JP3674210B2 - 光学部品製造用硬化性組成物 - Google Patents

光学部品製造用硬化性組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム状レンズ、反射防止膜などの光学部品の製造に用いられる光学部品製造用硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
フィルム状レンズ、反射防止膜など、薄膜状乃至薄板状の光学部品を製造する方法として、熱硬化性組成物を基材上に塗布し、塗膜を加熱(焼成)して硬化させることが行われている。
かかる熱硬化性組成物(コーティング組成物)としては、▲1▼ ラダー構造のポリチタノキサンを有機溶剤に溶解してなる熱硬化性組成物(特開平1−129032号公報参照)、▲2▼ アルコキシシランの加水分解物とテトラアルコキシチタンの加水分解物とを含有してなる熱硬化性組成物(特開平6−242432号公報参照)、▲3▼ アルコキシシランの加水分解物とテトラアルコキシチタンとを含有してなる熱硬化性組成物(特開平6−33000号公報参照)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような熱硬化性組成物を用いて薄膜状の光学部品を製造する場合には、塗膜を硬化するために高温で加熱する必要があるため、使用できる基材が制限されており、また、塗膜の硬化に必要な加熱処理時間が長いため、光学部品を効率的に製造することができなかった。具体的には、上記▲1▼の組成物の塗膜を硬化させるためには500℃の高温で加熱することが必要とされ、また、上記▲2▼〜▲3▼の組成物の塗膜を硬化させるためには、200℃で30分間以上の加熱処理が必要とされる。さらに、上記のような熱硬化性組成物を用いて、膜厚の大きい光学部品(例えば1μm以上)を形成しようとすると、当該光学部品にクラックなどが生じることがある。
【0004】
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の第1の目的は、低い温度条件下で硬化(特に光硬化)させることができ、屈折率が高くて透明性に優れる硬化物を得ることができる光学部品製造用硬化性組成物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、短い時間で硬化(特に光硬化)させることができ、屈折率が高くて透明性に優れる硬化物を効率的に得ることができる光学部品製造用硬化性組成物を提供することにある。
本発明の第3の目的は、クラックなどの不具合を生じさせることなく膜厚の大きな硬化膜を形成することができる光学部品製造用硬化性組成物を提供することにある。
本発明の第4の目的は、薄膜状乃至薄板状の光学部品を製造することができる光学部品製造用硬化性組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の硬化性組成物は、(A)重合性有機化合物〔以下「(A)成分」ともいう〕、(B)重合開始剤〔以下「(B)成分」ともいう〕、および(C)重合性の不飽和基を有するポリチタノキサン〔以下「(C)成分」ともいう〕を含み、
(A)成分と(C)成分の割合は「(A)成分:(C)成分(重量)」が10〜60:90〜40であり、
(B)成分の使用量が(A)成分と(C)成分との合計100重量部に対して0.1〜20重量部であることを特徴とする。
【0006】
本発明の硬化性組成物においては、下記の態様が好ましい。
〔1〕(C)成分におけるチタン含量が20重量%以上であること。
〔2〕(C)成分を構成する不飽和基が不飽和カルボン酸残基であること。
〔3〕(C)成分を構成する不飽和基中にシロキシ基(≡SiO−)が含まれていること。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
<(A)成分>
本発明の硬化性組成物を構成する(A)成分としては、活性ラジカルにより重合反応や架橋反応を起こすラジカル重合性有機化合物、活性プロトン種により重合反応や架橋反応を起こすカチオン重合性有機化合物、反応性オリゴマーなどを使用することができる。
【0008】
(A)成分として使用されるラジカル重合性有機化合物としては、アクリル酸エステル化合物、芳香族ビニル化合物、ビニルエーテル化合物、アミド基含有ビニル化合物など、重合性不飽和結合(C=C)を分子中に有する化合物を挙げることができ、これらは単独で、または2種以上組み合わせて(A)成分を構成することができる。これらのうち、硬化速度の大きい組成物を得ることができる観点からアクリル酸エステル化合物が好ましい。
