WO2024075615A1 - 車両用駆動装置 - Google Patents

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Abstract

駆動源からの駆動力を軸部材を介して車輪に伝達する伝達機構と、伝達機構、及び、軸部材の少なくとも一部を収容するケースとを備え、ケースは、伝達機構のギヤの回転によって掻き上げ可能な油が内部に溜まるギヤケース部と、軸部材まわりの空間の少なくとも下側を境界付ける壁部であって、軸部材の延在方向に沿って延在する壁部とを含み、軸部材まわりの空間は、軸部材の延在方向の一方側が、ギヤケース部の内部に連通し、他方側が、油による潤滑対象物が配置される対象物配置空間を内包し又は対象物配置空間に連通し、伝達機構のギヤの回転によって掻き上げられた油が、軸部材まわりの空間内の潤滑対象物へ又は軸部材まわりの空間を介して潤滑対象物へ、供給される、車両用駆動装置が開示される。

Description

車両用駆動装置
 本開示は、車両用駆動装置に関する。
 回転電機を収容する第1収容室と、伝達機構を収容する第2収容室とを形成するケースを備え、第2収容室の下部に溜まる油を伝達機構のギヤの回転によって掻き上げて伝達機構の各種ベアリングに供給する技術が知られている。
特開2021-112052号公報
 しかしながら、上記のような従来技術では、伝達機構のギヤの回転によって掻き上げられた油は、軸部材の端部(例えば差動歯車機構に接続されるインターミディエイトシャフトにおける差動歯車機構から遠い側の端部)の潤滑等に利用されない。
 そこで、1つの側面では、本開示は、伝達機構のギヤの回転によって掻き上げられた油を、軸部材の端部に供給することを目的とする。
 1つの側面では、駆動源からの駆動力を軸部材を介して車輪に伝達する伝達機構と、
 前記伝達機構、及び、前記軸部材の少なくとも一部を収容するケースとを備え、
 前記ケースは、
 前記伝達機構のギヤの回転によって掻き上げ可能な油が内部に溜まるギヤケース部と、
 前記軸部材まわりの空間の少なくとも下側を境界付ける壁部であって、前記軸部材の延在方向に沿って延在する壁部とを含み、
 前記軸部材まわりの空間は、前記軸部材の延在方向の一方側が、前記ギヤケース部の内部に連通し、他方側が、油による潤滑対象物が配置される対象物配置空間を内包し又は前記対象物配置空間に連通し、
 前記伝達機構のギヤの回転によって掻き上げられた油が、前記軸部材まわりの空間内の前記潤滑対象物へ又は前記軸部材まわりの空間を介して前記潤滑対象物へ、供給される、車両用駆動装置が提供される。
 1つの側面では、本開示によれば、伝達機構のギヤの回転によって掻き上げられた油を、軸部材の端部に供給することが可能となる。
車両における車両用駆動装置の搭載状態を示した上面視の概略図である。 車両用駆動装置の断面図である。 車両用駆動装置を示すスケルトン図である。 本実施例による車両用駆動装置をA1側から視て概略的に示す側面図である。 流路形成部材の斜視図である。 図2のQ6部の拡大図である。 本実施例による車両用駆動装置をA2側から視て概略的に示す側面図である。 本実施例による車両用駆動装置をA2側から視て概略的に示す斜視図である。
 以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率はあくまでも一例であり、これに限定されるものではなく、また、図面内の形状等は、説明の都合上、部分的に誇張している場合がある。
 以下の説明では、Y方向(図3等参照)は、車両用駆動装置100の使用状態での上下方向、すなわち、車両用駆動装置100をその使用状態での向きに配置した場合の上下方向に対応する。そして、Y1側及びY2側は、Y方向に沿った上側及び下側に対応する。なお、上下方向は、必ずしも鉛直方向と平行である必要はなく、鉛直方向成分を支配的に有すればよい。また、以下の説明における各部材についての方向は、それらが車両用駆動装置100に組み付けられた状態での方向を表す。また、各部材についての寸法、配置方向、配置位置等に関する用語は、誤差(製造上許容され得る程度の誤差)による差異を有する状態を含む概念である。A方向(図2等参照)は、軸方向に対応し、図2等には、A方向に沿ったA1側とA2側が定義されている。また、X方向(図3等参照)は、A方向及びY方向の双方に直交する方向であり、図3等には、X方向に沿ったX1側とX2側が定義されている。
 本明細書では、「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力(トルクと同義)を伝達可能に連結された状態を指し、当該2つの回転要素が一体的に回転するように連結された状態、或いは当該2つの回転要素が1つ又は2つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む。このような伝動部材としては、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材(例えば、軸、歯車機構、ベルト、チェーン等)が含まれる。なお、伝動部材として、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置(例えば、摩擦係合装置、噛み合い式係合装置等)が含まれていてもよい。
