JP2000001672A - 蓄光性蛍光体微粒粉末及びその製造方法 - Google Patents
蓄光性蛍光体微粒粉末及びその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 発光強度が高く、発光時間が長い、耐水性に
すぐれた、粒子の極めて小さい微粉末状の蓄光性蛍光体
を提供することを目的とする。 【構成】 Euを主賦活剤とするアルカリ土類金属のア
ルミン酸塩よりなる蓄光性蛍光体において、一般式 (A1-z-y Dx Ey ) O・a(G1-z Hz )2 O3 (式中Aはアルカリ土類金属のMg、Ca、Sr、Ba
及び2価の金属Znよりなる群より選ばれた1種又は2
種以上の元素であり、Dは賦活剤Euであり、Eは共賦
活剤であるランタノイドのDy、Nd、Ho、Er、T
m、Yb、Lu及び遷移金属のMn、Zr、Nb、T
i、Sb、Li、Ge、In、Wよりなる群より選ばれ
た1種又は2種以上の元素であり、Gは母結晶体のAl
であり、Hは母結晶体のB又はGaである。又x、y、
z、aはそれぞれ0.0001<x<0.5 0.0001<y<0.3 0.0001<z<0.5 1.5<a<3.0の範囲の数である。)で表される組
成を有することを特徴とする蓄光性蛍光体微粒粉末。
すぐれた、粒子の極めて小さい微粉末状の蓄光性蛍光体
を提供することを目的とする。 【構成】 Euを主賦活剤とするアルカリ土類金属のア
ルミン酸塩よりなる蓄光性蛍光体において、一般式 (A1-z-y Dx Ey ) O・a(G1-z Hz )2 O3 (式中Aはアルカリ土類金属のMg、Ca、Sr、Ba
及び2価の金属Znよりなる群より選ばれた1種又は2
種以上の元素であり、Dは賦活剤Euであり、Eは共賦
活剤であるランタノイドのDy、Nd、Ho、Er、T
m、Yb、Lu及び遷移金属のMn、Zr、Nb、T
i、Sb、Li、Ge、In、Wよりなる群より選ばれ
た1種又は2種以上の元素であり、Gは母結晶体のAl
であり、Hは母結晶体のB又はGaである。又x、y、
z、aはそれぞれ0.0001<x<0.5 0.0001<y<0.3 0.0001<z<0.5 1.5<a<3.0の範囲の数である。)で表される組
成を有することを特徴とする蓄光性蛍光体微粒粉末。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄光性蛍光体微粒
粉末とその製造方法に関するものである。
粉末とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】蓄光性蛍光体は日光又は他の光源からの
光を照射すると、その光エネルギーを蓄え、暗所で長時
間にわたり発光することができ、種々の目的に利用しう
る材料である。従来の蓄光性蛍光体は殆どが硫黄化合物
よりなり、例えばZnS:Cu・Co又はCaS:Co
等が用いられており、これらの蓄光性蛍光体粉末は蓄光
し、発光することができるが、その発光時間は精々1〜
2時間程度であり、化学的安定に乏しく、耐水性に劣
り、劣化し易いため、悪条件下では、数10時間で発光
能力は急激に低下し、使用寿命が短いという欠点があっ
た。
光を照射すると、その光エネルギーを蓄え、暗所で長時
間にわたり発光することができ、種々の目的に利用しう
る材料である。従来の蓄光性蛍光体は殆どが硫黄化合物
よりなり、例えばZnS:Cu・Co又はCaS:Co
等が用いられており、これらの蓄光性蛍光体粉末は蓄光
し、発光することができるが、その発光時間は精々1〜
2時間程度であり、化学的安定に乏しく、耐水性に劣
り、劣化し易いため、悪条件下では、数10時間で発光
能力は急激に低下し、使用寿命が短いという欠点があっ
た。
【0003】また硫黄化合物径の蓄光性蛍光体粉末に放
射性物質を添加したものは長時間自己発光をすることが
可能であるが、放射性物質の使用は、人体への放射線障
害及び環境汚染のため、国際的にも使用禁止されてい
る。
射性物質を添加したものは長時間自己発光をすることが