【0009】
アクリル酸エステル化合物の具体例としては、例えばフェノールエチレンオキシド変性アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキシド変性アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキシド変性ジアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキシド変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、臭素化エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレートなどの臭素化アクリレートが挙げられる。
芳香族ビニル化合物の具体例としては、スチレン、ビニルナフタレン、ビニルカルバゾールなどが挙げられる。
ビニルエーテル化合物の具体例としては、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテルなどが挙げられる。
アミド基含有ビニル化合物の具体例としては、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタムなどが挙げられる。
【0010】
ラジカル重合性有機化合物の市販品としては、アロニックスM−101、M−102、M−110、M−111、M−113、M−117、M−210、M−215、M−305、M−309、M−315、M−450、M−5400、M−5700、TO−901、TO−902、TO−1249、TO−1301、TO−1317、TO−1340、TO−756、TO−595、TO−904、TO−905〔以上、東亜合成化学(株)製〕、DPHA〔日本化薬(株)製〕、VR77、VR90〔以上、昭和高分子(株)製〕を挙げることができ、これらのうち、M−101、M−210、M−5400、M−5700、TO−1317、TO−1340、VR77,VR90が特に好ましい。
【0011】
(A)成分として使用されるカチオン重合性有機化合物としては、シクロヘキセンオキサイド基やグリシジル基などのエポキシ構造を分子中に有するエポキシ化合物を挙げることができる。
かかるエポキシ化合物の具体例としては、例えばビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類;脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル類;脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル類;フェノール、クレゾール、ブチルフェノールまたはこれらにアルキレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル類;高級脂肪酸のグリシジルエステル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ポリブタジエンなどが挙げられる。これらのエポキシ化合物は単独で、または2種以上組み合わせて(A)成分を構成することができる。
カチオン重合性有機化合物(エポキシ化合物)の市販品としては、セロキサイド2021、2080、エポリードGT−300、400、EHPE〔以上、ダイセル化学(株)製〕、エピコート828〔油化シェル(株)製〕を挙げることができる。
【0012】
(A)成分として使用される反応性オリゴマーとしては、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ビニルエーテル末端オリゴマーなどを挙げることができる。
ここに、ポリエステルアクリレートの市販品としては、M−6100、M−6200、M−6250、M−6400、M−6500、M−7100、M−8030、M−8060、M−8100、M−8530、M−8560、M−9050〔以上、東亜合成化学(株)製〕を例示することができる。また、ウレタンアクリレートの市販品としては、M−1100、M−1200、M−1210、M−1310、M−1600〔以上、東亜合成化学(株)製〕を例示することができる。また、ビニルエーテル末端オリゴマーの市販品としては、VECTOMER2010、2015、2020、4010〔以上、アライドシグナル製〕を例示することができる。これらの市販品のうち、M−6100、M−7100、M−1100、VECTOMER2010、2015、4010が特に好ましい。これらの反応性オリゴマーは、単独で、または2種以上組み合わせて(A)成分を構成することができる。
