JP2000318160A - 液体噴射記録ヘッドの吐出ノズル加工方法および液体噴射記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体噴射記録ヘッドの吐出ノズル加工方法および液体噴射記録ヘッドの製造方法

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JP2000318160A
JP2000318160A JP13079099A JP13079099A JP2000318160A JP 2000318160 A JP2000318160 A JP 2000318160A JP 13079099 A JP13079099 A JP 13079099A JP 13079099 A JP13079099 A JP 13079099A JP 2000318160 A JP2000318160 A JP 2000318160A
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Jun Koide
小出  純
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オリフィスプレートの液吐出側からのレーザ
光の照射によって、液吐出側に先細りのテーパ形状の吐
出ノズルを加工する際に、吐出ノズル形状をスパイラル
形状に加工して、記録液の液弾を安定して飛翔させるこ
とができるようにする吐出ノズル加工方法を提供する。 【解決手段】 オリフィスプレート2の液吐出側にマス
クパターンが形成されたマスクプレート1を密着させ、
マスクプレート1側から複数の高エネルギー紫外線平行
ビームA,B,C,Dをマスクプレート1の垂直軸に対
して同一角度傾いた方向から照射するとともに、密着さ
れたマスクプレート1とオリフィスプレート2を複数の
紫外線平行ビームの総合中心軸(光軸)を回転軸として
回転させる。これにより、オリフィスプレート2に液吐
出側に先細りのテーパ形状でかつスパイラル形状に吐出
ノズルを加工することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録液等の液滴を
飛翔させて記録媒体上に液滴を付着させる液体噴射記録
ヘッドにおける吐出ノズルを紫外線レーザにより昇華加
工する吐出ノズル加工方法に関するものであり、さら
に、液体噴射記録ヘッドの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】インク等の記録液の液滴を飛翔させて記
録媒体上に液滴を付着させる液体噴射記録装置(インク
ジェットプリンタ)において、印刷品質は記録液を吐出
する部分であるノズル部分の特性に大きく依存してお
り、このノズル部分の特性は、ノズル径のばらつきやノ
ズルの形状によってほぼ決定される。このノズルを形成
する方法としては、大きくは2つの方法が用いられてお
り、金属プレートを用いる電鋳法もしくは放電加工法に
より形成する方法と、有機高分子樹脂材料をエキシマレ
ーザに代表される紫外線レーザ等の高エネルギーレーザ
で昇華(アブレーション)加工する方法が提案されてい
るが、現在では、後者の紫外線レーザ加工方法を用いて
微細加工する方法が一般的となっている。
【0003】この紫外線レーザ加工方法において、有機
高分子樹脂材料を昇華加工する好適なレーザのエネルギ
ー密度で加工を行なうと、レーザの入射側からレーザの
出射側にかけて加工面積が徐々に減少するいわゆるテー
パ形状の加工特性となる。また、液体噴射記録ヘッドの
印刷品質を上げるために要求されるノズル形状が記録液
の吐出側に先細りのテーパ形状であるため、レーザの加
工方法としては、記録液の供給側からのレーザ照射によ
って行なわれ、すなわち、記録液吐出ノズルを形成する
プレートは、ノズルを加工形成した後に、記録液を供給
する部材に結合する工程が取られてきた。
【0004】しかしながら、液吐出ノズル長は、印刷品
質上、約数10μmから約100μmの長さが要求さ
れ、このノズルを形成するプレートの厚みも当然のこと
ながら同様の厚みを有するため、この吐出口形成プレー
トは非常に薄く変形しやすい部材であり、吐出口形成プ
