JP2000000268A - 吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品

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JP2000000268A
JP2000000268A JP10168763A JP16876398A JP2000000268A JP 2000000268 A JP2000000268 A JP 2000000268A JP 10168763 A JP10168763 A JP 10168763A JP 16876398 A JP16876398 A JP 16876398A JP 2000000268 A JP2000000268 A JP 2000000268A
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absorber
waterproof paper
absorbent article
paper
top sheet
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JP10168763A
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English (en)
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Katsuji Maeda
勝司 前田
Shigeto Yanagihara
茂人 柳原
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸収体からの体液のしみ出しを防止しつつ、
ムレやカブレの防止が可能な吸収性物品を提供するこ
と。 【解決手段】 液透過性のトップシート、液不透過性の
バックシート及び両シート間に介在される液保持性の吸
収体を有する吸収性物品において、下記(1)〜(3)
の物性を有する撥水性の防水紙を、上記吸収体の端縁部
から内方に亘って延設し且つ該吸収体と上記トップシー
トとの間に介在させて、該吸収体の端部を被覆する防漏
部を形成したことを特徴とする吸収性物品。 (1)クレム吸収高さが、5mm/10min以下であ
る。 (2)透気度が、2〜900sec/(300ml・3
2枚)である。 (3)坪量が、14〜60g/m2 である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙おむつ、生理用
ナプキン、失禁者用パッド等の吸収性物品において、防
水性のある紙を使用して、吸収体の端部から体液が漏れ
ることを防止した吸収性物品に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら、体液の吸収性の向上を目的とした吸収性物品の提案
が数多く行われ、数多くの改善がなされてきた。そし
て、これらの改善の大部分は、吸収速度の向上、吸収体
から表面への液戻りの阻止、液漏れ防止及び身体に対す
るベタツキの低減にあった。しかしながら、体液の漏れ
防止に関しては、依然として改善の余地があるものであ
った。そして、このような事実は、吸収性物品に対する
不満の第一が液漏れにあることにより示唆されている。
【0003】吸収性物品における前後端部からの液漏れ
を防止する技術としては、例えば特開昭58−5400
2号公報、特開平3−268754号公報および特開平
8−10285号公報に記載されているように、吸収体
の前後端部をバリアーシートで被覆する方法が知られて
いる。しかし、バリアーシートとしてポリエチレンフィ
ルムを使用した吸収性物品では、ポリエチレンが伸び易
い素材であることから、低伸長時の強度が不十分とな
り、型くずれしやすくフィット性にかけてしまう。ま
た、その通気性は殆ど無いに等しいので、ムレやカブレ
の原因となる。また、バリアーシートとしてポリエチレ
ン系のポーラスシートを使用して通気性を向上させた吸
収性物品においも、大量の尿が排出された場合には必ず
しもムレやカブレが十分に防止されるとはいえなかっ
た。また、バリアーシートとしてポリエチレンを使用し
たものはコスト的にて必ずしも有利であるとはいえなか
った。
【0004】従って、本発明の目的は、吸収体からの体
