JP2000001657A - 新規粘着剤及び貼付製剤 - Google Patents

新規粘着剤及び貼付製剤

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JP2000001657A
JP2000001657A JP16975698A JP16975698A JP2000001657A JP 2000001657 A JP2000001657 A JP 2000001657A JP 16975698 A JP16975698 A JP 16975698A JP 16975698 A JP16975698 A JP 16975698A JP 2000001657 A JP2000001657 A JP 2000001657A
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pressure
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adhesive
moisture permeability
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JP16975698A
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Susumu Maruo
享 丸尾
Hiromasa Minematsu
宏昌 峯松
Takeyuki Kawaguchi
武行 川口
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸れを抑制する高い透湿性を有し、かつ皮膚
接着面からの脱着を防ぐために必要な剥離力を有すると
ともに、使用後の剥離時に皮膚表面を損傷しない程度の
剥離容易性を有する粘着剤を提供する。 【解決手段】 一般式(1) (CH2−CR12)m−(X)n (1) (但し、R1は水素原子又はメチル基、R2はCOO(C
2CH(R3)O)pR4、R3は水素原子又はメチル基、
4は炭素数6以上24以下のアルキル基、Xはカルボ
キシル基含有エチレン性不飽和単量体、m:nの質量比
が20〜90重量%:1〜40重量%、pは2以上10
以下の整数を示す。)で示される共重合ポリマーの一部
を架橋したポリマーと液体成分の含有量比が1:0.2
5〜1:2.0である粘着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な粘着剤および
貼付剤に関する。更に詳細には、本発明は蒸れを抑制す
る高い透湿性を有し、かつ皮膚接着面からの脱着を防ぐ
ために必要な剥離力を有するとともに、使用後の剥離時
に皮膚表面を損傷しない程度の剥離容易性を有する粘着
剤及び貼付製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、薬物を皮膚面を通して生体内に投
与するための経皮吸収テープ剤が各種開発されている。
これら経皮吸収テープ剤の問題点として、皮膚貼付時に
皮膚刺激が生じる問題があった。これを解決する方法と
して、例えば特開平3−220120号公報、特開平6
−23029号公報には、アクリル酸エステル系ポリマ
ーに該ポリマーと相溶する液体成分を多量に含浸させる
ことで角質層剥離を抑えることで皮膚刺激の少ないテーフ゜
剤が提案されている。しかしながら、テーフ゜剤を引き剥が
す際の機械的な力を低減するだけでは皮膚刺激を十分に
抑制することはできない。また、特開平6−25618
3号公報には、ポリオキシアルキレングリコール類を刺
激低減化剤として添加することで、高い透湿性を有する
ことで皮膚刺激を低減させるテーフ゜剤が提案されている。
しかしながら、ポリオキシアルキレングリコール類は薬
物の溶解性が良いため、薬物の皮膚透過性が低下すると
いう問題があり、薬物の皮膚透過性の低下を補うために
は吸収促進剤を用いる必要があり、皮膚刺激を十分に抑
制することは困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明の目
的は、蒸れを抑制する高い透湿性を有し、かつ皮膚接着
面からの脱着を防ぐために必要な剥離力を有するととも
に、使用後の剥離時に皮膚表面を損傷しない程度の剥離
容易性を有する粘着剤を提供することにある。
【0004】本発明者らは、このような目的を達成する
ために鋭意研究した結果、特定の両親媒性側鎖を有する
単量体、極性単量体及び又は該単量体と共重合可能な単
量体との共重合体からなる粘着剤の一部を架橋し、かつ
液体成分を含有させることにより、蒸れを抑制する高い
透湿性を有し、かつ皮膚接着面からの脱着を防ぐために
