WO2024005205A1 - スライド装置及びスライド装置の組み立て方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】意図しないスライダの移動を防止することができるスライド装置及びそのスライド装置の組み立て方法を提供する。 【解決手段】スライド装置(1)であって、複数の係止孔が延在方向に並んで設けられたレール(11)と、レールに対してスライド移動可能に支持されたスライダ(12)と、係止孔に噛合う螺子部材(27)を含み、スライダに固定されたギヤボックス(20)と、螺子部材を回転駆動させて、スライダをレールに対してスライドさせる電気モータ(21)と、を有し、ギヤボックスには、螺子部材を摩擦係止し、螺子部材の回転を規制する回転規制装置(55)が設けられている。
Description
本発明は、スライド装置及びそのスライド装置の組み立て方法に関する。
特許文献1は、フロアと、乗物用シートとの間に設けられるスライド装置を開示している。特許文献1のスライド装置は、レールと、レールにスライド可能に係合するスライダとを有する。スライダのスライド移動を可能とするため、スライド装置は更に、レールの延在方向を軸線とする回転可能にスライダに支持された螺子部材と、螺子部材と係合するようにレールに形成された螺子係合部と、螺子部材を回転させる電気モータとを備えている。電気モータが螺子部材を回転駆動させると、螺子部材と螺子係合部との係合によって、スライドはレールに対してスライド移動する。
本願発明者らは、特許文献1のスライド装置において、モータが駆動していないときに、例えば回転軸が比較的自由に回転することができる場合等において、振動等によってスライダがレールに対して移動することあることを見出した。これにより、利用者が意図しない乗物用シートの移動が生じるという問題がある。
本発明は、以上の背景に鑑み、意図しないスライダの移動を防止することができるスライド装置及びそのスライド装置の組み立て方法を提供すること課題とする。
上記課題を解決するために本発明のある態様は、スライド装置(1)であって、複数の係止孔(15)が延在方向に並んで設けられたレール(11)と、前記レールに対してスライド移動可能に支持されたスライダ(12)と、前記係止孔に噛合う螺子部材(27)を含み、前記スライダに固定されたギヤボックス(20)と、前記螺子部材を回転駆動させて、前記スライダを前記レールに対してスライドさせる電気モータ(21)と、を有し、前記ギヤボックスには、前記螺子部材を摩擦係止し、前記螺子部材の回転を規制する回転規制装置(55)が設けられている。
この態様によれば、螺子部材が回転規制部材によって摩擦係止される。これにより、ネジ部材の回転が防止されるため、意図しないスライダの移動を防止することができるスライド装置を提供することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記螺子部材は所定の軸線に沿って延びる円柱状の軸部(36)と、前記軸部の外周面に設けられ、且つ、らせん状のネジ山(37A)を有する雄ネジ部(37)とを備え、前記ギヤボックスは、前記螺子部材を回転可能に支持すると共に、前記雄ネジ部の軸線方向両端に位置する端面それぞれに対向する側壁(41)を備えたハウジング(26)を有し、前記回転規制装置は、前記螺子部材を前記側壁の一方に押し付けることにより、前記螺子部材の回転を摩擦係止する。
この態様によれば、螺子部材を摩擦係止することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記回転規制装置は、付勢装置(59)と、前記付勢装置の付勢力により伸長し、前記螺子部材と前記側壁に押し付けて摩擦係止する伸縮装置とを備える。
この態様によれば、電気モータを駆動させることで、伸縮装置を伸長させることによって、螺子部材を自由回転できない摩擦係止された状態にすることができる。
上記の態様において、好ましくは、前記伸縮装置は、前記軸部が貫通する内孔を有し、互いに隣接して配置された2つの筒状部材(61、63,64)を備え、前記筒状部材はそれぞれ互いに対向する面に、前記螺子部材の前記軸線の周方向に互いに同じ方向に傾斜する傾斜面(65)を有し、前記付勢装置は、2つの前記筒状部材を逆向きに回転させて前記傾斜面に沿って摺動させることにより、前記伸縮装置を伸長させるべく付勢する。
この態様によれば、付勢装置によって、伸縮装置を伸びる方向に付勢し、螺子部材を摩擦係止することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記伸縮装置と、前記側壁の他方との互いに対向する面にはそれぞれ、前記軸線の回りに前記傾斜面とは逆向きに傾斜する逆傾斜面(76)が設けられている。
この態様によれば、伸縮装置を逆傾斜面に摺動させつつ回転させると、伸縮装置は側壁の一方側に向けて移動する。これにより、例えば、伸縮装置を回転させることで、螺子部材を側壁の一方側に押し出して押し付けることによって、摩擦係止することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記付勢装置(59)は、前記ハウジングと、2つの前記筒状部材とにそれぞれに接続され、前記筒状部材を逆向きに回転させる方向に付勢する2つの付勢部材(67、68)を備える。
この態様によれば、螺子部材を側壁に押し付けて摩擦係止するべく、伸縮装置を伸長させることができる。
上記の態様において、好ましくは、前記筒状部材は前記付勢部材を結合させるための係止部(70)を備え、前記ハウジングには前記係止部の少なくとも一つが通過可能な貫通孔(75)が設けられ、前記貫通孔を介して、2つの前記筒状部材が視認可能となっている。
この態様によれば、付勢部材を筒状部材に結合させることができるとともに、2つの筒状部材を視認可能となる。
上記の態様において、好ましくは、前記側壁の側に位置する前記筒状部材には、前記側壁に向く側の端面に、前記側壁に係合して、前記側壁の側に位置する前記筒状部材の回転を規制するストッパ(78)が設けられている。
この態様によれば、筒状部材の回転を規制することができる。これにより、電動モータの駆動による螺子部材の回転が可能となる。
上記の態様において、好ましくは、前記筒状部材はそれぞれ、前記ハウジングの内部に収容されている。
この態様によれば、ギヤボックスをコンパクトに構成することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記ギヤボックスには、前記電気モータの回転軸の回転に伴って回転する駆動歯車(48)と、前記螺子部材に設けられ、前記駆動歯車に噛合う従動歯車(49)とが設けられている。
この態様によれば、電気モータの動力、螺子部材に伝達することができる。これにより、スライダをレールに対して移動させるための動力を螺子部材に伝達することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記ギヤボックスには前記駆動歯車を回転させるためのツール(80)を挿入するためのツール孔(51)が設けられている。
この態様によれば、ツールを用いて、傘歯車を回転させることができる。これにより、電動モータが駆動しないときに、ツールを用いて動力を螺子部材に伝達することができる。
上記課題を解決するために本発明のある態様は、上記のスライド装置の組み立て方法であって、前記ギヤボックス及び前記電気モータに前記スライダを組み付けるステップと、前記スライダを前記レールに組み付けるステップと、を含む。
この態様によれば、意図しないスライダの移動を防止することができるスライド装置を組み立てることができる。
また、国際公開番号WO2020/141600A1は、レールと、レールにスライド移動可能に設けられたスライダと、回転可能にスライダに支持されたねじ部材を含むねじアセンブリと、ねじ部材を回転させる電動モータと、ねじ部材と係合するようにレールに形成されたねじ係合部とを有する電動スライドレールを開示している。ねじ係合部に噛み合うねじ部材が回転することによって、レールに対してスライダが移動する。スライダには、車両用シートのシートクッションが結合されている。
このような電動スライドレールでは、シートクッションを介してスライダに過剰な荷重が加わった場合に、ねじ部材及び電動モータが回転して、スライダがレールに対して移動する虞がある。
そこで、外部荷重に対して、スライダの位置を保持することができる電動スライドレールを提供することや、外部荷重に対して、シートクッションの位置を保持すること乗物用シートを提供することが課題となっている。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、電動スライドレール(201)であって、ねじ係合部(257、258)が設けられたレール(211)と、前記レールにスライド可能に支持されたスライダ(212)と、前記スライダに支持され、前記ねじ係合部と係合するねじアセンブリ(235)と、前記ねじアセンブリを駆動する電動モータ(236)とを有し、前記ねじアセンブリは、前記電動モータの出力軸(236A)に、軸方向に移動可能に接続されると共に、前記出力軸と共に回転する接続軸(237)と、ギヤ(237A、238B、239B)を介して前記接続軸に連結され、前記接続軸の回転に応じて回転すると共に、前記ねじ係合部に係合したねじ部材(238、239)と、前記接続軸及び前記ねじ部材を回転可能に支持するギヤケース(241)と、前記接続軸を、前記接続軸の軸線方向に移動させるアクチュエータ(261)と、前記ギヤケースに設けられた第1係合部(262)と、前記接続軸に設けられた第2係合部(263)とを有し、前記接続軸が前記接続軸の軸線方向における第1位置にあるときに、前記第1係合部と前記第2係合部とが互いに係合し、前記ギヤケースに対する前記接続軸の回転が規制され、前記接続軸が前記接続軸の軸線方向における第2位置にあるときに、前記第1係合部と前記第2係合部とが互いに離間し、前記ギヤケースに対する前記接続軸の回転が許容される。
この態様によれば、接続軸が第1位置にあるときに、第1係合部と第2係合部とが互いに係合して接続軸の回転が規制される。これにより、ねじ部材の回転が規制され、レールに対するスライダの移動が規制される。すなわち、外部荷重に対して、スライダの位置を保持することができる電動スライドレールを提供することができる。
また、上記の態様において、前記ねじアセンブリは、前記接続軸を前記第1位置に付勢する付勢部材(265)を有してもよい。
この態様によれば、アクチュエータが駆動していないときに、付勢部材によって接続軸は第1位置に配置され、接続軸及びねじ部材の回転が規制される。
また、上記の態様において、前記接続軸には、フランジ(264A)が設けられ、前記アクチュエータは前記フランジを前記接続軸の軸線方向に押圧してもよい。
この態様によれば、アクチュエータを接続軸の側方に平行に配置することができ、アクチュエータをスペース効率良く配置することができる。
また、上記の態様において、前記付勢部材は、前記フランジに接続され、前記アクチュエータの側方に配置されてもよい。
この態様によれば、付勢部材及びアクチュエータをスペース効率良く配置することができる。
また、上記の態様において、前記アクチュエータは、前記接続軸の軸線方向に伸縮可能なソレノイドアクチュエータであってもよい。
この態様によれば、アクチュエータを接続軸の周囲にスペース効率良く配置することができる。
また、上記の態様において、前記接続軸は、前記ギヤケースを貫通して延び、前記フランジは、前記接続軸の前記出力軸側の端部と相反する端部に設けられてもよい。
この態様によれば、電動モータとねじ部材とを近づけて配置することができる。これにより、接続軸の捩じれを抑制することができる。
また、上記の態様において、前記アクチュエータは、前記ギヤケースに支持されてもよい。
この態様によれば、ケースを利用してアクチュエータを支持することができる。
また、上記の態様において、前記フランジは、前記接続軸に対して回転可能かつ、前記接続軸の軸線方向に移動不能に設けられ、前記付勢部材の一端は、前記フランジに結合されてもよい。
この態様によれば、回転する接続軸を、付勢部材によって付勢することができる。
また、上記の態様において、前記フランジは、前記接続軸に対して回転不能かつ、前記接続軸の軸線方向に移動不能に設けられ、前記付勢部材の一端は、前記フランジに摺接してもよい。
この態様によれば、回転する接続軸を、付勢部材によって付勢することができる。
また、上記の態様において、前記付勢部材は、前記ギヤケースの内部に配置されたコイルばねであり、前記付勢部材の内部を前記接続軸が通過してもよい。
この態様によれば、付勢部材をスペース効率良く配置することができる。
また、本発明の他の態様は、上記の電動スライドレールを備えた乗物用シートであって、前記レールが乗物のフロア(203)に結合され、前記スライダがシートクッション(205)に結合されている。
この態様によれば、外部荷重に対して、シートクッションの位置を保持することができる車両用シートを提供することができる。
また、特許第5186850号公報は、シート本体をフロアに対して回転させて、シート本体の向きを前方から後方に変えることのできる車両用シートを開示している。シート本体は、シートクッションの下部に配設されたスライダ装置によって、フロアに対し前後方向に移動する。更に、シート本体は、スライダ装置とフロアとの間に介在する回転装置によって、フロアに対する向きが変更される。
近年、車両を自律走行させる技術開発が盛んに行われるようになっている。このような車両では、走行シーン等に応じて、シート本体の向きを変更し、車室内のシート本体のレイアウトを変更できるようにすることが求められている。
しかしながら、シート本体それぞれ前後位置やリクライニング角度は、着座者の体型や好みによって変更されることがある。そのため、回転時に、シート本体が、周辺に位置するシート本体に衝突し、シート本体のレイアウトの変更が困難になる虞がある。
そこで、フロアに対して鉛直軸回りに回転可能なシート本体を有するシートシステム及びシートの制御方法において、回転によってシート本体が周辺に位置する物体に衝突することを防止することが課題となっている。
上記課題を解決するために本発明のある態様は、シートシステム(301)であって、フロア(313)に対して上下方向に延びる鉛直軸(Z)を中心とする回転可能に支持された複数のシート本体(315)と、前記シート本体それぞれを前記フロアに対して回転させる駆動ユニット(317)と、前記シート本体それぞれの周辺に位置する物体に係る情報を取得するセンサ(305)と、前記センサによって取得された情報に基づいて、前記駆動ユニットをそれぞれ制御する制御装置(309)と、を有し、前記制御装置は前記センサによって取得された情報に基づいて、前記シート本体の回転が可能であるかを判定し、回転が可能であると判定したときに、前記駆動ユニットによる前記シート本体の回転を許可する。
この態様によれば、センサによって取得された周辺に位置する物体に係る情報に基づいて、シート本体の回転の可否が判定される。そのため、回転によって周辺に位置する物体にシート本体が衝突することが防止できる。
上記の態様において、好ましくは、前記駆動ユニットは、前記シート本体を前記フロアに対して回転させる回転駆動装置(339)と、前記シート本体を前記フロアに対して平行移動させるスライド駆動装置(335)とを備え、前記シート本体の回転が不可能であると判定したときに、前記制御装置は、前記シート本体の回転を可能とするべく、前記スライド駆動装置に前記シート本体を前記フロアに対して平行移動させる。
この態様によれば、シート本体を周辺に位置する物体と離れた衝突し難い位置に移動させることができる。そのため、シート本体が回転時に周辺に位置する物体と衝突することを防止することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記制御装置は、前記スライド駆動装置による前記シート本体の移動が完了する前に、前記回転駆動装置に前記シート本体の回転を許可する。
この態様によれば、シート本体の回転が完了するまでに要する時間を短縮することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記制御装置は、前記回転駆動装置による前記シート本体の回転が完了した後に、前記スライド駆動装置に前記シート本体を着座可能となる位置に移動させる。
この態様によれば、シート本体が鉛直軸回りに回転した後に、シート本体への着座が可能となる。
