WO2024062564A1 - 変換方法、光学装置、及び光学顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】実用性を向上させる。 【解決手段】変換方法は、光源から出射されたパルス光の繰り返し周波数を変換部で変換することと、前記変換部で変換される前記繰り返し周波数が可変であることと、を含む。
Description
本発明は、変換方法、光学装置、及び光学顕微鏡に関する。
光学顕微鏡からサンプルに照射するレーザ光には、パルス光が用いられる場合がある(特許文献1参照)。特許文献1には、高い繰り返し周波数のパルス光をサンプルに照射し、且つ、そのパルス光のピーク強度を下げることで、光褪色を抑制しつつ、低い繰り返し周波数のパルス光をサンプルに照射した場合に取得される信号強度を維持することが開示されている。ところで、実用性の観点から、パルス光の繰り返し周波数が高ければ良いとは必ずしもいえない場合がある。
本発明の第1の態様に従えば、光源から出射されたパルス光の繰り返し周波数を変換部で変換することと、前記変換部で変換される前記繰り返し周波数が可変であることと、を含む変換方法が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、パルス光の繰り返し周波数を変換する変換部と、前記変換部で変換される前記繰り返し周波数を変更可能な切替部と、を備える光学装置が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、観察対象物に前記パルス光を照射する顕微鏡であって、 前記パルス光の前記繰り返し周波数を変換し、前記変換部で変換される前記繰り返し周波数を変更可能な光学装置と、前記光学装置から出力された前記パルス光を観察対象物に照射する照射部と、を備える顕微鏡が提供される。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一又は類似の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省く場合がある。また、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る顕微鏡1の構成例を示す図である。図1では、顕微鏡1が多光子蛍光顕微鏡である場合を例として示す。ただし、顕微鏡1は、多光子蛍光顕微鏡に限定されず、多光子蛍光顕微鏡以外の顕微鏡であってもよい。以下においては、実施形態の一例として、顕微鏡1が非線形現象として2光子蛍光を例として説明するが、線形・非線形を問わず、光源としてパルス光を用いた他の顕微観察手法への適用も可能である。例えば、顕微鏡1は、3光子吸収によって生じる蛍光を利用した3光子蛍光顕微鏡であってもよい。また、顕微鏡1は、非線形ラマン散乱を用いたCARS(Coherent anti-Stokes Raman Scattering)顕微鏡又はSRS(Stimulated Raman Scattering)顕微鏡であってもよい。顕微鏡1は、誘導放出又は過度吸収を利用したポンププローブ顕微鏡であってもよい。顕微鏡1は、光音響効果を利用した光音響顕微鏡であってもよい。
図1は、第1実施形態に係る顕微鏡1の構成例を示す図である。図1では、顕微鏡1が多光子蛍光顕微鏡である場合を例として示す。ただし、顕微鏡1は、多光子蛍光顕微鏡に限定されず、多光子蛍光顕微鏡以外の顕微鏡であってもよい。以下においては、実施形態の一例として、顕微鏡1が非線形現象として2光子蛍光を例として説明するが、線形・非線形を問わず、光源としてパルス光を用いた他の顕微観察手法への適用も可能である。例えば、顕微鏡1は、3光子吸収によって生じる蛍光を利用した3光子蛍光顕微鏡であってもよい。また、顕微鏡1は、非線形ラマン散乱を用いたCARS(Coherent anti-Stokes Raman Scattering)顕微鏡又はSRS(Stimulated Raman Scattering)顕微鏡であってもよい。顕微鏡1は、誘導放出又は過度吸収を利用したポンププローブ顕微鏡であってもよい。顕微鏡1は、光音響効果を利用した光音響顕微鏡であってもよい。
第1実施形態に係る顕微鏡1は、例えば、光源2と、照射部3と、光学装置4と、制御部11と、設定装置12とを備える。ただし、制御部11及び設定装置12は、顕微鏡1にとって必須な構成ではない。すなわち、顕微鏡1は、制御部11及び設定装置12を備えなくてもよい。
光源2は、繰り返し周波数がfr、繰り返し周期がTrであって、700nm~1300nmの波長帯域(近赤外)の直線偏光のパルス光(パルスレーザ光ともいう)L1を出力する。例えば、光源2は、フェムト秒パルスレーザ(パルス幅:50~100fs)又はピコ秒パルスレーザである。パルス光L1は、繰り返し周波数frが80MHz程度である。なお、光源2は、LD(レーザダイオード)などの固体光源(光ファイバーを構成に含む場合もある)を含む。
光源2に分散補償機能が搭載されている場合には、光源2の分散補償機能を用いて光学系の分散補償を実施してもよい。光源2に分散補償機能が未搭載の場合には、別途分散補償光学系が光源2と光学装置4との間に設けられていることが好ましい。分散補償光学系は、例えば、プリズムペア又は回折格子ペアである。なお、分散補償光学系以外の光学素子等が配置されていてもよい。
光源2から出力されたパルス光L1は、光学装置4によって繰り返し周波数が変更される。光学装置4によって繰り返し周波数が変更されたパルス光L1を、パルス光L2と称する。パルス光L2の偏光は、直線偏光である。パルス光L2は、照射部3に入射する。なお、パルス光L1とパルス光L2の繰り返し周波数が等しい場合においても、繰り返し周波数を1倍に変換し、パルス光L2として光学装置4から出射すると記載するとともに、繰り返し周波数を変換するという概念に含める。
照射部3は、光学装置4から出力されたパルス光L2を観察対象物Oに照射する。照射部3は、例えば、スキャナ5と、スキャンレンズ6a、チューブレンズ6b、対物レンズ7と、ダイクロイックミラー8と、フィルタ9と、光検出器10とを備える。
スキャナ5は、パルス光L2を照射部3の光軸に直交する面内、すなわち図中のXY方向に振る機構である。スキャナ5は、一例として、X軸方向用とY軸方向用の一対のミラー(ガルバノミラー)を有する。パルス光L2は、一対のガルバノミラーにより反射されることで照射部3の光軸に対してX軸及びY軸方向のそれぞれに振られ、観察対象物OがXY方向に走査される。この一対のミラーは、対物レンズ7の瞳に対する共役位置近傍に設置されている。なお、スキャナ5は、ガルバノミラーとレゾナントミラーの組合せとしても良い。
スキャナ5の後段には、スキャンレンズ6a及びチューブレンズ6bが設けられている。スキャンレンズ6aは、スキャナ5から射出されたパルス光L2を、一次像面上に合焦させる。チューブレンズ6bは、スキャンレンズ6aから対物レンズ7までの間に配置されている。チューブレンズ6bは、パルス光L2を平行光束とする。チューブレンズ6bからのパルス光L2は、ダイクロイックミラー8に入射する。
ダイクロイックミラー8は、パルス光L2を透過させる。ダイクロイックミラー8を透過したパルス光L2は、対物レンズ7に入射する。また、ダイクロイックミラー8は、パルス光L2以外の波長の光を反射させる。
対物レンズ7は、励起光であるパルス光L2を集光して、観察対象物Oを照明する。すなわち、励起光であるパルス光L2は、対物レンズ7を通じて観察対象物Oに集光され、2光子励起を引き起こす。観察対象物Oから生じた蛍光は、対物レンズ7を通じて、ダイクロイックミラー8にて反射し、パルス光L2と光路分離される。
フィルタ9は、ダイクロイックミラー8と光検出器10との間の光路に設けられる。フィルタ9は、ダイクロイックミラー8で反射された光のうち、蛍光の波長成分のみを透過させる。
光検出器10は、フィルタ9を透過した光を検出する。すなわち、光検出器10は、ダイクロイックミラー8により反射し、フィルタ9を透過した蛍光を検出する。例えば、光検出器10は、光電子増倍管である。光検出器10で検出された蛍光の光量に応じて検出信号は、例えば、コンピュータなどの情報処理装置(図示せず)に出力される。当該情報処理装置は、検出信号に基づいて、観察対象物Oの2次元画像又は3次元画像を生成する。
なお、照射部3は、蛍光を共焦点検出する構成を有してもよい。この場合には、ダイクロイックミラー8は、対物レンズ7の近傍ではなく、スキャナ5の前段に配置される。ダイクロイックミラー8で反射した光は、フィルタ9を透過し、新たに設けられたレンズ(図示せず)でピンホールに集光される。ピンホールを透過した蛍光は、後段に設置された光検出器10で検出される。
光学装置4は、光源2から出射されたパルス光L1の繰り返し周波数frを、繰り返し周波数frとは異なる繰り返し周波数に変換可能である。例えば、光学装置4は、繰り返し周波数frを、最大2n(nは1以上の整数)倍に変換する。例えば、光学装置4は、パルス光を、第1偏光と、第1偏光と直交する第2偏光とに分割し、第1偏光と第2偏光との間に所定の光路長差を付与し、その光路長差を付与した後に第1偏光と第2偏光とを合波する一連の処理をn(nは1からnのいずれかの整数)回実行することにより、繰り返し周波数を2n倍に変換する。第1偏光は、例えばP偏光である。第2偏光は、例えばS偏光である。なお、光学装置4は、顕微鏡1に対して挿脱可能に構成されてもよい。
図2は、第1実施形態に係る光学装置4の構成例を示す図である。光学装置4は、例えば、n個のパルス変換ユニット15を備える。図2に例示する光学装置4は、3個のパルス変換ユニット15-1~15-3を備える。なお、ハイフン以下の符号は、複数の同じ種類の構成要素を互いに区別するものである。複数の同じ種類の構成を互いに区別しない場合には、ハイフン以下の符号を省略する場合がある。
パルス変換ユニット15は、光学ユニット20と、1/2波長板30とを備える。光学ユニット20は、変換部の一例である。1/2波長板30は、切替部の一例である。光学ユニット20は、第1偏光ビームスプリッタ21と、光路長差付与部22と、第2偏光ビームスプリッタ23とを備える。
第1偏光ビームスプリッタ21は、第1方向に偏光したパルス光を、第1偏光(P偏光)と第2偏光(S偏光)とに分割する。すなわち、第1偏光ビームスプリッタ21は、入射してきたパルス光が第1方向に偏光している場合には、当該パルス光の第1偏光の成分を透過させ、当該パルス光の第2偏光の成分を所定の方向に反射させる。以下に、第1偏光がP偏光であり、第2偏光がS偏光である場合を例として説明する。
第1方向は、例えば45°である。この45°とは、パルス光が進む方向に対して直交する方向(例えば水平方向)から反時計周りに45°回転した方向である。一方、第1方向は、P偏光とS偏光との成分が1:1で含まれる、-45°でもよい。つまり、それぞれの回転対称性から、135°(-225°)、225°(-135°)、315°(-45°)としても良い。すなわち、一例として、第1偏光ビームスプリッタ21に45°の直線偏光が入射した場合には、P偏光成分は透過し、S偏光成分は反射する。なお、45°の直線偏光におけるP偏光成分の大きさとS偏光成分の大きさは等しいため、第1偏光ビームスプリッタ21での分岐比は1:1となる。
光路長差付与部22は、第1偏光ビームスプリッタ21によって分割されたP偏光とS偏光との間に光路長差を付与する。例えば、光路長差付与部22は、第1光路24と、第2光路25とを含む。
第1光路24は、第1偏光ビームスプリッタ21を透過したP偏光が第2偏光ビームスプリッタ23に到達するまでに伝搬する経路である。例えば、第1方向に偏光しているパルス光のうち、第1偏光ビームスプリッタ21によって分割されたP偏光は、第1光路24を伝搬して第2偏光ビームスプリッタ23に入射する。また、第2方向に偏光しているパルス光がP偏光の場合は、第1光路24を伝搬して第2偏光ビームスプリッタ23に入射する。なお、第2方向に偏光しているパルス光が、S偏光の場合は、第2光路25を伝搬して第2偏光ビームスプリッタ23に入射する。
第2光路25は、第1偏光ビームスプリッタ21によって反射されたS偏光が第2偏光ビームスプリッタ23に到達するまでに伝搬する経路である。例えば、第2光路25には、ミラーM1及びミラーM2が設けられている。第1偏光ビームスプリッタ21によって分割されたS偏光は、ミラーM1及びミラーM2で反射して第2偏光ビームスプリッタ23に入射する。ここで、第2光路25の光路長は、第1光路24の光路長よりも長い。そのため、光路長差付与部22は、P偏光とS偏光との間に光路長差を付与することができる。
第2偏光ビームスプリッタ23は、光路長差付与部22によって光路長差が付与された後のP偏光とS偏光とを合波することで繰り返し周波数が変更されたパルス光を形成する。P偏光とS偏光との間に光路長差が付与されているため、第1偏光の一例であるP偏光と、第2偏光の一例であるS偏光とが第2偏光ビームスプリッタ23に伝搬するまでの間において、P偏光とS偏光との間に所定の時間差が付与される。従って、第2偏光ビームスプリッタ23によってP偏光とS偏光とが同軸に合波された場合、その合波されたパルス光の繰り返し周波数は、第1偏光ビームスプリッタ21に入射したパルス光の繰り返し周波数よりも高い。
光路長差付与部22-1は、第1偏光ビームスプリッタ21-1によって分割されたP偏光とS偏光との間に第1光路長差を付与する。この第1光路長差によって、P偏光とS偏光との間には、(Tr/8)の時間差が付与される。
光路長差付与部22-2は、第1偏光ビームスプリッタ21-2によって分割されたP偏光とS偏光との間に第2光路長差を付与する。第2光路長差は、第1光路長差よりも大きい。この第2光路長差によって、P偏光とS偏光との間には、(Tr/4)の時間差が付与される。
光路長差付与部22-3は、第1偏光ビームスプリッタ21-3によって分割されたP偏光とS偏光との間に第3光路長差を付与する。第3光路長差は、第2光路長差よりも大きい。この第3光路長差によって、P偏光とS偏光との間には、(Tr/2)の時間差が付与される。
1/2波長板30の角度設定により、光学ユニット20にパルス光L1の繰り返し周波数を変更させるか否か切り換え可能である。例えば、パルス光L1の繰り返し周波数frは、繰り返し周波数frに対して2の累乗を乗算した値に変更可能である。換言すれば、1/2波長板30の角度設定により、繰り返し周波数frを、繰り返し周波数frの1倍から2n倍の範囲で変更可能である。図2に例示する構成ではn=3であるため、1/2波長板30-1~30-3は、光源2から出射されたパルス光L1の繰り返し周波数frを、fr×1倍,fr×2倍,fr×4倍,fr×8倍の4つの繰り返し周波数のいずれかに可変できる。
1/2波長板30は、光学ユニット20のそれぞれにおいて、第1偏光ビームスプリッタ21に入射するパルス光の偏光方向を、第1方向と、第1方向とは異なる第2方向とのいずれかに変更する。1/2波長板30は、パルス光が第1偏光ビームスプリッタ21に入射する光路上に設けられている。
より具体的には、1/2波長板30は、回転可能である。1/2波長板30が回転することによって、1/2波長板30に入射するパルス光の偏光方向と、1/2波長板30の光軸(遅軸又は速軸)とのなす角(以下、単に「角度」という。)θが変更される。なお、説明の便宜上、以下の説明においては、1/2波長板30の遅軸を1/2波長板30の光軸と称し、また、入射パルス光の偏光方向は、パルス光が進む方向に対して直交する横方向(水平方向であり、P偏光に相当)とする。する。例えば、1/2波長板30の回転によって、1/2波長板30の角度θが第1角度範囲内である第1状態と、1/2波長板30の角度θが第2角度範囲内である第2状態とを切り替えられる。角度θが第1角度範囲である場合に、1/2波長板30から第1方向に偏光したパルス光が出射される。