レートに対し液供給側からレーザ加工しなければなら
ず、そして、吐出ノズルを加工形成した後に記録液を供
給する部材に結合しなければならないために、結合後、
吐出口形成プレートがストレス変形を起こし、同一方向
に整列した複数の吐出ノズルが形成できず、記録液の吐
出方向がばらばらになってしまい、印刷品質を劣化させ
てしまうという問題点があった。
【0005】そこで、このような問題点を解決するため
に、液体噴射記録ヘッドを組み立てた後に、液吐出ノズ
ルを加工形成する方法が提案されている。
【0006】その一つは、特表平6−510958号公
報(コンパック・コンピュータ・コーポレイション)に
提案されている方法で、吐出口形成プレートに対して、
マスクパターンで制限された光ビームを2つの方向から
斜入射させる方法であり、光ビームを斜入射させること
によって光ビームの進行方向に吐出口形成プレートが加
工され、結果的に、吐出口形成プレートが外側より内側
の加工幅の広いテーパ形状が形成される。
【0007】他の一つは、特公平6−24874号公報
(ザールリミテッド)に提案されている方法で、ノズル
パターンが形成されたマスクプレートを吐出口形成プレ
ートに密着させた形で光ビームを照射し、密着させたマ
スクプレートと吐出口形成プレートに光ビームが斜入射
するように、揺動またはピボット回転運動をさせて、光
ビームの入射方向に加工が進行することによって、吐出
口形成プレートの液吐出側に先細りのテーパ形状のノズ
ルを形成するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た特表平6−510958号公報に記載された方法にお
いては、2つの方向のみの光ビーム加工のため、光ビー
ムの斜入射方向に対しては、吐出口形成プレートの液吐
出側に先細りのテーパ形状が形成されるが、これと直角
方向では液吐出側に口広がりのテーパ形状が形成され
る。このように、液吐出方向に対して対称なコーン形状
のテーパが形成されないため、液吐出側に口広がりのテ
ーパ形状の方向では、記録液の吐出流体抵抗となって、
液吐出の周期が遅くなり、高速な印刷ができなくなり、
さらに、口広がりなノズル形状の場合、液吐出時にミス
トが発生してしまうという問題点が生じる。
【0009】さらに、マスクパターンの投影結像系では
ないため、吐出ノズルの加工は一つずつ個別に加工しな
ければならないため、非常に多くの吐出ノズル配列を形
成しなければならない場合には、加工時間が長くなり、
生産性として非常に不利となるという問題点があり、さ
らに、光ビームのエネルギー強度の振れに対して敏感に
ノズルの加工サイズが変化してしまうため、加工精度の
安定性の面で困難という問題点もある。
【0010】また、前述した特公平6−24874号公
報に記載された方法においては、マスクプレートと吐出
口形成プレートを経時的に光ビームに対して傾ける運動
をさせるため、加工開始状態と加工終了状態によって、
つまり、加工の経時的動作過程によって、液吐出方向軸
に対して対称なテーパ形状を加工することが困難とな
り、結果的に、個々の液体噴射記録ヘッドにおいて、記
録液の吐出が安定して一定均一な方向に飛翔させること
が難しいという問題点がある。
【0011】また、マスクパターンの全体(すなわち、
配列された多数の吐出ノズル)を一括で加工することは
できるが、マスクプレートと吐出口形成プレートを経時
的に光ビームに対して傾ける運動をさせるため、加工時
間が運動動作の時間によって制限され、加工時間が長く
かかり、生産性として不利となるという問題点もある。
【0012】そこで、前述した問題点を解決すべく、本
出願人は、先に、液体噴射記録ヘッドの吐出口が一次元
配列で複数個または複数個の配列が複数列形成される吐
出口形成プレートの外面に、吐出口の形状がパターニン
グされたマスクプレートを密着させ、マスクプレート面
の垂直軸に対して所定角度傾いた方向でかつ回転対称な
方向から複数の高エネルギー紫外線平行ビームを同時照
射することによって、吐出口形成プレートに吐出ノズル
を昇華加工形成する方法を提案した(特願平10−18
2407号出願)。
【0013】この方法によって形成される吐出ノズルは
