JPH10204182A - 硬化性組成物 - Google Patents
硬化性組成物Info
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- JPH10204182A JPH10204182A JP1097197A JP1097197A JPH10204182A JP H10204182 A JPH10204182 A JP H10204182A JP 1097197 A JP1097197 A JP 1097197A JP 1097197 A JP1097197 A JP 1097197A JP H10204182 A JPH10204182 A JP H10204182A
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Abstract
率で透明性に優れる硬化物を得ることができる硬化性組
成物の提供。 短時間で熱硬化させることができる硬
化性組成物の提供。 クラックなどの不具合を生じさ
せることなく厚膜の硬化膜を形成することができる硬化
性組成物の提供。 【解決手段】 (A)ポリチタノキサンと、(B)カル
ボキシル基および/または酸無水物基を含む高分子とが
含有されている。
Description
し、さらに詳しくは、フィルム状レンズ、反射防止膜な
ど、高い屈折率が要求される光学部品を効率的に製造す
ることができる硬化性組成物に関する。
膜状乃至薄板状の光学部品を製造する方法として、熱硬
化性組成物を基材上に塗布し、塗膜を加熱(焼成)して
硬化させることが行われている。かかる熱硬化性組成物
(コーティング組成物)としては、 ラダー構造のポ
リチタノキサンを有機溶剤に溶解してなる熱硬化性組成
物(特開平1−129032号公報参照)、 アルコ
キシシランの加水分解物とテトラアルコキシチタンの加
水分解物とを含有してなる熱硬化性組成物(特開平6−
242432号公報参照)、 アルコキシシランの加
水分解物とテトラアルコキシチタンとを含有してなる熱
硬化性組成物(特開平6−33000号公報参照)など
が知られている。
ような熱硬化性組成物を用いて薄膜状の光学部品を製造
する場合には、塗膜を硬化するために高温で加熱する必
要があるため、使用できる基材が制限されており、ま
た、塗膜の硬化に必要な加熱処理時間が長いため、光学
部品を効率的に製造することができなかった。具体的に
は、上記の組成物の塗膜を硬化させるためには500
℃で加熱することが必要とされ、また、上記〜の組
成物の塗膜を硬化させるためには、200℃で30分間
以上の加熱処理が必要とされる。さらに、上記のような
熱硬化性組成物を用いて、膜厚の大きい光学部品(例え
ば1μm以上)を形成しようとすると、当該光学部品に
クラックなどが生じることがある。
たものである。本発明の第1の目的は、低い温度条件で
熱硬化させることができ、屈折率が高くて透明性に優れ
る硬化物を得ることができる硬化性組成物を提供するこ
とにある。本発明の第2の目的は、短い時間で熱硬化さ
せることができ、屈折率が高くて透明性に優れる硬化物
を効率的に得ることができる硬化性組成物を提供するこ
とにある。本発明の第3の目的は、クラックなどの不具
合を生じさせることなく膜厚の大きな硬化膜を形成する
ことができる硬化性組成物を提供することにある。本発
明の第4の目的は、薄膜状乃至薄板状の光学部品を製造
することができる硬化性組成物を提供することにある。
は、(A)ポリチタノキサン〔以下「(A)成分」とも
いう〕と、(B)カルボキシル基および/または酸無水
物基を含む高分子〔以下「(B)成分」ともいう〕とを
含有することを特徴とする。本発明の硬化性組成物にお
いては、(A)成分におけるチタン含量が20重量%以
上であることが好ましい。
いて詳細に説明する。 <(A)成分>本発明の硬化性組成物を構成する(A)
成分は、Ti−O−Ti結合を繰り返し単位として有す
る高度に縮合したポリチタノキサンである。(A)成分
として使用されるポリチタノキサン中のチタン含量は、
最終的に得られる硬化物に高い屈折率を付与する観点か
ら、通常20重量%以上とされ、好ましくは21〜48
重量%、更に好ましくは24〜48重量%とされる。チ
タン含量が20重量%未満である場合には、得られる硬
化物に高い屈折率を与えることができない。一方、チタ
ン含量が過大であるポリチタノキサンを使用する場合に
は、最終的に得られる硬化物の透明性が低下することが
ある。ここに、ポリチタノキサン中のチタン含量は、原
子吸光法により定量することができる。