可能であるが、放射性物質の使用は、人体への放射線障
害及び環境汚染のため、国際的にも使用禁止されてい
る。
【0004】1990年代初期にアルカリ土類金属のア
ルミン酸塩を主成分とする蓄光性蛍光体粉末が提案され
ている。アルカリ土類金属としてEuを用い、これによ
りアルミン酸を活性化した蓄光性蛍光体は発光強度が高
く、発光時間も24時間以上と長く、化学的に安定で、
耐光性に優れ、使用寿命も長い等の長所があり、広範囲
に使用されている。例えば蛍光インク、蛍光塗料、蛍光
プラスチック、蛍光ガラス、蛍光布、装飾製品や低強度
光源等に応用されている。
ルミン酸塩を主成分とする蓄光性蛍光体粉末が提案され
ている。アルカリ土類金属としてEuを用い、これによ
りアルミン酸を活性化した蓄光性蛍光体は発光強度が高
く、発光時間も24時間以上と長く、化学的に安定で、
耐光性に優れ、使用寿命も長い等の長所があり、広範囲
に使用されている。例えば蛍光インク、蛍光塗料、蛍光
プラスチック、蛍光ガラス、蛍光布、装飾製品や低強度
光源等に応用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記アルカリ土類金属
のアルミン酸塩よりなる蓄光性蛍光体粉末は、α−Al
2 O3 と数種類の必要な原料化合物を混合して1300
℃以上の高温で反応させて得られる、セラミックス状の
非常に高硬度の固体粉末である。α−Al2 O3は化学
的に極めて安定であり、充分高い温度でなければアルカ
リ土類金属とは反応せず、高温の反応で初めて単斜晶形
のアルミン酸塩を精製し、Eu2 O3 のようなランタノ
イド金属元素よりなる賦活剤が結晶中に導入されて、発
光中心及び格子欠陥を形成する。この高硬度の製品は強
力な粉砕処理を施さなければ、数10μの大きさの粉末
とすることができない。
のアルミン酸塩よりなる蓄光性蛍光体粉末は、α−Al
2 O3 と数種類の必要な原料化合物を混合して1300
℃以上の高温で反応させて得られる、セラミックス状の
非常に高硬度の固体粉末である。α−Al2 O3は化学
的に極めて安定であり、充分高い温度でなければアルカ
リ土類金属とは反応せず、高温の反応で初めて単斜晶形
のアルミン酸塩を精製し、Eu2 O3 のようなランタノ
イド金属元素よりなる賦活剤が結晶中に導入されて、発
光中心及び格子欠陥を形成する。この高硬度の製品は強
力な粉砕処理を施さなければ、数10μの大きさの粉末
とすることができない。
【0006】しかし粉砕時に生じる結晶の欠陥に賦活エ
ネルギーが吸収され、発光が衰える。粒径が10μ以下
になると発光の強度が急激に低下し、粒径が3μ以下と
なると、発光が微弱となり、実用に供することが困難と
なる。オフセット印刷用蛍光インク、電子複写機用蛍光
トナー、繊維染色用染料等の用途に蓄光性蛍光体粉末を
使用するには、極めて微粒の粉末が必要であり、従来の
公知のアルカリ土類金属のアルミン酸塩よりなる蓄光性
蛍光体粉末では、充分な発光強度を有する微粒粉末を得
ることは不可能であった。
ネルギーが吸収され、発光が衰える。粒径が10μ以下
になると発光の強度が急激に低下し、粒径が3μ以下と
なると、発光が微弱となり、実用に供することが困難と
なる。オフセット印刷用蛍光インク、電子複写機用蛍光
トナー、繊維染色用染料等の用途に蓄光性蛍光体粉末を
使用するには、極めて微粒の粉末が必要であり、従来の
公知のアルカリ土類金属のアルミン酸塩よりなる蓄光性
蛍光体粉末では、充分な発光強度を有する微粒粉末を得
ることは不可能であった。
【0007】一方アルミン酸塩蓄光性蛍光体中で+2と
+3価のイオンが蛍光物質の賦活剤として働く際、全く
異なるスペクトルの発光をする。アルカリ土類金属のア
ルミン酸塩では、2価のEuイオンのみが格子欠陥を形
成し得る。蓄光性蛍光体を製造する際に、通常は+3価
のEu2 O3 をEuイオン源として添加、混合して、高
温に加熱するが、加熱反応中に+3価のEuを+2価の
Euに還元する必要がある。従ってこの固相反応を還元
性雰囲気中で行う必要があり、+3価のEuの+2価の
