JP2000000915A - 積層熱可塑性フィルム - Google Patents

積層熱可塑性フィルム

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JP2000000915A
JP2000000915A JP10170795A JP17079598A JP2000000915A JP 2000000915 A JP2000000915 A JP 2000000915A JP 10170795 A JP10170795 A JP 10170795A JP 17079598 A JP17079598 A JP 17079598A JP 2000000915 A JP2000000915 A JP 2000000915A
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adhesion
acid
thermoplastic film
polyester
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JP10170795A
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Chikao Morishige
地加男 森重
Masayoshi Sato
昌由 佐藤
Masaya Higashiura
真哉 東浦
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた接着性、耐水性、耐溶剤性を有する積
層熱可塑性フィルムを提供する。 【解決手段】 熱可塑性フィルム基材の少なくとも片面
に、接着改質層を設けた熱可塑性フィルム基材におい
て、該接着改質層がクロロホルムによる粘着ブロッキン
グテストでブロッキングがない事を特徴とする高耐溶剤
性易接着性熱可塑性フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接着性の改良され
た熱可塑性フィルムに関し、その目的とするところは、
ラミネート時の接着剤、金属あるいは無機やそれらの酸
化物薄膜など広範囲の用途に使用可能で高度な接着性を
有し且つ、高度な耐溶剤性を有する熱可塑性フィルムを
提供することにある。
【0002】
【従来の技術】従来よりポリオレフィン、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミドなどの
熱可塑性樹脂よりなるフィルム、特に配向されたポリプ
ロピレン、ポリエステル、ポリアミド等のフィルムは、
優れた力学的性質や、耐熱性、透明性などを有し幅広く
使用されている。特に二軸延伸ポリエステルフィルム
は、機械的強度、耐熱性、耐薬品性、寸法安定性が優れ
ているので、磁気テープ用ベースフィルム、絶縁テー
プ、写真フィルム、トレーシングフィルム、食品包装用
フィルムなどの多方面で使用さえている。しかしながら
一般にポリエステルフィルムは接着性が低いため、磁性
体、感光剤、マット剤などを積層する場合には、フィル
ム表面にコロナ放電処理をしたり、アンカーコート剤を
設けることが一般的である。アンカーコート剤として、
数多くの材料が提案されており、中でも、ポリエステル
を中心とした比較的極性が高いフィルムに対しては、水
溶性あるいは水分散性のポリエステル系樹脂あるいはア
クリル系樹脂を用いることが提案されている。(特開昭
54-43017号、特公昭49-10243号、特開昭52-19786号、特
開昭52-19787号等)
【0003】しかし、上記ポリエステル系樹脂はフィル
ムを巻いてロールとしたとき、ブロッキングを起こしや
すいという欠点があり、また上記アクリル系樹脂はフィ
ルム及びプライマー層に被覆される層との接着性に劣る
という欠点がある。そこで、これらの欠点を改善する目
的で、上記ポリエステル系樹脂と上記アクリル系樹脂を
混合して用いることが提案されている(特開昭58-12465
1 号)が、欠点の改善は十分とは言い難い。
【0004】更に、グラフト変性を中心とした種々の変
性ポリエステルを使用することも提案されている。例え
ば、特開平2-3307号、特開平2-171243号、特開平2-3100
48号では、水溶性あるいは水分散できる親水基含有ポリ
エステル樹脂に不飽和結合含有化合物をグラフト化させ
た樹脂が、ポリエステルフィルムのプライマーとして好
適であることが開示されている。しかし、この様に、ポ
リエステル樹脂中にあらかじめ共重合等で親水基を含有
させた樹脂のグラフト変性では、高度の接着性、耐水
性、耐溶剤性がない。
【0005】また、特開平3-273015号、特公平3-67626
号でも、ポリエステルのグラフト変性樹脂がポリエステ
ルフィルムのプライマーとして有用であることが開示さ
れている。しかし、これらの樹脂についても、凝集力に
乏しいため、乾燥状態での接着性は向上するものの湿潤
下での接着性は乏しく、特に2次加工、3次加工と多加
工になるにつれ、膜のはがれ、キズがつくなどの問題が
あるのが現状である。これらの様に高度な後加工に対す
る耐久性が十分な物は得難い状況であり、またこれらの
加工耐久性を簡便に見分ける方法が、今まで確立されて
いなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決する事を目的とし、優れた接着性を有し且つ、耐