 また、本明細書では、「連通」とは、2つの空間的要素が互いに流体的に連通している状態を指す。すなわち、2つの空間的要素間で流体が行き来できる状態を指す。この際、2つの空間的要素は、直接的に連通してもよいし、間接的に(すなわち他の空間的要素を介して)連通してもよい。
 本明細書では、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。また、本明細書では、2つの部材の配置に関して、「特定方向視で重なる」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線に直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの部材の双方に交わる領域が少なくとも一部に存在することを意味する。また、本明細書では、2つの部材の配置に関して、「特定方向の配置領域が重なる」とは、一方の部材の特定方向の配置領域内に、他方の部材の特定方向の配置領域の少なくとも一部が含まれることを意味する。
 図1は、車両VCにおける車両用駆動装置100の搭載状態を示した上面視の概略図である。図2は、車両用駆動装置100の断面図である。図2Aは、車両用駆動装置100を示すスケルトン図である。
 車両用駆動装置100は、図2Aに模式的に示すように、回転電機1と、一対の車輪W(図1参照)にそれぞれ駆動連結される一対の出力部材6と、回転電機1と一対の出力部材6との間で駆動力を伝達する伝達機構3と、を備えている。車両用駆動装置100は、更に、回転電機1を収容するケース2を備えている。ケース2は、一対の出力部材6及び伝達機構3も収容している。なお、変形例では、ケース2は、一対の出力部材6のうちの一方(例えば第1出力部材61)だけを収容してもよい。また、車両用駆動装置100の用途は、電気自動車やハイブリッド車のような、回転電機1を有する任意の車両に適用可能であり、駆動方式も前輪駆動や後輪駆動など任意の車両に適用可能である。また、駆動源は、エンジン(内燃機関)のみであってもよい。
 一対の出力部材6の一方である第1出力部材61は、一対の車輪Wの一方である第1車輪W1に駆動連結され、一対の出力部材6の他方である第2出力部材62は、一対の車輪Wの他方である第2車輪W2に駆動連結される。図1に示すように、車両用駆動装置100が搭載される車両VCは、第1車輪W1と一体的に回転する第1ドライブシャフト63と、第2車輪W2と一体的に回転する第2ドライブシャフト64と、を備えている。第1ドライブシャフト63は、例えば等速ジョイントを介して第1車輪W1に連結され、第2ドライブシャフト64は、例えば等速ジョイントを介して第2車輪W2に連結される。そして、第1出力部材61は、第1ドライブシャフト63と一体的に回転するように第1ドライブシャフト63に連結され、第2出力部材62は、第2ドライブシャフト64と一体的に回転するように第2ドライブシャフト64に連結される。なお、第1出力部材61は、インターミディエイトシャフトの形態であってよい。第1出力部材61は、軸方向A2側では、ベアリングBR1を介してケース2に対して回転可能に支持され、軸方向A1側では、ベアリングBR2を介してケース2に対して回転可能に支持される。なお、本実施例では、一例として、ベアリングBR1、BR2は、ボールベアリングの形態であるが、他の形態であってもよい。
 車両用駆動装置100は、回転電機1の出力トルクを、一対の出力部材6を介して一対の車輪Wに伝達させて、車両用駆動装置100が搭載された車両VCを走行させる。すなわち、回転電機1は、一対の車輪Wの駆動力源である。一対の車輪Wは、車両VCにおける左右一対の車輪(例えば、左右一対の前輪、又は左右一対の後輪)である。回転電機1は、例えば、3相交流で駆動される交流回転電機であってよい。
 図2に示すように、回転電機1と一対の出力部材6とは、互いに平行な2つの軸(具体的には、第1軸C1及び第2軸C2)に分かれて配置されている。具体的には、回転電機1が、第1軸C1上に配置され、一対の出力部材6が、第1軸C1とは異なる第2軸C2上に配置されている。第1軸C1及び第2軸C2は、互いに平行に配置される軸(仮想軸)である。伝達機構3は、一対の出力部材6の少なくとも一方に駆動連結される出力ギヤ(リングギヤ)30を、一対の出力部材6と同軸に(すなわち、第2軸C2上に)備えている。
 回転電機1は、例えばインナーロータタイプである。回転電機1は、ステータ11(図2参照)の径方向内側に、第1軸C1を中心として回転可能なロータ14が配置される。
 伝達機構3は、回転電機1と出力ギヤ30との間の動力伝達経路に、減速機構34を備えている。減速機構34は、任意であり、カウンタギヤを用いる減速機構や、遊星歯車を用いる減速機構等を含んでよい。本実施例では、一例として、減速機構34は、遊星歯車機構を含み、減速機構34は、回転電機1と同軸に配置される。減速機構34の出力ギヤ(キャリア)342は、差動歯車機構5の出力ギヤ30と径方向に噛み合う。このような車両用駆動装置100は、2軸(第1軸C1及び第2軸C2)からなるコンパクトな構成を有することができる。なお、変形例では、車両用駆動装置100は、3軸以上を有してもよい。
