JP2000007330A - 混合炭酸カルシウムスラリー、その製造方法、それを用いた塗工用組成物及び該組成物を塗被した塗工紙 - Google Patents

混合炭酸カルシウムスラリー、その製造方法、それを用いた塗工用組成物及び該組成物を塗被した塗工紙

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JP2000007330A
JP2000007330A JP19805798A JP19805798A JP2000007330A JP 2000007330 A JP2000007330 A JP 2000007330A JP 19805798 A JP19805798 A JP 19805798A JP 19805798 A JP19805798 A JP 19805798A JP 2000007330 A JP2000007330 A JP 2000007330A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高固形分濃度であって、光学特性及び印刷特
性に優れ、低粘度で高速流動性の良好な炭酸カルシウム
スラリーの提供。 【解決手段】 分散処理が施された紡錘形又は偏三角面
体形軽質炭酸カルシウムスラリーで、炭酸カルシウムが
0.45μm以下及び1.50μm以下の平均短径及び
平均長径を有し、0.20〜2.00μmの所定メディ
アン径(PCC50)を有する分散スラリー及び乾式粉
砕重質炭酸カルシウムの混合物のサンドグラインディン
グ処理物で 0.75≦PCC50/Mix50≦2.00 (Mixは処理物中の炭酸カルシウムの所定メディアン
径) R(%)=(Mix−L/PCC−L)×100 (PCC−Lは分散スラリー中の紡錘形又は偏三角面体
形軽質炭酸カルシウムの平均長径、Mix−Lはサンド
グラインディング処理物中の紡錘形又は偏三角面体形炭
酸カルシウムの平均長径)で所定形炭酸カルシウムの形
状保持率(R)が50%を超える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、混合炭酸カルシウ
ムスラリー、その製造方法、それを用いた塗工用組成物
及び該組成物を塗被した塗工紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、塗工紙の生産量は増加しており、
特に塗工印刷用紙である、A2、A3、B2、B3コー
ト紙や微塗工紙の伸びが著しい。また、抄紙機、塗工機
の高速度化が進み、さらに塗工機ではブレードコーター
の技術革新が進んできて、塗工機は、既設備でも500
〜1500m/分、新規設備では1500〜2000m
/分以上で塗工することが予測されている。また、この
ような塗工機の高速化とともに、乾燥機の負荷軽減のた
めに、塗工カラーには、高速下での流動性(高速流動
性)と高濃度化が求められている。例えば、現在の主力
設備であるブレードコーターは、高速で剪断力をかけな
がら塗工する方式のため、塗工カラーの液性が悪いとス
トリークを発生しやすいことから、ブレードコーター用
塗工カラーに対する要求特性としては高速で剪断力がか
かった状態での粘度(高速剪断粘度)が低いこと、つま
り高速流動性が良好であることが重要視される。
【0003】コート紙の塗工カラーは、顔料の分散液
に、バインダーやその他の添加剤を加えて製造されてい
る。顔料としては、カオリン等のクレー、軽質炭酸カル
シウム、重質炭酸カルシウム、二酸化チタン、プラスチ
ックピグメント、サチンホワイトなどが用いられてい
る。
【0004】塗工カラーの代表的顔料組成は、製品グレ
ードや原紙の種類や塗工量による他、製紙会社によって
も異なり、クレー単独又は炭酸カルシウム単独のものも
あるが、一般的にはクレーと炭酸カルシウムの混合組成
のものである。これは、クレー、中でも常用のカオリン
は単独では高速流動性に劣ることから、それを改善する
ために、通常それよりも高速流動性に優れる湿式粉砕重
質炭酸カルシウムスラリーが混合されるからである。
【0005】炭酸カルシウムは用途やグレードにより重
質炭酸カルシウム単独、軽質炭酸カルシウム単独あるい
は両者の適当な混合物が用いられる。重質炭酸カルシウ
ムについては、湿式スラリーでは沈降法粒度分布測定に
おける粒径2μm未満の粒子の含有重量%値の下限で品
番を表し、その頭に#を付して表記され、例えば#95
(粒径2μm未満の粒子を95重量%以上含有)、#9
0、#75、#60などに分類され、乾式のものではブ
レーン空気透過式比表面積(cm2/g)の10%値で
品番を表し、その頭に#を付して表記され、例えば#2
200(ブレーン値22000cm2/g=2.2m2
g)、#2000、#1500、#1000、#80
0、#100などに分類され、アンダーカラーには粗い
