JP2000002182A - 密閉型圧縮機 - Google Patents

密閉型圧縮機

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JP2000002182A
JP2000002182A JP10185628A JP18562898A JP2000002182A JP 2000002182 A JP2000002182 A JP 2000002182A JP 10185628 A JP10185628 A JP 10185628A JP 18562898 A JP18562898 A JP 18562898A JP 2000002182 A JP2000002182 A JP 2000002182A
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裕至 高野
Osami Niihara
修身 新原
Mamoru Ono
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧力の高い代替冷媒が使用できる十分な耐圧
強度を持った密閉容器を提供するため、電源ターミナル
の破損を防止し、冷媒接続管の溶接部の耐圧強度の向上
を図り、補強材内側に溜まる水滴による錆を防止し、信
頼性の向上を図る。 【解決手段】 密閉容器4の上部鏡板1の電源ターミナ
ル8の溶接部外周に切り欠き部Gaのある円弧状金属体
15を溶接し、また冷媒接続管である吐出管10の溶接
部外周に切り欠き部Gbのある円弧状金属体15aを溶
接する。そしてこのことにより、密閉容器4内圧力が上
昇し上部鏡板1が変形しても、電源ターミナル8溶接部
または吐出管10の溶接部外周の円弧状金属体15,1
5aが、電源ターミナル8または吐出管10の変形を抑
制し、密閉容器4の耐圧強度を向上し切り欠き部Ga,
Gbにより水滴の除去が容易となり、錆の発生を防止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍空調用等の冷
媒圧縮機あるいは空気圧縮機として用いられる密閉型圧
縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の冷媒圧縮機は、図10に
示すように、上部鏡板101,胴部102,下部鏡板1
03から構成される密閉容器104の内部に、圧縮機構
105と、この圧縮機構105を駆動する電動機106
が固定されている。この電動機106の電源は、密閉容
器104に密封溶接されているキャップ形金属体107
にガラスシール108で絶縁された導電ピン109を有
する電源ターミナル110を介して外部電源(図示せ
ず)から供給される。
【0003】冷媒は冷凍サイクル(図示せず)につなが
る吸入管111から圧縮機構105に吸い込まれ、圧縮
され、高圧となり密閉容器104内に吐き出され、吐出
管112から冷凍サイクル(図示せず)に戻される。従
って、この種の圧縮機の密閉容器の内部は高圧の冷媒で
満たされている。
【0004】このような圧縮機の冷媒としては、従来H
CFC22が用いられてきたが、大気放出がオゾン層の
破壊を招く可能性があるため、将来全廃することが決め
られている。このHCFC22の代替冷媒としては幾つ
かのHFC冷媒が候補にあがっているが、HFC12
5,HFC32,HFC134aの混合冷媒のR407
CとHFC125とHFC32の混合冷媒のR410A
が有力候補としてあげられている。R407Cにおいて
はその吐き出し圧力は、ほぼR22と同一であるが、R
410Aにおいてはその吐き出し圧力がR22の約1.
