JP2000006409A - サーマルインクジェットヘッド - Google Patents

サーマルインクジェットヘッド

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JP2000006409A
JP2000006409A JP17547998A JP17547998A JP2000006409A JP 2000006409 A JP2000006409 A JP 2000006409A JP 17547998 A JP17547998 A JP 17547998A JP 17547998 A JP17547998 A JP 17547998A JP 2000006409 A JP2000006409 A JP 2000006409A
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substrate
jet head
hole
ink jet
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JP17547998A
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Katsuzo Uenishi
勝三 上西
Satoshi Sakuraoka
聡 櫻岡
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Casio Computer Co Ltd
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Casio Computer Co Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ウエハから切り離すとき割れ破損の起きにくい
モノリシック形成のサーマルインクジェットヘッドを提
供する。 【解決手段】6インチのシリコンウエハ26に92個の
フルカラー用のサーマルインクジェットヘッドのチップ
27(基板11)を形成する。工程4まで終了した時点
で基板11には4本のインク給送路18が形成され各イ
ンク給送路18の中間(丸印Cで囲んで示す部分)に連
結部29が形成される。サーマルインクジェットヘッド
25が完成しダイシングソーなどにより個々に切り出さ
れる際、外力により割れ性の歪みが生じてもその応力を
縁部31のみでなく連結部29でも吸収できるので全体
の連結構成が縁部31で破壊されることがなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上にモノリシ
ックに形成され、カッティング時に割れ破損の起きにく
いインク給送路を備えたサーマルインクジェットヘッド
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、サーマルインクジェット方式のプ
リンタが広く用いられている。このサーマルインクジェ
ット方式は、印字のために射出するインクの液滴形成過
程において、発熱素子を熱してこの発熱素子上に核気
泡を発生させる。この核気泡が合体して膜気泡が生ま
れる。この膜気泡が断熱膨脹して成長する。その成
長した膜気泡が周囲のインクに熱を取られて収縮する。
ついには膜気泡が消滅し、次の発熱素子の加熱を待
つ、という一連の工程を瞬時に行うことによって成り立
っている。そして上記の〜の工程には膜沸騰現象が
利用されている。
【0003】膜沸騰現象は、例えば鉄の焼き入れのよう
に高温に加熱された物体を液体中に漬けた場合と、液体
と接する物体の表面温度を急激に上げた場合とに発現す
るが、サーマルインクジェットプリンタに用いられる膜
沸騰現象は後者の「液体と接する物体の表面温度を急激
に上げる」方法によっている。
【0004】このようなサーマルインクジェットヘッド
においては、モノクロ印刷ばかりでなく、三原色のイン
クをそれぞれ吐出してフルカラー印刷を行う構成のもの
もある。尚、上記インク滴の吐出方向には、発熱素子の
発熱面に垂直な方向に吐出する構成のものと、発熱素子
の発熱面に平行な方向へ吐出する構成のものとがある。
一方の発熱素子の発熱面に垂直な方向にインク滴を吐出
する構成のもののフルカラー用サーマルインクジェット
ヘッドの製法として、シリコンLSIと薄膜技術を利用
して、複数の発熱素子と個々の駆動回路とインク吐出ノ
ズル(オリフィス)を一括してモノリシックに形成する
方法がある。
【0005】この方法によれば、例えば解像度が360