角度θが第1角度範囲とは異なる第2角度範囲である場合に、第1方向とは異なる第2方向のパルス光が1/2波長板30から出射される。第1角度範囲は、22.5°±1°の範囲である。これにより、1/2波長板30を透過したパルス光の偏光は45°となる。なお、偏光方向の回転対称性から、第1角度範囲は、67.5°±1°としても良い。この場合、1/2波長板30を透過したパルス光の偏光は135°となる。この場合の偏光方向は、-45°と等価である。また、パルス光の偏光方向が縦方向(垂直方向であり、S偏光に相当)の場合、第1角度範囲22.5°±1°を、1/2波長板30の遅軸とそのパルス光の偏光方向とのなす角度で換言すると、112.5°±1°又は-67.5°±1°となる。つまり、第1角度範囲は、(22.5°±K×45°)±1°であるといえる。Kは、整数である。1/2波長板30の遅軸を速軸に置き換えたときも同様である。第2角度範囲は、0°±1°である。また、パルス光の偏光方向の回転対称性から、±180°±1°と換言できる。また、パルス光の偏光方向が縦方向(垂直方向であり、S偏光に相当)の場合、第2角度範囲0±1°を、1/2波長板30の遅軸とそのパルス光の偏光方向とのなす角度で換言すると、90°±1°又は-270°±1°となる。つまり、第2角度範囲は、(0°±K×90°)±1°であるといえる。Kは、整数である。1/2波長板30の遅軸を速軸に置き換えたときも同様である。第1角度範、の許容範囲が±1°であるのは、繰り返し周波数を変換した後のパルス光L2のパルス間の強度のバラツキを、パルス光L2の平均強度に対して±15%程度の範囲内に納めるためである。また、第2角度範囲の許容範囲が±1°であるのは、複数の偏光ビームスプリッタそれそれそれの出力が、入力時より5%以上減らないようにするためである。
1/2波長板30-1は、第1偏光ビームスプリッタ21-1の前段に設けられている。1/2波長板30-1は、第1偏光ビームスプリッタ21-1に入射されるパルス光の偏光方向を、第1方向と、第1方向とは異なる第2方向とのいずれかに変更する。1/2波長板30-2は、第2偏光ビームスプリッタ23-1の後段かつ第1偏光ビームスプリッタ21-2の前段に設けられている。1/2波長板30-2は、第2偏光ビームスプリッタ23-1からに射出されて第1偏光ビームスプリッタ21-2に入射するパルス光の偏光方向を、第1方向と、第1方向とは異なる第2方向とのいずれかに変更する。1/2波長板30-3は、第2偏光ビームスプリッタ23-2の後段かつ第1偏光ビームスプリッタ21-3の前段に設けられている。1/2波長板30-3は、第2偏光ビームスプリッタ23-2からに射出されて第1偏光ビームスプリッタ21-3に入射するパルス光の偏光方向を、第1方向と、第1方向とは異なる第2方向とのいずれかに変更する。
第1実施形態に係る繰り返し周波数の可変方法について説明する。図3は、繰り返し周波数をfr×1に変更する場合を説明する図である。図4は、繰り返し周波数をfr×2に変更する場合を説明する図である。図5は、繰り返し周波数をfr×4に変更する場合を説明する図である。図8は、繰り返し周波数をfr×8に変更する場合を説明する図である。
図3に示すように、光学装置4に入射したパルス光L1の繰り返し周波数frをfr×1に変更する場合には、1/2波長板30-1、1/2波長板30-2、及び1/2波長板30-3の各角度θが第2角度範囲に設定される。従って、図3(a)に示すように、光源2から出射されたパルス光L1(P偏光)は、第1偏光ビームスプリッタ21-1~21-3のいずれにも分割されずに透過する。すなわち、パルス光L1は、光学ユニット20-1~20-3による光分岐と時間遅延付与とが生じず、パルス光L1の繰り返し周波数frが保持される。この場合には、図3(b)に示すように、パルス間隔がTrであるパルス光L1がパルス光L2として光学装置4から出力される。
次に、繰り返し周波数を2倍に変換する方法について説明する。図4に示すように、光学装置4に入射したパルス光L1の繰り返し周波数frをfr×2、すなわち21倍(n=1)に変更する場合には、1/2波長板30-1及び1/2波長板30-2の各角度θは、第2角度範囲に設定されている。一方、1/2波長板30-3の角度θは、例えば22.5°に設定される。この場合には、光源2から照射されたパルス光L1(P偏光)は、第1偏光ビームスプリッタ21-1及び第1偏光ビームスプリッタ21-2のいずれにも分割されずに透過する。すなわち、光学ユニット20-1及び光学ユニット20-2による光分岐と時間遅延付与が生じず、光学ユニット20-1及び光学ユニット20-2から射出するパルス光の繰り返し周波数は、光源2から照射されたパルス光L1の繰り返し周波数frを保持している。また、光学ユニット20-1及び光学ユニット20-2から射出するパルス光の偏光状態も、パルス光L1と同様にP偏光のままである。
図4に示す1/2波長板30-3から出力されるパルス光L1の偏光は45°の直線偏光となる。そのため、図4(a)に示すように、1/2波長板30-3から出力されるパルス光(45°の直線偏光)のうち、P偏光P1が第1偏光ビームスプリッタ21-3を透過し、S偏光S1が第1偏光ビームスプリッタ21-3で反射する。第1偏光ビームスプリッタ21-3を透過したP偏光P1は、第1光路24-3を伝搬して第2偏光ビームスプリッタ23-3に入射する。
一方、第1偏光ビームスプリッタ21-3で反射したS偏光S1が第2光路25-3を伝搬して第2偏光ビームスプリッタ23-3に入射する。従って、P偏光P1とS偏光S1との間には、第3光路差に応じた時間差、すなわちTr/2の時間差が付与される。第2偏光ビームスプリッタ23-3は、入射したP偏光P1とS偏光S2とを合波することで、繰り返し周波数が(fr×2)であるパルス光を生成する。この繰り返し周波数が(fr×2)であるパルス光は、パルス光L2として光学装置4から出力される。すなわち、図4(b)に示すように、光学装置4から、パルス間隔が(Tr/2)であるパルス光がパルス光L2として射出される。
次に、繰り返し周波数を4倍に変換する方法について、図5~図7を用いて説明する。
図6は、パルス光の偏光と、1/2波長板の光軸との角度との関係図である。図6は、1/2波長板30-1の角度θが第2角度範囲(例えば、0°)に設定され、1/2波長板30-2及び1/2波長板30-3の角度θが第1角度範囲(例えば、22.5°)に設定された場合を例示している。図6(a)は、光学ユニット20-1に入射するパルス光と光学ユニット20-1から射出されるパルス光の各偏光と、1/2波長板30-1の角度θの関係を示す。図6(b)は、光学ユニット20-2に入射するパルス光と光学ユニット20-2から射出されるパルス光の各偏光と、1/2波長板30-2の角度θとの関係を示す。図6(c)は、光学ユニット20-3に入射するパルス光と光学ユニット20-3から射出されるパルス光の各偏光と、1/2波長板30-3の角度θとの関係を示す。図7は、各パルス変換ユニットにおける入射光・射出光の時間間隔と偏光の模式図である。
図6は、パルス光の偏光と、1/2波長板の光軸との角度との関係図である。図6は、1/2波長板30-1の角度θが第2角度範囲(例えば、0°)に設定され、1/2波長板30-2及び1/2波長板30-3の角度θが第1角度範囲(例えば、22.5°)に設定された場合を例示している。図6(a)は、光学ユニット20-1に入射するパルス光と光学ユニット20-1から射出されるパルス光の各偏光と、1/2波長板30-1の角度θの関係を示す。図6(b)は、光学ユニット20-2に入射するパルス光と光学ユニット20-2から射出されるパルス光の各偏光と、1/2波長板30-2の角度θとの関係を示す。図6(c)は、光学ユニット20-3に入射するパルス光と光学ユニット20-3から射出されるパルス光の各偏光と、1/2波長板30-3の角度θとの関係を示す。図7は、各パルス変換ユニットにおける入射光・射出光の時間間隔と偏光の模式図である。
光学装置4に入射したパルス光L1の繰り返し周波数fr×4、すなわち22倍(n=2)に変更する場合には、1/2波長板30-1の角度θは、第2角度範囲に設定されている。一方、1/2波長板30-2及び1/2波長板30-3の各角度θは、第1角度範囲、例えば22.5°に設定される。この場合には、図6(a)に示すように、光源2から照射されたパルス光L1(P偏光)は、第1偏光ビームスプリッタ21-1では分割されずに透過する。すなわち、光学ユニット20-1による光分岐と時間遅延付与が生じず、光学ユニット20-1から射出するパルス光の繰り返し周波数は、光源2から照射されたパルス光L1の繰り返し周波数frを保持している。また、光学ユニット20-1から射出するパルス光の偏光状態も、パルス光L1と同様にP偏光のままである。
図6(b)に示すように、1/2波長板30-2を通過した直後のパルス光の偏光は45°の直線偏光となる。そのため、図5(a)に示す1/2波長板30-2から出力されるパルス光、すなわち45°の直線偏光のうち、P偏光P11が第1偏光ビームスプリッタ21-2を透過し、S偏光S11が第1偏光ビームスプリッタ21-2で反射する。第1偏光ビームスプリッタ21-2を透過したP偏光P11は、第1光路24-2を伝搬して第2偏光ビームスプリッタ23-2に入射する。一方、第1偏光ビームスプリッタ21-2で反射したS偏光S11が第2光路25-2を伝搬して第2偏光ビームスプリッタ23-2に入射する。従って、P偏光P11とS偏光S11との間には、第2光路差に応じた時間差、すなわち(Tr/4)の時間差が付与される(図7参照)。第2偏光ビームスプリッタ23-2は、入射したP偏光P11とS偏光S11とを合波することでパルス光100を生成する。第2偏光ビームスプリッタ23-2によって生成されたパルス光100は、光学ユニット20-3に入射する。
1/2波長板30-3の角度θは、第1角度範囲、例えばP偏光に対して22.5°に設定されている。そのため、図6(c)に示すように、1/2波長板30-3を通過した後のパルス光100の偏光は、それぞれ+45°の直線偏光と-45°の直線偏光となる。
時間的に先行する+45°の直線偏光のうち、P偏光P12は、第1偏光ビームスプリッタ21-3を透過して第1光路24-3を伝搬する。+45°の直線偏光のうち、S偏光S12は、第1偏光ビームスプリッタ21-3で反射し、第2光路25-3を伝搬する。また、-45°の直線偏光のうち、P偏光P12が第1偏光ビームスプリッタ21-3を透過して第1光路24-3を伝搬し、S偏光S12が第1偏光ビームスプリッタ21-3で反射して第2光路25-3を伝搬する。従って、P偏光P12とS偏光S12との間には、(Tr/2)の時間差が付与される(図7参照)。第2偏光ビームスプリッタ23-3は、入射した2つのP偏光P12と、2つのS偏光S12とを合波することで、繰り返し周波数が(fr×4)であるパルス光110を生成する。すなわち、図5(b)に示すように、光学装置4から、パルス間隔が(Tr/4)であるパルス光110がパルス光L2として射出される。
次に、繰り返し周波数を8倍に変換する方法について、図8~図10を用いて説明する。
図9は、パルス光の偏光と、1/2波長板の光軸との角度との関係図である。図9は、全ての1/2波長板30-1~30-3において、角度θが第1角度範囲(例えば、22.5°)に設定された場合を例示している。図9(a)は、光学ユニット20-1に入射するパルス光と光学ユニット20-1から射出されるパルス光の各偏光と、1/2波長板30-1の角度θの関係を示す。図9(b)は、光学ユニット20-2に入射するパルス光と光学ユニット20-2から射出されるパルス光の各偏光と、1/2波長板30-2の角度θとの関係を示す。図9(c)は、光学ユニット20-3に入射するパルス光と光学ユニット20-2から射出されるパルス光の各偏光と、1/2波長板30-3の角度θとの関係を示す。図10は、各パルス変換ユニットにおける入射光・射出光の時間間隔と偏光の模式図である。
光学装置4に入射したパルス光L1の繰り返し周波数frをfr×8、すなわち23倍(n=3)に変更する場合には、1/2波長板30-1、1/2波長板30-2、及び1/2波長板30-3のすべての角度θは、図7に示すように、第1角度範囲に設定されている。
図9(a)に示すように、1/2波長板30-1を通過した直後のパルス光の偏光は45°の直線偏光となる。そのため、図8(a)に示す1/2波長板30-1から出力されるパルス光、すなわち45°の直線偏光のうち、P偏光P21が第1偏光ビームスプリッタ21-1を透過し、S偏光S21が第1偏光ビームスプリッタ21-1で反射する。第1偏光ビームスプリッタ21-1を透過したP偏光P21は、第1光路24-1を伝搬して第2偏光ビームスプリッタ23-1に入射する。
一方、第1偏光ビームスプリッタ21-1で反射したS偏光S21が第2光路25-1を伝搬して第2偏光ビームスプリッタ23-1に入射する。従って、P偏光P21とS偏光S21との間には、第1光路差に応じた時間差、すなわちTr/8の時間差が付与される(図10参照)。第2偏光ビームスプリッタ23-1は、入射したP偏光P21とS偏光S21とを合波することでパルス光200を生成する。パルス光200は、光学ユニット20-2に入射する。なお、パルス光200の偏光は、図9(a)に示すように、互いに直交するP偏光P21とS偏光S21との直線偏光である。
図9(b)に示すように、1/2波長板30-2の角度θが第1角度範囲であるため、図8(a)に示す1/2波長板30-2を通過した後のパルス光200の偏光は、それぞれ+45°の直線偏光と-45°の直線偏光となる。時間的に先行する+45°偏光のうち、P偏光P22が第1偏光ビームスプリッタ21-2を透過して第1光路24-2を伝搬し、S偏光S22が第1偏光ビームスプリッタ21-2で反射して第2光路25-2を伝搬する。
また、-45°の直線偏光のうち、P偏光P22は、第1偏光ビームスプリッタ21-2を透過して第1光路24-2を伝搬する。-45°の直線偏光のうち、S偏光S22は、第1偏光ビームスプリッタ21-2で反射し、第2光路25-2を伝搬する。従って、分割されたP偏光P22とS偏光S22との間には、ぞれぞれ(Tr/4)の時間差が付与される(図10参照)。第2偏光ビームスプリッタ23-2は、入射した2つのP偏光P22と2つのS偏光S22とを合波することで、パルス光210を生成する。第2偏光ビームスプリッタ23-2によって生成されたパルス光210は、光学ユニット20-3に入射する。
光学ユニット20-2から射出されたパルス光210、すなわち4つのパルスは、光学ユニット20-3の1/2波長板30-3に入射する。ここで、1/2波長板30-3の角度θが第1角度範囲であるため、図9(c)に示すように、1/2波長板30-3を通過した後のパルス光210の偏光は、P偏光とS偏光とが互いに直交する45°偏光となる。1/2波長板30-3を通過した後のパルス光210において、時間的に先行する2つのパルスが+45°の直線偏光であり、時間的に遅れている2つのパルスが-45°の直線偏光である。
時間的に先行する+45°偏光の2つのパルスのそれぞれにおいて、P偏光P23が、図8(a)に示す第1偏光ビームスプリッタ21-3を透過して第1光路24-3を伝搬し、S偏光S23が第1偏光ビームスプリッタ21-3で反射して第2光路25-3を伝搬する。また、時間的に遅れている-45°偏光の2つのパルスのそれぞれにおいて、P偏光P23が第1偏光ビームスプリッタ21-3を透過して第1光路24-3を伝搬し、S偏光S23が第1偏光ビームスプリッタ21-3で反射して第2光路25-3を伝搬する。従って、分割したP偏光P23とS偏光S23との間には、それぞれ(Tr/2)の時間差が付与される(図10参照)。
第2偏光ビームスプリッタ23-3は、入射した4つのP偏光P23と4つのS偏光S23とを合波することで、繰り返し周波数が(fr×8)であるパルス光220を生成する。すなわち、光学装置4から、パルス間隔が(Tr/8)であるパルス光220がパルス光L2として射出される。
制御部11は、切替部の一例である1/2波長板30-1、1/2波長板30-2、及び1/2波長板30-3を制御してもよい。1/2波長板30-1、1/2波長板30-2、及び1/2波長板30-3のそれぞれは、入射するパルス光の偏光方向を第1方向と第2方向とのいずれかに切り替える切替処理を実行可能である。制御部11は、この切替処理を制御してもよい。