必要な剥離力を有するとともに、使用後の剥離時に皮膚
表面を損傷しない程度の剥離容易性を有する粘着剤が得
られることを見出し本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、一般
式(1) (CH2−CR12)m−(X)n (1) (但し、 R1は水素原子又はメチル基、R2はCOO(C
2CH(R3)O)pR4、R3は水素原子又はメチル基、
4は炭素数6以上24以下のアルキル基、Xはカルボ
キシル基含有エチレン性不飽和単量体、m:nの質量比
が20〜90重量%:1〜40重量%、pは2以上10
以下の整数を示す。)で示される共重合ポリマーの一部
を架橋したポリマーと液体成分の含有量比が1:0.2
5〜1:2.0である粘着剤及びかかるゲル状粘着剤と
支持体とからなる貼付剤を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のポリマーは、下記一般式
(1)で示されるものである。
【0007】(CH2−CR12)m−(X)n (1) (但し、R1は水素原子又はメチル基、R2はCOO(C
2CH(R3)O)pR4、R3は水素原子又はメチル基、
4は炭素数6以上24以下のアルキル基、Xはカルボ
キシル基含有エチレン性不飽和単量体、m:nの質量比
が20〜90重量%:1〜40重量%、pは2以上10
以下の整数を示す。) 上記式中のR1は水素原子又はメチル基であり、剥離力
を高める必要がある場合は水素原子がより好ましい。R
1に水素原子またはメチル基以外を用いた場合、モノマ
ーの重合性が低下するため好ましくない。
【0008】また、上記式中のR2はCOO(CH2CH
(R3)O)pR4であり、 R3は水素原子又はメチル基が
透湿性を高めるために重要である。 R3は水素原子又は
メチル基以外のものの場合、十分な透湿性が得られなく
なったり、凝集力が低下するため好ましくない。また、
これらのくり返し単位は数pは2以上10以下である。
くり返し単位が2未満の場合、十分な透湿性が得られな
くなり、また、10を超えた場合、剥離力が低下した
り、重合時にゲル化が生じやすくなるため好ましくな
い。また、上記式中のR4は炭素数6以上24以下のア
ルキル基を示す。炭素数が6未満の場合、薬物放出性が
低下したり、重合時にゲル化が生じやすくなるため好ま
しくない。また、炭素数が24を超えると剥離力が低下
し、好ましくない。また、アルキル基の代わりにフェニ
ル基のような芳香族基を用いた場合、透湿性が低下する
ことや重合時にゲル化が生じやすい点から好ましくな
い。
【0009】上記式中の(CH2−CR12)で示される
モノマー(以下、モノマー1ということがある)の具体
的な例としては、ジエチレングリコールオクチルエーテ
ル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールオ
クチルエーテル(メタ)アクリレート、テトラエチレン
グリコールドデシルエーテル(メタ)アクリレート、ヘキ
サエチレングリコールオクタデシルエーテル(メタ)ア
クリレート、ヘプタエチレングリコールオクタデシルエ
ーテル(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコー
ルヘキサデシルエーテル(メタ)アクリレート、デカエ
チレングリコールヘキサデシルエーテル(メタ)アクリ
レート、ペンタプロピレングリコールドデシルエーテル
(メタ)アクリレート、ペンタプロピレングリコールオ
クタデシルエーテル(メタ)アクリレート、ヘプタエチ
レングリコールトリプロピレングリコールオクタデシル
エーテル(メタ)アクリレートなどがあげられる。これ
らのうち、モノマー1としては、テトラエチレングリコ
ールドデシルエーテルアクリレート、ヘキサエチレング
リコールオクタデシルエーテルアクリレート等を好まし
いものとしてあげることができる。
【0010】これらモノマー1、例えばテトラエチレン
グリコールドデシルエーテルアクリレートは、対応する
グリコールアルキルエーテルと塩化アクリロイルを反応
させることにより、すなわち、テトラエチレングリコー
ルドデシルエーテルとトリエチルアミンのテトラヒドロ
フラン溶液に塩化アクリロイルのテトラヒドロフラン溶
液を滴下して反応させて得られる。また、テトラエチレ
ングリコールドデシルエーテルアクリレート以外のモノ
マー1についても、対応するグリコールアルキルエーテ
ルと塩化アクリロリルを反応させる同様の尾方法で得る
ことができる。
【0011】該モノマー1の共重合割合としては、20
重量%以上90重量%以下であることが重要である。該