dpi(ドット/インチ)の印字ヘッドであれば128
個の発熱素子と駆動回路とオリフィス(一般には導波管
等の終端または壁面に形成されたエネルギー伝達用の孔
又は窓の意に用いられてきた用語)が形成され、また
は、解像度が720dpiの場合であれば256個の発
熱素子と駆動回路とオリフィスが形成される。
【0006】図9は、そのような発熱素子と駆動回路と
が形成され、その発熱素子にインクを給送すべきインク
給送路(溝又は孔)が形成された、フルカラー用サーマ
ルインクジェットヘッドの基板を模式的に示す図であ
る。同図に示す基板1は、縦10mmに横15mmの大
きさで、例えば6インチのシリコンウエハ上に多数形成
した後、ダイシングソー等で個々にカッティングしたも
のを1個のみ取り出して示したものである。
【0007】同図に示す基板1には、三原色のマゼン
タ、シアン、イエローのインクと文字等に専用される黒
インクにそれぞれ対応する4列の駆動回路2と4列のイ
ンク給送路3が形成されている。各駆動回路2はそれぞ
れに対応するインク給送路3からインクを供給される多
数の発熱素子を個々に駆動するようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この基板1
の駆動回路2の部分はインク給送路3に仕切られた形状
になっており、基板1本体は全体としてインク給送路3
の両端の縁部4で辛うじて各部が連結されているに過ぎ
ない。したがって、この基板1をシリコンウエハから個
々に切り出すとき、外力によって基板1に歪みが加わる
と、縁部4の部分に応力が集中して破壊され易い傾向が
ある。このため製品歩留まりが悪いという問題が発生す
る。そうかといって、縁部4を広くして破壊を防ごうと
すると、基板1の寸法全体が大きくなって、一枚のシリ
コンウエハから製造できる基板の数が低下するという問
題が発生する。
【0009】本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、
発熱素子、駆動回路、インク給送路等がモノリシックに
形成されるサーマルインクジェットヘッドにおいて、シ
リコンウエハから切り離すときに割れ破損の起きにくい
サーマルインクジェットヘッドを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】以下に、本発明のサーマ
ルインクジェットヘッドの構成を述べる。先ず、請求項
1記載の発明のサーマルインクジェットヘッドは、基板
上に複数の発熱素子と該発熱素子上にインクを給送する
インク給送路を設け、該インク給送路から上記発熱素子
上にインクを給送し、上記発熱素子を通電により発熱さ
せて該発熱素子と上記インクとの界面に気泡を発生させ
ることにより上記インクの液滴を外部に吐出するサーマ
ルインクジェットヘッドであって、上記基板に設けられ
たインク給送路は発熱素子の配列方向に沿って溝状に形
成され、該溝内に溝壁を連結する少なくとも1個の連結
部を溝の短手方向に形成されて成る。
【0011】そして、上記基板は、例えば請求項2記載
のように、上記連結部が設けられた部分の溝に連通して
上記液滴の吐出方向とは逆の方向に貫通するインク供給
孔が形成されて成る。
【0012】次に、請求項3記載の発明のサーマルイン
クジェットヘッドは、基板上に複数の発熱素子と該発熱
素子上にインクを給送するインク給送路を設け、該イン
ク給送路から上記発熱素子上にインクを給送し、上記発
熱素子を通電により発熱させて該発熱素子と上記インク
との界面に気泡を発生させることにより上記インクの液
滴を外部に吐出するサーマルインクジェットヘッドであ
って、上記基板に設けられたインク給送路は発熱素子の
配列方向に沿って孔状に形成され、該孔内に孔壁を連結
する少なくとも1個の連結部を孔の短手方向に形成され
て成る。
【0013】そして、上記連結部は、例えば請求項4記
載のように、上記基板の表裏の中間よりも上記液滴の吐
出方向とは逆の方向寄りに形成されて成る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図1(a),(b),(c) 、図2(a),
(b),(c) 、図3(a),(b),(c) 及び図4(a),(b),(c) は、
一実施の形態におけるインクジェットヘッドの製造方法
を工程順に示す図である。図1(a),(b),(c) はそれぞれ
概略の平面図と断面図を示しており、図2(a) 、図3
(a) 及び図4(a) はそれぞれ図1(a),(b),(c) の平面図