具体例としては、制御部11は、1/2波長板30-1~30-3のそれぞれの回転を独立して制御する。例えば、制御部11は、1/2波長板30-1、1/2波長板30-2、及び1/2波長板30-3のそれぞれを独立して回転させるための電動モータを複数有してもよい。制御部11は、1/2波長板30-1の回転を制御して1/2波長板30-1の角度θ1を第1角度範囲内に制御したり、第2角度範囲内に制御したりすることで、1/2波長板30-1によるパルス光の偏光方向の切り替えを制御する。制御部11は、1/2波長板30-2の回転を制御して1/2波長板30-2の角度θ2を第1角度範囲内に制御したり、第2角度範囲内に制御したりすることで、1/2波長板30-2によるパルス光の偏光方向の切り替えを制御する。制御部11は、1/2波長板30-3の回転を制御して1/2波長板30-3の角度θ3を第1角度範囲内に制御したり、第2角度範囲内に制御したりすることで、1/2波長板30-3によるパルス光の偏光方向の切り替えを制御する。
制御部11は、設定装置12からの指令信号に基づいて、1/2波長板30-1~30-3のそれぞれの回転を制御する。ただし、これに限定されず、制御部11は、設定装置12以外の外部装置からの指令信号に基づいて、1/2波長板30-1~30-3のそれぞれの回転を制御してもよい。
設定装置12は、ユーザの操作により繰り返し周波数の倍率に対応する情報m(0からnの整数)の値を設定する。例えば、設定装置12は、ユーザの操作を受け付ける操作部121を備える。操作部121は、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、ボタン、スイッチ、モーションセンシティブコントローラ、キーボード、マウス、ジェスチャー入力デバイス、又は音声入力デバイス(例えば、マイクロフォン)である。設定装置12は、操作部121によってmの値が設定された場合には、その設定されたmの値の情報(指令信号)を制御部11に送信する。これにより、制御部11は、設定装置12から送信されたmの値の情報を含む指令信号に基づいて1/2波長板30の回転を制御してパルス光の繰り返し周波数frを1倍又は2nに変更させる。
以下に、第1実施形態に係る繰り返し周波数1倍又は2nの設定方法の一例について説明する。まず、ユーザは、操作部121を操作してパルス光L2の繰り返し周波数を設定する。例えば、ユーザは、操作部121を操作してmの値を設定する。設定装置12は、mの値が設定されるとmの値の情報を含む指令信号を制御部11に送信する。制御部11は、指令信号に含まれるmの値の情報に基づいて、1/2波長板30に対して繰り返し周波数frを変更させる。
例えば、制御部11は、指令信号に含まれるmの値が「0」である場合には、角度θ1~θ3がすべて第2角度範囲になるように1/2波長板30-1、1/2波長板30-2、及び1/2波長板30-3の回転を制御する。例えば、制御部11は、指令信号に含まれるmの値が「1」である場合には、角度θ1及びθ2が第2角度範囲になり、且つ、角度θ3が第1角度範囲になるように1/2波長板30-1、1/2波長板30-2、及び1/2波長板30-3の回転を制御する。
例えば、制御部11は、指令信号に含まれるmの値が「2」である場合には、角度θ1が第2角度範囲になり、且つ、角度θ2と角度θ3が第1角度範囲になるように1/2波長板30-1、1/2波長板30-2、及び1/2波長板30-3の回転を制御する。例えば、制御部11は、指令信号に含まれるmの値が「3」である場合には、角度θ1~θ3がすべて第1角度範囲になるように1/2波長板30-1、1/2波長板30-2、及び1/2波長板30-3の回転を制御する。
ただし、繰り返し周波数1倍又は2nの設定方法は、上述の方法に限定されず、例えば、ユーザが手動によって設定してもよい。例えば、ユーザは、1/2波長板30-1、1/2波長板30-2、及び1/2波長板30-3の回転を手動で調整してもよい。
以下に、第1実施形態に係る繰り返し周波数(1倍又はfr×2n)の変換方法の流れについて、図11を用いて説明する。図11は、第1実施形態に係る変換方法の流れを説明する図である。
mの値が設定装置12によって設定される(ステップS101)。mの値が設定されると、そのmの値に応じて、ユーザ又は制御部11によって1/2波長板30の角度θが設定される(ステップS102)。mの値が「0」以外である場合(ステップS103:YES)、ステップS102の後において、光源2から繰り返し周波数fr、繰り返し周期Trの直線偏光のパルス光L1が光学装置4に入力すると、光学装置4は、そのパルス光L1の偏光方向を、1/2波長板30を介して、第1方向に変更する第1段階を実行する(ステップS104)。次に、光学装置4は、第1方向に偏光したパルス光を、第1偏光ビームスプリッタ21を用いてP偏光とS偏光とに分割する第2段階を実行し(ステップS105)、分割したP偏光とS偏光との間に光路長差を付与する第3段階を実行する(ステップS106)。
光学装置4は、第3段階によって光路長差が付与された後のP偏光とS偏光とを第2偏光ビームスプリッタ23を用いて合波することで繰り返し周波数が変更されたパルス光を生成する第4段階を実行する(ステップS107)。光学装置4は、第1段階、第2段階、第3段階、及び第4段階を含む一連の処理をn回繰り返すことで、繰り返し周波数frのパルス光L1を繰り返し周波数(fr×2n)のパルス光L2に変換する。なお、第1段階において、2回目以降の第1段階の処理では、光学装置4は、パルス光L1の偏光方向ではなく、第4段階で生成されたパルス光の偏光方向を、1/2波長板30を介して、第1方向に変更する。また、mの値が「0」である場合(ステップS103:NO)、ステップS102の後において、光源2から繰り返し周波数fr、繰り返し周期Trの直線偏光のパルス光L1が光学装置4に入力すると、光学装置4は、そのパルス光L1の偏光方向を、1/2波長板30を介して、第1方向に変更する第1段階を実行されない。そのため、第1段階、第2段階、第3段階、第4段階を含む一連の処理が行われることなく、繰り返し周波数frのパルス光L1を繰り返し周波数(1倍)のパルス光L2に変換する。
第1実施形態に係る光学装置4は、光源2から出射されたパルス光Lの繰り返し周波数frを変換する光学ユニット20と、光学ユニット20で変換される繰り返し周波数(1倍又はfr×2n)を変更可能な1/2波長板30とを備える。このような構成により、状況に応じてパルス光の繰り返し周波数を適宜変更することが可能となり、実用性の向上に寄与する。
例えば、励起光として超短光のパルス光を用いた非線形光学顕微鏡はバイオイメージングにおいて必須のツールとなっている。とりわけ、2光子励起を利用した2光子蛍光顕微鏡は、優れた深部観察性能を有する手法として広く利用されている。しかしながら、レーザ光の照射によって生じる光褪色が実用上の課題となっている。この光褪色の要因の1つとして、ピーク強度が非常に高いパルス光を照射することが挙げられる。
超短光のパルス光の繰り返し周波数を高く設定し、その代わりに励起パルスのピーク強度を低減することで光褪色を低減させる方法がある。しかしながら、2光子蛍光顕微鏡において、例えば、励起パルスをn倍の高繰り返し周波数に設定した際、パルス光L1と同等の蛍光量を得るために必要な励起光強度(励起光の平均強度(W))は√n倍となる。パルス光L2のピーク強度(W)は、1/√n倍となる。すなわち、繰り返し周波数を高く設定するほど、必要な光源出力も多くなる。生体試料の深部の観察時には、散乱によって対物レンズの焦点面での励起光強度が低下するため、界面観察時に比べて対物レンズに入射する励起光強度を増大させる必要がある。そのため、深部から十分な量の蛍光の信号を得るために光源の出力を最大限利用しなければならない場合が起こり得るが、繰り返し周波数が高く設定されている場合には、励起光強度が不足する場合がある。
第1実施形態では、光学装置4で変換するパルス光L1の繰り返し周波数が可変であるため、例えば、深部観察を行うにあたって励起光強度が不足する場合には、深部から有意な信号が得られるように、繰り返し周波数を下げることができる。これにより、光学装置4は、観察に対する光褪色の優位性を担保しつつ、深部観察も可能となる。
また、第1実施形態では、光学素子(第1偏光ビームスプリッタ21及び第2偏光ビームスプリッタ23)を通る光路長はどのパルスにとっても等しくなる。従って、その光学素子の厚みで規定される群遅延分散(Group Delay Dispersion:GDD)はパルスに依らず等しい。光源2に付随している、又は不図示の分散補償光学系によって、全てのパルスの幅の最適化を行うことができる。
また、第1実施形態では、光学装置4から射出されるパルス光L2のパルス間隔は、均一である。また、光学装置4では、P偏光とS偏光との間の光路長差をTr/2,Tr/4,Tr/8,…,Tr/2nとすることで、パルス間隔が均一になるような系を設計することが容易である。
各パルス変換ユニットにおける光路長が長い方の光路において、ビームアライメントのための調整機構を備えてもよい。調整機構として、長い方の光路に設置された2つのミラー(M1、M2)の角度が挙げられる。ミラーの角度を変えることで、ビームの対物レンズ集光位置を、短い方の光路を通るビームの集光位置と重ね合わせる。以下に、調整機構におけるビームアライメントの具体例について説明する。
観察対象物として回折限界以下のサイズ(例えば、100nm以下)の蛍光ビーズを用いる。例として、図8に示す繰り返し周波数がfr×8の場合について述べる。便宜上、パルス変換ユニット15での透過を「0」、反射を「1」と表記する。各パルス変換ユニット15におけるパルス変換ユニット15での透過・反射のパルスを[p3,p2,p1]と表現する。piは、i番目のパルス変換ユニット15における値であり、0か1の値を持つ。以下のSTEPで8パルスの集光位置調整を実施する。
(STEP1)
パルス変換ユニット15-1、パルス変換ユニット15-2、パルス変換ユニット15-3でパルス光を高繰り返し化する構成とする。このために、1/2波長板30-1、1/2波長板30-2、1/2波長板30-3の角度を22.5°とする。パルス変換ユニット15-1、パルス変換ユニット15-2、パルス変換ユニット15-3において、第1偏光ビームスプリッタ21を透過する第1光路24と反射する第2光路25それぞれにおいて、それぞれ不図示のシャッターが設置されている。パルス変換ユニット15-2の第2光路25-2、パルス変換ユニット15-3の第2光路25-3に配置されたシャッターをそれぞれ閉じる。この設定により、光学装置4から時間差がTr/8の2つのパルス光L2が射出される。以下、パルス変換ユニット15-1において第1偏光ビームスプリッタ21-1を透過するパルスは[0,0,0]、第1偏光ビームスプリッタ21-1を反射するパルスは[0,0,1]と表現する。この2つのパルスは、パルス変換ユニット15-2において第1偏光ビームスプリッタ21-2を透過し、パルス変換ユニット15-3において第1偏光ビームスプリッタ21-3を透過する。
パルス変換ユニット15-1、パルス変換ユニット15-2、パルス変換ユニット15-3でパルス光を高繰り返し化する構成とする。このために、1/2波長板30-1、1/2波長板30-2、1/2波長板30-3の角度を22.5°とする。パルス変換ユニット15-1、パルス変換ユニット15-2、パルス変換ユニット15-3において、第1偏光ビームスプリッタ21を透過する第1光路24と反射する第2光路25それぞれにおいて、それぞれ不図示のシャッターが設置されている。パルス変換ユニット15-2の第2光路25-2、パルス変換ユニット15-3の第2光路25-3に配置されたシャッターをそれぞれ閉じる。この設定により、光学装置4から時間差がTr/8の2つのパルス光L2が射出される。以下、パルス変換ユニット15-1において第1偏光ビームスプリッタ21-1を透過するパルスは[0,0,0]、第1偏光ビームスプリッタ21-1を反射するパルスは[0,0,1]と表現する。この2つのパルスは、パルス変換ユニット15-2において第1偏光ビームスプリッタ21-2を透過し、パルス変換ユニット15-3において第1偏光ビームスプリッタ21-3を透過する。
パルス[0,0,0]に対して、顕微鏡光学系が調整されているとする。すなわち、パルス[0,0,0]は、対物レンズの理想的な集光位置に集光する。パルス変換ユニット15-1の第2光路25-1に配置されたシャッターを閉じて、パルス[0,0,0]のみを用いて蛍光ビーズ画像を取得し、パルス変換ユニット15-1の第1光路24-1に配置されたシャッターを閉じて、パルス[0,0,1]のみを用いて蛍光ビーズ画像を取得する。蛍光ビーズ画像にずれがある場合、パルス変換ユニット15-1に設置された2枚のミラー(M1-1、M2-1)を用いて、パルス[0,0,1]の集光位置をパルス[0,0,0]に重ね合わせる。
(STEP2)
パルス変換ユニット15-2の第1偏光ビームスプリッタ21-2を透過するパルスと反射するパルスのビーム集光位置の調整を実施する。パルス変換ユニット15-1とパルス変換ユニット15-2で生じる4パルスのうち、パルス変換ユニット15-2で異なる光路を通る2パルスを用いる。ここでは、例としてパルス[0,1,0]とパルス[0,0,0]を用いる。所定シャッターを閉じて、パルス[0,1,0]とパルス[0,0,0]の2つのパルスを抽出し、それぞれ独立に蛍光ビーズ画像を取得する。蛍光ビーズ画像にずれがある場合、パルス変換ユニット15-2に設置された2枚のミラー(M1-2、M2-2)を用いて、パルス[0,1,0]の集光位置をパルス[0,0,0]に重ね合わせる。
パルス変換ユニット15-2の第1偏光ビームスプリッタ21-2を透過するパルスと反射するパルスのビーム集光位置の調整を実施する。パルス変換ユニット15-1とパルス変換ユニット15-2で生じる4パルスのうち、パルス変換ユニット15-2で異なる光路を通る2パルスを用いる。ここでは、例としてパルス[0,1,0]とパルス[0,0,0]を用いる。所定シャッターを閉じて、パルス[0,1,0]とパルス[0,0,0]の2つのパルスを抽出し、それぞれ独立に蛍光ビーズ画像を取得する。蛍光ビーズ画像にずれがある場合、パルス変換ユニット15-2に設置された2枚のミラー(M1-2、M2-2)を用いて、パルス[0,1,0]の集光位置をパルス[0,0,0]に重ね合わせる。
(STEP3)
パルス変換ユニット15-3の第1偏光ビームスプリッタを透過するパルスと反射するパルスのビーム集光位置の調整を実施する。パルス変換ユニット15-1とパルス変換ユニット15-2とパルス変換ユニット15-3とで生じる8パルスのうち、パルス変換ユニット15-3で異なる光路を通る2パルスを用いる。ここでは、例としてパルス[1,0,0]とパルス[0,0,0]を用いる。所定シャッターを閉じて、パルス[1,0,0]とパルス[0,0,0]の2つのパルスを抽出し、それぞれ独立に蛍光ビーズ画像を取得する。蛍光ビーズ画像にずれがある場合、パルス変換ユニット15-3に設置された2枚のミラー(M1-3、M2-3)を用いて、パルス[1,0,0]の集光位置をパルス[0,0,0]に重ね合わせる。
パルス変換ユニット15-3の第1偏光ビームスプリッタを透過するパルスと反射するパルスのビーム集光位置の調整を実施する。パルス変換ユニット15-1とパルス変換ユニット15-2とパルス変換ユニット15-3とで生じる8パルスのうち、パルス変換ユニット15-3で異なる光路を通る2パルスを用いる。ここでは、例としてパルス[1,0,0]とパルス[0,0,0]を用いる。所定シャッターを閉じて、パルス[1,0,0]とパルス[0,0,0]の2つのパルスを抽出し、それぞれ独立に蛍光ビーズ画像を取得する。蛍光ビーズ画像にずれがある場合、パルス変換ユニット15-3に設置された2枚のミラー(M1-3、M2-3)を用いて、パルス[1,0,0]の集光位置をパルス[0,0,0]に重ね合わせる。
上記3つのSTEP1~STEP3により、8パルスの集光位置を対物レンズ焦点面において重ね合わせる。重ね合わせ精度は、対物レンズ焦点面においてパルス[0,0,0]によって生成されるスポット径(点像強度分布関数)の半値全幅以下とすることが望ましい。より好ましくは、半値半幅以下とすることが望ましい。
経時変化などにより、対物レンズ焦点面における集光位置がずれた場合、取得画像は集光位置が異なるビームによって励起された蛍光の重ね合わせとなるため、空間分解能が悪化する。このような場合には、上述したようにビームのアライメントを実施する。
上記経時変化の対策として、ビームスポットのずれの有無を確認する機構を備えてもよい。具体的には、異なる光路を通ったパルス(異なる時間遅延を有するパルス)で回折限界以下の蛍光ビーズ画像を取得し、それらを比較して、スポットずれの有無を検知してもよい。検知には画像相関や重心位置解析等を用いてもよい。
