JP2000001580A - 耐尿変色性樹脂組成物 - Google Patents

耐尿変色性樹脂組成物

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JP2000001580A
JP2000001580A JP16758498A JP16758498A JP2000001580A JP 2000001580 A JP2000001580 A JP 2000001580A JP 16758498 A JP16758498 A JP 16758498A JP 16758498 A JP16758498 A JP 16758498A JP 2000001580 A JP2000001580 A JP 2000001580A
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weight
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hindered amine
urine
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Teruhiko Nawata
輝彦 縄田
Yoshifumi Matsumoto
良文 松本
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Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐尿変色性に優れ、耐熱性及び耐候性に優れ
た、耐尿変色性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】ポリプロピレン系樹脂、酸化チタン、酸化
亜鉛、及び硫化亜鉛から選ばれた少なくとも1種類の白
色顔料、及び分子量1500以上のヒンダードアミン系
化合物を含み、フェノール系酸化防止剤を実質的に配合
しないことを特徴とする耐尿性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレン系
樹脂組成物に関する。更に詳しくは、ポリプロピレン系
樹脂よりなり、尿の長期間の付着による変色がなく、耐
熱性、耐候性に優れた耐尿性樹脂組成物及び該耐尿性樹
脂組成物よりなる便器に関する。
【0002】
【従来の技術】便器の部材としてポリプロピレンを成形
してなる便座シートや便蓋は既に公知である。例えば、
特開平7−184806号公報には、高結晶性ポリプロ
ピレンと造核剤を含有する組成物からなる便座シートと
便蓋が提案されている。また特開平8−84691号公
報には、高結晶性ポリプロピレンと抗菌剤を含有する組
成物からなる便座シートや便蓋等が提案されている。
【0003】また、近年は、発熱体を用い、暖房機能を
付与した便座が普及してきており、熱により、劣化や変
色等の心配がない便座シートや便蓋が求められており、
さらに、長期間の使用による変色の無い耐候(光)性も
同時に求められていた。
【0004】そこで、ポリプロピレン樹脂組成物には、
耐熱性の発現効果が高いフェノール系酸化防止剤が一般
に用いられている。また、陶器と組み合わせた際に十分
な質感を得るため、酸化チタンなどの白色顔料を主成分
とした顔料で着色されている。そして、上記ポリプロピ
レン樹脂組成物よりなる便座シートや便蓋は、従来用い
られていたABS製のものに比べ、耐薬品性に優れるた
め、清掃用の洗剤による機械物性の低下、黄変などの心
配が無く、非常に有用なものとして使用されつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記フ
ェノール系酸化防止剤を含み、白色顔料を主成分とした
顔料で着色された従来のポリプロピレン系樹脂組成物か
らなる便座シートは、その使用時に、尿が表面に長期間
付着することにより不可逆的な変色を来すという欠点が
あることが判った。
【0006】従って、本発明の目的は、ポリプロピレン
系樹脂よりなる、耐尿変色性、耐熱性及び耐候性に優れ
た、便座シートや便蓋等の材料に適した耐尿変色性樹脂
組成物を提供することにある。
【0007】尚、本発明において、耐尿変色性に優れる
とは、成形品表面における尿の長期間の付着による不可
逆的な変色が小さい事をいう。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意研究を行ってきた。その結果、耐熱性
の発現のためポリプロピレン系樹脂に配合されたフェノ
ール系酸化防止剤が、白色顔料の存在下に何らかの原因
で樹脂を変色せしめるという知見を得た。
【0009】また、ポリプロピレン系樹脂に、高分子量
のヒンダードアミン系化合物を含有せしめ、フェノール
系酸化防止剤を含有しない、または含有量を極力低くし
た樹脂組成物のとすることにより、耐尿変色性、耐熱
性、及び耐候性に優れた樹脂組成物が得られることを見
い出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】即ち、本発明は、ポリプロピレン系樹脂1
00重量部、酸化チタン、酸化亜鉛、及び硫化亜鉛から
選ばれた少なくとも1種類の白色顔料0.2〜10重量
部、分子量1500以上のヒンダードアミン系化合物
0.02〜2重量部を含有し、且つフェノール系酸化防
止剤の含有量が0.02重量部以下であることを特徴と
する耐尿変色性樹脂組成物である。
