JP2000003802A - 正特性サーミスタの製造方法 - Google Patents
正特性サーミスタの製造方法Info
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- JP2000003802A JP2000003802A JP16786698A JP16786698A JP2000003802A JP 2000003802 A JP2000003802 A JP 2000003802A JP 16786698 A JP16786698 A JP 16786698A JP 16786698 A JP16786698 A JP 16786698A JP 2000003802 A JP2000003802 A JP 2000003802A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 室温での抵抗値が低い正特性サーミスタを提
供することを目的とする。 【解決手段】 チタン酸バリウム固溶体を主成分とする
正特性サーミスタ素子を窒素、炭酸ガスあるいは窒素と
炭酸ガスの混合ガス中で正特性サーミスタ素子の抵抗温
度特性の最大抵抗値を示す温度より高温で熱処理する。
供することを目的とする。 【解決手段】 チタン酸バリウム固溶体を主成分とする
正特性サーミスタ素子を窒素、炭酸ガスあるいは窒素と
炭酸ガスの混合ガス中で正特性サーミスタ素子の抵抗温
度特性の最大抵抗値を示す温度より高温で熱処理する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は正特性サーミスタの
製造方法に関するものである。
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、まずチタン酸バリウムを主成分と
した原料粉末を所望の形状に成形した後、焼成して得ら
れた正特性サーミスタ素体の表面に電極を形成して正特
性サーミスタを得ていた。
した原料粉末を所望の形状に成形した後、焼成して得ら
れた正特性サーミスタ素体の表面に電極を形成して正特
性サーミスタを得ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】正特性サーミスタは、
室温での比抵抗が小さく、耐電圧が高いものが望まれて
いる。上記方法で製造した正特性サーミスタにおいて、
室温での比抵抗が低いものは抵抗温度特性の抵抗値変化
が小さいため耐電圧が低く、耐電圧が高いものは比抵抗
が高いという問題点を有していた。そこで本発明は、室
温での比抵抗が小さく、抵抗温度特性の抵抗値変化の大
きい正特性サーミスタを提供することを目的とするもの
である。
室温での比抵抗が小さく、耐電圧が高いものが望まれて
いる。上記方法で製造した正特性サーミスタにおいて、
室温での比抵抗が低いものは抵抗温度特性の抵抗値変化
が小さいため耐電圧が低く、耐電圧が高いものは比抵抗
が高いという問題点を有していた。そこで本発明は、室
温での比抵抗が小さく、抵抗温度特性の抵抗値変化の大
きい正特性サーミスタを提供することを目的とするもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の正特性サーミスタの製造方法は、正特性サー
ミスタ素子を窒素中あるいは炭酸ガス中あるいは窒素と
炭酸ガスの混合ガス中で前記正特性サーミスタ素子の抵
抗温度特性の最大抵抗値を示す温度より高温で熱処理す
ることを特徴とするものであり、正特性サーミスタ素子
を空気中より酸素濃度が低い雰囲気中で熱処理すること
により、酸素欠陥に伴う伝導電子が生成するため比抵抗
は低くなるが、窒素や炭酸ガス雰囲気は還元力が弱いの
で抵抗温度特性の低下は小さく、比抵抗は低いが耐電圧
の高い正特性サーミスタを得ることができ、上記目的を
達成することができる。
に本発明の正特性サーミスタの製造方法は、正特性サー
ミスタ素子を窒素中あるいは炭酸ガス中あるいは窒素と
炭酸ガスの混合ガス中で前記正特性サーミスタ素子の抵
抗温度特性の最大抵抗値を示す温度より高温で熱処理す
ることを特徴とするものであり、正特性サーミスタ素子
を空気中より酸素濃度が低い雰囲気中で熱処理すること
により、酸素欠陥に伴う伝導電子が生成するため比抵抗
は低くなるが、窒素や炭酸ガス雰囲気は還元力が弱いの
で抵抗温度特性の低下は小さく、比抵抗は低いが耐電圧
の高い正特性サーミスタを得ることができ、上記目的を