サンの縮合度としては、当該ポリチタノキサンがラダー
構造のものと仮定して、通常10〜10,000とさ
れ、好ましくは30〜5,000とされる。この縮合度
が過小である場合には、得られる硬化物に高い屈折率を
与えることができない。一方、縮合度が過大である場合
には、硬化膜の透明性、成膜性が低下することがある。
サンには、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ
基、ブトキシ基、フェノキシ基、ベンジロキシ基、フェ
ニルエトキシ基、フェノキシエトキシ基、ナフチロキシ
基などのアルコキシ基、水酸基などが含まれていてもよ
い。
サンは、有機溶剤の存在下にテトラアルコキシチタンを
加水分解してチタノールを生成し、これを縮合させる通
常の方法により製造することができる。
トラアルコキシチタンとしては、例えばテトラメトキシ
チタン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシ
チタン、テトラブトキシチタン、テトラキス(メトキシ
プロポキシ)チタン、テトラノニロキシチタン、テトラ
フェノキシチタン、テトラベンジロキシチタン、テトラ
フェニルエトキシチタン、テトラフェノキシエトキシチ
タン、テトラナフチロキシチタン、これらのテトラアル
コキシチタンとアルコール類との交換反応により得られ
るアルコキシチタンなどを挙げることができる。テトラ
アルコキシチタンの市販品としては、「TPT」、「T
BT」〔以上、日本曹達(株)製〕を挙げることができ
る。
る有機溶剤としては、反応物質であるテトラアルコキシ
チタンおよび水、並びに生成物質であるポリチタノキサ
ンを均一に溶解することができ、沸点が40〜300℃
であるものを挙げることができる。かかる有機溶剤の具
体例としては、メタノール、エタノール、イソプロピル
アルコール、メトキシプロパノール、n−ブタノール、
t−ブタノール、アミルアルコール、オクタノールなど
の脂肪族アルコール類;フェノール、ベンジルアルコー
ル、キシリルアルコール、フェニルエチルアルコール、
フェノキシエタノールなどの芳香族アルコール類;トル
エン、キシレンなどの炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブ
チル、酢酸アミル、γ−ブチロラクトンなどのエステル
類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなど
の水酸基含有エーテル類;エチレングリコールジメチル
エーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジブ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの
水酸基を含有しないエーテル類;アセトン、ジエチルケ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノンなどのケトン類;ホルムアミド、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル
ピロリドンなどのアミド類を挙げることができ、これら
は、単独で、または2種以上混合して使用することがで
きる。これらのうち、脂肪族鎖状アルコール類、芳香族
アルコール類、炭化水素類、水酸基含有エーテル類、水
酸基を含有しないエーテル類、ケトン類が好ましく、イ
ソプロピルアルコール、n−ブタノール、ベンジルアル
コール、フェニルエチルアルコール、フェノキシエタノ
ール、トルエン、キシレン、エチレングリコールモノメ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノンが特に好ましい。
ル類(脂肪族アルコール類・芳香族アルコール)を使用
すると、当該アルコール類の有するアルコキシ基と、ア
ルコキシチタンおよび/またはポリチタノキサンの有す
るアルコキシ基との交換反応により、アルコール類に由
来の置換基を有するポリチタノキサンを得ることができ
る。
めに添加される水の量は、得られるポリチタノキサンの
縮合度を好ましい範囲に調整するなどの観点から、テト
ラアルコキシチタン1モルあたり、通常1.5モル以上
とされ、好ましくは1.7〜2.2モルとされる。な
お、炭化水素類、エステル類、ケトン類など、水との相
溶性の低い有機溶剤の存在下に加水分解を行う場合に
は、加水分解のための水を、これとの相溶性の高い溶剤
に溶解した状態で添加することが好ましい。
テトラアルコキシチタンおよび有機溶剤の沸点以下の温