【0011】他の発明は、上記樹脂組成物を成形してな
る成形体が、尿と接触する可能性のある少なくとも一つ
の部材として使用される便器に関する。
【0012】本発明の樹脂組成物を成形することによ
り、耐尿変色性、耐熱性、及び耐候性に優れた便器用部
材を得ることができる。
【0013】本発明における便器とは、一般家庭用や業
務用の洋式便器及び和式便器、ポータブル便器、仮設便
器、おまる等、用便に用いる公知の便器を全て含む。ま
た、便器の部材とは、上記便器を構成する全ての部材を
いい、その中で尿と接触する可能性のある部材としては
便座シート、便蓋、操作ボックス、ロータンク、便器本
体や仮設便器などの便器にあっては付属する床材や壁材
等が挙げられる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に用いるポリプロピレン系
樹脂は公知のホモポリプロピレン、プロピレン−エチレ
ンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共
重合体等を何等制限無く用いることができる。但し、成
形品の剛性、機械強度及び耐薬品性を良好にするため、
13CNMRで測定したアイソタクチックペンタッド分率
が0.96以上のものが好ましい。ここでいうアイソタ
クチックペンタッド分率は、A.Zambelliらに
よって発表された方法(Macromolecules
6 925 1973)に従って、ポリプロピレン分子
中のペンタッド単位でプロピレンモノマー単位が5個連
続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマ
ー単位の分率を求めたものである。
【0015】また、成形性を良好にするために、ポリプ
ロピレン系樹脂のメルトフローレートは0.1〜100
g/10minの範囲にあることが好ましい。ここでい
うメルトフローレートはJISK7210に準じ、23
0℃にて測定するものである。
【0016】本発明においてポリプロピレン系樹脂は、
如何なる方法により得られたものであっても良い。一般
には、チーグラー・ナッタ型立体特異性触媒系やメタロ
セン立体特異性触媒系を用い重合して得られたものが好
ましい。
【0017】また、上記ポリプロピレン系樹脂を得るた
めの重合方法は、気相中及び液相中のいずれで重合した
ものであっても良い。また、触媒に対する不活性液体あ
るいは不活性溶媒中において重合したものでも良く、重
合中に水素を導入することにより分子量調節したもの
や、得られた重合体を有機過酸化物等の分子量調節剤に
より減成したものでもよい。
【0018】なお、本発明において上記ポリプロピレン
系樹脂は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で他の
公知の樹脂と混合して用いてもよい。こうした他の樹脂
とは、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチ
ルペンテン−1等のα−オレフィンの単独重合体、また
はこれらのα−オレフィン及びプロピレンのブロック共
重合体或いはランダム2元共重合体や3元以上のランダ
ム共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリアルキ
ルシロキサン等が挙げられる。この場合、こうした他の
樹脂は、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して4
0重量部以下、好ましくは25重量部以下の割合で配合
するのが好適である。
【0019】本発明に用いる白色顔料は、酸化チタン、
酸化亜鉛及び硫化亜鉛の公知のものを制限無く用いるこ
とができる。酸化チタンの結晶形はルチル型であること
が耐候変色性、耐熱性、耐尿変色性が良好になり、好ま
しい。また、酸化チタンは表面処理を施したものが耐尿
変色性に優れ、好ましい。酸化チタンの表面処理剤とし
ては、アルミニウムの水和酸化物、酸化物、及び硫化
物、酸化珪素、酸化亜鉛、有機物等公知のものを制限な
く用いることが出来る。
【0020】上記表面処理剤の付着量は、酸化チタン1
00重量部に対し、1重量部〜5重量部であることが好
ましい。即ち、表面処理を施した酸化チタンは、耐熱性
や耐候をさらに向上させることができるが、表面処理量
が1重量部未満であると耐尿変色性に若干劣る。
【0021】また、白色顔料の粒子形状、平均粒子系等
も特に制限されないが、分散性や顔料としての効果を充
分発現させるために、平均粒子系が0.05〜1μmで
あることが好ましい。
【0022】本発明における白色顔料の添加量はポリプ
ロピレン系樹脂100重量部に対して0.2〜10重量
部、好ましくは0.5〜5重量部である。即ち、白色顔
料の含有量が0.2重量部未満では、遮光性、白色度が
低く、他の無機及び有機顔料と組み合わせた場合でも、
成形品の重厚性に劣り、成形品として陶器部品との組み
合わせに適合しない。白色顔料の含有量が10重量部以
上では、耐熱性、耐候性が低下するばかりか、耐尿変色
性も低下する。
【0023】本発明の樹脂組成物には、フェノール系酸
化防止剤がポリプロピレン系樹脂100重量部に対して
0.02重量部以下、好ましくは0.01重量部以下の
範囲ないとなるように調整することが、得られる樹脂組
成物に耐尿変色性を与えるために重要である。即ち、フ
