JPH11152440A - 被覆用組成物及びこれを用いた被覆方法 - Google Patents

被覆用組成物及びこれを用いた被覆方法

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JPH11152440A
JPH11152440A JP9322889A JP32288997A JPH11152440A JP H11152440 A JPH11152440 A JP H11152440A JP 9322889 A JP9322889 A JP 9322889A JP 32288997 A JP32288997 A JP 32288997A JP H11152440 A JPH11152440 A JP H11152440A
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active hydrogen
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JP9322889A
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Takao Matoba
隆夫 的場
Shigenori Takeuchi
茂紀 竹内
Hajime Sukejima
肇 祐島
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】汚れにくく、また汚れても容易に汚れが除去で
き、しかも耐酸性、耐スリ傷性に優れた被膜を形成でき
る被覆用組成物を提供する。 【解決手段】活性水素基含有フッ素系樹脂、コロイダル
シリカ及び/又はオルガノシリケ−ト、及びポリイソシ
アネ−ト化合物を含有し、該コロイダルシリカ及び/又
はオルガノシリケ−トの使用量を、組成物中の樹脂固形
分100重量部に対して5〜100重量部とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被覆用組成物に関
し、詳しくは汚れにくく、また汚れても容易に汚れが除
去でき、しかも耐酸性、耐スリ傷性に優れた被膜を形成
できる被覆用組成物に関する。
【0002】
【従来技術及びその課題】自動車、鉄道車両、飛行機、
建物等の各種外板の塗膜面は、水や紫外線により経時で
徐々に劣化し、また埃、砂塵、排気ガスなどにより汚染
されたり、傷つけられるため、通常、該塗膜面の保護、
美観維持を目的に、ワックス類等の表面保護剤を塗布す
ることが行われている。自動車用としては、例えばワッ
クスにシリコ−ンオイルを配合したカ−ワックス等が用
いられ、これを自動車外板の塗膜上に塗布して撥水被膜
を形成しているが、該被膜では架橋構造を形成していな
いので持続性に劣るものであり、しかも経時で汚れてく
るという不具合があった。
【0003】撥水性を有する架橋膜を形成する樹脂組成
物としては、従来、フッ素系あるいはシリコン系の樹脂
に硬化剤を配合してなる組成物が提案されている。しか
しながらこれらによる被膜は、耐スリキズ性や耐酸性な
どが不十分であるために、汚染物質が付着しやすく、ま
た除去できなくなり、結果として撥水性も低下してしま
うという不具合があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決すべく鋭意検討した結果、活性水素基を含有する
フッ素系樹脂にコロイダルシリカ及び/又はオルガノシ
リケ−ト、及びポリイソシアネ−ト化合物を含有する被
覆用組成物を用いることにより、撥水性、滑水性、耐汚
染性、耐スリキズ性等に優れた保護被膜を形成しうる被
覆用組成物が得られることを見出し本発明に到達した。
【0005】即ち本発明は(A)活性水素基含有フッ素
系樹脂、(C)コロイダルシリカ及び/又はオルガノシ
リケ−ト、及び(D)ポリイソシアネ−ト化合物を含有
し、該コロイダルシリカ及び/又はオルガノシリケ−ト
(C)の使用量が、組成物中の樹脂固形分100重量部
に対して5〜100重量部であることを特徴とする被覆
用組成物、及びこれを用いた被覆方法を提供するもので
ある。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において活性水素基含有フ
ッ素系樹脂(A)は、水酸基、トリアルキルシリルオキ
シ基、アミノ基、カルボキシル基などの活性水素基を含
有する有機溶剤に可溶型の樹脂であり、主に水酸基を含
