JP2000005611A - Ａｌｃブロックの破砕装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各装置を小形化、簡略化し、装置全般のスペ
ースや設備費、運転費、保守費を低減することができ
る、ＡＬＣブロックの破砕装置を提供する。 【解決手段】 補強鉄筋が埋設されていない細長い軽量
気泡コンクリートブロックを破砕する装置であって、前
記細長いＡＬＣブロックの搬送機構の先端部に配設さ
れ、搬送されてきた該ＡＬＣブロックの先端部よりハン
マーで順次叩打して破断する破断機と、該破断機の下方
に配設され、破断されたブロックを小塊に破砕する破砕
機とからなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は，軽量気泡コンクリ
ート（以下「ＡＬＣ」という）パネルの製造工程で発生
する補強鉄筋が埋設されていない細長いＡＬＣブロック
を原料として再利用するために破砕する装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来一般に建築物の璧、床などに使用さ
れている幅が６００ｍｍ程度以下のＡＬＣパネルを製造
するには、硅石などの硅酸質原料と、セメント、生石
灰、石膏などの石灰質原料、および工程繰り返し原料の
粉末を主原料とし、発泡剤として適量のアルミニウム粉
と界面活性剤などの添加物および温水を加えて混練した
スラリーを、所望枚数のパネルの補強用鉄筋をセットし
た型枠に注入する。

【０００３】すると前記原料間の水和反応と発泡が同時
に進行しながら次第に硬化し、細かい気泡を内蔵した半
可塑性体が形成される。そして所望時間経過して適度な
硬さに硬化したら、この半可塑性体を前記型枠から取り
出し、外形を所望寸法の直方体に切削した後、所望パネ
ル長さの間隔で並列したピアノ線を、半可塑性体の長手
方向と直角方向に移動させて切断する。その後パネル厚
さに応じた間隔で並列したピアノ線を、前記半可塑性体
の長手方向全長に亘って移動させながら一度に切断す
る。

【０００４】そしてこの状態の半可塑性体を蒸気養生用
の型枠に収納してからオートクレーブに装入して高温高
圧で所望時間の間蒸気養生する。それ後このＡＬＣパネ
ル素材を、建築物の設計仕様に基づいて各種寸法に切断
したり、長辺小口面に溝を切削加工したり、縁部の面取
り加工する。さらに必要に応じて表面に種々なデザイン
の模様に切削加工したり、タイルを貼着したり、塗装し
たりなどの表面仕上げをしてから建築現場に納入してい
る。

【０００５】前記オートクレーブによる蒸気養生後のＡ
ＬＣパネルの寸法は、通常厚さ３７〜１７５ｍｍ、長さ
６１０〜６０００ｍｍであるが、幅は製造上の理由から
全て約６００ｍｍである。そのため幅が６００ｍｍ以下
のＡＬＣパネルを製造する場合には、該パネルの全長に
亘って所望幅に切断する必要がある。例えば４５０ｍｍ
幅のパネルを製造する場合には、型枠に補強鉄筋をセッ
トする際に、４５０ｍｍ幅に対応する部分だけに補強鉄
筋をセットしておく。そしてオートクレーブでの蒸気養
生後に、６００ｍｍ幅のＡＬＣパネルの不要部分１５０
ｍｍを切断している。

【０００６】このように切断された不要部分の細長いＡ
ＬＣブロックは微粉末に粉砕してから、原料に工程繰り
返し原料として配合して再利用している。このＡＬＣブ
ロックを破砕するための従来の装置は、図５および図６
に示されるように、水平なローラーコンベア２と平行に
丸鋸１ａが移動する切断機１を配設し、かつその下方に
約６０００ｍｍの長い一対のローラー１１ａ、１１ａが
対向して設けられているロールクラッシャー１１を配設
してなるものである。このロールクラッシャー１１の下
方にはベルトコンベア１２が配設され、さらにその前方
にはボールミル（図示せず）が配設されている。

【０００７】そして前記ローラーコンベア２に載置され
て搬送されてきた、幅６００ｍｍで、長さ最大６０００
ｍｍのＡＬＣパネル３は、位置決め固定機構（図示せ
ず）によって、その切断部が前記切断機１の丸鋸１ａの
直下にくるように位置決め固定される。ついで前記切断
機１の丸鋸１ａを、ＡＬＣパネル３の全長に亘って水平
方向に移動させながら所望幅に切断する。その後切断さ
れたＡＬＣパネル３は、図５の左方の加工機８に搬送さ
れて小口面などを加工して、所望寸法の製品となる。

【０００８】一方切断屑である細長いＡＬＣブロック３
ａは、下方のシュート９を介して前記ロールクラッシャ
ー１１に落下して、直径３０ｍｍ程度の塊伏に破砕され
る。その後ロールクラッシャー１１の下方に配設されて
いるベルトコンベア１２によって、ボールミル（図示せ
ず）に搬送され粉砕されて一旦貯留され、必要に応じて
原料に配合するために再利用される。

