JP2000006424A - インクジェットヘッドの吐出口加工方法およびインクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッドの吐出口加工方法およびインクジェットヘッドの製造方法

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JP2000006424A JP18240798A JP18240798A JP2000006424A JP 2000006424 A JP2000006424 A JP 2000006424A JP 18240798 A JP18240798 A JP 18240798A JP 18240798 A JP18240798 A JP 18240798A JP 2000006424 A JP2000006424 A JP 2000006424A
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jet head
mask plate
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小出  純
Toshinori Hasegawa
利則 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク吐出方向軸に対して対称な形状であっ
て、且つ、インク吐出口プレートの外側(インク吐出
側)からのレーザー加工によって、全体が先細り形状の
テーパー形状が形成でき、且つ、短時間で多数配列され
る吐出口を一括加工できる方法を提供する。 【解決手段】 インクを吐出する吐出口と、該吐出口を
備える吐出口プレートと、を具備するインクジェットヘ
ッドの前記吐出口の形成方法において、前記吐出口プレ
ートのインクが吐出する側の面に、前記吐出口形状の開
口部を有するマスクプレートを密着させ、マスクプレー
ト面の垂直軸に対して所定角度傾いた方向から複数の高
エネルギー紫外線平行ビームを該マスクプレートを介し
て前記吐出口プレートに同時に照射することによって前
記吐出口を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク滴を飛翔さ
せ摘録媒体上にインク滴を付着させるインクジェットヘ
ッドのインク吐出口を紫外線により昇華加工する加工方
法及びインクジェットヘッドの製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタにおいて、印刷
品質はインクが吐出する部分である吐出口におけるイン
クの吐出特性に大きく依存しており、この吐出口におけ
るインクの吐出特性は、吐出口径や吐出口の形状によっ
てほぼ決定される。この吐出口を形成する方法として
は、大きく2つの方法が用いられ。金属プレートを用い
る電鋳法もしくは放電加工法により形成する方法と、有
機高分子樹脂等の材料をエキシマレーザーに代表される
紫外線レーザー等の高エネルギーレーザーで昇華(アブ
レーション)加工する方法が提案されているが、現在で
は後者の紫外線レーザー加工方法を用いて微細加工する
方法が一般的となっている。
【0003】この紫外線レーザー加工方法において、従
来、有機高分子樹脂等の材料を昇華加工するのに好適な
レーザーのエネルギー密度で加工を行うと、レーザーの
入射側からレーザー出射側にかけて加工面積が徐々に減
少する、所謂テーパー形状の加工形状となる。また、イ
ンクジェットヘッドの印刷品質を上げるために要求され
る吐出口形状がインクの吐出側の先細りのテーパー形状
であるため、レーザーの加工方法としては、例えば、特
開平2-187346号公報に記載されるように、インクの供給
側(吐出口プレートのインク流路側)からのレーザーの照
射によって行われていた。
【0004】しかしながら、上記のようなレーザー加工
の場合、テーパーの度合いはレーザーパワーにより変化
することが分かっている。また、インク吐出口長は印刷
品質上、約数10μm〜100μmの長さが要求されるため、
吐出口プレートの厚みも当然のことながら同様の厚みを
有する必要がある。したがって、上述の方法で吐出口を
形成した場合には、個々のヘッドによってインク吐出側
(レーザー出射側)の吐出口径がばらついてしまうことが
有った。このように、吐出口径がばらついてしまう場合
には、特に複数の吐出口を有するインクジェットヘッ
ド、または複数のインクジェットヘッドを搭載するイン
クジェットプリンターにおいては、ヘッド完成後に、吐
出検査を行い吐出特性の補正情報をヘッドに保有する必
要がある。
【0005】これに対して、レーザー光をインク吐出側
から照射すれば、インク吐出側の吐出口径はレーザーパ
ワーのばらつきの影響を受け難くなる。しかしながら、
この場合には吐出口の形状がインク吐出側に広がる形状
となってしまう。