液吐出方向軸に対して対称な形状であって、吐出口形成
プレートの液吐出側(外側)に部分的にまた全体が先細
りのテーパ形状が形成でき、そして、短時間で多数の吐
出ノズルを一括加工することができる。しかし、この方
法においても、記録液の飛翔液滴の速度ベクトルは、飛
翔方向だけを向いているため、吐出ノズルの壁面におい
て流体抵抗を受けた部分は飛翔方向がばらばらになりや
すく、結果的に、液弾にミスト(しぶき)が発生してし
まうために、印刷ドットがきれいな真円形状にならない
ため、印刷品位が低下してしまうという問題点が生じて
いる。
【0014】そこで、本発明は、上記の従来技術の有す
る未解決の課題に鑑みてなされたものであって、吐出口
形成プレートの液吐出側からのレーザ光の照射によるレ
ーザ加工によって、液吐出側に部分的にまた全体が先細
りのテーパ形状の吐出ノズルを加工形成する吐出ノズル
加工方法において、吐出ノズル形状をスパイラル形状に
加工して、記録液の液弾を安定して飛翔させることがで
きるようにする吐出ノズル加工方法を提供するととも
に、液体噴射記録ヘッドの製造方法を提供することを目
的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の液体噴射記録ヘッドの吐出ノズル加工方法
は、液体噴射記録ヘッドの吐出口が一次元配列で複数個
または複数個の配列が複数列形成される吐出口形成プレ
ートの液吐出側に、形成しようとする吐出口の形状がパ
ターニングされたマスクプレートを密着させ、該マスク
プレート側から高エネルギー紫外線平行ビームを照射す
ることによって、前記吐出口形成プレートに吐出ノズル
を昇華加工形成する液体噴射記録ヘッドの吐出ノズル加
工方法において、照射する複数の紫外線平行ビームの総
合中心軸(光軸)に対して、密着された前記マスクプレ
ートと前記吐出口形成プレートを前記総合中心軸を回転
軸として回転させることを特徴とする。
【0016】本発明の液体噴射記録ヘッドの吐出ノズル
加工方法においては、前記複数の高エネルギー紫外線平
行ビームの照射は前記マスクプレートの垂直軸に対して
同一角度傾いた方向から入射するように構成することが
好ましく、あるいは、前記複数の高エネルギー紫外線平
行ビームの照射は前記マスクプレートの垂直軸の周り方
向に対して等分割された方向から入射するように構成す
ることが好ましい。
【0017】本発明の液体噴射記録ヘッドの吐出ノズル
加工方法は、前記高エネルギー紫外線平行ビームは4光
束で構成され、各ビームは前記マスクプレートの垂直軸
に対しては所定角度の傾きで、垂直軸の周り方向に対し
ては等分割された方向から照射することが好ましい。
【0018】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法
は、液体噴射記録ヘッド全体を構成する各部材の内、少
なくとも吐出口形成プレートと該吐出口形成プレートを
保持する部材が結合された後に、吐出口が一次元配列で
複数個または複数個の配列が複数列形成される吐出口形
成プレートの液吐出側に、形成しようとする吐出口の形
状がパターニングされたマスクプレートを密着させ、該
マスクプレート面の垂直軸に対して所定角度傾いた方向
から複数の高エネルギー紫外線平行ビームを同時照射
し、前記吐出口形成プレートに吐出ノズルを昇華加工形
成する液体噴射記録ヘッドの製造方法において、照射す
る複数の紫外線平行ビームの総合中心軸(光軸)に対し
て、密着された前記マスクプレートと前記吐出口形成プ
レートを前記総合中心軸を回転軸として回転させること
を特徴とする。
【0019】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法に
おいては、前記複数の高エネルギー紫外線平行ビームの
照射は前記マスクプレートの垂直軸に対して同一角度傾
いた方向から入射するように構成することが好ましく、
あるいは、前記複数の高エネルギー紫外線平行ビームの
照射は前記マスクプレートの垂直軸の周り方向に対して
等分割された方向から入射するように構成することが好
ましい。