液のしみ出しを防止しつつ、ムレやカブレの防止が可能
な吸収性物品を提供することにある。また、本発明の目
的は、変形に強く、型くずれしにくく、フィット性に優
れた吸収性物品を提供することにある。
【0005】本発明者らは、バリアーシートとして紙を
用い、且つその紙として特定の物性を有するものを用い
ることによって、上記目的が達成され得ることを知見し
た。
【0006】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、液透過性のトップシート、液不透過性のバックシー
ト及び両シート間に介在される液保持性の吸収体を有す
る吸収性物品において、下記(1)〜(3)の物性を有
する防水紙を、上記吸収体の端縁部から内方に亘って延
設し且つ該吸収体と上記トップシートとの間に介在させ
て、該吸収体の端部を被覆する防漏部を形成した吸収性
物品を提供することにより、上記目的を達成したもので
ある。 (1)クレム吸収高さが、5mm/10min以下であ
る。 (2)透気度が、2〜900sec/(300ml・3
2枚)である。 (3)坪量が、14〜60g/m2 である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の吸収性物品につい
て、その好ましい実施形態を使い捨ておむつを例にと
り、図面を参照して説明する。ここで、図1は、本発明
の吸収性物品の第一の実施形態としての使い捨ておむつ
を、トップシート側からみた一部破断平面図であり、図
2は、図1のI−I線に沿う拡大断面図である。
【0008】本実施形態の使い捨ておむつ1は、図1お
よび図2に示すように、液透過性のトップシート2と、
液不透過性で且つ蒸気透過性のバックシート3と、これ
ら両シート2、3間に介在される液保持性の吸収体4と
を有して構成されている。吸収体4は、おむつの股下領
域に対応する領域がくびれた砂時計形状に湾曲形成さ
れ、トップシート2及びバックシート3も、吸収体4の
形状に即しておむつの股下領域に対応する領域が湾曲形
成されている。そして、吸収体4は、トップシート2及
びバックシート3によって挟持・固定されている。
【0009】吸収体4の前後および左右端縁部から外方
に延出するトップシート2及びバックシート3によって
形成される背側および腹側のウエスト部5,5’と一対
のレッグ部6,6とには、おむつを着用した際に、ウエ
スト部5,5’とレッグ部6,6とを着用者の身体にフ
ィットさせるための弾性伸縮部材7が、トップシート2
及びバックシート3によって固定されて設けられてい
る。背側のウエスト部5の幅方向両端にはそれぞれテー
プファスナー等からなる一対の止着具8が取り付けられ
ており、また、腹側のウエスト部5’におけるバックシ
ート3上には矩形状のランディングテープ等からなる被
着具(図示せず)が貼付されている。そして、本実施形
態の使い捨ておむつ1が着用される際に、止着具8,8
が被着具上に止着するようになされている。以上の構成
は、従来の使い捨ておむつと同様である。
【0010】而して、本実施形態の使い捨ておむつ1に
おいては、液不透過性で且つ蒸気透過性の防水紙10,
10’を、背側および腹側のウエスト部5,5’の各端
縁部から吸収体4の前後各端縁部の内方に亘って延設し
且つ吸収体4とトップシート2との間に介在させて、吸
収体4の前後端部を被覆する防漏部11,11’を形成
し、吸収体4に吸収された尿等の排泄物が吸収体4の前
後端部からトップシート2へ逆戻りすることを防止して
いる。防水紙10,10’は、矩形状のシートとして形
成され、幅方向の長さが、吸収体4の幅方向の長さより
も大きくなされており、また、前後方向の長さが、上述
の如く、ウエスト部5,5’の端縁部から吸収体4の端
縁部の内方に亘る長さを呈しており、吸収体4の表面シ
ート2側で、吸収体4と重合するように配置されてい
る。更に、背側および腹側のウエスト部5,5’におい
ては、防水紙10,10’はそれぞれ、トップシート2
とバックシート3との間に介在されており、防水紙1
0,10’とトップシート2との間に3本の弾性伸縮部
材7が、伸張状態で且つウエスト部5,5’の端縁部と
略平行に、所定間隔をおいてそれぞれ配設されている。
【0011】図2に示すように、防水紙10が吸収体4