度、例えば20〜300℃とされる。なお、加水分解・
縮合反応を促進する観点から、塩酸、酢酸、トルエンス
ルフォン酸などの酸、アンモニア、トリエチルアミン、
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、水酸化ナトリ
ウムなどの塩基を反応系に添加してもよい。また、カル
ボン酸、カルボン酸無水物、β−ジケトン類、β−ケト
カルボン酸エステル類、アルコールアミン類、α−ヒド
ロキシカルボン酸類などの配位化合物を反応系に添加し
てもよい。
タノキサンとテトラアルコキシチタンとを共縮合させた
り、上記のようにして得られるポリチタノキサン同士を
共縮合させたりすることにより得られるポリチタノキサ
ンを(A)成分として使用することもできる。本発明に
おいて、(A)成分の屈折率(ナトリウムD線またはこ
れに相当する波長589nmにおける屈折率)は1.6
以上であることが好ましく、さらに好ましくは1.65
以上とされる。
成する(B)成分は、カルボキシル基(−COOH)お
よび/または酸無水物基(−CO−O−CO−)を分子
構造中に含む透明性を有する高分子である。
としては、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリオレ
フィンなどのビニル系高分子;ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリエーテル、ポリシロキサンなどの
縮合系高分子など、特に限定されるものではない。ま
た、(B)成分の分子量も特に限定されるものではない
が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)により求められるポリスチレン換算の平均分子量が
1,000〜100,000であることが好ましい。
(B)成分の分子量が過小である場合には、得られる組
成物の成膜性が低下することがあり、一方、分子量が過
大である場合には、最終的に得られる硬化物の透明性が
低下することがある。
び酸無水物基の含有割合としては、これらの基を導入す
るために用いられた化合物(カルボン酸・カルボン酸無
水物)に由来する構造部分の割合として、通常0.1〜
50重量%とされ、好ましくは1〜30重量%とされ
る。この割合が過小である場合には、得られる組成物が
十分な硬化性を有するものとならず、この割合が過大で
ある場合には、得られる組成物の保存安定性が低下する
ことがある。(B)成分の分子構造中、カルボキシル基
および/または酸無水物基が結合されている位置は、特
に限定されるものではなく、主鎖、側鎖および末端の何
れであってもよい。
方法(カルボキシル基および/または酸無水物基の導入
方法)としては、特に限定されるものではなく、例えば
下記(1)〜(3)に記載の方法を挙げることができ
る。
(カルボン酸)および/または酸無水物基を含有する化
合物(カルボン酸無水物)と、重合性モノマーとを共重
合させる方法。 (2)予め合成された高分子と、カルボン酸および/ま
たはカルボン酸無水物とを反応させる方法。 (3)カルボキシル基前駆体および/または酸無水物基
前駆体を含む高分子に、加水分解や脱水処理を施すこと
により、カルボキシル基前駆体および/または酸無水物
基前駆体をカルボキシル基および/または酸無水物基に
変換する方法。
子中にカルボキシル基を導入するために用いられるカル
ボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イ
タコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸などの
不飽和カルボン酸類;コハク酸アクリロキシエチル、コ
ハク酸メタクリロキシエチル、マロン酸アクリロキシエ
チル、マロン酸メタクリロキシエチル、フタル酸アクリ
ロキシエチル、フタル酸メタクリロキシエチルビニルフ
ェニルカルボン酸、アジピン酸アクリロキシエチル、ア
ジピン酸メタクリロキシエチルなどのジカルボン酸のモ
ノエステル類;ビニルフェニルカルボン酸、ビニルフェ
ニル酢酸などのビニル基含有芳香族カルボン酸類を挙げ
ることができる。また、高分子中に酸無水物基を導入す
るために用いられるカルボン酸無水物としては、例えば
無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン
酸無水物;ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸無水物などの多価カルボン酸無水物を挙げ