7倍となる。
【0005】このような吐き出し圧力の大きな代替冷媒
を、密閉容器が吐き出し圧力とする高圧型の密閉型圧縮
機に使用する場合は、密閉容器104の耐圧強度を強く
しなければならない。
【0006】上記従来の構成では、密閉容器104内部
の圧力が高くなるにつれ、上部鏡板101と下部鏡板1
03は外方向にふくれ、徐々に球状になってくる。電源
ターミナル110は上部鏡板101の平坦部に溶接固定
されているため、その変形により電源ターミナル110
のキャップ形金属体107に応力がかかり変形し、ガラ
スシール108が割れ、高温高圧冷媒が外部に漏洩す
る。従来の構造においては、この部分が耐圧強度の最も
弱い部分となっており、密閉容器全体の耐圧強度を強く
するためには、この部分の耐圧強度の補強が必要であ
る。
【0007】また、密閉容器104と吸入管111,吐
出管112等の冷媒接続管との接合部分は、密閉容器1
04内部の高圧により引張応力が掛かるため、電源ター
ミナル110の部分に次いで耐圧強度の弱い箇所であ
る。
【0008】この密閉型圧縮機において、高圧の代替冷
媒に耐える耐圧強度を持った密閉容器を提供することを
目的として、電源ターミナル110または吐出管112
の周囲にリング状金属体113を溶接するという手段が
考えられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記する耐
圧強度の弱い箇所にリング状金属体113を溶接すると
いう手段では、キャップ形金属体107とリング状金属
体113との間隙に雨や結露等による水滴が溜まり易
く、キャップ形金属体107や上部鏡板101に錆が発
生し、耐圧強度の低下を招くこととなる。
【0010】また、リング状金属体は耐圧強度を向上さ
せるとともに溶接を行わなければならないため、特殊な
形状が必要となっており、確立された製作手段が未だ存
在しない。
【0011】本発明は、このような課題を解決するもの
で、電源ターミナル部分や冷媒接続管部分に雨や結露等
による水溜りによる錆が発生することを防止し、かつ密
閉容器を局部的に補強して密閉型圧縮機の信頼性を向上
させ、さらに、密閉型圧縮機のコストダウンを図ること
を目的としたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、密閉型圧縮機の密閉容器に密封溶接される
電源ターミナルの溶接部または冷媒接続管の溶接部を取
り囲んで溶接された密閉容器の剛性を向上させる部材を
円弧状金属体としたもので、円弧状金属体にある切り欠
き部によって、雨や結露等による水滴の除去が容易とな
り、錆の発生を防止し、また円弧状金属体によって密閉
容器の耐圧強度の弱いところを局部的に補強して圧縮機
の信頼性を向上させるとともに、より効率的な円弧状金
属体の製作方法を採ることにより、密閉型圧縮機のコス
トダウンを図ることとしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は各請求項に記載した構成
を実施形態とすることができるのであるが、本発明をよ
り理解し易くするために各請求項の構成による作用を述
べる。すなわち、請求項1記載の発明は、密閉型圧縮機
の密閉容器に密封溶接される電源ターミナルの溶接部を
取り囲んで、密閉容器の剛性を向上させる部材を密閉容
器に溶接したものにおいて、剛性を向上させる部材を円
弧状金属体とした構成により、密閉容器内が高圧にな
り、電源ターミナルを溶接している部分が変形しても、
電源ターミナルの溶接部外周の剛性を向上させる円弧状
金属体が電源ターミナルの変形を抑制し、電源ターミナ
ルの絶縁シールの割れを防止することができ、耐圧強度
の向上が図れるとともに、電源ターミナルと円弧状金属
体との間に雨や結露等によって溜まった水滴が円弧状金
属体の切り欠き部から容易に除去され、錆の発生を防止
し、圧縮機の信頼性を向上させることができる。
【0014】また、請求項2記載の発明は、密閉容器の
内部と外部を接続し冷媒が出入りする冷媒接続管の接続
部分の耐圧強度の向上を図るとともに、剛性を向上させ
る部材を円弧状金属体とすることにより、冷媒接続管と
円弧状金属体との間に雨や結露等によって溜まった水滴
が円弧状金属体の切り欠き部から容易に除去され、圧縮
機の信頼性を向上させることができる。また、冷媒接続