【0020】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法に
おいては、前記高エネルギー紫外線平行ビームは4光束
で構成され、各ビームは前記マスクプレートの垂直軸に
対しては所定角度の傾きで、垂直軸の周り方向に対して
は等分割された方向から照射することが好ましい。
【0021】
【作用】本発明によれば、液体噴射記録ヘッドの吐出口
形成プレートの液吐出側に、形成しようとする吐出口形
状がパターニングされたマスクプレートを密着させ、マ
スクプレート側から高エネルギー紫外線平行ビームを照
射することによって、吐出口形成プレートに吐出ノズル
を昇華加工する液体噴射記録ヘッドの吐出ノズル加工方
法において、密着されたマスクプレートと吐出口形成プ
レートを、照射する複数の紫外線平行ビームの総合中心
軸(光軸)を回転軸として回転させることによって、吐
出ノズル形状をスパイラル形状に加工することが可能と
なり、記録液の液弾が飛翔方向に対して飛翔方向軸回り
に回転成分を有することとなり、これにより、記録液の
液弾が回転慣性力によって安定して進行飛翔し、ミスト
の発生も防ぐことができ、さらに、吐出ノズルをその液
吐出側の開口径が均一でかつ液吐出側に先細りのテーパ
形状に加工することができ、また、短時間で多数配列さ
れる吐出ノズルを一括加工することができる。
【0022】さらに、本発明によれば、液体噴射記録ヘ
ッドを組立てた後の最終工程で吐出ノズルを加工形成す
ることが可能となることで、吐出口形成プレートの組立
て結合による変形に起因する液吐出方向の非等方向性が
解消され、かつ、吐出口形成プレートの液吐出側(外
側)に先細りのテーパ形状でスパイラル形状の吐出ノズ
ルが形成できることによって、液滴の吐出方向が一定方
向に安定し、吐出する記録液の飛翔スピードが向上す
る。したがって、ミストが極端に少なく、印刷ドットの
形状がきれいな円形を呈した高品位の画像が得られ、液
体噴射記録ヘッドの印刷品質が格段に向上するとともに
高速印刷が可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0024】図1は、本発明の液体噴射記録ヘッドの吐
出ノズル加工方法を示す概略図であり、以下に、本発明
の吐出ノズル加工方法を詳細に説明する。
【0025】図1において、1は形成しようとする吐出
口のパターン11が開口されたマスクプレート、2は吐
出ノズル21が形成される吐出口形成プレート(以下、
オリフィスプレートともいう。)、3はオリフィスプレ
ート2を結合する液体噴射記録ヘッド本体であり、吐出
ノズル21は、液体噴射記録ヘッド本体3に組み立て結
合されたオリフィスプレート2に対して、液吐出側から
紫外線レーザ光A,B,C,Dが照射されることにより
加工形成される。これらのレーザ光A,B,C,Dは、
あらかじめオリフィスプレート2に密着されたマスクプ
レート1の垂線に対してそれぞれ異なる方向に傾いてお
り、レーザ光A,B,C,Dの重ね合わせ位置はマスク
プレート1のパターン部分に定められている。したがっ
て、本発明において加工される吐出ノズルの液吐出側端
部の吐出口径はマスクプレート1の開口径で一義的に決
まり、レーザパワーのばらつきによって影響を受けるこ
とがなくなるため、均一な液吐出側端部の吐出口径を作
製することが可能である。
【0026】ここで、各レーザ光A,B,C,Dのマス
クプレート1への照射方向を詳細に述べると、図2に示
すようなxyz座標系を設定した場合、図3に示す方
向、すなわち、各レーザ光はyz平面への射影において
は、y軸(吐出ノズル21の配列方向)に対して、各4
5度の角度(各レーザ光同士の角度が90度)を基準状
態とし、x軸(マスクプレート1の垂直方向)に対し
て、同一の傾斜角度θをなすような方向から照射され
る。なお、角度θは加工するオリフィスプレート2の厚
さやレーザ光のエネルギー密度によって設計角度が設定
されるが、おおよそ5度から20度の角度に設定される
ものであり、本実施例では13度としている。
【0027】そして、密着されたマスクプレート1とオ
リフィスプレート2と液体噴射記録ヘッド本体3を、加
工開始から終了までの間に、照射する複数の紫外線平行