水性、耐溶剤性を有する積層熱可塑性フィルムを提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性フィ
ルム基材の少なくとも片面に、接着改質層を設けた熱可
塑性フィルム基材において、該接着改質層がクロロホル
ムによる粘着ブロッキングテストでブロッキングがない
事を特徴とする高耐溶剤性易接着性熱可塑性フィルムで
ある。
【0008】上記特性を有する接着改質層は、疎水性ポ
リエステル系樹脂に二重結合を有する酸無水物を含有す
るモノマーを少なくとも1種含む重合性不飽和単量体が
グラフトされた自己架橋性ポリエステル系グラフト共重
合体を主な構成成分とする接着改質層を有することを特
徴とする積層熱可塑性フィルムにより上記目的が達成出
来る。本発明の好ましい実施態様においては、前記接着
改質層が、自己架橋性ポリエステル系グラフト共重合体
および架橋結合剤を含む塗布液を未延伸または一軸延伸
フィルムに塗布、乾燥後、該塗布フィルムを更に、一軸
またはそれ以上延伸後、熱固定することによって形成さ
れた積層熱可塑性フィルムである。本発明のさらに好ま
しい実施態様においては、前記重合性不飽和単量体が少
なくともマレイン酸の無水物とスチレンの組み合わせを
含有することである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明における自己架橋性ポリエ
ステル系グラフト共重合体の「グラフト化」とは、幹ポ
リマー主鎖に、主鎖とは異なる重合体からなる枝ポリマ
ーを導入することにある。
【0010】(グラフト重合体)本発明のグラフト重合
は、一般には、疎水性共重合ポリエステル樹脂を有機溶
剤中に溶解させた状態において、ラジカル開始剤および
ラジカル重合性単量体混合物を反応せしめることにより
実施される。グラフト化反応終了後の反応生成物は、所
望の疎水性共重合ポリエステル−ラジカル重合性単量体
混合物間のグラフト重合体の他に、グラフト化を受けな
かった疎水性共重合ポリエステル及び疎水性共重合ポリ
エステルにグラフト化しなかったラジカル重合体をも含
有しているが、本発明におけるグラフト重合体とは、こ
れらすべてが含まれる。
【0011】本発明において、疎水性共重合ポリエステ
ル樹脂にラジカル重合性単量体をグラフト重合させた反
応物の酸価は600eq/106 g以上であることが好
ましい。より好ましくは、反応物の酸価は1200eq
/106 g以上である。反応物の酸価が600eq/1
6 g未満である場合は、本発明の目的であるプライマ
ー処理材に被覆される層との接着性が十分とはいえな
い。
【0012】また、本発明の目的に適合する望ましい疎
水性共重合ポリエステル樹脂とラジカル重合性単量体の
重量比率は、ポリエステル/ラジカル重合性単量体=4
0/60〜95/5の範囲が望ましく、更に望ましくは
55/45〜93/7、最も望ましくは60/40〜9
0/10の範囲である。疎水性共重合ポリエステル樹脂
の重量比率が40重量%未満であるとき、ポリエステル
樹脂の優れた接着性を発揮することができない。一方、
疎水性共重合ポリエステル樹脂の重量比率が95重量%
より大きいときは、ポリエステル樹脂の欠点であるブロ
ッキングが起こりやすくなる。
【0013】本発明のグラフト重合反応物は、有機溶媒
の溶液または分散液、あるいは、水系溶媒の溶液または
分散液の形態になる。特に、水系溶媒の分散液つまり、
水分散樹脂の形態が、作業環境、塗布性の点で好まし
い。この様な水分散樹脂を得るには、通常、有機溶媒中
で、前記疎水性共重合ポリエステル樹脂に、親水性ラジ
カル重合性単量体を含むラジカル重合性単量体をグラフ
ト重合し、次いで、水添加、有機溶媒留去により達成さ
れる。
【0014】本発明での水分散樹脂は、レーザー光散乱
法により測定される平均粒子系は500nm以下であ
り、半透明ないし乳白色の外観を呈する。重合方法の調
整により、多様な粒子径の水分散樹脂が得られるが、こ
の粒子径は10〜500nmが適当であり、分散安定性
の点で、400nm以下が好ましく、より好ましくは3
00nm以下である。500nmを越えると被覆膜表面
の光沢の低下がみられ、被覆物の透明性が低下し、10
nm未満では、本発明の目的である耐水性が低下するた
め、好ましくない。
【0015】本発明における水分散樹脂の重合に使用す
る親水性ラジカル重合性単量体とは、親水基を有する
か、後で親水基に変化できる基を指す。親水基を有する
ラジカル重合性単量体として、カルボキシル基、水酸
基、リン酸基、亜リン酸基、スルホン酸基、アミド基、
第4級アンモニウム塩基等を含むラジカル重合性単量体
を挙げることができる。一方、親水基に変化できるラジ
カル重合性単量体として、酸無水物基、グリシジル基、
クロル基などを挙げることができる。これらの中で、水
分散性の点から、カルボキシル基が好ましく、カルボキ
シル基を有するか、カルボキシル基を発生する基を有す
るラジカル重合性単量体が好ましい。本発明の酸価を上
げる点で、カルボキシル基を含有しているか、カルボキ
シル基を発生するラジカル重合性単量体が含まれている
ほうが好ましい。
【0016】グラフト共重合体のガラス転移温度は、特
に規制は無いが好ましくは30℃以下である。ガラス転