を被覆している部分における、吸収体4の端縁部4aか
ら防水紙10の端縁部10aまでの距離Lは、吸収体4
に吸収された尿等の排泄物が吸収体4の端部からトップ
シート2へ逆戻りすることを効果的に防止するために、
5mm〜100mmとすることが好適であり、10mm
〜50mmとすることが更に好適である。この場合、背
側のウエスト部5および腹側のウエスト部5’における
上記距離Lは、同一でもよく又は異なっていても良い。
【0012】本実施形態の使い捨ておむつ1において
は、上記防漏部11,11’を形成する防水紙10,1
0’が、下記(1)〜(3)の物性を有している。斯か
る物性を有する防水紙を用いることにより、吸収体4の
端部からトップシート2への尿等の排泄物のしみ出しを
防止しつつ、ムレやカブレを防止することができる。ま
た、該防水紙は、ポリエチレンフィルム等に比して腰が
強いため(剛性が高いため)変形に強く、型くずれしに
くく、フィット性の優れた使い捨ておむつとなすことが
できる。
【0013】(1)クレム吸収高さが、5mm/10m
in以下である。 (2)透気度が、2〜900sec/(300ml・3
2枚)である。 (3)坪量が、14〜60g/m2 である。 以下、これらの物性についてそれぞれ説明する。
【0014】まず、上記物性(1)について説明する
と、上記防水紙は、クレム吸収高さが、5mm/10m
in以下であり、好ましくは5mm/1h以下であり、
更に好ましくは3mm/1h以下であり、最も好ましく
は実質的に0mm/10minである。クレム吸収高さ
は、上記防水紙の液吸収性(撥水性)の尺度となるもの
で、数値が大きいほど液吸収性が高い(撥水性が低い)
ことを示し、この値が5mm/10minを超えると撥
水性が不十分となり、防水紙としての効果が不十分にな
ってしまう。クレム吸収高さの下限値に特に制限はな
く、小さければ小さいほどよく、上述の通り実質的にゼ
ロであることが最も好ましい。尚、本明細書におけるク
レム吸収高さの測定方法については、後述する実施例に
おいて詳述する。
【0015】次に、上記物性(2)について説明する
と、上記防水紙は、透気度が、2〜900sec/(3
00ml・32枚)であり、好ましくは3〜300se
c/(300ml・32枚)であり、更に好ましくは6
〜240sec/(300ml・32枚)である。透気
度が900sec/(300ml・32枚)を超える
と、十分な通気性が得られず、ムレやカブレを効果的に
防止し難く、2sec/(300ml・32枚)に満た
ないと、耐水圧との関係で、十分な防水性を発現させ難
くなり、防水紙としての機能を発揮し得なくなる。尚、
本明細書における透気度の測定方法については、後述す
る実施例において詳述する。
【0016】次に、上記物性(3)について説明する
と、上記防水紙は、坪量が、14〜60g/m2 であ
り、好ましくは16〜60g/m2 、更に好ましくは1
6〜45g/m2 である。坪量が14g/m2 に満たな
いと防水紙としての耐水圧が不十分となると共に、防水
紙を抄紙することが困難になってしまい、60g/m2
を超えると防水紙の柔軟性と通気性が低下してしまう。
【0017】上記防水紙が、上記物性(1)〜(3)を
すべて有することにより、後述する実施例と比較例との
対比から明らかなように、吸収体からの体液のしみ出し
を防止しつつ、ムレやカブレを防止することができ、ま
た、変形に強く、型くずれしにくく、フィット性の優れ
た使い捨ておむつとなすことができる。
【0018】上記防水紙は、上記物性(1)〜(3)を
有することに加えて、その10%伸長時の強度が300
〜2000cN/25mmであると、変形に一層強く、
一層型くずれしにくく、フィット性の一層優れた使い捨
ておむつが得られるので好ましい。即ち、上記強度が3
00cN/25mmに満たないと変形に対して型くずれ
してしまいフィット性が低下することがあり、2000
cN/25mmを超えると、柔軟性や肌触り、風合いが
低下してしまうことがあるので、上記範囲内とすること
が好ましい。上記強度は、400〜1500cN/25
mmであることが更に好ましく、400〜1200cN
/25mmであることが一層好ましい。尚、本明細書に
おける上記強度の測定方法については、後述する実施例
において詳述する。
【0019】上記防水紙は、上記(1)〜(3)の物性
