JP2000003509A - 磁気記録媒体及び磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録媒体及び磁気記録再生装置

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JP2000003509A
JP2000003509A JP16708998A JP16708998A JP2000003509A JP 2000003509 A JP2000003509 A JP 2000003509A JP 16708998 A JP16708998 A JP 16708998A JP 16708998 A JP16708998 A JP 16708998A JP 2000003509 A JP2000003509 A JP 2000003509A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リング型磁気記録ヘッドと垂直磁気異方性を
有する磁気記録媒体を組み合わせた磁気記録再生系にお
いて、熱揺らぎに対する安定性を向上させる。 【解決手段】磁気記録媒体となる磁性薄膜の表面に、面
内保磁力が100Oe以上の極薄の面内磁化容易膜を設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、垂直磁気異方性を
有する強磁性薄膜を記録層として用いた磁気記録媒体に
関わり、熱揺らぎに対して安定した特性をもつ磁気記録
媒体とそれを用いた磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の情報量の増大には目覚ましいもの
があり、ファイルメディアとして用いられる磁気ディス
クやフロッピーディスク、磁気テープの記憶容量の飛躍
的な向上が強く望まれている。このような情勢の中で、
磁気記録媒体は、微細な磁性粉を用いた塗布型媒体か
ら、強磁性金属薄膜を用いた薄膜型媒体へと移行しつつ
ある。
【0003】ところで、磁気記録においては、情報の記
録は記録媒体となる強磁性層の微小領域の磁化の向きを
反転させることによって行われる。現行においては、磁
化の向きを媒体面に対して平行に書き込む、いわゆる長
手記録方式が広く用いられている。この記録方式におい
ては、その高記録密度化は媒体の保磁力を高めるか、磁
性層の厚さを薄くすることによって進められている。し
かし、現行の長手記録媒体においては既にその厚さは3
0nm以下であり、さらに薄膜化するにはトライボロジ
的に強度があり、かつ欠陥の少ない膜を形成する高度な
製膜技術が必要となる。またそれに加えて、記録・再生
特性の面から見ても、薄膜化による再生出力の低下及び
信号対雑音比の劣化を避けることは困難である。高記録
密度化に伴う信号対雑音比の劣化を防ぐためには、記録
薄膜を構成する結晶粒子を微細化する必要があるため熱
的な撹乱に弱くなり、長時間経過すると記録情報が失わ
れる、いわゆる熱減磁が大きな問題となりつつある。
【0004】一方、上記した欠点を解決する方法とし
て、記録磁化を媒体膜面に対して垂直方向に磁化する垂
直記録方式が提案されている。この方式では膜面垂直方
向に強い磁気異方性をもつ材料が必要であり、Co−C
r系合金に代表される厚さ0.02〜0.5ハmの比較
的厚めの合金磁性膜が広く用いられている。この記録方
式の優れた点は、記録密度が高くなるほど記録された磁
化がエネルギー的に安定となり、本質的に高密度記録に
向いていることにある。しかも、この方式では長手記録
方式と異なり、記録密度を上げるために膜厚を薄くした
り、保磁力を高める必要がないという製造上の利点を持
っている。また膜厚を薄くする必要がないことは、長手
記録媒体に比較し薄膜を構成する微結晶の体積を大きく
設定できることを意味している。このことは、長手記録
媒体に比較し、垂直記録媒体の方が熱的な撹乱に対して
安定化しやすいことを意味しており、耐熱揺らぎという
観点からも垂直記録方式は高密度記録方式として優れて
いる。
【0005】この垂直記録用記録媒体に関しては、特開
昭57−109127号公報あるいは、日本応用磁気学
会誌、9巻2号、57〜60頁(1985年)、あるい
は IEEE Trans., MAG-24, No.6, pp.2706-2708(1988)等