管は一般に銅ロー付けで溶接されるので、近傍の円弧状
金属体も同時にロー付け溶接すると組み立てが容易にな
る。
【0015】請求項3記載の発明は、円弧状金属体を密
閉容器の内側に溶接したもので、内側に溶接することに
より、密閉容器の外部に構成する電源ターミナルの保護
カバーおよび電源リード線の引き回しの妨げとならず、
電源ターミナルまたは冷媒接続管と円弧状金属体との間
に雨や結露等によって水滴が溜まる部分が存在しなくな
り、溜り水による錆発生の問題も解決することができ
る。
【0016】請求項4および5記載の発明は、円弧状金
属体を密閉容器の外側に溶接したもの、または電源ター
ミナルの保護枠体と一体に溶接したもので、円弧状金属
体は密閉容器への端子の溶接時等の操作の邪魔にならな
い。また、保護枠体と一体に溶接でき、組み立てが容易
である。
【0017】請求項6記載の発明は、円弧状金属体を冷
媒接続管と一体に溶接したもので、組み立てが容易であ
るとともに、従来は上部鏡板に対して冷媒接続管のみが
ロー付け溶接されていたのに対し、冷媒接続管および円
弧状金属体の両方がロー付け溶接されるため、ロー付け
面積が増加し、耐圧強度を向上させることができる。
【0018】請求項7および8,9記載の各発明は、円
弧状金属体の密閉容器への具体的な溶接手段であり、密
閉容器との溶接接合部に線状または点状の突起を設ける
か、リング幅の小さいものはそのまま抵抗溶接すること
により、ほぼ全面が密閉容器に溶接固定され、溶接する
部分の変形が電源ターミナルの変形を効果的に抑制する
ことができる。なお、抵抗溶接する場合、電流密度を上
げるためには円弧状金属体の幅は狭くすることが好まし
い。
【0019】請求項10記載の発明は、円弧状金属体の
密閉容器または冷媒接続管への溶接手段をロー付け溶接
としたもので、組み立ての簡略化を図ることができる。
【0020】請求項11および12,13,14,15
記載の各発明は、円弧状金属体の具体的製作手段を示し
たもので、円弧状金属体を金属線材の曲げ加工によって
製作することにより、材料を無駄なく用いることができ
る。また、プレス加工や鍛造加工を行う場合は、製作の
効率化を図ることができるとともに、円弧状金属体の引
張強度を向上させ、密閉容器の耐圧強度を向上させるこ
とができる。また、ファインブランキング加工を行う場
合は、抵抗溶接に必要な突起を容易に精度良く付加する
ことができ、製作の効率化を図ることができる。さら
に、切削加工を行う場合は、円弧状金属体の精度向上を
図ることができ、円弧状金属体の全周にわたって均一な
溶接強度を確保することができる。
【0021】請求項16記載の発明は、円弧状金属体を
密閉容器に電源ターミナルまたは冷媒接続管を取り囲ん
で複数個溶接したもので、材料費を最小限とすることに
よってコストダウンを図るとともに、電源ターミナルま
たは冷媒接続管の周りに複数個の切り欠き部が存在する
ため、雨や結露等による水滴の除去が非常に容易とな
り、錆を防止することにより、圧縮機の信頼性を向上さ
せることができる。
【0022】請求項17記載の発明は、密閉容器の剛性
を向上させる部材を多角形状の真直な棒材とし、密閉容
器の剛性の弱い部分に溶接することにより、部品コスト
を最小限に抑えることができるとともに耐圧強度を確保
することができ、さらに雨や結露等による水滴が溜まり
難く、圧縮機の信頼性を向上させることができる。
【0023】請求項18記載の発明で述べるように、以
上の発明は高圧冷媒であるHFC32、もしくはそれを
含む混合冷媒で実施するとより効果的である。
【0024】
【実施例】以下本発明の実施例について図面を参照して
説明する。
【0025】図1は本発明の一実施例の密閉型圧縮機の
縦断面図である。この図における密閉型圧縮機は、上部
鏡板1,円筒状の胴部2,下部鏡板3から構成される密
閉容器4の内部に、圧縮機構5と、圧縮機構5を駆動す
る電動機6を配設した構成となっている。圧縮機構詳細
は図示していないが、ロータリータイプであっても、ス
クロールタイプであっても良い。電動機6の電源は密閉
容器4の上部鏡板1にあけられた孔7に密封溶接されて
いる電源ターミナル8を介して外部電源(図示せず)か
ら供給される。
【0026】冷媒は冷凍サイクル(図示せず)につなが