図12は、第1実施形態に係る光学装置4の変形例を示す図である。図12に示す変形例の光学装置4Aは、図2に示す光学装置4と比較して、パルス変換ユニット15-1~15-3の配置順が異なり、その他の構成は同一である。図13は、光学装置4Aにおける各パルス変換ユニットにおける入射光・射出光の時間間隔と偏光の模式図を示す。
励起パルスの直線偏光の方向が時間的に連続するパルス毎に直交している場合、観察対象物において誘起される分極の方向がパルス毎に異なるため、光褪色の抑制に有用である。また、観察対象物Oの偏光依存性を平均化でき、観察対象物Oの配向に依らない信号検出が期待される。図12に示す光学装置4Aは、高繰り返し時において、励起パルスの直線偏光の方向を時間的に連続するパルス毎に直交させる。
光学装置4Aは、パルス光L1が入射する方向から、パルス変換ユニット15-2,パルス変換ユニット15-3,パルス変換ユニット15-1の順に配置されている。これにより、図13に示すように、光学装置4Aは、繰り返し周波数をfr×8に変換した場合(n=3)のパルスの偏光をパルス毎に直交させることが可能である。
図12に示す光学装置4Aの構成において、n=1とする場合には、1/2波長板30-1の角度θ1のみを第1角度範囲に設定し、1/2波長板30-2及び1/2波長板30-3の角度θ2,θ3を第2角度範囲に設定する。n=2とする場合には、1/2波長板30-1の角度θ1と1/2波長板30-3の角度θ3を第1角度範囲に設定し、1/2波長板30-2の角度θ2を第2角度範囲に設定する。これらの場合、パルスの間隔は等間隔ではなくなる。nを更に大きくしたい場合には、図12に示すパルス変換ユニット15-1の後段に更にパルス変換ユニットを追加してもよい。n=4とする場合には、パルス変換ユニット15-1の後段にTr/24の時間差を持つパルス変換ユニットを追加してもよい。このように、P偏光とS偏光との間に付与する時間差が最も短いパルス変換ユニットが、直列に配置されているパルス変換ユニットの最後に配置されてもよい。
なお、パルス光L1の繰り返し周波数frを変更する機能を備えず、特定の周波数に固定した光学装置4にしてもよい。その場合、例えば、fr×2倍専用で使用する場合、光学装置4は、光学ユニット20-3と、1/2波長板30-3とを有するパルス変換ユニット15-3のみを含み、1/2波長板30-3の角度θは、第1角度範囲(例えば22.5°)に固定設定する。
また、fr×4倍専用で使用する場合、光学装置4は、光学ユニット20-2と、1/2波長板30-2とを有するパルス変換ユニット15-2と、光学ユニット20-3と、1/2波長板30-3とを有するパルス変換ユニット15-3のみを含み、1/2波長板30-2及び1/2波長板30-3の角度θは、それぞれ第1角度範囲(例えば22.5°)に固定設定する。
さらに、fr×8倍専用で使用する場合、光学装置4は、光学ユニット20-1と、1/2波長板30-1とを有するパルス変換ユニット15-1と、光学ユニット20-2と、1/2波長板30-2とを有するパルス変換ユニット15-2と、光学ユニット20-3と、1/2波長板30-3とを有するパルス変換ユニット15-3とを含み、1/2波長板30-1、1/2波長板30-2及び1/2波長板30-3の角度θは、それぞれ第1角度範囲(例えば22.5°)に固定設定する。
なお、パルス光L1の繰り返し周波数frを変更する機能を備えず、特定の周波数に固定した光学装置4にしてもよい。その場合、例えば、fr×2倍専用で使用する場合、光学装置4は、光学ユニット20-3と、1/2波長板30-3とを有するパルス変換ユニット15-3のみを含み、1/2波長板30-3の角度θは、第1角度範囲(例えば22.5°)に固定設定する。
また、fr×4倍専用で使用する場合、光学装置4は、光学ユニット20-2と、1/2波長板30-2とを有するパルス変換ユニット15-2と、光学ユニット20-3と、1/2波長板30-3とを有するパルス変換ユニット15-3のみを含み、1/2波長板30-2及び1/2波長板30-3の角度θは、それぞれ第1角度範囲(例えば22.5°)に固定設定する。
さらに、fr×8倍専用で使用する場合、光学装置4は、光学ユニット20-1と、1/2波長板30-1とを有するパルス変換ユニット15-1と、光学ユニット20-2と、1/2波長板30-2とを有するパルス変換ユニット15-2と、光学ユニット20-3と、1/2波長板30-3とを有するパルス変換ユニット15-3とを含み、1/2波長板30-1、1/2波長板30-2及び1/2波長板30-3の角度θは、それぞれ第1角度範囲(例えば22.5°)に固定設定する。
[第2実施形態]
第2実施形態に係る顕微鏡は、図1に示す第1実施形態に係る顕微鏡1の光学装置4を図14に示す光学装置4Bに置き換えたものである。
第2実施形態に係る顕微鏡は、図1に示す第1実施形態に係る顕微鏡1の光学装置4を図14に示す光学装置4Bに置き換えたものである。
光学装置4Bは、光源2から出射されたパルス光L1の繰り返し周波数frを、繰り返し周波数frとは異なる繰り返し周波数に変換可能である。例えば、光学装置4Bは、繰り返し周波数frを、最大2n(nは1以上の整数)倍に変換する。例えば、光学装置4Bは、パルス光を、P偏光と、P偏光と直交するS偏光とに分割し、P偏光とS偏光との間に所定の光路長差を付与し、その光路長差を付与した後にP偏光とS偏光とを合波する一連の処理をn(nは1からnのいずれかの整数)回実行することにより、繰り返し周波数を2n倍に変換する。なお、光学装置4Bは、顕微鏡1に対して挿脱可能に構成されてもよい。
図14は、第2実施形態に係る光学装置4Bの構成例を示す図である。光学装置4Bは、例えば、n個のパルス変換ユニット15Bと、複数のミラーMBとを備える。図14に例示する光学装置4Bは、3個のパルス変換ユニット15B-1~15B-3と、2つのミラーMB1,MB2とを備える。
パルス変換ユニット15Bは、光学ユニット20Bと、1/2波長板30Bとを備える。光学ユニット20Bは、変換部の一例である。1/2波長板30Bは、切替部の一例である。光学ユニット20Bは、偏光ビームスプリッタ21Bと、光路長差付与部22Bとを備える。
偏光ビームスプリッタ21Bは、第1方向に偏光したパルス光を、P偏光とS偏光とに分割する。すなわち、偏光ビームスプリッタ21Bは、入射してきたパルス光が第1方向に偏光している場合には、当該パルス光のP偏光の成分を透過させ、当該パルス光のS偏光の成分を所定の方向に反射させる。偏光ビームスプリッタ21Bは、入射してきたパルス光が第1方向以外の第2方向に偏光している場合には、そのパルス光を分割しない。したがって、第2方向に偏光(例えばP偏光)しているパルス光は、偏光ビームスプリッタ21Bをそのまま透過する。また、偏光ビームスプリッタ21Bは、光路長差付与部22Bによって光路長差が付与された後のP偏光とS偏光とを合波することで繰り返し周波数が変更されたパルス光を形成する。換言すれば、偏光ビームスプリッタ21Bは、第1実施形態で説明した第1偏光ビームスプリッタ21の機能と第2偏光ビームスプリッタ23の機能とを有する。
光路長差付与部22Bは、偏光ビームスプリッタ21Bによって分割されたP偏光とS偏光との間に光路長差を付与する。例えば、光路長差付与部22Bは、第1光路24Bと、第2光路25Bとを含む。
第1光路24Bには、1/4波長板40Bと、ミラーMB11と、ミラーMB12とが設けられている。1/4波長板40Bは、偏光ビームスプリッタ21Bによって分割されたP偏光を円偏光に変換する。当該円偏光は、ミラーMB11とミラーMB12とによって反射して再び1/4波長板40Bに入射する。1/4波長板40Bに入射した円偏光は、1/4波長板40BによってS偏光に変換される。1/4波長板40Bによって変換されたS偏光は、偏光ビームスプリッタ21Bを反射して光学ユニット20Bから射出される。
第2光路25Bには、1/4波長板41Bと、ミラーMB13と、ミラーMB14とが設けられている。1/4波長板41Bは、偏光ビームスプリッタ21Bによって分割されたS偏光を円偏光に変換する。当該円偏光は、ミラーMB13とミラーMB14とによって反射して再び1/4波長板41Bに入射する。1/4波長板41Bに入射した円偏光は、1/4波長板41BによってP偏光に変換される。1/4波長板41Bによって変換されたP偏光は、偏光ビームスプリッタ21Bで透過して光学ユニット20Bから射出される。ここで、第2光路25Bの光路長は、第1光路24Bの光路長よりも短い。そのため、光路長差付与部22は、P偏光とS偏光との間に光路長差を付与することができる。
光路長差付与部22B-1は、偏光ビームスプリッタ21B-1によって分割されたP偏光とS偏光との間に第1光路長差を付与する。この第1光路長差によって、P偏光とS偏光との間には、(Tr/8)の時間差が付与される。
光路長差付与部22B-2は、偏光ビームスプリッタ21B-2によって分割されたP偏光とS偏光との間に第2光路長差を付与する。第2光路長差は、第1光路長差よりも大きい。この第2光路長差によって、P偏光とS偏光との間には、(Tr/4)の時間差が付与される。
光路長差付与部22B-3は、偏光ビームスプリッタ21Bによって分割されたP偏光とS偏光との間に第3光路長差を付与する。第3光路長差は、第2光路長差よりも大きい。この第3光路長差によって、P偏光とS偏光との間には、(Tr/2)の時間差が付与される。
1/2波長板30Bは、光学ユニット20Bのそれぞれにおいて、偏光ビームスプリッタ21Bに入射するパルス光の偏光方向を、第1方向と、第1方向とは異なる第2方向とのいずれかに変更する。1/2波長板30Bは、回転可能である。1/2波長板30Bが回転することによって、1/2波長板30Bに入射するパルス光の偏光方向と、1/2波長板30Bの光軸(遅軸又は速軸)との角度θBが変更される。例えば、1/2波長板30Bの回転によって、角度θBが第1角度範囲内である第1状態と、角度θBが第2角度範囲内である第2状態とを切り替えられる。角度θBが第1角度範囲である場合に、1/2波長板30Bから第1方向のパルス光が出射される。角度θBが第1角度範囲とは異なる第2角度範囲である場合に、第1方向とは異なる第2方向のパルス光が1/2波長板30Bから出射される。
1/2波長板30B-1は、偏光ビームスプリッタ21B-1の前段に設けられている。1/2波長板30B-1は、偏光ビームスプリッタ21B-1に入射されるパルス光を、第1方向と、第1方向とは異なる第2方向とのいずれかに変更する。1/2波長板30B-2は、偏光ビームスプリッタ21B-2の前段に設けられている。1/2波長板30B-2は、偏光ビームスプリッタ21B-1から射出されて偏光ビームスプリッタ21B-2に入射するパルス光を、第1方向と、第1方向とは異なる第2方向とのいずれかに変更する。1/2波長板30B-3は、偏光ビームスプリッタ21B-3の前段に設けられている。1/2波長板30B-3は、偏光ビームスプリッタ21B-2からに射出されて偏光ビームスプリッタ21B-3に入射するパルス光を、第1方向と、第1方向とは異なる第2方向とのいずれかに変更する。
1/2波長板30Bの角度設定により、光学ユニット20Bにパルス光L1の繰り返し周波数を変更させるか否か切り換え可能である。例えば、パルス光L1の繰り返し周波数frは、繰り返し周波数frに対して2の累乗を乗算した値に変更可能である。換言すれば、1/2波長板30Bの角度設定によりは、繰り返し周波数frを、繰り返し周波数frの1倍から2n倍の範囲で変更させるか否か切り換え可能である。図14に例示する構成ではn=3であるため、1/2波長板30Bの設定角度によって、光源2から出射されたパルス光L1の繰り返し周波数frを、fr×1倍,fr×2倍,fr×4倍,fr×8倍の4つの繰り返し周波数のいずれかに可変できる。
ミラーMB1は、パルス変換ユニット15B-1から射出されたパルス光をパルス変換ユニット15B-2に反射させる。ミラーMB2は、パルス変換ユニット15B-2から射出されたパルス光をパルス変換ユニット15B-3に反射させる。
制御部11は、1/2波長板30B-1~30B-3の回転を制御する。また、制御部11は、1/4波長板40B-1~1/4波長板40B-2の各回転と、1/4波長板41B-1~1/4波長板41B-3の各回転を制御してもよい。
第2実施形態に係る光学装置4Bは、第1実施形態と同様に、1/2波長板30B-1~30B-3の回転を制御することで、光源2から出射されたパルス光L1の繰り返し周波数frを、fr×1倍,fr×2倍,fr×4倍,fr×8倍の4つの繰り返し周波数のいずれかに可変できる。換言すれば、光学装置4Bでは、第1実施形態と同様に、1/2波長板30B-1~1/2波長板30B-3のそれぞれのなす角度θBが第1角度範囲と第2角度範囲のいずれかに切り替えられることで、光源2から出射されたパルス光L1の繰り返し周波数frを、fr×1倍,fr×2倍,fr×4倍,fr×8倍の4つの繰り返し周波数のいずれかに可変できる。なお、1/2波長板30Bによる繰り返し周波数の可変方法は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
以下に、第2実施形態に係る繰り返し周波数(1倍又はfr×2n)の変換方法の流れは、前述した図11に示す第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
第2実施形態に係る光学装置4Bは、光源2から出射されたパルス光Lの繰り返し周波数frを変換する光学ユニット20Bと、光学ユニット20Bで変換される繰り返し周波数(1倍又はfr×2n)を変更可能な1/2波長板30Bとを備える。このような構成により、第1実施形態と同様の効果を奏する他、第1実施形態と比較して、1つの光学ユニットあたりの偏光ビームスプリッタの数が1つ削減できるため、ロバスト性の向上に寄与する。
[第3実施形態]
第3実施形態に係る顕微鏡は、図1に示す第1実施形態に係る顕微鏡1の光学装置4を、図15に示す光学装置4Cに置き換えたものである。
第3実施形態に係る顕微鏡は、図1に示す第1実施形態に係る顕微鏡1の光学装置4を、図15に示す光学装置4Cに置き換えたものである。
光学装置4Cは、光源2から出射されたパルス光L1の繰り返し周波数frを、繰り返し周波数frとは異なる繰り返し周波数に変換可能である。例えば、光学装置4Cは、繰り返し周波数frを、最大2n(nは1以上の整数)倍に変換する。例えば、光学装置4Cは、パルス光を、P偏光と、P偏光と直交するS偏光とに分割し、P偏光とS偏光との間に所定の光路長差を付与し、その光路長差を付与した後にP偏光とS偏光とを合波する一連の処理をn(nは1からnのいずれかの整数)回実行することにより、繰り返し周波数を2n倍に変換する。なお、光学装置4Cは、顕微鏡1に対して挿脱可能に構成されてもよい。
図15は、第1実施形態に係る光学装置4Cの構成例を示す図である。光学装置4Cは、例えば、n個のパルス変換ユニット15Cと、複数のミラーMCとを備える。図15に例示する光学装置4Cは、3個のパルス変換ユニット15C-1~15C-3と、2つのミラーMC1,MC2とを備える。
パルス変換ユニット15Cは、光学ユニット20Cと、1/2波長板30Cとを備える。光学ユニット20Cは、変換部の一例である。1/2波長板30Cは、切替部の一例である。光学ユニット20Cは、偏光ビームスプリッタ21Cと、光路長差付与部22Cとを備える。
偏光ビームスプリッタ21Cは、第1方向に偏光したパルス光を、P偏光とS偏光とに分割する。すなわち、偏光ビームスプリッタ21Cは、入射したパルス光が第1方向に偏光している場合には、当該パルス光のP偏光成分を透過させ、当該パルス光のS偏光成分を所定の方向に反射させる。偏光ビームスプリッタ21Cは、入射したパルス光が第1方向以外の第2方向に偏光している場合には、そのパルス光を分割しない。従って、第2方向に偏光しているパルス光は、偏光ビームスプリッタ21Cをそのまま透過する。また、偏光ビームスプリッタ21Cは、光路長差付与部22Cによって光路長差が付与された後のP偏光とS偏光とを合波することで繰り返し周波数が変更されたパルス光を形成する。偏光ビームスプリッタ21Cは、第1実施形態の第1偏光ビームスプリッタ21の機能と第2偏光ビームスプリッタ23の機能とを有する。