有するものである。
【0007】該水酸基含有フッ素系樹脂としては、例え
ば、フルオロオレフィン及びヒドロキシアルキルビニル
エ−テルを主成分とし必要に応じてアルキルビニルエ−
テル等のその他のモノマ−を含むモノマ−混合物を共重
合して得られる含フッ素共重合体(a−1)が挙げられ
る。
【0008】該フルオロオレフィンとしては、特に制限
なく公知のモノマ−が使用できるが、パ−フルオロオレ
フィン、中でもクロロトリフルオロオレフィン、テトラ
フルオロオレフィン及びこれらの混合物が好適である。
またヒドロキシアルキルビニルエ−テルとしては、炭素
数2〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基を有するヒド
ロキシアルキルビニルエ−テルが好適である。さらにア
ルキルビニルエ−テル等のその他のモノマ−としては、
シクロヘキシル基や炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状の
アルキル基を有するアルキルビニルエ−テル、脂肪酸ビ
ニルエステルや脂肪酸イソプロペニルエステルなどが使
用できる。これらモノマ−混合物中のフルオロオレフィ
ンの含有量が10〜40重量%、ヒドロキシアルキルビ
ニルエ−テルの含有量が5〜20重量%、その他のモノ
マ−の含有量が85〜40重量%の範囲内が適当であ
る。
【0009】上記含フッ素共重合体(a−1)の具体例
として、例えば、旭硝子社製商品「ルミフロン」シリ−
ズのルミフロンLF100、ルミフロンLF200、ル
ミフロンLF300、ルミフロンLF400、ルミフロ
ンLF9012などが市販されている。
【0010】また水酸基含有フッ素系樹脂として、パ−
フルオロアルキル基含有(メタ)アクリル系モノマ−、
水酸基含有モノマ−及びこれらと共重合可能なその他の
モノマ−を含むモノマ−混合物を共重合して得られるア
クリル系共重合体(a−2)が挙げられる。
【0011】該パ−フルオロアルキル基含有(メタ)ア
クリル系モノマ−は、下記一般式
【0012】
【化1】
【0013】(式中、Rは水素原子又はメチル基を、X
は水素原子又はフッ素原子を、mは1〜8の整数を、n
は1〜30の整数を夫々示す。)で示されるモノマ−で
あり、例えば2−パ−フルオロオクチルエチル(メタ)
アクリレ−ト、2−パ−フルオロノニルエチル(メタ)
アクリレ−トなどが挙げられる。水酸基含有モノマ−と
しては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
−ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−トなどの
(メタ)アクリル酸の炭素数1〜8のヒドロキシアルキ
ルエステルなどが好適である。またこれらと共重合可能
なその他のモノマ−としては、例えばメチル(メタ)ア
クリレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、n−,i
−,t−ブチル(メタ)アクリレ−ト、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレ−ト、ラウリル(メタ)アクリレ
−ト、イソボルニル(メタ)アクリレ−ト等のアクリル
酸又はメタクリル酸の炭素数1〜24のアルキルエステ
ル又はシクロアルキルエステル;スチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族化合物;酢
酸ビニル、塩化ビニル、ビニルエ−テル、(メタ)アク
リロニトリルなどが挙げられ、これらは1種又は2種以
上適宜選択して使用できる。これらモノマ−混合物中の
パ−フルオロアルキル基含有(メタ)アクリル系モノマ
−の含有量が5〜40重量%、水酸基含有モノマ−の含
有量が5〜25重量%、これらと共重合可能なその他の
モノマ−の含有量が90〜35重量%の範囲内が適当で
ある。
【0014】上記共重合体(a−2)の具体例として、
例えば、三菱レ−ヨン社製、「AS−5564」、「A
S−8558」、「AS−8615」などが市販されて
いる。
【0015】上記共重合体(a−1)及び(a−2)
は、従来公知の製造法、例えば溶液重合法により製造さ
れる。これら共重合体(a−1)及び(a−2)は、単
独又は併用して使用してもよい。また水酸基以外の活性
水素基を有する共重合体は、例えば、上記共重合体(a