上記の態様において、好ましくは、前記シート本体は、シートクッション(319)と、前記シートクッションに対して回転することにより傾倒可能なシートバック(321)とを備え、前記駆動ユニットは、前記シート本体を前記フロアに対して回転させる回転駆動装置(339)と、前記シートバックを前記シートクッションに対して回転させるリクライニング駆動装置(347)と、を備え、前記シート本体の回転が不可能であると判定したときには、前記シート本体の回転を可能とするべく、前記制御装置は、前記リクライニング駆動装置に前記シートバックを前記シートクッションに対して回転させ、前記シートバックを起立させる。
この態様によれば、シートバックを周辺に位置する物体と離れた衝突し難い位置に移動させることができる。そのため、シート本体が回転時に周辺に位置する物体と衝突することを防止することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記制御装置は、前記リクライニング駆動装置による前記シートバックの起立が完了する前に、前記回転駆動装置に前記シート本体の回転を許可する。
この態様によれば、シート本体の回転が完了するまでに要する時間を短縮することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記制御装置は、前記回転駆動装置による前記シート本体の回転が完了した後に、前記リクライニング駆動装置に前記シートバックを着座可能となる位置まで回転させる。
この態様によれば、シート本体が鉛直軸回りに回転した後に、シート本体への着座が可能となる。
上記の態様において、好ましくは、前記シート本体は、後端において前記フロアに回転可能に支持されたシートクッション(319)と、シートバック(321)とを備え、前記駆動ユニットは、前記シート本体を前記フロアに対して回転させる回転駆動装置(339)と、前記シートクッションを前記フロアに対して回転させるチップアップ駆動装置(341)とを有し、前記制御装置は前記センサによって取得された情報に基づいて、前記シート本体の回転が不可能であると判定したときには、前記シート本体の回転を可能とするべく、前記シートクッションの前端が跳ね上がるように、前記チップアップ駆動装置に前記シートクッションを回転させる。
この態様によれば、シートクッションを周辺に位置する物体と離れた衝突し難い位置に移動させることができる。そのため、シート本体が回転時に周辺に位置する物体と衝突することを防止することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記制御装置は、前記チップアップ駆動装置による前記シートクッションの回転が完了する前に、前記回転駆動装置に前記シート本体の回転を許可する。
この態様によれば、シート本体の回転が完了するまでに要する時間を短縮することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記制御装置は、前記回転駆動装置による前記シート本体の回転が完了した後に、前記チップアップ駆動装置に前記シートクッションを着座可能となる位置まで回転させる。
この態様によれば、シート本体が鉛直軸回りに回転した後に、シート本体への着座が可能となる。
上記課題を解決するために本発明のある態様は、フロア(313)上に載置された複数のシート本体(315)を鉛直軸(Z)の回りに回転させるためのシート(303)の制御方法であって、前記シート本体の位置及び姿勢を制御する制御装置(309)が、前記シート本体に設けられたセンサ(305)から前記シート本体の周辺に位置する物体に係る情報を取得し、前記センサによって取得された情報に基づいて、前記シート本体の回転が可能であるかを判定し、前記シート本体が回転可能であるときに、前記シート本体を回転させる駆動ユニット(317)による前記シート本体の回転を許可する。
この態様によれば、センサによって取得された周辺に位置する物体に係る情報に基づいて、シート本体の回転の可否が判定される。そのため、回転によって周辺に位置する物体にシート本体が衝突することが防止できる。
上記の態様において、好ましくは、前記駆動ユニットは、前記シート本体を前記フロアに対して回転させる回転駆動装置(339)と、前記シート本体を前記フロアに対して平行移動させるスライド駆動装置(335)とを備え、前記シート本体の回転が不可能であると判定したときに、前記制御装置は、前記シート本体の回転を可能とするべく、前記スライド駆動装置に前記シート本体を前記フロアに対して平行移動させる。
この態様によれば、シート本体を周辺に位置する物体と離れた衝突し難い位置に移動させることができる。そのため、シート本体が回転時に周辺に位置する物体と衝突することを防止することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記制御装置は、前記スライド駆動装置による前記シート本体の移動が完了する前に、前記回転駆動装置に前記シート本体の回転を許可する。
この態様によれば、シート本体の回転が完了するまでに要する時間を短縮することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記制御装置は、前記回転駆動装置による前記シート本体の回転が完了した後に、前記スライド駆動装置に前記シート本体を着座可能となる位置に移動させる。
この態様によれば、シート本体が鉛直軸回りに回転した後に、シート本体への着座が可能となる。
上記の態様において、好ましくは、前記シート本体は、シートクッション(319)と、前記シートクッションに対して回転することにより傾倒可能なシートバック(321)とを備え、前記駆動ユニットは、前記シート本体を前記フロアに対して回転させる回転駆動装置(339)と、前記シートバックを前記シートクッションに対して回転させるリクライニング駆動装置(337)と、を備え、前記シート本体の回転が不可能であると判定したときには、前記シート本体の回転を可能とするべく、前記制御装置は、前記リクライニング駆動装置に前記シートバックを前記シートクッションに対して回転させ、前記シートバックを起立させる。
この態様によれば、シートバックを周辺に位置する物体と離れた衝突し難い位置に移動させることができる。そのため、シート本体が回転時に周辺に位置する物体と衝突することを防止することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記制御装置は、前記リクライニング駆動装置による前記シートバックの起立が完了する前に、前記回転駆動装置に前記シート本体の回転を許可する。
この態様によれば、シート本体の回転が完了するまでに要する時間を短縮することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記制御装置は、前記回転駆動装置による前記シート本体の回転が完了した後に、前記リクライニング駆動装置に前記シートバックを着座可能となる位置まで回転させる。
この態様によれば、シート本体が鉛直軸回りに回転した後に、シート本体への着座が可能となる。
上記の態様において、好ましくは、前記シート本体は、後端において前記フロアに回転可能に支持されたシートクッション(319)と、シートバック(321)とを備え、前記駆動ユニットは、前記シート本体を前記フロアに対して回転させる回転駆動装置(339)と、前記シートクッションを前記フロアに対して回転させるチップアップ駆動装置(341)とを有し、前記制御装置は前記センサによって取得された情報に基づいて、前記シート本体の回転が不可能であると判定したときには、前記シート本体の回転を可能とするべく、前記シートクッションの前端が跳ね上がるように、前記チップアップ駆動装置に前記シートクッションを回転させる。
この態様によれば、シートクッションを周辺に位置する物体と離れた衝突し難い位置に移動させることができる。そのため、シート本体が回転時に周辺に位置する物体と衝突することを防止することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記制御装置は、前記チップアップ駆動装置による前記シートクッションの回転が完了する前に、前記回転駆動装置に前記シート本体の回転を許可する。
この態様によれば、シート本体の回転が完了するまでに要する時間を短縮することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記制御装置は、前記回転駆動装置による前記シート本体の回転が完了した後に、前記チップアップ駆動装置に前記シートクッションを着座可能となる位置まで回転させる。
この態様によれば、シート本体が鉛直軸回りに回転した後に、シート本体への着座が可能となる。
上記課題を解決するために本発明のある態様は、スライド装置であって、複数の係止孔が延在方向に並んで設けられたレールと、前記レールに対してスライド移動可能に支持されたスライダと、前記係止孔に噛合う螺子部材を含み、前記スライダに固定されたギヤボックスと、前記螺子部材を回転駆動させて、前記スライダを前記レールに対してスライドさせる電気モータと、を有し、前記ギヤボックスには、前記螺子部材を摩擦係止し、前記螺子部材の回転を規制する回転規制装置が設けられている。
この態様によれば、螺子部材が回転規制部材によって摩擦係止される。これにより、ネジ部材の回転が防止されるため、意図しないスライダの移動を防止することができるスライド装置を提供することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記螺子部材は所定の軸線に沿って延びる円柱状の軸部と、前記軸部の外周面に設けられ、且つ、らせん状のネジ山を有する雄ネジ部とを備え、前記ギヤボックスは、前記螺子部材を回転可能に支持すると共に、前記雄ネジ部の軸線方向両端に位置する端面それぞれに対向する側壁を備えたハウジングを有し、前記回転規制装置は、前記螺子部材を前記側壁の一方に押し付けることにより、前記螺子部材の回転を摩擦係止する。
この態様によれば、螺子部材を摩擦係止することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記回転規制装置は、付勢装置と、前記付勢装置の付勢力により伸長し、前記螺子部材と前記側壁に押し付けて摩擦係止する伸縮装置とを備える。
この態様によれば、電気モータを駆動させることで、伸縮装置を伸長させることによって、螺子部材を自由回転できない摩擦係止された状態にすることができる。
上記の態様において、好ましくは、前記伸縮装置は、前記軸部が貫通する内孔を有し、互いに隣接して配置された2つの筒状部材を備え、前記筒状部材はそれぞれ互いに対向する面に、前記螺子部材の前記軸線の周方向に互いに同じ方向に傾斜する傾斜面を有し、前記付勢装置は、2つの前記筒状部材を逆向きに回転させて前記傾斜面に沿って摺動させることにより、前記伸縮装置を伸長させるべく付勢する。
この態様によれば、付勢装置によって、伸縮装置を伸びる方向に付勢し、螺子部材を摩擦係止することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記伸縮装置と、前記側壁の他方との互いに対向する面にはそれぞれ、前記軸線の回りに前記傾斜面とは逆向きに傾斜する逆傾斜面が設けられている。
この態様によれば、伸縮装置を逆傾斜面に摺動させつつ回転させると、伸縮装置は側壁の一方側に向けて移動する。これにより、例えば、伸縮装置を回転させることで、螺子部材を側壁の一方側に押し出して押し付けることによって、摩擦係止することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記付勢装置は、前記ハウジングと、2つの前記筒状部材とにそれぞれに接続され、前記筒状部材を逆向きに回転させる方向に付勢する2つの付勢部材を備える。
この態様によれば、螺子部材を側壁に押し付けて摩擦係止するべく、伸縮装置を伸長させることができる。
上記の態様において、好ましくは、前記筒状部材は前記付勢部材を結合させるための係止部を備え、前記ハウジングには前記係止部の少なくとも一つが通過可能な貫通孔が設けられ、前記貫通孔を介して、2つの前記筒状部材が視認可能となっている。
この態様によれば、付勢部材を筒状部材に結合させることができるとともに、2つの筒状部材を視認可能となる。
上記の態様において、好ましくは、前記側壁の側に位置する前記筒状部材には、前記側壁に向く側の端面に、前記側壁に係合して、前記側壁の側に位置する前記筒状部材の回転を規制するストッパが設けられている。
この態様によれば、筒状部材の回転を規制することができる。これにより、電動モータの駆動による螺子部材の回転が可能となる。
上記の態様において、好ましくは、前記筒状部材はそれぞれ、前記ハウジングの内部に収容されている。
この態様によれば、ギヤボックスをコンパクトに構成することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記ギヤボックスには、前記電気モータの回転軸の回転に伴って回転する駆動歯車と、前記螺子部材に設けられ、前記駆動歯車に噛合う従動歯車とが設けられている。
この態様によれば、電気モータの動力、螺子部材に伝達することができる。これにより、スライダをレールに対して移動させるための動力を螺子部材に伝達することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記ギヤボックスには前記駆動歯車を回転させるためのツールを挿入するためのツール孔が設けられている。
この態様によれば、ツールを用いて、傘歯車を回転させることができる。これにより、電動モータが駆動しないときに、ツールを用いて動力を螺子部材に伝達することができる。
上記課題を解決するために本発明のある態様は、上記のスライド装置の組み立て方法であって、前記ギヤボックス及び前記電気モータに前記スライダを組み付けるステップと、前記スライダを前記レールに組み付けるステップと、を含む。
この態様によれば、意図しないスライダの移動を防止することができるスライド装置を組み立てることができる。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、電動スライドレール(201)であって、ねじ係合部(257、258)が設けられたレール(211)と、前記レールにスライド可能に支持されたスライダ(212)と、前記スライダに支持され、前記ねじ係合部と係合するねじアセンブリ(235)と、前記ねじアセンブリを駆動する電動モータ(236)とを有し、前記ねじアセンブリは、前記電動モータの出力軸(236A)に、軸方向に移動可能に接続されると共に、前記出力軸と共に回転する接続軸(237)と、ギヤ(237A、238B、239B)を介して前記接続軸に連結され、前記接続軸の回転に応じて回転すると共に、前記ねじ係合部に係合したねじ部材(238、239)と、前記接続軸及び前記ねじ部材を回転可能に支持するギヤケース(241)と、前記接続軸を、前記接続軸の軸線方向に移動させるアクチュエータ(261)と、前記ギヤケースに設けられた第1係合部(262)と、前記接続軸に設けられた第2係合部(263)とを有し、前記接続軸が前記接続軸の軸線方向における第1位置にあるときに、前記第1係合部と前記第2係合部とが互いに係合し、前記ギヤケースに対する前記接続軸の回転が規制され、前記接続軸が前記接続軸の軸線方向における第2位置にあるときに、前記第1係合部と前記第2係合部とが互いに離間し、前記ギヤケースに対する前記接続軸の回転が許容される。
この態様によれば、接続軸が第1位置にあるときに、第1係合部と第2係合部とが互いに係合して接続軸の回転が規制される。これにより、ねじ部材の回転が規制され、レールに対するスライダの移動が規制される。すなわち、外部荷重に対して、スライダの位置を保持することができる電動スライドレールを提供することができる。
また、上記の態様において、前記ねじアセンブリは、前記接続軸を前記第1位置に付勢する付勢部材(265)を有してもよい。
この態様によれば、アクチュエータが駆動していないときに、付勢部材によって接続軸は第1位置に配置され、接続軸及びねじ部材の回転が規制される。
また、上記の態様において、前記接続軸には、フランジ(264A)が設けられ、前記アクチュエータは前記フランジを前記接続軸の軸線方向に押圧してもよい。
この態様によれば、アクチュエータを接続軸の側方に平行に配置することができ、アクチュエータをスペース効率良く配置することができる。
また、上記の態様において、前記付勢部材は、前記フランジに接続され、前記アクチュエータの側方に配置されてもよい。
