6の
    整数であり、R4 は炭素原子数1〜6のアルキル基であ
    る)で示されるエポキシ末端シロキサンポリマ−(d)
    とスルホン酸化合物(e)とを、(d)中のエポキシ基
    /(e)中のスルホン酸基の当量比が1/1〜10/1
    となる割合で予め反応させてなる反応生成物、及び
    (D)ポリイソシアネ−ト化合物を含有し、該コロイダ
    ルシリカ及び/又はオルガノシリケ−ト(B)の使用量
    が組成物中の樹脂固形分100重量部に対して5〜10
    0重量部であり、該反応生成物(C)を組成物中の樹脂
    固形分100重量部に対して固形分量で5〜30重量部
    含有することを特徴とする被覆用組成物。
  2. 【請求項2】 活性水素基含有フッ素系樹脂(E)を、
    固形分重量比で(A)/(E)=100/0〜50/5
    0となるように含有する請求項1記載の被覆用組成物。
  3. 【請求項3】 活性水素基含有ポリシロキサン(F)
    を、固形分重量比で(A)/(F)=100/0〜50
    /50となるように含有する請求項又は2記載の被覆用
    組成物。
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