グレード、トップカラーには細かいグレードが用いら
れ、高速の塗工機用のトップカラーには#95、#90
グレード、アンダーカラーには#75、#60グレード
で、かつ固形分濃度72〜79重量%程度の湿式粉砕重
質炭酸カルシウムスラリーが主に用いられている。
【0006】軽質炭酸カルシウムについては、紡錘状、
角状、柱状、凝集状等の形状ごとに様々な粒度のものが
スラリーやパウダーとして市販されており、塗工印刷用
紙である、A2、A3、B2、B3コート紙、微塗工紙
等には、通常、高速流動性の改善された固形分濃度60
〜70重量%程度のスラリー品が用いられている。ま
た、軽質炭酸カルシウムは、重質炭酸カルシウムに比
べ、白色度や白紙光沢が高く、印刷適性に優れるので、
原紙の白色度が低い場合や、塗工量を少なくする場合
や、高光沢度を必要とする場合や、良好な印刷適性を得
たい場合や、マット紙やダル紙のようにカレンダー加工
効果を強くは求めない場合や、風合いを求める場合に、
単独で用いるか、あるいは重質炭酸カルシウムと併用し
て用いるケースが多い。
【0007】しかしながら、軽質炭酸カルシウムは、重
質炭酸カルシウムに比べ、スラリー濃度が低く(固形分
濃度60〜70%)、また高速流動性が悪いといった欠
点を有しているため、高速塗工機に対応した高濃度塗工
カラーを調製することができないという問題があった。
【0008】軽質炭酸カルシウムスラリーと重質炭酸カ
ルシウムパウダーを混合処理して紙質改善用炭酸カルシ
ウムスラリーを得る方法が提案されてはいるが(特開昭
54−120709号公報)、その混合処理は、軽質炭
酸カルシウムスラリーと乾式粉砕重質炭酸カルシウムの
強力な撹拌だけの分散しか行っておらず、サンドグライ
ンディング処理は行っていないため、得られるスラリー
は、高速流動性が良好でなく、高速のブレードコーター
用の適性に乏しいことが推測され、製紙会社で常用され
ている湿式粉砕重質炭酸カルシウムスラリーに比べて白
紙光沢等の紙質物性が低いという問題がある。
【0009】また、重質炭酸カルシウムスラリーの高速
流動性を改善するため、かつ白紙光沢等の紙質物性を軽
質炭酸カルシウムと同等にするために、乾式粉砕重質炭
酸カルシウムをサンドミルで湿式処理する方法が提案さ
れ(特公昭55−11799号公報)、さらにこの方法
において粉砕度を上げ微粉砕することにより、粗大粒子
を減少させ、平均粒子径を細かくし、白紙光沢を向上さ
せた固形分濃度70〜79%の湿式粉砕重質炭酸カルシ
ウムスラリーが市販され、製紙会社によって自製されて
いるが、このような湿式粉砕重質炭酸カルシウムスラリ
ーは、#90〜#95グレード品とすると、紙質物性に
関し、印刷光沢は軽質炭酸カルシウムと同等であるもの
の、白紙光沢が軽質炭酸カルシウムに及ばないし、また
インク受理性やインクセット性等の印刷適性は軽質炭酸
カルシウムには及ばず、また、微粉砕することにより、
BET比表面積が上昇し、分散剤添加量の増加、高速剪
断粘度の上昇による高速流動性の悪化、塗工カラー調整
時のバインダー消費量の増大を招来するという欠点を有
している。
【0010】また、紡錘形軽質炭酸カルシウムと重質炭
酸カルシウムを混合湿式粉砕して得た顔料を紙基材上の
塗被層中に配合させた印刷用塗工紙が提案されているが
(特開平4−185798号公報、特開平6−2940
98号公報、特開平6−294100号公報)、この混
合湿式粉砕においては重質炭酸カルシウムよりも紡錘形
軽質炭酸カルシウムの方が容易に粉砕され、紡錘形軽質
炭酸カルシウムの粉砕前後の平均粒子径の変化が大きい
が、これは走査型電子顕微鏡での観察結果から紡錘形軽
質炭酸カルシウム結晶が長軸の中央部で折れやすいこと
に起因する。しかし、このような混合湿式粉砕では紡錘
形軽質炭酸カルシウム結晶が破壊され、それ自体が本来
有する光学的特性を発揮することができない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の製紙用顔料などに使用する炭酸カルシウムスラリ
ーの欠点を改善し、高固形分濃度であって、光学特性及
び印刷特性に優れ、低粘度で高速流動性の良好な炭酸カ
ルシウムスラリーを提供することを目的としてなされた
ものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
好ましい特性を有する炭酸カルシウムスラリーを開発す
るために種々研究を重ねた結果、軽質炭酸カルシウムの
形状の破壊が抑制されるように混合分散し粉砕すれば、
軽質炭酸カルシウムと重質炭酸カルシウムの両者の長所
を兼ね備えた混合スラリーが得られることを見出し、こ
の知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明は、分散処理が施された