【0013】
最終的に得られる硬化物に高い屈折率を与える観点から、(A)成分である重合性有機化合物(ラジカル重合性有機化合物,カチオン重合性有機化合物,反応性オリゴマー)の屈折率は、1.5以上であることが好ましく、更に好ましくは1.55以上とされる。
【0014】
<(B)成分>
本発明の硬化性組成物を構成する(B)成分は、光などの放射線または熱により、(A)成分および(C)成分の重合反応・架橋反応を開始させる物質を放出することができる化合物であり、活性ラジカルを放出するラジカル性重合開始剤および活性プロトン種(活性酸)を放出するカチオン性重合開始剤の中から選ばれ、ラジカル性光開始剤が好ましい。
【0015】
(B)成分として使用されるラジカル性重合開始剤としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾ−ル、3−メチルアセトフェノン、4−クロロアセトフェノン、4,4’−ジメトキシアセトフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドなどを例示することができる。ラジカル性重合開始剤の市販品としては、イルガキュア(IRUGACURE)184,651,500,907,CGI1369,CG24−61〔以上、チバガイギー社製〕、LUCIRINE LR8728〔BASF社製〕、DAROCURE1116、1173〔以上、メルク社製〕、ユベクリルP36〔UCB社製〕、VICURE55〔アクゾ社製〕などが挙げられる。
(B)成分として使用されるカチオン性重合開始剤としては、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF6 - )、ヘキサフルオロアルセネート(AsF6 - )、ヘキサフルオロホスフェート(PF6 - )、テトラフルオロボレート(BF4 - )などをカウンターアニオンとして構成されるアリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩を例示することができる。
これらの重合開始剤は、単独で、または2種以上のものを組み合わせて(B)成分を構成することができる。
【0016】
<(C)成分>
本発明の硬化性組成物を構成する(C)成分は、Ti−O−Ti結合を有するポリチタノキサンであって、1または2以上の重合性の不飽和基を有し、光照射または加熱されて架橋するポリチタノキサンである。
【0017】
(C)成分として使用されるポリチタノキサンにおけるチタン含量は、得られる硬化物に高い屈折率を付与する観点から、20重量%以上であることが好ましく、更に好ましくは21〜48重量%、特に好ましくは24〜48重量%とされる。チタン含量が20重量%未満である場合には、最終的に得られる硬化物に高い屈折率を与えることができない。一方、チタン含量が過大であるポリチタノキサンを使用する場合には、最終的に得られる硬化物の透明性が低下することがある。ポリチタノキサンにおけるチタン含量とは、固体状のポリチタノキサン中における含有割合をいい、原子吸光法により定量することができる。
【0018】
(C)成分に含まれる重合性の不飽和基としては、不飽和カルボン酸残基、およびシロキシ基(≡SiO−)を含む不飽和基が好ましい。
【0019】
(C)成分を構成する不飽和カルボン酸残基としては、アクリル酸残基(アクリロイルオキシ基)、メタクリル酸残基(メタクリロイルオキシ基)、下記式(1)で表されるような、(メタ)アクリロイル基含有カルボン酸から誘導される基、下記式(2)で表されるような、不飽和基含有ジカルボン酸のハーフエステル(モノエステル)から誘導される基を挙げることができる。
【0020】
【化1】
Figure 0003674210
【0021】
〔式中、R1 は水素原子またはメチル基を示し、pは1〜5の整数である。R2 は、炭素数が1〜20である(p+1)価の有機基を示す。〕
【0022】
【化2】
Figure 0003674210
【0023】
〔式中、R3 は、炭素数が1〜10である1価の有機基を示す。〕
【0024】
(C)成分を構成するシロキシ基を含む不飽和基としては、下記式(3)で表されるような、不飽和アルコキシシランから誘導される基を挙げることができる。
【0025】
【化3】
Figure 0003674210
【0026】