Euへの還元収率は蓄光性蛍光体の品質を決定する。従
来の方法は水素ガスを約5%含む窒素ガス流中で反応を
行い、Euイオンの還元を行っているが、その反応は密
閉容器中で行う必要があり、操作が煩雑となり、生産コ
ストが嵩みまた大量生産が困難であった。
+3価のイオンが蛍光物質の賦活剤として働く際、全く
異なるスペクトルの発光をする。アルカリ土類金属のア
ルミン酸塩では、2価のEuイオンのみが格子欠陥を形
成し得る。蓄光性蛍光体を製造する際に、通常は+3価
のEu2 O3 をEuイオン源として添加、混合して、高
温に加熱するが、加熱反応中に+3価のEuを+2価の
Euに還元する必要がある。従ってこの固相反応を還元
性雰囲気中で行う必要があり、+3価のEuの+2価の
Euへの還元収率は蓄光性蛍光体の品質を決定する。従
来の方法は水素ガスを約5%含む窒素ガス流中で反応を
行い、Euイオンの還元を行っているが、その反応は密
閉容器中で行う必要があり、操作が煩雑となり、生産コ
ストが嵩みまた大量生産が困難であった。
【0008】従って本発明は、発光強度が高く、発光時
間が長い、耐水性にすぐれた、粒子の極めて小さい微粉
末状の蓄光性蛍光体を提供することを目的とする。
間が長い、耐水性にすぐれた、粒子の極めて小さい微粉
末状の蓄光性蛍光体を提供することを目的とする。
【0009】更に本発明の他の目的は、極めて簡単な方
法で品質の優れた蓄光性蛍光体微粒粉末を製造する方法
を提供することを目的とする。
法で品質の優れた蓄光性蛍光体微粒粉末を製造する方法
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、塩化アルミニウム、
塩化ストロンチウム、塩化バリウム等の塩化物をそれぞ
れアルミニウム、ストロンチウム、バリウム等の成分の
出発原料として用い、Eu2 O3 、Dy2 O3、H3 B
O3 をそれぞれEu、Dy、B成分の出発原料として用
い、これらの成分のいくつかの水溶液をアンモニウムイ
オンを含む水溶液と混合して得られた沈澱を乾燥し、得
られた所定の組成の微粒粉末を加熱焼成することによ
り、発光強度が高く、発光時間が長い、耐水性にすぐれ
た、粒子の極めて小さい微粒粉末状の蓄光性蛍光体が得
られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、塩化アルミニウム、
塩化ストロンチウム、塩化バリウム等の塩化物をそれぞ
れアルミニウム、ストロンチウム、バリウム等の成分の
出発原料として用い、Eu2 O3 、Dy2 O3、H3 B
O3 をそれぞれEu、Dy、B成分の出発原料として用
い、これらの成分のいくつかの水溶液をアンモニウムイ
オンを含む水溶液と混合して得られた沈澱を乾燥し、得
られた所定の組成の微粒粉末を加熱焼成することによ
り、発光強度が高く、発光時間が長い、耐水性にすぐれ
た、粒子の極めて小さい微粒粉末状の蓄光性蛍光体が得
られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】即ち本発明は、Euを主賦活剤とするアル
カリ土類金属のアルミン酸塩よりなる蓄光性蛍光体にお
いて、一般式 (A1-z-y Dx Ey ) O・a(G1-z Hz )2 O3 (式中Aはアルカリ土類金属のMg、Ca、Sr、Ba
及び2価の金属Znよりなる群より選ばれた1種又は2
種以上の元素であり、Dは賦活剤Euであり、Eは共賦
活剤であるランタノイドのDy、Nd、Ho、Er、T
m、Yb、Lu及び遷移金属のMn、Zr、Nb、T
i、Sb、Li、Ge、In、Wよりなる群より選ばれ
た1種又は2種以上の元素であり、Gは母結晶体のAl
であり、Hは母結晶体のB又はGaである。又x、y、
z、aはそれぞれ 0.0001<x<0.5 0.0001<y<0.3 0.0001<z<0.5 1.5<a<3.0 の範囲の数である。)で表される組成を有することを特
徴とする蓄光性蛍光体微粒粉末を要旨とする。
カリ土類金属のアルミン酸塩よりなる蓄光性蛍光体にお