を一部拡大して詳細に示す図、図2(b) は図2(a) のA
−A′断面矢視図、図2(c) は同じく図2(a) のB−
B′断面矢視図を示し、図3(b),(c) は、図3(a) の図
2(b),(c) と同一部分の断面図、図4(b),(c) は、図4
(a) の図2(b),(c) と同一部分の断面図である。また、
図1(a),(b),(c) のそれぞれ下に示している断面図は、
図2(b) 、図3(b) 及び図4(b) に示す断面図と同一の
ものである。
【0015】尚、これらの図では、説明の便宜上、いず
れもフルカラー用インクジェットヘッドの1個の発熱ヘ
ッド(モノクロ用インクジェットヘッドの構成と同じ)
のみを示しているが、実際にはこのような発熱ヘッドが
複数個(3個又は4個)連なった形状のものが、1枚の
シリコン基板上に形成される。
【0016】先ず、工程1として、4インチ以上(本例
では6インチ)のシリコン基板にLSI形成処理により
駆動回路とその端子を形成すると同時に、厚さ1〜2μ
mの酸化膜と配線電極とを形成する。次に、工程2とし
て、薄膜技術を用いて、Ta−Si−SiOなどの微細
抵抗、及びNiなどによる電極を形成する。この工程で
発熱抵抗体の位置が決められる。
【0017】図1(a) 及び図2(a),(b),(c) は、上記の
工程1及び工程2が終了した直後の状態を示している。
すなわち、シリコン基板10上には、共通電極12、共
通電極給電端子13(図1(a) 参照)、個別配線電極1
4、抵抗15、駆動回路16、及び駆動回路端子17
(図1(a) 参照)が形成されている。
【0018】続いて、工程3として、個々のインク吐出
口に対応するインク溝を形成すべく感光性ポリイミドな
どの有機材料からなる隔壁部材をコーティングにより高
さ20μm程度に積層し、これをパターン化した後に、
300℃〜400℃の熱を30分〜60分加えるキュア
(乾燥硬化、焼成)を行い、高さ10μmの上記感光性
ポリイミドによる隔壁をシリコン基板上に形成・固着さ
せる。更に、工程4として、ウェットエッチングまたは
サンドブラスト法などにより上記シリコン基板に溝状の
インク給送路とインク供給孔を形成してシリコン基板の
表面から裏面に連通するインク通路を形成する。このと
き詳しくは後述するインク給送路の溝壁の連結部を形成
する。
【0019】図1(b) 及び図3(a),(b),(c) は、上述の
工程3及び工程4が終了した直後の状態を示している。
すなわち、溝状のインク給送路18及びインク供給孔2
0が形成され、インク給送路18の左側に位置する共通
電極12部分と、右方の個別配線電極14が配設されて
いる部分、及び各抵抗15と抵抗15の間に、隔壁19
(19、19−1、19−2)が積層されている。隔壁
19の上記各抵抗15間に積層される部分は、個別配線
電極14上の部分19−1を櫛の胴とすれば、各抵抗1
5間に伸び出す部分19−2は櫛の歯に相当する形状を
なしている。これにより、この櫛の歯を仕切り壁とし
て、その歯と歯の間の付け根部分に抵抗15が位置する
微細なインク溝が、抵抗15の数だけ形成される。
【0020】この後、工程5として、ポリイミドからな
る厚さ10〜30μmのフィルムの両面または片面に、
熱可塑性ポリイミドを極薄に例えば厚さ2〜5μmにコ
ーテングしたオリフィス板を、上記積層構造の最上層に
張り付けて、隔壁19−2によって形成されたインク溝
に蓋をし、これにより、個別の微細通路(インク溝坑)
を形成する。そして、200〜300℃で加熱しながら
加圧してオリフィス板を固着させる。続いて、Ni、C
u又はAlなどの厚さ0.5〜1μm程度の金属膜を形
成する。
【0021】更に、工程6として、オリフィス板の上の
金属膜をパターン化して、ポリイミドを選択的にエッチ
ングするマスクを形成し、続いて、オリフィス板をEC
Rなどのドライエッチングなどにより上記の金属膜マス
クに従って40μmφ〜20μmφの孔空けをして多数
のノズル孔(オリフィスともいう)を一括形成する。
尚、孔空けはエキシマレーザなどを用いて行ってもよ
い。
【0022】図1(c) 及び図4(a),(b),(c) は、上述し
た工程5と工程6が終了した直後の状態を示している。
すなわち、オリフィス板21が駆動回路16と給電端子
13及び17の部分を除く全領域を覆っており、上記の
インク溝も上を覆われて隔壁19の厚さ10μmに対応
する高さの坑状のインク溝22を形成している。そし
て、オリフィス板21には、抵抗15に対応する部分に