移温度が30℃以下のグラフト共重合体を接着改質層に
用いることにより、特に接着性に優れた積層ポリエステ
ルフィルムが得られる。
【0017】(ポリエステル)本発明において、疎水性
共重合ポリエステル樹脂とは、本来それ自身で水に分散
または溶解しない本質的に水不溶性である必要がある。
水に分散するまたは溶解するポリエステル樹脂を、グラ
フト重合に使用すると、本発明の目的である接着性、耐
水性が悪くなる。この疎水性共重合ポリエステル樹脂の
ジカルボン酸成分の組成は、芳香族ジカルボン酸60〜
99.5モル%、脂肪族ジカルボン酸および/または脂
環族ジカルボン酸0〜40モル%、重合性不飽和二重結
合を含有するジカルボン酸0.5〜10モル%であるこ
とが好ましい。芳香族ジカルボン酸が60モル%未満で
ある場合や脂肪族ジカルボン酸および/または脂環族ジ
カルボン酸が40モル%を越えた場合は、接着強度が低
下する。
【0018】また、重合性不飽和二重結合を含有するジ
カルボン酸が0.5モル%未満の場合、ポリエステル樹
脂に対するラジカル重合性単量体の効率的なグラフト化
が行われにくくなり、逆に10モル%を越える場合は、
グラフト化反応の後期に余りにも粘度が上昇し、反応の
均一な進行を妨げるので好ましくない。より好ましく
は、芳香族ジカルボン酸は70〜98モル%、脂肪族ジ
カルボン酸および/または脂環族ジカルボン酸0〜30
モル%、重合性不飽和二重結合を含有するジカルボン酸
2〜7モル%である。
【0019】芳香族ジカルボン酸の例としては、テレフ
タル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジ
カルボン酸、ビフェニルジカルボン酸等を挙げることが
できる。5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の親水基
含有ジカルボン酸は、本発明の目的である耐水性が低下
する点で、用いない方が好ましい。脂肪族ジカルボン酸
としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸等を挙げること
ができ、脂環族ジカルボン酸としては、1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカル
ボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸とその酸
無水物等を挙げることができる。
【0020】重合性不飽和二重結合を含有するジカルボ
ン酸の例としては、α、β−不飽和ジカルボン酸とし
て、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン
酸、シトラコン酸、不飽和二重結合を含有する脂環族ジ
カルボン酸として、2,5−ノルボルネンジカルボン酸
無水物、テトラヒドロ無水フタル酸等を挙げることがで
きる。このうち好ましいのは、重合性の点から、フマル
酸、マレイン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸で
ある。一方、グリコール成分は、炭素数2〜10の脂肪
族グリコールおよび/または炭素数6〜12の脂環族グ
リコールおよび/またはエーテル結合含有グリコールよ
りなるが、炭素数2〜10の脂肪族グリコールとして
は、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチ
ル−2−ブチルプロパンジオール等を挙げることがで
き、炭素数6〜12の脂環族グリコールとしては、1,
4−シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができ
る。
【0021】エーテル結合含有グリコールとしては、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、さらにビスフェノール類の二つのフ
ェノール性水酸基に、エチレンオキサイドまたはプロピ
レンオキサイドを付加して得られるグリコール類、例え
ば2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プ
ロパンなどを挙げることができる。ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコールも必要により使用しうる。
【0022】本発明で使用される共重合ポリエステル樹
脂中に、0〜5モル%の3官能以上のポリカルボン酸お
よび/またはポリオールを共重合することができるが、
3官能以上のポリカルボン酸としては、(無水)トリメ
リット酸、(無水)ピロメリット酸、(無水)ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸、トリメシン酸、エチレングリ
コールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロー
ルトリス(アンヒドロトリメリテート)等が使用され
る。一方、3官能以上のポリオールとしては、グリセリ
ン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトール等が使用される。3官能以上のポ
リカルボン酸および/またはポリオールは、全酸成分あ