に示されているように、Co−Cr系の合金薄膜が用い
られており、媒体を構成する微小粒子の粒界に非磁性の
Cr原子を偏析させることが好ましいとされている。こ
れは、粒子表面にCr濃度の高い領域を作ることによっ
て、耐食性が向上すること、及び長手記録媒体の場合と
同様に非磁性のCr原子が粒界に偏析することにより粒
子間の磁気的な交換相互作用が断ち切られ、磁区が微細
化し媒体雑音が低減するためと考えられているからであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リング
ヘッドと単層垂直磁気記録媒体の組み合わせにおいて
は、Cr原子の偏析が進行した条件で作製したとして
も、必ずしも熱揺らぎに強い媒体が得られている訳では
なく、垂直記録の利点を引き出すまでには至っていなか
った。本発明の目的は、上記した垂直磁気記録の問題点
を解決し、熱揺らぎに対して安定した特性を有する磁気
記録媒体及びそれを用いた磁気記録再生装置を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を達成するための手段】本発明者等は、磁気記録
再生特性と媒体特性の関係を鋭意検討した結果、熱揺ら
ぎに対する安定性は、記録層の最表面領域の磁気的な特
性と密接に関係していることを見出し、本発明に到っ
た。すなわち、垂直記録で広く用いられるCo−Cr系
合金垂直磁化膜においては、その最表面層における磁気
異方性が膜内部より小さいため、まず最表面に逆磁区の
種が発生し、それが核となって逆磁区が膜の内部にまで
伝播していく。このために、逆磁区の発生する磁界強度
が低下し、熱的に不安定な構造となる。これを防ぐに
は、記録膜の表面に垂直磁気異方性の強い薄膜を設ける
方法が有効である。しかしそのためにはCo−Cr系合
金よりかなり大きな異方性定数を持つ材料が必要であ
り、そのような材料はCo−Pt系等のごく一部の材料
に限られている。
【0008】本発明においては、垂直磁気記録膜の両面
もしくは片面に、面内方向で測定した時の磁化曲線の保
磁力が100Oe以上、より好ましくは500Oe以上
の面内磁化容易特性をもつ磁性膜を設けることによって
前記目的を達成する。この面内磁化容易特性を持つ磁性
膜としては、異方性定数が大きく、熱揺らぎの影響を受
けにくいSm−Co系磁性膜あるいはFe−Nd−B系
磁性膜が特に適している。
【0009】すなわち、本発明は、垂直磁気記録に用い
られる記録媒体において、垂直磁化容易特性を持つ磁気
記録膜の両面もしくは片面に面内磁化容易特性を持つ磁
性膜を形成したことを特徴とする。面内磁化容易特性を
持つ磁性膜は膜厚が10nm以下、より好ましくは概ね
1nmであるのがよい。これは、膜厚が厚くなりすぎる
と、面内記録された成分が大きくなり、垂直記録の利点
が損なわれるためである。
【0010】面内磁化容易特性を持つ磁性膜は、面内方
向で測定した時の保磁力が100Oe以上、より好まし
くは500Oe以上であるのがよい。保磁力が100O
e未満であると、面内磁化膜に磁壁が生じやすくなり、
ノイズの原因となる。面内磁化容易特性を持つ磁性膜と
しては、Sm−Co系磁性膜もしくはFe−Nd−B系
磁性膜が好適である。Sm−Co系磁性膜においては、
Smが15〜22at%、好ましくは18〜20at%
の組成で高い保磁力を得ることができる。Fe−Nd−
B系磁性膜では、Ndが10〜35at%、Bが5〜2
0at%の組成範囲が好ましく、より好ましい組成範囲
はNdが10〜15at%、Bが5〜10at%であ
る。
【0011】本発明は、また、磁気記録媒体と、磁気記
録媒体を回転駆動する駆動部と、記録再生用の磁気ヘッ
ドと、磁気ヘッドを前記磁気記録媒体に対して相対運動
させる手段と、磁気ヘッドからの出力信号再生を行う手
段とを含む磁気記録再生装置において、磁気記録媒体と
して前記した本発明による磁気記録媒体を用いたことを
特徴とする。
【0012】本発明によれば、垂直磁気記録用Co−C
r系薄膜媒体において、膜表面に極薄の面内容易磁化膜
を設けることにより、熱揺らぎに対する安定性が向上す
る。さらに、副次的な効果として、高い再生出力と低い
媒体雑音特性が得られ、信号対雑音比(S/N)も改善
される。また、本発明による垂直磁気記録媒体を用いた
