JP2000004516A - 低圧ケーブルの分岐接続構造 - Google Patents

低圧ケーブルの分岐接続構造

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JP2000004516A
JP2000004516A JP10166450A JP16645098A JP2000004516A JP 2000004516 A JP2000004516 A JP 2000004516A JP 10166450 A JP10166450 A JP 10166450A JP 16645098 A JP16645098 A JP 16645098A JP 2000004516 A JP2000004516 A JP 2000004516A
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branch connection
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Eizo Abo
英造 阿保
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンパクトで信頼性が高い導体接続と、作業
性に優れ高い防水性能を併せ持つ、低圧ケーブルの分岐
接続構造をえること。 【解決手段】 1)幹線ケーブルを切断し、突合わせた
幹線導体4−1および4−2と分岐線導体7を一括し
て、幹線導体の断面積と当該分岐線導体の断面積の和の
平方根の4〜10倍の長さを有するC型コネクター1で
圧縮することにより導体接続を行ない、2)胴部と当該
胴部に繋がった2以上の分岐部を持つ成形品2−1およ
び2−2により、前記の分岐接続部を被覆し、当該成形
品の少なくとも端部に防水処理を施す。前記成形品とし
て、内面に接着剤を形成することにより端部に防水処理
を施したものを用いるのが特に効果的である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低圧の地中配電ケ
ーブルの幹線から1以上の分岐線により分岐接続を行
う、分岐接続構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、都市部を中心とした配電ケーブル
の地中化の動きに応じて、低圧配電ケーブル幹線の地中
化が急速に進展つつあり、幹線から需要家への引込みに
伴う分岐工事が増加してきている。従来、幹線から分岐
線を引込む場合、低圧幹線から地上に設置された低圧分
岐箱を介して低圧引込みケーブルを多条布設する方法が
取られていた。しかし、低圧分岐箱の占有スペース大き
く、都市部においては道路幅が狭い場所等対応が困難な
場合がある。そのため、地中にコンパクトなハンドホー
ルを設け、低圧幹線から需要家への引込み分岐を個々に
行うシステムが採用されるようになり、低圧幹線と分岐
線との中間引込み分岐が増加しつつある。
【0003】このような背景の下、低圧幹線と分岐線の
接続(いわゆる分岐接続)につき種々の提案がされてい
るが、分岐接続には、a)屋外地中であるため、防水構
造であること、b)施工に高いスキルが不要で、短時間
で施工できること、c)分岐接続部がコンパクトで安価
なこと、が要求されている。
【0004】従来、低圧幹線ケーブルから分岐接続を行
なう場合、幹線ケーブルの所定位置で絶縁層およびシー
ス層を皮剥ぎし、ここに分岐ケーブルの導体を沿わせC
型コネクター等で一括圧縮して導体接続を行ない、この
上に必要な絶縁・防水被覆を行なう工法が取られてい
る。この場合、分岐接続部の防水は、1)テープ巻き
法、2)防水性接着剤を施した分岐付のシートを巻付け
る方法、3)常温硬化型の樹脂注入法、4)熱収縮チュ
ーブとホットメルト接着剤を組合せた方法等により対応
されている。しかし、前記1)あるいは2)の場合、テ
ープ巻きあるいはシート巻付けに高度のスキルが必要で
あり、分岐部の防水を完全にするのが困難で信頼性に欠
ける。また、前記3)の方法は、作業性が悪く、接続・
分岐作業に長時間を要するという問題がある。前記4)
の場合、例えば2本の分岐線の間に熱溶融形テープを挟
み込み、該2本の分岐線の外側にホットメルト接着材付
熱収縮形チューブを加熱収縮して、分岐部の防水を確実