ることができる。これらのうち、ジカルボン酸のモノエ
ステル類および不飽和ジカルボン酸無水物が好ましい。
これらのカルボン酸およびカルボン酸無水物は、単独で
または2種以上を組み合わせて使用することができる。
性モノマーとしては、例えばスチレン、α−メチルスチ
レン、ビニルナフタレンなどの芳香族モノマー;メチル
アクリレート、メチルメタクリレート、ブチルアクリレ
ート、ブチルメタクリレート、フェニルアクリレート、
フェニルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベン
ジルメタクリレートなどの(メタ)アクリルエステル
類;N−ブチルマレインイミド、N−シクロヘキシルマ
レインイミド、N−フェニルマレインイミド、N−ナフ
チルマレインイミドなどのマレインイミド類;メチルビ
ニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエ
ーテルなどのビニルエーテル類などのビニル系モノマー
を例示することができる。これらのうち、スチレン、α
−メチルスチレン、ビニルナフタレン、フェニルアクリ
レート、フェニルメタクリレート、ベンジルアクリレー
ト、ベンジルメタクリレート、N−フェニルマレインイ
ミド、N−ナフチルマレインイミドなどが好ましい。ま
た、最終的に得られる硬化物に高い屈折率を与える観点
から、重合性モノマーの屈折率は1.50以上であるこ
とが好ましい。
〔(B)成分〕としては、 メルカプト基含有高分子および/またはアミノ基含
有高分子と、不飽和カルボン酸および/または不飽和カ
ルボン酸無水物とのマイケル付加反応を利用して得られ
る高分子、 Si−H基を有する高分子と、不飽和カルボン酸お
よび/または不飽和カルボン酸無水物および/またはマ
レインイミド類とのヒドロシリル化反応を利用して得ら
れる高分子などを挙げることができる。
ボキシル基前駆体および/または酸無水物基前駆体を含
む高分子としては、エステル結合、エーテル結合、アミ
ド基などを分子構造中の主鎖、側鎖、末端に有する高分
子を挙げることができる。
品としては、SMA RESIN〔Elf Atoch
em North America,Inc.製:スチ
レン−無水マレイン酸共重合体〕、VEMA A10
1,103,106〔以上、ダイセル化学工業(株)
製:メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体〕
などを挙げることができる。
ルボキシル基や酸無水物基に対して反応性を有する化合
物により変性されていてもよい。具体的には、アルコー
ルとの反応によるエステル化物、アミン化合物との反応
によるアミド化物およびイミド化物、エポキシ化合物と
の付加反応物などであってもよい。
透明性を有することが要求される。また、最終的に得ら
れる硬化物に高い屈折率を与える観点から、(B)成分
の屈折率(ナトリウムD線またはこれに相当する波長5
89nmにおける屈折率)は1.45以上であることが
好ましく、更に好ましくは1.50以上とされる。
物における(A)成分(ポリチタノキサン)と(B)成
分(カルボキシル基および/または酸無水物基を含む高
分子)の使用割合としては、「(A)成分:(B)成分
(重量)」が、30〜90:70〜10であることが好
ましく、更に好ましくは40〜80:60〜20とされ
る。(A)成分の使用割合が過小〔(B)成分の使用割
合が過大〕である場合には、得られる組成物によっては
屈折率の高い硬化物を形成することが困難となる。他
方、(A)成分の使用割合が過大〔(B)成分の使用割
合が過小〕である場合には、得られる組成物によって膜
厚の大きい硬化物を形成しようとすると、当該硬化膜に
クラックなどを生じることがある。
上記必須成分である(A)成分および(B)成分と共に
各種の任意成分が添加含有されていてもよい。かかる任
意成分としては、(B)成分以外の高分子、酸化防止
剤、光吸収剤、色素、顔料、無機充填剤などを挙げるこ
とができる。ここに、無機充填剤としては、コロイダル
シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア、酸
化亜鉛、酸化アンチモンなどを例示することができる。
常、必須成分および任意成分を有機溶剤により溶解する
ことにより調製される。かかる有機溶剤としては、必須
成分および任意成分を均一に溶解することができるとと
もに、加熱乾燥により容易に除去できるものであれば特
に制限されるものではなく、例えば、(A)成分である