 本実施例では、減速機構34は、回転電機1に駆動連結される態様で、回転電機1と同軸に(すなわち、第1軸C1上に)配置されている。本実施例では、一例として、回転電機1のロータ14は、減速機構34のサンギヤ341とともに入力部材16と一体的に回転する。
 また、伝達機構3は、差動歯車機構5を更に備えている。差動歯車機構5は、回転電機1の側から伝達される駆動力を、一対の出力部材6に分配する。図2に示す例では、差動歯車機構5は、出力ギヤ30の回転を、第1サイドギヤ51と第2サイドギヤ52とに分配する。差動歯車機構5は、一対の出力部材6と同軸に(すなわち、第2軸C2上に)配置されてよい。なお、差動歯車機構5は、傘歯車式の差動歯車機構であってよく、出力ギヤ30は、差動歯車機構5が備える差動ケース部50と一体的に回転するように当該差動ケース部50に連結されてよい。
 次に、図3以降を参照して、本実施例に係る回転電機1の水冷構造とそれに関連する構成要素(流路形成部材90等)について説明する。
 図3は、本実施例による車両用駆動装置100を概略的に示す側面図である。図3では、モータ収容室S1内の状態がわかるように、モータカバー部材201の図示が省略されている。また、図3では、インバータケース部24の内部のインバータ装置70が点線で概略的に示されている。図4は、流路形成部材90の斜視図である。
 本実施例に係る回転電機1の水冷構造は、回転電機1を冷却水で冷却するための構造である。なお、冷却水は、例えばLLC:Long Life Coolantを含む水であってよく、ウォーターポンプ(図示せず)により循環されてよい。なお、冷却水の循環路には、ラジエータ(図示せず)等の放熱部が設けられてよい。また、冷却水は、回転電機1の冷却だけでなく、他の構成要素、例えば、回転電機1に電気的に接続されるインバータ(図示せず)等の冷却にも利用されてよい。
 本実施例に係る回転電機1の水冷構造は、冷媒供給部40と、冷媒排出部42と、流路形成部材90と、を含む。
 冷媒供給部40は、例えばウォーターポンプ(図示せず)の吐出側に連通し、流路形成部材90により形成される冷媒流路300に冷却水を供給する。
 冷媒排出部42は、例えばウォーターポンプ(図示せず)の吸引側に連通し、流路形成部材90により形成される冷媒流路300からの冷却水をウォーターポンプ(図示せず)へと供給(排出)する。
 なお、冷媒供給部40及び冷媒排出部42は、第1出力部材61を挟んで上下側にそれぞれ設けられてもよい。この場合、第1出力部材61まわりのスペースを有効利用して、冷媒供給部40及び冷媒排出部42を成立させることができる。
 流路形成部材90は、図4に示すように、回転電機1の外周面に径方向に対向する内周面を有する円筒状の形態である。流路形成部材90は、回転電機1まわりに冷媒流路300を形成する。なお、図4に示す例では、冷媒流路300は、周方向に複数の流路部SC1からSC4を有するが、冷媒流路300の構成は任意である。
 流路形成部材90は、例えばアルミのような熱伝導性の良好な材料により形成されてよい。本実施例では、一例として、流路形成部材90は、例えば焼き嵌めによりステータ11のステータコア12に嵌合される。なお、他の実施例では、流路形成部材90は、鋳包み等によりステータコア12と一体的に形成されてもよい。
 本実施例では、流路形成部材90は、一例として、図3に示すように、ケース2に締結されるインナーケースの形態である。この場合、流路形成部材90は、軸方向一端側において、図3に示すように、複数の締結部500を有してよい。複数の締結部500は、ボルト(図示せず)(ボルト穴BT4参照)によりケース2に締結される、なお、変形例では、流路形成部材90は、ケース2の一部として形成されてもよい。
 流路形成部材90は、ケース2の円柱状の空間部に挿入される。この際、流路形成部材90の外周面は、ケース2の内周面(複数の締結部500を境界付ける内周面)に対して径方向に対向する。なお、以下では、このようにして流路形成部材90を囲繞するケース2の内周面を、「ケース2の流路形成面209」(図5参照)とも称する。なお、ケース2の流路形成面209の内径は、ステータコア12の基本外径に対して、流路形成部材90の基本厚み分だけ大きい一定値であってよい。
 流路形成部材90は、ケース2の流路形成面209と協動して、冷媒流路300を形成する。具体的には、冷媒流路300は、径方向で流路形成部材90の外周面とケース2の流路形成面209との間に形成される。
 冷媒流路300は、周方向全体にわたって冷却水が周方向に流れるように周方向に延在してよい。また、冷媒流路300は、回転電機1のステータコア12の軸方向全体にわたって、ステータコア12の外周面に径方向に対向するように形成されてよい。なお、冷媒流路300は、軸方向両端において閉塞される。例えば、流路形成部材90とケース2の流路形成面209との間には、流路形成部材90の軸方向両端部において、周方向全体にわたってシール部材97(図5参照)が設けられてよい。
