JP2000004097A - 複合磁性体シートの製造方法 - Google Patents

複合磁性体シートの製造方法

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JP2000004097A
JP2000004097A JP16827398A JP16827398A JP2000004097A JP 2000004097 A JP2000004097 A JP 2000004097A JP 16827398 A JP16827398 A JP 16827398A JP 16827398 A JP16827398 A JP 16827398A JP 2000004097 A JP2000004097 A JP 2000004097A
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典彦 小野
栄▲吉▼ ▲吉▼田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現状より磁気共鳴周波数frを低い周波数帯
に適用させ、高い比透磁率特性を備えた電磁干渉を抑制
する複合磁性体シートを得るための製造方法を提供する
こと。 【解決手段】 扁平状磁性粉末と溶媒に溶解した結合剤
を混練し、これをコーティングすることによって磁性粉
末が面内方向に配向・配列された複合磁性体シートを得
る方法であって、前記磁性粉末は、焼鈍処理によつて応
力歪みを除去されたものであると共に、前記複合磁性体
シー卜の面内に垂直な方向に圧力を印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電性ノイズ等の
電磁干渉を抑制する複合磁性体シートの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、デジタル電子機器をはじめとする
電子装量は、回路の高速化や高機能化に伴い、高密度配
線化されており、更には半導体素子等の誘電性ノイズを
放射する能動素子と受動素子との混在回路で小型化が成
されている。
【0003】更には、信号処理速度の高速化、高周波
化、小型化に伴う、静電結合、電磁結合による線間結合
の増大化、放射ノイズによる干渉などが生じ、機器の正
常な動作を妨げる事態が少なからず生じている。
【0004】これらの高速化・高機能化・高密度化され
た電子装置におけるノイズ対策、所謂、電磁波障害、特
に準マイクロ波帯におけるノイズ対策としてローパスフ
ィルタ等を部品の設置やシールディングを行う等の方法
がある。
【0005】部品を設けることによるノイズ対策では、
実装するスペースが必要になり小型化、薄型化にはむか
ない。インダクタンス部品は、実数部透磁率μ´に寄与
し、現状準マイクロ波帯でのインダクタンスに不足す
る。
【0006】また、シールディングを行った場合、例え
ば、不用意な遮蔽は二次的な電磁結合を引き起こす可能
性がある。
【0007】そこで、特開平7−212079号公報ま
たは特願平7−183911号に見られるような電磁干
渉を抑制できる複合磁性体シートが提案されている。こ
の複合磁性体シートは、準マイクロ波帯に対応し、高い
実数部透磁率μ′と広範囲に亘る虚数部透磁率μ´´を
利用した電波吸収体として、放射ノイズの透過性、なら
びに二次的な電磁結合を軽減でき、これらによって、ノ
イズ対策及び商品開発にかかる負担の軽減と小型化・高
密度化への障害を回避できるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】小型化、軽量化がいっ
そう厳しくなる昨今、準マイクロ波帯におけるノイズ対
策として、前述の電磁干渉を抑制する複合磁性体シート
の活躍が期待される。
【0009】しかしながら、市場においては、準マイク
ロ波帯よりも低い周波数帯における、跡付け対策可能で
ある等のより使い勝手の良いノイズ部品も求められてい
る。例えば、移動体通信機器などのハンディタイプにお
ける電子機器において、重いフェライトでは、割れる可
能性や、更に配置の問題があるため設置できなかった
り、ゴムフフェライトでは、十分なノイズ抑制効果がで
きない場合が、特に数中MHz〜100MHz近傍で報
告されている。
【0010】そこで、主に準マイクロ波帯に対応してい
た前述の複合磁性体シートを、現状より低い周波数帯に