紡錘形又は偏三角面体形軽質炭酸カルシウムスラリーで
あって、その中の紡錘形又は偏三角面体形軽質炭酸カル
シウムの平均短径及び平均長径がSEM画像解析による
測定でそれぞれ0.45μm以下及び1.50μm以下
である紡錘形又は偏三角面体形軽質炭酸カルシウム分散
スラリー及び乾式粉砕重質炭酸カルシウムの混合物のサ
ンドグラインディング処理物から成る混合炭酸カルシウ
ムスラリー、さらには分散処理が施された紡錘形又は偏
三角面体形軽質炭酸カルシウムスラリーであって、その
中の紡錘形又は偏三角面体形軽質炭酸カルシウムの平均
短径及び平均長径がSEM画像解析による測定でそれぞ
れ0.45μm以下及び1.50μm以下であるととも
に該軽質炭酸カルシウムのレーザー式粒度分布測定によ
るメディアン径が0.20〜2.00μmである紡錘形
又は偏三角面体形軽質炭酸カルシウム分散スラリー40
〜80重量%及び乾式粉砕重質炭酸カルシウム20〜6
0重量%の混合物のサンドグラインディング処理物から
成り、かつ上記メディアン径(PCC50)とサンドグ
ラインディング処理物中の炭酸カルシウムのレーザー式
粒度分布測定によるメディアン径(Mix50)とが数
式 0.75≦PCC50/Mix50≦2.00 で表わされる関係を満たすとともに、数式 R(%)=(Mix−L/PCC−L)×100 (式中、PCC−Lは上記分散スラリー中の紡錘形又は
偏三角面体形軽質炭酸カルシウムのSEM画像解析によ
る測定での平均長径、Mix−Lはサンドグラインディ
ング処理物中の紡錘形又は偏三角面体形炭酸カルシウム
のSEM画像解析による測定での平均長径を示す)で表
わされる紡錘形又は偏三角面体形炭酸カルシウムの形状
保持率(R)が50%を超える範囲にあることを特徴と
する混合炭酸カルシウムスラリーを提供するものであ
る。本発明の混合炭酸カルシウムスラリーは、例えば、
紡錘形又は偏三角面体形軽質炭酸カルシウムスラリーに
分散処理を施して紡錘形又は偏三角面体形軽質炭酸カル
シウムの平均短径及び平均長径がSEM画像解析による
測定でそれぞれ0.45μm以下及び1.50μm以下
であるとともに、該軽質炭酸カルシウムのレーザー式粒
度分布測定によるメディアン径が0.20〜2.00μ
mである紡錘形又は偏三角面体形軽質炭酸カルシウム分
散スラリーを調製し、この分散スラリーと乾式粉砕重質
炭酸カルシウムとを40:60〜80:20の重量比で
混合し、次いで得られた混合物に、サンドグラインディ
ング処理を、上記メディアン径(PCC50)とサンド
グラインディング処理物中の炭酸カルシウムのレーザー
式粒度分布測定によるメディアン径(Mix50)とが
数式 0.75≦PCC50/Mix50≦2.00 で表わされる関係を満たすとともに、数式 R(%)=(Mix−L/PCC−L)×100 (式中、PCC−Lは上記分散スラリー中の紡錘形又は
偏三角面体形軽質炭酸カルシウムのSEM画像解析によ
る測定での平均長径、Mix−Lはサンドグラインディ
ング処理物中の紡錘形又は偏三角面体形炭酸カルシウム
のSEM画像解析による測定での平均長径を示す)で表
わされる紡錘形又は偏三角面体形炭酸カルシウムの形状
保持率(R)が50%を超える範囲となるように施すこ
とにより製造することができる。また、本発明は、この
混合炭酸カルシウムスラリーを含有する塗工用組成物
や、この塗工用組成物を紙基材上に塗工し、乾燥して成
る塗工紙であって、かつその白紙光沢度(Mix−C)
と、紡錘形又は偏三角面体形軽質炭酸カルシウムスラリ
ーをコーレスミキサーで分散処理後、さらにサンドミル
で分散処理を施して調製された分散スラリーを含有する
塗工用組成物を紙基材上に塗工し、乾燥して成る塗工紙
の白紙光沢度(PCC−C)と、乾式粉砕重質炭酸カル
シウムの湿式サンドグラインディング処理スラリーを含
有する塗工用組成物を紙基材上に塗工し、乾燥して成る
塗工紙の白紙光沢度(GCC−C)とが数式 GCC−C<Mix−C<PCC−C で表わされる関係を満たすことを特徴とする塗工紙をも
提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の混合炭酸カルシウムスラ
リーは、分散処理が施された紡錘形又は偏三角面体形軽
質炭酸カルシウムスラリーと乾式粉砕重質炭酸カルシウ
ムの混合物のサンドグラインディング処理物から成り、
その調製は紡錘形又は偏三角面体形軽質炭酸カルシウム
スラリー、好ましくはその濃縮スラリー又は脱水ケーキ
に分散剤を加えて混合するなどして分散処理し、得られ
た分散スラリーと乾式粉砕重質炭酸カルシウムとを混合
し、得られた混合物にサンドグラインディング処理を施
すことにより行われる。
【0015】紡錘形又は偏三角面体形軽質炭酸カルシウ
ムスラリーは特に制限されないが、石灰乳と炭酸ガスを
反応させるいわゆる石灰乳炭酸化法で製造された反応ス