いて、一般式 (A1-z-y Dx Ey ) O・a(G1-z Hz )2 O3 (式中Aはアルカリ土類金属のMg、Ca、Sr、Ba
及び2価の金属Znよりなる群より選ばれた1種又は2
種以上の元素であり、Dは賦活剤Euであり、Eは共賦
活剤であるランタノイドのDy、Nd、Ho、Er、T
m、Yb、Lu及び遷移金属のMn、Zr、Nb、T
i、Sb、Li、Ge、In、Wよりなる群より選ばれ
た1種又は2種以上の元素であり、Gは母結晶体のAl
であり、Hは母結晶体のB又はGaである。又x、y、
z、aはそれぞれ 0.0001<x<0.5 0.0001<y<0.3 0.0001<z<0.5 1.5<a<3.0 の範囲の数である。)で表される組成を有することを特
徴とする蓄光性蛍光体微粒粉末を要旨とする。
【0012】他の本発明は、AlCl3 ・6H2 OをA
l成分の出発原料として用い、SrCl2 ・6H2 Oを
Sr成分の出発原料として用い、BaCl2 ・2H2 O
をBa成分の出発原料として用い、Eu2 O3 、Dy2
O3 、H3 BO3 をそれぞれEu、Dy、B成分の出発
原料として用い、上記塩化物の水溶液とアンモニウムイ
オンを含む水溶液を混合し80℃で反応させ、冷却し、
沈澱を濾過、乾燥した微粒粉末を還元性雰囲気中で高温
で焼成して請求項1記載の蓄光性蛍光体微粒粉末を製造
する、蓄光性蛍光体微粒粉末の製造方法を要旨とする。
l成分の出発原料として用い、SrCl2 ・6H2 Oを
Sr成分の出発原料として用い、BaCl2 ・2H2 O
をBa成分の出発原料として用い、Eu2 O3 、Dy2
O3 、H3 BO3 をそれぞれEu、Dy、B成分の出発
原料として用い、上記塩化物の水溶液とアンモニウムイ
オンを含む水溶液を混合し80℃で反応させ、冷却し、
沈澱を濾過、乾燥した微粒粉末を還元性雰囲気中で高温
で焼成して請求項1記載の蓄光性蛍光体微粒粉末を製造
する、蓄光性蛍光体微粒粉末の製造方法を要旨とする。
【0013】
【発明の実施の形態】次に本発明の蓄光性蛍光体微粒粉
末及びその製造方法の実施の形態について、実施例によ
り具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定され
るものではない。
末及びその製造方法の実施の形態について、実施例によ
り具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定され
るものではない。
【0014】〔実施例〕 SrCl2 ・6H2 O 260g AlCl3 ・6H2 O 683.2g BaCl2 ・2H2 O 1.74g をイオン交換水5000mlに溶解した水溶液を溶液Aと
し、 (NH4 )2 CO3 486g をイオン交換水2000mlに溶解した水溶液を溶液Bと
する。溶液Aと溶液Bを80℃のイオン交換水5000
ml中に混合し、80℃で15分間保った後、冷却し沈澱
を濾過する。その沈澱を乾燥、粉砕した後、るつぼに入
れ、1300℃で1時間焼成し、冷却した。これに Eu2 O3 1.96g Dy2 O3 2.8g Sb2 O3 30.7g H3 BO3 28g 蓚酸(2水物) 1.4 g を混合して4時間ボールミルで湿式粉砕した後、750
mlのるつぼにいれ、るつぼの上縁まで3〜5cmの空間を
空けて、2つの顆粒状活性炭を入れた30mlのるつぼを
置き、750mlのるつぼを蓋で密閉した。電器炉で13
00℃で2時間焼成した。上記活性炭が空気中の酸素と
反応して一酸化炭素が発生して、一酸化炭素の還元性雰
囲気中で焼成が行われる。生成物を400℃まで冷却
し、電器炉から取り出し、室温まで冷却後再び粉砕し、
350メッシュのふるいで篩分して、2μ以下の粒径部
分の重量が50%(D50=10μ)の微粒粉末を得た。
得られた微粒粉末は発光強度が強く、発光時間が長く、
耐水性の良好な蓄光性蛍光体微粒粉末であった。その発
光スペクトルを図1に、微粒粉末の粒度分布を図2に、
発光強度の時間的変化を図3にそれぞれ示す。本発明の