〔式中、R4 は水素原子またはメチル基を示し、R5 は炭素数が1〜10である2価の有機基を示し、R6 は水素原子または炭素数が1〜8である1価の有機基を示し、R7 は炭素数が1〜6である1価の有機基を示す。mは1〜3の整数、nは0〜2の整数である。〕
【0027】
上記(1)で表される不飽和カルボン酸残基を誘導することのできるアクリロイル基含有カルボン酸としては、(メタ)アクリロイル基含有アルコールと環状酸無水物とのハーフエステル、(メタ)アクリロイル基含有アルコールとジカルボン酸とのハーフエステルなどを挙げることができ、具体的には、コハク酸アクリロキシエチル、コハク酸メタクリロキシエチル、フタル酸アクリロキシエチル、ペンタエリスリトールのコハク酸モノハーフエステルのトリアクリレート、マロン酸アクリロキシエチル、マロン酸メタクリロキシエチル、アジピン酸アクリロキシエチル、アジピン酸メタクリロキシエチルなどを例示することができる。
【0028】
上記(2)で表される不飽和カルボン酸残基を誘導することのできる不飽和基含有ジカルボン酸のハーフエステルとしては、マレイン酸メチル、マレイン酸エチル、マレイン酸イソプロピル、マレイン酸ブチル、マレイン酸ベンジル、マレイン酸フェニルエチル、マレイン酸フェノキシエチルなどを例示することができる。
【0029】
上記式(3)で表されるような基を誘導することのできる不飽和アルコキシシランとしては、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリブトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリブトキシシラン、アクリロキシプロピルフェニルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルフェニルジメトキシシランなどを例示することができる。
【0030】
重合性の不飽和基の含量としては、(C)成分中に含まれているチタン1モルに対して、0.05〜0.7モルであることが好ましく、更に好ましくは0.1〜0.5モルとされる。不飽和基の含量が過少である場合には、得られる組成物が十分な硬化性を有するものとならず、この含量が過大である場合には、最終的に得られる硬化物が十分に高い屈折率を有するものとならない。
【0031】
(C)成分には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基、ベンジロキシ基、フェニルエトキシ基、フェノキシエトキシ基、ナフチロキシ基など炭素数1〜10のアルコキシ基、水酸基など、上記重合性の不飽和基以外の基が含まれていてもよい。これらのうち、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ベンジロキシ基、フェノキシエトキシ基、フェニルエトキシ基が含まれていることが好ましい。
【0032】
(C)成分であるポリチタノキサンの合成方法(不飽和基の導入法)としては、例えば
(a)ポリチタノキサンと、不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物とを反応させる方法、
(b)テトラアルコキシチタンと、不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物とを反応させ、得られる反応生成物(モノマー)を加水分解および縮合させる方法、
(c)テトラアルコキシチタンと、不飽和基含有アルコキシシランとを縮合反応させる方法、
(d)ポリチタノキサンと、不飽和基含有アルコキシシランとを縮合反応させる方法などを挙げることができる。
さらに、上記のようにして得られるポリチタノキサンと、テトラアルコキシチタンとを共縮合させたり、上記のようにして得られる2種類のポリチタノキサン同士を共縮合させたりすることもできる。
【0033】
これら縮合反応に際して、アルコキシ基含有化合物(テトラアルコキシチタン・不飽和基含有アルコキシシラン)を加水分解するために添加される水の量は、アルコキシ基に対して、通常0.3〜1.2当量とされ、好ましくは0.5〜1.0当量とされる。
また、加水分解を促進する観点から、塩酸、酢酸、トルエンスルフォン酸などの酸、アンモニア、トリエチルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、水酸化ナトリウムなどの塩基を反応系に添加してもよい。
また、上記の共縮合を行う場合に、水を添加して加水分解、縮合する方法、水を添加せずに加熱して縮合する方法のいずれを採用してもよい。