ラリー、さらにはこの反応スラリーに、濃縮処理、濃縮
後脱水処理、あるいは脱水処理を施して生成させた高濃
度スラリー又は脱水ケーキが好ましい。この高濃度スラ
リー又は脱水ケーキは固形分濃度が60重量%以上であ
るのが好ましい。濃縮処理は、通常の濃縮手段、例えば
遠心脱水機、沈降濃縮機などを用いて行われる。この遠
心脱水機の例としては、デカンター、スクリューデカン
ターなどが挙げられる。また、脱水処理は、通常の脱水
手段、例えばフィルタープレス、ベルトプレス、チュー
ブプレス等の加圧型脱水機、オリバーフィルター等の真
空ドラム脱水機、デカンター等の遠心脱水機を用いる
か、あるいは圧搾手段、例えばベルトプレスや造粒ロー
ラなどの脱水と同時に所要の形状に造粒しうる手段等を
単独で用いるか、あるいは複数組み合わせて用いること
により行われる。紡錘形又は偏三角面体形軽質炭酸カル
シウムスラリー中の紡錘形又は偏三角面体形軽質炭酸カ
ルシウムとしては、それを主体とするものも用いられ、
その形状が可及的に紡錘形又は偏三角面体形に富むもの
が好ましい。
【0016】このような軽質炭酸カルシウムスラリーに
分散処理を施すには、分散剤を添加して混合、分散させ
るのが好ましい。この際添加される分散剤としては、一
般に顔料の分散用として用いられている分散剤、例えば
マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸などのホモポリマ
ー又はコポリマーであるポリカルボン酸やその塩などが
挙げられる。この分散剤の添加量は、その固形分が、軽
質炭酸カルシウムスラリーの固形分に対し、重量基準で
0.1〜3.0%、好ましくは0.5〜2.0%の範囲
となるようにするのがよい。この分散処理はミキサーで
混合することにより行われ、必要に応じさらにサンドグ
ラインディング処理による二次分散処理を行ってもよ
い。ミキサーとしては、剪断力の高いもの、例えばコー
レスミキサー、撹拌式ディスパーサーなどが好ましい。
【0017】上記分散スラリー中の紡錘形又は偏三角面
体形軽質炭酸カルシウムは、その平均短径及び平均長径
がSEM画像解析による測定でそれぞれ0.45μm以
下、好ましくは0.40μm以下、より好ましくは0.
35μm以下及び1.50μm以下、好ましくは1.3
0μm以下、より好ましくは1.20μm以下の範囲で
選ばれ、さらに好ましくは該炭酸カルシウムのレーザー
式粒度分布測定によるメディアン径が0.20〜2.0
0μm、好ましくは0.30〜1.75μm、より好ま
しくは0.40〜1.50μmの範囲で選ばれる。この
平均短径及び平均長径の範囲を超えると軽質炭酸カルシ
ウム粒子が破壊されやすくなって、混合炭酸カルシウム
スラリーやそれを含有する塗工用組成物の光学的特性が
良好でなくなる。また、このメディアン径が0.20μ
m未満では透明性が強すぎて、上記スラリーや塗工用組
成物の光学的特性が良好でなくなるし、2.00μmを
超えても軽質炭酸カルシウム粒子が破壊されやすくなっ
て、上記スラリーや塗工用組成物の光学的特性が良好で
なくなる。
【0018】本発明の混合炭酸カルシウムスラリーは、
このような軽質炭酸カルシウム分散スラリーと乾式粉砕
重質炭酸カルシウムをそれぞれ重量基準で40〜80重
量%と20〜60重量%の割合、好ましくは50〜70
重量%と30〜50重量%の割合で混合し、この混合物
にサンドグラインディング処理を施すことにより調製さ
れる。サンドグラインディング処理により軽質炭酸カル
シウム(以下PCCということもある)と重質炭酸カル
シウム(以下GCCということもある)の湿式混合粉砕
が行われる。乾式粉砕重質炭酸カルシウムとしては、ブ
レーン比表面積が1000〜20000cm2/g、レ
ーザー式粒度分布測定によるメディアン径が1.5〜3
0μmであるものが好ましい。軽質炭酸カルシウム分散
スラリーの混合比率が40重量%より少ないと、軽質炭
酸カルシウム量が少ないため混合炭酸カルシウムスラリ
ーの光学的特性が良好でなくなるし、また80重量%よ
り高いと、混合炭酸カルシウムスラリーの固形分濃度が
低下する。サンドグラインディング処理は、軽質炭酸カ
ルシウム分散スラリー中のレーザー式粒度分布測定によ
るメディアン径(PCC50)と、サンドグラインディ
ング処理物中の炭酸カルシウムのレーザー式粒度分布測
定によるメディアン径(Mix50)とが数式 0.75≦PCC50/Mix50≦2.00 で表わされる関係を満たすとともに、数式 R(%)=(Mix−L/PCC−L)×100 (式中、PCC−Lは上記分散スラリー中の紡錘形又は
偏三角面体形軽質炭酸カルシウムのSEM画像解析によ
る測定での平均長径、Mix−Lはサンドグラインディ
ング処理物中の紡錘形又は偏三角面体形炭酸カルシウム
のSEM画像解析による測定での平均長径を示す)で表