磁気記録再生装置は、高い再生出力とS/N比、ならび
に優れた記録保持寿命特性を有する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。 <実施の形態1>ニッケル(Ni)と燐(P)合金めっ
き膜が施された、Al−Mg合金からなるディスク基板
上に、スパッタリング法を用いて厚さ30nmのTi−
10at%Cr合金膜を形成した後、Co−35at%
Crの組成を持つ厚さ0.02ハmの非磁性Co−Cr
合金薄膜からなる下地層を基板温度200℃で形成し
た。その後、厚さ30nmのCo−19at%Cr−1
0%Pt−2%Taの4元合金を磁気記録層として形成
した。さらに、その上に、表面層における逆磁区の発生
を抑えることを目的として、Co−18at%Smの組
成をもつ磁性膜を基板温度300℃で厚さ2nmに形成
した。最後に、保護膜として厚さ15nmのカーボン膜
を形成した。このような方法で作製した試料をディスク
S1とする。
【0014】また、Co−Sm合金膜の厚さを1nmと
した以外は、ディスクS1と同じ条件で作製した同じ構
造の試料をディスクS2とした。さらに、比較用として
Co−Sm薄膜を形成しない点を除いてディスクS1と
同じ構造の試料を同じ条件で作製し、ディスクR1とし
た。上記した方法で作製したディスクS1,S2,R1
のCo−19at%Cr−10at%Pt−2at%T
a磁気記録層は、その結晶構造がともに六方晶であり、
そのc軸が膜面に対して垂直方向に配向していること
を、X線回折装置により確認した。このようにして作製
した試料の磁気特性を、振動試料型磁力計(VSM)で
測定し、飽和磁化(Ms)、保磁力(Hc)を求めた。
なお、磁界の印加方向は膜面垂直方向とした。その結果
を、図1の磁化曲線に示すとともに、下記の表1にまと
めて示す。
【0015】図1から明らかなように、ディスクS1は
磁界強度が減少するにつれ、表面の面内磁化曲線の減磁
によるゆるやかな磁化の減少が見られるが、磁界方向が
逆転しても、約400Oeの強さまではこの傾向は変わ
らない。さらに、逆磁界強度が400Oe以上になると
磁化曲線に肩ができ、それ以上の磁界になると非可逆な
磁化反転が起こり急激に磁化が減少し始める。すなわ
ち、ディスクS1においては、400Oe付近で垂直磁
化膜に逆磁区が発生していることを示している。
【0016】これに対してディスクR1では、磁化曲線
の肩は第1象限と第4象限にあり、磁界方向が逆転する
直前ですでに非可逆な磁化反転が始まっている。このよ
うに本発明によるディスクS1と比較用のディスクR1
とでは、磁化曲線における肩の位置での磁界の大きさに
大きな違いが見られる。なお、Co−Sm膜の厚さが1
nmのディスクS2の磁化曲線はS1とほとんど同じ形
状をしており、Co−Sm膜の厚さが1nmと薄い場合
においても同様な効果が現れることが確認できる。この
逆磁区の発生を抑制するために設ける膜は、面内磁化容
易膜であるため、垂直記録を行った時に何らかの障害を
引き起こす可能性がある。従って、表面に設ける膜の厚
さは出来るだけ薄くすることが望ましい。
【0017】次に、これらのディスクS1,S2,R1
の記録再生特性を、磁気ディスク記録再生テスターを用
いて評価した。記録と再生に用いた磁気ヘッドは、ギャ
ップ長0.2μm、トラック幅4.5μm、コイル巻数
30ターンの薄膜ヘッドである。ヘッドの媒体対向面と
媒体表面の距離、浮上高さを0.04ハm、周速10m
/sとし、線記録密度200kFCIの条件で、‘オー
ル1’の信号を記録した時の再生出力と媒体雑音を測定
した。また200kFCIの記録を行った後そのまま放
置し、再生出力の経時変化を調べた。結果を表1に示し
た。
【0018】表1から明らかなように、本実施の形態に
よるディスクS1,S2の100時間後の再生出力を比
較ディスクR1と比較すると、ディスクR1の出力が8
%低下しているのに対して、ディスクS1とS2ではそ
れぞれ0.5%、0.8%と出力の低下をほとんど認め
ることが出来なかった。また、再生出力と媒体雑音のど
ちらにおいてもディスクS1とS2の方が比較ディスク
R1より優れており、記録再生特性を改善する上でも効
果を有することが分かる。
【0019】以上の結果は、非可逆な磁化反転を起こす
磁界、すなわち磁化曲線の肩部の位置が最初に印加した
