JP2000000253A - 歯科塑造モデル用のベ―スを形成する型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベース上に塑造されたモデルが揺れ動かな
いように再取付けおよび位置決めされる、安定した型を
提供する。 【解決手段】 義歯またはその一部を作り直すとき
に、歯科モデルのためのベースを塑造するための型は、
基板を備えている。この基板のエッジに沿って型キャビ
ティが配置され、この型キャビティは歯科モデルまたは
その一部のための固定手段を有する底を備えている。型
は更に、底から延びるリブを有する壁を備えている。型
キャビティは顎の少なくとも一部の形をしている。固定
手段が少なくともほぼ円筒状にピンであり、このピンが
型キャビティの底の対応する穴に挿入され、ピンがそれ
ぞれ、歯科モデルのベースに鋳込むために適した部分を
有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、基板を具備し、こ
の基板のエッジに沿って型キャビティが配置され、この
型キャビティが歯科モデルまたはその一部のための固定
手段を有する底を備え、この固定手段が少なくともほぼ
円筒状ピンの形をし、このピンが型キャビティの底の対
応する穴に挿入され、ピンがそれぞれ、歯科モデルのベ
ースに鋳込むために適した部分を有し、更に、底から延
びるリブを有する壁を具備し、型キャビティが顎の少な
くとも一部の形している、義歯またはその一部のための
歯を作り直すときに、歯科モデルのためのベースを塑造
するための型に関する。

【０００２】

【従来の技術】ドイツ連邦共和国特許出願公開第３８３
７５５１号公報には、セグメントに分割された歯科顎モ
デルを作るための装置が開示されている。この装置は支
持板を備え、この支持板上にソケットが取付けられ、ソ
ケットはモデルをセグメントに分割するための分割板を
収容する案内溝を有する。支持板とソケットによって構
成される型キャビティの底を形成する支持板は好ましく
は、ピンすなわち栓を入れるための円錐穴を備えてい
る。このピンの突出部分はモデルに鋳込まれる。

【０００３】類似のタイプの型が米国特許第５，３２
８，３６６号明細書によって知られている。義歯内の歯
を作り直すときに、一般的に、義歯モデルがベースに鋳
込まれる。このベースは後で咬合器に連結され、この咬
合器によって、作り直された歯が反対側の顎の対応する
歯に正しくかみ合うかどうかがチェックされる。公知の
型の場合、塑造モデルを型から取外し、幾つかの片に分
割した後で再び取り付けることができる。これに関連し
て、片の一つが作り直される歯を形成する。咬合器にモ
デルを取付けるときに、モデルは咬合器の連結アームに
対する連結リンクとして使用される。モデルの一部を型
に再び取付けるときに、個々の部分が型に効果的に固定
されることが重要である。公知の型の場合には、３つに
分割された型の中央部分が、ベース部分に鋳込まれる固
定手段によって、型キャビティに沿って延びる長穴内で
締付けられても、充分に固定されないことが判った。中
央部分は１０分の数ミリメートルだけ揺れ動く。これ
は、最適な精度で歯を作り直すことが不可能であること
を意味する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この観点から、本発明
の目的は、公知の型の欠点が除去される型を提供するこ
とである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この目的は請求項１記載
の新規な特徴を有する型によって達成される。

【０００６】本発明は、義歯の個々の歯を作り直すため
に、凝固中に少ししか膨張しない石膏を顎モデルのため
に使用しても、その後の再塑造のときに顎の部分を固定
保持する固定手段や型を設計する場合に、この石膏の膨
張を考慮する必要があるという理解に基づいている。従
って、切断した後で、もう一度型に取り付けるときに
は、型の壁の成形は顎部分の固定にとって充分ではな
い。新規な実施形では、ピンは顎モデルに鋳込まれ確実
に固定される帯状体のように形成されている。従って、
モデルが破壊される危険が除去される。各々の帯状体は
２個のピンからなっている。それによって、区間は、対
をなして配置されたピンによって、型内の予め定めた位
置に固定されるだけである。