わされる紡錘形又は偏三角面体形炭酸カルシウムの形状
保持率(R)が50%を超える範囲となるように行われ
る。このような2種のメディアン径の比(PCC50/
Mix50)は好ましくは0.75〜1.75、より好
ましくは0.75〜1.50の範囲で選ばれる。この比
が0.75未満ではGCC粒子の分散が不充分となるた
め、光学的特性が大幅に低下する上に、高速塗工適性も
良好でなくなるし、また2.00を超えるとPCCの粒
子が破壊され、光学的特性が低下する。また、形状保持
率は好ましくは57%を超える範囲、より好ましくは6
6%を超える範囲で選ばれる。形状保持率が50%以下
になると、紡錘形又は偏三角面体形軽質炭酸カルシウム
の特性が十分には発揮されにくくなり、光学的特性が低
下する。
【0019】サンドグラインディング処理においては、
特にサンドミル、サンドグラインドミル、サンドグライ
ンダー、アトライター、ダイノーミル、ピンミルを用い
るのが好ましい。サンドミルは、湿式媒体撹拌式粉砕機
であり、スラリー中の粒子を粉砕媒体、例えばビーズを
用いて微粉砕する湿式粉砕機である。サンドグラインデ
ィング処理で行われる粉砕を左右する条件として、使用
機器の形式(例えば縦型、横型、開放型、密閉型、容器
のピンの有無など)、ディスク(例えば形状、ピンの有
無など)、粉砕媒体(例えばサイズ、材質、充填率な
ど)、スラリーの処理量を示すSV値〔流速(m3/h
r)/粉砕媒体充填量(m3)〕などが挙げられ、処理
するスラリーの種類や濃度や粒度、処理後スラリーの目
標粒度などにより、前記条件を変化させ、1回又は複数
回処理を行い、目標粒度のスラリーを得ることができ
る。
【0020】サンドグラインディング処理には粉砕媒体
が用いられる。この粉砕媒体については特に制限はない
が、ビーズ、鋼球、棒鋼などが用いられる。ビーズとし
ては、用途などに応じてガラスビーズ、セラミックビー
ズなどが用いられ、その粒子径は通常0.50〜5.0
0mm、中でも0.70〜2.00mmの範囲のもの、
特に表示径で0.71〜1.00mm、0.85〜1.
18mm、1.00〜1.40mm、1.40〜2.0
0mmのものが好ましい。表示径よりも細かなビーズの
含有比率が高いと、粉砕が進み、微粒子の比率が増え、
表面積が増えることにより、分散剤使用量、バインダー
使用量の増大を引き起こし、かつ微粒子は光学特性に寄
与しないため、光学特性が上昇しないといった現象を引
き起こす。ビーズ表示径の存在率は、通常80%程度だ
が、好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上
が好ましい。
【0021】サンドグラインディング処理は、吐出量を
絞って運転を行うと処理液が増粘しやすいため、吐出量
を上げ、被処理液の処理装置への通過回数を増やすよう
にしてもよく、またその際に、ビーズ粒子径を変化させ
てもよい。サンドグラインディング処理後にpH値が上
昇した場合は、再度炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスをス
ラリー中に導入して、pH値を下げるようにしてもよ
い。サンドグラインディング処理は、1回又は複数回行
われる。
【0022】本発明の混合炭酸カルシウムスラリーは、
そのままで塗工用組成物としてもよいし、またカオリン
などのクレー、タルク、二酸化チタン、サチンホワイト
などの顔料を併用して塗工用組成物としてもよい。これ
らの顔料は、それと本発明の混合炭酸カルシウムスラリ
ーとの合計量に対し、通常5〜95重量%、好ましくは
10〜90重量%の範囲の割合で用いられる。また、こ
れらの塗工用組成物には、一般の塗工用組成物において
通常用いられる添加剤、例えば澱粉、SBR、MBRな
どのバインダーや、粘度安定化剤や、染料や、湿潤剤な
どを配合してもよい。
【0023】この塗工用組成物は、それを紙基材上に塗
工し、乾燥して塗工紙を製造することができ、中でも該
塗工紙としては、その白紙光沢度(Mix−C)と、紡
錘形又は偏三角面体形軽質炭酸カルシウムスラリーをコ
ーレスミキサーで分散処理後、さらにサンドミルで分散
処理を施して調製された分散スラリーを含有する塗工用
組成物を紙基材上に塗工し、乾燥して成る塗工紙の白紙
光沢度(PCC−C)と、乾式粉砕重質炭酸カルシウム
の湿式サンドグラインディング処理スラリーを含有する
塗工用組成物を紙基材上に塗工し、乾燥して成る塗工紙
の白紙光沢度(GCC−C)とが数式 GCC−C<Mix−C<PCC−C で表わされる関係を満たすものが好ましく、特に本発明
の塗工紙としては、その白紙光沢度が、他の各白紙光沢
度にそれぞれ配合率を乗算した数値の合計値よりも高い
ものが好ましい。
【0024】前記分散スラリー中の紡錘形又は偏三角面