【0006】そこで、この問題を解決するために、以下
の吐出口形成方法が提案されている。
【0007】一つは、特表平6-510958(コンパック・コ
ンピューター・コーポレイション)に提案されている方
法で、吐出口プレートに対して、マスクパターンで制限
された光ビームを2つの方向から斜入射させる方法であ
る。光ビームを斜入射させることによって光ビームの進
行方向にプレートが加工され、結果的に吐出口プレート
が外側より、内側の加工幅の広いテーパー形状が形成さ
れる。
【0008】もう一つは、特公平6-24874号公報(ザー
ルリミテッド)に提案されている方法で、ノズルパター
ンが形成されたマスクプレートを吐出口プレートに密着
させた形で光ビームを照射し、密着させたマスクプレー
トと吐出口プレートに光ビームが斜入射するように、相
対的に揺動または、ピボット回転運動をさせて、光ビー
ムの入射方向に加工が進行することによって、吐出口プ
レートの外側に先細りの吐出口を形成するものである。
【0009】しかしながら、特表平6-510958号公報に記
載の構成では2つの方向の光ビームを吐出口プレート上
で交差するように照射するため、光ビームの照射位置に
よってインク吐出側の吐出口径がばらついてしまうとい
う虞があった。また、マスクパターンの投影結像系では
ないため、吐出口の加工は一つずつ個別に加工しなけれ
ばならないため、非常に多くの吐出口配列を形成しなけ
ればならない場合、加工時間が長くかかり、生産性とし
て非常に不利になるという問題があった。
【0010】一方、特公平6-24874号公報に記載の構成
においては、マスクプレートと吐出口プレートを経時的
に光ビームに対して傾ける運動をさせるため、加工開始
状態と加工終了状態によって、つまり加工の経時的動作
過程によって、インク吐出方向軸に対して、対称なテー
パー形状を加工することが困難となり、結果的に、個々
のインクジェットヘッドにおいて、インクの吐出を均一
な方向に飛翔させることが難しいという欠点がある。さ
らに、マスクパターンの全体を(配列された多数の吐出
口を)一括で加工することができるものの、マスクプレ
ートと吐出口プレートを経時的に光ビームに対して傾け
る運動をするため、加工時間が運動動作の時間によって
制限され、加工時間が長くかかり、生産性として不利に
なるという問題もあった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
点に鑑みなされたものであって、インク吐出方向軸に対
して対称な形状であって、且つ、インク吐出口プレート
の外側(インク吐出側)からのレーザー加工によって、
全体が先細り形状のテーパー形状が形成でき、且つ、短
時間で多数配列される吐出口を一括加工できる方法を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、インクを吐出する吐出口と、該吐出口を
備える吐出口プレートと、を具備するインクジェットヘ
ッドの前記吐出口の形成方法において、前記吐出口プレ
ートのインクが吐出する側の面に、前記吐出口形状の開
口部を有するマスクプレートを密着させ、マスクプレー
ト面の垂直軸に対して所定角度傾いた方向から複数の高
エネルギー紫外線平行ビームを該マスクプレートを介し
て前記吐出口プレートに同時に照射することによって前
記吐出口を形成することを特徴とする。
【0013】以上の構成によれば、インク吐出側の開口
径を均一にでき、インク吐出側に向かって先細りのテー
パー形状を作成することができる。これにより、インク
液滴の吐出方向を安定させ、吐出するインクの飛翔スピ
ードも向上させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0015】
【実施例】(実施例1)以下に本発明の要部である本実施
例にかかる吐出口加工方法を詳細に説明する。
【0016】図1は本実施例にかかるインクジェットヘ
ッドの吐出加工方法を示す概略図である。
【0017】図1において、吐出口21は、インクジェッ
トヘッド本体3に組立結合されたインク吐出口プレート
(以下、オリフィスプレートと称す)2に対して、イン
ク吐出側から紫外線レーザー光A,B,C,Dが照射されるこ
とにより形成される。このレーザー光A,B,C,Dは、あら
かじめ吐出口プレート2に密着されたインク吐出口パタ
ーン11が開口されたマスクプレート1の垂線に対してそ
れぞれ異なる方向に傾いており、レーザー光A,B,C,Dの
重ねあわせ位置はマスクプレート1の部分に定められて
いる。したがって、本発明におけるインク吐出側端部の
吐出口径はマスクプレートの開口径で一義的に決まり、
レーザーパワーのばらつきによって影響を受けることが
なくなるため、均一なインク吐出側端部の吐出口径を作
成することが可能である。
【0018】ここで、各レーザービームA,B,C,Dのマス