 次に、図5以降を参照して、本実施例に係る車両用駆動装置100の油路構造とそれに関連する構成要素について説明する。以下で説明する油路構造に係る各種油路は、特に言及しない限り、ケース2により形成される。本明細書において、ケース2により形成される各種油路とは、ケース2単独で形成される油路のみならず、ケース2と他の構成要素(ケース2以外の構成要素)との組み合わせにより形成される油路をも含む概念である。また、出力軸収容室S3のような収容室も油路を構成する。
 ここでは、まず、図2等を参照してケース2の構成を説明してから、図5以降を参照して油路構造について説明する。
 本実施例では、ケース2は、モータケース部21と、伝達機構ケース部22と、出力軸ケース部23と、インバータケース部24と、を一体化した形態で含む。ここで、「一体化した形態」とは、ボルト等の締結部材で一体化した形態や、一体成形(例えば鋳造やアルミナイジング等を利用した鋳込み)により一体化した形態を含む。
 モータケース部21は、回転電機1を収容するモータ収容室S1を形成し、伝達機構ケース部22は、伝達機構3を収容する伝達機構収容室S2を形成し、出力軸ケース部23は、第1出力部材61を収容する出力軸収容室S3を形成し、インバータケース部24は、インバータ装置70を収容するインバータ収容室S4を形成する。なお、モータケース部21がモータ収容室S1を形成するとは、モータ収容室S1を境界付ける壁部がモータケース部21を形成することを意味する。これは、伝達機構ケース部22、出力軸ケース部23、及びインバータケース部24についても同様である。
 モータケース部21は、回転電機1の外形に対応した円筒状の形態である。ただし、モータケース部21は、円筒状の外周部がすべて閉じている必要はない。例えば、モータ収容室S1と出力軸収容室S3とは、連通してもよく、この場合、モータケース部21における出力軸収容室S3に対向する側は、壁部(隔壁部)が形成されなくてもよい。
 伝達機構ケース部22は、モータケース部21及び出力軸ケース部23に対して軸方向A2側に設けられる。出力軸ケース部23は、モータケース部21に対してX方向X2側に設けられる。インバータケース部24は、伝達機構ケース部22及び出力軸ケース部23の上側に設けられる。インバータケース部24の詳細は後述する。
 本実施例では、出力軸ケース部23を有するので、第1出力部材61をケース2の外部に設ける場合に比べて、第1出力部材61を外部環境(例えば飛び石等)から有効に保護できる。また、第1出力部材61と周辺部品との間で確保すべきクリアランスを低減できる。ただし、変形例では、第1出力部材61は、ケース2の外部に設けられてもよい。
 なお、ケース2は、複数の部材(ケース部材やカバー部材)を接合して形成されてよい。従って、ケース2を形成する一のケース部材は、モータケース部21、伝達機構ケース部22、出力軸ケース部23、及びインバータケース部24のうちの、2つ以上のケース部を形成する場合がある。
 また、ケース2により形成されるモータ収容室S1、伝達機構収容室S2、出力軸収容室S3、及びインバータ収容室S4は、互いに完全に隔離されてもよいし、部分的に連通してもよいし、境界を有さない態様で共通化されてもよい。例えば、モータ収容室S1及び出力軸収容室S3は、互いを仕切る隔壁を有さない態様で、共通化されてもよい。この場合、回転電機1と第1出力部材61とが、ケース2が形成する共通の収容室(具体的には、モータ収容室S1及び出力軸収容室S3)に収容されることになる。また、回転電機1が油冷である場合は、モータ収容室S1とインバータ収容室S4は、仕切られてよいが、回転電機1が完全に水冷である場合は、モータ収容室S1とインバータ収容室S4は、仕切られていなくてもよい。
 以下の説明では、ケース2は、一例として、ケース部材200と、モータカバー部材201と、デフカバー部材202と、インバータカバー部材203とを、接合して形成されるものとする。なお、接合方法は、ボルト等による締結であってよい。
 ケース部材200は、一ピースの部材(例えば、ダイカスト法によって形成された、材質を共通とする1つの部材)に形成されてよい。この場合、モータ収容室S1と伝達機構収容室S2は、1枚の隔壁26によって区画されてよい。
 ケース部材200は、軸方向A1側において軸方向に開口するとともに、軸方向A2側において軸方向に開口する。
 モータカバー部材201は、ケース部材200における軸方向A1側の開口(すなわちモータ収容室S1の軸方向A1側の開口)を覆うように設けられる。モータカバー部材201は、一ピースの部材に形成されてよい。モータカバー部材201は、ケース部材200の軸方向A1側の端面(接合面)に接合されてよい。この場合、モータカバー部材201とケース部材200との間の接合面(合わせ面)221は、軸方向に垂直な平面内に延在してよい。
 デフカバー部材202は、ケース部材200における軸方向A2側の開口(すなわち伝達機構収容室S2の軸方向A2側の開口)を覆うように設けられる。デフカバー部材202は、一ピースの部材に形成されてよい。デフカバー部材202は、ケース部材200の軸方向A2側の端面(接合面)に接合されてよい。この場合、デフカバー部材202とケース部材200との間の接合面(合わせ面)222は、軸方向に垂直な平面内に延在してよい。