蓄光性蛍光体微粒粉末は極めて粒度分布のばらつきが少
なく、シャープな粒度分布の微粒粉末である。
し、 (NH4 )2 CO3 486g をイオン交換水2000mlに溶解した水溶液を溶液Bと
する。溶液Aと溶液Bを80℃のイオン交換水5000
ml中に混合し、80℃で15分間保った後、冷却し沈澱
を濾過する。その沈澱を乾燥、粉砕した後、るつぼに入
れ、1300℃で1時間焼成し、冷却した。これに Eu2 O3 1.96g Dy2 O3 2.8g Sb2 O3 30.7g H3 BO3 28g 蓚酸(2水物) 1.4 g を混合して4時間ボールミルで湿式粉砕した後、750
mlのるつぼにいれ、るつぼの上縁まで3〜5cmの空間を
空けて、2つの顆粒状活性炭を入れた30mlのるつぼを
置き、750mlのるつぼを蓋で密閉した。電器炉で13
00℃で2時間焼成した。上記活性炭が空気中の酸素と
反応して一酸化炭素が発生して、一酸化炭素の還元性雰
囲気中で焼成が行われる。生成物を400℃まで冷却
し、電器炉から取り出し、室温まで冷却後再び粉砕し、
350メッシュのふるいで篩分して、2μ以下の粒径部
分の重量が50%(D50=10μ)の微粒粉末を得た。
得られた微粒粉末は発光強度が強く、発光時間が長く、
耐水性の良好な蓄光性蛍光体微粒粉末であった。その発
光スペクトルを図1に、微粒粉末の粒度分布を図2に、
発光強度の時間的変化を図3にそれぞれ示す。本発明の
蓄光性蛍光体微粒粉末は極めて粒度分布のばらつきが少
なく、シャープな粒度分布の微粒粉末である。
【図1】
【図2】
【図3】
【0015】〔比較例〕本発明の実施例において、Sr
Cl2 ・6H2 O、AlCl3 ・6H2 O、BaCl2
・2H2 Oの代わりに、それぞれSrCO3 、α−Al
2 O3 、BaCO3 を実施例1で使用した元素のモル数
に相当する量を用い、これらを混合して、これに実施例
で用いたと同量のEu2 O3 、Dy2 O3 、Sb
2 O3 、H3 BO3 及び蓚酸(2水物)を添加し、ボー
ルミルに入れて3時間混合、粉砕し、実施例と同様に1
300℃で2時間焼成し、粉砕、篩分して10μ以下の
粒径部分の重量が50%(D50=10μ)の粉末を得
て、その発光特性を測定した。その結果を図4に示す。
Cl2 ・6H2 O、AlCl3 ・6H2 O、BaCl2
・2H2 Oの代わりに、それぞれSrCO3 、α−Al
2 O3 、BaCO3 を実施例1で使用した元素のモル数
に相当する量を用い、これらを混合して、これに実施例
で用いたと同量のEu2 O3 、Dy2 O3 、Sb
2 O3 、H3 BO3 及び蓚酸(2水物)を添加し、ボー
ルミルに入れて3時間混合、粉砕し、実施例と同様に1
300℃で2時間焼成し、粉砕、篩分して10μ以下の
粒径部分の重量が50%(D50=10μ)の粉末を得
て、その発光特性を測定した。その結果を図4に示す。
【図4】
【0016】図3と図4を比較すると、本発明の製造方
法で得た蓄光性蛍光体のD50=2μの微粒粉末は、従来
法の比較例で得られた蓄光性蛍光体の、D50=10μの
比較的粒径の大きな粉末と比較して、発光強度、発光時
間がともに同等以上に優れている。
法で得た蓄光性蛍光体のD50=2μの微粒粉末は、従来
法の比較例で得られた蓄光性蛍光体の、D50=10μの
比較的粒径の大きな粉末と比較して、発光強度、発光時
間がともに同等以上に優れている。
【0017】
【発明の効果】本発明の蓄光性蛍光体微粒粉末の製造方
法によれば、極めて粒径の小さい蓄光性蛍光体微粒粉末
を得ることができる。本発明の蓄光性蛍光体微粒粉末
は、D50=2μの微粒粉末であっても、発光強度が強
く、発光時間が長く、耐水性にすぐれ、その粒子の極め
て小さい微粒粉末状の蓄光性蛍光体は、オフセット印
刷、インクジエット印刷等の印刷用蛍光インク、電子複
写機用蛍光トナー、繊維染色用蛍光染料、合成樹脂ペレ
ット、合成樹脂フィルム、塗料等の蛍光着色剤等の用途
にも使用することができる。
法によれば、極めて粒径の小さい蓄光性蛍光体微粒粉末