この態様によれば、付勢部材及びアクチュエータをスペース効率良く配置することができる。
また、上記の態様において、前記アクチュエータは、前記接続軸の軸線方向に伸縮可能なソレノイドアクチュエータであってもよい。
この態様によれば、アクチュエータを接続軸の周囲にスペース効率良く配置することができる。
また、上記の態様において、前記接続軸は、前記ギヤケースを貫通して延び、前記フランジは、前記接続軸の前記出力軸側の端部と相反する端部に設けられてもよい。
この態様によれば、電動モータとねじ部材とを近づけて配置することができる。これにより、接続軸の捩じれを抑制することができる。
また、上記の態様において、前記アクチュエータは、前記ギヤケースに支持されてもよい。
この態様によれば、ケースを利用してアクチュエータを支持することができる。
また、上記の態様において、前記フランジは、前記接続軸に対して回転可能かつ、前記接続軸の軸線方向に移動不能に設けられ、前記付勢部材の一端は、前記フランジに結合されてもよい。
この態様によれば、回転する接続軸を、付勢部材によって付勢することができる。
また、上記の態様において、前記フランジは、前記接続軸に対して回転不能かつ、前記接続軸の軸線方向に移動不能に設けられ、前記付勢部材の一端は、前記フランジに摺接してもよい。
この態様によれば、回転する接続軸を、付勢部材によって付勢することができる。
また、上記の態様において、前記付勢部材は、前記ギヤケースの内部に配置されたコイルばねであり、前記付勢部材の内部を前記接続軸が通過してもよい。
この態様によれば、付勢部材をスペース効率良く配置することができる。
また、本発明の他の態様は、上記の電動スライドレールを備えた乗物用シートであって、前記レールが乗物のフロア(203)に結合され、前記スライダがシートクッション(205)に結合されている。
この態様によれば、外部荷重に対して、シートクッションの位置を保持することができる車両用シートを提供することができる。
本発明は、シートシステムであって、フロアに対して上下方向に延びる鉛直軸を中心とする回転可能に支持された複数のシート本体と、前記シート本体それぞれを前記フロアに対して回転させる駆動ユニットと、前記シート本体それぞれの周辺に位置する物体に係る情報を取得するセンサと、前記センサによって取得された情報に基づいて、前記駆動ユニットをそれぞれ制御する制御装置と、を有し、前記制御装置は前記センサによって取得された情報に基づいて、前記シート本体の回転が可能であるかを判定し、回転が可能であると判定したときに、前記駆動ユニットによる前記シート本体の回転を許可する。
この態様によれば、センサによって取得された周辺に位置する物体に係る情報に基づいて、シート本体の回転の可否が判定される。そのため、回転によって周辺に位置する物体にシート本体が衝突することが防止できる。
上記の態様において、好ましくは、前記駆動ユニットは、前記シート本体を前記フロアに対して回転させる回転駆動装置と、前記シート本体を前記フロアに対して平行移動させるスライド駆動装置とを備え、前記シート本体の回転が不可能であると判定したときに、前記制御装置は、前記シート本体の回転を可能とするべく、前記スライド駆動装置に前記シート本体を前記フロアに対して平行移動させる。
この態様によれば、シート本体を周辺に位置する物体と離れた衝突し難い位置に移動させることができる。そのため、シート本体が回転時に周辺に位置する物体と衝突することを防止することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記制御装置は、前記スライド駆動装置による前記シート本体の移動が完了する前に、前記回転駆動装置に前記シート本体の回転を許可する。
この態様によれば、シート本体の回転が完了するまでに要する時間を短縮することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記制御装置は、前記回転駆動装置による前記シート本体の回転が完了した後に、前記スライド駆動装置に前記シート本体を着座可能となる位置に移動させる。
この態様によれば、シート本体が鉛直軸回りに回転した後に、シート本体への着座が可能となる。
上記の態様において、好ましくは、前記シート本体は、シートクッションと、前記シートクッションに対して回転することにより傾倒可能なシートバックとを備え、前記駆動ユニットは、前記シート本体を前記フロアに対して回転させる回転駆動装置と、前記シートバックを前記シートクッションに対して回転させるリクライニング駆動装置と、を備え、前記シート本体の回転が不可能であると判定したときには、前記シート本体の回転を可能とするべく、前記制御装置は、前記リクライニング駆動装置に前記シートバックを前記シートクッションに対して回転させ、前記シートバックを起立させる。
この態様によれば、シートバックを周辺に位置する物体と離れた衝突し難い位置に移動させることができる。そのため、シート本体が回転時に周辺に位置する物体と衝突することを防止することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記制御装置は、前記リクライニング駆動装置による前記シートバックの起立が完了する前に、前記回転駆動装置に前記シート本体の回転を許可する。
この態様によれば、シート本体の回転が完了するまでに要する時間を短縮することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記制御装置は、前記回転駆動装置による前記シート本体の回転が完了した後に、前記リクライニング駆動装置に前記シートバックを着座可能となる位置まで回転させる。
この態様によれば、シート本体が鉛直軸回りに回転した後に、シート本体への着座が可能となる。
上記の態様において、好ましくは、前記シート本体は、後端において前記フロアに回転可能に支持されたシートクッションと、シートバックとを備え、前記駆動ユニットは、前記シート本体を前記フロアに対して回転させる回転駆動装置と、前記シートクッションを前記フロアに対して回転させるチップアップ駆動装置とを有し、前記制御装置は前記センサによって取得された情報に基づいて、前記シート本体の回転が不可能であると判定したときには、前記シート本体の回転を可能とするべく、前記シートクッションの前端が跳ね上がるように、前記チップアップ駆動装置に前記シートクッションを回転させる。
この態様によれば、シートクッションを周辺に位置する物体と離れた衝突し難い位置に移動させることができる。そのため、シート本体が回転時に周辺に位置する物体と衝突することを防止することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記制御装置は、前記チップアップ駆動装置による前記シートクッションの回転が完了する前に、前記回転駆動装置に前記シート本体の回転を許可する。
この態様によれば、シート本体の回転が完了するまでに要する時間を短縮することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記制御装置は、前記回転駆動装置による前記シート本体の回転が完了した後に、前記チップアップ駆動装置に前記シートクッションを着座可能となる位置まで回転させる。
この態様によれば、シート本体が鉛直軸回りに回転した後に、シート本体への着座が可能となる。
上記課題を解決するために本発明のある態様は、フロア上に載置された複数のシート本体を鉛直軸の回りに回転させるためのシートの制御方法であって、前記シート本体の位置及び姿勢を制御する制御装置が、前記シート本体に設けられたセンサから前記シート本体の周辺に位置する物体に係る情報を取得し、前記センサによって取得された情報に基づいて、前記シート本体の回転が可能であるかを判定し、前記シート本体が回転可能であるときに、前記シート本体を回転させる駆動ユニットによる前記シート本体の回転を許可する。
この態様によれば、センサによって取得された周辺に位置する物体に係る情報に基づいて、シート本体の回転の可否が判定される。そのため、回転によって周辺に位置する物体にシート本体が衝突することが防止できる。
上記の態様において、好ましくは、前記駆動ユニットは、前記シート本体を前記フロアに対して回転させる回転駆動装置と、前記シート本体を前記フロアに対して平行移動させるスライド駆動装置とを備え、前記シート本体の回転が不可能であると判定したときに、前記制御装置は、前記シート本体の回転を可能とするべく、前記スライド駆動装置に前記シート本体を前記フロアに対して平行移動させる。
この態様によれば、シート本体を周辺に位置する物体と離れた衝突し難い位置に移動させることができる。そのため、シート本体が回転時に周辺に位置する物体と衝突することを防止することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記制御装置は、前記スライド駆動装置による前記シート本体の移動が完了する前に、前記回転駆動装置に前記シート本体の回転を許可する。
この態様によれば、シート本体の回転が完了するまでに要する時間を短縮することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記制御装置は、前記回転駆動装置による前記シート本体の回転が完了した後に、前記スライド駆動装置に前記シート本体を着座可能となる位置に移動させる。
この態様によれば、シート本体が鉛直軸回りに回転した後に、シート本体への着座が可能となる。
上記の態様において、好ましくは、前記シート本体は、シートクッションと、前記シートクッションに対して回転することにより傾倒可能なシートバックとを備え、前記駆動ユニットは、前記シート本体を前記フロアに対して回転させる回転駆動装置と、前記シートバックを前記シートクッションに対して回転させるリクライニング駆動装置と、を備え、前記シート本体の回転が不可能であると判定したときには、前記シート本体の回転を可能とするべく、前記制御装置は、前記リクライニング駆動装置に前記シートバックを前記シートクッションに対して回転させ、前記シートバックを起立させる。
この態様によれば、シートバックを周辺に位置する物体と離れた衝突し難い位置に移動させることができる。そのため、シート本体が回転時に周辺に位置する物体と衝突することを防止することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記制御装置は、前記リクライニング駆動装置による前記シートバックの起立が完了する前に、前記回転駆動装置に前記シート本体の回転を許可する。
この態様によれば、シート本体の回転が完了するまでに要する時間を短縮することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記制御装置は、前記回転駆動装置による前記シート本体の回転が完了した後に、前記リクライニング駆動装置に前記シートバックを着座可能となる位置まで回転させる。
この態様によれば、シート本体が鉛直軸回りに回転した後に、シート本体への着座が可能となる。
上記の態様において、好ましくは、前記シート本体は、後端において前記フロアに回転可能に支持されたシートクッションと、シートバックとを備え、前記駆動ユニットは、前記シート本体を前記フロアに対して回転させる回転駆動装置と、前記シートクッションを前記フロアに対して回転させるチップアップ駆動装置とを有し、前記制御装置は前記センサによって取得された情報に基づいて、前記シート本体の回転が不可能であると判定したときには、前記シート本体の回転を可能とするべく、前記シートクッションの前端が跳ね上がるように、前記チップアップ駆動装置に前記シートクッションを回転させる。
この態様によれば、シートクッションを周辺に位置する物体と離れた衝突し難い位置に移動させることができる。そのため、シート本体が回転時に周辺に位置する物体と衝突することを防止することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記制御装置は、前記チップアップ駆動装置による前記シートクッションの回転が完了する前に、前記回転駆動装置に前記シート本体の回転を許可する。
この態様によれば、シート本体の回転が完了するまでに要する時間を短縮することができる。
上記の態様において、好ましくは、前記制御装置は、前記回転駆動装置による前記シート本体の回転が完了した後に、前記チップアップ駆動装置に前記シートクッションを着座可能となる位置まで回転させる。
この態様によれば、シート本体が鉛直軸回りに回転した後に、シート本体への着座が可能となる。
本発明に係るスライド装置は、2つの構造体との間に設けられ、一方の構造体を他方の構造体に対してスライド移動可能に接続する。例えば、スライド装置は、車両のフロアとシートとの間に設けられ、シートをフロアに対してスライド移動可能に接続するために使用される。その他、スライド装置は、基台とワークホルダとの間に設けられ、基台に対してワークホルダをスライド移動可能に接続するために使用されてもよい。
以下、本発明のスライド装置が、車両のフロアとシートとの間に設けられた実施例について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、スライド装置1は、車両のフロア2と、乗物用シート3との間に設けられている。乗物用シート3は、乗員の臀部を支持するシートクッション5と、シートクッション5の後部から上方に延び、乗員の背部を支持するシートバック6とを有する。スライド装置1は、フロア2とシートクッション5との間に設けられ、フロア2に対してシートクッション5をスライド移動可能に支持する。シートクッション5の側部には、シートクッション5とフロア2との隙間を隠すための被覆部材7が設けられている。
図2に示すように、スライド装置1は、前後方向に延在する左右のレール11と、各レール11にスライド可能に支持された左右のスライダ12とを有する。レール11の延在方向を前後方向とする。レール11の延在方向は、車両の前後方向と一致してもよく、一致しなくてもよい。すなわち、レール11の延在方向は、車両への搭載方向を限定するものではない。本実施形態では、レール11の延在方向は、車両の前後方向と一致する。本実施形態では、スライダ12はレール11に対して上側に設けられている。そのため、レール11をロアレール、スライダ12をアッパレールと称してもよい。
図3及び図4に示すように、レール11は、溝形の断面を有する。詳細には、レール11は、面が上下を向くレール底壁11Aと、レール底壁11Aの左右の縁部から上方に延びて面が左右を向く左右のレール外側壁11Bと、左右のレール外側壁11Bの上端からそれぞれ互いに近づく方向に延び、面が上下を向く左右のレール上壁11Cと、左右のレール上壁11Cの内端からそれぞれ下方に延び、面が左右を向く左右のレール内側壁11Dとを有する。
レール底壁11A、左右のレール外側壁11B、左右のレール上壁11C、及び左右のレール内側壁11Dは、それぞれ前後に延在している。左右のレール外側壁11B及び左右のレール内側壁11Dは、互いに平行に、かつレール底壁11Aに対して垂直に延在している。左右のレール内側壁11Dの下端は、レール底壁11Aに対して間隔をおいて配置されている。レール11は、その上部に前後に延びるレール開口部11Eを有する。レール開口部11Eは、左右のレール内側壁11Dによって画定されている。レール11は、金属板をプレス成形することによって形成されているとよい。レール底壁11Aの左右の縁側部は、上方に隆起した段部11Fを有してもよい。左右の段部11Fは、前後に延在し、その上面が平坦に形成されている。
左右のレール内側壁11Dのそれぞれには、互いに近づく方向に突出すると共に、前後方向に延びた突部11Gが形成されている。左右の突部11Gの断面は、円弧状又は台形状に形成されているとよい。各突部11Gは、対応するレール内側壁11Dにおいて、上下方向における中間部に配置されているとよい。左右のレール内側壁11Dの上端部及び下端部は、突部11Gよりも左右外方に配置されている。
図2~図4に示すように、レール11には複数の係止孔15がレール11の延在方向、すなわち前後方向に並んで設けられている。複数の係止孔15は、対応するレール内側壁11Dの突部11Gに形成されている。各係止孔15は、互いに平行に延びている。各係止孔15は、上下に延びている。各係止孔15は、前方又は後方に傾斜しているとよい。
フロア2には、下方に向けて凹んだ左右のレール溝17(図1参照)が形成されている。レール11は、対応するレール溝17内に配置されるとよい。