るいは全グリコール成分に対し0〜5モル%、望ましく
は0〜3モル%の範囲で共重合されるが、5モル%を越
えると重合時のゲル化が起こりやすく、好ましくない。
【0023】また、疎水性共重合ポリエステル樹脂の分
子量は、重量平均で5000〜50000 の範囲が好ましい。分
子量が5000未満の場合は接着強度の低下があり、逆に50
000を越えると重合時のゲル化等の問題が起きてしま
う。
【0024】(重合性不飽和単量体含有ポリマー)本発
明の重合性不飽和単量体を例示する フマル酸、フマル酸モノエチル、フマル酸ジエチル、フ
マル酸ジブチルなどのフマル酸のモノエステルまたはジ
エステルマレイン酸とその無水物、マレイン酸モノエチ
ル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチルなどのマ
レイン酸のモノエステルまたはジエステル、イタコン酸
とその無水物、イタコン酸のモノエステルまたはジエス
テル、フェニルマレイミド等のマレイミド等また、スチ
レン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロ
ロメチルスチレンなどのスチレン誘導体、ビニルトルエ
ン、ジビニルベンゼンなどである。またアクリル重合性
単量体は、例えば、アルキルアクリレート、アルキルメ
タクリレート(アルキル基としてはメチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、
シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェニル
エチル基等):2−ヒドロキシエチルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリ
レートのヒドロキシ含有アクリル単量体:アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、
N−メチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルア
ミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメ
チロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリル
アミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−フ
ェニルアクリルアミドのアミド基含有アクリル単量体:
N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−
ジエチルアミノエチルメタクリレートのアミノ基含有ア
クリル単量体:グリシジルアクリレート、グリシジルメ
タクリレートのエポキシ基含有アクリル単量体:アクリ
ル酸、メタクリル酸及びそれらの塩(ナトリウム塩、カ
リウム塩、アンモニウム塩)等のカルボキシル基または
その塩を含有するアクリル単量体が挙げられる。好まし
くは、マレイン酸無水物とそのエステルである。上記モ
ノマーは1種もしくは2種以上を用いて共重合させるこ
とが出来る。
【0025】本発明のグラフト重合は、一般には、疎水
性共重合ポリエステル樹脂を有機溶剤中に溶解させた状
態において、ラジカル開始剤およびラジカル重合性単量
体混合物を反応せしめることにより実施される。グラフ
ト化反応終了後の反応生成物は、所望の疎水性共重合ポ
リエステル−ラジカル重合性単量体混合物間のグラフト
重合体の他に、グラフト化を受けなかった疎水性共重合
ポリエステル及び疎水性共重合ポリエステルにグラフト
化しなかったラジカル重合体をも含有しているが、本発
明におけるグラフト重合体とは、これらすべてが含まれ
る。
【0026】(重合開始剤およびその他添加剤)本発明
で用い得るグラフト重合開始剤としては、当業者には公
知の有機過酸化物類や有機アゾ化合物類を用い得る。有
機過酸化物として、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブ
チルパーオキシピバレート、有機アゾ化合物として、
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−ア
ゾビス(2,4−ジメチルパレロニトリル)などを挙げ
ることが出来る。グラフト重合を行うための重合開始剤
の使用量は、重合性モノマーに対して、少なくとも0.
2重量%以上、好ましくは0.5重量%以上である。重
合開始剤の他に、枝ポリマーの鎖長を調節するための連
鎖移動剤、例えばオクチルメルカプタン、メルカプトエ
タノール、3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール
などを必要に応じて用い得る。この場合、重合性モノマ
ーに対して0〜5重量%の範囲で添加されるのが望まし
い。
【0027】(反応溶媒)本発明の実施のためのグラフ
ト化反応溶媒は沸点が50〜250℃の水性有機溶媒か
ら構成されることが好ましい。ここで水性有機溶媒とは
20℃における水に対する溶解性が少なくとも10g/
L以上、望ましくは20g/L以上であるものをいう。
沸点が250℃を越えるものは、余りに蒸発速度がおそ
く、塗膜の高温焼付によっても充分に取り除くことが出
