JP4043149B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、漏れ防止性に優れ、しかも構成材料の使用量が少なく、安価に製造可能な使い捨ておむつ等の吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
使い捨ておむつ等の吸収性物品は、その構成や使用材料の改良により、包装体がコンパクトになり、持ち運びが便利になった。
しかしながら、未だ複数枚の吸収性物品が収納された包装体の重量はかなり重く、3kgを超えるものもあり、母親や介護人がこのような包装体を持つにはかなり負担が大きい。
また、使い捨ておむつ等の吸収性物品において十分な漏れ防止性を得るために、特開平2−309940号公報に記載されている発明のように、吸収体の下部のモレ防止性を向上させる提案はあるが、吸収体側部からのモレ防止に対しては特に有効な提案が見当たらない。また、他の提案としては、吸収体や防漏シートとは別の部材を吸収体の側部に配するのが一般的であるため、従来の使い捨ておむつでは、漏れ防止性を向上させると使い捨ておむつの重量が増加するのが一般的であった。
【0003】
要するに、従来、使い捨ておむつの使用材料を少なくする使い捨ておむつの構成が種々考えられているが、構成材料を少なくして、十分な漏れ防止性を確保し、更には、良好な通気性と柔軟性を付与したものは、未だ提案されていないのが現状である。
【0004】
従って、本発明の目的は、十分な漏れ防止性を有し、吸収性物品の構成材料の使用量が低減され、生産性に優れた使い捨ておむつ等の吸収性物品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液透過性の表面シート、液不透過性の防漏シート、及び液保持性の吸収体を具備し、該吸収体の長手方向左右両側には、立体ガード形成用のシート材が配されて立体ガードが形成されている吸収性物品において、前記防漏シートは、紙または不織布とフィルム材とのラミネートフィルムであり、該防漏シートの長手方向左右両側縁部が、該吸収体の左右両側縁を覆って、該防漏シートの左右両側縁が、該吸収体の表面側の左右両側縁部上に位置するように、前記吸収体の側縁外方で折り込まれて配されており、前記防漏シートの裏面側には、外層不織布が配されており、該外層不織布と前記シート材とは、共に、前記吸収体の側縁よりも吸収性物品の外方側に向けて延出され、延出された該外層不織布と該シート材とが積層されており、前記立体ガードの基端は、前記シート材を前記表面シートに固着して形成されており、該シート材は、該基端より吸収性物品外方においては、その全面が、該シート材の裏面側に配されている、該表面シート、前記防漏シート又は前記外層不織布に固着されている吸収性物品吸収性物品を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の吸収性物品の好ましい1実施形態について詳細に説明する。
第1の実施形態の吸収性物品としての使い捨ておむつ1は、図1及び2に示すように、液透過性の表面シート2、液不透過性の防漏シート3、及び液保持性の吸収体4を具備し、吸収体4の長手方向左右両側縁部上には、立体ガード形成用のシート材61が配されて立体ガード6が形成されている。
本実施形態の使い捨ておむつ1は、背側部Bの左右両側縁部B1,B2に使用時止着用のファスニングテープ11が配されている、いわゆる展開型の使い捨ておむつである。そして、使用時に着用者のウエスト回りに位置するウエスト部8及び脚回りに位置するレッグ部7には、それぞれウエスト弾性部材81及びレッグ弾性部材71が配されて、ウエストギャザー及びレッグギャザーを形成している。また、立体ガード6の自由端63には、立体ガード弾性部材64が配されている。
このような構成は従来の展開型の使い捨ておむつと同じである。
【0007】
而して、本実施形態の使い捨ておむつ1において、防漏シート3は、紙または不織布とフィルム材とのラミネートフィルムであり、防漏シート3の長手方向左右両側縁部3aが、吸収体4の左右両側縁4aを覆って、防漏シート3の左右両側縁3aが、吸収体4の表面側の左右両側縁部上に位置するように、吸収体4の側縁外方で折り込まれて配されている。
【0008】
更に詳述すると、特に図示しないが、本実施形態においては、不織布が用いられており、該不織布が吸収体4側に位置するように配されている。
前記ラミネートフィルムにおける、その吸収体の裏面側に位置する部位には、多数の開孔が設けられた開孔含有部31が形成されている。開孔含有部は、後述する第1吸収材41aの裏面側全面に対応して設けられているのが好ましく、吸収体4の裏面側全面に対応して設けられているのが更に好ましい。換言すると、吸収体の側縁部に位置する部分には、開孔が設けられていないのが好ましい。