を有するものであれば、その種類・製法等に特に制限は
ないが、上記(1)〜(3)の物性を容易に発現させ得
る点から、パルプ、紙力増強剤およびサイズ剤を含有
し、該紙力増強剤が該パルプ重量に対して0.1〜4%
含まれ、該サイズ剤が該パルプ重量に対して0.05〜
4%含まれている防水紙を用いることが好ましい。
【0020】上記パルプとしては、針葉樹や広葉樹の化
学パルプ(LBKP、NBKP)、半化学パルプ及び及
び機械パルプ等の木材パルプ、これら木材パルプを化学
処理したマーセル化パルプ及び架橋パルプ、麻や綿等の
非木材系繊維並びにレーヨン繊維等の再生繊維のような
セルロース系繊維等が好ましい。これらの材料のうち、
製品コスト、シート強度および抄紙適性等の観点から、
木材パルプ、これら木材パルプを化学処理したマーセル
化パルプ及び架橋パルプ等が更に一層好ましい。これら
の材料は単独で、或いは得られる防水紙の強度や透気度
を適宜調整するために二種以上を組み合わせて用いても
よい。
【0021】得られる防水紙の透気度と柔軟性をコント
ロールするために、上記パルプと合成パルプとを併用す
ることもできる。この場合、合成パルプの配合量は防水
紙の上記パルプ100重量部に対して好ましくは100
重量部以下、更に好ましくは5〜50重量部である。合
成パルプとしては、ポリエチレン繊維やポリプロピレン
繊維等のポリオレフィン樹脂からなる繊維を用いること
ができ、高密度ポリエチレンや線状低密度ポリエチレン
からなる繊維等が特に好ましく用いられる。
【0022】上記紙力増強剤としては、乾燥紙力剤や湿
潤紙力剤等の一般的に使用されている薬剤を使用するこ
とができる。上記乾燥紙力剤の例としては、でん粉、変
性でん粉、植物ガム、カルボキシメチルセルロース、ポ
リビニルアルコール、ポリアクリルアミド、カイメン等
が挙げられるが、これらに制限されるものではない。上
記湿潤紙力剤の例としては、尿素−ホルマリン樹脂、メ
ラミン−ホルマリン樹脂、ジアルデヒドデンプン、ポリ
エチレンイミン、エポキシ化ポリアミド、メチロール化
ポリアミド等が挙げられるがこれらに制限されるもので
はない。上記紙力増強剤は、上述の通りパルプ重量に対
して好ましくは0.1〜4%含まれ、更に好ましくは
0.2〜3%、一層好ましくは0.3〜2%含まれる。
上記紙力増強剤の配合量が0.1%未満であると、配合
の効果があまり期待できず、4%を超えて配合しても配
合の効果が飽和してしまうので上記範囲内とすることが
好ましい。
【0023】上記サイズ剤は、使用法によって無添サイ
ズ剤および表面サイズ剤に分類され、本発明においては
一般的に使用されているサイズ剤を使用することができ
る。上記サイズ剤を原料別に区分すると、ロジンサイズ
剤、ワックスサイズ剤、石油樹脂サイズ剤、合成サイズ
剤等があり、成分としては、天然ロジン・無水マレイン
酸共重合体、水素添加ロジン・無水マレイン酸共重合
物、ロジン・無水マレイン酸共重合体ワックスエマルジ
ョン、石油樹脂・無水マレイン酸共重合物、アルキル・
ケテン・ダイマー、アルケニル無水こはく酸、無水ステ
アリン酸等が挙げられるが、これらに制限されるもので
はない。上記サイズ剤は、上述の通りパルプ重量に対し
て好ましくは0.05〜4%含まれ、更に好ましくは
0.1〜3%、一層好ましくは0.1〜2%含まれる。
上記サイズ剤の配合量が0.05%未満であると、配合
の効果があまり期待できず、4%を超えて配合しても配
合の効果が飽和してしまうので上記範囲内とすることが
好ましい。
【0024】上記防水紙には、上記サイズ剤の定着のた
めにサイズ剤定着剤が配合されていてもよい。該サイズ
剤定着剤としては、硫酸バンド、アルミン酸ソーダ、ポ
リ塩化アルミニウム等が使用され、該サイズ剤の重量に
対して50〜400%配合されることが望ましい。
【0025】また、上記防水紙には、必要に応じて染料
や顔料等を配合してもよい。
【0026】上記防水紙は、一般に用いられている湿式
抄紙法によって製造される。抄紙後の紙には、撥水性を
一層高める目的で、パラフィンワックスやシリコーン等
の油剤を用いて撥水処理を施してもよい。
【0027】次に、本発明の吸収性物品の第2〜第4の
実施形態を、図3〜図5を参照して説明する。ここで、
図3〜図5は、本発明の吸収性物品の第2〜第4の実施