ノズル孔(オリフィス)23がドライエッチングまたエ
キシマレーザによって形成されており、これにより、1
列のノズル孔23を備えた発熱ヘッド24が完成する。
【0023】ここまでが、ウエハの状態で処理される。
そして、最後に、工程7として、ダイシングソーなどを
用いてカッテングして、単位毎に個別に分割し、実装基
板にダイスボンデングし、端子接続して完成する。
【0024】尚、上記の例では、駆動回路16が露出し
た状態で示されているが、実際には保護膜が形成されて
いる。また、保護膜を後からわざわざ形成するのではな
く、オリフィス板21を図1(c) (図4(a),(b),(c) も
同じ)の右方に延長して積層するようにして、オリフィ
ス板21に駆動回路の保護膜を兼用させるようにしても
よい。
【0025】上記の1列のノズル孔23を備えた発熱ヘ
ッド24はモノクロ用サーマルインクジェットヘッドの
構成であるが、通常フルカラー印字においては、前述し
たように、減法混色の三原色であるイエロー(Y)、マ
ゼンタ(M)、シアン(C)の3色に、文字や画像の黒
部分に専用されるブラック(Bk)を加えて合計4色の
インクを必要とする。したがって、最低でも4列のノズ
ル列が必要である。そして、上述した製造方法によれば
4列の発熱ヘッドをモノリシックに構成することは可能
であり、各列の位置関係も今日の半導体の製造技術によ
り正確に配置することが可能である。
【0026】図5(b) は、上述の図1(c) 及び図4(a),
(b),(c) に示した発熱ヘッド24を4列並べてフルカラ
ーのサーマルインクジェットヘッドを構成した状態を示
す図である。尚、図5(a) は、発熱ヘッド24が4列並
んだ構成を分かり易く示すため、図1(a) に示したと同
様に工程1〜工程2まで終了した状態のものを示してい
る。また、この図5(b) に示す例では、オリフィス板に
駆動回路の保護膜を兼用させる形状のものを示してい
る。
【0027】図5(a),(b) に示すように、サーマルイン
クジェットヘッド25は、大きな基板11上に、4個の
発熱ヘッド24(24a、24b、24c、24d)が
並んで配置されて形成される。このサーマルインクジェ
ットヘッド25は、例えばインク給送路18aから発熱
ヘッド24aのインク溝22(図1(c) 及び図4(b)参
照)にMインクが供給され、インク給送路18bから発
熱ヘッド24bのインク溝22にCインクが供給され、
インク給送路18cから発熱ヘッド24cのインク溝2
2にYインクが供給され、そして、インク給送路18d
から発熱ヘッド24dのインク溝22にBkインクが供
給される。
【0028】このサーマルインクジェットヘッド25
は、印字に際しては抵抗15(図2(a),(b) 参照)が印
字情報に応じて選択的に通電され、瞬時に発熱して膜沸
騰現象を発生させ、その抵抗15に対応するノズル孔2
3からインク滴が吐出される。このようなインクジェッ
ト方式ではインク滴はノズル孔23の径に対応する大き
さの略球形で吐出され、紙面上に略その倍の径の大きさ
となって印字される。
【0029】このようにして得られるフルカラーのサー
マルインクジェットヘッドは、解像度が360dpiの
場合であれば128ノズル×4列=640ノズルを備え
ることが可能であり、概略8.5mm×19.0mmの
大きさのものまで作成可能である。また解像度が720
dpiの場合であれば、256ノズル×4列=1280
ノズルを、ほぼ8.5mm×19.0mmの大きさの中
に形成することが可能である。勿論、同一解像度であっ
ても、1列の中のノズル数を(これらに対応する抵抗1
5と駆動回路の個別配線電極14も)減らすことによっ
て、任意の大きさのチップ、例えば10mm×15mm
程度の大きさのチップに設定することも可能である。
【0030】図6(a) は、シリコンウエハへのチップ配
列の例を示す図であり、同図(b) はチップの模式的拡大
図である。同図(a) に示すシリコンウエハ26は、6イ
ンチのものを示しており、この上に15mm×10mm
の寸法のチップ27が92個配置されている。同図(b)
は、その92個のチップ27の中の1つを拡大して示し
ている。このチップ27が図5(a),(b) に示す基板11
である。
【0031】図6(b) に示すチップ27は、前述した工
程1及び工程2を終了した状態の基板11を示してお
り、そこには4本のインク給送路18が形成されてい
る。そして各インク給送路18の中間には、丸印Cで囲