かかる平均開孔径は、微細孔〜直径2mmが好ましく、50μm〜500μmが更に好ましく、100μm〜300μmが最も好ましい。開孔の大きさを前記の範囲内とすることにより、透湿性を向上させて、漏れの防止性を向上させることができる。
また、開孔含有部31における開孔率〔開孔率(%)={(開孔部の面積)/(シート全体の面積)}×100〕は、1〜50%とするのが好ましく、10〜30%とするのが更に好ましい。開孔の密度(開孔率)を前記の範囲内とすることにより、透湿性を向上させて、漏れの防止性を向上させることができる。
なお、平均開孔径は、島津製作所製ポアサイザ9310にて容量5ccのセルを用いて測定した。孔径サイズは、体積平均による分布を用い、分布の最高ピーク値を平均開孔径とした。
【0009】
防漏シート3の側縁3aは、基端60よりも使い捨ておむつの内方側に位置し、また、表面シート2の側縁部と吸収体4との間に狭持されている。
防漏シート3の裏面側には、外層不織布5が配されており、外層不織布5とシート材61とは、共に、吸収体4の側縁4aよりも使い捨ておむつの外方側に向けて延出され、延出された外層不織布5とシート材61とが積層されてレッグ部7を、ひいてはレッグギャザーを形成している。即ち、レッグ弾性部材71は、外層不織布5とシート材61とにより狭持固定されている。
【0010】
また、立体ガード6は、その基端60が、吸収体4の側縁4aよりも使い捨ておむつ内方側に位置するように形成されている。
立体ガード6は、吸収体4上、更に望ましくは、吸収性物品の長手方向全域に亘って設けられている。吸収体4の存在しない部分、即ち、おむつの腹側部A及び背側部Bのウエスト部8においては、シート材61は、全面が表面シート2に固着されている。
【0011】
吸収体4は、パルプに吸収性ポリマーを混合してなる本体41と、該本体41の上面に配置された拡散シート42とからなる。また、本体41は、第1吸収材41aと第1吸収材41a上に載置された第1吸収材より幅広の第2吸収材41bとからなる。
【0012】
また、外層不織布5は、中央部分が括れた砂時計状であり、おむつの平面形状を形成している。また、防漏シート3で裏面側及び側縁部が覆われた吸収体4は、長方形状であり、外層不織布5の中央部分に配されている。また、表面シート2も長方形状であり、吸収体4の長手方向両端縁からおむつ外方に延出されて、外層不織布5と積層されてウエスト部8を形成している。このため、ウエスト弾性部材81は、外層不織布5と表面シート2とにより狭持固定されている。
【0013】
表面シート2は、防漏シート3の表面側に位置するように且つその側縁2aが吸収体4の側縁4aよりも使い捨ておむつ外方に位置しないように、配されており、基端60は、シート材61を表面シート2に固着して形成されている。本実施形態においては、表面シート2の側縁2aは、吸収体4の側縁4aとほぼ同じ位置に位置するように配されている。なお、図2においては、基端60を明瞭にするために、便宜上、基端60においてのみシート材61が表面シート2に固着されているように記載しているが、シート材は、基端60より外方においては、全面が表面シート2及び防漏シート3に固着させるのが好ましい。
なお、上述の説明における位置や距離は、それぞれ、使い捨ておむつを平面視した場合の位置及び距離である。
【0014】
また、ファスニングテープ11は、その固定部において、外層不織布5に固定されているが、本実施形態においては、図1に示すように、補強のために補強用シート12を配している。補強用シート12は、外層不織布5とシート材61とにより、接着剤を介して狭持固定されている。
【0015】
本実施形態の使い捨ておむつの各構成部材の形成材料について説明すると、前記表面シート2及び前記ファスニングテープ11としては、通常使い捨ておむつに用いられるものを特に制限なく用いることができる。
【0016】
防漏シート3を構成するラミネートフィルムに用いられる紙としては、パルプ、紙力増強剤あるいはおよびサイズ剤を含有し、該紙力増強剤が該パルプ重量に対して0.1〜10%含まれ、該サイズ剤を含有させる場合は、該パルプ重量に対して0.05〜10%含まれている紙等が挙げられる。