【0034】
<必須成分の含有量>
本発明の光学部品製造用硬化性組成物における(A)成分(重合性有機化合物)と(C)成分(ポリチタノキサン)の使用割合としては、「(A)成分:(C)成分(重量)」が10〜60:90〜40、特に好ましくは20〜60:80〜40とされる。(A)成分の使用割合が過小〔(C)成分の使用割合が過大〕である場合には、硬化性が低下して硬化時間が長くなる傾向がある。他方、(A)成分の使用割合が過大〔(C)成分の使用割合が過小〕である場合には、高い屈折率を有する硬化物を得ることが困難となる。
【0035】
本発明の光学部品製造用硬化性組成物における(B)成分(重合開始剤)の使用量としては、(A)成分と(C)成分との合計100重量部に対して、0.1〜20重量部とされ、好ましくは1〜10重量部とされる。(B)成分の使用量が過少である場合には、硬化性が低下して硬化時間が長くなったり、十分な機械的強度を有する硬化物が得られなかったりする。他方、(B)成分の使用量が過大である場合には、得られる硬化性組成物により形成される薄膜(硬化膜)の耐久性が低下することがある。
【0036】
<任意成分>
本発明の硬化性組成物には、上記必須成分と共に各種の任意成分が添加含有されていてもよい。
かかる任意成分としては、光増感剤、酸化防止剤、光吸収剤、色素、顔料、無機充填剤、ポリマーなどの有機材料などを挙げることができる。
ここに、光増感剤としては、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、各種有機色素を例示することができる。光増感剤の市販品としては、ユベクリルP102、103、104、105〔以上、UCB社製〕などが挙げられる。光増感剤の添加量としては、(B)成分100重量部に対して通常1〜500重量部とされる。
また、無機充填剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア、酸化亜鉛、酸化アンチモンなどを例示することができる。
【0037】
<有機溶剤>
本発明の硬化性組成物は、通常、必須成分および任意成分を有機溶剤により溶解することにより調製される。
かかる有機溶剤としては、必須成分および任意成分を均一に溶解することができるとともに、加熱乾燥により容易に除去できるものであれば特に制限されるものではなく、沸点が50〜220℃のものを好適に用いることができる。
好ましい有機溶剤の具体例としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類;トルエン、キシレンなどの炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチロラクトンなどのエステル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジオキサン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのエーテル類を挙げることができる。これらのうち、ケトン類、エステル類、炭化水素類が特に好ましい。
【0038】
<使用方法>
本発明の硬化性組成物は、バーコーター、アプリケーター、スプレー、ロールコーター、ディッピング、スピンコータなどを用いて基材上に塗布することができる。本発明の硬化性組成物によれば、形成される塗膜の硬化処理を高温で行う必要がないため、基材の種類も制限されず、ガラス、セラミックス等の無機材料およびポリカーボネート、ポリメタクリレート、ポリエステルなどの透明樹脂材料を使用することができる。
【0039】
本発明の硬化性組成物の塗膜(未硬化塗膜)は、放射線、紫外線、可視光線などを照射することによって短い時間(例えば1秒間〜30分間)で硬化される。ここに、光源としては、例えばメタルハライドランプ、水銀灯、ハロゲンランプ、蛍光灯、太陽光、レーザー、電子線などを挙げることができる。
なお、光の照射時および/または照射前後において、基材の変形を発生させない範囲で塗膜の加熱処理を行ってもよい。加熱温度としては、樹脂材料よりなる基材を用いる場合には20〜150℃程度とされ、無機材料よりなる基材を用いる場合には20〜300℃程度とされ、好ましくは20〜150℃程度とされる。
【0040】