ビームの総合中心軸(光軸)を回転軸として、図1に示
す矢印方向に、小円にあるいは小円弧状に回転させるこ
とによって、吐出ノズル21はスパイラル形状に加工さ
れる。また、ここで加工開始の状態は前記各レーザ光の
yz平面への射影において、y軸(吐出ノズル21の配
列方向)に対して各45度の角度(各レーザ光同士の角
度が90度)である必要はなく、加工条件によって所定
の状態から加工を開始するもので良い。
【0028】このように、4つの方向から紫外線レーザ
の平行ビームA,B,C,Dを同時に照射し、そして、
密着されたマスクプレート1とオリフィスプレート2と
液体噴射記録ヘッド本体3を複数の紫外線平行ビームの
総合中心軸(光軸)を回転軸として回転させることによ
って、オリフィスプレート2の厚み方向において、各レ
ーザビームの進行方向に昇華加工されることにより、液
吐出方向(マスクプレート側)に先細りなテーパ形状で
あってスパイラル形状を有した複数の吐出ノズル21が
形成される。
【0029】こうして加工された吐出ノズル21の形状
は、回転対称な切断円錐形状となるのではなく、4つの
x軸に対する軸対称方向からのレーザ照射加工であるた
め、図5に図示するように、記録液の吐出側(図中にて
手前側)においては円錐状であって、記録液の供給側
(図中にて奥側)においては4つの円が放射状に重なっ
た略四角形の形状で、かつ、オリフィスプレート2の厚
み方向において、徐々に円形から略四角形に変化しなが
ら液吐出方向軸に対して回転するスパイラル形状が形成
される。
【0030】このような吐出ノズル加工を実現するため
に用いる、マスクプレート1の垂線に対して傾いた4つ
の方向から紫外線レーザの平行ビームA,B,C,Dを
同時照射するための光学系の一例を図6を参照して説明
する。
【0031】紫外線レーザの平行ビームを放射するエキ
シマレーザ発振器101から放射されたレーザビーム
は、ビームコンプレッサ102によって所定断面形状の
大きさに整形変換される。そして、第1のプリズム10
3に導光され、プリズム頂角を含む領域によって、2つ
の出射角の異なるビームに分離された後、プリズム10
3と同形状であって、頂角が対向するように配置された
第2のプリズム104によって、2つの分離されたビー
ムが平行な進行ビームa,bになるよう変換される。ビ
ームa,bは平行なままピラミッド形状の4つの斜面を
有する第3のプリズム105に入射し、図7に示すよう
に、4つの軸対称な傾斜角をもつ斜面によって、各ビー
ムA,B,C,Dの光束が中心軸(光軸)に対して同等
な角度をもってGの領域で重なり合うように導光され
る。また、Gの領域での4つのレーザ光束の重なり合い
は、プリズム103とプリズム104の間隔によって調
整される。すなわち、マスクプレート1の垂直軸に対し
て、4つの軸対称方向から、同一偏角で、レーザビーム
が照射されることになる。
【0032】次に、上述の吐出ノズル加工方法が適用さ
れる液体噴射記録ヘッドについて、図4を参照して説明
する。
【0033】図4において、33は基板であり、この基
板上には記録液を吐出するための電気熱変換素子や電気
機械変換素子等の液吐出圧発生素子34が設けられてい
る。この液吐出圧発生素子34は吐出ノズル21に連通
する液流路31内に配されており、個々の液流路31は
共通液室32に連通している。この共通液室32には液
供給管(不図示)が接続され、記録液タンクより液供給
管を介して記録液が供給される。また、35は液流路3
1および共通液室32を形成するための凹部を有する天
板であり、基板33と接合されることで液流路31、共
通液室32を形成している。さらに、基板33と天板3
5との接合体の液流路端部側には吐出ノズル21を備え
るオリフィスプレート2が設けられている。また、オリ
フィスプレート2に形成される吐出ノズル21の配置
は、一次元配列で複数個または複数個の配列が複数列と
いうように適宜設定することができる。
【0034】このような液体噴射記録ヘッドは以下のよ
うに作製することができる。
【0035】すなわち、まず、液吐出圧発生用の発熱抵
抗素子であるヒータ34と不図示のシフトレジスタ等の
集積回路、電気配線とをシリコン基板にパターニングし