図3に示すように、スライダ12は、レール開口部11Eの開口端に配置され、面が上下を向く板状のスライダ上壁12Aと、スライダ上壁12Aの左右の側縁からレール底壁11A側、すなわち下方に延びる左右のスライダ内側壁12Bと、左右のスライダ内側壁12Bの下端からそれぞれ左右外方に延びる左右のスライダ下壁12Cと、左右のスライダ下壁12Cの左右外端から上方に延びる左右のスライダ外側壁12Dとを有する。スライダ上壁12A、左右のスライダ内側壁12B、左右のスライダ下壁12C、及び左右のスライダ外側壁12Dは、前後に延在している。
スライダ12は、プレス成形又はロール成形された複数の金属板を互いに締結することによって形成されているとよい。他の実施形態では、スライダ12はプレス成形又はロール成形された1枚の金属板から形成されてもよい。スライダ12の前後長は、レール11の前後長に対して短く設定されている。スライダ12は、スライダ上壁12Aにおいて、シートクッション5に結合されている。
スライダ上壁12Aは、左右のレール上壁11Cよりも上方に配置されてもよく、左右のレール上壁11Cよりも下方に配置されてもよい。左右のスライダ内側壁12Bは、面が左右を向き、左右に互いに距離をおいて対向する。左右のスライダ内側壁12Bは、左右のレール内側壁11Dの間に配置されている。各スライダ内側壁12Bは、左右において対応するレール内側壁11Dと隙間を介して対向する。各スライダ下壁12Cは、レール底壁11Aと左右において対応するレール内側壁11Dの下端の間を通過して左右に延びている。各スライダ12外壁は、左右において対応するレール外側壁11B及びレール内側壁11Dの間に配置されている。各スライダ外側壁12Dの左右方向における外面側には、複数の車輪18が回転可能に支持されている。各車輪18は、左右方向回りの回転軸を有し、レール底壁11Aに接地している。本実施形態では、各車輪18は、レール底壁11Aの段部11Fの上面に接地している。スライダ12は、車輪18を介してレール11に接地することによって、レール11に対して円滑にスライド移動することができる。以上の構成により、スライダ12はレール11に受容され、かつレール11にスライド可能に係合する。他の実施形態では、スライダ12はボールやローラーベアリングを介してレール11に支持されてもよい。
左右のスライダ内側壁12Bには、互いに近づく方向に凹むと共に、前後方向に延びた凹部12Eが形成されている。スライダ内側壁12Bの凹部12Eの背面側には突部が形成されている。左右の凹部12Eの前後方向から見た断面は、円弧状又は台形状に形成されているとよい。各凹部12Eは、対応するスライダ内側壁12Bにおいて、上下方向における中間部に配置されているとよい。各凹部12Eは、左右において対応するレール11の突部11Gと対向する位置に配置されている。
スライダ12は、スライダ上壁12Aと、左右のスライダ内側壁12Bとによって、レール底壁11A側、すなわち下方に向けて開口する溝形に形成されている。
図3に示すように、スライド装置1は左右のスライダ内側壁12Bの間にて、スライダ上壁12Aの下面に支持されている。
図5及び図6に示すように、スライド装置1は、ギヤボックス20と、電気モータ21と、を備える。ギヤボックス20と電気モータ21とはともにスライダ12に固定されている。本実施形態では、ギヤボックス20は固定ブラケット22を介してスライダ上壁12Aの下面に螺子23等を用いて固定されている。電気モータ21もまた、固定ブラケット22を介して、スライダ上壁12Aの下面に螺子23等を用いて固定されている。
ギヤボックス20とスライダ上壁12Aとの間や、電気モータ21とスライダ上壁12Aとの間には、それぞれ、クッション性を有するダンパ24が設けられているとよい。これにより、ダンパ24によって電気モータ21の駆動により発生する振動が吸収され、電気モータ21の駆動による振動が乗物用シート3に伝わることが防止される。
図7及び図8に示すように、ギヤボックス20は、上面視で前後方向に延びる略直方体状をなしている。ギヤボックス20は左右のスライダ内側壁12Bの間に位置している。スライダ内側壁12Bのギヤボックス20の左右側面に対向する部分にはスライダ開口部12F(図3参照)が形成されている。
図5及び図7に示すように、ギヤボックス20は、ハウジング26(図5参照)と、ハウジング26に回転可能に支持された螺子部材27(図5及び図7参照)と、電気モータ21の動力を伝達する伝達機構28(図7参照)と、を備えている。
図5及び図6に示すように、ハウジング26は、その下部を構成するケース30と、その上部を構成するカバー31とを備えている。図6に示すように、ケース30には下方に凹むケース凹部33が設けられ、ケース凹部33の内部に螺子部材27が収容されている。カバー31がケース30の上面に結合されることによって、螺子部材27を収容する収容室34(図5及び図7参照)が画定される。
図6及び図7に示すように、螺子部材27はいわゆるウォームギヤであって、所定方向に延びる円柱状の軸部36と、軸部36の外周に設けられた雄ネジ部37とを備えている。雄ネジ部37は軸部36と同軸をなし、軸部36の外径よりも大きな外径を有する円柱状をなしている。雄ネジ部37は軸部36の軸線方向における中央部分に設けられている。軸部36の端部は雄ネジ部37からその中心軸に沿って軸線方向に互いに離反する方向に突出している。雄ネジ部37の外周面にはらせん状に形成されたネジ山37A(図7参照)が形成されている。
図6に示すように、ケース凹部33には、雄ネジ部37を収容する受容部39と、軸部36の端部をそれぞれ受容する軸受部40が設けられている。軸受部40は前後に対をなすように設けられ、それぞれ軸部36の端部を受容する。これにより、螺子部材27はその軸部36の軸線がレール11の延在方向に延びるように配置された状態で、ケース30に回転可能に支持される。
図6及び図7に示すように、本実施形態では、ギヤボックス20に2つの螺子部材27が設けられているため、軸受部40が2対設けられている。2つの螺子部材27は、上面視でギヤボックス20を上下に通過する仮想線を中心として、螺子部材27が回転対称をなすように配置されている。
但し、本発明は螺子部材27の数には限定されず、例えば、ギヤボックス20には1つの螺子部材27のみが設けられていてもよく、また、3つ以上の螺子部材27が設けられていてもよい。
図6及び図7に示すように、受容部39のレール11の延在方向両端(すなわち、螺子部材27の軸線方向両端)をそれぞれ画定する側壁41は、その受容部39側の側面において、雄ネジ部37の延在方向両端に対向している。これにより、螺子部材27の延在方向の移動範囲が制限されている。
図6に示すように、軸受部40はレール11の延在方向両端(前後両端)に位置する側壁41それぞれに設けられている。軸受部40は対応する側壁41においてそれぞれ下方に凹む側壁凹部41Aによって形成されている。側壁凹部41Aはレール11の延在方向に沿う方向から見て略円弧状をなして下方に凹む湾曲面を有している。延在方向両端に位置する側壁41にはそれぞれ側壁凹部41Aが設けられ、側壁凹部41Aはそれぞれ対応する軸部36の端部を回転可能に受容している。
図7に示すように、ケース30の左右側部には下方に凹み、ケース30の左右側面からケース30の内方に延び、受容部39に通じる連通凹部42が設けている。これにより、ハウジング26の左右側面には収容室34に通じる開口43(図5も参照)が形成されている。図3に示すように、螺子部材27のネジ山37Aはその開口43を介してケース30の左右外方に突出し、スライダ開口部12Fを通過して、それぞれ係止孔15に突入している。これにより、2つの螺子部材27それぞれが対向するレール11に噛合った状態となっている。
図7に示すように、ケース30の後面には前方に凹み、収容室34に通じる挿入凹部45が設けられている。これにより、ハウジング26の後端に収容室34に通じる挿入孔46が形成されている。電気モータ21の回転軸21Aの端部はその挿入孔46に挿入されている。本実施形態では、挿入孔46の下部を画定する下壁には下方に貫通する貫通孔(不図示)が形成されている。
伝達機構28は電気モータ21の回転軸21Aの回転を螺子部材27の軸部36回りの回転に変換する。伝達機構28は、電気モータ21の回転軸21Aの端部に設けられた駆動歯車48と、駆動歯車48に噛合う従動歯車49とを含む。従動歯車49は螺子部材27の軸部36の後端部にそれぞれ設けられている。
図7に示すように、駆動歯車48は挿入孔46の内部に収容されている。図6に示すように、カバー31には駆動歯車48にアクセスするためのツール孔51が設けられている。ツール孔51はカバー31を上下に貫通し、挿入孔46とケース30の外部とを連通させる。本実施形態では、駆動歯車48には回転軸21Aの軸線を中心とする傘歯車52が結合されている。傘歯車52は駆動歯車48の電気モータ21に対して離反する側の端面から突出している。ツール孔51の開口部分は傘歯車52に上下方向に重なる位置に設けられている。ツール孔51の開口部分は、カバー31において、駆動歯車48と従動歯車49との噛合い部分に重なるように形成されていることが望ましい。
図6に示すように、なお、ギヤボックス20には、ツール孔51を封じるためのキャップ部材51Aが設けられていてもよい。本実施形態では、電気モータ21の回転軸21Aには、回転軸21Aの軸線方向に沿って、駆動歯車48及び傘歯車52を挟むように2つのブッシュ(以下、回転軸ブッシュ53)が設けられている。
電気モータ21が駆動し、回転軸21Aが軸回りに回転すると、駆動歯車48が回転し、駆動歯車48に噛合う従動歯車49も回転する。これにより、螺子部材27が軸部36の軸線回りに回転することになる。
螺子部材27のネジ山37Aはレール11の係止孔15に噛合っているため、螺子部材27が軸回りに回転すると、ギヤボックス20がレール11に沿ってスライド移動する。ギヤボックス20はスライダ12に結合されているため、スライダ12もまた、螺子部材27の回転に伴って、レール11の延在方向に沿ってスライド移動する。これにより、スライダ12に結合された乗物用シート3もまた、螺子部材27の回転に伴って、レール11の延在方向に沿ってスライド移動する。
すなわち、電気モータ21が駆動すると、回転軸21Aの回転が伝達機構28により螺子部材27の軸回りの回転に変換されて、スライダ12がレール11に対してスライド移動し、乗物用シート3がレール11に沿ってスライド移動する。よって、電気モータ21の駆動を電気的に制御し、回転軸21Aの回転量や向きを制御することによって、使用者は乗物用シート3を自らの望む位置にスライド移動させることができる。
しかしながら、電気モータ21の種類によって、停止時に回転軸21Aが比較的自由に回転できる場合がある。本願発明者らは、特に、このような場合などにおいて、車両が斜面上に停止すると、螺子部材27の回転が十分に規制されず、乗物用シート3がその自重によってスライド移動するという問題が生じ得ることを見出した。
そこで、図7及び図8に示すように、本発明に係るギヤボックス20には、ハウジング26、螺子部材27、及び、伝達機構28に加えて、更に、螺子部材27の自由な回転を規制する回転規制装置55が設けられている。
回転規制装置55は螺子部材27に自由な回転を阻止しようとする抵抗力を付与することによって、螺子部材27の自由な回転を規制する。回転規制装置55は螺子部材27を一方の側壁41に押圧することによって、回転しようとする螺子部材27と側壁41との間に摩擦力を発生させる。この摩擦力は螺子部材27の自由な回転を阻止する抵抗力として機能する。
以下、螺子部材27が押し付けられる側壁41の側を一側と記載し、それ以外の側壁41が設けられる側を他側と記載する。回転規制装置55は雄ネジ部37よりも他側に設けられ、雄ネジ部37の他側の端面を一側に押し出すことによって、雄ネジ部37の一側の端面を一側の側壁41に押圧する。これにより、雄ネジ部37が一側の側壁41に摩擦係止され、螺子部材27の回転を阻止する抵抗力が付与される。
図8に示すように、左側の螺子部材27においては、一側は後側、他側が前側に相当する。すなわち、左側の螺子部材27の回転を規制する回転規制装置55は、雄ネジ部37よりも前側(他側)に設けられ、雄ネジ部37を後側(他側)の側壁41に押し付けて、抵抗力を付与する。一方、右側の螺子部材27においては、一側は前側、他側が後側に相当する。すなわち、右側の螺子部材27の回転を規制する回転規制装置55は、雄ネジ部37よりも後側(他側)に設けられ、雄ネジ部37を前側(他側)の側壁41に押し付けて、抵抗力を付与する。
その他、本実施形態では、一側の側壁41と、雄ネジ部37との間にブッシュ(以下、一側ブッシュ56)が設けられている。一側ブッシュ56は貫通孔を有する樹脂製の筒状をなしている。螺子部材27の一側の軸部36はその貫通孔に嵌め込まれている。一側ブッシュ56は一側の軸部36を支え、螺子部材27の回転をスムーズにする役割を果たす。
図7に示すように、回転規制装置55は、伸縮自在な伸縮装置57と、伸縮装置57を伸びる方向に付勢する付勢装置59とを備える。
伸縮装置57は雄ネジ部37よりも他側に設けられている。他側の側壁41の軸受部40には、一側を向く支持面40Aを有する段部40Bが形成され、伸縮装置57はその支持面40Aと雄ネジ部37の他側の端面との間に配置されている。
伸縮装置57の他側の端部は支持面40Aに当接し、一側の端部は雄ネジ部37の他側の端面に当接している。伸縮装置57が付勢装置59によって伸びる方向に付勢されると、螺子部材27が一側に押し出されて、螺子部材27が側壁41に押し付けられることになる。
図9に示すように、伸縮装置57は2つの筒状部材61(ウェブともいう)を備えている。筒状部材61はそれぞれ内孔を備え、内径及び外径が等しい円筒状をなしている。2つの筒状部材61は同軸をなすように配置され、それぞれの内孔には螺子部材27の他側に位置する軸部36が挿入されている(図6参照)。これにより、2つの筒状部材61の内孔にはそれぞれ軸部36が貫通し、筒状部材61はそれぞれ回転可能に螺子部材27の軸部36に支持されている。筒状部材61はそれぞれハウジング26の内部に収容されている。このように、筒状部材61がハウジング26の内部に収容されることによって、ギヤボックス20をコンパクトに構成することができる。
本実施形態では、図6に示すように、筒状部材61と、螺子部材27の軸部36との間に、ブッシュ(以下、他側ブッシュ62)が設けられている。他側ブッシュ62は貫通孔を有する樹脂製の筒状をなし、螺子部材27の他側の軸部36がその貫通孔に嵌め込まれている。他側ブッシュ62は他側の軸部36を支え、螺子部材27の回転をスムーズにする役割を果たす。他側の軸部36は他側ブッシュ62がはめ込まれた状態で、2つの筒状部材61に挿入されている。
図8に示すように、2つの筒状部材61は他側の軸部36の軸線に沿って並んで配置されている。以下、他側に位置する筒状部材61を第1筒状部材63(第1ウェブともいう)、一側に位置する筒状部材61を第2筒状部材64(第2ウェブともいう)と記載する。第1筒状部材63は他側の側壁41と第2筒状部材64とに当接し、第2筒状部材64は雄ネジ部37の他側の端面と第1筒状部材63とに当接している。
第1筒状部材63の第2筒状部材64に隣接する側(一側)の端面と、第2筒状部材64の第1筒状部材63に隣接する側(他側)の端面とにはそれぞれ傾斜面(以下、主傾斜面65)が設けられている。第1筒状部材63の主傾斜面65と、第2筒状部材64の主傾斜面65とはそれぞれ、軸部36の軸線回りに沿って、その他側に近接又は離反する方向に傾斜している。第1筒状部材63の主傾斜面65の傾斜角度と、第2筒状部材64の主傾斜面65の傾斜角度とは、それぞれ同一となるように設定されている。
第1筒状部材63の主傾斜面65と、第2筒状部材64の主傾斜面65とがそれぞれ当接した状態で、第1筒状部材63と第2筒状部材64とが軸線回りに逆方向に回転すると、主傾斜面65によって案内されて、第1筒状部材63と第2筒状部材64とがそれぞれ軸線方向に近接又は離反する方向に移動する。このように、第1筒状部材63と第2筒状部材64とが互いに摺動し回転することで、伸縮装置57の軸線方向の全長が変化し、伸縮装置57が軸線方向に伸縮する。