−1)におけるヒドロキシアルキルビニルエ−テル又は
共重合体(a−2)における水酸基含有モノマ−の代わ
りに、或いはこれと併用して、2−トリメチルシリルオ
キシエチル(メタ)アクリレ−トなどのトリアルキルシ
リルオキシ基含有モノマ−、ジメチルアミノエチルビニ
ルエ−テル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ−
トなどのアミノ基含有モノマ−、アジピン酸モノビニル
エステル、(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含
有モノマ−などを共重合成分として使用することにより
得られる。
【0016】上記の通り得られる活性水素基含有フッ素
系樹脂(A)は、硬化性の点から、活性水素基を1分子
中に少なくとも2個、さらには3〜23個有することが
好ましい。活性水素基が2個より少ないと硬化性が低下
し得られる被膜の撥水性が持続できなくなり、一方23
個より多くなると耐水性、仕上り性が低下するので好ま
しくない。
【0017】また該活性水素基含有フッ素系樹脂(A)
は、重量平均分子量が5,000〜40,000、好ま
しくは7,000〜30,000の範囲内が好適であ
る。この範囲外では、硬化性、被膜物性、仕上り性等が
低下するので好ましくない。
【0018】本発明においては、上記樹脂(A)に、滑
水性の点から、必要に応じて活性水素基含有ポリシロキ
サン(B)を併用することができる。該活性水素基含有
ポリシロキサン(B)としては、下記一般式
【0019】
【化2】
【0020】(式中、R1は、同一又は異なって、フェ
ニル基又は炭素数1〜20のアルキル基を、Yは、同一
又は異なって、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル
基、炭素数1〜4のアルコキシ基又は活性水素基含有基
を示し、且つYの少なくとも1つは活性水素基含有基で
あり、pは10〜1000の整数を、qは1〜20の整
数を示す。)で示される末端又は側鎖に活性水素基を有
するオルガノポリシロキサンが使用できる。
【0021】Yは、少なくとも1つ以上は活性水素基含
有基であり、該活性水素基含有基としては、水酸基、ア
ミノ基、トリアルキルシリルオキシ基、カルボキシル基
などの活性水素基、さらにこれら活性水素基を脂肪鎖を
介して末端に含有する基が挙げられる。またYとして
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの
アルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ
基、ビニル基、アリル基などのアルケニル基、フェニル
基、シクロヘキシル基などであってもよい。R1として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの
アルキル基、フェニル基、シクロヘキシル基などが挙げ
られる。
【0022】上記ポリシロキサン(B)の具体例として
は、水酸基を有するものとして、例えば「X−22−1
60AS」、「X−22−4015」、「KF−600
1」、「KF−6002」、「KF−6003」(いず
れも信越シリコ−ン社製)、「YF−3800」、「Y
F−3807」、「YF−3905」、「YF−305
7」(いずれも東芝シリコ−ン社製)など、アミノ基を
有するものとして、例えば「X−22−161AS」、
「X−22−161A」、「X−22−161B」、
「KF−8012」、「KF−393」、「KF−85
8」(いずれも信越シリコ−ン社製)、「TSF470
2」、「TSF4703」(いずれも東芝シリコ−ン社
製)などが挙げられる。
【0023】上記ポリシロキサン(B)は、硬化性の点
から、活性水素基を1分子中に少なくとも2個以上、さ
らには3〜23個有することが好ましい。活性水素基が
2個よりすくないと硬化性が低下し得られる被膜の撥水
性が持続できなくなり、一方23個より多くなると耐水
性、仕上り性が低下するので好ましくない。
【0024】また上記ポリシロキサン(B)は、粘度が
10〜20,000cSt、好ましくは30〜10,0
00cStの範囲内のものが好適である。この範囲外で
は、得られる被膜の撥水性、滑水性が低下したり、前記
樹脂(A)との相溶性が低下し白濁する恐れがあるので
好ましくない。
