JP2000006772A - 流体噴射装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】小型コンパクト化及び低コスト化を図り、かつ
省スペース性を高めるとともに、特に、大型トラック等
の大型車を効率的に洗浄する。 【解決手段】内部に高圧の流体Ｗが供給される本管部２
と、この本管部２における複数の位置から分岐し、先端
に流体Ｗを噴射する噴射ノズル３ｅ…を有する少なくと
も一部を柔軟材により形成した複数の支管部３…と、こ
の支管部３…の先端側が所定の遊びＳ…を介して挿通す
る規制孔５…を有する先端規制部４と、この先端規制部
４と本管部２を相対変位させる駆動機構部６を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は洗浄水を噴射して車
両を洗浄する洗車装置等に用いて好適な流体噴射装置に
関する。

【０００２】

【従来技術及び課題】従来、車両を洗浄する洗車装置と
しては、ガソリンスタンド等に広く設置される自動洗車
装置が知られている。この種の洗車装置はアーチ状に構
成され、停止した車両に対して前後方向に移動すること
により、車両の左右面，上面及び前後面を自動洗浄する
もので、通常、回転式の洗浄ブラシが付設されている。

【０００３】ところで、大型トラックは工事現場等で地
面走行に使用されることも多いため、ボディ表面に土埃
が大量に付着するのみならず、車体下面にも土や石が大
量に付着することも多い。

【０００４】しかし、上述した従来の洗車装置は、乗用
車等の小型車を対象とするため、大型トラック等の大型
車は洗浄できないとともに、たとえ、大型トラック等の
大型車を洗浄する同様の洗車装置を製作しても、かなり
大規模な設備となるため、高い設備コストやランニング
コスト及び広い設備スペースが必要となり、このような
洗車設備を設けることは現実的でない。したがって、従
来、大型トラック等の大型車の洗浄は専ら人為的作業に
頼っているのが実情であり、大型車の洗浄に適する洗車
装置の実用化が要請されていた。

【０００５】本発明はこのような従来の要請に応えたも
のであり、小型コンパクトかつ低コストに実施でき、し
かも省スペース性に優れるとともに、特に、大型トラッ
ク等の大型車を効率的に洗浄することができる流体噴射
装置の提供を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段及び実施の形態】本発明に
係る流体噴射装置１は、内部に高圧の流体Ｗが供給され
る本管部２と、この本管部２における複数の位置から分
岐し、先端に流体Ｗを噴射する噴射ノズル３ｅ…を有す
る少なくとも一部を柔軟材により形成した複数の支管部
３…と、この支管部３…の先端側が所定の遊びＳ…を介
して挿通する規制孔５…を有する先端規制部４と、この
先端規制部４と本管部２を相対変位させる駆動機構部６
を備えることを特徴とする。

【０００７】この場合、好適な実施の形態により、支管
部３…はゴム材により形成した支管本体部３ｍ…を有す
るとともに、駆動機構部６は、固定した先端規制部４に
対して本管部２を旋回変位させる機能を有する。なお、
流体噴射装置１は洗浄水（流体）Ｗを噴射して車両Ｃを
洗浄する洗車装置１ｃに用いて好適である。

【０００８】これにより、本管部２の内部に高圧の流体
（洗浄水）Ｗを供給すれば、流体Ｗは、各支管部３…に
流入して噴射ノズル３ｅ…から外部に噴射される。この
際、駆動機構部６により、先端規制部４と本管部２を相
対変位、望ましくは、固定した先端規制部４に対して本
管部２を旋回変位させれば、少なくとも一部が柔軟材に
より形成された支管部３…の付根側が、位置規制された
噴射ノズル３ｅ…の先端側を支点として旋回変位する。
この結果、流体Ｗの噴射方向も旋回し、流体Ｗは広範囲
に噴射される。

【０００９】

【実施例】次に、本発明に係る好適な実施例を挙げ、図
面に基づき詳細に説明する。

【００１０】まず、本実施例に係る洗車装置１ｃ（流体
噴射装置１）の構成について、図１〜図５を参照して説
明する。

【００１１】洗車装置１ｃは図５に示すように、全体の
機構を細長い直方体形のケーシング１１に内蔵したユニ
ットとして構成する。ケーシング１１は上面部を開放し
たボックス状のボディ部１２と、このボディ部１２の上
面部を覆うカバー部１３を備える。このケーシング１１
の大きさとしては、例えば、長さを３〔ｍ〕，横幅を
０．３〔ｍ〕程度に選定できる。