にする方法が開示されているが(特開平2−22316
8号公報)、熱溶融形テープを分岐線間に挟み込むとい
う余分な手間が必要となる。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】本願は、低圧分岐接続に対する種々の要求
に鑑み、コンパクトで信頼性が高い導体接続と、作業性
に優れ高い防水性能を併せ持つ、分岐接続構造を提供す
ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】前記の課題を達成するために、本発明者は
分岐接続の行われる状況、接続部に要求される性能、既
存技術の問題点等について鋭意検討を重ねた結果、次に
示す手段により、コンパクトで信頼性が高い導体接続
と、作業性に優れ防水性能が高い防水機構を併せ持つ、
分岐接続構造を得ることが出来ることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、低圧地中配電ケーブ
ルの幹線から、1以上の分岐線により分岐を行う分岐接
続において、前記幹線を分岐接続箇所で切断して導体を
突合わせ、この突合わせ部に分岐線の導体を平行に沿わ
せ、前記幹線の切断部の導体と前記分岐線の導体を一括
して、前記幹線の導体の断面積と前記分岐線の導体の断
面積の和の平方根の4〜10倍の長さを有するC型コネ
クターで圧縮することにより電気的、機械的な接続部を
形成し、胴部と2以上の分岐部を持つ成形品により、前
記の接続部を被覆し、前記成形品の少なくとも端部に防
水処理を施すことを特徴とする分岐接続構造を提供す
る。
【0008】また、本発明は、前記のC型コネクターが
長手方向に4箇所以上の圧縮位置表示をもち、当該圧縮
位置表示の内中央の2箇所の距離が他の隣合う2箇所の
距離の約2倍であることを特徴とする。
【0009】さらに、本発明が提供する分岐接続構造に
おいて、胴部と2以上の分岐部を持つ成形品が収縮性で
あり、少なくとも当該胴部の先端部分および当該分岐部
の先端部分の内面に防水型接着剤の層を設けることを特
徴とする。
【0010】また、分岐接続部の一方の側を前記収縮性
成形品で被覆した後、前記分岐接続部の他方の側を前記
収縮性成形品で被覆するに際して、前記2つの収縮性成
形品の胴部を重ね合わせることを特徴とする。
【0011】本発明の構成により、コンパクトで信頼性
が高い導体接続と、作業性に優れ高い防水性能を併せ持
つ分岐接続構造を提供することができた理由は、以下の
通りである。 1)幹線導体を切断することにより、従来工法では挿入
が不可能であった胴部と2以上の分岐部を持つ成形品を
分岐接続部の被覆に使用できるため、従来工法ではスキ
ルが必要で時間がかかったのに対し、分岐部の防水処理
がより簡便に確実に行なえる。
【0012】2)幹線導体と分岐線導体の圧縮接続に、
幹線導体の断面積と分岐線導体の断面積の和の平方根の
4〜10倍の長さをもつC型コネクターを使用すること
により、圧縮の回数と長さを従来のC型コネクターを使
用する場合の2倍以上とれるため、接続部の電気的・機
械的特性が「電気設備技術基準」に規定される要求性能
を満足することができる。 3)前記のC型コネクター中央部の圧縮位置表示の間隔
を通常の約2倍とすることにより、幹線導体の突合わせ
ができずその間隔が広がっても、圧縮の回数と長さを前
記の要求性能を満足できる程度に確保することができ
る。
【0013】4)分岐接続部の防水処理に、収縮性の成
形品で、少なくとも当該胴部の先端部分および当該分岐
部の先端部分の内面に防水型接着剤の層を設けたものを
用いることにより、防水処理をより簡便に確実に行なえ
る。 5)分岐接続部の片側を前記収縮性成形品で被覆した
後、当該分岐接続部のもう一方の側を前記収縮性成形品
で被覆するに際して、当該2つの収縮性成形品の胴部を
重ね合わせることにより、防水処理をより確実にでき
る。
【0014】前記の「電気設備技術基準」に規定される
接続部の要求性能は次の通りである。(「電気設備技術
基準」、電線の接続法、第12条) 電線の電気抵抗を増加させない。 引張り荷重で表した電線の強さを20%以上減少させ
ない。 通常の要求に対しては、電線に所定の電流を通電し、
接続部の温度が導体温度以下であることを試験する。本