る吸入管9から吸い込まれ、圧縮機構5で圧縮され、高
圧となり密閉容器4内に吐き出され、吐出管10から冷
凍サイクル(図示せず)に戻される。従って、本実施例
では密閉容器4の内部は高圧冷媒で満たされていて、所
謂、高圧形の圧縮機の構成となっている。
【0027】電源ターミナル8はキャップ形金属体11
の上部にガラス等の絶縁シール12で絶縁された導電ピ
ン13を有している。キャップ形金属体11の下部はス
カート状に広がるスカート部14を形成しており、上部
鏡板1の平坦部にあけられた孔7に、このスカート部1
4で気密溶接されている。密閉容器4の外側の電源ター
ミナル8のキャップ形金属体11の外側に、密閉容器4
の変形剛性を向上させるとともに、水滴が除去され易
く、製作の容易な切り欠き部Gaがある円弧状金属体1
5が溶接されている。また、吐出管10が上部鏡板1に
溶接されている部分には切り欠き部Gbのある円弧状金
属体15aが溶接されている。
【0028】(実施例1)図2ないし図6を参照に、電
源ターミナル8の周りに円弧状金属体15またはバーリ
ングを持った円弧状金属体15bを溶接した場合を実施
例1として以下に詳述する。
【0029】円弧状金属体15および電源ターミナル8
の上部鏡板1への溶接組み立て方法について述べる。上
部鏡板1の電源ターミナル8の配設部には、比較的精度
良く平坦度が出された平坦部16に、キャップ形金属体
11の外径よりやや大きい孔7があけられる。円弧状金
属体15は前記孔7の外周に抵抗溶接で溶接固定され
る。すなわち、円弧状金属体15が密閉容器4に接触す
る接触部17を比較的精度良く平坦度を出し、上部鏡板
1の平坦部16と一様に密着させ、電流を流し抵抗溶接
を行う。
【0030】次に、実施例1の密閉容器の耐圧評価につ
いて述べる。冷媒用圧縮機の密閉容器4の耐圧は一般に
設計圧力(運転時の最高圧力)の3倍から5倍の静水圧
力をかけた時、破壊しないことが要求される。本発明の
実施例に設計圧力の3倍から5倍の静水圧力を密閉容器
4の内部に徐々にかけていくと、密閉容器4は次第に膨
らみ、特に上部鏡板1は球状に膨らんでくる。この時、
円弧状金属体15がない場合は平坦部16に溶接固定さ
れていた電源ターミナル8のスカート部14も球面の一
部となり、内側に強い力で押される。この力と内部静水
圧力で絶縁シール12も外側に広がる形で球状になろう
として、ガラス等の絶縁材に大きな力が掛かり、ガラス
等の絶縁材が割れ、漏れが発生する。そこで、密閉容器
4の平坦部16に図10に示すリング状金属体113を
溶接固定することによって変形を抑える働きをし、電源
ターミナル8のスカート部14が内側に向かって強い力
で押されることを抑制し、絶縁シール12の割れを防ぐ
という方法が考えられていた。本実施例においてリング
状金属体の代わりに円弧状金属体15を用いた場合にお
いても、密閉型圧縮機の耐圧強度はほとんど同様であ
り、特に上部鏡板1の中心部から最遠部に切り欠き部G
aを設けた場合、切り欠き部Gaに生ずる応力が最小と
なり、切り欠き部Gaによる耐圧強度低下の影響が最も
少なくなる。従って、電源ターミナル8と円弧状金属体
15との間に溜まった水滴の除去を切り欠き部Gaによ
り容易に行うことによる製品の信頼性向上を実現すると
同時に、R410A等のHFC32を含んだ圧力の高い
冷媒にも十分な耐圧強度の密閉容器を実現できる。
【0031】以上の説明では、溶接方法として抵抗溶接
で説明したが、円弧状金属体15と密閉容器4の平坦部
16の溶接部分が円弧状になるロー付け溶接等でも良
い。また、円弧状金属体15は、C形のリング1個のみ
でなく、円弧状金属体を複数個、または直線状金属体の
複数個で、電源ターミナルの溶接部を取り囲んで配置し
ても、密閉容器の変形剛性を向上させる働きをし、同等
の作用効果が得られると同時に、強化用金属体間の隙間
から雨や結露等による水滴が除去され易いため、製品の
信頼性向上を図ることができる。密閉容器4の変形が電
源ターミナル8の絶縁シール12に大きな力を及ぼすの
を防ぐためには、溶接部の長さは全周の1/4以上が望
ましく、剛性強化部材は全周の2/3以上が望ましい。
【0032】なお、上記実施例1では円弧状金属体15
を密閉容器4の外側に溶接したが、図4に示すように密
閉容器4の内側に溶接しても良い。この場合は円弧状金