 インバータカバー部材203は、ケース部材200におけるインバータ収容室S4の開口を覆うように設けられる。インバータカバー部材203は、一ピースの部材に形成されてよい。
 インバータ装置70は、モジュールの形態であってよく、ボルト等によってインバータケース部24を形成する壁部に固定されてよい。インバータ装置70は、インバータ回路を構成する複数のスイッチング素子(パワー半導体素子、図示せず)や、インバータ回路を制御する制御装置が実装された制御基板(図示せず)と、平滑コンデンサ等を備える。
 図5は、第2軸C2及びY方向を通る平面による断面図であり、図2のQ6部の拡大図(出力軸収容室S3を通る断面図)である。図6は、本実施例による車両用駆動装置100をA2側から視て概略的に示す側面図である。図7は、本実施例による車両用駆動装置100をA2側から視て概略的に示す斜視図である。図6及び図7では、伝達機構収容室S2内の状態がわかるように、デフカバー部材202の図示が省略されている。
 なお、伝達機構収容室S2及び出力軸収容室S3は、上述したように、上面視で第2軸C2に重なり、軸方向に隣接する関係である。また、伝達機構収容室S2は、減速機構34及び差動歯車機構5を収容する態様で、X方向に延在するため、伝達機構収容室S2及び出力軸収容室S3は、上面視で、L字状に延在する。以下では、伝達機構収容室S2のうちの、減速機構34を収容する部分を、「減速機構収容室S21」とも称し、差動歯車機構5を収容する部分を、「差動歯車収容室S22」とも称する。
 出力軸ケース部23は、第1出力部材61の延在方向(すなわち軸方向)に沿って、第2軸C2まわりに延在する。出力軸ケース部23は、第1出力部材61まわりの空間S33(出力軸収容室S3を含む空間)を形成する周壁部の形態であってよい。この場合、第1出力部材61まわりの空間S33(出力軸収容室S3を含む空間)は、軸方向Aに視て、第1出力部材61まわりの円環状の空間部を含む。なお、この場合、出力軸ケース部23は、回転電機1の径方向外側(X方向X2側)に延在し、モータケース部21の一部も形成してよい。
 本実施例では、出力軸収容室S3は、軸方向A2側が、伝達機構収容室S2(特には差動歯車収容室S22)に連通する。また、出力軸収容室S3の軸方向A1側には、油による潤滑対象物が配置される。すなわち、出力軸収容室S3の軸方向A1側の端部は、油による潤滑対象物が配置される空間S31に連通する。空間S31は、モータカバー部材201により形成されてよい。この場合、第1出力部材61まわりの空間S33は、出力軸収容室S3と空間S31とが軸方向に連続して形成される。本実施例では、油による潤滑対象物は、ベアリングBR2とオイルシール700とを含む。オイルシール700は、第1出力部材61のA1側端部に設けられ、第1出力部材61とケース2との間を油密にシールする。なお、変形例では、出力軸収容室S3は、ベアリングBR2やオイルシール700が配置される空間S31に連通する代わりに、軸方向A1側の端部が、当該空間S31(ベアリングBR2やオイルシール700が配置される空間)を内包してもよい。この場合、第1出力部材61まわりの空間S33は、出力軸収容室S3からなる。
 本実施例では、油は、オイルポンプ(機械式又は電動式オイルポンプ)を利用したいわゆる強制潤滑方式ではなく、ギヤの回転によって掻き上げて潤滑させる潤滑方式(自然潤滑方式)により、車両用駆動装置100内を循環される。ただし、変形例では、オイルポンプが一部の潤滑で併用されてもよい。
 具体的には、本実施例では、差動歯車機構5の出力ギヤ30(いわゆるデフリング)の回転によって掻き上げて各種潤滑対象物を潤滑させる潤滑方式が採用される。
 このようにして、本実施例によれば、車両用駆動装置100において、このような自然潤滑方式を採用することで、オイルポンプを無くすことによるコスト低減や体格低減を図ることができる。
 他方、その反面、自然潤滑方式により、上述したベアリングBR2やオイルシール700に油を適切に供給するためには、油面を高くしたり、キャッチタンク等の追加部品を設けたりする必要性が高くなりやすい。なお、油面を高くするには、必要な油量が多くなり、コスト増加を招く。
 そこで、本実施例では、出力軸ケース部23における第1出力部材61に対向する表面231(以下、「周壁内周面231」とも称する)(図5参照)、及び、第1出力部材61の外周面は、軸方向A1側が、軸方向A2側より低い位置に延在するように構成される。
 具体的には、周壁内周面231は、軸方向A1側と軸方向A2側との間の高低差を形成する傾斜面を含む。このような傾斜面は、周壁内周面231の内径(第1軸C1まわりの内径)を、軸方向A1側に向かうにつれて大きくすることで実現されてよい。ただし、他の実施例では、傾斜面に代えて又は加えて、段差が形成されてもよい。この場合も、段差は、周壁内周面231の内径(第1軸C1まわりの内径)が軸方向A1側に向かうにつれて段階的に大きくなるように形成されてよい。
 また、第1出力部材61の外周面も、同様に、軸方向A1側と軸方向A2側との間の高低差を形成する傾斜面を含む。このような傾斜面は、第1出力部材61の外周面の外径(第1軸C1まわりの外径)を、軸方向A1側に向かうにつれて大きくすることで実現されてよい。この場合、第1出力部材61の外周面の外径は、軸方向に沿った各位置で、周壁内周面231の内径に対して一定値だけ小さい関係であってよい。ただし、他の実施例では、傾斜面に代えて又は加えて、段差が形成されてもよい。