達成することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、正特性サーミスタ素子を窒素、炭酸ガスあるいは窒
素と炭酸ガスの混合ガス中で前記正特性サーミスタ素子
の抵抗温度特性の最大抵抗値を示す温度より高温で熱処
理することを特徴とする正特性サーミスタの製造方法で
あり、室温での抵抗値が低い正特性サーミスタを得るこ
とができる。
は、正特性サーミスタ素子を窒素、炭酸ガスあるいは窒
素と炭酸ガスの混合ガス中で前記正特性サーミスタ素子
の抵抗温度特性の最大抵抗値を示す温度より高温で熱処
理することを特徴とする正特性サーミスタの製造方法で
あり、室温での抵抗値が低い正特性サーミスタを得るこ
とができる。
【0006】請求項2に記載の発明は、熱処理を酸素濃
度を0.0001〜0.1vol%の雰囲気で行うこと
を特徴とする請求項1に記載の正特性サーミスタの製造
方法であり、室温での抵抗値が低い正特性サーミスタを
得ることができる。
度を0.0001〜0.1vol%の雰囲気で行うこと
を特徴とする請求項1に記載の正特性サーミスタの製造
方法であり、室温での抵抗値が低い正特性サーミスタを
得ることができる。
【0007】請求項3に記載の発明は、熱処理を正特性
サーミスタ素子に電極を設けた後に行うことを特徴とす
る請求項1あるいは請求項2に記載の正特性サーミスタ
の製造方法であり、例えば電極ペーストを焼付け時の熱
処理による正特性サーミスタ素子への影響を防ぐことが
できる。
サーミスタ素子に電極を設けた後に行うことを特徴とす
る請求項1あるいは請求項2に記載の正特性サーミスタ
の製造方法であり、例えば電極ペーストを焼付け時の熱
処理による正特性サーミスタ素子への影響を防ぐことが
できる。
【0008】請求項4に記載の発明は、正特性サーミス
タ素子は、チタン酸バリウム0.4〜0.99モル、チ
タン酸ストロンチウム0〜0.4モル、チタン酸鉛0〜
0.4モル、チタン酸カルシウム0.01〜0.2モル
で合計1モルになるようにしたチタン酸バリウムの固溶
体を主成分とし、副成分として希土類元素あるいはN
b,Bi,Sbのうちから少なくとも1種類と、さらに
Si,Al,Mnを含有させたものである請求項1から
請求項3のいずれか一つに記載の正特性サーミスタの製
造方法であり、還元雰囲気中の熱処理により抵抗温度特
性の低下が小さい正特性サーミスタを得ることができ
る。
タ素子は、チタン酸バリウム0.4〜0.99モル、チ
タン酸ストロンチウム0〜0.4モル、チタン酸鉛0〜
0.4モル、チタン酸カルシウム0.01〜0.2モル
で合計1モルになるようにしたチタン酸バリウムの固溶
体を主成分とし、副成分として希土類元素あるいはN
b,Bi,Sbのうちから少なくとも1種類と、さらに
Si,Al,Mnを含有させたものである請求項1から
請求項3のいずれか一つに記載の正特性サーミスタの製
造方法であり、還元雰囲気中の熱処理により抵抗温度特
性の低下が小さい正特性サーミスタを得ることができ
る。
【0009】以下本発明の実施の形態について説明す
る。 (実施の形態1)まず、チタン酸バリウムを主成分とす
る正特性サーミスタ材料として、(Ba 0.8Sr0.075P
b0.075Ca0.05)TiO3+0.02SiO2+0.0
1Al2O 3+0.0005MnO3+0.002Y2O3
の組成となるようにBaCO3,SrCO3,PbO,C
aCO3,TiO2,Y2O3,SiO2,MnO2の各原料
をそれぞれ秤量し、ボールミルにて湿式混合し、乾燥す
る。次に、この正特性サーミスタ材料を空気中、110
0℃で2時間熱処理し、湿式粉砕して乾燥する。この粉
砕粉をポリビニルアルコールからなるバインダーを添加
し造粒し、1平方センチメートル当たり800kgの圧力
で直径12mm、厚さ2mmの円板状に成形した。次に、こ
の成形体を、正特性サーミスタ材料1300℃で2時間
焼成し焼結体を得た。次に、このようにして得られた焼
結体の上、下両面にAlペーストを印刷塗布後600℃
で焼付けし、電極を形成して正特性サーミスタ素子を得
た。この正特性サーミスタ素子の抵抗温度特性を測定し
たところ、最大抵抗値を示す温度は250℃であった。
次に、この焼結体を窒素と炭酸ガスを体積比で1:1に
混合した雰囲気中で、(表1)に示す温度で1時間熱処
理して正特性サーミスタを得た。
る。 (実施の形態1)まず、チタン酸バリウムを主成分とす