を得ることができる。本発明の蓄光性蛍光体微粒粉末
は、D50=2μの微粒粉末であっても、発光強度が強
く、発光時間が長く、耐水性にすぐれ、その粒子の極め
て小さい微粒粉末状の蓄光性蛍光体は、オフセット印
刷、インクジエット印刷等の印刷用蛍光インク、電子複
写機用蛍光トナー、繊維染色用蛍光染料、合成樹脂ペレ
ット、合成樹脂フィルム、塗料等の蛍光着色剤等の用途
にも使用することができる。
【図1】本発明の蓄光性蛍光体微粒粉末の発光スペクト
ルを示すグラフである。
ルを示すグラフである。
【図2】本発明の蓄光性蛍光体微粒粉末の粒度分布を示
すグラフである。
すグラフである。
【図3】本発明の蓄光性蛍光体微粒粉末の発光強度の時
間的変化を示すグラフである。
間的変化を示すグラフである。
【図4】従来の蓄光性蛍光体粉末の発光強度の時間的変
化を示すグラフである。
化を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】Euを主賦活剤とするアルカリ土類金属の
アルミン酸塩よりなる蓄光性蛍光体において、一般式 (A1-z-y Dx Ey ) O・a(G1-z Hz )2 O3 (式中Aはアルカリ土類金属のMg、Ca、Sr、Ba
及び2価の金属Znよりなる群より選ばれた1種又は2
種以上の元素であり、Dは賦活剤Euであり、Eは共賦
活剤であるランタノイドのDy、Nd、Ho、Er、T
m、Yb、Lu及び遷移金属のMn、Zr、Nb、T
i、Sb、Li、Ge、In、Wよりなる群より選ばれ
た1種又は2種以上の元素であり、Gは母結晶体のAl
であり、Hは母結晶体のB又はGaである。又x、y、
z、aはそれぞれ 0.0001<x<0.5 0.0001<y<0.3 0.0001<z<0.5 1.5<a<3.0 の範囲の数である。)で表される組成を有することを特
徴とする蓄光性蛍光体微粒粉末。 - 【請求項2】該微粒粉末が粒径2μ以下の微粒粉末が5
0重量%以上を占める請求項2記載の蓄光性蛍光体微粒
粉末。 - 【請求項3】AlCl3 ・6H2 OをAl成分の出発原
料として用い、SrCl2 ・6H2OをSr成分の出発
原料として用い、BaCl2 ・2H2 OをBa成分の出
発原料として用い、Eu2 O3 、Dy2 O3 、H3 BO
3 をそれぞれEu、Dy、B成分の出発原料として用
い、上記塩化物の水溶液とアンモニウムイオンを含む水
溶液を混合し80℃で反応させ、冷却し、沈澱を濾過、
乾燥した微粒粉末を還元性雰囲気中で高温で焼成して請
求項1記載の蓄光性蛍光体微粒粉末を製造する、蓄光性
蛍光体微粒粉末の製造方法。 - 【請求項4】該乾燥した微粒粉末の焼成を、活性炭等の
炭素の存在下で空気中で行い、発生した一酸化炭素の還
元性雰囲気中で行う、請求項3記載の蓄光性蛍光体微粒
粉末の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18568898A JP2000001672A (ja) | 1998-06-15 | 1998-06-15 | 蓄光性蛍光体微粒粉末及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18568898A JP2000001672A (ja) | 1998-06-15 | 1998-06-15 | 蓄光性蛍光体微粒粉末及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000001672A true JP2000001672A (ja) | 2000-01-07 |
Family
ID=16175133
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP18568898A Pending JP2000001672A (ja) | 1998-06-15 | 1998-06-15 | 蓄光性蛍光体微粒粉末及びその製造方法 |
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