来ないので不適当である。また沸点が50℃以下では、
それを溶媒としてグラフト化反応を実施する場合、50
℃以下の温度でラジカルに解裂する開始剤を用いねばな
らないので取扱上の危険が増大し、好ましくない。共重
合ポリエステル樹脂をよく溶解しかつカルボキシル基含
有重合性単量体を含む重合性単量体混合物およびその重
合体を比較的良く溶解する第一群の水性有機溶媒として
は、エステル類例えば酢酸エチル、ケトン類例えばメチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノン、環状エ−テル類例えばテトラヒドロフラン、ジ
オキサン、1,3-ジオキソラン、グリコ−ルエ−テル類例
えばエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレン
グリコ−ルメチルエ−テル、プロピレングリコ−ルプロ
ピルエ−テル、エチレングリコールエチルエーテル、エ
チレングリコ−ルブチルエ−テル、カルビトール類例え
ばメチルカルビト−ル、エチルカルビト−ル、ブチルカ
ルビト−ル、グリコ−ル類若しくはグリコ−ルエ−テル
の低級エステル類例えばエチレングリコ−ルジアセテ−
ト、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ケ
トンアルコール類例えばダイアセトンアルコール、更に
はN−置換アミド類例えばジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を例示する
事が出来る。
【0028】これに対し、共重合ポリエステル樹脂をほ
とんど溶解しないがカルボキシル基含有重合性単量体を
含む重合性単量体混合物およびその重合体を比較的よく
溶解する第二群の水性有機溶媒として、水、低級アルコ
ール類、低級カルボン酸類、低級アミン類などを挙げる
ことが出来るが、本発明の実施に特に好ましいものとし
ては炭素数1〜4のアルコール類およびグリコール類で
ある。
【0029】グラフト化反応を単一溶媒で行なう場合
は、第一群の水性有機溶媒からただ一種を選んで行なう
ことが出来る。混合溶媒で行なう場合は第一群の水性有
機溶媒からのみ複数種選ぶ場合と、第一群の水性有機溶
媒から少なくとも一種を選びそれに第二群の水性有機溶
媒から少なくとも一種を加える場合がある。
【0030】グラフト重合反応溶媒を第一群の水性有機
溶媒からの単一溶媒とした場合と、第一群および第二群
の水性有機溶媒のそれぞれ一種からなる混合溶媒とした
場合のいずれにおいてもグラフト重合反応を行なうこと
ができる。しかし、グラフト化反応の進行挙動、グラフ
ト化反応生成物およびそれから導かれる水分散体の外
観、性状などに差異がみられ、第一群および第二群の水
性有機溶媒のそれぞれ一種からなる混合溶媒を使用する
方が好ましい。
【0031】第一群の溶媒中では共重合ポリエステル分
子鎖は広がりの大きい鎖ののびた状態にあり、一方第一
群/第二群の混合溶媒中では広がりの小さい糸まり状に
絡まった状態にあることがこれら溶液中の共重合ポリエ
ステルの粘度測定により確認された。共重合ポリエステ
ルの溶解状態を調節し分子間架橋を起こりにくくするこ
とがゲル化防止に有効である。効率の高いグラフト化と
ゲル化抑制の両立は後者の混合溶媒系において達成され
る。第1群/第2群の混合溶媒の重量比率はより望まし
くは95/5〜10/90さらに望ましくは90/10
〜20/80、最も望ましくは85/15〜30/70
の範囲である。最適の混合比率は使用するポリエステル
の溶解性などに応じて決定される。
【0032】(水分散化)本発明にかかわるグラフト化
反応生成物は塩基性化合物で中和することが好ましく、
中和することによって容易に水分散化することが出来
る。塩基性化合物としては塗膜形成時、或は硬化剤配合
による焼付硬化時に揮散する化合物が望ましく、アンモ
ニア、有機アミン類などが好適である。望ましい化合物
の例としては、トリエチルアミン、N,N-ジエチルエタノ
ールアミン、N,N-ジメチルエタノ−ルアミン、アミノエ
タノールアミン、N-メチル-N,N- ジエタノールアミン、
イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、エチ
ルアミン、ジエチルアミン、3-エトキシプロピルアミ
ン、3-ジエチルアミノプロピルアミン、sec-ブチルアミ
ン、プロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、ジ
メチルアミノプロピルアミン、メチルイミノビスプロピ
ルアミン、3-メトキシプロピルアミン、モノエタノール
アミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンな
どを挙げることが出来る。塩基性化合物は、グラフト化
反応生成物中に含まれるカルボキシル基含有量に応じ
て、少くとも部分中和、若しくは、完全中和によって水
分散体のPH値が5.0−9.0の範囲であるように使
用するのが望ましい。沸点が100℃以下の塩基性化合
物を使用した場合であれば、乾燥後の塗膜中の残留塩基
性化合物も少なく、金属や無機蒸着膜の接着性や他材料
と積層した時の耐水性や耐熱水接着性が優れる。また1
00℃以上の塩基性化合物使用した場合や乾燥条件を制