発明の分岐接続工法では、十分にこの基準を満足し、従
来の幹線導体を切断しない工法と比較しても、問題ない
ことが判った。の要求に関しては、電線に加わる張力
が電線の強さに比べて著しく小さい場合には、前記の要
求性能は必要ではない。(「電気設備技術基準」第12条
ただし書)本発明者は、市街地においては幹線ケーブル
設置後多数の分岐接続を行う必要がある現状を踏まえ、
幹線ケーブルの横引き布設では、接続部の「電線の強さ
を20%以上減少させない」という前記基準が必要では
ないことに着目して、特性面、施工面、経済性からも優
れた本発明の分岐接続構造に到達したのである。
【0015】従来、低圧幹線ケーブルの直線接続におい
て、B型コネクターやP型コネクターを使用して導体の
圧縮接続を行い、この上から収縮性チューブにより防水
処理を行う例はあったが、分岐接続に対し幹線ケーブル
を切断しC型コネクターで圧縮接続を行い、この上から
胴部と2以上の分岐部を持つ成形品であって少なくとも
当該成形品端部に防水処理を施したものを使用して防水
処理を行った例はない。これは、「電気設備技術基準」
の前記条項にこだわり、幹線ケーブルを切断した分岐
接続ではこの条項を満足しないとの考え方から、本発明
の発想に至ることがなかったためと考えられる。また、
本発明の分岐接続工法は、突合わせにより幹線導体を接
続するため、幹線ケーブルを切断しない従来の方法と同
様に幹線ケーブルを長手方向に移動する必要がなく、1
本の幹線ケーブルから多数の分岐を行なう場合がある市
街地の分岐接続に適している。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
図1は、本発明の実施形態の一例であり、分岐接続構造
の形成手順に従って、その構成を説明する。なお、本例
は、幹線ケーブルから2本の分岐を取る場合を想定して
いるが、本発明の対象はこれに限定するものではない。 1)幹線ケーブル3−1の分岐接続箇所を切断し、被覆を
剥離する。また、分岐ケーブル6の接続箇所の被覆を剥
離する。分岐ケーブル6としては、通常1〜2m長に切
断したものを用い、分岐接続後に分岐ケーブルの両端に
引込み用ケーブルを直線接続する。 2)胴部に二又の分岐肢を備えた収縮性の成形品2−1お
よび2−2の一方の分岐肢を切断した幹線ケーブルの両
側へ各々挿入し、各成形品の幹線ケーブルに挿入した他
方の分岐肢へ分岐ケーブルを挿入しておく。 3)幹線ケーブルの導体4−1および4−2を突き合わ
せ、分岐ケーブルの被覆を剥離し露出した導体7を前記
幹線ケーブルの導体突合せ部に沿わせ、切断部を中心に
してC型コネクター1を圧縮し、幹線ケーブル導体と分
岐ケーブル導体を接続する。 4)一方の収縮性成形品2−2を前記の接続部上までずら
し、接続部から幹線ケーブルの絶縁被覆および分岐ケー
ブルの絶縁被覆上に収縮する。 5)もう一方の収縮性成形品2−1を、もう一方の幹線ケ
ーブルの絶縁被覆上、および分岐ケーブルの絶縁被覆上
に収縮する。この際、当該成形品の胴部が重なるように
設定し収縮を行い、防水を完成する。防水の信頼性高め
るために、前記成形品の胴部の重なりは20mm以上あ
ることが好ましい。 なお、上記収縮性成形品の端部14、15、16、1
7、18の5個所を、パテテープ11、自己融着テープ
12および粘着ビニルテープ13をこの順序で巻き付
け、二重に防水処理を行なうことも可能であり、図1に
はこの状態を示している。
【0017】また、前記の例において、胴部に二又の分
岐肢を備えた成形品として非収縮性のものを使用する場
合には、前記と同様に成形品を分岐接続部に被せた後、
その端部をパテテープ、自己融着テープおよび粘着ビニ
ルテープをこの順序で巻き付け、防水処理を行なえばよ
い。
【0018】幹線ケーブル導体および分岐ケーブル導体
の接続に使用するC型コネクター1は、幹線導体の断面
積と分岐線導体の断面積の和の平方根の4〜10倍の長
さをもつものが好ましい。長さが幹線導体の断面積と分
岐線導体の断面積の和の平方根の4倍未満であると、圧
縮接続の回数が少なく接続すべき導体に対し十分な締め
付け力を発揮しないため、「電気設備技術基準」に定め
られた分岐接続部の要求性能を満足することができな
い。また、同長さが幹線導体の断面積と分岐線導体の断