る正特性サーミスタ材料として、(Ba 0.8Sr0.075P
b0.075Ca0.05)TiO3+0.02SiO2+0.0
1Al2O 3+0.0005MnO3+0.002Y2O3
の組成となるようにBaCO3,SrCO3,PbO,C
aCO3,TiO2,Y2O3,SiO2,MnO2の各原料
をそれぞれ秤量し、ボールミルにて湿式混合し、乾燥す
る。次に、この正特性サーミスタ材料を空気中、110
0℃で2時間熱処理し、湿式粉砕して乾燥する。この粉
砕粉をポリビニルアルコールからなるバインダーを添加
し造粒し、1平方センチメートル当たり800kgの圧力
で直径12mm、厚さ2mmの円板状に成形した。次に、こ
の成形体を、正特性サーミスタ材料1300℃で2時間
焼成し焼結体を得た。次に、このようにして得られた焼
結体の上、下両面にAlペーストを印刷塗布後600℃
で焼付けし、電極を形成して正特性サーミスタ素子を得
た。この正特性サーミスタ素子の抵抗温度特性を測定し
たところ、最大抵抗値を示す温度は250℃であった。
次に、この焼結体を窒素と炭酸ガスを体積比で1:1に
混合した雰囲気中で、(表1)に示す温度で1時間熱処
理して正特性サーミスタを得た。
【0010】
【表1】
【0011】この正特性サーミスタの熱処理前の常温抵
抗値(R25)は9.6Ω、抵抗温度係数(α)は19.
5%/℃、抵抗値変化幅(Ψ)は3.7×105であっ
た。なお、常温抵抗値は25℃における温度、抵抗温度
係数は下式により計算によって求めたもの、抵抗値変化
幅(Ψ)はΨ=Log10(最大抵抗値/最小抵抗値)で
ある。
抗値(R25)は9.6Ω、抵抗温度係数(α)は19.
5%/℃、抵抗値変化幅(Ψ)は3.7×105であっ
た。なお、常温抵抗値は25℃における温度、抵抗温度
係数は下式により計算によって求めたもの、抵抗値変化
幅(Ψ)はΨ=Log10(最大抵抗値/最小抵抗値)で
ある。
【0012】〔In(R2/R1)/(T2−T1)〕
×100(%/℃) ただし、R1:常温抵抗値を2倍した抵抗値 T1:抵抗温度特性におけるR1を示す時の温度 T2:T1+30℃ R2:抵抗温度特性における温度T2の時の抵抗値 熱処理後の常温抵抗値(R25)、抵抗温度係数(α)、
抵抗値変化幅(Ψ)を(表1)に示した。
×100(%/℃) ただし、R1:常温抵抗値を2倍した抵抗値 T1:抵抗温度特性におけるR1を示す時の温度 T2:T1+30℃ R2:抵抗温度特性における温度T2の時の抵抗値 熱処理後の常温抵抗値(R25)、抵抗温度係数(α)、
抵抗値変化幅(Ψ)を(表1)に示した。
【0013】(表1)の試料番号1は本発明の範囲外の
もの、2〜5は本発明の範囲内のものである。
もの、2〜5は本発明の範囲内のものである。
【0014】(表1)から明らかなように試料番号2〜
5は熱処理前と比較し、抵抗値は低くなっている。
5は熱処理前と比較し、抵抗値は低くなっている。
【0015】(実施の形態2)まず、チタン酸バリウム
を主成分とする正特性サーミスタ材料として、(Ba
0.8Sr0.075Pb0.075Ca0.05)TiO3+0.02S
iO2+0.01Al2O 3+0.0005MnO3+0.
002Y2O3の組成となるようにBaCO3,SrC
O3,PbO,CaCO3,TiO2,Y2O3,SiO2,
MnO2の各原料をそれぞれ秤量し、ボールミルにて湿
式混合し、乾燥する。次に、この正特性サーミスタ材料
を空気中、1100℃で2時間熱処理し、湿式粉砕して
乾燥する。この粉砕粉をポリビニルアルコールからなる
バインダーを添加し造粒し、1平方センチメートル当た
り800kgの圧力で直径12mm、厚さ2mmの円板状に成
形した。次に、この成形体を、正特性サーミスタ材料1
300℃で2時間焼成し焼結体を得た。次に、このよう
にして得られた焼結体の上、下両面にAlペーストを印
刷塗布後600℃で焼付けし、電極を形成して正特性サ
ーミスタ素子を得た。この正特性サーミスタ素子の抵抗
温度特性を測定したところ、最大抵抗値を示す温度は2
50℃であった。次に、この焼結体を窒素と炭酸ガスを
単体または混合し、(表2)に示した酸素濃度にした雰
囲気中で、400℃で1時間熱処理して正特性サーミス
タを得た。
を主成分とする正特性サーミスタ材料として、(Ba
0.8Sr0.075Pb0.075Ca0.05)TiO3+0.02S
iO2+0.01Al2O 3+0.0005MnO3+0.