【０００９】このような従来の装置では、前記一対のロ
ーラー１１ａ、１１ａが長いため、ロールクラッシャー
１１の本体や駆動装置が大型とならざるを得ず、その設
備費、運転費、保守費が高価になる問題があるばかりで
なく、これらの装置を設置するための広いスペースと、
深いピットが必要となる問題があった。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、各装置を小
形化、簡略化し、装置全般のスペースや設備費、運転
費、保守費を低減すろことができるＡＬＣブロックの破
砕装置を提供することを目的とするものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明に係るＡＬＣブロックの破砕装置は、補強鉄筋が
埋設されていない細長いＡＬＣブロックを破砕する装置
であって、前記細長いＡＬＣブロックの搬送機構の先端
部に配設され、搬送されてきた該ＡＬＣブロックの先端
部よりハンマーで順次叩打して破断する破断機と、該破
断機の下方に配設され、破断されたＡＬＣブロックを小
塊に破砕する破砕機とからなることを特徴とする。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明において切断屑であるＡＬ
Ｃブロックの破砕装置は、切断された細長いＡＬＣブロ
ックをコンベアで搬送し、その前方の上部に配設した破
断機で搬送されてきたＡＬＣブロックの先端部から順次
ハンマーで上方から叩打して短く破断し、前記破断機の
下方に配設された破砕機に供給するようにした。そのた
め破砕機は小型でよく、破砕装置全体の設置面積や、ピ
ットは小さくて済むので、全体の設備費、運転費、保守
費を低減することができる。

【００１３】以下本発明の一実施例を図面によって説明
する。図１は装置全体の一実施例の配置を示す平面図、
図２〜図４はそれぞれ図１の（イ）−（イ）矢視図、
（ロ）−（ロ）矢視図、（ハ）−（ハ）矢視図であっ
て、この破砕装置は図１に示すように前記した切断機１
の下方で平行に搬入用ベルトコンベア６が配設され、そ
の前方で上方に破断機４が配設されている。またこの破
断機４の直下には破砕機５が配設され、その下方には搬
出用ベルトコンベア７が配設されている。

【００１４】本発明に係る破砕装置の主要構成要件であ
る破断機４は、四角な枠状の架台４１の中心にシリンダ
ー４２の下端部が垂直に固着されており、該シリンダー
４２の下方先端部には、垂直なガイド４３ａと板状のハ
ンマー４３が取着されている。また架台４１には、前記
ベルトコンベア６の進行方向の相対する位置に、上面が
ベルトコンベア６の上面と同水準の一対の受け台４４が
固着されている。

【００１５】そして前記シリンダー４２を伸縮させる
と、ハンマー４３がガイド４３ａに沿って昇降し、降下
した時にその先端部が前記受け台４４の下方に位置する
ようになっている。なおこのハンマー４３は常時は上限
に待機するようになっている。そしてこの破断機４の外
周部はハンマー４３により破断されたＡＬＣブロック３
ａの破片の飛散を防止するフード４５で覆われている。

【００１６】前記ベルトコンベア６で搬送されてきたＡ
ＬＣブロック３ａは、前記相対する受け台４４に懸架さ
れた状態で、シリンダー４２を伸長させると、ハンマー
４３がＡＬＣブロック３ａの先端部より順次上方から叩
打して中塊に破断し、下方の破砕機５に落下させる。そ
の後シリンダー４２が収縮し、ハンマー４３は上昇して
待機する。

【００１７】つぎに破砕機５は、いわゆる鬼歯ロールク
ラッシャーであり、相対する一対の水平軸に軸支された
ロール５１、５１の外面に所望間隔で歯部材５２が螺着
されて凹凸面が形成されている。そしてこの一対のロー
ル５１、５１を、モータ−５３で内側に向かってそれぞ
れ反対方向に回転させて、破砕機５の上方に配設されて
いる前記破断機４で破断されて落下してくる塊状のＡＬ
Ｃブロック３ａの中塊を破砕するようになっている。そ
してこの破砕機５により破砕された小塊は、破砕機５の
下方に配設されたベルトコンベア７でボールミル（図示
せず）に供給される。なお前記破砕機５はＡＬＣブロッ
ク３ａが予め中塊に破断されているので、従来の破砕機
の１／５程度の小型でよい。

【００１８】以下本発明の装置の動作について説明す
る。まず種々の厚さ、長さで、幅を６００ｍｍ以下に切
断する必要がある６００ｍｍ幅のＡＬＣパネル３は、ロ
ーラーコンベア２で切断機１の前まで搬送されてくる。
すると図４に示すように切断機１の下方に配設されてい
る位置決めストッパー２２が所定位置まで前進するとと
もに、前記ローラーコンベア２のローラ−２ａの間に平
行に配設されている複数の昇降可能な細い位置決めコン
ベア２１が上昇して、ローラー２ａ上のＡＬＣパネル３
を位置決めコンベア２１に移載させる。