磁界方向とは逆であり、なおかつその絶対値が大きいほ
ど磁気記録媒体としての記録再生特性が優れること、ま
た熱的な揺らぎに対しても安定していることを示してい
る。ディスクS1とS2でこのような磁気特性が得られ
たのは、磁気記録膜の表面に異方性磁界が大きく、かつ
その磁化容易方向が面内になるような磁性膜を形成した
ことによる。この膜は、厚さ1nmないしは2nmと非
常に薄くても、膜表面での非可逆的な磁化反転を起こす
原因となるニュークリエーションサイト、すなわち逆磁
区の発生を抑える上で大きな効果を持つものと推定され
る。この逆磁区は媒体雑音の主原因であり、逆磁区が生
じにくくなることによって媒体雑音も低減したものと考
えられる。また、同様に逆磁区が生じにくいことが熱的
な安定性を改善する上で良い効果をもたらしたものと考
えられる。
【0020】なお、本実施の形態においてはCo−Sm
膜の厚さが1〜2nmと薄いため、Co−Sm膜の結晶
構造と面内保磁力を同定することが出来なかった。結晶
構造と磁気特性を調べるため、下地層であるCo−35
at%Cr層をスッパッタリング法で形成し、厚さ30
nmのCo−Sm膜を作製した。その結果、結晶構造は
非晶質であること、及び磁気特性の測定から、面内保磁
力が約800Oeの面内磁化容易膜であることを確認し
た。
【0021】<実施の形態2>次に、垂直磁気記録膜の
表面にFe−Nb−B系磁性薄膜を形成した例について
説明する。試料の作製法は実施の形態1と同じである
が、本実施の形態においては、Co−19at%Cr−
10at%Pt−2at%Taの4元合金を記録層とし
て形成した後、表面磁性膜としてFe−12at%Nd
−8at%Bの組成を持つ、厚さ2nmの磁性膜を基板
温度350℃にて形成した。その後、厚さ15nmのカ
ーボン保護膜を形成しディスクS3とした。
【0022】ディスクS3の磁気特性と記録再生特性
を、下記の表1にまとめた。表1から分かるように、デ
ィスクS3ではニュークリエーション磁界の値が負とな
り、比較ディスクS3より逆磁区が発生しにくくなって
いる。これに伴い、記録再生特性と熱揺らぎに対する安
定性がともに向上している。これらの効果は、ディスク
S1,S2ほどではないが、Fe−Nb−B系の磁性膜
でもSm−Co系磁性膜と同様の効果を持っていること
を示している。また、この試料においても、Fe−Nb
−B膜の結晶構造と磁気特性を調べるため、下地層の上
に直接厚さ30nmのFe−12at%Nb−8at%
B膜を作製した。その結果、Fe−Nb−B膜は、結晶
構造が非晶質、面内保磁力が300Oeの面内磁化容易
膜であることを確認した。
【0023】<実施の形態3>垂直磁気記録膜の裏面、
すなわち基板側に、面内磁化容易特性をもつ磁性薄膜を
形成した例について説明する。試料の作製法は実施の形
態1とほぼ同じであるが、本実施の形態においては、C
o−35at%Crの非磁性Co−Cr膜を形成した
後、Co−18at%Smの面内磁化膜を基板温度30
0℃で厚さ2nmに形成した。しかる後に、厚さ30n
mのCo−19at%Cr−10at%Pt−2at%
Taの垂直磁化膜を磁気記録層として形成し、その上に
保護膜として厚さ15nmのカーボン膜を形成した。す
なわち、本実施の形態では、面内磁化膜は磁性層の裏面
に形成されている。
【0024】このような方法で作製した試料をディスク
S4として、実施の形態1と同じ方法で磁化曲線と記録
再生特性の測定を行った。その結果を表1に示した。表
1から明らかなように、ディスクS4においても、ディ
スクS1,S2と同様にニュークリエーション磁界が−
415Oeと大きな値を示し、逆磁区が発生しにくくな
っていることが分かる。記録再生特性と100時間後の
出力減少も、比較ディスクR1より優れていることが分
かった。
【0025】<実施の形態4>垂直記録膜の表面と裏面
に面内磁化膜を形成した試料を作製した。本実施の形態
の試料の作製法は、実施の形態1及び3を合わせたもの
であり、厚さ2nmのCo−18at%Smからなる面
内磁化膜が、Co−19at%Cr−10at%Pt−
2at%Taの垂直磁化膜の裏面と表面に施された膜構
成となっている。この試料をディスク5として、実施の
形態1と同様な方法で磁気特性と記録再生特性を測定し