形態を示す図2相当図である。尚、第2〜第4の実施形
態に関しては、第1の実施形態と異なる点についてのみ
説明し、同じ点については説明しないが、第1の実施形
態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図3
〜図5において、図1及び図2と同じ部材には同じ符号
を付してある。
【0028】図3に示す実施形態の使い捨ておむつにお
いては、防水紙10が、吸収体4とトップシート2との
間から、吸収体4の端縁部4aを経て、吸収体4とバッ
クシート3との間にまで敷設されている。即ち、防水紙
10は、吸収体4の端部における上下面および側面を被
覆するように配されている。防水紙10をこのように配
することによって、吸収体4の端部からの尿等の排泄物
のしみ出しを一層効果的に防止することができる。尚、
本実施形態においては、吸収体10の上面側における防
水紙10の端縁部10aと、吸収体10の下面側におけ
る防水紙10の端縁部10bとは、吸収体4の端縁部4
aからの距離が同じであってもよく又は異なっていても
よいが、少なくとも、吸収体4の端縁部4aから吸収体
10の上面側における防水紙10の端縁部10aまでの
距離は5mm〜100mmであることが好適である。
【0029】図4に示す実施形態の使い捨ておむつにお
いては、防水紙10が吸収体4上においてトップシート
2側に折り返されて二重構造部を形成している。防水紙
10をこのように配することによって、吸収体4の端部
からの尿等の排泄物のしみ出しを一層効果的に防止する
ことができる。尚、本実施形態においては、防水紙10
の折り返し部10cと吸収体4の端縁部4aとの間の距
離が、5mm〜100mmであることが好適である。
【0030】図5に示す実施形態の使い捨ておむつにお
いては、防水紙10が、吸収体4上においてトップシー
ト2側に折り返されて二重構造部を形成している。そし
て、該二重構造部の内部に3本の弾性伸縮部材12が、
伸張状態で且つウエスト部5の端縁部と略平行に、所定
間隔をおいて配されている。斯かる構造を有する本実施
形態の使い捨ておむつ1においては、弾性伸縮部材12
によって、おむつのウエスト部の伸縮性が向上するの
で、おむつのフィット性が向上し、勢いよく排泄された
尿や吸収体4にしみ込みにくい便に対しても、漏れ防止
効果が向上する。また、着用中におけるおむつのズレ落
ち防止効果も高く、これによってもおむつのフィット性
が向上すると共に漏れ防止効果が一層向上する。更に、
変形に一層強く、型くずれしにくいものとなる。
【0031】以上、本発明の吸収性物品をその好ましい
実施形態に基づき説明したが、本発明は上記実施形態に
制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範
囲において種々の変形が可能である。例えば、図1及び
図2に示す実施形態においては、防漏部は背側および腹
側のウエスト部の何れか一方にのみ形成してもよい。ま
た、図3〜図5に示す実施形態においては、背側ウエス
ト部と同様の防漏部を腹側ウエスト部に形成してもよ
い。また、図4および図5に示す実施形態においては、
防水紙10は、吸収体4の側に折り返されていてもよ
い。また、図1〜図5に示す実施形態の使い捨ておむつ
における防漏部を任意に組み合わせた防漏部を、背側お
よび腹側ウエスト部に形成してもよい。また、図1〜図
5に示す実施形態においては、吸収体の前後の端部を被
覆する防漏部が形成されているが、これに代えて又はこ
れに加えて吸収体の左右の端部を被覆する防漏部を形成
してもよい。また、本発明の吸収性物品は、使い捨てお
むつの他、生理用ナプキンや失禁パッド、母乳パッド等
としても適用することができる。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明の吸収性物品の有
効性を例証する。しかしながら、本発明の範囲は斯かる
実施例に制限されるものではない。尚、以下の例中、特
に断らない限り「%」は「重量%」を意味する。
【0033】〔実施例1〕針葉樹クラフトパルプ(NB
KP)70%及び広葉樹クラフトパルプ(LBKP)3
0%からなるパルプと、該パルプ重量に対して0.6%
の紙力増強剤〔日本合成化学工業(株)のゴーセノール
P−250(商品名)〕と、該パルプ重量に対して1.