ェノール系酸化防止剤の含有量が0.02重量部を超え
ると、耐尿変色性が著しく低下する。
【0024】最も好ましい態様は、該フェノール系酸化
防止剤が実質的に存在しない態様である。しかし、耐熱
性を更に付与する目的で添加する場合や、副資材等から
不可避的に混入する場合などでは、フェノール系酸化防
止剤を上記許容範囲内で存在させることができる。
【0025】上記フェノール系酸化防止剤としては、
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、テ
トラキス[メチレン−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル]プロピオネート]メタン、トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
イソシアヌレート、n−オクタデシル−3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート、トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,
6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5
−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、3,9−
ビス{2−[3(3−t−ブチル−4−ハイドロキシ−
5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−
ジメチルエチル}2,4,8,10−テトラオキサスピ
ロ[5、5]ウンデカンなどが挙げられる。
【0026】本発明の樹脂組成物において、得られる樹
脂組成物に耐尿変色性を発揮せしめながら耐熱性を付与
するため、フェノール系酸化防止剤に代えて分子量15
00以上のヒンダードアミン化合物が配合される。
【0027】本発明において、分子量が1500以上の
ヒンダードアミン系化合物としては公知のものを制限無
く用いることができる。分子量の上限は特にないが、樹
脂に添加される公知のヒンダードアミン系化合物として
は、分子量が10000以下のものが用いられる。例え
ば、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチ
ル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイ
ル}{2,2,6,6テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)イミノ}]、コハク酸ジメチル
・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−
2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン重縮合物、
N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミ
ン・2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6
−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物等を挙げるこ
とができる。これらの分子量が1500以上のヒンダー
ドアミン系化合物は1種類、または2種類以上を組み合
わせて含有させることができる。
【0028】本発明において、分子量が1500以上の
ヒンダードアミン系化合物の含有量はポリプロピレン系
樹脂100重量部に対して0.02〜2重量部、好まし
くは0.05〜1重量部である。即ち、上記含有量が
0.02重量部未満では耐熱性が低く、2重量部を越え
ると、熱による成形品表面の劣化はないが、熱による変
色の原因となる。
【0029】また、本発明の樹脂組成物に、分子量80
0以下のヒンダードアミン系化合物を含有させることに
より、耐候性を更に向上させることができる。
【0030】分子量が800以下のヒンダードアミン系
化合物としては、公知のものを制限無く用いることがで
きる。例えば、ビス(2,2,6,6,−テトラメチル
−4ピペリジル)セバケート、コハク酸−ビス(2,
2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)エステ
ル、ビス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−
ピペリジル)セバケート、8−ベンジル−7,7,9,
9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリア
ザスピロ[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、1−
[2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6,−テトラ
メチルピペリジン、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)等を挙げることができるが、中でも、ビス(2,
2,6,6,−テトラメチル−4ピペリジル)セバケー
ト、ビス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−