適用させる必要性が出てきた。
【0011】ここで、準マイクロ波帯よりも低い周波数
に適するためには、現状の磁気共鳴周波数frを低周波
数側に移行させ、かつ高い実数部透磁率μ´を実現する
必要がある。
【0012】そこで、本発明の技術的課題は、現状より
磁気共鳴周波数frを低い周波数帯に適用させ、高い比
透磁率特性を備えた電磁干渉を抑制する複合磁性体シー
トを得るための製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】現在準マイクロ波帯対応
の複合磁性体シートが既に製品化されているが〜100
MHz以下の周波数に対応するためには、高い透磁率を
低い共鳴周波数で実現する事が重要になる。前述の従来
から有る複合磁性体シートの原料として、扁平状の軟磁
性体粉末が用いられる。これは、略球状ないし不定形状
の粗粉末を溶媒中で機械的に摩砕処理することにより得
られるもので、前記粗粉末は、原料メルトを冷媒中にア
トマイズする直接造粒や、原料インゴットを出発原料と
し、これを機械粉砕することで得られるものである。こ
のように扁平化させた原料粉末を用いることで、高周波
における高透磁率の実現を見たが、このような工程を経
て製作された原料粉末には応力歪みが残留している。
【0014】本課題を解決するため、低い共鳴周波数を
実現する手段としては、粉末自体の残留応力を低下させ
ること、または結晶相を規格化させることが必要であ
る。
【0015】これについては、主に粉末の焼鈍処理を行
い応力歪みを緩和させることで実現できることが特開平
9−93034号公報にて実証ずみである。また、より
高い透磁率を実現するために、前述の焼鈍処理された磁
性粉末を、ドクタープレード法などで面内方向に配向・
配列させ製膜された複合磁性体シートを用い、更に前記
複合磁性体シートの面内に垂直な方向に圧力を印加すこ
とで得ることができる。
【0016】そこで、前記複合磁性体シートへの圧力の
印加は、結合剤のガラス転移温度Tg以上の温度下にて
行うことで高い透磁率を実現できることを見出だし、本
発明を為すに至ったものである。
【0017】即ち、本発明によれば、扁平状磁性粉末と
溶媒に溶解した結合剤を混練し、これをドクターブレー
ド法等を用いてコーティングすることにより磁性粉末が
面内方向に配向・配列された複合磁性体シートを得る方
法であって、前記磁性粉末は、焼鈍処理によつて応力歪
みを除去されたものであると共に、前記複合磁性体シー
卜の面内に垂直な方向に圧力を印加することを特徴とす
る複合磁性体シートの製造方法が得られる。
【0018】また、本発明によれば、前記複合磁性体シ
ートの製造方法において、前記複合磁性体シートへの圧
力の印加を、前記結合剤のガラス転移温度Tg以上の温
度下にて行うことを特徴とする複合磁性体シー卜の製造
方法が得られる。
【0019】また、本発明によれば、前記いずれかの複
合磁性体シー卜の製造方法において、前記焼鈍処理によ
って応力歪みが緩和された扁平状磁性粉末を用いて製膜
された前記複合磁性体シートにおいて、前記結合剤のガ
ラス転移温度Tg以上の温度と、シート面内に対し垂直
に印加する圧力をもって、シート化された扁平状磁性粉
末の歪みを緩和することを特徴とする複合磁性体シー卜
の製造方法が得られる。
【0020】また、本発明によれば、前記いずれかの複
合磁性体シートの製造方法において、前記結合剤の軟化
点以上の温度を加えた状態で、前記複合磁性体シートの
面内に垂直な方向に圧力を印加し、熱プレスによる圧延
をもって扁平状磁性体粉末の配向を促すことを特徴とす
る複合磁性体シートの製造方法が得られる。
【0021】更に、本発明によれば、前記いずれかの複
合磁性体シートの製造方法において、面内に垂直に加え
る圧力は、適切な圧力で熱プレスと冷却プレスを行うこ
とで、所望の比透磁率に対し、調整可能な事を特徴とす
る複合磁性体シートの製造方法が得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0023】本発明の実施の形態においては、軟磁性体
として、高周波透磁率の大きい鉄アルミ珪素合金(セン
ダスト(登録商標))を用い、前記センダストは、略球
状ないし不定形状の粗粉末状態から、溶媒中で機械的に
摩砕処理することにより、扁平化された原料としてい
る。同原料を用い、扁平化の際に生じている応力歪みを