【００１２】一方、ボディ部１２の内部における長手方
向一端側には、第一仕切板１４により仕切ったモータ収
容部１５を設けるとともに、このモータ収容部１５の隣
に第二仕切板１６により仕切ったギア収容部１７を設け
る。また、図５に示すように、ボディ部１２の内部上端
付近には、長手方向に離間した二つの支持ボックス１８
ａ，１８ｂを取付ける。

【００１３】そして、モータ収容部１５には第一仕切板
１４に取付けた駆動モータ１９を収容するとともに、こ
の駆動モータ１９のモータシャフト１９ｓはギア収容部
１７に突出させ、このモータシャフト１９ｓの先端に駆
動ギア２０を取付ける。なお、駆動モータ１９としては
防水性に優れたエアモータ（エアロータ）を用いること
が望ましいが、オイルモータや減速ギアを内蔵した電動
モータ等の使用を排除するものではない。さらに、各仕
切板１４，１６及び支持ボックス１８ａ，１８ｂを貫通
し、かつ回動自在に支持される水平回転シャフト２１を
設ける。そして、ギア収容部１７の内部に位置する水平
回転シャフト２１には、駆動ギア２０に噛合する被動ギ
ア２２を取付けるとともに、一方の支持ボックス１８ａ
の内部に位置する水平回転シャフト２１には、駆動スパ
イラルギア２３を取付ける。

【００１４】また、支持ボックス１８ａの底面部１８ａ
ｄには、垂直回転シャフト２４を回動自在に取付け、支
持ボックス１８ａの内部に位置する垂直回転シャフト２
４には、駆動スパイラルギア２３に噛合する被動スパイ
ラルギア２５を取付ける。さらに、支持ボックス１８ａ
の底面部１８ａｄから下方に突出する垂直回転シャフト
２４には、クランクレバー２６の一端を取付けるととも
に、このクランクレバー２６の他端には支軸２７ａを回
動自在に支持し、この支軸２７ａはクランクレバー２６
から下方に突出する。なお、他方の支持ボックス１８ｂ
も支持ボックス１８ａと同一に構成し、２７ｂは支持ボ
ックス１８ｂ側の支軸を示す。

【００１５】他方、ボディ部１２の内部には、断面を矩
形に形成し、かつ密閉された中空部を有する細長い本管
部２を収容する。この本管部２の内部には、端部に接続
した給水ホース２８から高圧の洗浄水（流体）Ｗが供給
される。そして、この本管部２には垂直方向（鉛直方
向）に軸心を有する二つの支持管２９ａ…を取付け、各
支持管２９ａ…に各支軸２７ａ，２７ｂを挿入して固定
する。

【００１６】一方、本管部２の上面には当該本管部２か
ら分岐する六本（複数）の支管部３…を上方へ起立させ
て設ける。この場合、支管部３…は各軸受部２９ａ…に
対してあまり接近しないように留意する。一本の支管部
３（他の支管部３…も同じ）は、柔軟材、望ましくは所
定の弾性を有するゴム材によりパイプ状に形成した支管
本体部３ｍを使用し、この支管本体部３ｍの一端（付根
側）をジョイント３０により本管部２の上面に固定する
とともに、他端（先端側）には洗浄水Ｗを噴射する噴射
ノズル３ｅを取付ける。この噴射ノズル３ｅは支管本体
部３ｍの先端側周面を覆う筒形のキャップ部３ｅｃを有
する。

【００１７】また、支管部３…の先端側が所定の遊びＳ
…を介して挿通する規制孔５…を有する先端規制部４を
配設する。先端規制部４は三枚の規制プレート４ａ，４
ｂ，４ｃからなり、各規制プレート４ａ，４ｂ，４ｃ
は、第二仕切板１６と支持ボックス１８ａ間，支持ボッ
クス１８ａと１８ｂ間，支持ボックス１８ｂとボディ部
１２の端面間にそれぞれ水平に架設する。なお、この場
合、噴射ノズル３ｅ…のキャップ部３ｅｃ…の周面が、
規制孔５…に係合（接触）し、かつ噴射ノズル３ｅ…の
先端がカバー部１３の下方に位置するように各部の寸法
を設定する。これにより、ゴム材（柔軟材）で形成した
支管本体部３ｍ…が、規制孔５…に直接接触して傷付く
弊害が防止される。一方、各規制孔５…は、ジョイント
３０…の旋回軌跡の中心に対して同軸となる円形に形成
するとともに、各規制孔５…の大きさは噴射ノズル３ｅ
…のキャップ部３ｅｃ…が傾斜した状態で旋回できる径
を選定し、必要以上に大きくならないように考慮する。
なお、必要により、各規制プレート４ａ…を交換して規
制孔５…の位置や大きさを変更可能に構成したり、各規
制プレート４ａ…の取付位置（高さ）を変更可能に構成
すれば、噴射ノズル３ｅ…の噴射角度や噴射方向等の変
化パターンを目的に応じて変更できる。