面積の和の平方根の10倍を超えると、ケーブルの被覆
を余分に剥離することが必要になり、作業も複雑になる
とともに必要な資材コストが増大してしまう。C型コネ
クターの材質は、電線導体と導電率が同等の銅によるも
のが好ましい。形状は、図2に例示するもので、圧縮位
置表示20−1、20−2等を表面に設けたものを好適
に用いることができる。
【0019】幹線ケーブルを切断して分岐接続を行う場
合、撚線導体を切断した時導体先端部の撚りがほどけ
て、先端が広がると共に導体皮剥ぎ部が短くなる傾向が
ある。この場合、幹線導体を突合せ接続しようとしても
相対する導体間に隙間ができ、前記のようにC型コネク
ターで圧縮接続する長さが確保できなくなる。このよう
な場合に対処するためには、図2(b)に示すようにC
型コネクター中央部の圧縮位置表示の間隔を通常の約2
倍とすることが好ましい。これにより、幹線導体の突合
わせができずその間隔が広がっても、圧縮の回数と長さ
を前記の要求性能を満足できる程度に確保することがで
きる。
【0020】前記C型コネクターを圧縮する方法は、通
常長さのC型コネクターを施工する工具を使用し、通常
の方法で行うことができる。従来の方法と異なる点は、
突き合わせ部の両側で通常の場合の約2倍以上の回数圧
縮を行なうことであり、これにより、接続端子と導体と
の接触面積を大きくすることができ、先に述べた「電気
設備技術基準」に定められた分岐接続部の要求性能を満
足することを可能にする。
【0021】本発明で、分岐接続部を被覆するために使
用する胴部と当該胴部に繋がった2以上の分岐部を持つ
成形品としては、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマ
ー、ゴム等の高分子材料を主成分とするものが適してお
り、必要な分岐の数に応じて一般に二又分岐管、三叉分
岐管と呼ばれる成形品が使用できる。この成形品により
分岐接続部を被覆した後、防水処理を施す方法として
は、当該被覆部の端部をパテテープ、自己融着テープお
よび粘着ビニルテープをこの順序で巻き付ける工法が適
している。
【0022】前記の成形品としては収縮性であるものが
さらに適しており、当該成形品の胴部の先端部分および
分岐部の先端部分の内面に防水型接着剤あるいは粘着剤
の層を設け、収縮時にこの接着剤あるいは粘着剤が成形
品と分岐接続部あるいはケーブルとの界面を埋め防水処
理を行なう様にしたものが好ましい。収縮性の成形品と
しては、熱収縮性のものあるいは常温収縮性のものが使
用できるが、収縮時に前記接着剤あるいは粘着剤が溶融
して水密性を高めるという点からは、熱収縮性のものが
より適している。
【0023】成形品の形状および寸法は、対象となる接
続分岐部の分岐数、ケーブルサイズから、選択すればよ
い。図3に、収縮性成形品の一例を示した。これは、一
般に熱収縮性二又分岐管と呼ばれるもので、胴部21、
分岐部22およびそれらの内面に形成した接着剤もしく
は粘着剤層23から成っており、幹線ケーブルから1つ
の分岐をとる場合に使用する。幹線ケーブルから2つの
分岐をとる場合は、図1に示すように、図3の収縮性成
形品を2個使用する。
【0024】成形品の外層を構成する原料としての高分
子材料には、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化
ビニル(PVC)、エチレン酢酸ビニル樹脂(EV
A)、エチレンアクリル酸エチル樹脂(EEA)、塩素
化ポリエチレン、ポリエステルエラストマー、エチレン
・プロピレン・ジエン3元共重合体(EPDM)、シリ
コンゴム等があげられる。これらの高分子材料には、必
要に応じて充填剤、老化防止剤、安定剤、着色剤、耐候
性を付与するためのカーボン等各種添加剤を含有させて
も良い。
【0025】収縮性成形品の内層を構成する材料として
は、例えば、EVA、EEA、ポリアミド樹脂、ポリエ
ステル樹脂等を主成分とするホットメルト接着剤、ブチ
ルゴム、シリコンゴム、等を主成分とする粘着剤等が適
している。これらの接着剤や粘着剤には、必要に応じて
充填剤や粘着付与剤、老化防止剤等の各種添加剤を含有
させても良い。
【0026】本発明で使用する成形品の製造は、特に限
定されないが、上記高分子材料を主成分とする樹脂組成