【0025】上記(A)及び(B)成分の使用比は、重
量固形分比で100/0〜50/50、好ましくは95
/5〜80/20の範囲内が好適である。該(B)成分
の使用比が50を越えると得られる被膜の硬度が低下す
るので好ましくない。
【0026】本発明においてコロイダルシリカ及び/又
はオルガノシリケ−ト(C)は、被膜の硬度、耐スリキ
ズ性、滑水性を向上させるために配合されるものであ
り、コロイダルシリカ、及びオルガノシリケ−トを夫々
単独で使用してもよいし、さらにこれらの混合物或いは
これらの部分反応物として使用してもよい。
【0027】ここで使用されるコロイダルシリカは、無
水ケイ酸の超微粒子を溶媒に分散した分散液である。シ
リカ粒子の粒子径は、5〜200nm程度であり、溶媒
としてはメタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、エチ
レングリコ−ルなどのアルコ−ル類;アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン
類;酢酸エチルなどのエステル類;ジイソプロピルエ−
テルなどのエ−テル類、及びこれらの混合物などが挙げ
られる。このようなコロイダルシリカとしては、市販品
では、例えば「スノ−テックス」シリ−ズ(日産化学工
業社製)、「オスカル」(触媒化学工業社製)などが挙
げられる。
【0028】ここで使用されるオルガノシリケ−トは、
例えばテトラヒドロキシシラン、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラ
ン、テトラプロポキシシラン、テトラフェノキシシラン
などのアルキルシリケ−ト、及びこれらの低縮合物が挙
げられ、縮合物としては縮合度が2〜100、好ましく
は2〜10のものが挙げられる。
【0029】上記コロイダルシリカ及びオルガノシリケ
−トを反応させる場合には、必要に応じて酸触媒や水溶
性有機溶剤をこれらに添加し、水の存在下で加水分解反
応させることにより行われる。
【0030】本発明において上記コロイダルシリカ及び
オルガノシリケ−トは、夫々単独で配合できるが、両者
の混合物或いは部分反応物を使用した場合には、より多
くの量が配合できるので、得られる被膜の硬度や耐スリ
キズ性の向上には有利である。上記コロイダルシリカ及
び/又はオルガノシリケ−ト(C)の使用量は、前記
(A)及び(B)成分の合計樹脂固形分100重量部に
対して5〜100重量部、好ましくは10〜80重量部
の範囲内が好適である。該使用量が5重量部未満では硬
度の向上が得られず、100重量部を越えると被膜が脆
くなる恐れがあるので好ましくない。
【0031】本発明においてポリイソシアネ−ト化合物
(D)としては、例えば、トリレンジイソシアネ−ト、
キシリレンジイソシアネ−ト、フェニレンジイソシアネ
−ト、ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、ビス(イソ
シアネ−トメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジ
イソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、ト
リメチルヘキサメチレンジイソシアネ−ト、メチレンジ
イソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−トなどの芳
香族、脂環族又は脂肪族のポリイソシアネ−ト化合物、
及びこれらのイソシアネ−ト化合物のイソシアヌレ−ト
体やビュウレット体、これらのイソシアネ−ト化合物の
過剰量にエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、
トリメチロ−ルプロパン、ヘキサントリオ−ル、ヒマシ
油などの低分子活性水素含有化合物を反応させて得られ
る末端イソシアネ−ト含有化合物、リジントリイソシア
ネ−トなどを挙げることができる。
【0032】本発明の被覆用組成物は、上記(A)、
(B)及び(C)成分を含む主剤(I)と(D)成分を
含む架橋剤(II)からなり、これらは主剤(I)中に含
まれる活性水素基1モルに対して架橋剤(II)中に含ま
れるイソシアネ−ト基が0.2〜3.0モル、好ましく
は0.5〜2.5モルとなるように使用直前に混合して
使用に供される。
【0033】本発明の被覆用組成物には、必要に応じ