本発明の硬化性組成物の塗膜に対する光照射の方法としては、▲1▼ 塗膜全面に照射する方法、▲2▼ マスクを用いて塗膜の一部に照射する方法、▲3▼ レーザーなどにより、ビーム状の光を走査する方法などを挙げることができ、照射部分と未照射部分との溶解性の差を利用してパターンを有する硬化膜(高屈折率膜)を形成することもできる。パターンを有する硬化膜の形成法の一例としては、20〜100℃で加熱処理することにより耐溶剤性を向上させた後、部分的に光照射し、次いで、有機溶剤で現像する方法を挙げることができる。
【0041】
本発明の硬化性組成物の光硬化は、通常大気中で実施することができるが、(B)成分としてラジカル性重合開始剤を使用する場合には、酸素によるラジカル種の失活を低減する観点から、窒素、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気下で実施することが好ましい。
【0042】
本発明の硬化性組成物により形成される硬化物は、屈折率が高く、透明性に優れている。かかる硬化物の屈折率としては、ナトリウムD線またはこれに相当する589nmにおける屈折率として、1.65〜2.00とされ、好ましくは1.70〜2.00とされる。このような高屈折率の硬化膜を、例えば多層反射防止膜の高屈折層として利用することにより、十分な反射防止効果が得られる。
本発明の硬化性組成物により形成される硬化物は、例えば多層反射防止膜の高屈折率層や液晶ディスプレイのバックライト用プリズムシートなどに好適に使用することができる。
【0043】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下において、「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を意味するものとする。
【0044】
<合成例1>
テトラブトキシチタン34部(0.10モル)に対し、マレイン酸モノベンジルエステル2.06部(0.01モル)を添加し、この系を攪拌しながら85℃で15分間加熱した。
次いで、この系に、イオン交換水6.37部と、ベンジルアルコール200部との混合溶液を1時間かけて滴下し、滴下終了後、この系を攪拌しながら、さらに1時間加熱した。
このようにして得られた反応生成液を、減圧下(0.1mmHg)で150℃に加熱して揮発成分を溜去することにより白色固体状の物質18.28部を得た。この物質中のチタン含量は26.1%であった。また、この物質を 1H−NMRにより分析したところ、ベンジロキシ基を主アルコキシとする構造を示し、さらに、この物質を赤外スペクトル分析したところ、チタンに配位したベンジルマレエートとしてのカルボニルの特性吸収を示した。従って、この生成物質は、ベンジルマレエート基が結合されたポリチタノキサン(不飽和カルボン酸残基を有する感光性ポリチタノキサン)であることが認められた。以下、この感光性ポリチタノキサンを「PT−1」という。
【0045】
<合成例2>
テトラブトキシチタン100部をベンジルアルコール232部に溶解して溶液を調製し、この溶液を180℃に加熱し、副生するブタノールを蒸留により除去した後、減圧下(0.1mmHg)で150℃に加熱して揮発成分を溜去することによりテトラベンジロキシチタン135部を得た。
得られたテトラベンジロキシチタン100部(0.21モル)に対し、イオン交換水7.2部と、ベンジルアルコール150部との混合溶液を85℃で1時間かけて滴下し、滴下終了後、この系を攪拌しながら、さらに2時間加熱した。
このようにして得られた反応生成液を、減圧下(0.1mmHg)で150℃に加熱して揮発成分を溜去することにより、淡黄色固体状のベンジロキシ置換ポリチタノキサンを得た。このベンジロキシ置換ポリチタノキサン中のチタン含量は26.4%であった。
このベンジロキシ置換ポリチタノキサン50部と、無水マレイン酸8.1部と、トルエン50部とからなる溶液を調製し、この溶液を攪拌しながら60℃で3時間加熱した。
このようにして得られた反応生成液を、減圧下(0.1mmHg)で150℃に加熱して揮発成分を溜去することにより淡黄色固体状の物質58部を得た。この物質中のチタン含量は24.0%であった。また、この物質を赤外スペクトル分析したところ、感光性ポリチタノキサン(PT−1)と同様の赤外スペクトルが測定され、この物質は、ベンジルマレエート基が結合されたポリチタノキサン(不飽和カルボン酸残基を有する感光性ポリチタノキサン)であることが認められた。以下、この感光性ポリチタノキサンを「PT−2」という。
【0046】
<合成例3>
テトライソプロポキシチタン142部に対し、イオン交換水9.0部と、イソプロピルアルコール135部との混合溶液を85℃で1時間かけて滴下し、滴下終了後、この系を攪拌しながら、さらに3時間加熱した。