御し、乾燥後の塗膜中に塩基化合物を500ppm以上
残留させることにより、印刷インクの転移性が向上す
る。
【0033】本発明により生成される水系分散体では、
ラジカル重合性単量体の重合物の重量平均分子量は500-
50000 であるのが好ましい。ラジカル重合性単量体の重
合物の重量平均分子量を500 以下にコントロールするこ
とは一般に困難であり、グラフト効率が低下し、共重合
ポリエステルへの親水性基の付与が十分に行なわれない
傾向がある。また、ラジカル重合性単量体のグラフト重
合物は分散粒子の水和層を形成するが、十分な厚みの水
和層をもたせ、安定な分散体を得るためにはラジカル重
合性単量体のグラフト重合物の重量平均分子量は500以
上であることが望ましい。またラジカル重合性単量体の
グラフト重合物の重量平均分子量の上限は溶液重合にお
ける重合性の点で50000 が好ましい。この範囲内での分
子量のコントロールは開始剤量、モノマー滴下時間、重
合時間、反応溶媒、モノマー組成あるいは必要に応じて
連鎖移動剤や重合禁止剤を適宜組み合わせることにより
行なうことが出来る。
【0034】本発明において、疎水性共重合ポリエステ
ル樹脂にラジカル重合性単量体をグラフト重合させた反
応物は、自己架橋性を有する為高度な耐溶剤性を発揮す
る。常温では架橋しないが、乾燥時の熱で、熱ラジカル
による水素引き抜き反応等の分子間反応を行い、架橋剤
なしで架橋する。これにより初めて、本発明の目的であ
る接着性、耐水性を発現できる。塗膜の架橋性について
は、様々の方法で評価できるが、疎水性共重合ポリエス
テル樹脂およびラジカル重合体の両方を溶解するクロロ
ホルム溶媒での不溶分率で調べることができる。80℃
以下で乾燥し、120℃で5分間熱処理して得られる塗
膜の不溶分率が、好ましくは50%以上、より好ましく
は70%以上である。塗膜の不溶分率が50%未満の場
合は、接着性、耐水性が十分でないばかりでなく、ブロ
ッキングも起こしてしまう。
【0035】上記自己架橋性ポリエステル系グラフト共
重合体は、そのままで本発明に用い接着改質層を形成し
得るが、他の目的から汎用のポリエステル系樹脂、ウレ
タン系樹脂、アクリル樹脂、それらの共重合体、各種水
溶性樹脂、等や各種機能性樹脂、例えばポリアニリンや
ポリピロール等の導電性樹脂や抗菌性樹脂、紫外線吸収
性樹脂、ガスバリアー性樹脂を混合して接着改質層を形
成してももかまわない。
【0036】接着改質層に、さらに本発明の効果を損な
わない範囲で、各種界面活性剤、帯電防止剤、無機滑
剤、有機滑剤、抗菌剤、光酸化触媒、紫外線吸収剤、等
の添加剤を含有させることができる。
【0037】塗布液としては、接着改質層を構成する自
己架橋性ポリエステル系グラフト共重合体の有機溶媒溶
液または分散液、あるいは、水系溶媒溶液または水系溶
媒分散液を用い得る。特に、水溶液または分散液が、環
境に対して問題となる有機溶媒を用いない点で好まし
い。有機溶媒あるいは水系溶媒中の自己架橋性ポリエス
テル系グラフト共重合体および架橋結合剤の固形分含有
量は、通常、1重量%〜50重量%、好ましくは3重量
%〜30重量%である。
【0038】塗布後のグラフト共重合体の乾燥条件は特
に規制は無いが、該グラフト共重合体のもつ自己架橋性
を発現するためには、基材フィルム及び該グラフト共重
合体に熱劣化が起こらない範囲内で、熱量を多くする条
件が好ましい。具体的には80℃〜250℃、さらに好
ましくは150℃〜220℃である。ただし乾燥時間を
長くすることにより、比較的低い温度でも、十分な自己
架橋性を発現するため、上記の条件に限らない。
【0039】接着改質層を形成するために、自己架橋性
ポリエステル系グラフト共重合体を含む塗布液を熱可塑
性フィルム基材に塗布する方法としては、グラビア方
式、リバース方式、ダイ方式、バー方式、ディップ方式
などの公知の塗布方式を用い得る。
【0040】塗布液の塗布量は、固形分として0.00
5〜5g/m2 、好ましくは、0.02〜0.5g/m
2 である。塗布量が0.005g/m2 以下になると、
接着改質層との十分な接着強度が得られない。5g/m
2 以上になるとブロッキングが発生し、実用上問題があ
る。
【0041】接着改質層は、二軸延伸後の熱可塑性フィ
ルム基材に上記塗布液を塗布しても良いし、未延伸ある
は一軸延伸後の熱可塑性フィルム基材に上記塗布液を塗
布した後、乾燥し、必要に応じて、さらに一軸延伸ある
いは二軸延伸後熱固定を行っても良い。製膜工程中に塗
布、乾燥後延伸、熱処理、これら一連の工程により更に
高度な耐溶剤性が得られる。
【0042】未延伸あるは一軸延伸後のポリアミドフィ
ルム基材に上記塗布液を塗布した後、乾燥、延伸する場
合、塗布後の乾燥温度はその後の延伸に影響しない範囲
の条件で乾燥する必要があり、ポリアミド基材の場合、
水分率を2%以下にして延伸し、その後200℃以上で
熱固定を行うことにより塗膜が強固になり、接着改質層
とポリエステルフィルム基材との接着性が飛躍的に向上
する。水分率が2%以上になると乾燥温度にもよるが、
結晶化が起こり安くなり、平面性の悪化や延伸性が損な
われる場合がある。
【0043】二軸延伸熱可塑性フィルム基材に塗布する
場合、熱可塑性フィルム基材と接着改質層との接着性を
さらに良くする為、熱可塑性フィルム基材にコロナ処