て、硬化触媒を配合することができる。該硬化触媒とし
ては、特に制限なく従来公知のものが使用でき、例えば
トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルア
ミン、ジエタノ−ルアミン、トリエタノ−ルアミンなど
のアミン触媒;リン酸、スルホン酸などの有機酸及びそ
のエステル;ジブチル錫ジラウレ−ト、ジブチル錫オキ
サイド、オクチル酸錫、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバ
ルトなどの有機金属化合物等が使用でき、これらのうち
特に有機金属化合物が好適である。該硬化触媒は、主剤
(I)に配合しても硬化剤(II)に配合してもよい。
【0034】本発明の被覆用組成物には、さらに必要に
応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、表面調整剤、有機溶
剤、顔料類などの添加剤を配合することができる。
【0035】本発明は、また、上記本発明の被覆用組成
物を基材面上に乾燥膜厚で10μm以下、好ましくは5
μm以下となるよう塗布して、これらの保護、美観維持
に適用してなる被覆方法を提供する。
【0036】上記基剤面としては、種々の素材面やこれ
らの上に形成された硬化塗膜面が挙げられ、素材面とし
ては、例えばガラス、金属、プラスチック、セラミック
などが挙げられ、硬化塗膜面としては、例えば自動車、
鉄道車両、飛行機、建築物などの各種外板の塗膜面など
が挙げられる。上記被覆用組成物を塗布する際には基材
面を適宜ポリッシュして下地調整をしておくことが望ま
しい。該被覆層の膜厚が10μmを越えると、ゴミなど
の付着が多くその除去に長時間を要するという不具合が
生じる恐れがあり、また該膜厚内であれば、再塗装前に
該被覆層が簡単な研磨で容易に除去できるので好適であ
る。
【0037】また本発明は、上塗り塗料の塗装後、未乾
燥の該塗膜上に、本発明の被覆用組成物を塗装して仕上
げる被覆方法を提供する。新又は補修塗装の上塗り塗装
では、通常、ベ−スコ−ト塗料を塗装し次いでトップク
リヤ−塗料を塗装して仕上げる方法等が施され、例えば
該方法においては、該トップクリヤ−塗料の塗装後、未
乾燥の該クリヤ−塗膜上に、本発明の被覆用組成物を塗
装して仕上げることができる。
【0038】該ベ−スコ−ト塗料としては、メタリック
顔料及び/又は着色顔料を含有する従来公知のベ−スコ
−ト塗料であれば特に制限なく使用でき、架橋剤を含ま
ないラッカ−塗料、あるいはポリイソシアネ−ト化合物
などの架橋剤を含む硬化性塗料など適宜選択できる。
【0039】該トップクリヤ−塗料としては、従来公知
のものが特に制限なく使用でき、主として有機溶剤型塗
料(非水分散型を含む)や粉体塗料が挙げられ、例えば
水酸基などの架橋性官能基を有するアクリル樹脂やフッ
素樹脂と(ブロック)ポリイソシアネ−トやメラミン樹
脂などの架橋剤とを主成分とする硬化型塗料、あるいは
セルロ−スアセテ−トブチレ−ト変性のアクリル樹脂を
主成分とするラッカ−塗料などが好適に使用できる。こ
のうち該トップクリヤ−塗料としては、特にウレタン硬
化型クリヤ−が好適である。
【0040】該トップクリヤ−塗料は、通常、乾燥膜厚
で約20〜50μmとなるよう従来公知の手段で塗装さ
れる。その上に本発明の被覆用組成物は乾燥膜厚で10
μm以下となるようスプレ−塗装されるのが好適であ
る。
【0041】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。
【0042】被覆用組成物の製造 実施例1〜5及び比較例1〜3 下記表1に示す各成分を容器に配合しディスパ−で混合
撹拌して主剤を作成後、硬化剤を混合して各被覆用組成
物を得た。表中の(注1)〜(注6)は下記の通りであ
る。
【0043】(注1)「ルミフロンLF9012」:旭
硝子社製、フルオロオレフィンアルキルビニルエ−テル
樹脂、不揮発分65重量%、水酸基価:75(固形分
中) (注2)「AR−5564」:三菱レ−ヨン社製、フッ
化アクリルエステル樹脂、不揮発分50重量%、水酸基
価:100(固形分中) (注3)「X−22−160AS」:信越シリコ−ン社
製、水酸基含有ジメチルポリシロキシサン、不揮発分9
9重量%、粘度34cSt、水酸基価:107 (注4)「スノ−テックスMIBK−ST」:日産化学
工業社製、有機溶剤型コロイダルシリカ、不揮発分30