光路長差付与部22Cは、偏光ビームスプリッタ21Cによって分割されたP偏光とS偏光との間に光路長差を付与する。例えば、光路長差付与部22Cは、光路24Cを含む。
光路24Cには、ミラーMC11と、ミラーMC12とが設けられている。偏光ビームスプリッタ21Cを透過したP偏光は、光路24Cを伝搬し、ミラーMC11とミラーMC12とによって反射して再び偏光ビームスプリッタ21Cに入射し、透過する。この伝搬によって、光路24CによってS偏光とP偏光との間に光路差が付与され、この光路差によってS偏光とP偏光との間に所定の時間差が付与される。
光路長差付与部22C-1は、偏光ビームスプリッタ21C-1によって分割されたP偏光とS偏光との間に第1光路長差を付与する。第1光路長差によって、P偏光とS偏光との間には、(Tr/8)の時間差が付与される。
光路長差付与部22C-2は、偏光ビームスプリッタ21C-2によって分割されたP偏光とS偏光との間に第2光路長差を付与する。第2光路長差は、第1光路長差よりも大きい。この第2光路長差によって、P偏光とS偏光との間には、(Tr/4)の時間差が付与される。
光路長差付与部22C-3は、偏光ビームスプリッタ21C-3によって分割されたP偏光とS偏光との間に第3光路長差を付与する。第3光路長差は、第2光路長差よりも大きい。この第3光路長差によって、P偏光とS偏光との間には、(Tr/2)の時間差が付与される。
1/2波長板30Cは、光学ユニット20Cのそれぞれにおいて、偏光ビームスプリッタ21Cに入射するパルス光の偏光方向を、第1方向と、第1方向とは異なる第2方向とのいずれかに変更する。1/2波長板30Cは、回転可能である。1/2波長板30Cが回転することによって、1/2波長板30Cの角度θCが変更される。
例えば、1/2波長板30Cの回転によって、角度θCが第1角度範囲内である第1状態と、角度θCが前記第2角度範囲内である第2状態とを切り替えられる。角度θCが第1角度範囲である場合に、1/2波長板30Cから第1方向のパルス光が出射される。角度θCが第1角度範囲とは異なる第2角度範囲である場合に、第1方向とは異なる第2方向のパルス光が1/2波長板30から出射される。
1/2波長板30C-1は、偏光ビームスプリッタ21C-1の前段に設けられている。1/2波長板30C-1は、偏光ビームスプリッタ21C-1に入射されるパルス光の偏光方向を、第1方向と、第1方向とは異なる第2方向とのいずれかに変更する。
1/2波長板30C-2は、偏光ビームスプリッタ21C-2の前段に設けられている。1/2波長板30C-2は、偏光ビームスプリッタ21C-1から射出されて偏光ビームスプリッタ21C-2に入射するパルス光の偏光方向を、第1方向と、第1方向とは異なる第2方向とのいずれかに変更する。
1/2波長板30C-3は、偏光ビームスプリッタ21C-3の前段に設けられている。1/2波長板30C-3は、偏光ビームスプリッタ21C-2からに射出されて偏光ビームスプリッタ21C-3に入射するパルス光の偏光方向を、第1方向と、第1方向とは異なる第2方向とのいずれかに変更する。
1/2波長板30Cの角度設定により、光学ユニット20Cにパルス光L1の繰り返し周波数を変更させるか否か切り換え可能である。例えば、パルス光L1の繰り返し周波数frは、繰り返し周波数frに対して2の累乗を乗算した値に変更可能である。換言すれば、1/2波長板30Cの角度設定により、繰り返し周波数frは、繰り返し周波数frの1倍から2n倍の範囲で変更可能である。図15に例示する構成ではn=3であるため、1/2波長板30Cの設定角度によって、光源2から出射されたパルス光L1の繰り返し周波数frを、fr×1倍,fr×2倍,fr×4倍,fr×8倍の4つの繰り返し周波数のいずれかに可変できる。
ミラーMC1は、パルス変換ユニット15C-1から射出されたパルス光をパルス変換ユニット15C-2に反射させる。ミラーMC2は、パルス変換ユニット15C-2から射出されたパルス光をパルス変換ユニット15C-3に反射させる。
第3実施形態に係る光学装置4Cは、第1実施形態と同様に、1/2波長板30C-1~1/2波長板30C-3の回転を制御することで、光源2から出射されたパルス光L1の繰り返し周波数frを、fr×1倍,fr×2倍,fr×4倍,fr×8倍の4つの繰り返し周波数の中で可変できる。換言すれば、光学装置4Cでは、第1実施形態と同様に、1/2波長板30C-1~30C-3のそれぞれの角度θCが第1角度範囲と第2角度範囲のいずれかに切り替えられることで、光源2から出射されたパルス光L1の繰り返し周波数frを、fr×1倍,fr×2倍,fr×4倍,fr×8倍の4つの繰り返し周波数のいずれかに可変できる。
なお、1/2波長板30Cによる繰り返し周波数の可変方法は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。また、第3実施形態に係る繰り返し周波数(1倍又はfr×2n)の変換方法の流れは、図11に示す第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
第3実施形態に係る光学装置4Cは、光源2から出射されたパルス光Lの繰り返し周波数frを変換する光学ユニット20Cと、光学ユニット20Cで変換される繰り返し周波数(1倍又はfr×2n)を変更可能な1/2波長板30Cとを備える。このような構成により、第1実施形態と同様の効果を奏する他、第1実施形態と比較して1つの光学ユニットあたりの偏光ビームスプリッタの数が1つ削減し、第2実施形態と比較して1/4波長板40Bを削減できるため、ロバスト性の向上に寄与する。
[第4実施形態]
第4実施形態に係る顕微鏡では、図1に示す第1実施形態に係る顕微鏡1の光学装置4を、図16に示す光学装置4Dに置き換えたものである。
第4実施形態に係る顕微鏡では、図1に示す第1実施形態に係る顕微鏡1の光学装置4を、図16に示す光学装置4Dに置き換えたものである。
光学装置4Dは、光源2から出射されたパルス光L1の繰り返し周波数frを、繰り返し周波数frとは異なる繰り返し周波数に変換可能である。例えば、光学装置4Dは、繰り返し周波数frを、最大2n(nは1以上の整数)倍に変換する。例えば、光学装置4Dは、パルス光を、P偏光と、P偏光と直交するS偏光とに分割し、P偏光とS偏光との間に所定の光路長差を付与し、その光路長差を付与した後にP偏光とS偏光とを合波する一連の処理をn(nは1からnのいずれかの整数)回実行することにより、繰り返し周波数を2n倍に変換する。なお、光学装置4Dは、顕微鏡1に対して挿脱可能に構成されてもよい。
光学装置4Dにおけるパルス高繰り返しの原理は、第1実施形態と同様である。ただし、第4実施形態に係る光学装置4Dでは、第1実施形態のn個の第1偏光ビームスプリッタ21-1~21-nを1つの第1偏光ビームスプリッタ21Dで共通化し、第1実施形態のn個の第2偏光ビームスプリッタ23-1~23-nを1つの第2偏光ビームスプリッタ23Dで共通化している点で異なる。
図16及び図17は、第4実施形態に係る光学装置4Dの構成例を示す図である。図16は、光学装置4Dを上方(Y方向)から見た模式図である。図17は、光学装置4Dを正面(Z方向)から見た模式図である。図16及び図17に例示する光学装置4Dは、3個のパルス変換ユニット15D-1~15D-3と、2つのルーフミラーRM1,RM2とを備える。
各パルス変換ユニット15D-1~15D-3の光路は、互いに高さが異なっている。パルス変換ユニット15D-1は最も低い光路に位置している。パルス変換ユニット15D-1から射出したパルス光は、ルーフミラーRM1にて反射し、光路が高くなる。その後、そのパルス光は、パルス変換ユニット15D-2に入射する。パルス変換ユニット15D-2を射出したパルス光はルーフミラーRM2にて反射し、光路が高くなる。その後、そのパルス光は、パルス変換ユニット15D-3に入射する。
パルス変換ユニット15D-1は、光学ユニット20D-1と、1/2波長板30D-1とを備える。光学ユニット20D-1は、第1偏光ビームスプリッタ21Dと、光路長差付与部22D-1と、第2偏光ビームスプリッタ23Dとを備える。光学ユニット20D-1は、変換部の一例である。1/2波長板30D-1は、切替部の一例である。
第1偏光ビームスプリッタ21Dは、第1方向に偏光したパルス光L1を、P偏光とS偏光とに分割する。第1偏光ビームスプリッタ21Dは、入射したパルス光L1が第1方向に偏光している場合には、当該パルス光L1のP偏光成分を透過させ、パルス光L1のS偏光成分を所定の方向に反射させる。第1偏光ビームスプリッタ21Dは、入射したパルス光L1が第1方向以外の第2方向に偏光している場合には、そのパルス光L1を分割しない。したがって、第2方向に偏光(P偏光)しているパルス光L1は、分割されずに偏光ビームスプリッタ21D-1をそのまま透過する。
光路長差付与部22D-1は、第1偏光ビームスプリッタ21Dによって分割されたP偏光とS偏光との間に第1光路長差を付与する。例えば、光路長差付与部22D-1は、第1光路24D-1と、第2光路25D-1とを含む。
第1光路24D-1は、第1偏光ビームスプリッタ21Dを透過したP偏光が第2偏光ビームスプリッタ23Dに到達するまでに伝搬する経路である。換言すれば、第1偏光ビームスプリッタ21Dを透過したP偏光は、第1光路24D-1を伝搬して第2偏光ビームスプリッタ23Dに入射する。
第2光路25D-1は、第1偏光ビームスプリッタ21Dによって反射されたS偏光が第2偏光ビームスプリッタ23Dに到達するまでに伝搬する経路である。第2光路25Dには、2つのミラーDM1が設けられている。ミラーDM1は、例えば、半円状の形状である。第1偏光ビームスプリッタ21Dによって分割されたS偏光は、2つのミラーDM1で反射されて第2偏光ビームスプリッタ23Dに入射する。ここで、第2光路25D-1の光路長は、第1光路24D-1の光路長よりも長い。そのため、光路長差付与部22D-1は、P偏光とS偏光との間に第1光路長差を付与することができる。
第2偏光ビームスプリッタ23Dは、光路長差付与部22-1によって第1光路長差が付与された後のP偏光とS偏光とを合波することで繰り返し周波数が変更されたパルス光を形成する。P偏光とS偏光との間に第1光路長差を付与されている場合には、P偏光とS偏光との間とが第2偏光ビームスプリッタ23Dに伝搬するまでの間において、P偏光とS偏光との間に(Tr/8)の時間差が付与される。従って、第2偏光ビームスプリッタ23DによってP偏光とS偏光とが同軸に合波された場合に、その合波されたパルス光の繰り返し周波数は、第1偏光ビームスプリッタ21Dに入射したパルス光L1の繰り返し周波数よりも高い。
ルーフミラーRM1は、例えば二つの反射面を有しており、第2偏光ビームスプリッタ23Dから射出されたパルス光を2回反射させることで180°折り曲げる。ルーフミラーRM1によって折り曲げられたパルス光は、パルス変換ユニット15D-2に入射する。このように、ルーフミラーRM1に入射したパルス光は、2回反射を経てルーフミラーRM1からパルス変換ユニット15D-2に入射する。
パルス変換ユニット15D-2は、光学ユニット20D-2と、1/2波長板30D-2とを備える。光学ユニット20D-2は、第1偏光ビームスプリッタ21Dと、光路長差付与部22D-2と、第2偏光ビームスプリッタ23Dとを備える。光学ユニット20D-2は、変換部の一例である。1/2波長板30D-2は、切替部の一例である。
第2偏光ビームスプリッタ23Dには、ルーフミラーRM1からのパルス光が1/2波長板30D-2を介して入射する。第2偏光ビームスプリッタ23Dは、1/2波長板30D-2から入射したパルス光が第1方向に偏光している場合には、P偏光とS偏光とに分割する。すなわち、第2偏光ビームスプリッタ23Dは、1/2波長板30D-2から入射したパルス光が第1方向に偏光している場合には、当該パルス光のP偏光を透過させ、S偏光成分を所定の方向に反射させる。第2偏光ビームスプリッタ23Dは、1/2波長板30D-2から入射したパルス光が第1方向以外の第2方向に偏光している場合には、そのパルス光を分割しない。したがって、第2方向に偏光(P偏光)しているパルス光は、分割されずに第2偏光ビームスプリッタ23Dをそのまま透過する。
光路長差付与部22D-2は、第1偏光ビームスプリッタ21Dによって分割されたP偏光とS偏光との間に第2光路長差を付与する。例えば、光路長差付与部22D-2は、第1光路24D-2と、第2光路25D-2とを含む。
第1光路24D-2は、第2偏光ビームスプリッタ23Dを透過したP偏光が第1偏光ビームスプリッタ21Dに到達するまでに伝搬する経路である。換言すれば、第2偏光ビームスプリッタ23Dを透過したP偏光は、第1光路24D-2を伝搬して第1偏光ビームスプリッタ21Dに入射する。
第2光路25D-2は、第2偏光ビームスプリッタ23Dによって反射されたS偏光が第1偏光ビームスプリッタ21Dに到達するまでに伝搬する経路である。第2光路25D-2には、2つのミラーDM2と、1つのミラーMD1とが設けられている。ミラーDM2は、例えば、半円状の形状である。第2偏光ビームスプリッタ23Dによって分割されたS偏光は、2つのミラーDM2と1つのミラーMD1とで反射されて第1偏光ビームスプリッタ21Dに入射する。ここで、第2光路25D-2の光路長は、第1光路24D-2の光路長よりも長い。そのため、光路長差付与部22D-2は、P偏光とS偏光との間に第2光路長差を付与することができる。
第1偏光ビームスプリッタ21Dは、光路長差付与部22D-2によって第2光路長差が付与された後のP偏光とS偏光とを合波することで繰り返し周波数が変更されたパルス光を形成する。このP偏光とS偏光との間には、第2光路長差を付与されているため、P偏光とS偏光との間とが第1偏光ビームスプリッタ21Dに伝搬するまでの間において、P偏光とS偏光との間に(Tr/4)の時間差が付与される。
ルーフミラーRM2は、例えば二つの反射面を有しており、第1偏光ビームスプリッタ21Dから射出されたパルス光を2回反射させることで180°折り曲げる。ルーフミラーRM2によって折り曲げられたパルス光は、パルス変換ユニット15D-3に入射する。このように、ルーフミラーRM2に入射したパルス光は、2回反射を経てルーフミラーRM2からパルス変換ユニット15D-3に入射する。
パルス変換ユニット15D-3は、光学ユニット20D-3と、1/2波長板30D-3とを備える。光学ユニット20D-3は、第1偏光ビームスプリッタ21Dと、光路長差付与部22D-3と、第2偏光ビームスプリッタ23Dとを備える。光学ユニット20D-2は、変換部の一例である。1/2波長板30D-2は、切替部の一例である。
第1偏光ビームスプリッタ21Dには、ルーフミラーRM2からのパルス光が1/2波長板30D-3を介して入射する。第1偏光ビームスプリッタ21Dは、1/2波長板30D-3から入射したパルス光が第1方向に偏光している場合には、P偏光とS偏光とに分割する。すなわち、第1偏光ビームスプリッタ21Dは、1/2波長板30D-3から入射したパルス光が第1方向に偏光している場合には、当該パルス光のP偏光を透過させ、S偏光を所定の方向に反射させる。第1偏光ビームスプリッタ21Dは、1/2波長板30D-3から入射したパルス光が第1方向以外の第2方向に偏光している場合には、そのパルス光を分割しない。したがって、第2方向に偏光(P偏光)しているパルス光は、分割されずに第1偏光ビームスプリッタ21Dをそのまま透過する。
光路長差付与部22D-3は、第1偏光ビームスプリッタ21D-3によって分割されたP偏光とS偏光との間に第3光路長差を付与する。例えば、光路長差付与部22D-3は、第1光路24D-3と、第2光路25D-3とを含む。
第1光路24D-3は、第1偏光ビームスプリッタ21Dを透過したP偏光が第2偏光ビームスプリッタ23Dに到達するまでに伝搬する経路である。換言すれば、第1偏光ビームスプリッタ21Dを透過したP偏光は、第1光路24D-3を伝搬して第2偏光ビームスプリッタ23Dに入射する。
第2光路25D-3は、第1偏光ビームスプリッタ21D-3によって反射されたS偏光が第2偏光ビームスプリッタ23Dに到達するまでに伝搬する経路である。第2光路25Dには3つのミラーMD2が設けられている。第1偏光ビームスプリッタ21Dによって分割されたS偏光は、3つのミラーMD2で反射されて第2偏光ビームスプリッタ23Dに入射する。ここで、第2光路25D-3の光路長は、第1光路24D-3の光路長よりも長い。そのため、光路長差付与部22D-3は、P偏光とS偏光との間に第3光路長差を付与することができる。