クプレートへの照射方向を詳述すると、図2に示すよう
なxyz座標系を設定した場合、図3に示す方向、すなわ
ち、各レーザービームはyz平面の射影においては、y軸
(吐出口21の配列方向)に対して各45度の角度(各レー
ザービーム同士の角度が90度)をなし、x軸(マスクプレ
ート1の垂直方向)に対して、同一の傾斜角度θをなす
ような方向から照射される。なお、θは加工するオリフ
ィスプレート2の厚さ、レーザービームのエネルギー密
度によって、設計角度が設定されるが、おおよそ5度か
ら20度の角度に設定されるものであり、本実施例では
13度となっている。
【0019】こうして加工された、吐出口21の形状は、
回転対称な切断円錐形状となるのではなく、四つのx軸
に対する軸対称方向からのレーザー照射加工であるた
め、図5に示すように、インクの吐出側(図中にて前
側)においては円錐状であって、インクの供給側(図中
奥側)においては四つの円が放射状に重なった、略四角
形の形状で、オリフィスプレート2の厚み方向において
徐々に円形から略四角形に変化する形状が形成される。
【0020】このように本実施例では四つの方向から紫
外線レーザーの平行ビームA,B,C,Dを同時に照射し、オ
リフィスプレート2の厚さ方向において、各レーザービ
ームの進行方向に昇華加工されることによって、インク
吐出方向(マスクプレート側)に先細りなテーパー形状
を有した複数の吐出口21が形成されるものである。
【0021】このような吐出口加工を実現するために用
いる、マスクプレート1の垂線に対して傾いた四つの方
向から紫外線レーザーの平行ビームA,B,C,Dを同時照射
するための光学系の一例を図9を参考に説明する。
【0022】紫外線レーザーの平行ビームを放射するエ
キシマレーザー発振器101から放射されたレーザービー
ムは、ビームコンプレッサ102によって所定断面形状の
大きさに整形変換される。そして、第1のプリズム103に
導光され、プリズム頂角を含む領域によって、2つの出
射角の異なるビームに分離された後、プリズム103に同
形状であって、頂角が対向するように配置された第2の
プリズム104によって、2つの分離されたビームが平行な
進行ビームa,bになるように変換される。ビームa,bは
平行なまま、ピラミッド形状の4つの斜面を有する第3の
プリズム105に入射し、図10に示すように、4つの軸対称
な傾斜角をもつ斜面によって各A,B,C,Dの光束が中心軸
(光軸)に対して同等な角度をもってGの領域で重なり
合うように導光される。また、Gの領域での四つのレー
ザー光束の重なり合いは、プリズム103とプリズム104の
間隔によって調整される。すなわち、マスクプレート1
の垂直軸に対して、四つの軸対称方向から、同一偏角
で、レーザービームが照射されることになる。
【0023】次に、上述の吐出口の加工方法が適用され
るインクジェットヘッドについて図4に示す。図4にお
いて、33は基板であり、この基板上にはインクを吐出す
るための電気熱変換素子や電気機械変換素子等のインク
吐出圧発生素子34が設けられている。このインク吐出圧
発生素子34は吐出口21に連通するインク流路31内に配さ
れており、個々のインク流路31は共通液室32に連通して
いる。この共通液室32にはインク供給管(不図示)が接続
され、インクタンクよりインク供給管を介してインクが
供給される。また、35はインク流路31および共通液室32
を形成するための凹部を有する天板であり、基板33と接
合されることでインク流路31、共通液室32を形成してい
る。さらに、基板33と天板35との接合体のインク流路端
部側には吐出口21を備える吐出口プレート2が設けられ
ている。このようなインクジェットヘッドは以下のよう
に作成することができる。
【0024】すなわち、まず、インク吐出圧発生用の発
熱抵抗素子であるヒータ34と、不図示のシフトレジスタ
等の集積回路、電気配線と、をシリコン基板にパターニ
ングして基板33を作成するとともに、インク流路31およ
びインク液室32となる凹部とインク供給口をシリコンプ
レートにケミカルエッチングすることにより形成して天
板3を作成する。その後、インク吐出側端面およびイン
ク流路31とヒータ34の配列が一致するように基板33と天
板35とをアライメントした後、吐出口が未形成状態のオ
リフィスプレート2を、接合された天板3と基板33との接
合体のインク吐出側端面に接着し、この状態で上述した
インク吐出口加工を用いて吐出口を形成し、以後、不図
示のヒータ駆動用の端子をパターニングした電気基板を
接合するとともに、アルミ製のベースプレートを基板33
に接合し、次いで、各部材を保持するホルダおよびイン
ク供給のためのインクタンクを結合することでインクジ
ェットヘッドが組み立てられる。
【0025】また、インク流路31およびインク液室32と
なる凹部とインク供給口が形成される天板35と、吐出口