【００１８】他方、カバー部１３には各規制孔５…の中
心に対して同軸となる円形の噴出口３１…を設ける。こ
の噴出口３１…の大きさは、噴射ノズル３ｅ…からの洗
浄水Ｗの噴射を妨げない大きさを選定し、必要以上に大
きくならないように考慮する。このように、固定した先
端規制部４に対して本管部２を旋回変位させる構成を採
用することにより、カバー部１３に設けた噴出口３１…
の大きさを小さくできるため、当該カバー部１３に洗浄
する車両Ｃのタイヤの一部が載っても、噴射ノズル３ｅ
…が傷付けられるなどの弊害は防止される。

【００１９】なお、駆動モータ１９から各支軸２７ａ，
２７ｂに至る機構は、先端規制部４と本管部２を相対変
位、即ち、固定した先端規制部４に対して本管部２を旋
回変位させるための駆動機構部６を構成する。

【００２０】次に、本実施例に係る洗車装置１ｃの使用
方法及び動作について、図１〜図７を参照して説明す
る。

【００２１】まず、洗車装置１ｃを三台用意する。そし
て、図６に示すように、一台は地中に水平に埋設し、カ
バー部１３の位置を地面Ｅの高さに略一致させる。ま
た、残りの二台は地中の洗車装置１ｃの両側にそれぞれ
垂直に起設する。この場合、洗車装置１ｃ…の端部にア
ンカ３３…を取付け、このアンカ３３…を地中に差込む
ことにより洗車装置１ｃ…を垂直に起設できる。なお、
車両の下面のみを洗浄する場合には、地中に埋設する一
台の洗車装置１ｃを用意すれば足りるとともに、車両の
左右面のみを洗浄する場合には、両側に垂直に起設する
二台の洗車装置１ｃ…を用意すれば足りる。

【００２２】一方、洗車に際しては、不図示の給水ポン
プから付与される高圧の洗浄水（流体）Ｗを、各給水ホ
ース２８…を通して各本管部２…に供給する。これによ
り、洗浄水Ｗは本管部２の内部に満ちた後、各支管部３
…に流入して先端の噴射ノズル３ｅ…から外部に噴射さ
れる。また、同時に、駆動モータ１９を作動させれば、
本管部２は水平方向に旋回変位する。即ち、駆動モータ
１９の作動により駆動ギア２０が回転し、この駆動ギア
２０の回転は、被動ギア２２，水平回転シャフト２１，
駆動スパイラルギア２３…及び被動スパイラルギア２５
…を介して垂直回転シャフト２４…に伝達され、クラン
クレバー２６…の一端が垂直回転シャフト２４…を支点
に回転する。これにより、クランクレバー２６…の他端
（先端）に支持された支軸２７ａ，２７ｂは、水平方向
に旋回運動し、本管部２全体が旋回変位せしめられる。
この結果、各支管部３…の付根側も旋回変位するととも
に、各支管部３…の先端側は各規制孔５…に挿通して位
置規制されているため、柔軟材により形成した支管本体
部３ｍ…を含む各支管部３…は、図３に示すように湾曲
し、各噴射ノズル３ｅ…が一定の角度で傾斜したまま洗
浄水Ｗの噴射方向が旋回する運動を行い、洗浄水Ｗは広
範囲に噴射される。なお、駆動モータ１９は一方向に連
続して回転させてもよいし、正逆回転を交互に繰返して
もよい。

【００２３】したがって、噴射ノズル３ｅ…から噴射さ
れる洗浄水Ｗ中に、図６に示すように、大型トラック等
の車両Ｃをゆっくり通過させれば、車両Ｃの下面及び左
右面が広範囲かつ効率的に洗浄される。このように、実
施例の洗車装置１ｃは、構成がシンプルとなり、小型コ
ンパクトかつ低コストに実施できるとともに、省スペー
ス性に優れる。特に、ボディ表面の土埃や車体下面の土
や石を効果的に洗い落とすことができるため、洗車能力
においてトラック等の大型車の洗浄に最適となる。