002Y2O3の組成となるようにBaCO3,SrC
O3,PbO,CaCO3,TiO2,Y2O3,SiO2,
MnO2の各原料をそれぞれ秤量し、ボールミルにて湿
式混合し、乾燥する。次に、この正特性サーミスタ材料
を空気中、1100℃で2時間熱処理し、湿式粉砕して
乾燥する。この粉砕粉をポリビニルアルコールからなる
バインダーを添加し造粒し、1平方センチメートル当た
り800kgの圧力で直径12mm、厚さ2mmの円板状に成
形した。次に、この成形体を、正特性サーミスタ材料1
300℃で2時間焼成し焼結体を得た。次に、このよう
にして得られた焼結体の上、下両面にAlペーストを印
刷塗布後600℃で焼付けし、電極を形成して正特性サ
ーミスタ素子を得た。この正特性サーミスタ素子の抵抗
温度特性を測定したところ、最大抵抗値を示す温度は2
50℃であった。次に、この焼結体を窒素と炭酸ガスを
単体または混合し、(表2)に示した酸素濃度にした雰
囲気中で、400℃で1時間熱処理して正特性サーミス
タを得た。
【0016】
【表2】
【0017】この正特性サーミスタの熱処理前の常温抵
抗値(R25)は9.6Ω、抵抗温度係数(α)は19.
5%/℃、抵抗値変化幅(Ψ)は3.7×105であっ
た。熱処理後の常温抵抗値(R25)、抵抗温度係数
(α)、抵抗値変化幅(Ψ)を(表2)に示した。
抗値(R25)は9.6Ω、抵抗温度係数(α)は19.
5%/℃、抵抗値変化幅(Ψ)は3.7×105であっ
た。熱処理後の常温抵抗値(R25)、抵抗温度係数
(α)、抵抗値変化幅(Ψ)を(表2)に示した。
【0018】試料番号6,11は本発明の範囲外のも
の、試料番号7〜10は本発明の範囲内のものである。
(表2)から明らかなように、本発明の範囲では、熱処
理によって低抵抗化するにもかかわらず、抵抗温度係数
がほとんど低下せず、抵抗変化幅は低下しない。試料番
号6に示すように、本発明の範囲より酸素濃度が低すぎ
ると、熱処理によって低抵抗化するが抵抗温度係数、抵
抗変化幅が著しく低下する。試料番号11に示すよう
に、本発明の範囲より酸素濃度が高いと、熱処理によっ
て低抵抗化しない。
の、試料番号7〜10は本発明の範囲内のものである。
(表2)から明らかなように、本発明の範囲では、熱処
理によって低抵抗化するにもかかわらず、抵抗温度係数
がほとんど低下せず、抵抗変化幅は低下しない。試料番
号6に示すように、本発明の範囲より酸素濃度が低すぎ
ると、熱処理によって低抵抗化するが抵抗温度係数、抵
抗変化幅が著しく低下する。試料番号11に示すよう
に、本発明の範囲より酸素濃度が高いと、熱処理によっ
て低抵抗化しない。
【0019】(実施の形態3)まず、チタン酸バリウム
を主成分とする正特性サーミスタ材料として、
を主成分とする正特性サーミスタ材料として、
【0020】
【化1】
【0021】の組成となるようにBaCO3,SrC
O3,PbO,CaCO3,TiO2,Y2O3,SiO2,
MnO2の各原料を(表3)の組成になるように秤量し
た。
O3,PbO,CaCO3,TiO2,Y2O3,SiO2,
MnO2の各原料を(表3)の組成になるように秤量し
た。
【0022】
【表3】
【0023】次いで、これらの原料をボールミルにて湿
式混合し、乾燥する。次に、この正特性サーミスタ材料
を空気中、1100℃で2時間熱処理し、湿式粉砕して
乾燥する。この粉砕粉をポリビニルアルコールからなる
バインダーを添加し造粒し、1平方センチメートル当た
り800kgの圧力で直径12mm、厚さ2mmの円板状に成
形した。次に、この成形体を、正特性サーミスタ材料1
300℃で2時間焼成し焼結体を得た。次に、このよう
にして得られた焼結体の上、下両面にAlペーストを印
刷塗布後600℃で焼付けし電極を形成して正特性サー
ミスタ素子を得た。この正特性サーミスタ素子のうち半
導体化したものについて抵抗温度特性を測定したとこ
ろ、最大抵抗値を示す温度は200〜260℃であっ