ピペリジル)セバケートが好ましい。これらの分子量が
800以下のヒンダードアミン系化合物は1種類、また
は2種類以上を組み合わせて用いることができる 分子量が800以下のヒンダードアミン系化合物の含有
量はポリプロピレン系樹脂100重量部に対して0.0
1〜1重量部であることが好ましい。含有量が0.01
重量部未満では耐候性向上の効果が低く、1重量部を越
えるとブリードし易くなり、成形品の表面汚染の原因と
なる。
【0031】本発明の樹脂組成物には、耐熱性を更に向
上させるために公知のリン系酸化防止剤を、ポリプロピ
レン系樹脂100重量部に対して、0.02〜1重量部
配合することが好ましい。即ち、リン系酸化防止剤の含
有量が0.02重量部未満では耐熱性の向上効果が小さ
く、1重量部を越えると効果が頭打ちになり経済的でな
いばかりか、高温時にブリードし、成形品の表面汚染の
原因となる。
【0032】リン系酸化防止剤としては公知のものを制
限無く用いることができる。例えば、トリス(2,4−
ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ビス(2,
4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−
ジ−フォスファイト、トリス(モノ,ジ−ノリルフェニ
ル)フォスファイト等を挙げることができ、これらのう
ち、1種類、または2種類以上を組み合わせて含有する
こともできる。
【0033】尚、本発明の樹脂組成物には、上記成分の
他にタルク、ワラストナイト、硫酸バリウム、炭酸カル
シウム、ガラス等の無機充填材を配合しても良い。当該
無機充填材は、2種以上を併用しても良い。この無機充
填材の好ましい配合量は、ポリプロピレン系樹脂100
重量部に対して0.1〜15重量部である。
【0034】さらに、本発明の樹脂組成物には、発明の
効果を損なわない範囲で、適宜、各種の添加剤を配合す
ることができる。具体的には、チオエーテル系等の酸化
防止剤、有機系、無機系の結晶化核剤;ベンゾフェノン
系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系等の紫外線
吸収剤;ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の帯電
防止剤;ビスアミド系、ワックス系、有機金属塩系等の
分散剤;アルカリ土類金属塩のカルボン酸塩系、ハイド
ロタルサイト系等の塩素補足剤;アミド系、ワックス
系、有機金属塩系、エステル系等の滑剤;オキシド系、
ハイドロタルサイト系等の分解剤;ヒドラジン系、アミ
ン系等の金属不活性剤;含臭素有機系、リン酸系、三酸
化アンチモン、水酸化マグネシウム、赤リン等の難燃
剤;有機顔料;無機顔料;発泡剤;有機充填剤;金属イ
オン系などの無機、有機抗菌剤等があげられる。
【0035】本発明において、上記各成分を配合して樹
脂組成物とする方法は、樹脂の混合で行われている通常
の方法を何等制限なく採用することができる。例えば、
パウダーまたはペレット状のポリプロピレン系樹脂に、
白色顔料、及びヒンダードアミン化合物に、さらには必
要に応じて他の添加剤成分を添加し、タンブラーやヘン
シェルミキサー等にて混合した後、押出機にて溶融混練
しペレット等にする方法が好適である。また、各成分の
添加順序は、特に規定はなく、上記方法と異なる順序で
各成分を混合してもよい。さらに、各成分を高濃度に濃
縮配合したマスターバッチをつくり、成形時にポリプロ
ピレン系樹脂と混合使用することもできる。
【0036】本発明の樹脂組成物を成形して成形体とす
る方法は、射出成形、プレス成形、押出成形、スタンパ
ブル成形等の如何なる方法を採用しても良い。通常は、
射出成形により成形するのが一般的である。この射出成
形は、単軸射出、多軸射出、高圧射出、低圧射出、ガス
アシスト射出、メルトコア成形、インサート成形、コア
バック成形、2色成形等の如何なる方法で実施されても
良い。
【0037】本発明において、前記樹脂組成物によって
構成される便器の部材の形状、構造等の仕様は公知の仕
様が特に制限なく採用される。特に、本発明の便器用部
材は、耐熱性、及び耐尿性が良好であるので、内部に発
熱体が設置された熱暖房機能が付与された便座シート及
びそれと対をなす便蓋に採用されるのが好適である。
【0038】また、本発明の樹脂組成物は該便座シート
や便蓋のみならず、便器廻りの種々の電装部品、例えば
消臭器や熱暖房機器等のボディーの素材や、ごみ入れや
掃除道具収納容器などの便所内で用いる製品の素材とし
て用いても、上記便座シート等と同様の優れた効果が得
られる。
【0039】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に説明するために
実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0040】(1)耐熱性評価方法 成形品を150℃に制御したギヤオーブン中に吊し、1
00時間後の色目変化(色差)を色差計(スガ試験機
(株)製カラーコンピューターSM−3)で測定し、さ
らに表面の状態を以下の3段階で評価した。
【0041】 ○:ブリード及び表面クラックがほとんどない △:若干ブリード又は表面クラックが見られる ×:ブリードが多く見られる。又は表面クラックが著し
い。
【0042】さらに、150℃のギヤオーブン中で、成