んで示すように連結部29が形成されている。
【0032】図7(a) は、上記丸印Cで示す部分の拡大
図であり、同図(b) は同図(a) のD−D′断面矢視図、
同図(c) は同図(a) のE−E′断面矢視図、同図(d) は
同図(a) のF−F′断面矢視図である。先ず、図6(b)
に示すように、発熱素子(抵抗15、図3(a),(b),(c)
参照)の配列方向に沿って溝状に形成されたインク給送
路18は、その溝18−1内に、図7(a) 〜(d) に示す
ように、溝壁18−2を連結する少なくとも1個の連結
部29を溝18−1の短手方向に形成されている。
【0033】これにより、図6(a) に示すシリコンウエ
ハ26上に、92個の図5(b) に示すフルカラーのサー
マルインクジェットヘッド25が完成し、ダイシングソ
ーなどにより図6(b) に示すように個々に切り出される
とき、その切り出しで加わる外力により内部に歪みが生
じても、その応力を縁部31(図6(b) 参照)のみでは
なく、連結部29でも吸収することができるので、チッ
プ27全体として各部の連結構成が縁部31で破壊され
るという虞が著しく低減する。
【0034】また、図7(a) 〜(d) に示すように、連結
部29は、溝18−1のインク供給孔20が貫通してい
る部分に形成されるので、外部のインクタンクからイン
ク供給孔20に供給されるインクは、同図(d) の矢印に
示すように、通路に充分な余裕をもって溝18−1内に
分流し、上方にも回りこむから、連結部29が、インク
溝22(図4(b) 参照)に給送されるインクの流れの邪
魔になるようなことは無い。
【0035】図8(a) は、図6(b) の丸印Cで示す部分
の他の構成例を示す拡大図であり、同図(b) は同図(a)
のG−G′断面矢視図、同図(c) は同図(a) のH−H′
断面矢視図、同図(d) は同図(a) のJ−J′断面矢視図
である。この場合は、図6(b) において、インク給送路
18は、発熱素子(抵抗15、図3(a),(b),(c) 参照)
の配列方向に沿って、チップ27(基板11)を表裏に
貫通する孔状に形成されている。この孔18′の内部
に、孔壁32を連結する少なくとも1個の連結部33が
孔18′の短手方向に形成されている。
【0036】これにより、この場合も図6(a) に示すシ
リコンウエハ26上に、92個の図5(b) に示すフルカ
ラーのサーマルインクジェットヘッド25が完成し、ダ
イシングソーなどにより図6(b) に示すように個々に切
り出されるとき、その切り出しで加わる外力により内部
に歪みが生じても、その応力を縁部31(図6(b) 参
照)のみではなく、連結部33でも吸収することができ
るので、チップ27全体として各部の連結構成が縁部3
1で破壊されるという虞が著しく低減する。
【0037】尚、図8(b) 及び同図(d) では、連結部3
3を1個のみ孔18′の表裏の中間に配置しているが、
このようにインク給送路18が孔18′の構成であると
きは連結部33は複数個を配設する方が好ましい。ま
た、配置位置は基板の表裏の中間に限ることなく基本的
には任意でよいが、特に孔18′に複数個の連結部33
を配置するときは、表裏のうちインク吐出側に寄りすぎ
ると、インク溝22への流通が良くないことが実験の結
果判明している。この場合は、基板の表裏の中間より
も、上記積層部材層の反対側、すなわち、インク滴の吐
出方向とは逆の方向寄りに形成されている方が好ましい
ことになる。
【0038】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、短手方向よりも長手方向が極端に長い溝または孔
状のインク給送路に短手方向を連結する連結部を設ける
ので、そのぶんだけ外部から加わる割れ性の歪みに抵抗
力が付き、これにより、チップ寸法を大型化することな
くウエハ上に多数のチップを配置しても、完成後に切り
離しを行う際の破損を著しく低減させることができ、し
たがって、製品歩留まりが向上してコスト低減に貢献す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b),(c) は一実施の形態におけるインクジ
ェットヘッドの製造方法を工程順に示す概略の平面図と
断面図である。
【図2】(a) は図1(a) の平面図を一部拡大して詳細に
示す図、(b) は(a) のA−A′断面矢視図、(c) は(a)
のB−B′断面矢視図である。
【図3】(a) は図1(b) の平面図を一部拡大して詳細に