ポリチタノキサンを合成する際に使用されるものとして
例示した有機溶剤を挙げることができ、これらのうち、
ケトン類、エステル類、炭化水素類が好ましい。
ーコーター、アプリケーター、スプレー、ロールコータ
ー、ディッピング、スピンコータなどを用いて基材上に
塗布することができる。本発明の硬化性組成物によれ
ば、形成される塗膜の硬化処理を高温で行う必要がない
ため、基材の種類も制限されず、ガラス、セラミック
ス、金属などの無機材料のほか、ポリカーボネート、ポ
リメタクリレート、ポリエステルなどの透明樹脂材料を
使用することができる。
(未硬化塗膜)は、従来の組成物を硬化する場合よりも
低い温度条件(例えば20℃〜150℃)の加熱処理に
より、比較的短い時間(例えば5〜30分間)で硬化さ
れる。ここに、加熱処理のための熱源としては、例えば
熱風乾燥機、赤外線加熱炉、ホットプレートなどを挙げ
ることができる。加熱温度としては、基材の変形を発生
させない温度とされ、具体的には、樹脂材料よりなる基
材を用いる場合には20〜150℃程度とされ、無機材
料よりなる基材を用いる場合には20〜300℃程度と
され、好ましくは20〜150℃程度とされる。
化物は、屈折率が高く、透明性に優れている。かかる硬
化物の屈折率としては、ナトリウムD線またはこれに相
当する589nmにおける屈折率として、1.65以上
とされ、好ましくは1.7以上とされる。このような高
屈折率の硬化膜を、例えば多層反射防止膜の高屈折層と
して利用することにより、十分な反射防止効果が得られ
る。本発明の硬化性組成物により形成される硬化物は、
例えば多層反射防止膜の高屈折率層や液晶ディスプレイ
のバックライト用プリズムシートなどに好適に使用する
ことができる。
はこれらに限定されるものではない。なお、以下におい
て、「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および
「重量%」を意味するものとする。
00部(0.588モル)を無水トルエン100部に溶
解して溶液を調製し、この溶液を85℃に加熱した。次
いで、この溶液中に、イオン交換水20.1部(1.1
2モル)とn−ブチルアルコール400部との混合溶液
を85℃で1時間かけて滴下し、滴下終了後、さらに8
5℃で3時間加熱撹拌した。このようにして得られた反
応生成液を、減圧下(0.1mmHg)150℃に加熱
して揮発成分を溜去することにより、白色固体状の物質
(ブトキシ基を有するポリチタノキサン)を得た。この
ポリチタノキサン中のチタン含量を原子吸光法により測
定したところ33.6%であった。以下、このポリチタ
ノキサンを「(A−1)成分」という。
00部をベンジルアルコール232部に溶解して溶液を
調製し、この溶液を180℃に加熱し、副生するブタノ
ールを蒸留により除去した後、減圧下(0.1mmH
g)で150℃に加熱して揮発成分を溜去することによ
りテトラベンジロキシチタン135部を得た。得られた
テトラベンジロキシチタン100部(0.21モル)に
対し、イオン交換水7.2部(0.40モル)と、ベン
ジルアルコール150部との混合溶液を85℃で1時間
かけて滴下し、滴下終了後、さらに85℃で2時間加熱
撹拌した。このようにして得られた反応生成液を、減圧
下(0.1mmHg)で150℃に加熱して揮発成分を
溜去することにより、淡黄色固体状の物質(ベンジロキ
シ基を有するポリチタノキサン)を得た。このポリチタ
ノキサン中のチタン含量を原子吸光法により測定したと
ころ26.4%であった。以下、このポリチタノキサン
を「(A−2)成分」という。
た反応容器内に、スチレン90部(0.88モル)と、
メタクリル酸10部(0.12モル)と、ベンソイルパ
ーオキサイド0.5部と、トルエン500部とを仕込
み、反応系を80℃に加熱して8時間撹拌した。このよ
うにして得られた反応生成液をシクロヘキサン中に注い
で固形物を分離し、当該固形物を洗浄・乾燥して白色粉
末状の生成物を得た。この生成物について、GPCによ
るポリスチレン換算の重量平均分子量を測定したところ
11,000であった。また、NMRにより分析したと
ころ、この生成物は、メタクリル酸に由来する構造部分
〔−HC−C(CH3 )(COOH)−〕の割合が10
%であるスチレン−メタクリル酸共重合体であることが
認められた。以下、この高分子を「(B−1)成分」と
いう。
て、(A)成分(ポリチタノキサン)と、(B)成分
((カルボキシル基または酸無水物基を含む高分子)
と、トルエン(有機溶剤)と、メチルイソブチルケトン
(有機溶剤)とを25℃で1時間混合することにより、