モノマー1が20重量%未満では、十分な透湿度を有す
る粘着剤を得ることは困難であり、90重量%を越える
と、高い透湿度は得られるものの、粘着剤の凝集力が低
下し、糊残りが生じる。すなわち、粘着剤を皮膚から剥
がす際に皮膚に粘着剤が残ってしまい実用的でなくな
る。ここで十分な透湿度とは、少なくとも人体からの不
感蒸泄以上(850g/日(汗の話、小川徳雄著、アト゛ア出
版)、ヒトの表面積が約1.5m2)、すなわち600g/ m
2/日以上、好ましくは800g/m2/日の透湿度であ
る。また、ここでいう透湿度とは、後述する測定条件で
測定した透湿度であり、すなわち、温度40℃、相対湿
度70%の条件下で膜厚50μmの粘着剤1m2当たり
の面積を24時間当たりに透過する水分の重量である。
【0012】上記式中の(X)で示されるカルボキシル
基含有エチレン性不飽和単量体(以下モノマー2という
ことがある)の具体的な例としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、マレイン酸などが上げられる。
これらの中でも特にアクリル酸が凝集力、剥離力、重合
性の点から好ましい。
【0013】該モノマー2の共重合割合は、本発明の粘
着剤に必要な凝集力を付与させるためには、1重量%以
上40重量%以下共重合することが重要である。該モノ
マー2が1重量%未満となると粘着剤の凝集力が低くな
り、粘着剤の剥離時に粘着剤が被着体に一部残るという
問題が生じ、40重量%を超えると剥離力が低下し、皮
膚接着に十分な剥離力が得られなくなる。
【0014】本発明において、モノマー1とモノマー2
の他、更に以下のような上記モノマーと共重合可能なモ
ノマーを共重合することもできる。このモノマーとして
は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メ
タ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2
ーエチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メ
タ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレー
ト、ブチルビニルエーテル、メチルビニルエーテルなど
のビニルエーテル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、ビニルカプロ
ラクタム、無水マレイン酸、ヒドロキシエチルアクリレ
ート、ヒドロキシプロピルアクリレート、アクリルアミ
ド、ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリルなどな
どがあげられる。これらのモノマーは粘着剤の剥離力、
凝集力を損なわない範囲で共重合することができる。
【0015】本発明において、液体成分を粘着剤に含有
させるために上記式(1)からなるポリマーの一部を架
橋することが重要である。架橋方法としては、多官能
性モノマーを共重合する方法、電磁波により架橋する
方法、ポリマー成分中のカルボキシル基と共有結合・
イオン結合により架橋する方法などが上げられる。
【0016】の方法としては、多官能性モノマーとし
て、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレン
グリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼンなどが
用いられる。これらは、共重合モノマーに対し、0.01〜
0.5mol%の範囲で添加することが好ましい。0.01mol%以
下では、架橋が十分に行われず、粘着剤の凝集力が低
く、皮膚からの剥離時に粘着剤が皮膚に残りやすくな
り、0.5mol%を超えると剥離力が低下し、好ましくな
い。
【0017】の方法としては、γ線などの放射線や紫
外線による架橋が用いられる。γ線の場合、通常、0.2
〜10kGyの範囲で照射を行うのが好ましく、0.2kGyより
小さいと、十分な凝集力が得られず、皮膚からの剥離時
に粘着剤が皮膚に残りやすくなり、10kGyを超えると皮
膚に対する剥離力が低下したり、ポリマーの分解が生じ
好ましくない。紫外線架橋の場合、ベンゾフェノン、ア
セトフェノン、ベンゾイルアルキルエーテル、チオキサ
ントン誘導体、ベンゼンジアゾニウムクロライドなどの
光反応開始剤をポリマーの0.3〜10%の範囲で添加するこ
とが好ましい。0.3%未満では、架橋が十分に行われず、
粘着剤の凝集力が低く、皮膚からの剥離時に粘着剤が皮
膚に残りやすくなり、10%を超えると剥離力が低下し、
好ましくない。
【0018】の方法としては、多官能性イソシアネー