た。次に、この焼結体を窒素と炭酸ガスを体積比で1:
1に混合した雰囲気中で、400℃、1時間熱処理して
正特性サーミスタを得た。
式混合し、乾燥する。次に、この正特性サーミスタ材料
を空気中、1100℃で2時間熱処理し、湿式粉砕して
乾燥する。この粉砕粉をポリビニルアルコールからなる
バインダーを添加し造粒し、1平方センチメートル当た
り800kgの圧力で直径12mm、厚さ2mmの円板状に成
形した。次に、この成形体を、正特性サーミスタ材料1
300℃で2時間焼成し焼結体を得た。次に、このよう
にして得られた焼結体の上、下両面にAlペーストを印
刷塗布後600℃で焼付けし電極を形成して正特性サー
ミスタ素子を得た。この正特性サーミスタ素子のうち半
導体化したものについて抵抗温度特性を測定したとこ
ろ、最大抵抗値を示す温度は200〜260℃であっ
た。次に、この焼結体を窒素と炭酸ガスを体積比で1:
1に混合した雰囲気中で、400℃、1時間熱処理して
正特性サーミスタを得た。
【0024】この正特性サーミスタの熱処理前の常温抵
抗値(R25)、抵抗温度係数(α)、抵抗値変化幅
(Ψ)を(表4)に示した。
抗値(R25)、抵抗温度係数(α)、抵抗値変化幅
(Ψ)を(表4)に示した。
【0025】
【表4】
【0026】試料番号12〜14は本発明の範囲内のも
のであり、試料番号15〜18は本発明の範囲外のもの
である。(表4)から明らかなように、本発明の範囲内
組成の正特性サーミスタ素子は、熱処理によって低抵抗
化し、抵抗温度係数、抵抗変化幅はほとんど低下しな
い。試料番号15,16のようにBaTiO3が0.4
モル未満の時やSrTiO3,PbTiO3が0.4を超
えるときや試料番号18のようにCaTiO3が0.2
モルを超えるとき、初期抵抗値が非常に高くなり、熱処
理によっても低抵抗化しない。また、試料番号17のよ
うにCaTiO3が含まれない場合、熱処理による抵抗
温度係数、抵抗変化幅が著しく低下する。
のであり、試料番号15〜18は本発明の範囲外のもの
である。(表4)から明らかなように、本発明の範囲内
組成の正特性サーミスタ素子は、熱処理によって低抵抗
化し、抵抗温度係数、抵抗変化幅はほとんど低下しな
い。試料番号15,16のようにBaTiO3が0.4
モル未満の時やSrTiO3,PbTiO3が0.4を超
えるときや試料番号18のようにCaTiO3が0.2
モルを超えるとき、初期抵抗値が非常に高くなり、熱処
理によっても低抵抗化しない。また、試料番号17のよ
うにCaTiO3が含まれない場合、熱処理による抵抗
温度係数、抵抗変化幅が著しく低下する。
【0027】なお、(実施の形態1)〜(実施の形態
3)においては、電極をAlペーストの印刷、焼付けに
より形成したが、Ag,Cu,Znなど、オーミック性
を有する金属を主成分とし、印刷、溶射あるいは真空蒸
着により電極を形成しても、同様の効果を得ることがで
きる。また、本発明における半導体化元素量は、チタン
酸バリウムの固溶体1モルに対して0.001から0.
003モル、SiO2量は0.01〜0.05モル、A
l2O3量は0.001〜0.02モル、MnO2量は
0.0001から0.0015モルの範囲で添加するの
が好ましい。なぜなら、これらの範囲外であると、熱処
理前の室温抵抗値が非常に高くなったり、抵抗温度係数
と抵抗変化幅が小さくなるため耐電圧が低くなるためで
ある。また、正特性サーミスタの熱処理温度は300℃
〜500℃が好ましい。なぜなら、その温度範囲内では
熱処理によって抵抗温度係数、抵抗変化幅がほとんど変
化しないため耐電圧特性に優れているためである。
3)においては、電極をAlペーストの印刷、焼付けに
より形成したが、Ag,Cu,Znなど、オーミック性
を有する金属を主成分とし、印刷、溶射あるいは真空蒸
着により電極を形成しても、同様の効果を得ることがで
きる。また、本発明における半導体化元素量は、チタン
酸バリウムの固溶体1モルに対して0.001から0.