て基板33を作製するとともに、液流路31および共通
液室32となる凹部と不図示の液供給部をシリコンプレ
ートにケミカルエッチングすることにより形成して天板
35を作製する。その後、液吐出側端面および液流路3
1とヒータ34の配列が一致するように基板33と天板
35とをアライメント接合した後、吐出ノズルが未形成
状態のオリフィスプレート2を、接合された天板35と
基板33の接合体の液吐出側端面に接着する。この状態
で上述した吐出ノズル加工方法を用いて吐出ノズル21
を加工形成し、以後、不図示のヒータ駆動用の端子をパ
ターニングした電気基板を結合するとともに、アルミ製
のベースプレートを基板33を接合し、次いで、各部材
を保持するホルダおよび記録液供給のための記録液タン
クを結合することによって、液体噴射記録ヘッドを組み
立てることができる。
【0036】また、液流路31および共通液室32とな
る凹部と液供給部が形成される天板35と、吐出ノズル
が未形成状態のオリフィスプレート2とをポリサルフォ
ン等の樹脂の射出成形により一体に形成した構造体を、
ヒータ34をパターニングした集積回路シリコンチップ
をマウントした基板33にアライメント接合した後に、
上述した吐出ノズル加工方法を用いて吐出ノズル21を
形成し、以後、不図示のヒータ駆動用の端子をパターニ
ングした電気基板を結合するとともに、アルミ製のベー
スプレートを基板33を接合し、次いで、各部材を保持
するホルダおよび記録液供給のための記録液タンクを結
合することによって、液体噴射記録ヘッドを組み立てる
こともできる。
【0037】なお、本発明における吐出ノズルの加工
は、液体噴射記録ヘッドの構成がいかなるものであって
も、吐出ノズルを形成するオリフィスプレートが、これ
を保持する部材に接合された後の工程で行なうことが望
ましい。このように液体噴射記録ヘッドを製造すること
で、オリフィスプレートが、この保持部材と結合すると
きに生じるひずみに伴なって、吐出ノズルの配列が変形
したり、吐出ノズルの向きが不均一方向に変形すること
による記録液の吐出方向位置変動が生じることを防ぐこ
とが可能となる。
【0038】また、上述のように加工形成される吐出ノ
ズル21においては、オリフィスプレート2の液供給側
の吐出ノズル21の形状が略四角形であり、また、液流
路31の液流動方向の切断面が四角形で形成されている
ことから、各々の形状がフィットするように吐出ノズル
21がレーザ加工形成されるため、吐出ノズル形状と液
流路形状が滑らかに連続するようにでき、記録液の流動
抵抗が軽減され、記録液飛翔スピードが高まり、液体噴
射記録ヘッド品質として、印刷スピードが向上するとい
う効果も発生する。
【0039】本発明の具体的な実施例において、液体噴
射記録ヘッド本体に50μm厚のポリサルフォンからな
るオリフィスプレートを接合した後、このオリフィスプ
レートに、照射レーザの波長において光反射率が98%
以上で、φ20μmの開口を300dpiの配列密度で
150個の貫通開口を有するマスクプレートを密着さ
せ、前述した光学系(図6)を用いて、レーザパワー密
度が1J/cm2 でマスクプレートに4つの平行ビーム
を照射する。そして、密着されたマスクプレート1とオ
リフィスプレート2と液体噴射記録ヘッド本体3を加工
開始と加工終了で20度回転させて、吐出ノズルを加工
形成した。また、このときの各平行ビームの傾斜角は液
吐出方向軸に対して13度となるようにした。このよう
に液体噴射記録ヘッドを50個作製し、吐出ノズルの形
状を観察したところ、いずれの吐出ノズルにおいても液
吐出側に先細りのテーパ形状が形成されており、また、
各吐出ノズルにおける液吐出側端部の開口径のばらつき
も従来のものに比べ格段に低減されていた。
【0040】また、このようにして作製した液体噴射記
録ヘッドにて実際に印刷を行なったところ、ミストが極
端に少なく、このため印刷ドットの形状がきれいな円形
を呈しており、優れた印刷品位の画像が得られた。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
液体噴射記録ヘッドの吐出口が一次元配列で複数個また