トあるいはアルミニウム、マグネシウム、カルシウム、
チタンなどの多価金属イオンの金属キレートまたは金属
アルコラートなどが用いられる。これらは、共重合ポリ
マーに対し、0.03〜3%の割合で添加するのが好ましい。
0.01%未満では、十分な凝集力が得られず、皮膚からの
剥離時に粘着剤が皮膚に残りやすくなり、10%を超える
と皮膚に対する剥離力が低下し、好ましくない。
【0019】本発明において用いられる液体成分として
は、上記式(1)からなるポリマーと相溶性を有するも
のであれば特に制限はない。そのような液体成分の中で
も常温で液体のものが好ましく、具体的には、例えばプ
ロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリ(オキシエチレンーオキシプ
ロピレン)グリコールなどのグリコール類;例えばエタ
ノール、オレイルアルコールなどのアルコール類;例え
ばグリセリン、トリアセチンなどのグリセリン類;例え
ばオリーブ油、ヒマシ油のような油脂類;例えばミリス
チン酸イソフ゜ロヒ゜ル、パルミチン酸イソオクチル、オレイ
ン酸エチル、セバシン酸ジエチルなどの高級脂肪酸エス
テル類;例えばリノレン酸、リノール酸、オレイン酸、
カプリン酸などの高級脂肪酸;例えばフタル酸ジエチ
ル、アジピン酸ジイソプロピルなどの脂肪酸エステル;
例えばジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド、Nーメチルピロリドンなどの非
プロトン性極性有機物;例えばラウリルアミド、ジメチ
ルドデシルスルホキシド、ドデシルピロリドン、モノカ
プリル酸ソルビタンなどの液状界面活性剤および例えば
流動パラフィンなどの炭化水素類などがあげられる。こ
れらは単独でも、1種または2種以上の混合系でも使用
できる。
【0020】これらのなかでも、本発明の液体成分とし
ては、例えばミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸
イソオクチル、オレイン酸エチルなどの高級脂肪酸エス
テルや例えばリノレン酸、リノール酸、オレイン酸など
の高級脂肪酸がゲル状粘着剤の剥離力、剥離容易性およ
び薬物の経皮吸収性の向上の点から好ましい。
【0021】本発明において、上記式(1)ポリマーと
液体成分は、1:0.25〜1:2.0の割合で混合さ
れる。このような適度な配合割合のとき、皮膚接着面か
らの脱着を防ぐために必要な適度な剥離力と使用後の剥
離時に皮膚表面を損傷しない程度の剥離容易性とを有
し、糊残りの少ない安全なゲル状粘着剤が得られる。こ
こでいう糊残りとは、後述する180度剥離試験におい
て、剥離後ベークライト板に液成分及びまたは粘着性ポ
リマーが付着しない程度のことをいう。
【0022】本発明のゲル状粘着剤は、上記式(1)ポ
リマーを架橋した後、液体成分とともに、例えば前項記
載の混合割合で、共通溶剤中にて混合溶解したのち、基
板または離型材の片面に塗布し、その後、乾燥処理によ
り溶媒を除去して、かかるゲル状粘着剤からなる粘着剤
層とすることができる。あるいは、上記式(1)ポリマ
ーと液体成分とともに、例えば前項記載の混合割合で、
共通溶剤中にて混合溶解したのち、基板または離型材の
片面に塗布し、その後、乾燥処理中あるいは乾燥処理後
に架橋処理を行い、かかるゲル状粘着剤からなる粘着剤
層とすることができる。出来上がりの粘着剤層の厚み
は、例えばゲル状粘着剤に薬物を含有させる場合には、
用いる薬剤にもよるが、通常20μm〜150μm、好ま
しくは30μm〜80μm程度が好適である。
【0023】本発明の貼付剤は、上記のようにして得ら
れた本発明のゲル状粘着剤からなる粘着剤層と支持体と
を直接・間接に積層して得るか、あるいはまた、かかる
支持体上に直接本発明のゲル状粘着剤を例えばコーター
等を用いて塗布するか、支持体上にゲル状粘着剤層を転
着するなど従来公知の方法により得ることができる。
【0024】本発明に用いられる支持体としては、上記
粘着剤層が形成でき、自己保持性があって、皮膚表面に
貼付して薬剤を経皮吸収により透過させるための貼付剤
および皮膚面の保護などに用いる貼付剤とすることがで
きるものであれば特に制限はなく、ポリエステル、ポリ
オレフィン、セルロースエステルなどのポリマーフィル
ム、ポリエステル、ポリオレフィン、セルロースエステ
ル、ポリウレタン、ポリアミド等からなる織物・編物・
不織布、紙、ポリエステル、ポリオレフィン、セルロー
スエステル、ポリウレタン、ポリアミド等からなる多孔
性膜又はこれらの1種または2種以上の組み合わせから
なる積層体などが使用できる。これらの支持体の厚み