【０００７】特に有利な穴の位置決めパターンは、２列
の穴において隣接する穴の間隔の合計が、型のすべての
対の穴について一定であることによって得られる。これ
は、対をなした穴が型キャビティの全長にわたって同じ
間隔を有するとを意味する。

【０００８】特に実際的な設計では、栓がブリッジの中
央部分を連結する縦方向のリブによって連結されてリボ
ンを形成している。栓は容易に分離可能であり、もし所
望されれば、あるいは後でモデルを分割すべき領域内に
短い区間または長い区間として挿入されるときには、個
々の帯状体として使用可能である。栓と帯状体がプラス
チックからなっているときには、モデルを切断するため
に使用される工具と同じ工具でピンが切断されるので、
顎モデルを切断するときに位置決めする必要はない。

【０００９】型が顎型全部であるときには、穴が型の底
を貫通し、穴の両端が同じ直径を有すると有利である。
それによって、１本またはそれ以上の歯を作り直すとき
にモデルを取扱操作する間、モデルを取付けるために型
の下側部を使用可能である。対をなして配置された栓に
よる固定の結果として、モデル部分はしっかりと固定さ
れる。

【００１０】塑造中に石膏が使用されない穴に充填され
ないようにするために、型キャビティに面した穴が栓の
挿入によって貫通可能なフィルムを備えていると有利で
ある。この実施形は型とベース部分の分離を容易にし、
ピンの選択的な位置決めをきわめて容易にする。

【００１１】型と、それに再び取付けられるモデル部分
とがしっかりと連結されることにより、基板が咬合器と
の連結手段を備えているときには、咬合器を型に連結す
ることができる。特に有利な実施形は、基板が、熱可塑
性物質で作られたタワーと、ボールソケット継手を備え
た咬合器と一体であるという特徴を有する。咬合器が調
節される場合、上側の義歯と下側の義歯の歯の間に正し
い印象を付ける間、タワーはプラスチックを軟らかくす
るために加熱される。調節は、所望な印象を得る程度
に、加熱されて軟らかくなった状態でタワーを曲げたり
圧縮することによって行われる。

【００１２】

【発明の実施の形態】次に、図を参照して本発明を詳細
に説明する。

【００１３】図１に示した型は、顎全体のモデルをベー
ス部分に鋳込むためのものである。ベース部分を塑造し
た後で、モデルはベース部分と共に型から取り外され、
小さな部品に切断される。この小さな部品は、義歯の１
つ以上の部分を作り直す間、型に再び取付けられる。図
１に示した型は基板１を備えている。この基板のエッジ
に沿って、顎の形をした型キャビティが設けられてい
る。型は底２と、旋条または歯状物を有する側壁３を備
えている。脚部４を支持する側壁３の外面には、底の下
側を持ち上げるために、下側層が設けられていない。底
２には、２列の穴６が設けられている。この穴は対をな
した穴６′，６″からなっている。この穴は、第１の隣
接する２個の穴の間隔が第２の列の隣接する２個の穴の
間隔に加算されるときに、合計が一定になるように、規
則的な間隔をおいて配置されている。穴は好ましくは、
底を通過し、両端部が同じ直径を有する。

【００１４】ベース部分を塑造する前に、栓（ピン）が
穴の少なくとも一部に挿入される。この栓はベース部分
に鋳込むのに適している。栓はブリッジによって２つず
つ連結され、帯状体を形成している。リボン状に連結さ
れた、栓７を有する帯状体が図２に示してある。栓はブ
リッジ８によって連結され、このブリッジは縦方向リブ
９によって連結されている。栓７は型に挿入可能な深さ
を制限するカラー１０を備えている。リボン状に連結さ
れた栓は型に挿入され、すべての穴に充填されるかある
いはリブが破断されて、単一帯状体または短い区間とし
て栓が挿入される。穴６は好ましくは、型を作るプラス
チックの薄いフィルムによって覆われている。このフィ
ルムは、栓を挿入するときに栓によって容易に貫通でき
るように薄く形成され、かつモデルのベース部分を塑造
するときに石膏が穴を通過して流れないような強さを有
する。型は、かなりの耐久性が望まれるときにはＡＢＳ
プラスチックで作られ、低価格が目的であるときには例
えばスチレンプラスチックで作られる。このスチレンプ
ラスチックは、型の使用後型を廃棄する場合に有利であ
る。栓は好ましくは粘性があって硬くて滑らかなプラス
チック、例えば適当なポリエチレンで作られる。