 このような周壁内周面231及び第1出力部材61の外周面は、重力の作用を利用して、差動歯車機構5の出力ギヤ30の回転によって軸方向A2側から供給される油を、傾斜面に沿って軸方向A1側へと比較的多い流量で流す機能を有することができる。具体的には、差動歯車機構5の出力ギヤ30の回転によって軸方向A2側から供給される油(図5の矢印R61参照)は、第1出力部材61の表面に落下した後、第1出力部材61の表面を伝って軸方向A1側へと流れる(図5の矢印R62参照)。この際、第1出力部材61の表面の傾斜に起因して軸方向A1側への油の流れが促進される。また、差動歯車機構5の出力ギヤ30の回転によって軸方向A2側から供給される油(図5の矢印R61参照)は、第1出力部材61の表面を介して又は直接的に、周壁内周面231のうちの、上側に向く表面部分に落下する。その後、油は、周壁内周面231のうちの、上側に向く表面部分を伝って軸方向A1側へと流れる(図5の矢印R63参照)。この際、周壁内周面231の傾斜に起因して軸方向A1側への油の流れが促進される。この結果、第1出力部材61のA1側端部又はその近傍に設けられる潤滑対象物(ベアリングBR2やオイルシール700)に油を適切な流量で供給できる。
 このようにして本実施例によれば、キャッチタンク等の追加部品を設けることなく、差動歯車機構5の出力ギヤ30の回転によって掻き揚げられる油を、潤滑対象物(ベアリングBR2やオイルシール700)に適切に供給できる。従って、自然潤滑方式により小型化及び低コスト化を図りつつ、差動歯車機構5の出力ギヤ30から軸方向で比較的遠い位置にある潤滑対象物(ベアリングBR2やオイルシール700)にも適切に油を供給できる。
 ところで、このように潤滑対象物(ベアリングBR2やオイルシール700)に油を適切な流量で供給するためには、差動歯車機構5の出力ギヤ30の回転によって掻き揚げられる油を、出力軸収容室S3へと軸方向A2側から適切な流量で導入することが有用である。
 そこで、本実施例では、伝達機構ケース部22における軸方向で出力軸ケース部23との境界に位置する部分(以下、「ベアリング支持部223」とも称する)は、空洞部S223を有する。なお、ベアリング支持部223は、ベアリングBR1まわりに位置し、ベアリングBR1を支持する部位である。この場合、空洞部S223は、ベアリングBR1の径方向外側であって、差動歯車機構5の出力ギヤ30の回転によって掻き揚げられる油がかかる高さに形成されてよい。なお、空洞部S223は、ベアリングBR1まわりのうちの、例えば上下方向の真上(12時の位置)と、真上よりも下方の位置(例えば11時の位置)とに、2つ以上設けられてもよい。
 このような空洞部S223を設けることで、差動歯車機構5の出力ギヤ30の回転によって掻き揚げられる油を、出力軸収容室S3へと軸方向A2側から適切な流量で導入できる。また、空洞部S223には、差動歯車機構5の出力ギヤ30の回転によって掻き揚げられる油を直接的に導入可能である。従って、キャッチタンク等の追加部品を設けることなく、出力軸収容室S3へと軸方向A2側から適切な流量で導入できる。
 本実施例では、モータ収容室S1や出力軸収容室S3(図2及び図5参照)に供給され潤滑等に供された油は、ケース2の下部に形成されるリターン流路290(図3参照)を介して、伝達機構収容室S2(特に差動歯車収容室S22)に戻される。
 リターン流路290は、A2側端部が差動歯車収容室S22に開口し、A1側端部が出力軸収容室S3に連通する。出力軸ケース部23は、出力軸収容室S3とリターン流路290との間の連通を確保するための開口又は切り欠き99(図3参照)を有してよい。これにより、出力軸収容室S3内から油をリターン流路290へと効率的に導入できる。
 次に、図6を主に参照して、油路構造のうちの、伝達機構収容室S2内の構造を主に説明する。
 本実施例では、上述したように、自然潤滑方式が採用されるため、各種の潤滑対象物の潤滑に供された油を、比較的速やかに差動歯車収容室S22内の下部(出力ギヤ30が浸かる油溜まり)に戻すことが有用である。例えば、上述したリターン流路290のようなリターン流路が、伝達機構収容室S2のうちの、差動歯車収容室S22以外の減速機構収容室S21に開口する場合、リターン流路を介して差動歯車収容室S22内の下部に戻る油が不足しやすい。この場合、車両の走行状態によっては油温センサが油に浸からず、内部空気温度を測定してしまうおそれもある。かかる不都合を無くすために、全体の油量を増加させることも可能であるが、この場合、油量の増加によるコスト増加や、静的な状態での油面の上昇に起因した撹拌損失の増加(出力ギヤ30による撹拌損失)等が問題となりうる。
 そこで、本実施例では、リターン流路290は、伝達機構収容室S2のうちの、差動歯車収容室S22の下部(第2軸C2よりも下側)で開口する。この際、リターン流路290の軸方向A2側の端部(差動歯車収容室S22側の開口)は、好ましくは、軸方向に視て、出力ギヤ30に重なる。これにより、上述したベアリングBR2やオイルシール700等を含む各種の潤滑対象物の潤滑に供された油を、比較的速やかに差動歯車収容室S22内の下部(出力ギヤ30が浸かる油溜まり)に戻すことが可能となる。