物から公知のインジェクション、プレス等の方法により
実施できる。収縮性の成形品は、前記の方法により成形
された成形品を膨張し、この内面にPE、ポリプロピレ
ン(PP)等から形成される内子を挿入し、製造するこ
とができる。熱収縮性の成形品の場合は、高分子材料を
主成分とする樹脂組成物を、インジェクション、プレス
等で成形し、電子線・γ線などの電離性放射線の照射
や、化学架橋、シラン架橋等により架橋させ、これを一
定の金型の中で膨張あるいは拡径し、その形状を保持し
たまま冷却する方法が一般的である。前記の架橋は、化
学架橋の場合、成形と同時に行なうのが通常である。
【0027】前記成形品の内層に使用する接着剤あるい
は粘着剤は、溶融押出、ホットメルトアプリケーター等
により、前記のように成形した外層の内面に直接塗布す
るのが一般的である。これらの内層材は、外層材の成形
品端部から一定の長さで塗布するのが通常であるが、全
面に塗布しても差し支えない。
【0028】収縮性成形品の収縮は、通常の方法で実施
することが出来る。常温収縮性の成形品の場合は、例え
ば、成形品の内面に挿入された内子を取り外すことによ
り、当該成形品を収縮させることができる。熱収縮性の
成形品を使用する場合には、その加熱収縮にホットガ
ン、ガスバーバー、電気ヒーター等により外層材を加熱
することで行なうが、施工の状況により適宜選択すれば
良い。
【0029】本発明において、成形品の外部に露出した
端部を覆うために使用するテープは、通常電力ケーブル
の防水処理に使用されるパテテープ、自己融着テープお
よび粘着ビニルテープが、通常の方法で使用できる。
【0030】以下、具体的な例により本発明の実施態様
を説明するが、使用したケーブルはいずれも600V3
相で、幹線はCVケーブル、分岐線はPVケーブルを用
い、形成した分岐接続部の性能評価は、以下に示す項目
と方法で行なった。 1)絶縁抵抗 常温で分岐接続部を水中に入れ、水深1mで30分保持
した後、導体とアース間の絶縁抵抗をDC1kVにて測
定した。200MΩ以上を良好とした。 2)交流耐電圧 常温で分岐接続部を水中に入れ、水深1mで30分保持
した後、導体とアース間にAC3kVを1分間かけ絶縁
破壊の有無を確認した。 3)導体温度上昇 導体温度が100℃となる電流を連続通電し、接続部の
温度を測定した。分岐部の温度が導体温度以下であれば
良好とした。 4)冷熱サイクル 分岐接続部を水中に浸漬した状態で幹線ケーブルにその
ケーブルの定格電流を2時間通電、2時間通電なしを1
サイクルとしてこれを60サイクル行った後に、水密
性、絶縁抵抗、耐電圧を測定した。絶縁抵抗および耐電
圧はそれぞれ前記1)、2)に示す方法で測定し、それ
らの結果より水密性を評価した。 5)耐振動 分岐接続部全体を5箇所で保持し、振幅4mm、周波数
16.7Hzで上下および左右各1時間の振動を与え、
試験前と試験後の絶縁抵抗、交流耐電圧および破壊電圧
を測定した。 6)破断張力(導体把持力) 幹線ケーブルの導体を引張試験機のチャックで保持し、
25mm/分の速度で引張り分岐接続部の引張り破断強
度を測定した。 7)耐水圧 分岐接続部を水中に入れ、水圧1kg/cm2にて30
分保持後、水圧を5kg/cm2に上げ1週間放置し
た。試験後の絶縁抵抗、交流耐電圧および破壊電圧を測
定した。 8)交流破壊電圧 前記2)の交流耐電圧測定を実施後、30秒毎に100
0Vづつ昇圧し、絶縁破壊した電圧を測定した。
【0031】(実施例1)導体サイズ325mm2(以
下単位をSQと略称する)の幹線CVケーブルと100
SQの分岐線PVケーブル約1.5mを次の手順で分岐
接続した。 1)幹線CVケーブルを分岐接続中心で切断し、中心よ
り両側へ約75mmの長さで絶縁体およびシースを、さ
らに約30mmの長さでシースを剥離した。 2)ケーブル切断部を清拭し、熱収縮性二又成形品(以
下二又分岐管と略称する)の一方の分岐肢を切断部の両
側へ挿入した。二又分岐管は、表1の実施例1に示す寸
法のものを用いた。 3)分岐線PVケーブルの中央部において、絶縁体およ
びシースを約150mmの長さで剥離し、幹線ケーブル
切断部に挿入している2個の前記二又分岐管の他方の分
岐肢へ、この分岐ケーブルを挿入した。 4)幹線CVケーブルを突合せ、分岐線の絶縁体および