図10には、ギヤボックス20の断面図が示されている。図8及び図10に示すように、軸線に沿って他側から一側に向かって見たときに、第1筒状部材63が第2筒状部材64に対して右回りに回転すると、第1筒状部材63と第2筒状部材64とは軸線方向に沿って互いに離れる方向に移動し、伸縮装置57は軸線方向に伸びる。また、軸線に沿って他側から一側に向かって見たときに、第1筒状部材63が第2筒状部材64に対して左回りに回転すると、第1筒状部材63と第2筒状部材64とは軸線方向に沿って互いに近づく方向に移動し、伸縮装置57は縮まる。
付勢装置59は、第1筒状部材63と第2筒状部材64とを相対回転させて、伸縮装置57が伸びるように付勢する。本実施形態では、付勢装置59は、第1筒状部材63及びハウジング26の間に設けられた第1付勢部材67と、第2筒状部材64及びハウジング26の間に設けられた第2付勢部材68とを含む。
第1付勢部材67は第1筒状部材63を軸回りに回転するように付勢し、第2付勢部材68もまた第2筒状部材64を軸回りに回転するように付勢する(図10の矢印を参照)。但し、第1付勢部材67によって付勢される第1筒状部材63の回転方向と、第2付勢部材68によって付勢される第2筒状部材64の回転方向とは逆向きであって、且つ、伸縮装置57が伸びる方向に設定されている。
詳細には、図10に示すように、第1付勢部材67は一側に見て、第1筒状部材63を右回りに付勢する。第2付勢部材68は一側に見て、第2筒状部材64を左回りに付勢する。これにより、第1筒状部材63が第2筒状部材64に対して右回りに回転するように付勢され、伸縮装置57は第1付勢部材67及び第2付勢部材68によって伸びる方向に付勢されている。
本実施形態では、第1付勢部材67及び第2付勢部材68はそれぞれ、ねじりコイルばねによって構成されている。第1付勢部材67は一端において、第1筒状部材63に掛け止めされ、他端において、ケース30の掛止部30Aに掛け止めている。第2付勢部材68も同様に一端において、第2筒状部材64に掛け止めされ、他端において、カバー31の掛止部31Aに掛け止めされている。すなわち、付勢部材はともに、筒状部材61とハウジング26とに接続されている。
図9及び図10に示すように、第1筒状部材63及び第2筒状部材64には、第1付勢部材67の一端と、第2付勢部材68の一端とが掛け止めするための突出片70が設けられている。突出片70の突端には切り欠かれた切欠72が設けられて、突出片70はそれぞれフック状(鉤状ともいう)をなしている。突出片70の切欠72には第1付勢部材67の一端及び第2付勢部材68の一端がそれぞれ掛け止めされている。よって、突出片70は第2付勢部材68を係止するための係止部(又は、掛け止めするための掛止部)として機能する。
本実施形態では、図10に示すように、ケース30に、第1付勢部材67を第1筒状部材63に接続するための貫通孔(以下、第1ばね用貫通孔74)が設けられている。第1ばね用貫通孔74は、ケース30の下面から他側の側壁41の軸受部40に達している。第1付勢部材67は一端側においてケース30の下面に結合され、第1ばね用貫通孔74を通過して突出する第1筒状部材63の突出片70に掛け止めされている。
本実施形態では、更に、カバー31に、第2付勢部材68を第2筒状部材64に接続するための貫通孔(以下、第2ばね用貫通孔75)が設けられている。第2ばね用貫通孔75は、カバー31の上面から他側の側壁41の軸受部40に上下方向に重なる位置まで延びている。第2付勢部材68は一端側においてカバー31の上面に結合され、第2ばね用貫通孔75を通過して突出する第2筒状部材64の突出片70に掛け止めされている。
図11には、ギヤボックス20の上面図が示されている。図10に示すように、第2ばね用貫通孔75は上面視で、第2筒状部材64の突出片70と重なり合っている。そのため、突出片70への第2付勢部材68の掛け止めが容易である。また、第2ばね用貫通孔75は第1筒状部材63と第2筒状部材64とに重なるように構成されている。これにより、第2ばね用貫通孔75を介して、第1筒状部材63と第2筒状部材64とを同時に視認することができるようになっている。これにより、ギヤボックス20のメンテナンス性が向上する。
本実施形態では、図8に示すように、第1筒状部材63と、その第1筒状部材63に対向するケース30の他側の側壁41とにはそれぞれ、互いに同じ方向に傾斜する面(以下、補助傾斜面76)が設けられている。補助傾斜面76は、第1筒状部材63の軸線を中心とする周方向に沿って、第2筒状部材64に近接又は離反する方向に傾斜している。第1筒状部材63が軸線回りに回転し、その補助傾斜面76がケース30の他方側の側壁41の補助傾斜面76に沿って摺動すると、補助傾斜面76の傾斜によって、第1筒状部材63が一側又は他側に移動する。
図8に示すように、第1筒状部材63及び第2筒状部材64それぞれに主傾斜面65が設けられ、第1筒状部材63及び他方側の側壁41それぞれに補助傾斜面76が設けられている。軸線の周方向一側に向かって主傾斜面65が傾斜する傾斜方向と、同じ軸線の周方向一側に向かって補助傾斜面76が傾斜する傾斜方向とは、逆向きとなるように設定されている。すなわち、補助傾斜面76は、主傾斜面65とは逆向きに傾斜する逆傾斜面となっている。
具体的には、主傾斜面65は他側から一側に向かって軸線の周方向右回りに、螺子部材27から離れる方向(すなわち、他側に)に傾斜している。一方、補助傾斜面76は他側から一側に向かって軸線の周方向右回りに螺子部材27に近づく方向(すなわち、一側に)傾斜している。
図10に示すように、第1付勢部材67は第1筒状部材63を一側に向かって軸線の周方向右回りに付勢している。図9から理解できるように、この第1付勢部材67の付勢力によって、第1筒状部材63は補助傾斜面76に摺動して一側に向かって軸線の周方向右回りに回転すると、第1筒状部材63は一側に移動する。
図8に示すように、第1筒状部材63には他側の側壁41に係合して、他側の側壁41に対する第1筒状部材63の軸線回りの回転を制限し、第1筒状部材63が一側に移動することを規制するストッパ78が設けられている(図9も参照)。ストッパ78は第1筒状部材63の他側の端部に設けられている。
第1筒状部材63が一側に向かって軸線の周方向右回りに回転すると、ストッパ78はケース30の他側の側壁41に設けられた段部40Bに係合し、第1筒状部材63の右回りの回転が規制される。
電気モータ21が駆動していないときには、第1筒状部材63と第2筒状部材64とが互いに当接し、且つ、それぞれ、他側の側壁41と、雄ネジ部37の他側の端面とに当接し、ストッパ78は段部40Bに係合していることが好ましい。このストッパ78と段部40Bとの係合によって、第1筒状部材63が一側に向かって軸線の周方向右回りに回転し、一側に移動することが規制される。これにより、螺子部材27がより強く一側の側壁41に押し付けられることが防止できる。
次に、このように構成されたスライド装置1の組み立て方法について説明する。スライド装置1の組み立てを行う作業者は、まず、ギヤボックス20を組み立てる。
作業者は、ギヤボックス20の組み立てに際し、まず、従動歯車49や第1筒状部材63、第2筒状部材64、第1ブッシュ及び第2ブッシュが設けられた螺子部材27を用意する。その後、作業者は、螺子部材27をケース凹部33に収容し、第1付勢部材67を第1ばね用貫通孔74に通過させて、その端部をケース30の下面と第1筒状部材63とに掛け止めする。
その後、作業者は、電気モータ21の回転軸21Aを固定ブラケット22に設けられた孔を通過させてケース30の挿入凹部45に挿入し、駆動歯車48と従動歯車49とが噛合うように配置した後、ケース30にカバー31を取り付ける。次に、作業者は、第2付勢部材68を第2ばね用貫通孔75に通過させて、その端部をカバー31と第2筒状部材64とに掛け止めする。これにより、ギヤボックス20が完成する。
次に作業者は、ギヤボックス20にダンパ24を取り付けて、ギヤボックス20と電気モータ21とをそれぞれ固定ブラケット22に固定する。その後、作業者は固定ブラケット22をスライダ12に固定することにより、ギヤボックス20及び電気モータ21にスライダ12への組付け(スライダ12への組付ステップ)が完了する。
その後、作業者はスライダ12をレール11の一端(前端又は後端)から挿入する(又は、挿入後、電気モータ21を駆動させる)ことによって、スライダ12をレール11に組み付ける。スライダ12のレール11への組付け(レール11への組付ステップ)が完了すると、スライド装置1の組み立てが完了する。
図12(A)に示すように、ダンパ24及びスライダ12のツール孔51に重なる部分には、上下に貫通する貫通孔24A及び12Aがそれぞれ設けられている。これにより、ギヤボックス20がスライダ12に取り付けられた後に、図12(B)及び図13に示すように、メンテナンスを行う際には、先端に傘歯車52に噛合う歯車部80Aを備えたツール80を挿入することにより、傘歯車52にアクセスし、駆動歯車48を回転させることができる。
図11(C)には変形例に係るギヤボックス20のツール孔51の開口部分の拡大図が示されている。図11(C)に示す変形例では、ツール孔51の開口部分は、カバー31において、駆動歯車48と従動歯車49との噛合い部分に重なるように形成されている。これにより、メンテナンス時等において、作業者が駆動歯車48と従動歯車49とが適切に噛合しているかを視認することが可能となる。
次にこのように構成されたスライド装置1の動作及び効果について説明する。
電気モータ21が停止しているときには、第1付勢部材67及び第2付勢部材68の付勢力に従って、第1筒状部材63及び第2筒状部材64はそれぞれ一側に移動し、第2筒状部材64が雄ネジ部37を一側の側壁41に向けて押し出す。これにより、雄ネジ部37の一側の側面が一側の側壁41に押し付けられる。
スライダ12にレール11に沿って移動させようとする荷重が加わると、螺子部材27にもまた、その軸線を中心として回転させようとする荷重が加わる。このとき、付勢部材によって付勢された伸縮装置57により、雄ネジ部37が側壁41に押し付けられる。そのため、螺子部材27を回転させようとしたときに、その押付力に応じた摩擦力が加わる。この摩擦力は、螺子部材27の回転を阻止する抵抗力として機能する。
このように、螺子部材27が回転しようとすると、回転規制装置55(付勢装置59及び伸縮装置57)によって、その回転を阻止しようとする抵抗力が加わる。これにより、螺子部材27の自由な回転が防止されるため、意図しないスライダ12の移動を防止することができるスライド装置1を提供することができる。利用者の意図しないスライダ12の移動が防止されることによって、乗物用シート3の安全性が向上する。
電気モータ21が駆動すると、回転軸21Aが回転し、その回転が伝達機構28を介して、螺子部材27に伝わり、螺子部材27が回転する。このとき、螺子部材27は第2筒状部材64に当接しているため、螺子部材27と筒状部材61との間の摩擦力によって、第2筒状部材64には軸部36の軸線回り回転させようとする荷重が加わる。
図14(A)に示すように、螺子部材27の回転により、第2筒状部材64に一側に向かって軸線の周方向右回りに回転させようとする荷重が加わることがある。このとき、第1筒状部材63と第2筒状部材64との間の摩擦力によって、第1筒状部材63にもまた一側に向かって軸線の周方向右回りに回転させようとする荷重が加わる。しかし、第1筒状部材63は、ストッパ78と段部40Bとの係合によって、一側に向かって軸線の周方向右回りに回転することが規制される。これにより、第2筒状部材64が第1筒状部材63に対して一側に向かって軸線の周方向右回りに回転する。
これによって、第2筒状部材64が図14(A)の左向きの矢印に示すように、他側に移動するように案内され(例えば、第1筒状部材63と第2筒状部材64との間などに隙間が発生し)、第2筒状部材64から雄ネジ部37に加わる一側に向く荷重が低下する。これにより、螺子部材27に加わる一側の側壁41への押圧力が低下し、螺子部材27の摺動性が向上して、螺子部材27の回転が可能となる。
このように、第2筒状部材64に一側に向かって軸線の周方向右回りに回転させようとする荷重が加わったときには、ストッパ78によって第1筒状部材63の回転が規制されて、電気モータ21の駆動に応じた螺子部材27の回転が可能となる。これにより、電気モータ21の駆動に応じて、スライダ12がレール11に対してスライド移動可能となる。
図14(B)に示すように、第2筒状部材64に一側に向かって軸線の周方向左回りに回転させようとする荷重が加わった場合、第1筒状部材63と第2筒状部材64との間の摩擦力によって、第1筒状部材63もまた一側に向かって軸線の周方向左回りに回転させようとする荷重が加わる。補助傾斜面76は、第1筒状部材63が軸線を中心として周方向左回りに回転すると、第1筒状部材63が他側に移動するように傾斜しているため(例えば、第1筒状部材63と他側の側壁41との間などに隙間が発生し)、第2筒状部材64から雄ネジ部37に加わる一側に向く荷重が低下する。
これにより、螺子部材27に加わる一側の側壁41への押圧力が低下し、螺子部材27の摺動性が向上して、螺子部材27の回転が可能となる。よって、電気モータ21の駆動に応じて、スライダ12がレール11に対してスライド移動可能となる。
このように、本発明によるスライド装置1は、電気モータ21が駆動していない場合には、螺子部材27に自由な回転を阻止しようとする抵抗力を加えることができるため、利用者が意図しないスライダ12の移動を防止することができる。電気モータ21が駆動したときには、螺子部材27の回転が可能となり、利用者が意図した通りに、スライダ12を移動させることができる。
<<第2実施形態>>
第2実施形態に係るスライド装置もまた、レールと、レールに対してスライド移動可能なスライダとを有する。レールは第1の構造体に結合され、スライダは第2の構造体に結合される。レールに対してスライダが移動することによって、スライド装置は第1の構造体に対して第2の構造体を移動させる。スライド装置は、例えば、車両のフロアとシートとの間に設けられ、フロアに対してシートを移動させる。また、電動スライドレールは、基台とワークホルダとの間に設けられ、基台に対してワークホルダを移動させる。以下、スライド装置が車両のフロアとシートとの間に設けられた実施形態を例に挙げて、説明する。
第2実施形態に係るスライド装置もまた、レールと、レールに対してスライド移動可能なスライダとを有する。レールは第1の構造体に結合され、スライダは第2の構造体に結合される。レールに対してスライダが移動することによって、スライド装置は第1の構造体に対して第2の構造体を移動させる。スライド装置は、例えば、車両のフロアとシートとの間に設けられ、フロアに対してシートを移動させる。また、電動スライドレールは、基台とワークホルダとの間に設けられ、基台に対してワークホルダを移動させる。以下、スライド装置が車両のフロアとシートとの間に設けられた実施形態を例に挙げて、説明する。
図15に示すように、第2実施形態に係るスライド装置101は車室の下縁を画定するフロア102と、乗物用シート103との間に設けられている。乗物用シート103は、乗員の臀部を支持するシートクッション105と、シートクッション105の後部から上方に延び、乗員の背部を支持するシートバック106とを有する。スライド装置101は、フロア102とシートクッション105との間に設けられ、フロア102に対してシートクッション105をスライド移動可能に支持する。シートクッション105の側部には、シートクッション105とフロア102との隙間を隠すためのカバー107が設けられている。
図16に示すように、スライド装置101は、前後方向に延在する左右のレール111と、各レール111にスライド可能に支持された左右のスライダ112とを有する。レール111の延在方向を前後方向とする。レール111の延在方向は、車両の前後方向と一致してもよく、一致しなくてもよい。すなわち、レール111の延在方向は、車両への搭載方向を限定するものではない。本実施形態では、レール111の延在方向は、車両の前後方向と一致する。本実施形態では、スライダ112はレール111に対して上側に設けられている。そのため、レール111をロアレール、スライダ112をアッパレールと称してもよい。
図17及び図18に示すように、レール111は、溝形の断面を有する。詳細には、レール111は、面が上下を向くレール底壁111Aと、レール底壁111Aの左右の縁部から上方に延びて面が左右を向く左右のレール外側壁111Bと、左右のレール外側壁111Bの上端からそれぞれ互いに近づく方向に延び、面が上下を向く左右のレール上壁111Cと、左右のレール上壁111Cの内端からそれぞれ下方に延び、面が左右を向く左右のレール内側壁111Dとを有する。