 本実施例では、上述したように、回転電機1の径方向外側には流路形成部材90が設けられる。流路形成部材90は、径方向内側がステータコア12に嵌合され、径方向外側がケース2の流路形成面209に対して軸方向両側でシールされる。すなわち、流路形成部材90は、モータ収容室S1における軸方向A2側のコイルエンド13(本実施例では、リード側のコイルエンド13)が位置する空間S11(図2参照)と、軸方向A1側のコイルエンド13が位置する空間S12(図2参照)とを、仕切る態様で設けられる。このため、モータ収容室S1における軸方向A2側のコイルエンド13(本実施例では、リード側のコイルエンド13)が位置する空間S11(図2参照)と、軸方向A1側のコイルエンド13が位置する空間S12(図2参照)とは、これらの軸方向の間で実質的に連通していない。従って、ロータ軸15の軸心油路15a及びロータ軸15の径方向の噴出孔15bを介してそれぞれのコイルエンド13に向けて噴出される油(ロータ回転時の遠心力により噴出される油)は、1つのリターン流路だけでは、伝達機構収容室S2に戻すことができない。具体的には、空間S12内のコイルエンド13に噴射される油は、空間S12と出力軸収容室S3との連通(図2参照)により、上述したリターン流路290により伝達機構収容室S2(特に差動歯車収容室S22)に戻ることができる。他方、空間S11内のコイルエンド13に噴射される油は、実質的に、上述したリターン流路290により伝達機構収容室S2(特に差動歯車収容室S22)に戻ることができない。
 そこで、本実施例では、第2のリターン流路として、空間S11と伝達機構収容室S2とを連通させるリターン流路292が設けられる。具体的には、リターン流路292は、軸方向A1側の端部が、モータ収容室S1の空間S11に連通し、軸方向A2側の端部が、伝達機構収容室S2の下部に連通する。本実施例では、リターン流路292は、軸方向A2側の端部が、減速機構収容室S21の下部(第1軸C1よりも下側)に開口する。この際、リターン流路292の軸方向A2側の端部(減速機構収容室S21側の開口)は、好ましくは、第2軸C2よりも下側で開口する。これにより、上述した空間S11内のコイルエンド13の冷却に供された油を、差動歯車収容室S22内の下部(出力ギヤ30が浸かる油溜まり)に、減速機構収容室S21を介して戻すことが可能となる。換言すると、ステータコア12まわりに流路形成部材90による水冷構造を実現しつつ、モータ収容室S1内に供給される油を、差動歯車収容室S22内の下部(出力ギヤ30が浸かる油溜まり)に効率的に戻すことができる。
 なお、本実施例では、リターン流路292の軸方向A2側の端部(減速機構収容室S21側の開口)は、減速機構収容室S21内のキャッチタンク920内に配置される。
 キャッチタンク920は、図6に示すように、減速機構収容室S21において、減速機構34まわりの軸方向の壁部9201の径方向外側に延在し、出力ギヤ30の回転によって掻き上げられる油を捕捉可能な位置に入口921を有する。そして、キャッチタンク920は、下部で差動歯車収容室S22に開口する排出口922を有する。この場合、リターン流路292の軸方向A2側の端部(減速機構収容室S21側の開口)は、排出口922の近傍に設けられてもよい。これにより、上述した空間S11内のコイルエンド13の冷却に供された油を、差動歯車収容室S22内の下部(出力ギヤ30が浸かる油溜まり)に、キャッチタンク920の下部を介して比較的速やかに戻すことが可能となる。なお、キャッチタンク920は、ロータ軸15の軸心油路15aに油を供給するように、ロータ軸15の軸心油路15a等にも連通されてよい。
 なお、変形例では、リターン流路292は、上述したリターン流路290に接続されてもよい。例えば、リターン流路292は、空間S11とリターン流路290を連通する流路として形成されてもよい。この場合、全体としてのリターン流路の長さを低減でき、効率的なリターン流路構成を実現できる。
 キャッチタンク920の下部には、油温センサ98(図6に丸で配置が模式的に図示)が設けられる。この場合、油温センサ98は、キャッチタンク920の排出口922の近傍に設けられる。これにより、車両の走行状態によっても油温センサ98が油面よりも上側に来る可能性が低減されるので、油温センサ98からのセンサ情報の信頼性を高めることができる。
 このようにして本実施例では、上述したように、差動歯車機構5の出力ギヤ30の回転によって掻き揚げられる油は、第2軸C2よりも上側の位置の空洞部S223を介して伝達機構収容室S2から出力軸収容室S3へと導入される。そして、油は、重力により下方に流れつつ、ベアリングBR2等を潤滑した後、第2軸C2よりも下側の位置のリターン流路290の端部(軸方向A2側の端部)を介して、出力軸収容室S3から差動歯車収容室S22へと戻される。これにより、再び差動歯車機構5の出力ギヤ30の回転によって掻き揚げ可能となる。