第2偏光ビームスプリッタ23Dは、光路長差付与部22-3によって第3光路長差が付与された後のP偏光とS偏光とを合波することで繰り返し周波数が変更されたパルス光を形成する。P偏光とS偏光との間に第3光路長差を付与されている場合には、P偏光とS偏光との間に(Tr/2)の時間差が付与される。
第1偏光ビームスプリッタ21Dは、直方体の形状を有する。第1偏光ビームスプリッタ21Dの長手方向(Y方向)にパルス変換ユニット15Dが積み重なっている。第1偏光ビームスプリッタ21Dにおけるパルス光の伝搬によって生じるGDDを最小化するために、第1偏光ビームスプリッタ21Dにおける、パルス光の入射方向と、入射したパルス光が反射する反射方向のサイズは、ビーム径に合わせてなるべく小さく設定することが望ましい。
第2偏光ビームスプリッタ23Dは、直方体の形状を有する。第2偏光ビームスプリッタ23Dの長手方向(Y方向)にパルス変換ユニット15Dが積み重なっている。第2偏光ビームスプリッタ23Dにおけるパルス光の伝搬によって生じるGDDを最小化するために、第2偏光ビームスプリッタ23Dにおける、パルス光の入射方向と、入射したパルス光が反射する反射方向のサイズは、ビーム径に合わせてなるべく小さく設定することが望ましい。
以下に、第4実施形態に係る繰り返し周波数の変換方法について説明する。光学装置4Dに入射したパルス光L1の繰り返し周波数frをfr×1に変更する場合には、1/2波長板30D-1、1/2波長板30D-2、及び1/2波長板30D-3のすべての角度θDは、第2角度範囲に設定される。従って、光源2から出射されたパルス光L1は、第1偏光ビームスプリッタ21Dにおいて分割されない。すなわち、パルス光L1は、光学ユニット20D-1~20D-3による光分岐と時間遅延付与とが生じず、パルス光L1の繰り返し周波数frが保持される。従って、パルス光L1がパルス光L2として光学装置4Dから出力される。
次に、繰り返し周波数を2倍に変換する方法について説明する。光学装置4Dに入射したパルス光L1の繰り返し周波数frをfr×2、すなわち21倍(n=1)に変更する場合には、1/2波長板30D-1及び1/2波長板30D-2の角度θDは、第2角度範囲に設定されている。一方、1/2波長板30D-3の角度θDは、第1角度範囲に設定される。この場合には、光源2から照射されたパルス光L1は、パルス変換ユニット15D-1及びパルス変換ユニット15D-2のいずれにも分割されずに透過する。すなわち、光学ユニット20D-1及び光学ユニット20D-2による光分岐と時間遅延付与が生じず、光学ユニット20D-1及び光学ユニット20D-2から射出するパルス光の繰り返し周波数は、光源2から照射されたパルス光L1の繰り返し周波数frが保持されている。また、光学ユニット20D-1及び光学ユニット20D-2から射出するパルス光の偏光状態も、パルス光L1と同様にP偏光のままである。
ただし、1/2波長板30D-3から出力されるパルス光L1の偏光は45°の直線偏光となる。そのため、1/2波長板30D-3から出力されるパルス光、すなわち45°の直線偏光のうち、P偏光が第1偏光ビームスプリッタ21Dを透過し、S偏光が第1偏光ビームスプリッタ21Dで反射する。第1偏光ビームスプリッタ21Dを透過したP偏光は、第1光路24D-3を伝搬して第2偏光ビームスプリッタ23Dに入射する。一方、第1偏光ビームスプリッタ21Dで反射したS偏光が第2光路25D-3を伝搬して第2偏光ビームスプリッタ23Dに入射する。ここで、第1偏光ビームスプリッタ21D及び第2偏光ビームスプリッタ23Dは、長手方向(Y方向)がパルス変換ユニット15Dの位置に対応しているので、第2光路25D-3を通るS偏光は、ミラーDM1及びミラーDM2を避けることができる。
第1光路24D-3を伝搬したP偏光と、第2光路25D-3を伝搬したS偏光との間には、第3光路差に応じた時間差、すなわちTr/2の時間差が付与される。第2偏光ビームスプリッタ23Dは、入射したP偏光とS偏光とを合波することで、繰り返し周波数が(fr×2)であるパルス光を生成する。この繰り返し周波数が(fr×2)であるパルス光は、パルス光L2として光学装置4Dから出力される。すなわち、光学装置4Dから、パルス間隔が(Tr/2)であるパルス光がパルス光L2として射出される。
次に、繰り返し周波数を4倍に変換する方法について説明する。光学装置4Dに入射したパルス光L1の繰り返し周波数frをfr×4、すなわち22倍(n=2)に変更する場合には、1/2波長板30D-1の角度θDは、第2角度範囲に設定されている。一方、1/2波長板30D-2及び1/2波長板30D-3の角度θDは、第1角度範囲に設定される。この場合には、光源2から照射されたパルス光L1は、パルス変換ユニット15D-1では分割されずに透過する。すなわち、光学ユニット20D-1による光分岐と時間遅延付与が生じず、光学ユニット20D-1から射出するパルス光の繰り返し周波数は、光源2から照射されたパルス光L1の繰り返し周波数frが保持される。また、光学ユニット20D-1から射出するパルス光の偏光状態も、パルス光L1と同様にP偏光のままである。
ただし、1/2波長板30D-2を通過した直後のパルス光の偏光は45°の直線偏光となる。そのため、1/2波長板30D-2から出力されるパルス光、すなわち45°の直線偏光のうち、P偏光が第2偏光ビームスプリッタ23Dを透過し、S偏光が第2偏光ビームスプリッタ23Dで反射する。第2偏光ビームスプリッタ23Dを透過したP偏光は、第1光路24D-2を伝搬して第1偏光ビームスプリッタ21Dに入射する。一方、第2偏光ビームスプリッタ23Dで反射したS偏光が第2光路25D-2を伝搬して第1偏光ビームスプリッタ21Dに入射する。ここで、第1偏光ビームスプリッタ21D及び第2偏光ビームスプリッタ23Dは、長手方向(Y方向)がパルス変換ユニット15Dの位置に対応しているので、第2光路25D-2を通るS偏光は、ミラーDM1を避けることができる。
第1光路24D-2を伝搬したP偏光と、第2光路25D-2を伝搬したS偏光との間には、第2光路差に応じた時間差、すなわちTr/4の時間差が付与される。第1偏光ビームスプリッタ21Dは、入射したP偏光とS偏光とを合波することでパルス光を生成する。第1偏光ビームスプリッタ21Dによって生成されたパルス光は、1/2波長板30D-3に入射する。当該パルス光が1/2波長板30D-3を通過すると、その通過した後のパルス光の偏光は、それぞれ+45°の直線偏光と-45°の直線偏光となる。
時間的に先行する+45°の直線偏光のうち、P偏光の成分は、第1偏光ビームスプリッタ21Dを透過して第1光路24D-3を伝搬する。+45°の直線偏光のうち、S偏光の成分は、第1偏光ビームスプリッタ21Dで反射し、第2光路25D-3を伝搬する。また、-45°の直線偏光のうち、P偏光の成分は、第1偏光ビームスプリッタ21Dを透過して第1光路24D-3を伝搬する。-45°の直線偏光のうち、S偏光の成分は、第1偏光ビームスプリッタ21Dで反射し、第2光路25D-3を伝搬する。従って、従って、第1光路24D-3を伝搬したP偏光と、第2光路25D-3を伝搬したS偏光との間には、(Tr/2)の時間差が付与される。第2偏光ビームスプリッタ23Dは、入射した2つのP偏光と、2つのS偏光とを合波することで、繰り返し周波数が(fr×4)であるパルス光を生成する。すなわち、光学装置4Dから、パルス間隔が(Tr/4)であるパルス光がパルス光L2として射出される。
光学装置4Dに入射したパルス光L1の繰り返し周波数frをfr×8、すなわち23倍(n=3)に変更する場合には、1/2波長板30D-1、1/2波長板30D-2、及び1/2波長板30D-3のすべての角度θDは、第1角度範囲に設定されている。
1/2波長板30D-1を通過した直後のパルス光Lの偏光は45°の直線偏光となる。そのため、1/2波長板30D-1から出力されるパルス光、すなわち45°の直線偏光のうち、P偏光の成分が第1偏光ビームスプリッタ21Dを透過し、S偏光の成分が第1偏光ビームスプリッタ21Dで反射する。第1偏光ビームスプリッタ21Dを透過したP偏光は、第1光路24D-1を伝搬して第2偏光ビームスプリッタ23Dに入射する。一方、第1偏光ビームスプリッタ21Dで反射したS偏光が第2光路25D-1を伝搬して第2偏光ビームスプリッタ23Dに入射する。従って、第1光路24D-1を伝搬したP偏光と第2光路25D-1を伝搬したS偏光との間には、第1光路差に応じた時間差、すなわちTr/8の時間差が付与される。
第2偏光ビームスプリッタ23Dは、第1光路差が付与されたP偏光とS偏光とを合波することでパルス光を生成する。このパルス光は、ルーフミラーRM1を介して1/2波長板30D-2に入射する。1/2波長板30D-2の角度θDが第1角度範囲であるため、1/2波長板30D-2を通過した後のパルス光の偏光は、それぞれ+45°の直線偏光と-45°の直線偏光となる。
時間的に先行する+45°の直線偏光のうち、P偏光の成分は、第2偏光ビームスプリッタ23Dを透過して第1光路24D-2を伝搬する。+45°の直線偏光のうち、S偏光の成分は、第2偏光ビームスプリッタ23Dで反射し、第2光路25D-2を伝搬する。また、-45°の直線偏光のうち、P偏光の成分は、第2偏光ビームスプリッタ23Dを透過して第1光路24D-2を伝搬する。-45°の直線偏光のうち、S偏光の成分は、第2偏光ビームスプリッタ23Dで反射し、第2光路25D-2を伝搬する。従って、第2偏光ビームスプリッタ23Dによって分割されたP偏光とS偏光との間には、(Tr/4)の時間差が付与される。第1偏光ビームスプリッタ21Dは、入射した2つのP偏光と2つのS偏光とを合波することでパルス光を生成する。第1偏光ビームスプリッタ21Dによって生成されたパルス光は、ルーフミラーRM2を介して1/2波長板30D-3に入射する。
第1偏光ビームスプリッタ21Dによって生成されたパルス光が1/2波長板30D-3を通過すると、その通過したパルス光の偏光は、P偏光とS偏光とが互いに直交する45°偏光となる。すなわち、1/2波長板30D-3を通過した後のパルス光において、時間的に先行する2つのパルスが、+45°の直線偏光であり、時間的に遅れている2つのパルスが-45°の直線偏光である。
時間的に先行する+45°の2つの直線偏光のそれぞれにおいて、P偏光の成分が第1偏光ビームスプリッタ21Dを透過して第1光路24D-3を伝搬し、S偏光の成分が第1偏光ビームスプリッタ21Dで反射して第2光路25D-3を伝搬する。また、時間的に遅れている-45°の直線偏光のそれぞれにおいて、P偏光の成分が第1偏光ビームスプリッタ21Dを透過して第1光路24D-3を伝搬し、S偏光の成分が第1偏光ビームスプリッタ21Dで反射して第2光路25D-3を伝搬する。従って、第1光路24D-3を伝搬したP偏光と第2光路25D-3を伝搬したS偏光との間には、(Tr/2)の時間差が付与される。
第2偏光ビームスプリッタ23Dは、入射した4つのP偏光と4つのS偏光とを合波することで、繰り返し周波数が(fr×8)であるパルス光を生成する。すなわち、光学装置4Dから、パルス間隔が(Tr/8)であるパルス光がパルス光L2として射出される。
以下に、第4実施形態に係る繰り返し周波数(1倍又はfr×2n)の変換方法の流れは、前述した図11に示す第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
第4実施形態に係る光学装置4Dは、光源2から出射されたパルス光Lの繰り返し周波数frを変換する光学ユニット20Dと、光学ユニット20Dで変換される繰り返し周波数(1倍又はfr×2n)を変更可能な1/2波長板30Dとを備える。このような構成により、第1実施形態と同様の効果を奏する他、第1実施形態と比較して1つの光学ユニットあたりの偏光ビームスプリッタの数が1つ削減し、第2実施形態と比較して、パルス変換ユニット15Dに用いられる光学素子数を低減することができ、ロバスト性の向上及びコストダウンに寄与する。
[第5実施形態]
第5実施形態に係る顕微鏡では、図1に示す第1実施形態に係る顕微鏡1の光学装置4を、図18に示す光学装置4Eに置き換えたものである。なお、第5実施形態に係る光学装置4Eの繰り返し周波数の変換方法の原理は、第2実施形態に係る繰り返し周波数の変換方法と同じである。光学装置4Eは、第2実施形態の光学装置4Aの構成と等価であるが、複数のパルス変換ユニットに含まれる偏光ビームスプリッタ及び1/4波長板を共通化している点で第2実施形態と異なる。
第5実施形態に係る顕微鏡では、図1に示す第1実施形態に係る顕微鏡1の光学装置4を、図18に示す光学装置4Eに置き換えたものである。なお、第5実施形態に係る光学装置4Eの繰り返し周波数の変換方法の原理は、第2実施形態に係る繰り返し周波数の変換方法と同じである。光学装置4Eは、第2実施形態の光学装置4Aの構成と等価であるが、複数のパルス変換ユニットに含まれる偏光ビームスプリッタ及び1/4波長板を共通化している点で第2実施形態と異なる。
光学装置4Eは、光源2から出射されたパルス光L1の繰り返し周波数frを、繰り返し周波数frとは異なる繰り返し周波数に変換可能である。例えば、光学装置4Eは、繰り返し周波数frを、最大2n(nは1以上の整数)倍に変換する。例えば、光学装置4Eは、パルス光を、P偏光と、P偏光と直交するS偏光とに分割し、P偏光とS偏光との間に所定の光路長差を付与し、その光路長差を付与した後にP偏光とS偏光とを合波する一連の処理をn(nは1からnのいずれかの整数)回実行することにより、繰り返し周波数を2n倍に変換する。なお、光学装置4Eは、顕微鏡1に対して挿脱可能に構成されてもよい。
図18は、第5実施形態に係る光学装置4Eの構成例を示す図である。図18に例示する光学装置4Eは、3個のパルス変換ユニット15E-1~15E-3を備える。
パルス変換ユニット15E-1は、光学ユニット20E-1と、1/2波長板30E-1とを備える。光学ユニット20E-1は、偏光ビームスプリッタ21Eと、光路長差付与部22E-1とを備える。光学ユニット20E-1は、変換部の一例である。1/2波長板30E-1は、切替部の一例である。
パルス変換ユニット15E-2は、光学ユニット20E-2と、1/2波長板30E-2とを備える。光学ユニット20E-2は、偏光ビームスプリッタ21Eと、ミラーMb1,Mb1と、光路長差付与部22E-2とを備える。光学ユニット20E-2は、変換部の一例である。1/2波長板30E-2は、切替部の一例である。
パルス変換ユニット15E-3は、光学ユニット20E-3と、1/2波長板30E-2とを備える。光学ユニット20E-3は、偏光ビームスプリッタ21Eと、ミラーMg1,Mg2と、光路長差付与部22E-3とを備える。光学ユニット20E-3は、変換部の一例である。
偏光ビームスプリッタ21Eは、第1方向に偏光したパルス光を、P偏光とS偏光とに分割する。偏光ビームスプリッタ21Eは、入射したパルス光が第1方向に偏光している場合には、そのパルス光のP偏光を透過させ、S偏光を所定の方向に反射させる。偏光ビームスプリッタ21Eは、入射したパルス光が第1方向以外の第2方向に偏光している場合には、そのパルス光を分割しない。したがって、第2方向に偏光しているパルス光(P偏光)は、分割されずに偏光ビームスプリッタ21Eをそのまま透過する。
また、偏光ビームスプリッタ21Eは、光路長差が付与された後のP偏光とS偏光とを合波することで繰り返し周波数が変更されたパルス光を形成する。なお、パルス変換ユニット15E-1~15E-3において、パルス光をP偏光とS偏光とに分割し、且つ、光路差が付与されたP偏光とS偏光とを合波する偏光ビームスプリッタは、偏光ビームスプリッタ21Eとして共通化されている。例えば、偏光ビームスプリッタ21Eは、直方体の形状を有する。偏光ビームスプリッタ21Eの長手方向にパルス変換ユニット15Eが積み重なっている。
光路長差付与部22E-1は、偏光ビームスプリッタ21Eによって分割されたP偏光とS偏光との間に第1光路長差を付与する。この第1光路長差によって、P偏光とS偏光との間には、(Tr/8)の時間差が付与される。例えば、光路長差付与部22E-1は、第1光路24Eと、第2光路25E-1とを含む。