レール底壁111A、左右のレール外側壁111B、左右のレール上壁111C、及び左右のレール内側壁111Dは、それぞれ前後に延在している。左右のレール外側壁111B及び左右のレール内側壁111Dは、互いに平行に、かつレール底壁111Aに対して垂直に延在している。左右のレール内側壁111Dの下端は、レール底壁111Aに対して間隔をおいて配置されている。レール111は、その上部に前後に延びるレール開口部111Eを有する。レール開口部111Eは、左右のレール内側壁111Dによって画定されている。レール111は、金属板をプレス成形することによって形成されているとよい。レール底壁111Aの左右の縁側部は、上方に隆起した段部111Fを有してもよい。左右の段部111Fは、前後に延在し、その上面が平坦に形成されている。
左右のレール内側壁111Dのそれぞれには、互いに近づく方向に突出すると共に、前後方向に延びた突部111Gが形成されている。左右の突部111Gの断面は、円弧状又は台形状に形成されているとよい。各突部111Gは、対応するレール内側壁111Dにおいて、上下方向における中間部に配置されているとよい。左右のレール内側壁111Dの上端部及び下端部は、突部111Gよりも左右外方に配置されている。
図16~図18に示すように、レール111には複数の係止孔115がレール111の延在方向、すなわち前後方向に並んで設けられている。複数の係止孔115は、対応するレール内側壁111Dの突部111Gに形成されている。各係止孔115は、互いに平行に延びている。各係止孔115は、上下に延びている。各係止孔115は、前方又は後方に傾斜しているとよい。
フロア102には、下方に向けて凹んだ左右のレール溝117が形成されている。レール111は、対応するレール溝117内に配置されるとよい。
図17に示すように、スライダ112は、レール開口部111Eの開口端に配置され、面が上下を向く板状のスライダ上壁112Aと、スライダ上壁112Aの左右の側縁からレール底壁111A側、すなわち下方に延びる左右のスライダ内側壁112Bと、左右のスライダ内側壁112Bの下端からそれぞれ左右外方に延びる左右のスライダ下壁112Cと、左右のスライダ下壁112Cの左右外端から上方に延びる左右のスライダ外側壁112Dとを有する。スライダ上壁112A、左右のスライダ内側壁112B、左右のスライダ下壁112C、及び左右のスライダ外側壁112Dは、前後に延在している。
スライダ112は、プレス成形又はロール成形された複数の金属板を互いに締結することによって形成されているとよい。他の実施形態では、スライダ112はプレス成形又はロール成形された1枚の金属板から形成されてもよい。スライダ112の前後長は、レール111の前後長に対して短く設定されている。スライダ112は、スライダ上壁112Aにおいて、シートクッション105に結合されている。
スライダ上壁112Aは、左右のレール上壁111Cよりも上方に配置されてもよく、左右のレール上壁111Cよりも下方に配置されてもよい。左右のスライダ内側壁112Bは、面が左右を向き、左右に互いに距離をおいて対向する。左右のスライダ内側壁112Bは、左右のレール内側壁111Dの間に配置されている。各スライダ内側壁112Bは、左右において対応するレール内側壁111Dと隙間を介して対向する。各スライダ下壁112Cは、レール底壁111Aと左右において対応するレール内側壁111Dの下端の間を通過して左右に延びている。各スライダ112外壁は、左右において対応するレール外側壁111B及びレール内側壁111Dの間に配置されている。各スライダ外側壁112Dの左右方向における外面側には、複数の車輪118が回転可能に支持されている。各車輪118は、左右方向回りの回転軸を有し、レール底壁111Aに接地している。本実施形態では、各車輪118は、レール底壁111Aの段部111Fの上面に接地している。スライダ112は、車輪118を介してレール111に接地することによって、レール111に対して円滑にスライド移動することができる。以上の構成により、スライダ112はレール111に受容され、かつレール111にスライド可能に係合する。他の実施形態では、スライダ112はボールやローラーベアリングを介してレール111に支持されてもよい。
左右のスライダ内側壁112Bには、互いに近づく方向に凹むと共に、前後方向に延びた凹部112Eが形成されている。スライダ内側壁112Bの凹部112Eの背面側には突部が形成されている。左右の凹部112Eの前後方向から見た断面は、円弧状又は台形状に形成されているとよい。各凹部112Eは、対応するスライダ内側壁112Bにおいて、上下方向における中間部に配置されているとよい。各凹部112Eは、左右において対応するレール111の突部111Gと対向する位置に配置されている。
スライダ112は、スライダ上壁112Aと、左右のスライダ内側壁112Bとによって、レール底壁111A側、すなわち下方に向けて開口する溝形に形成されている。図17に示すように、スライダ上壁112Aの下面には、スライドロック装置130が支持されている。
スライドロック装置130はスライダ112のレール111に対する移動を規制するためのものであり、乗物用シート103の着座者等からの操作入力に基づいて、その移動規制を解除し、乗物用シート103をレール111に沿って移動可能とする。操作入力がなされなくなると、スライドロック装置130はスライダ112のレール111に対する移動を規制する。
図19~図23に示すように、スライドロック装置130は、スライダ112に結合されたケーシング131と、ケーシング131に解除位置とロック位置との間で回転可能に支持された少なくとも1つのロック部材132と、ロック部材132をロック位置に付勢する付勢部材133と、ケーシング131に変位可能に支持され、ロック部材132に当接した操作部材134とを有する。本実施形態では、ロック部材132及び付勢部材133は、左右一対設けられている。スライドロック装置130は固定ブラケット130Aを介して、スライダ112に固定されている。
図19及び図20に示すように、ケーシング131は、複数の部材を組み合わせて形成されるとよい。本実施形態では、ケーシング131は、互いに結合される下ケーシング部材131A及び上ケーシング部材131Bを含む。左右のロック部材132は、下ケーシング部材131A及び上ケーシング部材131Bの間に回転可能に支持されている。ケーシング131は、スライダ上壁112Aの底面に結合され、一対のスライダ内側壁112Bの間に配置されている。これにより、スライドロック装置130をスライダ112内にスペース効率良く配置することができる。一対のスライダ内側壁112Bのケーシング131と対向する部分には、スライダ開口部112Fが形成されている。
一対のロック部材132は、互いに平行に配置されている。各ロック部材132は、前後方向に延びる軸部132Aを有する。すなわち、各ロック部材132の回転軸線は前後方向に延びている。軸部132Aの前端及び後端が、ケーシング131に回転可能に支持されている。各ロック部材132は、軸部132Aから径方向に突出する少なくとも1つの凸部132Bを有する。本実施形態では、複数の凸部132Bが軸部132Aから径方向における一方側に突出している。
図20に示すように、複数の凸部132Bは、ロック部材132の回転軸線を中心とした螺旋状に延びているとよい。複数の凸部132Bは、互いに断続的に形成されている。複数の凸部132Bは前後方向に間隔をおいて配置されている。ケーシング131は、複数の凸部132Bを摺動可能に受容する螺旋溝131Cを有するとよい。
図20に示すように、各ロック部材132は、軸部132Aからロック部材132の回転軸線と直交する方向に突出した1以上の突出部132Cを有する。突出部132Cは、複数の凸部132Bとは軸部132Aの周方向に異なる位置に設けられ、軸部132Aから径方向に複数の凸部132Bとは異なる方向(概ね、逆向き)に突出している。突出部132Cは軸部132Aの延在方向に沿って延びる筋状をなしている。
図19に示すように、ケーシング131の左右の側部には、ケーシング開口部131Dがそれぞれ形成されている。ロック部材132は、複数の凸部132Bがケーシング開口部131Dを通過してケーシング131の外方に突出したロック位置(図21(A)参照)と、複数の凸部132Bがケーシング131内に位置する解除位置(図22(A)参照)との間で回動する。
図21(A)に示すように、ロック部材132が解除位置にあるときに複数の凸部132Bは、軸部132Aの上方に配置されている。これにより、複数の凸部132Bはそれぞれケーシング131の内部に収容された状態となっている。
図22(A)に示すように、ロック部材132のそれぞれがロック位置にあるときに、左右のロック部材132の突出部132Cの少なくとも一つは互いに近づく方向、すなわち軸部132Aからケーシング131の左右方向中央に向けて突出している。複数の凸部132Bの少なくとも1つがケーシング131に当接することによって、ロック部材132のロック位置が定まってもよい。
図19及び図20に示すように、付勢部材133のそれぞれは、ケーシング131と対応するロック部材132との間に設けられ、ロック部材132をロック位置に向けて付勢する。付勢部材133は、例えばねじりコイルばねであるとよい。付勢部材133がねじりコイルばねによって構成されているときには、付勢部材133は一端において、ケーシング131に係止され、他端においてロック部材132に係止されているとよい。ロック部材132には、付勢部材133を掛け止めするための掛止部132Dが設けられている。掛止部132Dは凸部132Bに設けられた切欠として形成されている。なお、付勢部材133はロック部材132の軸部132Aに支持されていてもよく、また、ケーシング131に支持されていてもよい。
図19に示すように、操作部材134はケーシング131の左右方向における中央に配置されている。下ケーシング部材131A及び上ケーシング部材131Bにはそれぞれ上下方向に貫通する貫通孔131E、131Fがそれぞれ設けられている。操作部材134はそれらの貫通孔131E、131Fを通過している。操作部材134の上部はケーシング131の上面よりも突出している。操作部材134の上部を下方に押し込むことによって、スライダ112のレール111に対する移動が可能となる。
図20に示すように、操作部材134は上下方向に延びる本体部135と、本体部135の前後縁部から前後方向に延びる一対のアーム部136と、本体部135の上端から上方に延びるロック解除部137とを備えている。
本体部135は左右方向を向く面を有する直方体状をなしている。図21(A)に示すように、本体部135は下方に向けて左右方向の幅が広がる四角錐台状をなすように構成されていてもよい。本体部135は下ケーシング部材131Aに設けられた貫通孔131Eに上下方向に挿脱可能に構成されている。本体部135の左右側面には、左右外方に突出する複数の押圧部135Aが設けられている。押圧部135Aは本体部135の左右側面において左右対称をなすように設けられているとよい。
図20に示すように、アーム部136は上下方向を向く面を有する板状をなしている。アーム部136の下面にはそれぞれ、略円筒状の受容部136Aが設けられている。下ケーシング部材131Aには、受容部136Aの下方にそれぞれ、略円柱状に凹む受容凹部136Bが設けられている。受容部136Aの内孔と、受容凹部136Bとの間には、アーム部136を上方に付勢するアーム付勢部材138が設けられている。本実施形態では、アーム付勢部材138はねじりコイルばねによって構成されている。
アーム付勢部材138は操作部材134に前後方向に重なる位置に設けられている。これにより、操作部材134を上方に付勢することができるとともに、アーム付勢部材138と操作部材134とをコンパクトに配置することができる。
図19に示すように、ロック解除部137は本体部135の上端から上方に突出する柱状をなしている。本実施形態では、ロック解除部137は円柱状をなしているが、角柱状や各種の形状が採用し得る。
上ケーシング部材131Bに設けられた貫通孔131Fの大きさはロック解除部137が通過可能であり、且つ、アーム部136が通過不能な大きさに設定されている。アーム付勢部材138の付勢力によって、操作部材134は上方に付勢され、アーム部136が上ケーシング部材131Bの下面に当接する初期位置となっている。このとき、本体部135の左右側面に設けられた押圧部135Aの少なくとも一つが、ロック部材132の突出部132Cの上側に位置している。
初期位置から操作部材134が押し下げられると、押圧部135Aがロック部材132の突出部132Cを押し下げて、ロック部材132を軸回りに回転させ、ロック部材132をロック位置から解除位置に回転させる。
図21(A)及び図22(A)に示すように、ロック部材132には突出部132Cが複数設けられている。突出部132Cは周方向(詳細には、ロック部材132のロック位置から解除位置への回転方向)に沿って並んで配置されている。操作部材134にもまた複数の押圧部135Aが上下方向に並んで配置されている。押圧部135Aはそれぞれ、操作部材134の下方への移動によってロック部材132が回転したときに、対応する突出部132Cを下方に押圧する役割を果たす。このような役割を果たすため、操作部材134の下方への移動によってロック部材132が回転して、突出部132Cが左右方向に向けて突出する態様となったときに、押圧部135Aはそれぞれ対応する突出部132Cの上側に位置し、好ましくは接するように配置されている。
操作部材134が初期位置(図21(A)参照)から挿入位置(図22(A)参照)まで移動すると、ロック部材132はロック位置から解除位置まで回転する。
本実施形態では、図23に示すように、操作部材134は挿入位置から更に下方に位置する押込位置まで変位可能に構成されている。ロック部材132は操作部材134の挿入位置から押込位置までの下方への移動に伴って回転し、ロック位置からオーバーストローク位置まで回転する。
本実施形態では、操作部材134が挿入位置から押込位置まで挿入されたときに、ロック部材132が解除位置から極力回転しないように構成されている。具体的には、操作部材134の挿入量に対するロック部材132の回転量の比が、解除位置から押込位置の方が、挿入位置から解除位置まで小さくなるように設定されている。
具体的には、初期位置から挿入位置までの操作部材134の挿入量は10mm程度(図22の矢印を参照)であり、対応するロック部材132の回転量は85度程度であるのに対し、挿入位置から押込位置までの操作部材134の挿入量は5mm程度(図23の矢印を参照)であり、対応するロック部材132の回転量は25度程度(すなわち、半分以下)に設定されている。
このような挿入量と回転量との関係を実現するため、図21(B)に示すように、突出部132Cの周方向の間隔は均一ではないように設定されてもよく、突出部132Cの形状は同一ではないように設定されてもよい。その他、突出部132Cが設けられる軸部132Aの断面形状は真円(図21(B)の二点鎖線を参照)とは異なる形状をなすように構成されてもよい。これにより、突出部132Cが軸部132Aを中心とする円周からオフセットした位置に配置されて、ロック部材132が偏心ギヤ形状をなすように構成される。
本実施形態では更に、図22(A)及び図23に示すように、操作部材134が挿入位置から押込位置に移動するまでの間に、操作部材134の最も上側に位置する押圧部135Aが突出部132Cに当接し、突出部132Cを押し出すように構成されている。最も上側に位置する押圧部135Aの下縁には、図22(B)に示すように、上方に向かって左右外方向に傾斜する傾斜面135Bが設けられている。その傾斜面135Bの左右方向を向く仮想面に対する角度θは、その他の突出部132Cの下面の仮想面に対する角度θ´よりも大きくなっている。これにより、操作部材134の挿入量に対するロック部材132の回転量を他の押圧部135Aが突出部132Cを押し出す場合に比べて低減することができる。よって、操作部材134が挿入位置から押込位置に移動する際の、ロック部材132の回転量を抑えることができる。
図15に示すように、左右のスライダ112には、操作レバー141が回動可能に設けられている。操作レバー141は、シートクッション105の前部の下方を左右方向に延びるレバー中央部141Aと、レバー中央部141Aの左右の端部から後方に延びる左右のレバー側部141Bとを有する。左右のレバー側部141Bの前後方向における中間部は、対応するスライダ112に左右方向に延びる回動軸141Cを中心として回動可能に支持されている。左右のレバー側部141Bの後端は、操作部材134の上端に上方から当接している。左右のレバー側部141Bの後端は、図示しない付勢部材133によって上方に向けて付勢されているとよい。