このようにして得られた反応生成液を、減圧下(0.1mmHg)で150℃に加熱して揮発成分を溜去することにより、白色固体状のイソプロポキシ置換ポリチタノキサンを得た。
このイソプロポキシ置換ポリチタノキサン13.2部をトルエン20部に溶解し、得られた溶液に対してアクリル酸1部を添加した後、この溶液を攪拌しながら60℃で1時間加熱した。
このようにして得られた反応生成液を、減圧下(0.1mmHg)で60℃に加熱して揮発成分を溜去することにより白色固体状の物質14部を得た。この物質中のチタン含量は31.2%であった。また、この物質を赤外スペクトル分析したところ、チタンに配位したアクリル酸残基の特性吸収を示した。
従って、この生成物質は、アクリル酸残基が結合されたポリチタノキサン(不飽和カルボン酸残基を有する感光性ポリチタノキサン)であることが認められた。以下、この感光性ポリチタノキサンを「PT−3」という。
【0047】
<合成例4>
テトラブトキシチタン49部と、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン4部と、n−ブタノール150部と、イオン交換水4.3部とからなる溶液を60℃で3時間反応させた。
このようにして得られた反応生成液を150℃で1時間加熱した。これにより、反応生成液の固形分濃度は11.4%となった。以下、この反応生成液(固形分濃度11.4%)を「PT−4」という。
この反応生成液の一部をNaCl板に塗布し、塗膜を乾燥した(乾燥条件:120℃×30分間)。このようにしてNaCl板上に形成された薄膜を赤外スペクトル分析したところ、メタクリル酸残基の特性吸収を示した。従って、この薄膜を構成する物質は、テトラブトキシチタンとメタクリロキシプロピルトリメトキシシランとが共縮合されてなるポリチタノキサン、すなわち、上記式(3)で表されるような基(シロキシ基を含む不飽和基)を有する感光性ポリチタノキサンであることが認められた。また、薄膜を構成する物質中のチタン含量は28.2%であった。
【0049】
<比較合成例1>
テトラブトキシチタン100部をベンジルアルコール232部に溶解して溶液を調製し、この溶液を180℃に加熱し、副生するブタノールを蒸留により除去した後、減圧下(0.1mmHg)150℃に加熱して揮発成分を溜去することによりテトラベンジロキシチタン135部を得た。
得られたテトラベンジロキシチタン100部(0.21モル)に対し、イオン交換水7.2部と、ベンジルアルコール150部との混合溶液を85℃で1時間かけて滴下し、滴下終了後、この系を攪拌しながら、さらに2時間加熱した。
このようにして得られた反応生成液を、減圧下(0.1mmHg)で150℃に加熱して揮発成分を溜去することにより、淡黄色固体状のベンジロキシ置換ポリチタノキサンを得た。このベンジロキシ置換ポリチタノキサン中のチタン含量は26.4%であった。以下、この比較用ポリチタノキサン(重合性の不飽和基を有しないポリチタノキサン)を「T−1」という。
【0050】
<実施例1〜8>
表1に示す処方に従って、(A)成分(重合性有機化合物)と、(B)成分〔光開始剤「イルガキュア184」(チバガイギー社製)〕と、(C)成分(感光性ポリチタノキサン)と、メチルイソブチルケトン(有機溶剤)とを室温で混合することにより、本発明の光学部品製造用硬化性組成物を調製した。
【0051】
<実施例9〜10>
表1に示す処方に従って、(A)成分(重合性有機化合物)と、(B)成分〔光開始剤「イルガキュア184」(チバガイギー社製)〕と、(C)成分(PT−4)とを室温で混合することにより、本発明の光学部品製造用硬化性組成物を調製した。
【0052】
<比較例1>
表1に示す処方に従って、(C)成分である感光性ポリチタノキサン(PT−1)に代えて、比較用ポリチタノキサン(T−1)を使用したこと以外は実施例1と同様にして比較用の硬化性組成物を調製した。
【0053】
<比較例2>
表1に示す処方に従って、(A)成分を使用せず、(C)成分である感光性ポリチタノキサン(PT−1)の使用量を100部としたこと以外は実施例1と同様にして比較用の硬化性組成物を調製した。
【0054】
<硬化性組成物の評価>
以上のようにして調製された本発明の組成物および比較用組成物の各々について、組成物の光硬化性(タック消失光量)を評価し、組成物による硬化膜についての耐溶剤性、透明性、基材に対する密着性、厚膜許容性(クラック発生の有無)について評価し、さらに、組成物による硬化膜について鉛筆硬度および屈折率を測定した。以上の結果を表1に併せて示す。ここに、評価用試験片の作製方法、並びに評価方法および測定方法は下記のとおりである。