示す図、(b),(c) は(a) の図2(b),(c) と同一部分の断
面図である。
【図4】(a) は図1(c) の平面図を一部拡大して詳細に
示す図、(b),(c) は(a) の図2(b),(c) と同一部分の断
面図である。
【図5】単体の発熱ヘッドを4列並べてフルカラーのサ
ーマルインクジェットヘッドを構成した状態を示す図で
あり、(a) は工程1と工程2が終了した状態を示す図、
(b) は完成図である。
【図6】(a) はシリコンウエハへのチップ配列の例を示
す図、(b) はチップの模式的拡大図である。
【図7】(a) は図6(b) の丸印Cで示す部分の拡大図、
(b) は(a) のD−D′断面矢視図、(c) は(a) のE−
E′断面矢視図、(d) は(a) のF−F′断面矢視図であ
る。
【図8】(a) は図6(b) の丸印Cで示す部分の他の構成
例を示す拡大図、(b) は(a) のG−G′断面矢視図、
(c) は(a) のH−H′断面矢視図、(d) は(a) のJ−
J′断面矢視図である。
【図9】従来の各部の構成をモノリシックに形成後のフ
ルカラ用サーマルインクジェットヘッド基板を模式的に
示す図である。
【符号の説明】
1 基板 2 駆動回路 3 インク給送路 4 縁部 10、11 シリコン基板 12 共通電極 13 共通電極給電端子 14 個別配線電極 15 抵抗 16 駆動回路 17 駆動回路端子 18 インク給送路 18−1 溝 18−2 溝壁 18 ′ 孔 19 隔壁 19−1 櫛の胴相当部分 19−2 櫛の歯相当部分 20 インク供給孔 21 オリフィス板 22 インク溝 23 ノズル孔(オリフィス) 24(24a、24b、24c、24d) 発熱ヘッド 25 フルカラーのサーマルインクジェットヘッド 26 シリコンウエハ 27 チップ 29、33 連結部 31 縁部 32 孔壁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に複数の発熱素子と該発熱素子上
    にインクを給送するインク給送路を設け、該インク給送
    路から前記発熱素子上にインクを給送し、前記発熱素子
    を通電により発熱させて該発熱素子と前記インクとの界
    面に気泡を発生させることにより前記インクの液滴を外
    部に吐出するサーマルインクジェットヘッドであって、 前記基板に設けられたインク給送路は発熱素子の配列方
    向に沿って溝状に形成され、該溝内に溝壁を連結する少
    なくとも1個の連結部を溝の短手方向に形成されて成る
    ことを特徴とするサーマルインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記基板は、前記連結部が設けられた部
    分の溝に連通して前記液滴の吐出方向とは逆の方向に貫
    通するインク供給孔が形成されて成ることを特徴とする
    請求項1記載のサーマルインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 基板上に複数の発熱素子と該発熱素子上
    にインクを給送するインク給送路を設け、該インク給送
    路から前記発熱素子上にインクを給送し、前記発熱素子
    を通電により発熱させて該発熱素子と前記インクとの界
    面に気泡を発生させることにより前記インクの液滴を外
    部に吐出するサーマルインクジェットヘッドであって、 前記基板に設けられたインク給送路は発熱素子の配列方
    向に沿って孔状に形成され、該孔内に孔壁を連結する少
    なくとも1個の連結部を孔の短手方向に形成されて成る
    ことを特徴とするサーマルインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 前記連結部は、前記基板の表裏の中間よ
    りも前記液滴の吐出方向とは逆の方向寄りに形成されて
    成ることを特徴とする請求項3記載のサーマルインクジ
    ェットヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6938985B2 (en) 2002-07-30 2005-09-06 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Slotted substrate and method of making

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