5%のサイズ剤〔ミサワセラミックケミカル(株)のK
P−45(商品名)〕とを混合・抄紙して防水紙を得
た。この防水紙を用いて、図1及び図2に示す使い捨て
おむつを作製した。また、この防水紙についてクレム吸
収高さ、透気度、坪量、10%伸長時の強度および破断
強度を下記の方法で測定した。その結果を表1に示す。
【0034】<クレム吸収高さ>JIS−P8141に
準じて測定した。即ち、防水紙を、幅20mm、長さ2
00mmの短冊状に裁断した後、長手方向を鉛直方向に
して、下端から15mmの部分までを水に浸した。水に
浸してから10分後、又は1時間後に水が何mm吸い上
げられたかを測定した。
【0035】<透気度>JIS−P8117に準じて測
定した。即ち、防水紙を70×70mmに裁断し、32
枚重ね、透気度測定器〔熊谷理機工業(株)社製のGU
RLEY DENSOMETER(商品名)〕を用い
て、300mlの空気が透過するのに要する時間を測定
した。
【0036】<坪量>防水紙を100×100mmに裁
断し、その重量を測定して坪量を求めた。
【0037】<10%伸長時の強度>抄紙した防水紙の
流れ方向(MD)に長さ150mm、流れ方向と直交す
る方向(CD)に幅25mmの試験片を切り出した。こ
の試験片について、テンシロン引張試験機〔(株)オリ
エンテック社製〕を用い、チャック間50mm、MD方
向の引張速度300mm/minで引張試験を行い、1
0%伸長時の強度を測定した。
【0038】
【実施例2】実施例1で用いた防水紙の配合と同配合の
原料を用いて表1に示す物性値を有する防水紙を得た。
得られた防水紙を用いて実施例1と同様の測定をした。
その結果を表1に示す。
【0039】
【比較例1】表1に示す物性値を有する市販の多孔性の
透湿性ポリエチレンフィルムを防水シートとして用い、
実施例1と同様の測定をした。その結果を表1に示す。
尚、このポリエチレンフィルムの透気度は、紙に比べて
非常に低いので、1枚の透気度を測定した。その透気度
は、5200sec/(300ml・1枚)であった。
【0040】
【表1】
【0041】表1に示す結果から明らかなように、実施
例1及び2で用いた防水紙は、クレム吸収高さ、透気度
および坪量が特定の範囲内にあるので、比較例のものに
比して、通気性が良好であり、更に伸長強度があり変形
に強いものであることが判る。その結果、実施例1及び
2の使い捨ておむつは、比較例のものに比して、吸収体
からのしみ出しが防止され、一層型くずれしにくく、フ
ィット性の一層優れたものとなった。
【0042】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明によれば、
吸収体からの体液のしみ出しを防止しつつ、ムレやカブ
レの防止が可能な吸収性物品が得られる。また、本発明
によれば、変形に強く、型くずれしにくく、フィット性
に優れた吸収性物品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収性物品の第一の実施形態としての
使い捨ておむつを、トップシート側からみた一部破断平
面図である。
【図2】図1のI−I線に沿う拡大断面図である。
【図3】本発明の吸収性物品の第2の実施形態を示す図
2相当図である。
【図4】本発明の吸収性物品の第3の実施形態を示す図
2相当図である。
【図5】本発明の吸収性物品の第4の実施形態を示す図
2相当図である。
【符号の説明】
1 使い捨ておむつ 2 トップシート 3 バックシート 4 吸収体 10,10’防水紙

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液透過性のトップシート、液不透過性の
    バックシート及び両シート間に介在される液保持性の吸
    収体を有する吸収性物品において、下記(1)〜(3)
    の物性を有する防水紙を、上記吸収体の端縁部から内方
    に亘って延設し且つ該吸収体と上記トップシートとの間
    に介在させて、該吸収体の端部を被覆する防漏部を形成
    した吸収性物品。 (1)クレム吸収高さが、5mm/10min以下であ
    る。 (2)透気度が、2〜900sec/(300ml・3
    2枚)である。 (3)坪量が、14〜60g/m2 である。
  2. 【請求項2】 上記防水紙が、パルプ、紙力増強剤およ
    びサイズ剤を含有してなり、該紙力増強剤が該パルプ重
    量に対して0.1〜4%含まれ、該サイズ剤が該パルプ
    重量に対して0.05〜4%含まれている請求項1記載
    の吸収性物品。
  3. 【請求項3】 上記吸収体の上記防水紙による被覆部に
    おける、該吸収体の端縁部から該防水紙の端縁部までの
    距離Lが5mm〜100mmである請求項1又は2記載
    の吸収性物品。
  4. 【請求項4】 上記防水紙が、上記吸収体と上記トップ
    シートとの間から、該吸収体の端縁部を経て、該吸収体
    と上記バックシートとの間にまで敷設されている請求項
    1〜3の何れかに記載の吸収性物品。
  5. 【請求項5】 上記防水紙が、上記吸収体上において折
    り返されている請求項1〜4の何れかに記載の吸収性物
    品。
  6. 【請求項6】 上記防水紙が、上記吸収体上において折
    り返されて二重構造部を形成しており、該二重構造部に
    弾性伸縮部材が配されている請求項1〜5の何れかに記
    載の吸収性物品。
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