緩和させるため、高温乾燥炉にて窒素ガスを導入しなが
ら焼鈍処理を行った。
【0024】更に、前記焼鈍処理済みの粉末を用い、結
合剤と調合し、ドクターブレード法により磁性粉末を面
内方向に配向・配列させて製膜し、結合剤のガラス転移
温度Tg以上の温度で複合磁性体シートの面内に垂直な
方向に熱プレスを行う。
【0025】また、熱プレス後の成形を確保するため本
実施例では、冷却プレスも行っている。冷却プレスを行
わずとも数割高い比透磁率のものは得られるが、作業効
率の点から自然冷却よりも冷却プレスを行った方がよい
と考える。
【0026】本発明の一構成要素として用いる有機結合
剤としては、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、
エポキシ樹脂等、あるいはそれら共重合体を挙げること
ができる。尚、以下に述べる本発明の実施の形態におい
ては、ポリウレタン樹脂を用いた例を示すが本発明はこ
れに限定されるものではない。
【0027】(第1の実施の形態)本発明の実施の形態
においては、軟磁性体として、高周波透磁率の大きい鉄
アルミ珪素合金(センダスト(登録商標))を用い、前
記センダストは、略球状ないし不定形状の粗粉末状態か
ら、溶媒中で機械的に摩砕処理することにより、扁平化
された原料としている。同原料を用い、扁平化の際に生
じている応力歪みを緩和させるため、高温乾燥炉にて窒
素ガスを導入しながら焼鈍処理温度650℃、2時間焼
鈍処理を行った。
【0028】更に、前記焼鈍処理済みの粉末を用い、下
記表1に示す配合比となるように、結合剤と調合し、ド
クターブレード法により磁性粉末を面内方向に配向・配
列させて製膜し、結合剤のガラス転移温度Tg以上の温
度で複合磁性体シートの面内に垂直な方向に、熱プレス
条件として予熱/時間:80℃/1min、加圧/時
間:200(kg/cm2 )/3min、冷却/加圧/
時間:常温/同圧力/1minで、熱プレスを行う。
【0029】また、熱プレス後の成形を確保するため本
実施の形態では、冷却プレスも行っている。冷却プレス
を行わずとも数割高い比透磁率のものは得られるが、作
業効率の点から自然冷却よりも冷却プレスを行った方が
よいと考える。
【0030】本発明の一構成要素として用いる有機結合
剤としては、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、
エポキシ樹脂等、あるいはそれら共重合体を挙げること
ができる。
【0031】
【表1】
【0032】上記にて得られた複合磁性体の特性を調査
した。
【0033】図1(A)は第1の実施の形態によって得
られた実数部透磁率−周波数特性を示す図である。図1
(B)は、比較の為に、プレス前の焼鈍処理粉をドクタ
ーブレード法にて製膜した複合磁性体の比透磁率特性を
示す図である。また、図1(C)は、同様に製膜した焼
鈍処理前の比透磁率特性を示す図である。
【0034】図1中(B)、(C)から解るように、焼
鈍処理により曲線3に示される実数部透磁率μ´の磁気
共鳴周波数frは、焼鈍処理前の図1(C)の曲線5と
比較し数十MHz低下し、かつ実数部透磁率μ´は、倍
になつていることが解る。
【0035】また、図1(B)の曲線4に示す虚数部透
磁率μ´´も図1(C)の曲線6に示されるものより
も、前記同様に同レベルの増加が見られ、その立ち上が
りも低周波側に移行している。
【0036】更に、前記焼鈍処理済みの製膜されたシー
トを用い、本発明を実施した場合、図1(A)から解る
ように、夫々曲線1、2に示される透磁率の実数部及び
虚数部共により大きくなる。その際、実数部透磁率μ´
の磁気共鳴周波数frに目立つ変動はなく、プレス前の
状態をほぼ維持するものであった。
【0037】本第1の実施の形態で述べたように、複合
磁性体シートに用いられる結合剤のTg以上の予熱を加
えて、シート内に混在するエアーの抜けやすい状態にし
ておくことが望ましい。予熱を加える方法については量
産を考慮して対応できれば特に問わない。
【0038】また、本発明においては、焼鈍処理粉をド
クタープレード法にて製膜し、前記製膜された電磁干渉
抑制体シートに熱プレスを施すことで空隙の最小化を行
い、焼鈍処理済みの軟磁性体粉末を面内方向に、より配
向させ高密度にでき反磁界も極小に押さえられ、結果と
して高透磁率が実現できている。