【0055】
〔試験片の作製方法〕
実施例1〜10および比較例1〜2により調製された硬化性組成物の各々をバーコーターでガラス基板上に塗布し、形成された塗膜に対して、高圧水銀灯を用いて300mJ/cm2 の光量で紫外線を照射(23℃の雰囲気下・照射時間5秒間)し、次いで、150℃で10分間加熱処理することにより評価用の試験片〔これを「試験片(I)」とする〕を作製した。
また、実施例1〜10および比較例1〜2により調製された硬化性組成物の各々をスピンコート法でシリコンウエハー上に塗布し、形成された塗膜に対して、高圧水銀灯を用いて300mJ/cm2 の光量で紫外線を照射(23℃の雰囲気下・照射時間5秒間)し、次いで、150℃で10分間加熱処理することにより評価用の試験片〔これを「試験片(II)」とする〕を作製した。
【0056】
〔評価方法・測定方法〕
(1)光硬化性(タック消失光量):
硬化性組成物による塗膜表面のタック(粘着性)が消失するために必要な紫外線の光量を測定した。
(2)硬化膜の耐溶剤性:
メチルエチルケトンが含浸されている布により、試験片(I)における硬化膜を擦過した後、その表面状態を観察し、変化が認められない場合を「○」、擦過傷などが認められる場合を「×」とした。
(3)硬化膜の透明性:
試験片(I)における硬化膜(膜厚1μm)を目視により観察し、膜の全面が均一な透明性を有している場合を「○」、透明性が損なわれている部分がある場合を「×」とした。
(4)基材に対する硬化膜の密着性:
JIS K 5400に準じ、試験片(I)における硬化膜について、1mm間隔のクロスカットで100個のマス目をつくり、粘着テープによる剥離試験で、基材に残存する膜片の数を測定した。評価としては、残存膜片が100個である場合を「○」、99個以下である場合を「×」とした。
(5)厚膜許容性(クラック発生の有無):
試験片(II)における硬化膜(膜厚0.5μmおよび膜厚2.0μm)について、クラックの有無を目視により確認した。
(6)硬化膜の鉛筆硬度:
試験片(I)における硬化膜について、JIS K 5400に準じて測定した。
(7)硬化膜の屈折率:
試験片(II)における硬化膜について、エリプソメーターを用いて波長589nmにおける屈折率を求めた。
【0057】
【表1】
Figure 0003674210
【0058】
*1)アクリレート「アロニックスTO−1317」〔東亜合成化学(株)製〕
*2)反応性オリゴマー「ACA 200」〔ダイセル化学工業(株)製〕
*3)ビニルエーテル「VECTOMER 4010」〔アライドシグナル(株)製〕
【0059】
【発明の効果】
本発明の光学部品製造用硬化性組成物によれば、優れた硬化性(特に光硬化性)により、低い温度条件下(例えば20〜150℃)であっても、短い時間(例えば1秒〜30分間)で光学部品とされる硬化物を得ることができる。
本発明の光学部品製造用硬化性組成物によれば、屈折率が高く(例えば1.65以上、特に1.70以上)、透明性に優れ、適正な硬度(鉛筆硬度でH以上)を有し、基材との密着性、耐溶剤性などの諸特性にも優れた光学部品とされる硬化物を効率的に得ることができる。
本発明の光学部品製造用硬化性組成物によれば、クラックなどの不具合を生じさせることなく膜厚の大きな光学部品とされる硬化膜(1μm以上)を形成することができる。
本発明の光学部品製造用硬化性組成物によれば、薄膜状乃至薄板状の光学部品を効率よく製造することができる。

Claims (3)

  1. (A)重合性有機化合物、
    (B)重合開始剤、および
    (C)重合性の不飽和基を有するポリチタノキサン
    を含み、
    (A)成分と(C)成分の割合は「(A)成分:(C)成分(重量)」が10〜60:90〜40であり、
    (B)成分の使用量が(A)成分と(C)成分との合計100重量部に対して0.1〜20重量部であることを特徴とする光学部品製造用硬化性組成物。
  2. (C)成分におけるチタン含量が20重量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の光学部品製造用硬化性組成物。
  3. (C)成分を構成する不飽和基中にシロキシ基が含まれていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学部品製造用硬化性組成物。
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