シース剥離部を幹線ケーブルの絶縁体およびシース剥離
部に沿わせC型コネクターを装着し、この中央を幹線ケ
ーブルの導体突合せ部に合せて、圧縮装置により中心部
より片側各3個所計6個所圧縮した。使用したC型コネ
クターは、表1の実施例1に示す寸法のものを用いた。 5)片側の二又分岐管を又部が当たるまで分岐接続部に
挿入し、両端から接着剤がはみ出るまでホットガンにて
2又分岐管を加熱・収縮した。 6)もう一方の二又分岐管を又部が当たるまで分岐接続
部に挿入し、前記と同様に加熱・収縮した。この際、二
又分岐管の胴部の重なりは30mmであった。7)二又
分岐管の端部4箇所に、それぞれパテテープを一周、自
己融着テープを1/2重ね2回、粘着ビニルテープを1
/2重ね1回、この順で巻付けて分岐接続を完了した。
分岐接続部の性能評価は、前記の絶縁抵抗、交流耐電
圧、導体温度上昇、導体把持力および冷熱サイクルにつ
いて行ない、結果を表1に示した。
【0032】(比較例1)C型コネクターの長さが50
mmで、幹線ケーブルと分岐ケーブルの導体圧縮が計3
個所であることを除くと実施例1と同様の構成品および
方法で分岐接続を行った。分岐接続部の性能評価は、絶
縁抵抗、交流耐電圧、導体温度上昇、導体把持力および
交流破壊電圧について行ない、結果を表1に示した。
【0033】(実施例2、3、4、5)表1に示すケー
ブル、C型コネクターおよび成形品を用いて、実施例1
と同様な手順・方法で分岐接続部を形成し、性能評価を
行なった。結果を、表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】実施例は、何れの特性についても良好な結
果を示しており、「電気設備技術基準」に規定された接
続部に関する要求を満足し、導体温度上昇試験において
分岐接続部の温度は導体温度以下であった。また、破断
張力(導体把持力)は、一般に「導体断面積×7」(k
g)で表される導体許容張力の凡そ50%以上の値を示
しており、幹線ケーブルの横引き布設においては全く問
題ないレベルであった。一方、比較例1は、C型コネク
ターとして従来用いられている、幹線導体の断面積と分
岐線導体の断面積の和の平方根の約3倍の長さをもつも
のを用いているため、導体温度上昇試験において分岐接
続部の温度が導体温度を超え、「電気設備技術基準」の
基準を満足せず、破断張力も対応するサイズの実施例3
の半分以下の値にとどまっている。
【0036】次に、600V3相200SQの幹線CV
ケーブルと100SQの分岐線PVケーブルを本発明の
構造で分岐接続した例(前記実施例3)を、従来のテー
プ巻き法および常温硬化型の樹脂注入法による構造で分
岐接続した例と、施工面から比較して具体的に示した。
【0037】(比較例2)実施例3と同サイズの幹線ケ
ーブルおよび分岐ケーブルを用いて、通常のテープ巻き
法にて、次の概略手順で分岐接続を行なった。 1)幹線CVケーブルの分岐接続予定部で、約75mm
の長さで絶縁体およびシースを剥離した。一方、分岐ケ
ーブルは、先端から約65mmを同様に剥離した。 2)幹線ケーブルの剥離部と分岐線ケーブルの剥離部を
沿わせてC型コネクターで3個所圧縮し、1つの分岐接
続を形成した。使用したC型コネクターは、表1の比較
例1に示す寸法のものを用いた。 3)前記の分岐接続部および幹線ケーブルの絶縁・シー
スを被った部分約50mm、分岐ケーブルの絶縁・シー
スを被った部分約50mmを、自己融着テープを用いて
隙間なく被覆した。自己融着テープは、19mm幅のも
のを約20m使用した。 4)前記の自己融着テープの上から、PVC粘着テープ
を全面にわたり巻付け、分岐接続部の防水処理を完成し
た。
【0038】(比較例3)実施例3と同サイズの幹線ケ
ーブルおよび分岐ケーブルを用いて、通常の常温硬化型
ウレタン樹脂注入法にて、次の概略手順で分岐接続を行
なった。 1)比較例2の1)および2)と同様の手順・方法で、
分岐接続部の導体接続を行なった。 2)前記の分岐接続部に、長さ約360mmの半割れ樹
脂ケースを装着した。この際、当該樹脂ケースの端部で
幹線ケーブルおよび分岐線ケーブルと接触する箇所には
予めケーブル上に自己融着テープを巻付け、樹脂ケース
端部が自己融着テープを介してケーブルに十分密着する