図21(A)に示すように、操作部材134が初期位置にあるとき、左右のロック部材132はロック位置にある。左右のロック部材132がロック位置にあるとき、複数の凸部132Bはケーシング開口部131D及びスライダ開口部112Fを通過してレール111の対応する係止孔115に突入し、係止孔115に係止されている。これにより、レール111に対するスライダ112の移動が規制される。
使用者が操作レバー141のレバー中央部141Aを上方に引くと、左右のレバー側部141Bの後端が操作部材134の上端を下方に押す。これにより、図22(A)に示すように、操作部材134は初期位置から下方に移動する。
初期位置から操作部材134が押し下げられると、押圧部135Aがロック部材132の突出部132Cを押し下げて、ロック部材132を軸回りに回転させて、ロック部材132をロック位置から解除位置に回転させる。
具体的には、操作部材134の押圧部135Aが左右の突出部132Cを下方に押すことによって、左右のロック部材132がロック位置から解除位置に回動する。これにより、複数の凸部132Bがレール111の係止孔115から離脱し、ケーシング131内に移動する。これにより、スライダ112はレール111に対して移動可能になる。
本実施形態では、図23に示すように、操作部材134が挿入位置から押込位置まで挿入可能となっている。これにより、利用者が操作部材134を挿入位置よりも低い位置まで挿入することが期待されるため、操作部材134の挿入量の不足が防止され、利用者の意図に沿ったスライダ112(すなわち、乗物用シート103)の移動規制の解除が実現され易くなる。
ロック部材132がロック位置から解除位置に移動するとき、凸部132Bの少なくとも1つが螺旋溝131Cを摺動することによって、ロック部材132はロック位置から解除位置に円滑に回転することができる。
一対の前記ロック部材132が、互いに平行に配置され、操作部材134が一対の突出部132Cのそれぞれに当接するため、ロック部材132は安定性良くレール111に係合することができる。
次に、スライド装置101の組み立て方法について説明する。
上記のスライド装置101の組み立て方法は、ケーシング131にロック部材132、付勢部材133、及び操作部材134を取り付け、スライドロック装置130を組み立てるステップと、ケーシング131をスライダ112に取り付けるステップと、スライダ112をレール111に取り付けるステップとを有する。この態様によれば、スライダ112の内側にスライドロック装置130を作業効率良く組み付けることができる。
また、スライドロック装置130を組み立てるステップは、ロック部材132に付勢部材133を取り付けるステップと、付勢部材133が取り付けられたロック部材132、及び操作部材134を複数のケーシング131部材の1つに支持させるステップと、ケーシング131を構成する複数の部材を互いに結合するステップとを有する。ケーシング131を構成する部材には、下ケーシング部材131A及び上ケーシング部材131Bが含まれる。
上記のロック部材132の製造方法について説明する。
ロック部材132は、図24(A)に示すように、単一の部材によって構成されてもよく、また、図24(B)に示すように、複数の部品を組み合わせることによって構成されてもよい。複数の部品を組み合わせて構成することにより、ロック部材132の成形が容易になる。図24(B)には、ロック部材132を複数の部品を組み合わせて構成される場合の部品の例が示されている。
図24(B)に示す例では、ロック部材132は、シャフト150と、1つの第1ギヤ151と、2つの第2ギヤ152と、2つの第3ギヤ153と、1つの第4ギヤ154とによって構成される。図25に示すように、第1ギヤ151、第2ギヤ152、第3ギヤ153、及び、第4ギヤ154はそれぞれ、対応する凸部132Bを有し、筒状をなす筒部132Eを備えている。その他、第3ギヤ153の筒部132Eの外周面には、突出部132Cが設けられ、第4ギヤ154の凸部132Bには、付勢部材133を掛け止めするための掛止部132Dが設けられている。
図25に示すように、第4ギヤ154、2つの第3ギヤ153、2つの第2ギヤ152、及び、第1ギヤ151の内孔にそれぞれ、記載の順にシャフト150を圧入することによってロック部材132が組み立てられる。また、第1~第4ギヤ154を例えば、レーザー溶接等の手法によりシャフト150に溶接することによって、それぞれをシャフト150に固定してもよい。
<<第3実施形態>>
以下、図面を参照して、第3実施形態について説明する。電動スライドレールは、レールと、レールに対してスライド移動可能なスライダとを有する。レールは第1の構造体に結合され、スライダは第2の構造体に結合される。レールに対してスライダが移動することによって、電動スライドレールは第1の構造体に対して第2の構造体を移動させる。電動スライドレールは、例えば、車両のフロアとシートとの間に設けられ、フロアに対してシートを移動させる。また、電動スライドレールは、基台とワークホルダとの間に設けられ、基台に対してワークホルダを移動させる。
以下、図面を参照して、第3実施形態について説明する。電動スライドレールは、レールと、レールに対してスライド移動可能なスライダとを有する。レールは第1の構造体に結合され、スライダは第2の構造体に結合される。レールに対してスライダが移動することによって、電動スライドレールは第1の構造体に対して第2の構造体を移動させる。電動スライドレールは、例えば、車両のフロアとシートとの間に設けられ、フロアに対してシートを移動させる。また、電動スライドレールは、基台とワークホルダとの間に設けられ、基台に対してワークホルダを移動させる。
以下、図面を参照して電動スライドレール201及び電動スライドレール201を備えた乗物用シート202の実施形態について説明する。図26に示すように、乗物用シート202は、その下部に少なくとも1つの電動スライドレール201を有し、電動スライドレール201において車両のフロア203に結合されている。乗物用シート202は、乗員の臀部を支持するシートクッション205と、シートクッション205の後部から上方に延び、乗員の背部を支持するシートバック206とを有する。電動スライドレール201は、フロア203とシートクッション205との間に設けられ、フロア203に対してシートクッション205をスライド移動可能に支持する。乗物用シート202は、一対の電動スライドレール201を有することが好ましい。
図27に示すように、電動スライドレール201は、前後方向に延在するレール211と、レール211にスライド可能に係合するスライダ212とを有する。レール211の延在方向を前後方向とする。レール211の延在方向は、車両の前後方向と一致してもよく、一致しなくてもよい。すなわち、レール211の延在方向は、車両への搭載方向を限定するものではない。本実施形態では、レール211の延在方向は、車両の前後方向と一致する。本実施形態では、スライダ212はレール211に対して上側に設けられている。そのため、レール211をロアレール、スライダ212をアッパレールと称してもよい。
図28及び図29に示すように、レール211は、溝形の断面を有する。詳細には、レール211は、面が上下を向くレール底壁214と、レール底壁214の左右の縁部から上方に延びて面が左右を向く左右のレール外側壁215と、左右のレール外側壁215の上端からそれぞれ互いに近づく方向に延び、面が上下を向く左右のレール上壁216と、左右のレール上壁216の内端からそれぞれ下方に延び、面が左右を向く左右のレール内側壁217とを有する。左右のレール内側壁217は、請求項の第1側壁及び第2側壁に対応する。
レール底壁214、左右のレール外側壁215、左右のレール上壁216、及び左右のレール内側壁217は、それぞれ前後に延在している。左右のレール外側壁215及び左右のレール内側壁217は、互いに平行に、かつレール底壁214に対して垂直に延在している。左右のレール内側壁217の下端は、レール底壁214に対して間隔をおいて配置されている。レール211は、その上部に前後に延びるレール開口219を有する。レール開口219は、左右のレール内側壁217によって画定されている。レール211は、金属板をプレス成形することによって形成されているとよい。レール底壁214の左右の縁側部は、上方に隆起した段部221を有してもよい。左右の段部221は、前後に延在し、その上面が平坦に形成されている。
左右のレール内側壁217のそれぞれには、互いに近づく方向に突出すると共に、前後方向に延びた突部222が形成されている。左右の突部222の断面は、円弧状又は台形状に形成されているとよい。各突部222は、対応するレール内側壁217において、上下方向における中間部に配置されているとよい。左右のレール内側壁217の上端部及び下端部は、突部222よりも左右外方に配置されている。
図28に示すように、スライダ212は、レール開口219の開口端に配置され、面が上下を向く板状のベース部225と、ベース部225の左右の側縁からレール底壁214側、すなわち下方に延びる左右のスライダ内側壁226と、左右のスライダ内側壁226の下端からそれぞれ左右外方に延びる左右のスライダ下壁227と、左右のスライダ下壁227の左右外端から上方に延びる左右のスライダ外側壁228とを有する。左右のスライダ内側壁226は、請求項の第3側壁及び第4側壁に対応する。ベース部225、左右のスライダ内側壁226、左右のスライダ下壁227、及び左右のスライダ外側壁228は、前後に延在している。
スライダ212は、プレス成形又はロール成形された複数の金属板を互いに締結することによって形成されているとよい。複数の金属板は、ベース部225において互いに重ね合わされ、締結されることによってスライダ212が形成されている。他の実施形態では、スライダ212はプレス成形又はロール成形された1枚の金属板から形成されてもよい。スライダ212の前後長は、レール211の前後長に対して短く設定されている。スライダ212は、ベース部225において、シートクッション205に結合される。
ベース部225は、左右のレール上壁216よりも上方に配置されてもよく、左右のレール上壁216よりも下方に配置されてもよい。左右のスライダ内側壁226は、面が左右を向き、左右に互いに距離をおいて対向する。左右のスライダ内側壁226は、左右のレール内側壁217の間に配置されている。各スライダ内側壁226は、左右において対応するレール内側壁217と隙間を介して対向する。各スライダ下壁227は、レール底壁214と左右において対応するレール211内壁の下端の間を通過して左右に延びている。各スライダ212外壁は、左右において対応するレール外側壁215及びレール内側壁217の間に配置されている。各スライダ外側壁228の左右方向における外面側には、複数の車輪231が回転可能に支持されている。各車輪231は、左右方向回りの回転軸を有し、レール底壁214に接地している。本実施形態では、各車輪231は、レール底壁214の段部221の上面に接地している。スライダ212は、車輪231を介してレール211に接地することによって、レール211に対して円滑にスライド移動することができる。以上の構成により、スライダ212はレール211に受容され、かつレール211にスライド可能に係合する。他の実施形態では、スライダ212はボールやローラーベアリングを介してレール211に支持されてもよい。
スライダ212は、ベース部225と、左右のスライダ内側壁226とによって、レール底壁214側、すなわち下方に向けて開口する溝形に形成されている。図28及び図30に示すように、スライダ212には、ねじアセンブリ235及び電動モータ236が支持されている。ねじアセンブリ235及び電動モータ236は、ベース部225の下面に支持されている。電動モータ236は、ねじアセンブリ235を駆動する。
図28及び図32に示すように、ねじアセンブリ235は、接続軸237と、ねじ部材238、239と、ギヤケース241とを有する。本実施形態では、ねじ部材238、239は、第1ねじ部材238と第2ねじ部材239とを含む。他の実施形態では、ねじアセンブリ235は、単一のねじ部材を有してもよい。接続軸237、第1ねじ部材238、第2ねじ部材239は、ギヤケース241に回転可能に支持されている。
接続軸237は、電動モータ236の出力軸236Aに、軸方向に移動可能に接続されると共に、出力軸236Aと共に回転する。出力軸236Aの端部と接続軸237の端部とは、カップリング236Bによって互いに接続されているとよい。カップリング236Bは、出力軸236Aに対する接続軸237の軸方向への移動を所定の範囲で許容する一方、出力軸236Aに対する接続軸237の周方向への移動を規制する。すなわち、出力軸236Aと接続軸237とは、共に回転する。カップリング236Bは、例えば、出力軸236Aの端部に結合され、接続軸237側に向けて開口した嵌合溝を有する。嵌合溝は、出力軸236Aの回転軸線に対して直交する方向に延びているとよい。接続軸237は、嵌合溝に嵌合する平板状の凸部を有するとよい。凸部は、嵌合溝に出力軸236Aの軸線方向に移動可能に嵌合しているとよい。
第1ねじ部材238及び第2ねじ部材239は、長手方向における中間部の外周面にねじ山238A、239Aを有する。図30に示すように、ギヤケース241は、第1ブラケット242によって、スライダ212に結合されている。
図31に示すように、ギヤケース241は、前後に長い直方体の箱形に形成されている。ギヤケース241は、第1ねじ部材238と、第2ねじ部材239と、接続軸237とを回転可能に支持している。第1ねじ部材238、第2ねじ部材239、及び接続軸237は、それぞれ前後に延び、互いに並列にギヤケース241に配置されている。ギヤケース241は、互いに結合されたロアケース241Aとアッパケース241Bとを有する。第1ねじ部材238、第2ねじ部材239、及び接続軸237は、ロアケース241A及びアッパケース241Bの間に回転可能に支持されている。
図32に示すように、第1ねじ部材238はギヤケース241の左側部に沿って配置され、第2ねじ部材239はギヤケース241の右側部に沿って配置されている。接続軸237は、第1ねじ部材238と第2ねじ部材239との中間部の下方に配置されている。接続軸237は、ギヤケース241内において駆動ギヤ237Aを有する。第1ねじ部材238は、駆動ギヤ237Aに噛み合う第1ギヤ238Bを有する。第2ねじ部材239は、駆動ギヤ237Aに噛み合う第2ギヤ239Bを有する。駆動ギヤ237A、第1ギヤ238B、及び第2ギヤ239Bのそれぞれは、平歯車であってよい。接続軸237が回転すると、第1ねじ部材238及び第2ねじ部材239は互いに同一方向に回転する。すなわち、第1ねじ部材238及び第2ねじ部材239は、駆動ギヤ237A、第1ギヤ238B、第2ギヤ239Bを介して接続軸237に連結され、接続軸237の回転に応じて回転する。第1ギヤ238Bと第2ギヤ239Bとは、対称形であってよい。
接続軸237は、ギヤケース241内においてはベベルギヤ237Bを有する。ベベルギヤ237Bは、駆動ギヤ237Aの側部に結合されているとよい。図31に示すように、アッパケース241Bには、上下に貫通する第1開口241Cが形成されている。図27に示すように、スライダ212のベース部225には、上下に貫通し、第1開口241Cと対向する第2開口225Aが形成されている。ベベルギヤ237Bは、第1開口241C及び第2開口225Aを介してスライダ212の上方に露出している。これにより、作業者は、第1開口241C及び第2開口225Aを通して工具をギヤケース241内に挿入し、工具をベベルギヤ237Bに噛み合わせることによって接続軸237を回転させることができる。
図30及び図31に示すように、ギヤケース241は、第1ねじ部材238及び第2ねじ部材239を側方に露出させるための開口であるケース開口248を有する。第1ねじ部材238のねじ山238Aは、ギヤケース241の左側部に形成されたケース開口248を通過して左方に突出している。同様に、第2ねじ部材239のねじ山239Aは、ギヤケース241の右側部に形成されたケース開口248を通過して右方に突出している。