形品表面にクラックが成形品表面積の1/3以上に発生
する時間を求め、耐熱時間とした。
【0043】(2)耐候性評価方法 試験温度63℃雨ありに設定したサンシャインウエザー
メータ(スガ試験機(株)製WEL−SUN−HC型)
で耐候試験を行い、400時間後の色差を色差計(スガ
試験機(株)製カラーコンピューターSM−3)で測定
した。
【0044】(3)耐尿変色性評価方法 健康な成人男性10人の尿を採取均等に混合し、試験尿
とした。次に成形品の表面に、試験尿を数滴付着させ、
ドラフト内にて自然乾燥を行った後、雰囲気温度23
℃、湿度50%の恒温恒湿室中で放置し、30日後に、
尿付着箇所をエタノールで拭き取った後の変色度合いを
肉眼にて観察し、以下の3段階で評価した。
【0045】 ○:変色が殆ど見られない △:若干変色が見られる ×:変色がはっきり見られる。
【0046】(4)質感評価方法 成形品を肉眼で観察し、質感を以下の3段階で評価し
た。
【0047】 ○:陶器と組み合わせても違和感のない質感である △:陶器と組み合わせてやや違和感がある ×:陶器と組み合わせて大いに違和感がある。
【0048】(5)酸化防止剤 酸化防止剤として以下のものを用いた。
【0049】AO―1:トリス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)フォスファイト[旭電化工業(株)製アデ
カスタブ2112;リン系酸化防止剤]AO−2:テト
ラキス[メチレン−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル]プロピオネート]メタン[旭電化工業
(株)製アデカスタブAO−60;フェノール系酸化防
止剤]。
【0050】(6)白色顔料 白色顔料として以下のものを用いた。
【0051】WHI―1:ルチル型酸化チタン(粒子径
0.25μm、Al2O3、1.5%表面処理品) WHI―2:ビーエーエスエフジャパン(株)製サクト
リスHD−S(硫化亜鉛、粒子径0.3μm) WHI―3:白水化学工業(株)製酸化亜鉛第2種(粒子
径0.4μm) WHI−4:ルチル型酸化チタン(粒子径0.30μ
m、表面未処理品)。
【0052】(7)分子量が800以下のヒンダードア
ミン系化合物 分子量が800以下のヒンダードアミン化合物は以下の
ものを使用した。
【0053】HAL―1:ビス(2,2,6,6,−テ
トラメチル−4ピペリジル)セバケート[三共(株)製
サノールLS−770];分子量481。
【0054】(8)分子量が1500以上のヒンダード
アミン化合物 分子量が1500以上のヒンダードアミン化合物は以下
のものを使用した。
【0055】HAH−1:ポリ[{6−(1,1,3,
3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリア
ジン−2,4−ジイル}{2,2,6,6テトラメチル
−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミ
ノ}](日本チバガイギー(株)製CHIMASSOR
B944FL);分子量3600 HAH―2:コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシ
エチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラ
メチルピペリジン重縮合物;分子量3300。
【0056】実施例1 アイソタクチックペンタッド0.975でメルトフロー
レートが15g/10minの高結晶性ポリプロピレン
単独重合体100重量部と、白色顔料(WHI−1)を
2.0重量部、分子量1500以上のヒンダードアミン
系化合物としてHAH−1を0.20重量部添加し、ヘ
ンシェルミキサーを用い、予備混合を行った。これを5
0mm単軸押出機を用い、220℃で溶融混練を行い、
樹脂組成物のペレットを得た。
【0057】次に、上記樹脂組成物ペレットを用いて射
出成形を行い、標準タイプの便蓋、及びそれと対をなす
便座シートを作製した。なお、この便蓋は、長さが37
0cm、幅が380cm、天面及び側面の平均的な厚み
は約3.5mmであり、便座と接続するための接続部を
有する。得られた便蓋を用いて、耐熱性、耐候性、耐尿
変色性、及び質感の評価を行い、表1に示した。
【0058】比較例1 分子量1500以上のヒンダードアミン化合物(HAH
−1)の添加量を0.01重量部とした以外は実施例1
と同様の操作を行い、評価結果をあわせて表1に示し
た。
【0059】実施例2、比較例2 フェノール系酸化防止剤としてAO−2を表1に示す量
添加した以外は、実施例1と同様の操作を行い、評価結
果をあわせて表1に示した。
【0060】比較例3 分子量1500以上のヒンダードアミン化合物(HAH
−1)を添加せず、フェノール系酸化防止剤(AO−
2)を表1に示す量添加した以外は実施例1と同様の操
作を行い、評価結果をあわせて表1に示した。
【0061】
【表1】
【0062】実施例3 アイソタクチックペンタッド0.975でメルトフロー
レートが15g/10minの高結晶性ポリプロピレン
単独重合体100重量部と、白色顔料(WHI−1)を
2.0重量部、分子量1500以上のヒンダードアミン
系化合物としてHAH−1を0.20重量部、分子量8
00以下のヒンダードアミン化合物(HAL−1)を
0.05重量部、リン系酸化防止剤(AO−1)を0.