前記パルプとしては、針葉樹や広葉樹の化学パルプ(NBKP、LBKP)、半化学パルプ及び及び機械パルプ等の木材パルプ、これら木材パルプを化学処理したマーセル化パルプ及び架橋パルプ、麻や綿等の非木材系繊維並びにレーヨン繊維等の再生繊維のようなセルロース系繊維等が好ましい。これらの材料のうち、製品コスト、シート強度および抄紙適性等の観点から、木材パルプ、これら木材パルプを化学処理したマーセル化パルプ及び架橋パルプ等が更に一層好ましい。これらの材料は単独で、或いは得られる撥水性台紙の強度や透気度を適宜調整するために二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0017】
得られる撥水性台紙の透気度と柔軟性をコントロールするために、前記パルプと合成パルプとを併用することもできる。この場合、合成パルプの配合量は撥水性台紙の前記パルプ100重量部に対して好ましくは100重量部以下、更に好ましくは5〜50重量部である。合成パルプとしては、ポリエチレン繊維やポリプロピレン繊維等のポリオレフィン樹脂からなる繊維を用いることができ、低密度ポリエチレンや線状低密度ポリエチレンからなる繊維等が特に好ましく用いられる。
【0018】
前記紙力増強剤としては、乾燥紙力剤や湿潤紙力剤等の一般的に使用されている薬剤を使用することができる。前記乾燥紙力剤の例としては、でん粉、変性でん粉、植物ガム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、カイメン等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。前記湿潤紙力剤の例としては、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂、ジアルデヒドデンプン、ポリエチレンイミン、エポキシ化ポリアミド、メチロール化ポリアミド等が挙げられるがこれらに制限されるものではない。
前記紙力増強剤は、上述の通りパルプ重量に対して好ましくは0.1〜10%含まれ、更に好ましくは0.2〜5%、一層好ましくは0.3〜3%含まれる。前記紙力増強剤の配合量が0.1%未満であると、配合の効果があまり期待できず、4%を超えて配合しても配合の効果が飽和したり、紙が堅くなりすぎて製品の風合いを損なうので前記範囲内とすることが好ましい。
【0019】
前記サイズ剤は、使用法によって無添サイズ剤および表面サイズ剤に分類され、本発明においては一般的に使用されているサイズ剤を使用することができる。前記サイズ剤を原料別に区分すると、ロジンサイズ剤、ワックスサイズ剤、石油樹脂サイズ剤、合成サイズ剤等があり、成分としては、天然ロジン・無水マレイン酸共重合体、水素添加ロジン・無水マレイン酸共重合物、ロジン・無水マレイン酸共重合体ワックスエマルジョン、石油樹脂・無水マレイン酸共重合物、アルキル・ケテン・ダイマー、アルケニル無水こはく酸、無水ステアリン酸等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。前記サイズ剤は、上述の通りパルプ重量に対して好ましくは0.05〜10%含まれ、更に好ましくは0.1〜5%、一層好ましくは0.1〜3%含まれる。前記サイズ剤の配合量が0.05%未満であると、配合の効果があまり期待できず、10%を超えて配合しても配合の効果が飽和したり、紙の製造ラインが薬品で汚れることがあるので前記範囲内とすることが好ましい。
【0020】
また、紙には、前記サイズ剤の定着のためにサイズ剤定着剤が配合されていてもよい。該サイズ剤定着剤としては、硫酸バンド、アルミン酸ソーダ、ポリ塩化アルミニウム等が使用され、該サイズ剤の重量に対して50〜400%配合されることが望ましい。更に、紙には、必要に応じて染料や顔料等を配合してもよい。
【0021】
また、不織布としては、エアースルー不織布、スパンホンド不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)、スパンボンド−メルトブローン−メルトブローン−スパンボンド(SMMS)等が挙げられる。
また、フィルム材としては、ポリエチレンフィルム等のポリオレフィンフィルム;ポリオレフィン樹脂と有機・無機フィラーを混練し、フィルム化した後、一軸あるいは二軸方向に延伸したフィルム;ポリプロピレンと鉱物オイルを混練、フィルム化した後、一軸あるいは二軸方向に延伸したフィルム;ポリウレタンやポリエステル等の非開孔透湿フィルム等が挙げられる。
【0022】
また、紙または不織布の坪量は、5〜50g/m2 とするのが好ましく、10〜25g/m2 とするのが更に好ましい。フィルム材の坪量は、5〜50g/m2 とするのが好ましく、10〜30g/m2 とするのが更に好ましい。