は、貼付剤の種類にもよるが、通常100μm〜100
0μm、好ましくは、200μm〜500μmに設定され
る。
【0025】本発明の粘着剤に薬物を含有させること
で、貼付製剤とすることができる。含有される薬物とし
ては特に限定はないが、具体的には消炎鎮痛剤、ステロ
イド類、降圧利尿剤、麻酔剤、抗ヒスタミン剤、抗腫瘍
剤、抗高血圧剤、抗鬱剤、ビタミン剤などが例示され
る。また、薬物の含有量は、治療目的に応じて設定され
るが、通常0.1〜40wt%,好ましくは1〜30wt%であ
る。含有量が0.1wt%未満では、通常治療に必要な量
の薬物の経皮吸収が得られない場合がある。また、含有
量が40wt%を超える場合、貼付剤の剥離力が低下した
り、使用後の貼付剤の残存薬物量が増え、不経済であ
る。また、薬物を含有させる方法としては、溶液状の粘
着剤に薬物溶液をあらかじめ混合して薬物含有粘着剤層
とするか、あるいは含浸、転着、スプレー等の方法で薬
物を含有しないか又は薬物を十分には含有しない粘着剤
層に薬物を経皮吸収に十分な量含有させる等、含有させ
ようとする薬物の物性等に応じて従来公知の方法を採用
することができる。
【0026】
【発明の効果】上述したように、特定の両親媒性側鎖を
有する単量体と該単量体と共重合可能な単量体との共重
合体からなるポリマーの一部架橋したポリマーと液体成
分からなる粘着剤を作製することにより、蒸れを抑制す
る高い透湿性を有し、かつ皮膚接着面からの脱着を防ぐ
ために必要な剥離力を有するとともに、使用後の剥離時
に皮膚表面を損傷しない程度の剥離容易性を有する粘着
剤及び貼付製剤が得られる。
【0027】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明する。な
お、実施例中、部および%は重量部および重量%を意味
する。また、実施例中の「剥離力」、「凝集力」、「透
湿度」は以下の方法で測定した。
【0028】(1)剥離力 ベークライト板に幅12mm、長さ50mmに切断したサン
プルを貼付し、荷重850gのローラーを1往復させた
後、37℃の恒温装置に30分静置させた後、300mm
/min.の速度で180度方向に剥離したときの力を
剥離力とした。
【0029】(2)凝集力 上記(1)の方法で剥離力を測定した後に、粘着剤がベ
ークライト板上に残るか否かを目視にて判定を行った。
【0030】(3)透湿度 内径38mmのガラス秤量瓶に塩化カルシウムを26g入
れ、透湿度6100g/m2/日のポリエステルエラスト
マー不織布に密着させた粘着剤層を秤量瓶上部に固定、
密封した。これを温度40℃、相対湿度70%の恒温恒
湿槽内に3時間放置し、質量増加量から1平方メートル
面積当たり24時間当たりの透過水分量を計算し、粘着
剤層あるいは支持体の透湿度とした。
【0031】[実施例1]窒素ガス雰囲気下でテトラエ
チレングリコールドデシルエーテルアクリレート45
g、2−エチルヘキシルアクリレート45g,アクリル酸
10g、酢酸エチル100gの溶液に重合開始剤としてア
ゾビスイソブチロニトリルを上記単量体合計の0.3モ
ル%加えた後、溶液中に窒素ガスを1時間通じた後、7
0℃で6時間重合を行った。重合終了後、酢酸エチル1
00gを加えて共重合体溶液を得た。この溶液100gに
架橋剤としてエチルアセトアルミニウムジイソプロピレ
ートを10%含むアセチルアセトン溶液を5.6g、イ
ソプロピルミリステートを22.2g添加した後、この
混合溶液をシリコーンコートした離型フィルムの上に乾
燥後の粘着剤層の厚みが50μmとなるように塗工し、
60℃で30分乾燥し粘着剤層を得た。得られた粘着剤
層の片面に支持体として3.5μmのPETフィルムを貼
り合わせて剥離試験用の粘着テープを得た。また、得ら
れた粘着剤層の片面に支持体として透湿度6100g/
2/日の不織布を貼り合せて透湿度測定用の粘着テー
プを得た。表1に示すようにこれらの粘着テープの剥離
力は116g/12mmであり、凝集力は良好であった。
また、透湿度は810g/ m2/日と良好であった。
【0032】[比較例1]実施例1において、エチルア
セトアルミニウムジイソプロピレートを10%含むアセ
チルアセトン溶液を添加しない以外は、実施例1と同様
にして、粘着剤層を得た。しかしながら、この粘着剤の
凝集力は著しく低く、離型フィルムに粘着剤が残り(糊
残り)、剥離力、透湿度は測定できなかった。
【0033】[比較例2]2ーエチルヘキシルアクリレ
ート90部、メタアクリル酸メチル7部、アクリル酸3
部からなるポリアクリル酸アルキルエステル共重合体を
10%含む酢酸エチル溶液60gにエチルアセトアルミ
ニウムジイソプロピレートを10%含むアセチルアセト