は複数個の配列が複数列形成される吐出口形成プレート
において、該吐出口形成プレートの液吐出側(外面)
に、形成しようとする吐出口形状がパターニングされた
マスクプレートを密着させ、マスクプレート側から複数
の高エネルギー紫外線平行ビームを照射することによっ
て、吐出口形成プレートに吐出ノズルを昇華加工形成す
る液体噴射記録ヘッドの吐出ノズル加工方法において、
照射する複数の紫外線平行ビームの総合中心軸(光軸)
に対して、密着されたマスクプレートと吐出口形成プレ
ートを前記総合中心軸を回転軸として回転させることに
よって、吐出ノズル形状をスパイラル形状に加工するこ
とが可能となり、記録液の液弾が飛翔方向に対して飛翔
方向軸回りに回転成分を有することとなり、これによ
り、記録液の液弾が回転慣性力によって安定して進行飛
翔し、ミストの発生も防ぐことができる。
【0042】また、吐出口形成プレートの液吐出側(外
側)からのレーザ加工によって、液吐出側に先細りのテ
ーパ形状が形成でき、かつ、短時間で多数配列される吐
出ノズルを一括加工することができ、さらに、吐出口形
成プレートに形成される吐出ノズルの液吐出側の開口径
を均一にできることから、液体噴射記録ヘッドを組立て
た後の最終工程で吐出ノズルを形成することが可能とな
ることで、吐出口形成プレートの組立て結合による変形
に起因する液吐出方向の非等方向性が解消され、かつ、
吐出口形成プレートの液吐出側(外側)に先細りのテー
パ形状でスパイラル形状に形成できることによって、液
滴の吐出方向が一定方向に安定し、吐出する記録液の飛
翔スピードが向上する。したがって、ミストが極端に少
なく、印刷ドットの形状がきれいな円形を呈した高品位
の画像が得られ、液体噴射記録ヘッドの印刷品質が格段
に向上するとともに高速印刷が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体噴射記録ヘッドの吐出ノズル加工
方法を示す概略図であり、(a)は正面図、(b)は側
面図、(c)は下面図である。
【図2】本発明の液体噴射記録ヘッドの座標系を示す斜
視図である。
【図3】本発明の液体噴射記録ヘッドの吐出ノズル加工
方法におけるレーザ照射方向を説明する説明図である。
【図4】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法によっ
て製造される液体噴射記録ヘッドを示す概略図であり、
(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は側面図であ
る。
【図5】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法によっ
て製造される液体噴射記録ヘッドの吐出ノズルの斜視図
である。
【図6】本発明の液体噴射記録ヘッドの吐出ノズル加工
方法に適用される光学系の概略図である。
【図7】本発明の液体噴射記録ヘッドの吐出ノズル加工
方法に適用される光学系におけるピラミッド形状プリズ
ムによる導光を示す概略図である。
【符号の説明】 1 マスクプレート 2 オリフィスプレート(吐出口形成プレート) 3 液体噴射記録ヘッド本体 11 マスクパターン 21 吐出ノズル 31 液流路 32 共通液室 33 基板 34 液吐出圧発生素子(ヒータ) 35 天板 101 レーザ発振器 102 ビームコンプレッサ 103,104 プリズム 105 ピラミッド形状プリズム

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体噴射記録ヘッドの吐出口が一次元配
    列で複数個または複数個の配列が複数列形成される吐出
    口形成プレートの液吐出側に、形成しようとする吐出口
    の形状がパターニングされたマスクプレートを密着さ
    せ、該マスクプレート側から複数の高エネルギー紫外線
    平行ビームを照射することによって、前記吐出口形成プ
    レートに吐出ノズルを昇華加工形成する液体噴射記録ヘ
    ッドの吐出ノズル加工方法において、照射する複数の紫
    外線平行ビームの総合中心軸(光軸)に対して、密着さ
    れた前記マスクプレートと前記吐出口形成プレートを前