第1光路24Eは、偏光ビームスプリッタ21Eを透過したP偏光のパルス光が伝搬する経路である。第1光路24E-1には、1/4波長板40E-1と、ミラーME1とが設けられている。偏光ビームスプリッタ21Eを透過したP偏光のパルス光は、1/4波長板40E-1によって円偏光に変換される。1/4波長板40E-1によって変換された円偏光は、ミラーME1で反射して再度、1/4波長板40-1に入射する。ミラーME1で反射して1/4波長板40-1に入射した円偏光は、S偏光のパルス光に変換されて偏光ビームスプリッタ21Eに入射する。
第2光路25E-1は、偏光ビームスプリッタ21Eによって反射されたS偏光が偏光ビームスプリッタ21Eに到達するまでに伝搬する経路である。第2光路25E-1には、1/4波長板40E-2と、ミラーDM1とが設けられている。偏光ビームスプリッタ21Eによって分割されたS偏光は、1/4波長板40E-2によって円偏光に変換される。1/4波長板40E-2によって変換された円偏光は、ミラーDM1で反射して再度、1/4波長板40E-2に入射する。ミラーDM1で反射して1/4波長板40-2に入射した円偏光は、P偏光のパルス光に変換されて偏光ビームスプリッタ21Eに入射する。ここで、第2光路25E-1の光路長は、第1光路24E-1の光路長よりも長い。そのため、光路長差付与部22E-1は、P偏光とS偏光との間に第1光路長差を付与することができる。
ミラーMb1は、偏光ビームスプリッタ21Eから射出されたパルス光をミラーMb2に向けて反射させる。ミラーMb2は、ミラーMb1よりも高い位置に配置されている。従って、ミラーMb1は、入射したパルス光を、例えば、斜め上方に配置されているミラーMb2に向けて反射させる。ミラーMb2は、1/2波長板30E-2を通過した、ミラーMb1からのパルス光を偏光ビームスプリッタ21Eに向けて反射させる。
光路長差付与部22E-2は、偏光ビームスプリッタ21Eによって分割されたパルス光のP偏光とS偏光との間に第2光路長差を付与する。この第2光路長差によって、P偏光とS偏光との間には、(Tr/4)の時間差が付与される。例えば、光路長差付与部22E-1は、第1光路24Eと、第2光路25E-2とを含む。
第2光路25E-2は、偏光ビームスプリッタ21Eによって反射されたパルス光のS偏光が再度偏光ビームスプリッタ21Eに到達するまでに伝搬する経路である。第2光路25E-2には、1/4波長板40E-2と、ミラーDM2と、ミラーME2とが設けられている。第2光路25E-2を伝搬するS偏光は、1/4波長板40E-2によって円偏光に変換される。当該円偏光は、ミラーDM2で反射してミラーME2に向かう。ミラーME2に向かった円偏光は、ミラーME2で反射されてミラーDM2に戻り、ミラーDM2で反射されて1/4波長板40E-2に入射する。ミラーDM2で反射して1/4波長板40E-2に入射した円偏光は、P偏光のパルス光に変換されて偏光ビームスプリッタ21Eに入射する。ここで、第2光路25E-2の光路長は、第2光路25E-1の光路長よりも長い。そのため、光路長差付与部22E-2は、P偏光とS偏光との間に、第1光路差よりも第2光路長差を付与することができる。
ミラーMg1は、ミラーMb1よりも高い位置に配置されている。ミラーMg1は、偏光ビームスプリッタ21Eから射出されたパルス光をミラーMg2に向けて反射させる。ミラーM2gは、ミラーMb2よりも高い位置に配置されている。ミラーMg2は、ミラーM1gよりも高い位置に配置されている。ミラーMg1は、入射したパルス光を、例えば、斜め上方に配置されているミラーM2gに向けて反射させる。ミラーMg2は、1/2波長板30E-2を通過した、ミラーMg1からのパルス光を偏光ビームスプリッタ21Eに向けて反射させる。
光路長差付与部22E-3は、偏光ビームスプリッタ21Eによって分割された、ミラーMg2からのパルス光のP偏光とS偏光との間に第3光路長差を付与する。この第3光路長差によって、P偏光とS偏光との間には、(Tr/2)の時間差が付与される。例えば、光路長差付与部22E-1は、第1光路24Eと、第2光路25E-3とを含む。
第2光路25E-3は、偏光ビームスプリッタ21Eによって反射されたパルス光のS偏光が再度偏光ビームスプリッタ21Eに到達するまでに伝搬する経路である。第2光路25E-3には、1/4波長板40E-2と、ミラーME3、ミラーME4とが設けられている。第2光路25E-3を伝搬するS偏光は、1/4波長板40E-2によって円偏光に変換される。当該円偏光は、ミラーME3で反射してミラーME4に向かう。ミラーME4に向かった円偏光は、ミラーME4で反射されてミラーME3に戻り、ミラーME3で反射されて1/4波長板40E-2に入射する。ミラーME3で反射して1/4波長板40E-2に入射した円偏光は、P偏光のパルス光に変換されて偏光ビームスプリッタ21Eに入射する。ここで、第2光路25E-3の光路長は、第2光路25E-2の光路長よりも長い。そのため、光路長差付与部22E-2は、P偏光とS偏光との間に、第2光路差よりも長い第3光路長差を付与することができる。
1/2波長板30E-2は、偏光ビームスプリッタ21Eに入射するパルス光の偏光方向を、第1方向と、第1方向とは異なる第2方向とのいずれかに変更する。1/2波長板30E-1は、回転可能である。1/2波長板30E-1が回転することによって、1/2波長板30E-1の角度θEが変更される。例えば、1/2波長板30E-1の回転によって、1/2波長板30E-1の角度θEが第1角度範囲内である第1状態と、その角度θEが第2角度範囲内である第2状態とを切り替えられる。1/2波長板30E-1の角度θEが第1角度範囲である場合に、1/2波長板30E-1から第1方向のパルス光が出射される。1/2波長板30E-1の角度θEが第1角度範囲とは異なる第2角度範囲である場合に、第1方向とは異なる第2方向のパルス光が1/2波長板30E-1から出射される。
1/2波長板30E-2は、ミラーMb1で反射したパルス光を、第1方向と、第1方向とは異なる第2方向とのいずれかに変更する。1/2波長板30E-2は、ミラーMg1で反射したパルス光を、第1方向と、第1方向とは異なる第2方向とのいずれかに変更する。1/2波長板30E-2は、回転可能である。1/2波長板30E-2が回転することによって、1/2波長板30E-2の角度θEが変更される。例えば、1/2波長板30E-2の回転によって、1/2波長板30E-2の角度θEが第1角度範囲内である第1状態と、その角度θEが第2角度範囲内である第2状態とを切り替えられる。1/2波長板30E-2の角度θEが第1角度範囲である場合に、1/2波長板30E-2から第1方向のパルス光が出射される。1/2波長板30E-2の角度θEが第1角度範囲とは異なる第2角度範囲である場合に、第1方向とは異なる第2方向のパルス光が1/2波長板30E-2から出射される。
以下に、第5実施形態に係る繰り返し周波数の変換方法について説明する。光学装置4Eに入射したパルス光L1の繰り返し周波数frをfr×1に変更する場合には、1/2波長板30E-1、及び1/2波長板30E-2のすべての角度θEは、第2角度範囲に設定される。従って、光源2から出射されたパルス光L1は、偏光ビームスプリッタ21Eを分割されずに透過する。すなわち、パルス光L1は、光学ユニット20E-1~20E-3による光分岐と時間遅延付与とが生じず、パルス光L1の繰り返し周波数frが保持される。換言すれば、パルス光L1がパルス光L2として光学装置4Eから出力される。
第5実施形態に係る光学装置4Eは、1/2波長板30E-1,30E-2の回転を制御することで、光源2から出射されたパルス光L1の繰り返し周波数frを、fr×1倍,fr×4倍,fr×8倍の3つの繰り返し周波数のいずれかに可変できる。1/2波長板30E-2が共通なので、fr×2倍の繰り返し周波数の変更はできない。例えば、1/2波長板30E-1の角度θEを第2角度範囲に設定し、1/2波長板30E-2の角度θEを第2角度範囲(例えば、S偏光に対して0°)に設定することで、繰り返し周波数が(fr×1)のパルス光を光学装置4Eから出力することが可能である。
例えば、1/2波長板30E-1の角度θEを第2角度範囲に設定し、1/2波長板30E-2の角度θEを第1角度範囲に設定することで、繰り返し周波数が(fr×4)のパルス光を光学装置4Eから出力することが可能である。以下に、図19~図22を用いて繰り返し周波数を8倍に変換する方法について説明する。
図19~図22は、繰り返し周波数を8倍に変換する方法について説明する図である。 図19は、パルス変換ユニット15E-1の光路を説明する図である。図20は、パルス変換ユニット15E-2の光路を説明する図である。図21は、パルス変換ユニット15E-3の光路を説明する図である。図22は、第5実施形態に係る各パルス変換ユニットにおける光路の様子を示す図である。図22の(a),(d),(g)は、図18において矢印で示したV1の方位を視点とする図である。図22の(b),(e),(h)は、図22において矢印で示したV2の方位を視点とする図である。図22の(c),(f)は、図18において矢印で示したV3の方位を視点とする図である。
光学装置4Eに入射したパルス光L1の繰り返し周波数frをfr×8、すなわち23倍(n=3)に変更する場合には、1/2波長板30E-1、1/2波長板30E-2の各角度θEは、第1角度範囲に設定されている。
1/2波長板30E-1を通過した直後のパルス光の偏光は45°の直線偏光となる。そのため、1/2波長板30E-1から出力されるパルス光、すなわち45°の直線偏光のうち、P偏光の成分が偏光ビームスプリッタ21Eを透過し、S偏光の成分が偏光ビームスプリッタ21Eで反射する。偏光ビームスプリッタ21Eを透過したP偏光は、第1光路24Eを伝搬する。具体的には、P偏光は、1/4波長板40E-1によって円偏光に変換される(図22(a))。そして、1/4波長板40E-1によって変換された円偏光は、ミラーME1で正反射されて1/4波長板40E-1に再度入射してS偏光に変換される。
偏光ビームスプリッタ21Eで反射したS偏光は、第2光路25-1を伝搬する。具体的には、S偏光は、1/4波長板40E-2によって円偏光に変換される。そして、円偏光は、ミラーDM1で正反射されて1/4波長板40-2に再度入射してP偏光に変換される。これにより、図19に示すように、偏光ビームスプリッタ21Eは、1/4波長板40E-1からのS偏光と、1/4波長板40E-2からのP偏光とを合波することでパルス光200Eを生成する。すなわち、双方の光路のパルスを偏光ビームスプリッタ21Eで同軸に合波することで、図10に例示するパルス変換ユニット15-1の射出光のようにTr/8の時間差が付与された2パルス(パルス光)が得られる。このパルス光は、ミラーMb1に向う(図22(b))。すなわち、1/4波長板40E-1からのS偏光は、偏光ビームスプリッタ21Eを反射してミラーMb1に向かう。1/4波長板40E-2からのP偏光は、偏光ビームスプリッタ21Eを透過してミラーMb1に向かう。
パルス光200Eは、ミラーMb1で反射されて1/2波長板30E-2に入射する(図22(c))。ここで、ミラーMb1での反射により、パルス光200Eが通る光路の高さは高くなる。パルス光200Eが1/2波長板30E-2に入射すると、S偏光とP偏光の偏光方向がそれぞれ45°回転する。1/2波長板30E-2を通過したパルス光200Eは、ミラーMb2を反射して偏光ビームスプリッタ21Eに入射する。
パルス光200Eの2パルスは、それぞれP偏光の成分とS偏光の成分とを有する。図20に示すように、偏光ビームスプリッタ21Eに入射した2パルスのそれぞれにおいて、S偏光の成分は、偏光ビームスプリッタ21Eで反射し、1/4波長板40E-2によって偏光状態が円偏光になる。この円偏光は、ミラーDM2で反射し、ミラーME2へ向かう。ミラーME2で正反射した光は、再びミラーDM2で反射し、再び1/4波長板40E-2を通過することでP偏光に変換される。このP偏光は、偏光ビームスプリッタ21Eに入射する。
偏光ビームスプリッタ21Eに入射した2パルスのそれぞれにおいて、P偏光の成分は、偏光ビームスプリッタ21Eを透過して、1/4波長板40E-1により偏光状態が円偏光となる(図22(d))。この円偏光は、ミラーME1で反射し、再び1/4波長板40E-1に入射することで、偏光状態がS偏光となる。このS偏光は、偏光ビームスプリッタ21Eに入射する。
偏光ビームスプリッタ21Eは、1/4波長板40E-1からのS偏光と、1/4波長板40E-2からのP偏光とを合波することでパルス光210Eを生成する。すなわち、1パルスからTr/4の時間差が付いた2パルスが生成される。従って、双方の光路のパルスを偏光ビームスプリッタ21Eで同軸に合波することで、図10に例示するパルス変換ユニット15-2射出光に示す4パルスが得られる。このパルス光210Eは、ミラーMg1に向う(図22(e))。すなわち、1/4波長板40E-1からのS偏光は、偏光ビームスプリッタ21Eを反射してミラーMg1に向う。1/4波長板40E-2からのP偏光は、偏光ビームスプリッタ21Eを透過してミラーMg1に向う。
パルス光210Eは、ミラーMg1で反射されて1/2波長板30E-2に入射する。ここで、ミラーMg1での反射により、パルス光210Eが通る光路の高さが高くなる(図22(f))。パルス光210Eが1/2波長板30E-2に入射すると、S偏光とP偏光の偏光方向がそれぞれ45°回転する。1/2波長板30E-2を通過したパルス光210Eは、ミラーMg2を反射して偏光ビームスプリッタ21Eに入射する。
パルス光210Eの4パルスは、それぞれP偏光成分とS偏光成分とを有する。図21に示すように、偏光ビームスプリッタ21Eに入射した4パルスのそれぞれにおいて、S偏光の成分は、偏光ビームスプリッタ21Eで反射し、1/4波長板40E-2によって偏光状態が円偏光になる(図22(g))。この円偏光は、ミラーME3で反射し、ミラーME4へ向かう。ミラーME4で正反射した光は、再びミラーME3で反射し、1/4波長板40E-2を透過することでP偏光となる。このP偏光は、偏光ビームスプリッタ21Eに入射する。
偏光ビームスプリッタ21Eに入射した4パルスのそれぞれにおいて、P偏光の成分は、偏光ビームスプリッタ21Eを透過して、1/4波長板40E-1により偏光状態が円偏光となる。この円偏光は、ミラーME1で反射し、再び1/4波長板40E-1に入射することで、偏光状態がS偏光となる。このS偏光は、偏光ビームスプリッタ21Eに入射する。
偏光ビームスプリッタ21Eは、1/4波長板40E-1からのS偏光と、1/4波長板40E-2からのP偏光とを合波することでパルス光220Eを生成する。すなわち、1パルスからTr/2の時間差が付いた2パルスが生成される。従って、双方の光路のパルスを偏光ビームスプリッタ21Eで同軸に合波することで、図10のパルス変換ユニット15-3の射出光に示す8パルスが得られる。パルス光220Eは、パルス光L2として光学装置4Eから射出される(図22(h))。第5実施形態では、1/4波長板40E-2を通過するパルス光の位置をミラーMb1,Mb2,Mg1,Mg2を用いて制御する。これにより、繰り返す周波数を変換するために用いる1/4波長板の数を削減することができる。
制御部11は、1/2波長板30E-1と1/2波長板30E-2の回転を制御する。また、制御部11は、1/4波長板40E-1と1/4波長板40E-2の各回転を制御してもよい。
以下に、第5実施形態に係る繰り返し周波数(1倍又はfr×2n)の変換方法の流れは、前述した図11に示す第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
図23は、光学装置4Eにおける光学ユニット20E-3の変形例を示す図である。図23に示す変形例の光学ユニット20F-3の光路長差付与部22F-3は、第1光路24Fと、第2光路25F-3とを有する。第1光路24Fは、第1光路24Eと同様である。第2光路25F-3には、複数のミラーMF4が設けられている。第2光路25F-3には、複数のミラーMF4を用いてパルス光を多重反射させる。この構成により、光学装置4Fは、第3光路長差を付与するために必要なサイズを低減することができる。なお、できるだけ反射率の高いミラーMFを使用することが望ましい。これにより、ミラーの反射率の影響による光強度の低減を抑制することができる。