が未形成の状態のオリフィスプレート2と、をポリサル
フォン等の樹脂の射出成形により一体に形成した構造体
を、ヒーター34をパターニングした集積回路シリコンチ
ップをマウントした基板33にアライメント接合した後
に、上述した吐出口加工方法を用いて吐出口21を形成
し、以後、不図示のヒータ駆動用の端子をパターニング
した電気基板を接合するとともに、アルミ製のベースプ
レートを基板33に接合し、次いで、各部材を保持するホ
ルダおよびインク供給のためのインクタンクを結合する
ことでインクジェットヘッドを組み立てることもでき
る。
【0026】なお、本発明における吐出口の加工は、イ
ンクジェットヘッドの構成がいかなるものであっても、
吐出口を形成するオリフィスプレートが、これを保持す
る部材に接合された後の工程で、行うことが望ましい。
このようにインクジェットヘッドを製造することで、オ
リフィスプレートがこの保持部材と結合するときに生じ
るひずみに伴って、吐出口の配列が変形したり、吐出口
の向きが不均一方向に変形することによるインクの吐出
方向位置変動が生じることを防ぐことが可能となる。
【0027】また、本実施例において、オリフィスプレ
ート2のインク供給側の吐出口21の形状が、略四角形で
あって、インク流路のインク流動方向の切断面が四角形
で形成されており、各々の形状がフィットするように吐
出口21がレーザー加工形成されているため、吐出口形状
とインク流路形状が、滑らかに連続するようにでき、イ
ンク流体の流動抵抗が軽減され、インク飛翔スピードが
高まり、インクジェットヘッド品質として、印刷スピー
ドが向上するという効果も奏する。したがって、インク
流路断面形状が矩形のときにはYZ平面でインク流路断面
の頂角方向からレーザーが照射されることが望ましい。
【0028】本実施例では、インクジェットヘッド本体
に50μm厚のポリサルフォンからなる吐出口プレートを
接合した後、この吐出口プレートに20μmΦの開口を300
dpiの配列密度で150個有するマスクプレートを密着さ
せ、上述の光学系を用いて、レーザーパワー1J/cm2にて
エキシマレーザーからなる4つの平行ビームを照射する
ことで吐出口を形成した。また、この時の各平行ビーム
の傾斜角はインク吐出方向軸に対して13度となるように
した。このヘッドを50個作成し、吐出口の形状を観察し
たところ、いずれの吐出口においてもインク吐出側に先
細りのテーパー形状が形成されており、また、各吐出口
におけるインク吐出側端部の開口径のばらつきも従来に
比べ格段に低減されていた。
【0029】また、このようにして作成したインクジェ
ットヘッドにて実際に印刷を行ったところ、優れた印刷
品位の画像が得られた。
【0030】(実施例2)前述の実施例1においては4つの
平行ビームを用いて吐出口の加工を行ったが、本実施例
では2つの平行ビームを用いて吐出口の加工を行う構成
を示す。
【0031】本発明のインクジェットヘッドの吐出口加
工方法の第2の実施例は、図6に示すごとく、インクジェ
ットヘッド本体3に、オリフィスプレート2を組立結合し
た状態のインクジェットヘッドに、あらかじめ吐出口パ
ターン11が開口されたマスクプレート1を密着させ、マ
スクプレート1の垂線に対して傾いた二つの方向から紫
外線レーザーの平行ビームa,bを同時照射し、高分子有
機樹脂材料からなるオリフィスプレート2の厚さ方向に
おいて、各レーザービームの進行方向に昇華加工される
ことによって、インク吐出方向(マスクプレート側)に
部分的な先細りなテーパー形状を有した複数の吐出口22
を同時形成する。
【0032】各レーザービームa,bのマスクプレートへ
の照射方向は、吐出口22の配列方向に垂直な方向であっ
て、マスクプレート1の垂直方向に対して、同一の角度
をなすような方向から照射する。
【0033】こうして加工された、吐出口22の形状は、
回転対称な切断円錐形状となるのではなく、二つの方向
からのレーザー照射加工であるため、図8に示すよう
に、インクの吐出(図中手前)側においては円形状であ
って、インクの供給(図中奥)側においてはひょうたん
形状で、オリフィスプレート2の厚み方向において徐々
に円形からひょうたん形状に変化する形状が形成され
る。
【0034】また、図7に示すように、オリフィスプレ
ート2のインク供給側の吐出口22の形状が、縦長ひょう
たん形状であって、インク流路のインク流動方向の切断
面が縦長の長方形で形成されており、各々の形状がフィ
ットするように吐出口22がレーザー加工形成されてい
る。インクの吐出量を多くするために、インク吐出口の
面積を大きくする必要があり、且つ、吐出口の配列を高
密度にしなくてはならない場合、吐出口形状とインク流
路形状が、滑らかに連続するように配置できるといった
利点がある。
【0035】一方、以上説明してきた吐出口加工を実現