理、火炎処理、電子線照射等による表面処理をしてもよ
い。下記塗布後延伸する場合でも同様の処理により効果
が得られる。
【0044】本発明の積層熱可塑性フィルム基材の接着
改質層は各種材料と良好な接着性を有するが、さらに接
着性や印刷性をよくするために、該接着改質層にさらに
コロナ処理、火炎処理、電子線照射等による表面処理を
しても良い。
【0045】本発明で得られた積層熱可塑性フィルム基
材の接着改質層は広範囲の用途で良好な接着強度が得ら
れる。具体的には、印刷インキやUVインキ、ドライラ
ミネートや押し出しラミネート等の接着剤、金属あるい
は無機物またはそれらの酸化物の真空蒸着、電子ビーム
蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CV
D、プラズマ重合等で得られる薄膜層や酸素吸湿剤層、
有機バリアー層、インクジェット受像層等があげられ
る。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて説明する。実
施例中、単に部とあるのは重量部を表し、%とあるのは
重量%を示す。各測定項目は以下の方法に従った。
【0047】1)接着性評価 (積層体の作成)各実施例、比較例で得られた積層熱可
塑性フィルムの接着改質層、またはコロナ処理面上にグ
ラビアインキ(ラミエース61白二液タイプ、東洋イン
キ社製)をグラビア印刷して印刷インキ層を形成し、次
いで接着剤AD585/CAT−10(東洋モートン社
製)を2g/m2 塗布した後、常法に従って未延伸ポリ
プロピレンフィルム、60μm(P1120、東洋紡績
製)をドライラミネート法にて貼り合わせシーラント層
を設け、熱可塑性フィルム積層体を得た。常態保存(乾
燥時および湿潤時)と90℃熱水中における剥離強度を
測定した。測定条件は、引張速度100mm/分での9
0°剥離試験結果である。
【0048】2)クロロホルムによる粘着ブロッキング
テスト 10cm×10cmの接着改質層積層フィルムの接着改
質層上にクロロホルムを2cc滴下し、さらに同じフィ
ルムの接着改質層側でクロロホルムを挟み込み、10g
/cm2 の圧力をかけた状態で、25℃、2時間放置し
た。その後これらのフィルムを剥がした時の状況を観察
した。 3)後加工耐久テスト ワイヤー径10milのワイヤバーを使用し、接着改質
層上にメチルエチルケトン/トルエン=重量比1/1の
溶剤を塗布、乾燥後フィルム表面の傷を目視観察した。
【0049】(共重合ポリエステルの調製)撹拌機、温
度計、および部分還流式冷却器を具備したステンレスス
チール製オートクレーブに、ジメチルテレフタレート3
45部、1,4ブタンジオール211部、エチレングリ
コール270部、およびテトラ−n−ブチルチタネート
0.5部を仕込み、160℃から220℃まで、4時間
かけてエステル交換反応を行った。次いで、フマル酸1
4部およびセバシン酸160部を加え、200℃から2
20℃まで1時間かけて昇温し、エステル化反応を行っ
た。次いで255℃まで昇温し、反応系を徐々に減圧し
た後、0.22mmHgの減圧下で1時間30分反応さ
せ、共重合ポリエステルを得た。得られたポリエステル
は、重量平均分子量20000、淡黄色透明であった。
【0050】(自己架橋性ポリエステル系グラフト共重
合体)撹拌機、温度計、還流装置と定量滴下装置を備え
た反応器に、上記共重合ポリエステル樹脂75部、メチ
ルエチルケトン56部およびイソプロピルアルコール1
9部を入れ、65℃で加熱、撹拌し、樹脂を溶解した。
樹脂が完溶した後、無水マレイン酸15部をポリエステ
ル溶液に添加した。次いで、スチレン10部、およびア
ゾビスジメチルバレロニトリル1.5部を12部のメチ
ルエチルケトンに溶解した溶液を0.1ml/minで
ポリエステル溶液中に滴下し、さらに2時間撹拌を続け
た。反応溶液から分析用のサンプリングを行った後、メ
タノール5部を添加した。次いで、水300部とトリエ
チルアミン15部を反応溶液に加え、1時間撹拌した。
その後、反応器内温を100℃に上げ、メチルエチルケ
トン、イソプロピルアルコール、過剰のトリエチルアミ
ンを蒸留により留去し、水分散グラフト重合樹脂を得
た。該水分散グラフト樹脂は淡黄色透明で、ガラス転移
温度−10℃であった。
【0051】(実施例1)ポリエチレンテレフタレート
を280℃で溶融押出しし、15℃の冷却ロールで冷却
して厚さ100μmの未延伸フィルムを得、この未延伸
フィルムを周速の異なる85℃の一対のロール間で縦方
向に3.5倍延伸した。次いで実施例1の塗布液をロー
ルコーター方式で塗布し、70℃の熱風で乾燥し、次い
でテンターで98℃横方向に3.5倍延伸し、さらに2
00〜210℃熱固定し厚さ12μmの二軸延伸積層ポ
リエステルフィルムを得た。最終的なコート剤塗布量は
0.08g/m2 であった。
【0052】(比較例1)撹拌機、温度計、および部分
還流式冷却器を具備したステンレススチール製オートク
レーブに、ジメチルテレフタレート345部、1,4ブ
タンジオール211部、エチレングリコール270部、
およびテトラ−n−ブチルチタネート0.5部を仕込
み、160℃から220℃まで、4時間かけてエステル
交換反応を行った。次いで、フマル酸14部およびセバ
シン酸160部を加え、200℃から220℃まで1時