属体15の内径を電源ターミナル8の外径よりも大きく
しなければならない。また、円弧状金属体15の切り欠
き部Gaによる水滴除去機能は無意味となるが、円弧状
金属体15の製作の簡略化および補強には十分効果があ
る。さらに、円弧状金属体15の形状は、図5,図6に
示すようにバーリングを持った円弧状金属体15bとし
ても良い。
【0033】次に、円弧状金属体の製作手段について説
明する。既存の剛性強化部材であるリング状金属体は切
り欠き部がないため、切削加工等に頼るしかなく、材料
取りが非常に悪い。一方、円弧状金属体においては、引
き抜きされた線材をバネのように巻き、それを切断して
いくことによって製作、またはその線材を巻きながら順
次切断していくことによって製作することができるた
め、材料を無駄なく使用することができ、製作の簡略化
と部品のコストダウンを実現することができる。その中
でも特に、丸断面の線材を用いた場合、溶接部を線状と
することができ、十分な溶接強度を確保することができ
るだけでなく、既存の量産線材を利用することができ
る。また、円弧状金属体,リング状金属体のいずれの場
合でも、プレスや鍛造により製作することもできる。さ
らに、線状の溶接部を設けるためにファインブランキン
グ工法を用いて製作することにより、高速かつ精度良く
製作することができ、耐圧強度を十分に確保しながら大
量生産を行うことができる。
【0034】(実施例2)図7,図8には本発明の冷媒
を出し入れする、すなわち吸入管9または吐出管10の
ような冷媒接続管に円弧状金属体を配設した実施例を示
す。密閉容器4から冷媒を出し入れする冷媒接続管の一
つである吐出管10を上部鏡板1に溶接固定し、溶接部
外周に円弧状金属体15aを溶接する。密閉容器4の内
部に圧力がかかると、上部鏡板1が球状に変形する。円
弧状金属体15aがない場合は、吐出管10と密閉容器
4を接続している孔のロー付け部19に引張応力が集中
し破断するが、本構成では上部鏡板1が変形しても、吐
出管10の溶接部付近の変形を抑えられ、引張応力を緩
和するので、ロー付け部19が破断して高圧冷媒が外部
へ漏洩することを防止し、耐圧強度の向上を図るという
従来の機能を十分満足することができる。さらに、円弧
状金属体15aの切り欠き部Gbの効果により、雨や結
露等による水滴を除去することができ、円弧状金属体1
5aの製作方法を前述のように簡略化することにより、
製品のコストダウンを図ることができる。
【0035】なお、図7に示す実施例では円弧状金属体
15aを密閉容器4の外側に溶接したが、図8に示すよ
うに密閉容器4の内側に溶接しても良い。また、円弧状
金属体15aの形状は、図9(a),(b)に示すよう
にバーリングを持った円弧状金属体15cで構成しても
良い。また、冷媒接続管は一般に銅ロー付けで溶接され
るので、近傍の円弧状金属体15aも同時にロー付け溶
接すると組み立てが容易になる。
【0036】以上述べた発明は、密閉容器4を胴部2と
上部鏡板1と下部鏡板3から構成し、上部鏡板1に電源
ターミナル8と冷媒接続管を溶接した場合は上部鏡板1
の変形が大きいので一層有効である。さらに、高圧冷媒
であるHFC32、もしくはそれを含むR410Aのよ
うな圧力の高い混合冷媒に使用する場合、より効果的で
ある。
【0037】
【発明の効果】上記説明から明らかなように、請求項1
から6記載の発明によれば、密閉型圧縮機の密閉容器に
密封溶接される電源ターミナルまたは冷媒接続管の溶接
部を取り囲んで、密閉容器の剛性を向上させる部材を密
閉容器に溶接したものにおいて、剛性を向上させる部材
を円弧状金属体としたもので、密閉容器内が高圧にな
り、電源ターミナルまたは冷媒接続管を溶接している密
閉容器の鏡板が変形しても、電源ターミナル溶接部また
は冷媒接続管溶接部の外周の剛性を向上させる部材が電
源ターミナルまたは冷媒接続管の変形を抑制し、電源タ
ーミナルの絶縁シールや冷媒接続管溶接部の割れを防止
することができ、耐圧強度の向上が図れるとともに、電
源ターミナルまたは冷媒接続管と円弧状金属体との間に
雨や結露等によって溜まった水滴が円弧状金属体の切り
欠き部から容易に除去され、錆を防止し、密閉型圧縮機
の信頼性を向上させることができる。
【0038】請求項7および8,9記載の発明によれ