た。その結果を、表1に示す。表1から明らかなよう
に、垂直磁化膜の表裏両面に面内磁化膜を設けることに
より、ニュークリエーション磁界は−520Oeと片面
のみに面内磁化膜を設けた場合よりも大きくなり、記録
再生特性、100時間後の出力減少も更に改善されるこ
とが分かった。
【0026】
【表1】 * 符号は、最初に印加した磁界方向をプラスとした。こ
こで、ニュークリエーション磁界とは、磁化曲線が非可
逆な磁化反転を起こし始める磁界の大きさ、すなわち磁
化曲線の肩の位置の磁界である。**比較用磁気ディスク
R1の値を0dBとした。
【0027】<実施の形態5>図2は、本発明の磁気デ
ィスク装置の一例の模式図である。ヘッド・ディスク・
アッセンブリ4中に、複数枚の磁気ディスク1がスピン
ドル軸に取り付けられており、媒体駆動系(モータ)5
により高速回転される。この磁気ディスク1として、上
記の実施の形態で作製したディスクが用いられている。
このディスクの磁気記録面に対して信号を記録・再生す
る磁気ヘッド2が配置されており、その1個は、サーボ
ヘッドとして作用する。磁気ヘッド2は、ヘッド駆動系
6によりアクチュエータ3を介して磁気ディスク1の略
半径方向に移動される。さらに、本装置には、データの
記録再生を行う記録再生系7、その信号を処理する信号
処理系8、これら及び上記駆動系を制御するための制御
系9、上位装置とのデータのやり取りを行う装置I/F
部10等が設けられている。
【0028】この磁気ディスク装置を用い、上記の実施
の形態で作製した磁気ディスクにより読み出しを行った
ところ、いずれも十分に高い再生出力と、低い媒体雑音
を得ることができた。また、情報を記録した後、100
時間以上放置しても再生出力の減少は殆ど認められず、
熱的な安定性も優れていることが分かった。
【0029】
【発明の効果】本発明によると、磁気記録媒体の熱的な
安定性を改善し、記録情報の保持寿命特性を向上するこ
とができる。さらに、再生出力が向上するとともに媒体
雑音が減少する。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面に面内磁化容易膜を設けた本発明による試
料と比較試料の磁化曲線を示す図。
【図2】磁気記録再生装置の一例を示す模式図。
【符号の説明】
1…磁気ディスク 2…磁気ヘッド2 3…アクチュエータ 4…ヘッド・ディスク・アッセンブリ 5…媒体駆動系 6…ヘッド駆動系 7…記録再生系 8…信号処理系 9…制御系 10…装置I/F部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月19日(1999.3.1
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項2】磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体を回転
駆動する駆動部と、記録再生用の磁気ヘッドと、前記磁
気ヘッドを前記磁気記録媒体に対して相対運動させる手
段と、前記磁気ヘッドからの出力信号再生を行う手段と
を含む磁気記録再生装置において、前記磁気記録媒体と
して請求項記載の磁気記録媒体を用いたことを特徴と
する磁気記録再生装置。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年6月17日(1999.6.1
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】本発明においては、垂直磁化容易特性を持
つ磁気記録膜の両面もしくは片面に膜厚が10nm以下
のSm−Co系磁性膜もしくはFe−Nd−B系磁性膜
を形成したことによって前記目的を達成する。この面内
磁化容易特性を持つ磁性膜としては、異方性定数が大き
く、熱揺らぎの影響を受けにくいSm−Co系磁性膜あ
るいはFe−Nd−B系磁性膜が特に適している。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】すなわち、本発明は、垂直磁気記録に用い
られる記録媒体において、垂直磁化容易特性を持つ磁気
記録膜の両面もしくは片面に面内磁化容易特性を持つ
m−Co系磁性膜あるいはFe−Nd−B系磁性膜を形
成したことを特徴とする。面内磁化容易特性を持つSm