10重量部、ステアリン酸カルシウム0.07重量部、
Al−p−t−ブチルベンゾエート0.2重量部を添加
し、ヘンシェルミキサーを用い、予備混合を行った。こ
れを50mm単軸押出機を用い、220℃で溶融混練を
行い、樹脂組成物のペレットを得た。
【0063】次に、実施例1と同様の操作により得られ
た便蓋を用いて、耐熱性、耐候性、耐尿変色性、及び質
感の評価を行い、表2に示した。
【0064】実施例4〜5 分子量800以下のヒンダードアミン化合物(HAL−
1)の添加量を表2に示すように変化させた以外は実施
例3と同様の操作を行い、評価結果をあわせて表2に示
した。
【0065】実施例6〜8、比較例4〜5 分子量1500以上のヒンダードアミン化合物(HAH
−1)の添加量を表2及び表3に示すように変化させた
以外は実施例3と同様の操作を行い、評価結果をあわせ
て表2及び表3に示した。
【0066】実施例9〜11、比較例6〜7 白色顔料(WHI−1)の添加量を表2及び表3に示す
ように変化させた以外は実施例3と同様の操作を行い、
評価結果をあわせて表2及び表3に示した。
【0067】実施例12〜14 白色顔料の種類を表2及び表3に示すように変化させて
4.0重量部添加した以外は実施例3と同様の操作を行
い、評価結果をあわせて表2及び表3に示した。
【0068】実施例15〜16 リン系酸化防止剤(AO−1)の添加量を表3に示すよ
うに変化させた以外は実施例3と同様の操作を行い、評
価結果をあわせて表3に示した。
【0069】実施例17 分子量1500以上のヒンダードアミン化合物としてH
AH−2を用いた以外は実施例3と同様の操作を行い、
評価結果をあわせて表3に示した。
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、ポリプロピレン
製便座において、従来重大な課題とされていた、尿の長
期間付着による不可逆的な変色を完全に解決し、さらに
耐候性や耐熱性にも優れるため、長期にわたる使用にお
いても変色などの心配が無く、暖房便座に使用した場合
も熱劣化や熱変色の心配も無い。従って、本発明の樹脂
組成物から成形された部材から構成される便器は非常に
商品価値の高いものである。
フロントページの続き Fターム(参考) 2D037 AA13 4J002 BB121 BB141 BP021 DE106 DE136 DG026 EJ018 EJ028 EJ048 EL128 EN037 ER007 EU077 EU157 EU198 FD010 FD037 FD078 FD096 FD200 GL00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂100重量部、酸
    化チタン、酸化亜鉛及び硫化亜鉛から選ばれた少なくと
    も1種類の白色顔料0.2〜10重量部、分子量150
    0以上のヒンダードアミン系化合物0.02〜2重量部
    を含有し、且つフェノール系酸化防止剤の含有量が0.
    02重量部以下であることを特徴とする耐尿変色性樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 尿と接触する可能性がある少なくとも一
    つの部材が、請求項1記載の耐尿変色性樹脂組成物より
    なることを特徴とする便器。
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