【００１５】型は咬合器に連結可能である。この咬合器
によって、作り直した歯が反対側の顎の義歯と協働し得
るかどうかチェックされる。好ましい実施の形態では、
型がタワーと一体に作られる。このタワーは上部のボー
ルソケット継手と共に、咬合器の一部を形成する。２個
の顎部分の間の正しい印象は、タワーのプラスチックを
熱によって軟らかくすることによって得られる。この熱
は、適当な印象が得られるまで、タワーを曲げたり、圧
縮することができる。冷却後、２個の顎部分は、かみ砕
き運動をシミュレーションするために、ボールソケット
継手と、変形されたタワーの或る程度の弾性とによっ
て、互いに相対的に動かされる。

【００１６】型の上記実施の形態において、互いに対向
配置された型側部３は、穴を除いて板を形成する底２に
よって、相互に固定連結されている。塑造時に石膏が凝
固中に１０分の数％だけ膨張するが、型側部は、膨張分
を除いて圧縮不可能である。従って、モデルは型内に再
取付け可能であり、個々の歯の作り直しのために小さな
片に切断されると、動かないように固定される。

【００１７】本発明によって、伝統的な歯科技術の特徴
が使い捨て機器の合理的な使用と組み合わせられる。こ
の使い捨て機器は必要な時間の消費の観点からも作業の
精度の観点からも非常に有利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による型の斜視図である。

【図２】本発明による型に挿入される、リボンの形をし
た栓のセットを示す。

【符号の説明】

２ 底 ３ 側壁 ６ 穴 ７ 栓 ８ ブリッジ ９ リブ １０ カラー

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基板を具備し、この基板のエッジに沿っ
   て型キャビティが配置され、この型キャビティが歯科モ
   デルまたはその一部のための固定手段を有する底を備
   え、この固定手段が少なくともほぼ円筒状ピンの形を
   し、このピンが型キャビティの底の対応する穴に挿入さ
   れ、ピンがそれぞれ、歯科モデルのベースに鋳込むため
   に適した部分を有し、更に、底から延びるリブを有する
   壁を具備し、型キャビティが顎の少なくとも一部の形し
   ている、義歯またはその一部のための歯を作り直すとき
   に、歯科モデルのためのベースを塑造するための型にお
   いて、ピンが歯科モデルのベースに鋳込まれるブリッジ
   に対をなして連結され、型キャビティの底の穴が底の縦
   方向に延びる２つの列になって対をなして配置されてい
   ることを特徴とする型。
2. 【請求項２】 ２列の穴において２対の穴に属する隣接
   する穴の間隔の合計が、型のすべての対の穴について一
   定であることを特徴とする請求項１記載の型。
3. 【請求項３】 ピンがブリッジの中央部分を連結する縦
   方向のリブによって連結されてリボンを形成しているこ
   とを特徴とする請求項２記載の型。
4. 【請求項４】 穴が型の底を貫通し、穴の両端が同じ直
   径を有することを特徴とする請求項１〜３のいずれか一
   つに記載の型。
5. 【請求項５】 基板が咬合器に連結するための手段を備
   えた、請求項１〜４のいずれか一つに記載の型におい
   て、基板が、熱可塑性物質で作られたタワーと、ボール
   ソケット継手を備えた咬合器と一体になっていることを
   特徴とする型。