重量% (注5)「メチルシリケ−ト51」:コルコ−ト社製、
オルガノシリケ−ト、不揮発分51重量% (注6)「デュラネ−トTPA−90E」:旭化成社
製、ポリイソシアネ−ト、揮発分90重量%、イソシア
ネ−ト基含有量:23重量%(固形分中)
【0044】
【表1】
【0045】塗装 実施例6〜10及び比較例4〜6 #400サンドペ−パ−にて表面を研磨した軟鋼板上
に、「レタンPG−80No531ホワイト」(関西ペ
イント社製、2液型アクリルウレタン系塗料)を乾燥膜
厚で40μmとなるようにスプレ−塗装し、50℃で3
0分間乾燥させて試験板Iを作成した。
【0046】この試験板I上に、上記で製造した各被覆
用組成物を表2に示すように乾燥膜厚で約3μmとなる
ようスプレ−塗装し、50℃で30分間乾燥させた後、
これを室温(25℃)で2日間放置して、各試験塗板を
得た。得られた試験塗板を下記性能試験に供した。尚、
耐水性試験においては、表面を脱脂したガラス板を試験
板IIとして使用し、上記と同様にして各被覆用組成物を
塗装し各試験塗板を作成して耐水性試験に供した。これ
らの結果を表2に示す。
【0047】実施例11 上記実施例で使用した試験板Iの塗面を細目ポリッシン
グコンパウンドでポリッシュし、脱脂後、その上に「レ
タンPG2K No123メタリックベ−ス」(関西ペ
イント社製、メタリックベ−スコ−ト塗料)を乾燥膜厚
約15μmとなるようスプレ−塗装し、指触乾燥後、
「レタンPG2Kクリヤ−M」(関西ペイント社製、ウ
レタン硬化型トップクリヤ−塗料)を乾燥膜厚約40μ
mとなるようスプレ−塗装した。指触乾燥後、実施例1
の被覆用組成物を乾燥膜厚で約4μmとなるようスプレ
−塗装し、60℃で30分間乾燥させた後、これを室温
(25℃)で2日間放置して、各試験塗板を得た。得ら
れた試験塗板を下記性能試験に供した。結果を表2に示
す。
【0048】(性能試験方法) (1)鉛筆硬度:各試験塗板を温度20℃・湿度75%
RHの恒温恒湿室中にてJIS K−5400に準じて
鉛筆引っ掻き試験を行った。
【0049】(2)耐スリキズ性:磨き粉(ダルマ・ク
レンザ−)を水と3:2で混合し研磨剤とし、染色物堅
牢度摩擦試験機FR−II(スガ試験機社製)を用いた。
該研磨剤をネルに付着させ500gの荷重をかけ、各試
験塗板の塗面を往復20回こすりつけた。その後、塗面
を流水で洗浄し、自然乾燥後、その塗面の20度鏡面反
射率(20°G値)を測定し、試験前の20°G値に対
する光沢保持率で下記の通り評価した。
【0050】 ○:20°G光沢保持率が40%以上 △: 〃 20%以上40%未満 ×: 〃 20%未満 (3)耐汚染性:カーボンブラックを汚染物質とし、こ
れをネルに付着させ、各試験塗板の塗面に軽くこすりつ
けた。これを20℃・75%RHの恒温恒湿室中に24
時間放置後、塗面を流水で洗浄し、塗膜の汚染度を目視
により評価した。 ○:良好 △:少し汚れが残る ×:かなり汚れが残る (4)促進耐候性:サンシャインウエザーオメーターを
用いて、1000時間試験後の塗面状態を目視で評価し
た。
【0051】 ○:塗面にほとんど変化がない ×:塗面に水跡が認められ光沢低下が大きい (5)耐ワレ性:各試験塗板を「70℃で1時間放置→
20℃の水道水中に1時間浸漬→−20℃で1時間放
置」を1サイクルとするテストを20サイクル連続して
試験後の塗面状態を調べた。
【0052】 ○:異常なし △:一部にワレ発生 ×:全面にワレ発生 (6)耐ガソリン性:試験板を水平に固定し、4つ折り
にしたガ−ゼ(50×50mm)にレギュラ−タイプの
ガソリンを約5ccしみこませ、そのまま3分間放置し
た。その後、ガ−ゼを取り除き、ガソリンを別のガ−ゼ
でふきとった後の塗面の状態を観察した。
【0053】 ○:異常なし △:塗面の光沢低下 ×:塗面の光沢低下および軟化が発生 (7)耐水性:20℃の水道水に7日間浸漬後の塗面状
態を調べた。
【0054】 ○:異常なし ×:フクレ、白化発生 (8)仕上り外観:各試験塗板の塗膜の平滑性と塗り肌
を目視で評価した。
【0055】 ○:良好 △:少し肌あれ ×:かなり肌あれ (9)滑水性:20mlの水を各試験塗板上に滴下した
後、各試験塗板を一定速度で傾けて水滴が流れ出した時
の傾斜角度を調べた。
【0056】
【発明の効果】本発明組成物によれば、撥水性、滑水
性、耐汚染性、耐スリキズ性等に優れた被膜を形成でき