するために用いる、マスクプレート1の垂線に対して傾
いた二つの方向から紫外線レーザーの平行ビームA,Bを
同時照射するための光学系を図11を参考に説明する。
【0036】紫外線レーザーの平行ビームを放射するエ
キシマレーザー発振器101から放射されたレーザービー
ムをビームコンプレッサ102によって所定断面形状の大
きさに整形変換し、第1のプリズム103に導光し、プリズ
ム頂角を含む領域によって、2つの出射角の異なるビー
ムに分離した後、プリズム103と同形状であって、頂角
が対向するように配置された第2のプリズムによって、2
つの分離されたビームが平行な進行ビームa,bになるよ
うに変換される。ビームa,bは平行なまま、第3のプリズ
ム106に入射し、頂角からの二つの斜面によって角E,Fの
光束が中心軸(光軸)に対して同等な角度をもってマスク
プレート1で重なり合うように導光される。すなわち、
マスクプレート1の垂直軸に対して、二つの軸対称方向
から、同一偏角で、レーザービームが照射されることに
なる。
【0037】本実施例においても、平行ビームを2つと
した以外は実施例1と同様にしてインクジェットヘッド
を作成した。
【0038】本実施例においても、各吐出口におけるイ
ンク吐出側端部の開口径のばらつきが従来に比べ格段に
低減されていた。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
吐出口プレートに形成される吐出口のインク吐出側の開
口径を均一にでき、インク吐出側に向かって先細りのテ
ーパー形状を作成することができるため、インク液滴の
吐出方向を安定させ、吐出するインクの飛翔スピードも
向上する。したがって、インクジェットヘッドの印刷品
質が格段に向上するとともに高速印刷が可能となる。さ
らには、インクジェットヘッドを組み立てた後で吐出口
を形成することにより、吐出口プレートの組立結合によ
る変形に起因する吐出口のインク吐出方向における非等
方向性についても解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェットヘッドの吐出口加
工方法の第1実施例を示す概略図。
【図2】本発明のインクジェットヘッドの座標系を示す
図。
【図3】本発明に係るインクジェットヘッドの吐出口加
工方法の第1実施例におけるレーザー照射方向を説明す
る説明図。
【図4】本発明の第1実施例に係るインクジェットヘッ
ドの製造方法によって製造されたインクジェットヘッド
を示す概略図。
【図5】本発明の第1実施例に係るインクジェットヘッ
ドの製造方法によって製造されたインクジェットヘッド
の吐出口の斜視図。
【図6】本発明に係るインクジェットヘッドの吐出口加
工方法の第2実施例を示す概略図。
【図7】本発明の第2実施例に係るインクジェットヘッ
ドの製造方法によって製造されたインクジェットヘッド
を示す概略図。
【図8】本発明の第2実施例に係るインクジェットヘッ
ドの製造方法によって製造されたインクジェットヘッド
の吐出口の斜視図。
【図9】本発明の第1実施例にかかるインクジェットヘ
ッドの吐出口加工装置の光学系概略図。
【図10】本発明の第1実施例にかかるピラミッド形状
プリズムによる導光を示す概略図。
【図11】本発明の第2実施例にかかるインクジェット
ヘッドの吐出口加工装置の光学系概略図。
【符号の説明】
1 マスクプレート 2 オリフィスプレート 3 インクジェットヘッド本体 11 マスクパターン 21、22 吐出口 31 インク流路 32 インク液室 33 基板 34 インク吐出圧発生素子 35 天板 101 レーザー発振器 102 ビームコンプレッサー 103、104、106 頂角プリズム 105 ピラミッド形状プリズム

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出する吐出口と、該吐出口を
    備える吐出口プレートと、を具備するインクジェットヘ
    ッドの前記吐出口の形成方法において、前記吐出口プレ
    ートのインクが吐出する側の面に、前記吐出口形状の開
    口部を有するマスクプレートを密着させ、マスクプレー
    ト面の垂直軸に対して所定角度傾いた方向から複数の高
    エネルギー紫外線平行ビームを該マスクプレートを介し
    て前記吐出口プレートに同時に照射することによって前
    記吐出口を形成することを特徴とするインクジェットヘ
    ッドの吐出口加工方法。
  2. 【請求項2】 複数の高エネルギー紫外線平行ビームの
    照射はマスクプレートの垂直軸に対して同一角度傾いた
    方向から入射されることを特徴とする請求項1に記載の
    インクジェットヘッドの吐出口加工方法。
  3. 【請求項3】 複数の高エネルギー紫外線平行ビームの
    照射はマスクプレートの周り方向に対して等分割された