ば、円弧状金属体を密閉容器へ抵抗溶接することによ
り、全面が密閉容器に溶接固定され、多少の切り欠き部
が存在しても、電源ターミナルまたは冷媒接続管の変形
を効果的に抑制することができ、耐圧強度の大きな密閉
型圧縮機が実現できる。
【0039】請求項10記載の発明によれば、円弧状金
属体の密閉容器または冷媒接続管への溶接方法をロー付
け溶接としたもので、組み立ての簡略化を図ることがで
きる。
【0040】請求項11および12,13,14,15
記載の発明によれば、円弧状金属体を金属線材の加工に
よって製作することにより、材料を無駄なく用いること
ができる。また、プレス加工,鍛造加工を行うことによ
り、製作の効率化を図ることができるとともに、円弧状
金属体の引張強度を向上させ、密閉容器の耐圧強度を向
上させることができる。ファインブランキング加工を行
うことにより、抵抗溶接に必要な突起を容易に精度良く
付加することができ、製作の効率化を図ることができ
る。さらに、切削加工を行うことにより、円弧状金属体
の精度向上を図ることができ、円弧状金属体の全周にわ
たって均一な溶接強度を確保することができる。
【0041】請求項16記載の発明によれば、円弧状金
属体を密閉容器に電源ターミナルまたは冷媒接続管を取
り囲んで複数個溶接したもので、材料費を最小限とする
ことによってコストダウンを図るとともに、電源ターミ
ナル周りまたは冷媒接続管の周りに複数個の切り欠き部
が存在するため、雨や結露等による水滴の除去が非常に
容易となり、錆を防止することにより、圧縮機の信頼性
を向上させることができる。
【0042】請求項17記載の発明によれば、密閉容器
の剛性を向上させる部材を多角形状の真直な棒材とし、
上部鏡板の剛性の弱い部分に溶接することにより、部品
コストを最小限に抑えることができるとともに耐圧強度
を確保することができ、さらに雨や結露等による水滴が
溜まり難く、圧縮機の信頼性を向上させることができ
る。
【0043】請求項18記載の発明によれば、請求項1
ないし17のいずれかに記載した発明は高圧冷媒である
HFC32、もしくはそれを含む冷媒で実施するとより
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施例における密閉型圧縮機の
縦断面図 (b)同上面図
【図2】(a)本発明の実施例1において電源ターミナ
ル付近の密閉容器外側に円弧状金属体を設けた要部縦断
面図 (b)同上面図
【図3】(a)本発明の実施例1において線状の突起を
設けた円弧状金属体の断面図 (b)同上面図
【図4】本発明の実施例1において電源ターミナル付近
の密閉容器内側に円弧状金属体を設けた要部縦断面図
【図5】本発明の実施例1において電源ターミナル付近
の密閉容器外側にバーリングを持った円弧状金属体を設
けた要部縦断面図
【図6】本発明の実施例1において電源ターミナル付近
の密閉容器内側にバーリングを持った円弧状金属体を設
けた要部縦断面図
【図7】本発明の実施例2において冷媒接続管である吐
出管付近の密閉容器外側に円弧状金属体を設けた要部縦
断面図
【図8】本発明の実施例2において冷媒接続管である吐
出管付近の密閉容器内側に円弧状金属体を設けた要部縦
断面図
【図9】(a)本発明の実施例2において冷媒接続管で
ある吐出管付近の密閉容器外側にバーリングを持った円
弧状金属体を設けた要部縦断面図 (b)同密閉容器内側にバーリングを持った円弧状金属
体を設けた要部縦断面図
【図10】(a)従来の密閉型圧縮機の縦断面図 (b)同上面図
【符号の説明】
1 上部鏡板 2 胴部 4 密閉容器 5 圧縮機構 6 電動機 7 孔 8 電源ターミナル 10 吐出管(冷媒接続管) 11 キャップ形金属体 12 絶縁シール 13 導電ピン 15,15a 円弧状金属体 15b,15c バーリングを持った円弧状金属体 18 線状の突起 19 ロー付け部 Ga,Gb 切り欠き部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F04C 29/00 F04C 29/00 M (72)発明者 新原 修身 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 大野 守 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3H003 AB01 AC03 CD01 CD07 CE02 CF02 CF03 3H029 AA01 AA12 AB03 BB44 CC09 CC27