本発明の硬化性組成物を調製した。なお、実施例2およ
び実施例5において使用した(B−2)成分は、スチレ
ン−無水マレイン酸共重合体「SMA 3000」〔E
lf Atochem North America,
Inc.製:共重合モル比=3/1:分子量9270〕
である。
(A−1)成分20部をトルエン80部に溶解して比較
用の硬化性組成物を調製した。
(B−1)成分20部をメチルイソブチルケトン80部
に溶解して比較用の硬化性組成物を調製した。
調製された本発明の組成物および比較用の組成物の各々
について、組成物の熱硬化性(膜の耐溶剤性)を評価
し、組成物による硬化膜についての透明性、各種基材に
対する密着性、厚膜許容性(クラック発生の有無)につ
いて評価し、さらに、組成物による硬化膜について鉛筆
硬度および屈折率を測定した。以上の結果を表1に併せ
て示す。ここに、評価用試験片の作製方法、並びに評価
方法および測定方法は下記のとおりである。
た硬化性組成物の各々をバーコーターでガラス基板上に
塗布した後、このガラス基板を、熱風乾燥機を用いて1
50℃で30分間加熱処理することにより、所定の膜厚
を有する評価用の試験片〔これを「試験片(I)」とす
る〕を作製した。 (2)実施例1〜6および比較例1〜2により調製され
た硬化性組成物の各々をスピンコート法でシリコンウエ
ハ上に塗布した後、このシリコンウエハを150℃で3
0分間加熱処理することにより、所定の膜厚を有する評
価用の試験片〔これを「試験片(II)」とする〕を作製
した。 (3)実施例1〜6および比較例1〜2により調製され
た硬化性組成物の各々をバーコーターでポリカーボネー
ト基板上に塗布した後、このポリカーボネート基板を、
熱風乾燥機を用いて150℃で30分間加熱処理するこ
とにより、所定の膜厚を有する評価用の試験片〔これを
「試験片(III) 」とする〕を作製した。(4)実施例1
〜6および比較例1〜2により調製された硬化性組成物
の各々をスピンコート法でシリコンウエハ上に塗布した
後、このシリコンウエハを80℃で30分間加熱処理す
ることにより、所定の膜厚を有する評価用の試験片〔こ
れを「試験片(IV)」とする〕を作製した。
が含浸されている布により、試験片(I)上に形成され
た硬化膜(膜厚1μm)を擦過した後、その表面状態を
観察し、変化が認められない場合を「○」、硬化不足に
起因する擦過傷などが認められる場合を「×」とした。 (2)硬化膜の透明性:試験片(I)における硬化膜
(膜厚1μm)を目視により観察し、膜の全面が均一な
透明性を有している場合を「○」、透明性が損なわれて
いる部分がある場合を「×」とした。 (3)基材に対する硬化膜の密着性:JIS K 54
00に準じ、試験片(I)〜(III) における硬化膜(膜
厚1μm)の各々について、1mm間隔のクロスカット
で100個のマス目をつくり、粘着テープによる剥離試
験で、基材に残存する膜片の数を測定した。評価として
は、残存膜片が100個である場合を「○」、99個以
下である場合を「×」とした。 (4)厚膜許容性(クラック発生の有無):試験片(I
I)における硬化膜(膜厚0.5μm/膜厚2.0μ
m)について、クラックの有無を目視により確認した。 (5)硬化膜の鉛筆硬度:試験片(I)における硬化膜
(膜厚1μm)について、JIS K 5400に準じ
て測定した。 (6)硬化膜の屈折率:試験片(II)および試験片(I
V)における硬化膜(膜厚0.1μm)について、エリ
プソメーターを用いて波長589nmにおける屈折率を
求めた。
熱硬化性により、低い温度条件(例えば20〜150
℃)であっても、短い時間(例えば5〜30分間)で硬
化物を得ることができる。本発明の硬化性組成物によれ
ば、屈折率が高く(例えば1.65以上)、透明性に優
れ、適正な硬度(例えば、鉛筆硬度でH以上)を有し、
基材との密着性、耐溶剤性などの諸特性にも優れた硬化
物を効率的に得ることができる。本発明の硬化性組成物
によれば、クラックなどの不具合を生じさせることなく
膜厚の大きな硬化膜(1μm以上)を形成することがで
きる。本発明の硬化性組成物によれば、薄膜状乃至薄板
状の光学部品を効率よく製造することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 (A)ポリチタノキサンと、(B)カル
ボキシル基および/または酸無水物基を含む高分子とを
含有することを特徴とする硬化性組成物。
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