 また、差動歯車機構5の出力ギヤ30の回転によって掻き揚げられる油は、キャッチタンク920を介してロータ軸15の軸心油路15aに導入され、上述したように、噴出孔15bから回転電機1のコイルエンド13に噴出される。そして、モータ収容室S1の空間S12内のコイルエンド13に噴出された油は、第2軸C2よりも下側の位置のリターン流路290の端部(軸方向A2側の端部)を介して、空間S12から伝達機構収容室S2へと戻される。また、モータ収容室S1の空間S11内のコイルエンド13に噴出された油は、第2軸C2よりも下側の位置のリターン流路292の端部(軸方向A2側の端部)を介して、空間S11から伝達機構収容室S2へと戻される。このようにして伝達機構収容室S2へと戻された油は、キャッチタンク920における第2軸C2よりも下側の排出口922から、差動歯車収容室S22に戻される。これにより、再び差動歯車機構5の出力ギヤ30の回転によって掻き揚げ可能となる。
 以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
 例えば、上述した実施例では、出力軸ケース部23における第1出力部材61に対向する表面(周壁内周面231)、及び、第1出力部材61の外周面の双方が、傾斜面を有しているが、これに限られない。例えば、周壁内周面231だけが傾斜面を有してもよい。
 また、上述した実施例では、出力軸ケース部23は、第1出力部材61の軸方向の少なくとも一部区間において、第1出力部材61を囲繞する周壁部の形態であるが、これに限られない。例えば、出力軸ケース部23は、第1出力部材61まわりのうちの、下側を含む一部だけに対向してもよい。
100・・・車両用駆動装置、1・・・回転電機(駆動源)、2・・・ケース、22・・・伝達機構ケース部(ギヤケース部)、23・・・出力軸ケース部(壁部、周壁部)、231・・・周壁内周面(壁部の表面)、290・・・リターン流路(連通路)、34・・・減速機構(伝達機構)、30・・・出力ギヤ(リングギヤ)、5・・・差動歯車機構(伝達機構)、61・・・第1出力部材(軸部材)、99・・・開口又は切り欠き、BR1・・・ベアリング(第1ベアリング)、BR2・・・ベアリング(第2ベアリング)、S223・・・空洞部、S31・・・空間(対象物配置空間)、W・・・車輪

Claims (8)

  1.  駆動源からの駆動力を軸部材を介して車輪に伝達する伝達機構と、
     前記伝達機構、及び、前記軸部材の少なくとも一部を収容するケースとを備え、
     前記ケースは、
     前記伝達機構のギヤの回転によって掻き上げ可能な油が内部に溜まるギヤケース部と、
     前記軸部材まわりの空間の少なくとも下側を境界付ける壁部であって、前記軸部材の延在方向に沿って延在する壁部とを含み、
     前記軸部材まわりの空間は、前記軸部材の延在方向の一方側が、前記ギヤケース部の内部に連通し、他方側が、油による潤滑対象物が配置される対象物配置空間を内包し又は前記対象物配置空間に連通し、
     前記伝達機構のギヤの回転によって掻き上げられた油が、前記軸部材まわりの空間内の前記潤滑対象物へ又は前記軸部材まわりの空間を介して前記潤滑対象物へ、供給される、車両用駆動装置。
  2.  前記壁部における前記軸部材の下側に対向する表面、又は、前記軸部材の外周面は、前記軸部材の延在方向の前記他方側における高さが、前記一方側における高さより低い、請求項1に記載の車両用駆動装置。
  3.  前記壁部の前記表面、又は、前記軸部材の前記外周面は、前記他方側と前記一方側との間の高低差を形成する傾斜面又は段差を含む、請求項2に記載の車両用駆動装置。
  4.  前記軸部材は、延在方向の前記一方側が第1ベアリングを介して前記ケースに支持され、
     前記ケースは、前記第1ベアリングの径方向外側かつ前記軸部材の軸心よりも上側に、前記軸部材まわりの空間と前記ギヤケース部の内部とを連通させる空洞部を有する、請求項1に記載の車両用駆動装置。
  5.  前記軸部材は、延在方向の前記他方側が第2ベアリングを介して前記ケースに支持され、
     前記潤滑対象物は、前記第2ベアリングを含む、請求項1に記載の車両用駆動装置。
  6.  前記ケースは、前記潤滑対象物の潤滑に供された油を、前記ギヤケース部の内部に戻すための連通路を有し、
     前記壁部は、前記対象物配置空間を前記連通路に連通させる孔又は切り欠きを有する、請求項1に記載の車両用駆動装置。
  7.  前記駆動源を形成する回転電機を更に備え、
     前記伝達機構は、減速機構と、差動歯車機構とを含み、
     前記ケースは、前記回転電機、前記減速機構、前記差動歯車機構、及び前記軸部材を収容し、
     前記ギヤは、前記差動歯車機構のリングギヤであり、
     前記壁部は、前記回転電機の径方向外側に延在する、請求項1に記載の車両用駆動装置。
  8.  前記壁部は、前記軸部材の延在方向の少なくとも一部の区間において、前記軸部材まわりの空間を全周にわたり境界付ける周壁部の形態を有し、
     前記周壁部の内径及び前記軸部材の外径は、前記軸部材の延在方向で、前記一方側から前記他方側に向かうにつれて大きくなる、請求項1から6のうちのいずれか1項に記載の車両用駆動装置。
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