ン溶液を0.5g、イソプロピルミリステートを4.0g
添加した後、この混合溶液をシリコーンコートした離型
フィルムの上に乾燥後の粘着剤層の厚みが50μmとな
るように塗工し、60℃で30分乾燥し粘着剤層を得
た。得られた粘着剤の剥離力、凝集力、透湿度を表1に
示す。
【0034】[実施例2]窒素ガス雰囲気下でテトラエ
チレングリコールドデシルエーテルアクリレート45
g、酢酸ビニル50g,アクリル酸5g、架橋剤としてジ
エチレングリコールジメタクリレート0.18g、酢酸
エチル100gの溶液に重合開始剤としてアゾビスイソ
ブチロニトリルを上記単量体合計の0.3モル%加えた
後、溶液中に窒素ガスを1時間通じた後、70℃で重合
を開始した。重合開始2時間後に酢酸エチル100gを
加えて更に2時間重合を行い共重合体溶液を得た。この
溶液100gにイソプロピルミリステートを22.2g添
加した後、この混合溶液をシリコーンコートした離型フ
ィルムの上に乾燥後の粘着剤層の厚みが50μmとなる
ように塗工し、60℃で30分乾燥し粘着剤層を得た。
得られた粘着剤層の片面に支持体として3.5μmのPE
Tフィルムを貼り合わせて剥離試験用の粘着テープを得
た。得られた粘着剤の剥離力、凝集力、透湿度を表1に
示す。
【0035】[実施例3]実施例1において、共重合体
溶液100gにエチルアセトアルミニウムジイソプロピ
レートを10%含むアセチルアセトン溶液を5.6g、
イソプロピルミリステートを22.2g添加した後、更
に、ケトプロフェン10%を含む酢酸エチル溶液を1
1.1gを添加した以外は、実施例1と同様にして、粘
着剤層を得た。得られた粘着剤層の片面に支持体として
3.5μmのPETフィルムを貼り合わせて薬物透過試験
用の粘着テープを得た。得られた粘着テープを16.5mmΦ
に打ち抜き試験片とした。垂直型拡散セルのドナー、ア
クセプター間にエチレン酢酸ビニルポリマーフィルム
(酢酸ビニル7モル%、膜厚45μm)をセットし、このフィ
ルムのドナー側に試験片を貼付した。アクセプター側に
はpH7.4のリン酸緩衝液を20ml充填した。拡散
セルを37℃の恒温槽内にセットし、マグネチックスタ
ーラーで撹袢した。6時間後、アクセプター側の液をサ
ンプリングし、薬物濃度を液体クロマトグラフィーで分
析し、薬物の透過量を測定した。同一サンプルで実験を
4回くり返し、平均値をそのサンプルの透過量とした。
本試験片の薬物(ケトプロフェン)の透過量は16.5μg/cm
2/6hrと良好であった。
【0036】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川口 武行 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 Fターム(参考) 4C076 AA72 BB31 DD37 DD38 DD40 DD41 DD45 DD47 DD48 DD52 DD55 DD60 DD62 EE09A EE12A EE15A EE23 EE45A EE48A EE53 FF17 FF67 4C081 AA04 AA12 BB04 CA081 CA082 CC01 CC05 CC06 CE02 DA05 4J040 BA172 DF011 DF061 DG001 EE022 GA07 HB09 HB10 HB11 HB25 HB31 HB32 HB34 HC11 HC22 HD15 JB09 KA38 KA41 LA06 LA11 MA15 NA02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) (CH2−CR12)m−(X)n (1) (但し、R1は水素原子又はメチル基、R2はCOO(C
    2CH(R3)O)pR4、R3は水素原子又はメチル基、
    4は炭素数6以上24以下のアルキル基、Xはカルボ
    キシル基含有エチレン性不飽和単量体、m:nの質量比
    が20〜90重量%:1〜40重量%、pは2以上10
    以下の整数を示す。)で示される共重合ポリマーの一部
    を架橋したポリマーと液体成分の含有量比が1:0.2
    5〜1:2.0である粘着剤。
  2. 【請求項2】 剥離力が300g/12mm以下である請
    求項1記載の粘着剤。
  3. 【請求項3】 透湿度が800g/m/日以上である請
    求項1、2記載の粘着剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載の粘着剤に薬物を含有
    することを特徴とする貼付製剤。
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