る。本発明組成物は、金属、プラスチック、磁器、ガラ
ス等の表面やこれらに形成された塗膜面の保護被覆用と
して、またこれらへの仕上げ塗装用組成物として有用で
ある。
【0057】
【表2】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年11月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】上記共重合体(a−2)の具体例として、
例えば、三菱レ−ヨン社製、「AR−5564」、「A
S−8558」、「AS−8615」などが市販されて
いる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】上記ポリシロキサン(B)の具体例として
は、水酸基を有するものとして、例えば「X−22−1
60AS」、「X−22−4015」、「KF−600
1」、「KF−6002」、「KF−6003」(いず
れも信越シリコ−ン社製)、「YF−3800」、「Y
F−3807」、「XF−3905」、「YF−305
7」(いずれも東芝シリコ−ン社製)など、アミノ基を
有するものとして、例えば「X−22−161AS」、
「X−22−161A」、「X−22−161B」、
「KF−8012」、「KF−393」、「KF−85
8」(いずれも信越シリコ−ン社製)、「TSF470
2」、「TSF4703」(いずれも東芝シリコ−ン社
製)などが挙げられる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 175/04 C09D 175/04 183/04 183/04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)活性水素基含有フッ素系樹脂、
    (C)コロイダルシリカ及び/又はオルガノシリケ−
    ト、及び(D)ポリイソシアネ−ト化合物を含有し、該
    コロイダルシリカ及び/又はオルガノシリケ−ト(C)
    の使用量が、組成物中の樹脂固形分100重量部に対し
    て5〜100重量部であることを特徴とする被覆用組成
    物。
  2. 【請求項2】 活性水素基含有ポリシロキサン(B)を
    含有する請求項1記載の被覆用組成物。
  3. 【請求項3】 (A)と(B)の使用比が、固形分重量
    比で100/0〜50/50である請求項2記載の被覆
    用組成物。
  4. 【請求項4】 基材面上に、(A)活性水素基含有フッ
    素系樹脂、(C)コロイダルシリカ及び/又はオルガノ
    シリケ−ト、及び(D)ポリイソシアネ−ト化合物を含
    有し、該コロイダルシリカ及び/又はオルガノシリケ−
    ト(C)の使用量が、組成物中の樹脂固形分100重量
    部に対して5〜100重量部である被覆用組成物を10
    μm以下の膜厚(乾燥膜厚)で塗布することを特徴とす
    る被覆方法。
  5. 【請求項5】 基材面が、硬化塗膜面である請求項4記
    載の被覆方法。
  6. 【請求項6】 上塗り塗料を塗装し、未乾燥の該塗膜上
    に、(A)活性水素基含有フッ素系樹脂、(C)コロイ
    ダルシリカ及び/又はオルガノシリケ−ト、及び(D)
    ポリイソシアネ−ト化合物を含有し、該コロイダルシリ
    カ及び/又はオルガノシリケ−ト(C)の使用量が、組
    成物中の樹脂固形分100重量部に対して5〜100重
    量部である被覆用組成物を塗装して被覆層を形成し、こ
    れらを同時乾燥して仕上げることを特徴とする被覆方
    法。
  7. 【請求項7】 上塗り塗料が、ウレタン硬化型クリヤ−
    である請求項6記載の被覆方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8445180B2 (en) 2003-12-26 2013-05-21 Asahi Kasei Chemicals Corporation Water-developable photopolymer plate for letterpress printing
WO2021186760A1 (ja) * 2020-03-16 2021-09-23 Agc株式会社 塗料及び塗膜付き基材

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