体形軽質炭酸カルシウムに対し、その形状を、前記混合
物のサンドグラインディング処理後も維持している炭酸
カルシウムの数量基準での割合と前記混合物中の軽質炭
酸カルシウム含有割合の比率は、1以上、好ましくは、
1.1以上さらに好ましくは1.2以上とするのがよ
い。この比率が1以上であれば、混合炭酸カルシウムス
ラリーの光学的特性は、PCC単独にサンドグラインデ
ィング処理を施した場合と比較してその低下が抑制され
る。紡錘形又は偏三角面体形軽質炭酸カルシウムスラリ
ーに十分な分散処理を施すことにより、紡錘形又は偏三
角面体形軽質炭酸カルシウムのSEM画像解析による測
定での平均短径及び平均長径、さらにはレーザー式粒度
分布測定によるメディアン径が所定範囲に達するまで小
さくなり、サンドグラインディング処理による重質炭酸
カルシウムとの混合粉砕時に、軽質炭酸カルシウム結晶
粒子が破壊されにくくなり、得られる混合スラリーの光
学的特性が悪化するのを防止しうる。また、軽質炭酸カ
ルシウム分散スラリーを用いることにより、重質炭酸カ
ルシウムとの混合スラリー化がしやすくなり、サンドグ
ラインディング処理に要する動力あるいは電力も低減し
うる。
【0025】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定される
ものではない。なお、各例中の部は重量部を意味する。
各例中、炭酸カルシウムとして表1に示す形態及び物性
のものを用いた。
【0026】
【表1】
【0027】製品調製内容欄において、「コーレス」は
コーレスミキサーで分散処理して製品化したことを、
「コーレス+サンドミル」はコーレスミキサーでの分散
処理後、さらにサンドミル処理して製品化したことを、
「撹拌+サンドミル」は粗粉砕の乾式重質炭酸カルシウ
ムを、分散剤と添加水を投入したミキサー中での分散処
理後、さらにサンドミル処理して製品化したことをそれ
ぞれ意味する。そして、PCC−2は、紡錘形軽質炭酸
カルシウムであるTP121製品に、分散剤と添加水を
投入したコーレスミキサー中での分散処理を施して得た
処理品であり、また、PCC−3は、TP121製品に
コーレスミキサーでの分散処理後、さらにサンドミルで
の分散処理を施して得た処理品であり、PCC−4は、
紡錘形軽質炭酸カルシウム反応スラリーの脱水処理後に
分散剤を添加してコーレスミキサー中での分散処理を施
して得たスラリー製品中間生成物である。
【0028】各物性については、次のとおりである。 (1)メディアン径:マイクロトラックSPA II型
(日機装社製、レーザー式粒度分布測定計)で測定した
50%平均径。 (2)SEM長径及びSEM短径:SEM(走査型電子
顕微鏡)写真で観察される紡錘形又は偏三角面体形軽質
炭酸カルシウム粒子の長径及び短径をデジマチックノギ
スで測定し、平均値を求めた。 (3)固形分濃度:Mettler LP−16型(メ
トラー社製、赤外線水分計)を用い乾燥温度105℃で
測定。 (4)B型粘度:ブルックフィールド粘度計(B形粘度
計)を用いて25℃、60rpmで測定。 (5)高速剪断粘度:熊谷理機工業社製のHi―She
ar Viscometer Hercules型 モ
デルHR−801Cを用い、カップは、Fボブを用い、
スラリーに関しては、4400rpm、塗工カラーに関
しては、8800rpmで測定。
【0029】また、紙質物性は、下記方法あるいは下記
方法に準拠して測定し、あるいは評価した。 歩留り :JIS P8129 灰分 :JIS P8128 白色度 :JIS P8123 不透明度 :JIS P8136 引張強度 :JIS P8113 白紙光沢度:JIS P8142 印刷光沢度:インクとしてTKUG−ロ 0.4mlを
用い、JIS P8142に準拠して測定 K&N受理性:JAPAN TAPPI No.46に
準拠して測定 インクセット性:印刷後のインクの転写をハンター白色
度計により測定 RI強度(ドライピック):RI−2印刷適正試験機を
用い、50回印刷後の紙の剥け状態を目視にて5〜1
(数値の高いものほど良好)の5段階で評価 RI強度(ウエットピック):湿し水で濡らした後、印
刷を行い、紙の剥け状態を目視にて5〜1(数値の高い
ものほど良好)の5段階で評価
【0030】実施例1、3、4、比較例1〜3 容量200リットルのコーレスミキサー(島崎製作所
製)に表2に示す種類のPCCスラリー又はPCCを5
5部投入し、撹拌しながら、SNディスパーサント50
34〔サンノプコ社製、ポリアクリル酸ナトリウム系分
散剤(固形分濃度40.5%)〕を0.3部投入し、5
分後に、表2に示す種類のGCCを45部投入し、炭酸
カルシウム濃度を75〜77重量%となるように調整し
てスラリー化したのち、周速25m/sで20分間分散
を行った。得られたスラリーを容器容量15リットルの