−Co系磁性膜あるいはFe−Nd−B系磁性膜は膜厚
が10nm以下、より好ましくは概ね1nmであるのが
よい。これは、膜厚が厚くなりすぎると、面内記録され
た成分が大きくなり、垂直記録の利点が損なわれるため
である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】面内磁化容易特性を持つSm−Co系磁性
膜あるいはFe−Nd−B系磁性膜は、面内方向で測定
した時の保磁力が100Oe以上、より好ましくは50
0Oe以上であるのがよい。保磁力が100Oe未満で
あると、面内磁化膜に磁壁が生じやすくなり、ノイズの
原因となる。面内磁化容易特性を持つ磁性膜としては、
Sm−Co系磁性膜もしくはFe−Nd−B系磁性膜が
好適である。Sm−Co系磁性膜においては、Smが1
5〜22at%、好ましくは18〜20at%の組成で
高い保磁力を得ることができる。Fe−Nd−B系磁性
膜では、Ndが10〜35at%、Bが5〜20at%
の組成範囲が好ましく、より好ましい組成範囲はNdが
10〜15at%、Bが5〜10at%である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】本発明によれば、垂直磁気記録用Co−C
r系薄膜媒体において、膜表面に極薄の面内容易磁化膜
であるSm−Co系磁性膜あるいはFe−Nd−B系磁
性膜を設けることにより、熱揺らぎに対する安定性が向
上する。さらに、副次的な効果として、高い再生出力と
低い媒体雑音特性が得られ、信号対雑音比(S/N)も
改善される。また、本発明による垂直磁気記録媒体を用
いた磁気記録再生装置は、高い再生出力とS/N比、な
らびに優れた記録保持寿命特性を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲葉 信幸 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 平山 義幸 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 5D006 BB01 BB07 BB08 DA08 FA00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 垂直磁気記録に用いられる記録媒体にお
    いて、垂直磁化容易特性を持つ磁気記録膜の両面もしく
    は片面に面内磁化容易特性を持つ磁性膜を形成したこと
    を特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁気記録媒体において、
    前記面内磁化容易特性を持つ磁性膜は膜厚が10nm以
    下であることを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の磁気記録媒体にお
    いて、前記面内磁化容易特性を持つ磁性膜は面内方向で
    測定した時の保磁力が100Oe以上であることを特徴
    とする磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の磁気記録媒体
    において、前記面内磁化容易特性を持つ磁性膜はSm−
    Co系磁性膜もしくはFe−Nd−B系磁性膜であるこ
    とを特徴とする磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体を回
    転駆動する駆動部と、記録再生用の磁気ヘッドと、前記
    磁気ヘッドを前記磁気記録媒体に対して相対運動させる
    手段と、前記磁気ヘッドからの出力信号再生を行う手段
    とを含む磁気記録再生装置において、前記磁気記録媒体
    として請求項1〜4のいずれか1項記載の磁気記録媒体
    を用いたことを特徴とする磁気記録再生装置。
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KR100387237B1 (ko) * 2001-01-10 2003-06-12 삼성전자주식회사 초고밀도기록을 위한 수직 기록용 자성 박막

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