紙または不織布の坪量を、5g/m2 以上とすることにより、シートとしての強度が高くなり、使用中の活動によって防漏シートが破れるのを防ぐことができ、50g/m2 以下とすることにより、柔軟性に優れ、装着時の違和感を少なくすることができる。フィルム材の坪量を、5g/m2 以上とすることにより、シートとしての強度が高くなり、使用中の活動によって防漏シートが破れるのを防ぐことができ、50g/m2 以下とすることにより、柔軟性に優れ、装着時の違和感を少なくすることができ、しかも、十分な透湿性が発現され装着時にムレることがない。
【0023】
また、前記吸収体4における本体41は、通常のパルプに吸水性ポリマーを混合してなるものが用いられる。この際用いられる吸水性ポリマーとしては、特開平10−118117号公報の段落番号〔0010〕〔0011〕〔0012〕及び〔0013〕に記載されている吸水性ポリマーや、同号公報の段落番号〔0014〕〔0015〕〔0016〕及び〔0037〕に記載されている吸水性ポリマー等が好ましく挙げられ、これらは、漏れ防止性をより向上させるために併用しても良い。これらを併用する場合には、同号公報の段落番号〔0019〕に記載されている配合割合とすればよい。
また、吸収体には、吸収性能を阻害しないレベルであれば、吸収体の形状を安定化させるために、親水性の長繊維(レーヨン、コットン、ポリビニルアルコール繊維、羊毛等)や、熱可塑性繊維を適宜混合して用いても良い。
【0024】
また、前記シート材61及び/又は前記外層不織布5は、それぞれ、CD強度が1000cN/50mm以上であるのが好ましく、1200〜2000cN/50mmであるのが更に好ましい。CD強度を1000cN/50mm以上とすることにより、ファスニングテープが付け根から破れることがない。
ここで、CD強度は、下記のようにして測定される。
<CD強度>
原反の流れ方向(MD)に幅50mm、流れ方向と直交する方向(CD)に長さ150mmの試験片を切り出した。この試験片について、テンシロン引張試験機〔(株)オリエンテック社製〕を用い、チャック間50mm、CD方向の引張速度300mm/minで引張試験を行い、破断時の強度を測定し、これをCD強度とした。
【0025】
前記シート材61及び/又は前記外層不織布5の耐水圧は、30mm以上であるのが好ましく、50mm以上であるのが更に好ましい。耐水圧を30mm以上とすることにより、万一立体ガードを乗り越えた排泄物もシートににじんでモレることがない。
【0026】
このような条件を満足する、前記シート材61及び外層不織布5の形成材料としては、ヒートロール不織布、スパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)、スパンボンド−メルトブローン−メルトブローン−スパンボンド(SMMS)等が好ましく用いられる。
このように、シート材61及び外層不織布5としては、共に通気性のある(通気性の高い)不織布材料等を用いるのが、ムレ防止性の点から好ましい。
また、前記シート材61及び前記外層不織布5の坪量は、それぞれ、10〜40g/m2 であるのが好ましく、18〜30g/m2 であるのが更に好ましい。坪量を10g/m2 以上とすることにより、必要な強度と耐水圧とを発現することができ、40g/m2 以下とすることにより、コストがかからない柔軟で軽量のおむつを提供することができる。
【0027】
また、前記補強用シートとしては、特に制限されないが、下記のシート等が好ましく用いられる。
例えば、上述のヒートロール不織布、スパンボンド不織布、SMS、SMMSに加え、エアースルー不織布あるいはウレタンフォーム等の発泡体、ポリオレフィンやウレタンフィルム、紙等。
【0028】
前記拡散シート42としては、通常使い捨ておむつに用いられるものを特に制限なく用いることができる。特に好ましい拡散シートの例としては、紙や不織布である。特に不織布を用いる場合は、構成繊維の繊度が1.5〜10d、坪量15〜60g/m2 のものが好ましいが、適宜選択可能である。合成繊維のみならず、レーヨンやコットン等を混合したシートでも良い。
【0029】
本実施形態の使い捨ておむつ1は、上述の如く構成されたものであるため、従来の使い捨ておむつよりも構成材料の使用量を低減することができると共に、防漏シートを上述の如く配してあるので、側部からの漏れ防止性にも優れており、漏れ防止性に優れたものである。そして、防漏シート3が前記ラミネートフィルムにより形成されているので、折り込みが容易で、生産性に優れ、しかも漏れ防止性が更に向上されている。更に、開口含有部31が形成されている本実施形態の使い捨ておむつにおいては、透湿性にも優れている。
また、装着時、激しい運動によって万一台紙に微小なクラックが生じた場合、あるいは又、抄紙工程で台紙の均一性がみだれた場合でも、構造の破綻を来すことがなく、その結果漏れ防止性に得に優れている。
【0030】