003モル、SiO2量は0.01〜0.05モル、A
l2O3量は0.001〜0.02モル、MnO2量は
0.0001から0.0015モルの範囲で添加するの
が好ましい。なぜなら、これらの範囲外であると、熱処
理前の室温抵抗値が非常に高くなったり、抵抗温度係数
と抵抗変化幅が小さくなるため耐電圧が低くなるためで
ある。また、正特性サーミスタの熱処理温度は300℃
〜500℃が好ましい。なぜなら、その温度範囲内では
熱処理によって抵抗温度係数、抵抗変化幅がほとんど変
化しないため耐電圧特性に優れているためである。
【0028】
【発明の効果】以上本発明によると、正特性サーミスタ
素子を、窒素や炭酸ガスといった低酸素分圧の雰囲気中
で熱処理することにより、正特性サーミスタ素子の比抵
抗は低くなるが、抵抗温度係数、抵抗変化幅は低下しな
いため、耐電圧の高い正特性サーミスタ素子を得ること
ができ、室温での比抵抗が小さく抵抗温度特性の抵抗値
変化の大きな正特性サーミスタを得ることができる。
素子を、窒素や炭酸ガスといった低酸素分圧の雰囲気中
で熱処理することにより、正特性サーミスタ素子の比抵
抗は低くなるが、抵抗温度係数、抵抗変化幅は低下しな
いため、耐電圧の高い正特性サーミスタ素子を得ること
ができ、室温での比抵抗が小さく抵抗温度特性の抵抗値
変化の大きな正特性サーミスタを得ることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 正特性サーミスタ素子を窒素、炭酸ガス
あるいは窒素と炭酸ガスの混合ガス中で前記正特性サー
ミスタ素子の抵抗温度特性の最大抵抗値を示す温度より
高温で熱処理することを特徴とする正特性サーミスタの
製造方法。 - 【請求項2】 熱処理の雰囲気は、酸素濃度を0.00
01〜0.1vol%とすることを特徴とする請求項1
に記載の正特性サーミスタの製造方法。 - 【請求項3】 熱処理は、正特性サーミスタ素子に電極
を設けた後に行うことを特徴とする請求項1あるいは請
求項2に記載の正特性サーミスタの製造方法。 - 【請求項4】 正特性サーミスタ素子は、チタン酸バリ
ウム0.4〜0.99モル、チタン酸ストロンチウム0
〜0.4モル、チタン酸鉛0〜0.4モル、チタン酸カ
ルシウム0.01〜0.2モルで合計1モルになるよう
にしたチタン酸バリウムの固溶体を主成分とし、副成分
として希土類元素あるいはNb,Bi,Sbのうちから
少なくとも1種類と、さらにSi,Al,Mnを含有さ
せたものである請求項1から請求項3のいずれか一つに
記載の正特性サーミスタの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16786698A JP2000003802A (ja) | 1998-06-16 | 1998-06-16 | 正特性サーミスタの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16786698A JP2000003802A (ja) | 1998-06-16 | 1998-06-16 | 正特性サーミスタの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000003802A true JP2000003802A (ja) | 2000-01-07 |
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ID=15857543
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16786698A Pending JP2000003802A (ja) | 1998-06-16 | 1998-06-16 | 正特性サーミスタの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000003802A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013014508A (ja) * | 2005-03-31 | 2013-01-24 | Hitachi Metals Ltd | 半導体磁器組成物の製造方法 |
CN114709037A (zh) * | 2022-04-20 | 2022-07-05 | 深圳安培龙科技股份有限公司 | 一种感温ptc热敏电阻器及其制备方法 |
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1998
- 1998-06-16 JP JP16786698A patent/JP2000003802A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013014508A (ja) * | 2005-03-31 | 2013-01-24 | Hitachi Metals Ltd | 半導体磁器組成物の製造方法 |
CN114709037A (zh) * | 2022-04-20 | 2022-07-05 | 深圳安培龙科技股份有限公司 | 一种感温ptc热敏电阻器及其制备方法 |
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