サンドミル(アイメックス社製、SLG−4型)で粒径
1〜1.4mmのガラスビーズを粉砕媒体として吐出量
1.4リットル/min、ディスク周速8m/sで分散
処理した。この分散処理は、1パス毎に分散剤を0.2
部投入して、合計3パス行い、その後濃度調整を行い、
混合炭酸カルシウムスラリーを得た。このスラリーの物
性を表2に示す。また、図1に実施例1の混合炭酸カル
シウムスラリーにおける炭酸カルシウム粒子の走査型電
子顕微鏡写真を、図2にこの実施例1で原料に用いたP
CC−4の粒子の走査型電子顕微鏡写真を示す。また、
比較のため、図3に比較例2の炭酸カルシウムスラリー
における炭酸カルシウム粒子の走査型電子顕微鏡写真
を、図4にこの比較例2で原料に用いたPCC−2の粒
子の走査型電子顕微鏡写真を示す。これらの図より、比
較例のスラリー中の炭酸カルシウムは原料のPCCの形
状がほとんど残っていないのに対し、実施例の混合炭酸
カルシウムスラリー中の炭酸カルシウムは原料のPCC
の形状が相当保持されていることが分る。
【0031】実施例2 分散処理を3パス行うのを4パスに変えた以外は実施例
1と同様にして混合炭酸カルシウムスラリーを得た。こ
のスラリーの物性を表2に示す。
【0032】比較例4 容量200リットルのコーレスミキサー(島崎製作所
製)に表2に示す種類のGCCを100部、水を30
部、ポリアクリル酸ナトリウム系分散剤(固形分濃度4
0.5%)〕を0.3部投入し、スラリー化したのち、
周速25m/sで20分間分散を行った。得られたスラ
リーを容器容量15リットルのサンドミル(アイメック
ス社製、SLG−4型)で粒径1〜1.4mmのガラス
ビーズを粉砕媒体として吐出量1.4リットル/mi
n、ディスク周速8m/sで分散処理した。この分散処
理は、1パス毎に分散剤を0.2部投入して、合計3パ
ス行い、その後濃度調整を行い、炭酸カルシウムスラリ
ーを得た。このスラリーの物性を表2に示す。
【0033】参考例1、2 参考のために表1に示す原料のうち自体スラリー製品で
あるGCC−2及びPCC−5についてもそれぞれ同様
にスラリー物性を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】応用例 実施例、比較例及び参考例の各スラリーとともに、表1
に示す原料中のスラリーであるPCC−2、PCC−3
及びPCC−4を参考例3、4及び5のスラリーとして
用い、その各100重量部にスターチ(日本食品加工社
製、#4600)7重量部とSBラテックス(JSR0
692)13重量部と潤滑剤(ステアリン酸カルシウ
ム:ノプコートC104)1.5重量部と水を加え、ア
ンモニア水でpH調整を行い、固形分濃度55重量%の
塗工カラーを調製した。この塗工カラーを市販の上質紙
(80.5g/m2)にコーティングロッドで手塗りに
て塗工し、105℃で2分乾燥後、20℃、湿度65%
で24時間調湿を行い、スーパーカレンダー処理(線
圧:100kg/cm、処理温度:55℃、処理速度:
8m/分、ニップ回数:3回)を行い、紙質試験を行っ
た。その結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】以上の結果より、実施例のスラリーは、B
型粘度が低くて取り扱いやすく、作業性に優れ、高速剪
断粘度とのバランスも良好であり、しかも比較例のスラ
リーに比し白紙光沢度や白色度やインクセット性に優れ
ることが分る。なお、比較例1の場合は十分な分散がで
きなかった。
【0038】
【発明の効果】本発明の混合炭酸カルシウムスラリー
は、高固形分濃度のものであって、光学特性及び印刷特
性に優れ、低粘度で高速流動性が良好であり、しかも白
紙光沢度や白色度やインクセット性に優れるという顕著
な効果を奏する。本発明の塗工用組成物はこのスラリー
を含有するものであり、本発明の塗工紙はこの塗工用組
成物を紙基材に塗工したものであって、その特性を示す
ので有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の混合炭酸カルシウムスラリーにお
ける炭酸カルシウム粒子の走査型電子顕微鏡写真。
【図2】 実施例1で原料に用いたPCC−4の粒子の
走査型電子顕微鏡写真。
【図3】 比較例2の炭酸カルシウムスラリーにおける
炭酸カルシウム粒子の走査型電子顕微鏡写真。
【図4】 比較例2で原料に用いたPCC−2の粒子の
走査型電子顕微鏡写真。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散処理が施された紡錘形又は偏三角面
    体形軽質炭酸カルシウムスラリーであって、その中の紡
    錘形又は偏三角面体形軽質炭酸カルシウムの平均短径及
    び平均長径がSEM画像解析による測定でそれぞれ0.