【００２４】なお、図７には洗車装置１ｃ…を設置する
際の変更例を示す。図６に示した設置方法は、地面Ｅを
加工して設置する場合を示したが、図７は設置面Ｅｈの
加工を施すことなく設置する場合を示す。この場合、車
両Ｃの下面を洗浄する洗車装置１ｃは設置面Ｅｈにその
まま載置し、その前後に傾斜路面を形成するプロテクタ
３４，３４を設置すればよい。また、車両Ｃの左右面を
洗浄する洗車装置１ｃ…は、各洗車装置１ｃ…の端部に
四つのスタンド３５…を固定し、水平方向四方に突出し
たスタンド３５…により垂直に起立させればよい。この
ように、図７に示す設置方法は、コンクリート面等のよ
うに設置面Ｅｈを加工できない場合に好適である。

【００２５】以上、実施例について詳細に説明したが、
本発明はこのような実施例に限定されることなく細部の
構成，形状，素材，数量，使用部品等において、本発明
の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更，追加，削除する
ことができる。

【００２６】例えば、支管本体部３ｍ…はゴム材により
形成した場合を示したが、柔軟性を有する合成樹脂製の
耐圧ホース等を用いてもよい。この場合、必要により支
管本体部３ｍ…の外周面にコイルスプリング等を装着し
てもよい。また、駆動機構部６は、固定した先端規制部
４に対して本管部２を旋回変位させる構成を示したが、
固定した本管部２に対して先端規制部４を旋回変位させ
る構成を排除するものではない。さらに、用途として洗
浄水を噴射して車両Ｃを洗浄する洗車装置１ｃを例示し
たが、流体Ｗは各種液体及び気体を利用できるととも
に、空気を吹付ける空気洗浄装置や塗装装置等の各種用
途に利用できる。

【００２７】

【発明の効果】このように、本発明に係る流体噴射装置
は、内部に高圧の流体が供給される本管部と、この本管
部における複数の位置から分岐し、先端に流体を噴射す
る噴射ノズルを有する少なくとも一部を柔軟材により形
成した複数の支管部と、この支管部の先端側が所定の遊
びを介して挿通する規制孔を有する先端規制部と、この
先端規制部と本管部を相対変位させる駆動機構部を備え
るため、次のような顕著な効果を奏する。

【００２８】 シンプルな構成により、小型コンパク
トかつ低コストに実施できるとともに、省スペース性に
優れる。特に、ユニット化により設置面に固定すること
なく使用可能なため、装置同士の間隔，位置，方向等を
任意に設定できるとともに、容易に移動，保管，設置す
ることができる。

【００２９】 好適な実施の形態により、駆動機構部
を、固定した先端規制部に対して本管部を旋回変位させ
るように構成すれば、ケーシングのカバー部に設ける噴
出口の大きさを小さくでき、例えば、洗浄する車両が載
った際に、タイヤの一部が進入して噴射ノズルを傷付け
る弊害を防止できる。

【００３０】 好適な実施の形態により、洗浄水を噴
射して車両を洗浄する洗車装置に適用すれば、噴射ノズ
ルから噴射される洗浄水により、車両側面の土埃や車体
下面の土や石を効率的に洗い落とすことができ、洗車能
力においてトラック等の大型車の洗浄に最適となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る洗車装置（流体噴射装
置）の一部を示す断面正面図、

【図２】同洗車装置の一部を示す断面平面図、

【図３】同洗車装置の支管部の断面を含む断面平面図、

【図４】同洗車装置の駆動機構部の構成を含む断面平面
図、

【図５】同洗車装置の全体を示す断面正面図、

【図６】同洗車装置の使用説明図、

【図７】同洗車装置の他の使用説明図、

【符号の説明】

１ 流体噴射装置 １ｃ 洗車装置 ２ 本管部 ３… 支管部 ３ｅ… 噴射ノズル ３ｍ… 支管本体部 ４ 先端規制部 ５… 規制孔 ６ 駆動機構部 Ｗ 流体（洗浄水） Ｓ… 遊び Ｃ 車両

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に高圧の流体が供給される本管部
   と、この本管部における複数の位置から分岐し、先端に
   流体を噴射する噴射ノズルを有する少なくとも一部を柔
   軟材により形成した複数の支管部と、この支管部の先端
   側が所定の遊びを介して挿通する規制孔を有する先端規
   制部と、この先端規制部と前記本管部を相対変位させる
   駆動機構部を備えることを特徴とする流体噴射装置。
2. 【請求項２】 前記支管部はゴム材により形成した支管
   本体部を有することを特徴とする請求項１記載の流体噴
   射装置。
3. 【請求項３】 前記駆動機構部は、固定した前記先端規
   制部に対して前記本管部を旋回変位させる機能を有する
   ことを特徴とする請求項１記載の流体噴射装置。
4. 【請求項４】 洗浄水を噴射して車両を洗浄する洗車装
   置に用いることを特徴とする請求項１記載の流体噴射装
   置。