本実施形態の使い捨ておむつ1は、上述の構成とするのであれば、従来の使い捨ておむつを製造する際に用いられる手法を特に制限なく用いて製造できる。
【0031】
なお、特に図示しないが、立体ガード6は、▲1▼2つ以上の折り曲げ部が形成されており、使用時に、立体ガードの表面側において立体ガードにより形成された2つ以上のポケット部が並設されるようになされた形態、▲2▼複数の立体ガード弾性部材を有し、立体ガード弾性部材は、前記立体ガードの基端と自由縁端との間及び該自由縁端に複数配されており、且つ該立体ガードの表面に該立体ガードにより複数のポケット部が形成されるようになされた形態等とすることもできる。前記の▲1▼及び▲2▼の形態とすることにより、モレ防止効果をより一層高めることができる。具体的には、排泄物が立体ガードを超えてもこれらのポケット部により捕集され、レッグ部からの漏れを効果的に防止できる。
また、シート材61を、基端60より使い捨ておむつ内方にて外側に折り返して、使い捨ておむつの長手方向両端にて固定してもよい。この場合には、立体ガード6は、折り曲げ部を使い捨ておむつの内方に位置させてくの字状の形状となる。更には、このように外側に折り返した後、更に内方に向けて折り返してもよい。この場合には、立体ガード6は、Z字状になる。これらのようにした場合には、立体ガードが良好に立ち上がるため、使用時における立体ガードの高さが保持され、漏れ防止性が向上される。
【0032】
なお、上述の実施形態においては、展開型の使い捨ておむつを例示して説明したが、本発明は、パンツ型の使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド等にも適用可能である。
上述の実施形態においては、レッグ弾性部材が配されたものを例示して説明したが、レッグ弾性部材は設けなくても良い。
また、図示しないが、レッグ弾性部材は、吸収体の側縁部の裏面側(裏面シート側)に配して、防漏シートと外層不織布とで狭持固定するようにしてもよい。
また、開孔含有部31は設けなくても良い。
【0033】
【発明の効果】
本発明の吸収性物品は、十分な漏れ防止性を有し、吸収性物品の構成材料の使用量が低減されてコンパクトで軽量化されており、生産性に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の吸収性物品としての使い捨ておむつの第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1のX−X断面を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 使い捨ておむつ
11 ファスニングテープ
12 補強用シート
2 表面シート
3 防漏シート
31 開口含有部
4 吸収体
41 本体
42 拡散シート
5 外層不織布
6 立体ギャザー
60 基端
61 シート材
63 自由端
64 立体ギャザー弾性部材
7 レッグ部
71 レッグ弾性部材
8 ウエスト部
81 ウエスト弾性部材
A 腹側部
B 背側部
Claims (4)
- 液透過性の表面シート、液不透過性の防漏シート、及び液保持性の吸収体を具備し、該吸収体の長手方向左右両側には、立体ガード形成用のシート材が配されて立体ガードが形成されている吸収性物品において、
前記防漏シートは、紙または不織布とフィルム材とのラミネートフィルムであり、該防漏シートの長手方向左右両側縁部が、該吸収体の左右両側縁を覆って、該防漏シートの左右両側縁が、該吸収体の表面側の左右両側縁部上に位置するように、前記吸収体の側縁外方で折り込まれて配されており、
前記防漏シートの裏面側には、外層不織布が配されており、該外層不織布と前記シート材とは、共に、前記吸収体の側縁よりも吸収性物品の外方側に向けて延出され、延出された該外層不織布と該シート材とが積層されており、
前記立体ガードの基端は、前記シート材を前記表面シートに固着して形成されており、該シート材は、該基端より吸収性物品外方においては、その全面が、該シート材の裏面側に配されている、該表面シート、前記防漏シート又は前記外層不織布に固着されている吸収性物品。 - 前記防漏シートは、その吸収体の裏面側に位置する部位が、透湿性を有する開孔フィルムである請求項1記載の吸収性物品。
- 前記防漏シートの側縁は、前記基端よりも吸収性物品の内方側に位置する請求項1記載の吸収性物品。
- 前記外層不織布と前記シート材とは、前記吸収体の側縁よりも吸収性物品の外方側に向けて延出された部分がレッグギャザーを形成している請求項1〜3の何れかに記載の吸収性物品。
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