【0039】図2は焼鈍処理前の複合磁性体シートを同
方法で熱プレスした場合のデータを示す図である。図2
を参照すると、焼鈍処理無しでは、同様に熱プレスして
も、焼鈍処理後の製膜シート実数部透磁率μ´レべルを
実現できない。
【0040】また図2、熱プレス後の実数部透磁率μ´
の磁気共鳴周波数frに、前述の焼鈍処理後における熱
プレスの効果は見られない。
【0041】図3は、焼鈍処理前後の試作データから、
磁気共鳴周波数frと密度との関係を記した。焼鈍処理
前の近似線21と比べ焼鈍処理後近似線22は、密度1
(g/cm3 )あたり約6倍の傾きで実数部透磁率の上
昇が確認された。
【0042】これらの実証例から、焼鈍処理後の扁平状
軟磁性粉末を用いて、ドクターブレード法などで製膜し
た複合磁性体シートの、面内方向に対し垂直に加熱プレ
スすることで、実数部透磁率μ´の磁気共鳴周波数を一
桁低周波側に移行させ高透磁率特性を持つ複合磁性体シ
ートを提供できる。
【0043】また、硬化剤として、熱硬化型を用いるこ
とで、より製品の対環境性の安定度を向上させることも
可能である。
【0044】更に、本発明によると、前記複合磁性体シ
ートの面内方向への熱プレスを行う際に、結合剤のTg
以上の温度で内部の空隙を埋め、より扁平状磁性粉末を
配向・配列させるだけでなく、温度と圧力によって機械
的に歪みを緩和できる。
【0045】また、下記温度と圧力を印加することで、
シートを圧延できればその効果(配向・配列)も加わ
り、高透磁率を実現できる。
【0046】(第2の実施の形態)第2の実施の形態に
おいては、軟磁性体として、高周波透磁率の大きい鉄ア
ルミ珪素合金(センダスト(登録商標))を用い、前記
センダストは、略球状ないし不定形状の粗粉末状態か
ら、溶媒中で機械的に摩砕処理することにより、扁平化
された原料としている。同原料を用い、扁平化の際に生
じている応力歪みを緩和させるため、高温乾燥炉にて窒
素ガスを導入しながら焼鈍処理温度650℃、2時間焼
鈍処理を行った。
【0047】更に、前記焼鈍処理済みの粉末を用い、下
記表2に示す配合比となるように、結合剤と調合し、ド
クターブレード法により磁性粉末を面内方向に配向・配
列させて製膜し、結合剤のガラス転移温度Tg以上の温
度で複合磁性体シートの面内に垂直な方向に、熱プレス
条件として予熱/時間:180℃/1min、加圧/時
間:300(kg/cm2 )/3min、冷却/加圧/
時間:常温/同圧力/1minで、熱プレスを行った。
また、熱プレス後の成形を確保するため本実施の形態で
は、冷却プレスも行っている。
【0048】
【表2】
【0049】第2の実施の形態による複合磁性体の実数
部透磁率データを下記表3に示す。比較にプレス前のデ
ータと、第1の実施の形態の条件下でのプレス後データ
を記載する。
【0050】
【表3】
【0051】本第1の実施の形態における効果におい
て、磁気共鳴周波数frに数MHz低周波数側へのシフ
トが確認された。本来であればプレス工程によって生じ
た歪みによって、数MHz磁気共鳴周波数は若干高くな
る。
【0052】しかしながら、本発明に係る第2の実施の
形態によれば、その生じた歪みを緩和できる。明らかに
磁気共鳴周波数がシフトしていることを上記表1の第2
の実施の形態のプレス後のデータで確認できた。
【0053】また、実数部透磁率μ´の向上は、試料が
面積的に10%〜20%増加しており、試料を面方向に
圧延することによって、内部の扁平状磁性粉末が機械的
に配向・配列されたものと考えられる。
【0054】第1の実施の形態に係る条件では、下記表
4に示すように、10%以上の圧延を期待することは困
難で、圧力を増しても(例えば、約1000kg/cm
2 以上)、比透磁率の向上は期待できず、むしろ磁気共
鳴周波数frの点からも、目的とは逆になっていく傾向
を確認している。
【0055】
【表4】
【0056】前述までの内容から、試料を形成している
結合剤の逃げ場が無い場合、過剰な力は、扁平磁性粉末
に歪みを発生させ、結合剤の逃げ場が有る場合には、印
加した力が扁平状磁性粉末の歪みを緩和する事になるこ
とが確認できた。
【0057】本第2の実施の形態に係る、焼鈍処理によ
って歪みが緩和された扁平状磁性粉末を用い、製膜され
た複合磁性体シートを用いて、前記結合剤のガラス転移
温度Tg以上の温度と、シート面内に対し垂直に圧力を