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉容器の内部に電動機と、この電動機
    で駆動する圧縮機構を配設し、前記電動機の電源を密閉
    容器外部から供給するために前記密閉容器に密封溶接し
    た電源ターミナルを備え、前記電源ターミナルはキャッ
    プ形金属体と導電ピンと前記キャップ形金属体と導電ピ
    ンを絶縁する絶縁シールより構成し、前記密閉容器と前
    記電源ターミナルとの溶接部を取り囲んで、密閉容器の
    変形剛性を向上させる部材を前記密閉容器に溶接した密
    閉型圧縮機において、前記変形剛性を向上させる部材を
    円弧状金属体とした密閉型圧縮機。
  2. 【請求項2】 密閉容器の内部に電動機と、この電動機
    で駆動する圧縮機構を配設し、前記密閉容器の内部と外
    部を接続し冷媒が通る冷媒接続管を前記密閉容器に溶接
    固定し、その溶接部の外周に変形剛性を向上させる部材
    を溶接した密閉型圧縮機において、前記変形剛性を向上
    させる部材を円弧状金属体とした密閉型圧縮機。
  3. 【請求項3】 円弧状金属体を密閉容器の内側に溶接し
    た請求項1または2記載の密閉型圧縮機。
  4. 【請求項4】 円弧状金属体を密閉容器の外側に溶接し
    た請求項1または2記載の密閉型圧縮機。
  5. 【請求項5】 円弧状金属体を電源ターミナルの保護枠
    体と一体に溶接した請求項1記載の密閉型圧縮機。
  6. 【請求項6】 円弧状金属体を冷媒接続管と一体に溶接
    した請求項2記載の密閉型圧縮機。
  7. 【請求項7】 円弧状金属体を密閉容器に抵抗溶接した
    請求項1ないし6のいずれか1項に記載の密閉型圧縮
    機。
  8. 【請求項8】 円弧状金属体の幅を4mm以下とし、密
    閉容器との溶接接合部に突起を設けずに抵抗溶接した請
    求項7記載の密閉型圧縮機。
  9. 【請求項9】 円弧状金属体と密閉容器との溶接接合部
    に線状または点状の突起を設け抵抗溶接した請求項7記
    載の密閉型圧縮機。
  10. 【請求項10】 冷媒接続管および円弧状金属体をロー
    付け溶接により密閉容器に固定した請求項6記載の密閉
    型圧縮機。
  11. 【請求項11】 円弧状金属体は線材の曲げ加工によっ
    て製作した請求項1から10のいずれか1項に記載の密
    閉型圧縮機。
  12. 【請求項12】 円弧状金属体はプレス加工によって製
    作した請求項1から10のいずれか1項に記載の密閉型
    圧縮機。
  13. 【請求項13】 円弧状金属体はファインブランキング
    加工によって製作した請求項1から10のいずれか1項
    に記載の密閉型圧縮機。
  14. 【請求項14】 円弧状金属体は鍛造加工によって製作
    した請求項1から10のいずれか1項に記載の密閉型圧
    縮機。
  15. 【請求項15】 円弧状金属体は切削によって製作した
    リング状金属体を切り欠くことによって製作した請求項
    1から10のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
  16. 【請求項16】 円弧状金属体を電源ターミナルまたは
    冷媒接続管を取り囲んで複数個溶接した請求項1から1
    5のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
  17. 【請求項17】 円弧状金属体を多角形状とした請求項
    1から16のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
  18. 【請求項18】 冷媒としてHFC32、もしくはそれ
    を含む混合冷媒を使用する請求項1から17のいずれか
    1項に記載の密閉型圧縮機。
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