【００１９】つぎにこの位置決めコンベア２１が始動し
て、ＡＬＣパネル３の長辺小口面が、前記位置決めスト
ッパー２２に当接すると位置決めコンベア２１は停止す
るとともに、降下してＡＬＣパネル３はローラー２ａ上
に再度移載される。この状態で上方から下降した固定機
構２３の下端部でＡＬＣパネル３の上面を押圧して固定
する。そこで切断機１の丸鋸１ａが始動し、ＡＬＣパネ
ル３の全長に亘って水平方向に移動しながら所望幅に切
断する。

【００２０】切断が終了すると丸鋸１ａと固定機構２３
は上昇して元の位置に復帰する。またローラー２ａと切
断機１との間に配設されているシュート２４が傾動し
て、切断屑である塊状のＡＬＣブロック３ａは下方のベ
ルトコンベア６に落下する。一方不要部分が切断された
ＡＬＣパネル３はロ−ラーコンベア２によって次工程の
加工機８に搬出される。

【００２１】一方切断屑である細長い塊状のＡＬＣブロ
ック３ａは、前記ベルトコンベア６によってハンマー４
３が上昇待機している破断機４の下方に搬送され、その
先端部が相対する受け台４４に懸架されると、ベルトコ
ンベア６が停止する。これと同時に破断機４のシリンダ
ー４２が作動して、ハンマー４３が下方に押し下げら
れ、前記ＡＬＣブロック３ａの懸架部を上方から叩打し
て破断し、下方の破砕機５に落下させる。

【００２２】その後シリンダー４２が逆作動して、ハン
マー４３は上昇して待機する。するとベルトコンベア６
が再び始動して、ＡＬＣブロック３ａの次の部分を破断
機４の下方に搬送し、ハンマー４３で破断する。この動
作を繰り返してベルトコンベア６上のＡＬＣブロック３
ａは先端部から順次破断されて破砕機５に落下し、ここ
で小さく破砕してからベルトコンベア７で次工程に搬送
し、ボールミル（図示せず）で粉砕後ビンに貯留され
る。

【００２３】このような動作を繰り返すことにより、Ａ
ＬＣパネル３は連続的に切断して次工程に搬送されると
ともに、切断屑である塊状のＡＬＣブロック３ａは破
断、破砕、粉砕処理される。また切断の必要がないＡＬ
Ｃパネル３はローラーコンベア２から直接加工機８に搬
送される。このような各構成部分の動作は、図示してな
いセンサーやシーケンサーによって自動的に制御され、
連続的に自動運転することができる。以上本発明の実施
例について説明したが、破断機４のハンマー４３の形状
や、破砕機５の種類、寸法などは必要に応じ適宜選定す
ることができる。

【００２４】

【発明の効果】以上述べた通り本発明に係るＡＬＣブロ
ックの破砕装置によれば、切断屑で不要部分である細長
いＡＬＣブロックをコンベアで搬送し、その前方の上部
に配設した破断機で、搬送されてきた塊状のＡＬＣブロ
ックの先端部からハンマーで上方から順次叩打して短く
破断し、前記破断機の下方に配設された破砕機に供給す
るようにしため、破砕機は小型でよく、破砕装置全体の
設置面積やピットは小さくて済み、したがって全体の設
備費、運転費、保守費を低減することが可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るＡＬＣブロックの破砕装置の一実
施例の平面図である。

【図２】図１の（イ）−（イ）矢視図である。

【図３】図１の（ロ）−（ロ）矢視図である。

【図４】図１の（ハ）−（ハ）矢視図である。

【図５】従来のＡＬＣブロックの破砕装置の平面図であ
る。

【図６】図４の（ニ）−（ニ）矢視図である。

【符号の説明】

１ 切断機 １ａ 丸鋸 ２ ローラーコンベア ２ａ ローラー ３ ＡＬＣパネル ３ａ 塊状のブロック ４ 破断機 ５ 破砕機 ６、７ ベルトコンベア ８ 加工機 ２４ シュート ２１ 位置決めコンベア ２２ ストッパー ２３ 固定機構 ４１ 架台 ４２ シリンダー ４３ ハンマー ４４ 受け台 ４５ フード ５１ ロール ５２ 歯部材 ５３ モーター

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 補強鉄筋が埋設されていない細長い軽量
   気泡コンクリートブロックを破砕する装置であって、前
   記細長い軽量気泡コンクリートブロックの搬送機構の先
   端部に配設され、搬送されてきた該軽量気泡コンクリー
   トブロックの先端部よりハンマーで順次叩打して破断す
   る破断機と、該破断機の下方に配設され、破断されたブ
   ロックを小塊に破砕する破砕機とからなることを特徴と
   するＡＬＣブロックの破砕装置。