    方向から入射されることを特徴とする請求項1に記載の
    インクジェットヘッドの吐出口加工方法。
  4. 【請求項4】 高エネルギー紫外線平行ビームは2光束
    で構成され、各ビームはマスクプレートの垂直軸に対し
    て対称な所定角度の傾きで、且つインク吐出口の配列方
    向に対して直角方向から照射することを特徴とする請求
    項1に記載のインクジェットヘッドの吐出口の加工方
    法。
  5. 【請求項5】 高エネルギー紫外線平行ビームは4光束
    で構成され、各ビームはマスクプレートの垂直軸に対し
    ては所定の傾きで、垂直軸の周り方向には等分割された
    方向から、且つインク吐出口の配列方向に対して45度方
    向から照射することを特徴とする請求項1に記載のイン
    クジェットヘッドの吐出口の加工方法。
  6. 【請求項6】 インクを吐出する吐出口と、該吐出口を
    備える吐出口プレートと、を具備するインクジェットヘ
    ッドの製造方法において、前記吐出口プレートのインク
    が吐出する側の面に、前記吐出口形状の開口部を有する
    マスクプレートを密着させ、マスクプレート面の垂直軸
    に対して所定角度傾いた方向から複数の高エネルギー紫
    外線平行ビームを該マスクプレートを介して前記吐出口
    プレートに同時に照射することによって前記吐出口を形
    成することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記吐出口形成工程は、前記吐出口プレ
    ートをインクジェットヘッド本体に接合した後に行われ
    る請求項6に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 複数の高エネルギー紫外線平行ビームの
    照射はマスクプレートの垂直軸に対して同一角度傾いた
    方向から入射されることを特徴とする請求項6に記載の
    インクジェットヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 複数の高エネルギー紫外線平行ビームの
    照射はマスクプレートの周り方向に対して等分割された
    方向から入射されることを特徴とする請求項6に記載の
    インクジェットヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 高エネルギー紫外線平行ビームは2光
    束で構成され、各ビームはマスクプレートの垂直軸に対
    して対称な所定角度の傾きで、且つインク吐出口の配列
    方向に対して直角方向から照射することを特徴とする請
    求項6に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  11. 【請求項11】 高エネルギー紫外線平行ビームは4光
    束で構成され、各ビームはマスクプレートの垂直軸に対
    しては所定の傾きで、垂直軸の周り方向には等分割され
    た方向から、且つインク吐出口の配列方向に対して45度
    方向から照射することを特徴とする請求項6に記載のイ
    ンクジェットヘッドの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記インクジェットヘッドは前記吐出
    口に連通する断面が矩形のインク流路を有しており、前
    記吐出口は該インク流路の端部に設けられることを特徴
    とする請求項11に記載のインクジェットヘッドの製造方
    法。
  13. 【請求項13】 前記吐出口プレートは樹脂からなるこ
    とを特徴とする請求項6に記載のインクジェットヘッド
    の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記吐出口プレートは窒化シリコンか
    らなることを特徴とする請求項6に記載のインクジェッ
    トヘッドの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記高エネルギー紫外線平行ビームは
    エキシマレーザーまたはYAGレーザーの高調波からなる
    ことを特徴とする請求項6に記載のインクジェットヘッ
    ドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001322281A (ja) * 2000-05-16 2001-11-20 Konica Corp インクジェットヘッドの製造方法
JP2020192780A (ja) * 2019-05-30 2020-12-03 セイコーエプソン株式会社 吐出ヘッド

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