    記総合中心軸を回転軸として回転させることを特徴とす
    る液体噴射記録ヘッドの吐出ノズル加工方法。
  2. 【請求項2】 前記複数の高エネルギー紫外線平行ビー
    ムの照射は前記マスクプレートの垂直軸に対して同一角
    度傾いた方向から入射することを特徴とする請求項1記
    載の液体噴射記録ヘッドの吐出ノズル加工方法。
  3. 【請求項3】 前記複数の高エネルギー紫外線平行ビー
    ムの照射は前記マスクプレートの垂直軸の周り方向に対
    して等分割された方向から入射することを特徴とする請
    求項1または2記載の液体噴射記録ヘッドの吐出ノズル
    加工方法。
  4. 【請求項4】 前記高エネルギー紫外線平行ビームは4
    光束で構成され、各ビームは前記マスクプレートの垂直
    軸に対しては所定角度の傾きで、垂直軸の周り方向に対
    しては等分割された方向から照射することを特徴とする
    請求項1記載の液体噴射記録ヘッドの吐出ノズル加工方
    法。
  5. 【請求項5】 液体噴射記録ヘッド全体を構成する各部
    材の内、少なくとも吐出口形成プレートと該吐出口形成
    プレートを保持する部材が結合された後に、吐出口が一
    次元配列で複数個または複数個の配列が複数列形成され
    る吐出口形成プレートの液吐出側に、形成しようとする
    吐出口の形状がパターニングされたマスクプレートを密
    着させ、該マスクプレート面の垂直軸に対して所定角度
    傾いた方向から複数の高エネルギー紫外線平行ビームを
    同時照射し、前記吐出口形成プレートに吐出ノズルを昇
    華加工形成する液体噴射記録ヘッドの製造方法におい
    て、照射する複数の紫外線平行ビームの総合中心軸(光
    軸)に対して、密着された前記マスクプレートと前記吐
    出口形成プレートを前記総合中心軸を回転軸として回転
    させることを特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記複数の高エネルギー紫外線平行ビー
    ムの照射は前記マスクプレートの垂直軸に対して同一角
    度傾いた方向から入射することを特徴とする請求項5記
    載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記複数の高エネルギー紫外線平行ビー
    ムの照射は前記マスクプレートの垂直軸の周り方向に対
    して等分割された方向から入射することを特徴とする請
    求項5または6記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記高エネルギー紫外線平行ビームは4
    光束で構成され、各ビームは前記マスクプレートの垂直
    軸に対しては所定角度の傾きで、垂直軸の周り方向に対
    しては等分割された方向から照射することを特徴とする
    請求項5記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
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EP99112352A EP0968824A1 (en) 1998-06-29 1999-06-28 Method for processing discharge port of ink jet head, and method for manufacturing ink jet head

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7658477B2 (en) 2005-11-11 2010-02-09 Ricoh Company, Ltd. Liquid ejecting head, imaging forming apparatus, device for ejecting a liquid drop, and recording method

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