印加することで、シート化された扁平状磁性粉末の歪み
をより緩和できた複合磁性体シートが得られる。
【0058】また、前記複合磁性体シートの面内に垂直
な方向に圧力を印加し、熱プレスによる圧延をもつて扁
平状磁性体粉末の配向を促すことで、より高い比透磁率
を備えた複合磁性体シートが得られる。
【0059】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、焼鈍処理された扁平状磁性粉末を製膜した複合磁性
体シー卜を用い、従来の準マイクロ波帯で対応する複合
磁性体よりも、より低い周波数帯に実数部透磁率μ´の
磁気共鳴周波数を移行させ、高い実数部透磁率と広範囲
な高い虚数部透磁率特性を得ることができる。すなわ
ち、準マイクロ波対よりも低い周波数帯に対応した、電
磁波の干渉抑制に有効な複合磁性体の製造方法を提供で
きる。
【0060】また、本発明によれば、多少異なる磁気異
方性Hkを有する原料であっても、または焼鈍処理済み
の粉末充填量を落し、比透磁率を押さえたものであって
も、高透磁率の調整も可能となる複合磁性体の製造方法
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は第1の実施の形態にて作成した試料の
比透磁率−周波数特性図である。(B)は焼鈍処理後の
製膜シートの比透磁率−周波数特性図である。(C)は
焼鈍処理前の複合磁性体シートの比透磁率−周波数特性
図である。
【図2】焼鈍処理前複合磁性体シートのプレス前後の比
透磁率−周波数特性図である。
【図3】焼鈍処理前後の体積密度−実数部透磁率μ´特
性図である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4K018 BB10 BC12 BD05 CA08 CA12 GA02 GA04 KA04 5E321 BB32 BB44 BB53 GG05 5J020 EA02 EA06 EA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 扁平状磁性粉末と溶媒に溶解した結合剤
    を混練し、これをコーティングすることによって磁性粉
    末が面内方向に配向・配列された複合磁性体シートを得
    る方法であって、前記磁性粉末は、焼鈍処理によつて応
    力歪みを除去されたものであると共に、前記複合磁性体
    シー卜の面内に垂直な方向に圧力を印加することを特徴
    とする複合磁性体シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の複合磁性体シートの製造
    方法において、前記複合磁性体シートへの圧力の印加
    は、前記結合剤のガラス転移温度Tg以上の温度下にて
    行われることを特徴とする複合磁性体シー卜の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の複合磁性体シー卜
    の製造方法において、前記焼鈍処理によって応力歪みが
    緩和された扁平状磁性粉末を用いて製膜された前記複合
    磁性体シートにおいて、前記結合剤のガラス転移温度T
    g以上の温度と、シート面内に対し垂直に印加する圧力
    をもって、シート化された扁平状磁性粉末の歪みを緩和
    することを特徴とする複合磁性体シー卜の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の内のいずれかに記載の
    複合磁性体シートの製造方法において、前記結合剤の軟
    化点以上の温度を加えた状態で、前記複合磁性体シート
    の面内に垂直な方向に圧力を印加し、熱プレスによる圧
    延をもって扁平状磁性体粉末の配向を促すことを特徴と
    する複合磁性体シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の内のいずれかに記載の
    複合磁性体シートの製造方法において、面内に垂直に加
    える圧力は、適切な圧力で熱プレスと冷却プレスを行う
    ことで、所望の比透磁率に対し、調整可能な事を特徴と
    する複合磁性体シートの製造方法。
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