ようにした。 3)前記樹脂ケース上部の注入孔より二液性の常温硬化
型ウレタン樹脂を注入し、注入孔を密閉した。 4)樹脂ケースの端部および隣接するケーブル絶縁被覆
上に、自己融着テープおよび粘着PVCテープをこの順
に巻付け、分岐接続部の防水保護を完成した。 5)前記の分岐接続部は、注入したウレタン樹脂が硬化
するまで約24時間動かさないで放置しておいた。
【0039】実施例3、比較例2および比較例3による
分岐接続の施工性を比較した結果を表2に示した。実施
例3は、比較例2および比較例3いずれの場合よりも短
時間で作業が完了し特別なスキルが不要であった。ま
た、分岐接続部の長さはテープ巻き法に比べて長いもの
の、外径は同等であり、樹脂注入法に比べるとコンパク
トな仕上がりであった。比較例2のテープ巻き法は、分
岐接続部の長さが短く材料コストも低いが、作業に高い
スキルが必要であり、経験が不十分な作業者が行なった
場合防水性能にバラツキが出ることを危惧させる方法で
あった。比較例3の樹脂注入法は、特別なスキルは不要
であるが、完成した分岐接続部のサイズが大きく、材料
コストも3つの方法の中では最も高かった。
【0040】
【表2】
【発明の効果】本発明の分岐接続構造を用いることによ
り、「電気設備技術基準」に定められた接続部に対する
要求性能を満足しコンパクトで信頼性が高い接続と、作
業性に優れ防水性能が高い絶縁保護被覆を併せ持つ分岐
接続を行うことができるため、特に都市部での需要が増
加しつつある低圧幹線から需要家への引込み分岐を効果
的に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分岐接続部の例を示す図。
【図2】本発明の分岐接続部の導体接続に使用するC型
コネクターの例を示す図。
【図3】本発明の分岐接続部の絶縁保護に使用する熱収
縮性成形品の例を示す図。
【符号の説明】
1 :C型コネクター 2−1、2−2:二又分岐管 3−1、3−2:幹線ケーブル 4−1、4−2:幹線ケーブルの導体 5−1、5−2:幹線ケーブルの絶縁層 6 :分岐ケーブル 7 :分岐ケーブルの導体 8 :分岐ケーブルの絶縁層 11 :パテテープ 12 :自己融着テープ 13 :粘着ビニルテープ 14、15、16、17、18:収縮性成形品の端部 20−1、20−2:圧縮位置表示 21 :熱収縮性二又分岐管の胴部 22 :熱収縮性二又分岐管の分岐部 23 :接着剤あるいは粘着剤層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低圧地中配電ケーブルの幹線から、1以
    上の分岐線により分岐を行う分岐接続において、前記幹
    線を分岐接続箇所で切断して導体を突合わせ、この突合
    わせ部に分岐線の導体を平行に沿わせ、前記幹線の切断
    部の導体と前記分岐線の導体を一括して、前記幹線の導
    体の断面積と前記分岐線の導体の断面積の和の平方根の
    4〜10倍の長さを有するC型コネクターで圧縮するこ
    とにより電気的、機械的な接続部を形成し、胴部と2以
    上の分岐部を持つ成形品により、前記の接続部を被覆
    し、前記成形品の少なくとも端部に防水処理を施すこと
    を特徴とする分岐接続構造。
  2. 【請求項2】 C型コネクターが長手方向に4箇所以上
    の圧縮位置表示をもち、当該圧縮位置表示の内中央の2
    箇所の距離が他の隣合う2箇所の距離の約2倍であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の分岐接続構造。
  3. 【請求項3】 胴部と2以上の分岐部を持つ成形品が収
    縮性であり、少なくとも当該胴部の先端部分および当該
    分岐部の先端部分の内面に防水型接着剤の層を設けるこ
    とを特徴とする請求項1記載の分岐接続構造。
  4. 【請求項4】 分岐接続部の一方の側を前記収縮性成形
    品で被覆した後、前記分岐接続部の他方の側を前記収縮
    性成形品で被覆するに際して、前記2つの収縮性成形品
    の胴部を重ね合わせることを特徴とする請求項3記載の
    配電ケーブルの分岐接続構造。
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