間かけて昇温し、エステル化反応を行った。次いで25
5℃まで昇温し、反応系を徐々に減圧した後、0.22
mmHgの減圧下で1時間30分反応させ、共重合ポリ
エステルを得た。得られたポリエステルは、重量平均分
子量20000、淡黄色透明であった。
【0053】次ぎに撹拌機、温度計、還流装置と定量滴
下装置を備えた反応器に上記共重合ポリエステル樹脂7
5部、メチルエチルケトン56部およびイソプロピルア
ルコール19部を入れ、65℃で加熱、撹拌し、樹脂を
溶解した。樹脂が完溶した後、メタクリル酸17.5部
とアクリル酸エチル7.5部の混合物、およびアゾビス
ジメチルバレロニトリル1.2部を25部のメチルエチ
ルケトンに溶解した溶液を0.2ml/minでポリエ
ステル溶液中に滴下し、さらに2時間撹拌を続けた。反
応溶液から分析用のサンプリングを行った後、水300
部とトリエチルアミン25部を反応溶液に加え、1時間
撹拌した。その後、反応器内温を100℃に上げ、メチ
ルエチルケトン、イソプロピルアルコール、過剰のトリ
エチルアミンを蒸留により留去し、水分散グラフト樹脂
を得た。得られた樹脂は淡黄色透明で、ガラス転移温度
は−20℃であった。上記水分散グラフト樹脂を実施例
1と同様な方法で積層ポリエステルフィルムを作製し
た。
【0054】(比較例2)塗布剤として水性ポリウレタ
ンであるハイドランHW340(大日本インキ化学工業
製)を使用した以外は実施例1と同様に積層ポリエステ
ルフィルムを作製した。
【0055】(比較例3)塗布剤として水性ポリエステ
ル系樹脂として、テレフタル酸/イソフタル酸/5−ス
ルホイソフタル酸/エチレングリコール/1,4ブタン
ジオールを25/20/5/25/25(重量比)で共
重合させた水系ポリエステル樹脂とブロックイソシアネ
ート化合物であるBN−11(第一工業製薬製)とを重
量比で95/5の割合で混合した塗布液を使用した以外
は実施例1と同様に積層ポリエステルフィルムを作製し
た。
【0056】
【発明の効果】本発明は後加工適性に優れた耐溶剤性を
有する接着改質層を有する熱可塑性フィルムの性状であ
り、自己架橋性ポリエステル系グラフト共重合体を主な
構成成分とする層を熱可塑性フィルム上に設けたること
により優れた接着性、耐水性、耐溶剤性を有する積層熱
可塑性フィルムが得られる。
【0057】
【表1】
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK12B AK12C AK12J AK41B AK41C AK41J AK42 AK70B AK70C AK70J AL04B AL04C AR00A AR00B AR00C BA02 BA03 BA06 BA10B BA10C GB15 GB27 GB41 JB07B JB07C JB16A JL11B JL11C

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性フィルム基材の少なくとも片面
    に、接着改質層を設けた熱可塑性フィルム基材におい
    て、前記接着改質層がクロロホルムによる粘着ブロッキ
    ングテストでブロッキングがない事を特徴とする高耐溶
    剤性易接着性熱可塑性フィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の接着改質層に、疎水性ポ
    リエステル系樹脂に二重結合を有する酸無水物を含有す
    るモノマーを少なくとも1種含む重合性不飽和単量体が
    グラフトされた自己架橋性ポリエステル系グラフト共重
    合体を用いることを特徴とする積層熱可塑性フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の接着改質層が、自己架橋
    性ポリエステル系グラフト共重合体を含む塗布液を、未
    延伸または一軸延伸フィルムに塗布、乾燥後、該フィル
    ムを更に、一軸またはそれ以上延伸後、熱固定すること
    によって形成されたことを特徴とする積層熱可塑性フィ
    ルム
  4. 【請求項4】 請求項2記載の重合性不飽和単量体が少
    なくともマレイン酸の無水物とスチレンを含有すること
    を特徴とする積層熱可塑性フィルム。
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DE1999614126 DE69914126T2 (de) 1998-05-25 1999-05-22 Thermoplastische Verbundfolie
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002200720A (ja) * 2000-12-28 2002-07-16 Toyobo Co Ltd レンズシート用フィルムおよび該フィルムを用いたレンズシート

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002200720A (ja) * 2000-12-28 2002-07-16 Toyobo Co Ltd レンズシート用フィルムおよび該フィルムを用いたレンズシート

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