第5実施形態に係る光学装置4Eは、光源2から出射されたパルス光Lの繰り返し周波数frを変換する光学ユニット20Eと、光学ユニット20Eで変換される繰り返し周波数(1倍又はfr×2n)を変更可能な1/2波長板30Eとを備える。このような構成により、第1実施形態と同様の効果を奏する他、複数の1/2波長板、複数の偏光ビームスプリッタ及び複数の1/4波長板を共通化することでロバスト性の向上及びコストダウンに寄与する。
第1実施形態から第5実施形態のいずれかの光学装置は、照射部に出力するパルス光L2を円偏光としてもよい。この場合には、多段接続された複数のパルス変換ユニットのうち、最後段のパルス変換ユニットから出力されるパルス光L2を円偏光に偏光するための1/4波長板を有してもよい。すなわち、最後段のパルス変換ユニットの後段に、1/4波長板が接続されてもよい。パルス光L2が円偏光とすることで、高NAの対物レンズにおいて等方的なPSFを得ることが可能である。
また、第1実施形態から第5実施形態のいずれかの光学装置において、パルス光L2の偏光を同一方向の直線偏光としてもよい。この場合には、最後段のパルス変換ユニットの後段に偏光子を設置してもよい。例えば、偏光子の透過方位を直交する2つの直線偏光に対して45°に設定することで、偏光子を透過した光の偏光方向を同一方位の直線偏光とすることができる。ただし、偏光子によって光の平均出力は1/2になる。直線偏光の方位を変更する場合は、偏光子の後段に半波長板を設置してもよい。偏光子の透過方位を、2つの直交する直線偏光のいずれかに平行とした場合は、S偏光又はP偏光のパルス光のみを抽出することができる。
ここで、超短パルスのパルス幅は、光学素子の分散によって広がってしまう場合がある。これにより、パルス光のピーク強度が低下し、非線形効果によって生じる信号の発生効率が低下してしまう場合がある。効率的に非線形信号を発生させるために、分散補償を実施するのが一般的である。分散補償方式としては、回折格子ペア又はプリズムペアなどが用いられる。このような素子を含んだ分散補償光学系を、光源2と第1実施形態から第5実施形態のいずれかの光学装置との間に設置することが望ましい。ただし、これに限定されず、上記分散補償光学系は、第1実施形態から第5実施形態のいずれかの光学装置と、照射部3との間に設けられてもよい。分散補償光学を含んだ光源2を用いる場合には、追加の分散補償光学系は不要となる。
第1実施形態から第5実施形態のいずれかの光学装置が搭載される顕微鏡のスキャナは、2枚のガルバノミラーを一対にしたものでも、ガルバノミラーとレゾナントミラーとを一対にしたものでも、どちらでも良い。前者をガルバノスキャン、後者をレゾナントスキャンと称する。レーザ光の強度が同一の条件において、レゾナントスキャンの方が、走査速度が速いので、レーザ光の照射時間が短いため、ガルバノスキャンよりも光褪色しにくくなる。ガルバノスキャンで1枚の画像取得に要する時間において、レゾナントスキャンではその数十倍の画像を取得できる。例えば、30枚の撮像が可能になる。この30枚の画像を積算することで、ガルバノスキャンと同等の画質(信号対雑音比)の画像が得られる。このような同程度の画質を得る条件においても、レゾナントスキャンを利用した方が、1枚の撮像における単位領域あたりのレーザ光の照射時間が短く、レーザ光の照射が断続的になるため、ガルバノスキャンに比べて光褪色にしにくくなる。本発明をレゾナントスキャン方式に適用した方がガルバノスキャン方式に適用した場合と比較して光褪色を低減できる。
第1実施形態から第5実施形態のいずれかの光学装置が搭載される顕微鏡において、繰り返し周波数をn倍向上する場合、パルス光L1(L2)の平均強度を√n(W)することが望ましい。その場合、パルス光L2のピーク強度(W)は、1/√n倍となる。これにより、繰り返し周波数に依存せずに、同等の画質の2光子蛍光画像が得られる。繰り返し周波数の変更に伴って、光強度を自動的に制御・設定する機構を備えてもよい。
以上、実施形態について説明したが、本開示の技術範囲は、上述の実施形態などで説明した態様に限定されない。上述の実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、本明細書で引用した全ての文献の開示を援用して本文の記載の一部とする。
1,1A~1E・・・顕微鏡、2・・・光源、4,4A~4E・・・光学装置、11・・・制御部、12・・・設定装置、15,15A~15F・・・パルス変換ユニット、20,20A~20F・・・光学ユニット、30,30A~30E・・・1/2波長板、40B,41B,40E・・・1/4波長板
Claims (37)
- 光源から出射されたパルス光の繰り返し周波数を変換部で変換することと、
前記変換部で変換される前記繰り返し周波数が可変であることと、
を含む変換方法。 - 前記変換部は、前記繰り返し周波数を2n(nは1以上の整数)倍に変換する、
請求項1に記載の変換方法。 - 前記変換部による前記繰り返し周波数の変換は、
前記パルス光を、第1偏光と、前記第1偏光と直交する第2偏光とに分割し、前記第1偏光と前記第2偏光との間に所定の光路長差を付与し、前記光路長差を付与した後に前記第1偏光と前記第2偏光とを合波する一連の処理を前記n回実行することにより、前記繰り返し周波数を前記2n倍に変換することを含む、
請求項2に記載の変換方法。 - 前記変換部による前記繰り返し周波数の変換は、
前記パルス光の偏光方向を、1/2波長板を介して、第1方向に変更する第1段階と、
前記第1方向に偏光した前記パルス光を、前記第1偏光と前記第2偏光とに分割する第2段階と、
前記第1偏光と前記第2偏光との間に前記光路長差を付与する第3段階と、
前記光路長差が付与された後の前記第1偏光と前記第2偏光とを合波することで前記繰り返し周波数が変更された前記パルス光を生成する第4段階と、
を含み、
前記一連の処理は、前記第1段階、前記第2段階、前記第3段階、及び前記第4段階を含む、
請求項3に記載の変換方法。 - 前記1/2波長板に入射する前記パルス光の偏光方向と、当該1/2波長板の遅軸又は速軸とのなす角が第1角度範囲である場合に、前記1/2波長板から前記第1方向のパルス光が出射されて前記第1段階が実行され、前記なす角が前記第1角度範囲とは異なる第2角度範囲である場合に、前記1/2波長板から前記第1方向とは異なる第2方向のパルス光が出射されて前記第1段階が実行されず、
1倍及び前記nの値のいずれかへの変更は、前記なす角が前記第1角度範囲内である第1状態と、前記なす角が前記第2角度範囲内である第2状態との切り替えによって行われる、
請求項4に記載の変換方法。 - 前記第1角度範囲は、(22.5°±K×45°)±1°(Kは整数)の範囲である、
請求項5に記載の変換方法。 - 前記第2角度範囲は、(0°±K×90°)±1°(Kは整数)の範囲であり、
請求項5又は請求項6に記載の変換方法。 - 前記1/2波長板は、回転可能であり、
前記1/2波長板の回転によって前記なす角が変更される、
請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の変換方法。 - 前記n回のうち、奇数回目の前記第2段階及び偶数回目の前記第4段階は、第1偏光ビームスプリッタで行い、前記奇数回目の前記第4段階及び前記偶数回目の前記第2段階は、前記第1偏光ビームスプリッタとは異なる第2偏光ビームスプリッタで行う、
請求項4から請求項8のいずれか一項に記載の変換方法。 - 前記第2段階は、第1偏光ビームスプリッタによって行い、
前記第4段階は、前記第1偏光ビームスプリッタとは異なる第2偏光ビームスプリッタによって行う、
請求項4から請求項9のいずれか一項に記載の変換方法。 - 前記第2段階及び前記第4段階は、1つの偏光ビームスプリッタで行う、
請求項4から請求項9のいずれか一項に記載の変換方法。 - 前記第1偏光がP偏光、前記第2偏光がS偏光であり、
前記P偏光の光路に第1の1/4波長板が設置され、前記S偏光の光路に第2の1/4波長板が設置され、
前記第3段階は、前記P偏光が前記第1の1/4波長板を2回通過し、前記S偏光が前記第2の1/4波長板を2回通過する、
請求項4から請求項11のいずれか一項に記載の変換方法。 - 前記光源から出力された前記パルス光の繰り返し周期をTrとするとき、前記光路長差が付与された場合には、前記第1偏光と前記第2偏光との間にTr/2nの時間差が付与される、
請求項3から請求項12のいずれか一項に記載の変換方法。 - パルス光の繰り返し周波数を変換する変換部と、
前記変換部で変換される前記繰り返し周波数を変更可能な切替部と、
を備える光学装置。 - 前記変換部は、前記繰り返し周波数を2n(nは1以上の整数)倍に変換する、
請求項14に記載の光学装置。 - 前記変換部は、前記パルス光を、第1偏光と、前記第1偏光と直交する第2偏光とに分割し、前記第1偏光と前記第2偏光との間に所定の光路長差を付与し、前記光路長差を付与した後に前記第1偏光と前記第2偏光とを合波する一連の処理を前記n回実行することにより、前記繰り返し周波数を前記2n倍に変換する、
請求項15に記載の光学装置。 - 前記変換部は、1つ以上の光学ユニットを備え、
前記光学ユニットは、
第1方向に偏光した前記パルス光を、前記第1偏光と前記第2偏光とに分割する第1偏光ビームスプリッタと、
前記第1偏光と前記第2偏光との間に前記光路長差を付与する光路長差付与部と、
前記光路長差が付与された後の前記第1偏光と前記第2偏光とを合波することで前記繰り返し周波数が変更された前記パルス光を形成する第2偏光ビームスプリッタと、
を備え、
前記切替部は、前記第1偏光ビームスプリッタに入射する前記パルス光の偏光方向を、前記第1方向と、前記第1方向とは異なる第2方向とのいずれかに変更する
請求項16に記載の光学装置。 - 前記第1偏光ビームスプリッタと前記第2偏光ビームスプリッタは、1つの偏光ビームスプリッタで併用されている、
請求項17に記載の光学装置。 - 前記切替部は、前記パルス光が前記第1偏光ビームスプリッタに入射する光路上に設けられた1/2波長板を有する、
請求項17又は請求項18に記載の光学装置。 - 前記1/2波長板は、回転可能であり、
前記1/2波長板の回転によって前記なす角が変更される、
請求項19に記載の光学装置。 - 前記1/2波長板に入射する前記パルス光の偏光方向と、当該1/2波長板の遅軸又は速軸とのなす角が第1角度範囲である場合に、前記1/2波長板から前記第1方向のパルス光が出射され、前記なす角が前記第1角度範囲とは異なる第2角度範囲である場合に、前記1/2波長板から前記第1方向とは異なる第2方向のパルス光が出射され、
前記なす角が前記第1角度範囲内である第1状態と、前記なす角が前記第2角度範囲内である第2状態とで切り替えられることで、1倍及び前記nの値のいずれかに変更される、
請求項19又は請求項20に記載の光学装置。 - 前記第1角度範囲は、(22.5°±K×45°)±1°(Kは整数)の範囲である、
請求項21に記載の光学装置。 - 前記第2角度範囲は、(0°±K×90°)±1°(Kは整数)の範囲である、
請求項21又は請求項22に記載の光学装置。 - 前記光源から出力された前記パルス光の繰り返し周期をTrとするとき、前記光路長差付与部によって前記光路長差が付与された場合には、前記第1偏光と前記第2偏光との間にTr/2nの時間差が付与される、
請求項17から請求項23のいずれか一項に記載の光学装置。 - 前記n個の前記光学ユニットが配置され、
前記n個の前記光学ユニットのうち、奇数個目の前記第1偏光ビームスプリッタ及び偶数個目の前記第2偏光ビームスプリッタは、1つの偏光ビームスプリッタで併用されており、
前記奇数個目の前記第1偏光ビームスプリッタ及び前記偶数個目の前記第2偏光ビームスプリッタは、1つの偏光ビームスプリッタで併用されている、
請求項17から請求項24のいずれか一項に記載の光学装置。 - 前記第1偏光がP偏光、前記第2偏光がS偏光であり、
前記P偏光の光路に第1の1/4波長板が設置され、前記S偏光の光路に第2の1/4波長板が設置され、
前記光路長差が付与される過程において、前記P偏光が前記第1の1/4波長板を2回通過し、前記S偏光が前記第2の1/4波長板を2回通過する、
請求項17から請求項24のいずれか一項に記載の光学装置。 - 観察対象物に前記パルス光を照射する顕微鏡であって、
前記パルス光の前記繰り返し周波数を変換する、請求項14から請求項26のいずれか一項に記載の光学装置と、
前記光学装置から出力された前記パルス光を観察対象物に照射する照射部と、
を備える顕微鏡。 - 前記切替部を制御する制御部を備える、
請求項27に記載の顕微鏡。 - 前記制御部は、前記1/2波長板の回転を制御する、
請求項28に記載の顕微鏡。 - 観察対象物に前記パルス光を照射する顕微鏡であって、
前記パルス光の前記繰り返し周波数を変換する、請求項26に記載の光学装置と、
前記光学装置から出力された前記パルス光を観察対象物に照射する照射部と、
前記1/2波長板、前記第1の1/4波長板及び前記第2の1/4波長板の少なくとも1つの回転を制御する制御部と、
を備える顕微鏡。 - ユーザの操作により前記繰り返し周波数の倍率に対応する情報を設定する設定装置を更に備え、
前記設定装置は、前記倍率に対応する情報が設定された場合には、設定された前記倍率に対応する情報を前記制御部に送信し、
前記制御部は、前記設定装置から送信された前記倍率に対応する情報に基づいて前記切替部に対して前記繰り返し周波数を変更させる、
請求項30に記載の顕微鏡。 - 前記光学装置は、前記顕微鏡に対して挿脱可能に構成されている、
請求項27から請求項31のいずれか一項に記載の顕微鏡。 - パルス光の偏光方向を回転可能に構成された光学素子と、
前記光学素子を経た前記パルス光を、第1偏光と第2偏光とに分割する第1偏光ビームスプリッタと、
前記第1偏光と前記第2偏光との間に前記光路長差を付与する光路長差付与部と、
前記光路長差が付与された後の前記第1偏光と前記第2偏光とを合波する第2偏光ビームスプリッタと、
を備えた光学装置。 - パルス光の偏光方向を回転可能に構成された光学素子と、
前記光学素子を経た前記パルス光を、第1偏光と第2偏光とに分割する偏光ビームスプリッタと、
前記第1偏光と前記第2偏光との間に前記光路長差を付与する光路長差付与部と、
を備え、
前記偏光ビームスプリッタは、前記光路長差が付与された後の前記第1偏光と前記第2偏光とを合波する光学装置。 - 前記光学素子、第1偏光ビームスプリッタ、前記光路長差付与部及び第2偏光ビームスプリッタを含む光学ユニットをn(nは1以上の整数)個、備えた請求項33に記載の光学装置。
- 前記光学素子、前記偏光ビームスプリッタ及び前記光路長差付与部を含む光学ユニットをn(nは1以上の整数)個、備えた請求項34に記載の光学装置。
- 前記パルス光の繰り返し周期をTrとするとき、前記光路長差の付与により、Tr/2nの時間差が付与される請求項35又は請求項36のいずれか一項に記載の光学装置。
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PCT/JP2022/035205 WO2024062564A1 (ja) | 2022-09-21 | 2022-09-21 | 変換方法、光学装置、及び光学顕微鏡 |
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---|---|---|---|---|
JP2009031634A (ja) * | 2007-07-30 | 2009-02-12 | Japan Synchrotron Radiation Research Inst | パルス整形装置、パルス整形方法、及び電子銃 |
JP2014519614A (ja) * | 2011-06-13 | 2014-08-14 | ケーエルエー−テンカー コーポレイション | レーザパルスマルチプライヤを用いた半導体検査および計測システム |
JP2016042519A (ja) * | 2014-08-18 | 2016-03-31 | キヤノン株式会社 | 光パルス同期装置および顕微鏡システム |
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