    45μm以下及び1.50μm以下である紡錘形又は偏
    三角面体形軽質炭酸カルシウム分散スラリー及び乾式粉
    砕重質炭酸カルシウムの混合物のサンドグラインディン
    グ処理物から成る混合炭酸カルシウムスラリー。
  2. 【請求項2】 分散処理が施された紡錘形又は偏三角面
    体形軽質炭酸カルシウムスラリーであって、その中の紡
    錘形又は偏三角面体形軽質炭酸カルシウムの平均短径及
    び平均長径がSEM画像解析による測定でそれぞれ0.
    45μm以下及び1.50μm以下であるとともに該軽
    質炭酸カルシウムのレーザー式粒度分布測定によるメデ
    ィアン径が0.20〜2.00μmである紡錘形又は偏
    三角面体形軽質炭酸カルシウム分散スラリー40〜80
    重量%及び乾式粉砕重質炭酸カルシウム20〜60重量
    %の混合物のサンドグラインディング処理物から成り、
    かつ上記メディアン径(PCC50)とサンドグライン
    ディング処理物中の炭酸カルシウムのレーザー式粒度分
    布測定によるメディアン径(Mix50)とが数式 0.75≦PCC50/Mix50≦2.00 で表わされる関係を満たすとともに、数式 R(%)=(Mix−L/PCC−L)×100 (式中、PCC−Lは上記分散スラリー中の紡錘形又は
    偏三角面体形軽質炭酸カルシウムのSEM画像解析によ
    る測定での平均長径、Mix−Lはサンドグラインディ
    ング処理物中の紡錘形又は偏三角面体形炭酸カルシウム
    のSEM画像解析による測定での平均長径を示す)で表
    わされる紡錘形又は偏三角面体形炭酸カルシウムの形状
    保持率(R)が50%を超える範囲にあることを特徴と
    する混合炭酸カルシウムスラリー。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の混合炭酸カルシウ
    ムスラリーを含有する塗工用組成物。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の塗工用組成物を紙基材上
    に塗工し、乾燥して成る塗工紙であって、かつその白紙
    光沢度(Mix−C)と、紡錘形又は偏三角面体形軽質
    炭酸カルシウムスラリーをコーレスミキサーで分散処理
    後、さらにサンドミルで分散処理を施して調製された分
    散スラリーを含有する塗工用組成物を紙基材上に塗工
    し、乾燥して成る塗工紙の白紙光沢度(PCC−C)
    と、乾式粉砕重質炭酸カルシウムの湿式サンドグライン
    ディング処理スラリーを含有する塗工用組成物を紙基材
    上に塗工し、乾燥して成る塗工紙の白紙光沢度(GCC
    −C)とが数式 GCC−C<Mix−C<PCC−C で表わされる関係を満たすことを特徴とする塗工紙。
  5. 【請求項5】 紡錘形又は偏三角面体形軽質炭酸カルシ
    ウムスラリーに分散処理を施して紡錘形又は偏三角面体
    形軽質炭酸カルシウムの平均短径及び平均長径がSEM
    画像解析による測定でそれぞれ0.45μm以下及び
    1.50μm以下であるとともに、該軽質炭酸カルシウ
    ムのレーザー式粒度分布測定によるメディアン径が0.
    20〜2.00μmである紡錘形又は偏三角面体形軽質
    炭酸カルシウム分散スラリーを調製し、この分散スラリ
    ーと乾式粉砕重質炭酸カルシウムとを40:60〜8
    0:20の重量比で混合し、次いで得られた混合物に、
    サンドグラインディング処理を、上記メディアン径(P
    CC50)とサンドグラインディング処理物中の炭酸カ
    ルシウムのレーザー式粒度分布測定によるメディアン径
    (Mix50)とが数式 0.75≦PCC50/Mix50≦2.00 で表わされる関係を満たすとともに、数式 R(%)=(Mix−L/PCC−L)×100 (式中、PCC−Lは上記分散スラリー中の紡錘形又は
    偏三角面体形軽質炭酸カルシウムのSEM画像解析によ
    る測定での平均長径、Mix−Lはサンドグラインディ
    ング処理物中の紡錘形又は偏三角面体形炭酸カルシウム
    のSEM画像解析による測定での平均長径を示す)で表
    わされる紡錘形又は偏三角面体形炭酸カルシウムの形状
    保持率(R)が50%を超える範囲となるように施すこ
    とを特徴とする混合炭酸カルシウムスラリーの製造方
    法。
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