第1ブラケット242は、前後に延在し、前端に設けられた第1結合部242Aと、後端に設けられた第2結合部242Bとを有する。第1ブラケット242は、第1結合部242A及び第2結合部242Bにおいてスライダ212のベース部225の下面に結合されている。第1ブラケット242は、第1結合部242Aから第2結合部242Bに延びる支持部242Cを有する。第1ブラケット242は、第1結合部242A、第2結合部242B、支持部242Cを含む一体的な金属製の部材であるとよい。支持部242Cは、第1結合部242A及び第2結合部242Bに対して下方に位置する部分を有する。支持部242Cによって第1ブラケット242はベース部225と協働して閉構造を形成する。ギヤケース241はスライダ212のベース部225と支持部242Cとの間に配置されている。第1ブラケット242は、金属板を折曲成形することに形成されている。第1結合部242Aはギヤケース241の前部から前方に延出し、第2結合部242Bはギヤケース241の後部から後方に延出している。第1結合部242A及び第2結合部242Bは、ねじやリベット等の締結部材によってベース部225に締結されているとよい。第1結合部242A及び第2結合部242Bの締結点間の距離は、ギヤケース241の前後長よりも長く設定されている。
第1ブラケット242の後方には、電動モータ236をスライダ212のベース部225に支持するための第2ブラケット251が設けられている。第2ブラケット251は、ベース部225の下面に結合されている。第2ブラケット251は、下方に向けて開口する溝形に形成され、電動モータ236を受容する。第2ブラケット251は、電動モータ236を係止する複数の係止爪251Aを有する。また、第2ブラケット251は、左右のスライダ内側壁226を係止する複数の係止爪251Bを有する。
図32に示すように、接続軸237の後端は、ギヤケース241から後方に突出している。電動モータ236の出力軸236Aは、第1ブラケット242に形成された貫通孔を通過して前方に延び、カップリング236Bを介して、接続軸237の後端に接続されている。
電動モータ236の出力軸236Aと接続軸237との間に、減速機が設けられてもよい。減速機は、例えば、遊星歯車機構であるとよい。
図28に示すように、ねじアセンブリ235、電動モータ236、第1ブラケット242、及び第2ブラケット251は、ベース部225の下方、かつ左右のスライダ内側壁226の間に配置されている。左右のスライダ内側壁226は、ねじアセンブリ235と対応する位置に開口であるスライダ開口255を有する。スライダ開口255は、スライダ内側壁226に形成されている。第1ねじ部材238のねじ山238Aの左部は、ギヤケース241の左側のケース開口248及び左側のスライダ内側壁226のスライダ開口255を通過して左側のスライダ内側壁226の左方に突出している。同様に、第2ねじ部材239のねじ山239Aの右部は、ギヤケース241の右側のケース開口248及び右側のスライダ内側壁226のスライダ開口255を通過して右側のスライダ内側壁226の右方に突出している。
図27~図29に示すように、レール211には、前後方向に延在し、ねじ部材238、239と係合するねじ係合部257、258が設けられている。ねじ係合部257、258は、左側のレール内側壁217に形成され、第1ねじ部材238のねじ山238Aに噛み合う第1ねじ係合部257と、右側のレール内側壁217に形成され、第2ねじ部材239のねじ山239Aに噛み合う第2ねじ係合部258とを有する。第1ねじ係合部257及び第2ねじ係合部258は、対応するレール内側壁217の突部222に形成されている。第1ねじ係合部257及び第2ねじ係合部258は、突部222に前後方向に並んで形成された複数の係合孔259を含む。図28に示すように、第1ねじ部材238は、第1ねじ部材238のねじ山238Aの左部において第1ねじ係合部257の複数の係合孔259と噛み合い、前後方向周りに回転することによって第1ねじ係合部257に対して前後に移動する。同様に、第2ねじ部材239は、第2ねじ部材239のねじ山239Aの右部において第2ねじ係合部258の複数の係合孔259と噛み合い、前後方向周りに回転することによって第2ねじ係合部258に対して前後に移動する。
図32に示すように、ねじアセンブリ235は、接続軸237を、接続軸237の軸線方向に移動させるアクチュエータ261と、ギヤケース241に設けられた第1係合部262と、接続軸237に設けられた第2係合部263とを有する。接続軸237には、フランジ264Aが設けられている。フランジ264Aは、接続軸237を中心とした円板に形成されているとよい。フランジ264Aは、接続軸237のギヤケース241から後方に突出した部分に設けられているとよい。フランジ264Aは、接続軸237に対して回転不能かつ、接続軸237の軸線方向に移動不能に設けられている。
アクチュエータ261は、接続軸237の軸線方向に伸縮可能なソレノイドアクチュエータであるとよい。アクチュエータ261は、ギヤケース241と電動モータ236との間に配置されているとよい。アクチュエータ261は、接続軸237と平行に延び、接続軸237の側方に配置されているとよい。これにより、アクチュエータ261を接続軸237の周囲にスペース効率良く配置することができる。アクチュエータ261は、ギヤケース241、第1ブラケット242、第2ブラケット251のいずれかに支持されるとよい。また、アクチュエータ261はスライダ212に支持されてもよい。
接続軸237は、接続軸237の軸線方向において第1位置と第2位置との間で変位可能にギヤケース241に支持されている。接続軸237は、ストッパ266に当接することによって、第1位置及び第2位置において移動範囲が規制されている。ストッパ266は、ギヤケース241又はスライダ212に設けられているとよい。接続軸237が第1位置から第2位置に移動すると、接続軸237は電動モータ236から離れる方向に移動する。第1位置及び第2位置において、接続軸237及び出力軸236Aの接続は維持され、接続軸237及び出力軸236Aは共に回転する。すなわち、接続軸237の位置に関わらず、接続軸237及び出力軸236Aは常に共に回転する。また、第1位置及び第2位置において、駆動ギヤ237Aは第1ギヤ238B及び第2ギヤ239Bと噛み合いを維持する。すなわち、接続軸237の位置に関わらず、接続軸237、第1ねじ部材238、及び第2ねじ部材239は常に共に回転する。
ねじアセンブリ235は、接続軸237を第1位置に付勢する付勢部材265を有する。付勢部材265は、圧縮コイルばね、引っ張りコイルばね、板ばね、ねじりばね等であってよい。付勢部材265の一端は接続軸237のフランジ264Aに当接しているとよい。付勢部材265の他端は、スライダ212、ギヤケース241、電動モータ236、第1ブラケット242、第2ブラケット251のいずれかに当接又は結合されているとよい。本実施形態では、付勢部材265は、圧縮コイルばねであり、フランジ264Aと第1ブラケット242とに当接している。付勢部材265は、アクチュエータ261の側方に配置されてもよい。
図34に示すように、第1係合部262は、ギヤケース241に形成された複数の凸部であるとよい。第1係合部262は、ギヤケース241の後壁に形成された、接続軸237を支持するための貫通孔の周囲に設けられているとよい。また、第2係合部263は、接続軸237の外周面に形成された複数の凸部であるとよい。第2係合部263は、接続軸237において駆動ギヤ237Aとギヤケース241の後壁との間に設けられているとよい。
接続軸237が第1位置にあるときに、第1係合部262と第2係合部263とが互いに係合し、ギヤケース241に対する接続軸237の回転が規制される。接続軸237が第1位置にあるときに、第1係合部262と第2係合部263とは接続軸237の周方向において互いに当接する。接続軸237が第2位置にあるときに、第1係合部262と第2係合部263とが互いに離間し、ギヤケース241に対する接続軸237の回転が許容される。接続軸237が第2位置にあるときに、第1係合部262と第2係合部263とは接続軸237の軸方向に離れている。そのため、第2係合部263が第1係合部262に当接せず、ギヤケース241に対して接続軸237が回転可能になる。
アクチュエータ261は、フランジ264Aを押し、接続軸237を第1位置から第2位置に移動させる。アクチュエータ261はフランジ264Aを接続軸237の軸線方向に押圧する。
図35に示すように、左右の電動スライドレール201の電動モータ236、アクチュエータ261は、制御装置267によって制御される。制御装置267は、電子制御装置であり、マイクロプロセッサ(MPU)、不揮発性メモリ、揮発性メモリ、及びインターフェースを有する演算装置である。制御装置267は、不揮発性メモリに記憶されたプログラムをマイクロプロセッサが実行することによって、各種のアプリケーションを実現する。制御装置267には、操作スイッチ268が接続されている。操作スイッチ268は使用者の入力操作を受け付け、入力操作に応じた信号を制御装置267に出力する。操作スイッチ268は、スライダ212の前移動に対応した前操作、スライダ212の後移動に対応した後操作に対応した信号を出力する。操作スイッチ268は、使用者によって操作されている間、信号の出力を継続する。
操作スイッチ268が操作されていないとき、制御装置267は電動モータ236及びアクチュエータ261を駆動しない。アクチュエータ261が駆動していない初期状態では、図32に示すように、付勢部材265に付勢されて接続軸237は第1位置に位置する。このとき、第1係合部262と第2係合部263とが互いに係合しているため、接続軸237の回転が規制され、第1ねじ部材238及び第2ねじ部材239の回転も記載されている。そのため、第1ねじ係合部257に対する第1ねじ部材238の位置が維持されると共に、第2ねじ係合部258に対する第2ねじ部材239の位置が維持され、レール211に対するスライダ212の移動が規制される。これにより、シートクッション205を介してスライダ212に前後荷重が加わっても、スライダ212はレール211に対して移動しない。
使用者は乗物用シート202を前後に移動させたいとき、操作スイッチ268を操作する。操作スイッチ268は、使用者によって操作されている間、制御装置267に信号を出力し続ける。制御装置267は、操作スイッチ268から信号を受けると、最初にアクチュエータ261を駆動させ、アクチュエータ261を伸張させる。これにより、アクチュエータ261がフランジ264Aを押すため、図33に示すように、接続軸237が第1位置から第2位置に移動して、第1係合部262と第2係合部263との係合が解除される。この状態を、ロック解除状態とする。次に、制御装置267は、電動モータ236を駆動させる。これにより、電動モータ236が回転し、出力軸236A、接続軸237、第1ねじ部材238、及び第2ねじ部材239が回転する。その結果、第1ねじ部材238及び第2ねじ部材239が同一方向に回転する。第1ねじ部材238及び第2ねじ部材239が回転すると、第1ねじ部材238及び第2ねじ部材239が第1ねじ係合部257及び第2ねじ係合部258に対して前後に移動し、レール211に対してスライダ212が前後に移動する。
使用者が操作スイッチ268の操作を止めると、制御装置267は電動モータ236の駆動を停止し、続いてアクチュエータ261の駆動を停止する。これにより、付勢部材265の付勢力によって、接続軸237が第2位置から第1位置に移動する。
以上の実施形態に係る電動スライドレール201によれば、接続軸237が第1位置にあるときに、第1係合部262と第2係合部263とが互いに係合して接続軸237の回転が規制される。これにより、第1ねじ部材238及び第2ねじ部材239の回転が規制され、レール211に対するスライダ212の移動が規制される。すなわち、外部荷重に対して、スライダ212の位置を保持することができる電動スライドレール201を提供することができる。
アクチュエータ261及び付勢部材265が接続軸237の側方に平行に配置されるため、アクチュエータ261及び付勢部材265をスライダ212にスペース効率良く配置することができる。
以下に上記の実施形態の変形例について説明する。図36及び図37に、第1係合部262及び第2係合部263の変形例を示す。第1係合部262は、ギヤケース241に形成された嵌合孔であってもよい。図36に示すように、第1係合部262の断面は、正六角形等の多角形に形成されているとよい。接続軸237は第1係合部262を通過して延び、その外周面に突設された第1係合部262を有する。第1係合部262は第1係合部262に回転不能に嵌合する形状に形成されているとよい。接続軸237が第1位置にあるときに第1係合部262は第1係合部262に嵌合し、接続軸237が第2位置にあるときに第1係合部262は第1係合部262から離脱する。
図37に示すように、第1係合部262及び第2係合部263は、互いに嵌合するスプライン穴と、スプライン軸であってもよい。
図38に示すように、第1変形例では、接続軸237の前端は、ギヤケース241から前方に突出している。フランジ264Aは、接続軸237の前端に回転可能かつ軸線方向に移動不能に設けられている。すなわち、フランジ264Aは、接続軸237の出力軸236A側の端部と相反する端部に設けられている。付勢部材265は、ギヤケース241又は第1ブラケット242の前端とフランジ264Aとに結合されている。付勢部材265は、引っ張りコイルばねである。付勢部材265は、接続軸237を後方に付勢する。アクチュエータ261は、ギヤケース241又は第1ブラケット242の前端に設けられ、フランジ264Aを前方に向けて押圧する。すなわち、付勢部材265及びアクチュエータ261は、フランジ264Aとギヤケース241の前端との間に設けられている。第1係合部262は、ギヤケース241の前端及び後端に設けられているとよい。第2係合部263は、前後の第1係合部262に対応する位置に設けられているとよい。図38では、接続軸237は第1位置に位置し、第1係合部262と第2係合部263とが互いに係合している。接続軸237は、第1位置から、第2位置に向けて前方に移動する。接続軸237が第2位置にあるときに、第1係合部262と第2係合部263とが互いに離れ、接続軸237は回転可能になる。
図39に示すように、第2変形例では、フランジ264Aは、接続軸237に回転可能かつ軸線方向に移動不能に設けられている。フランジ264Aは、ギヤケース241から後方に突出した接続軸237の後端に設けられている。付勢部材265は、第1ブラケット242とフランジ264Aとに結合されている。付勢部材265は、引っ張りコイルばねである。付勢部材265は、接続軸237を前方に付勢する。接続軸237の前端は、ギヤケース241及び第1ブラケット242の前端から前方に突出している。アクチュエータ261は、接続軸237と同軸に配置され、接続軸237の前端を後方に向けて押圧する。第1係合部262は、ギヤケース241の前端及び後端に設けられているとよい。第2係合部263は、前後の第1係合部262に対応する位置に設けられているとよい。図39では、接続軸237は第1位置に位置し、第1係合部262と第2係合部263とが互いに係合している。接続軸237は、第1位置から、第2位置に向けて後方に移動する。接続軸237が第2位置にあるときに、第1係合部262と第2係合部263とが互いに離れ、接続軸237は回転可能になる。
図40に示すように、第3変形例では、接続軸237の前端は、ギヤケース241から前方に突出している。フランジ264Aは、接続軸237の前端に回転可能かつ軸線方向に移動不能に設けられている。フランジ264Aの前方には、スライダ212又は第1ブラケット242に結合された支持壁271が設けられている。付勢部材265は、フランジ264Aと支持壁271に結合されている。付勢部材265は、引っ張りコイルばねである。付勢部材265は、接続軸237を前方に付勢する。アクチュエータ261は、支持壁271に設けられ、フランジ264Aを後方に向けて押圧する。すなわち、付勢部材265及びアクチュエータ261は、フランジ264Aと支持壁271との間に設けられている。第1係合部262は、ギヤケース241の前端及び後端に設けられているとよい。第2係合部263は、前後の第1係合部262に対応する位置に設けられているとよい。図40では、接続軸237は第1位置に位置し、第1係合部262と第2係合部263とが互いに係合している。接続軸237は、第1位置から、第2位置に向けて後方に移動する。接続軸237が第2位置にあるときに、第1係合部262と第2係合部263とが互いに離れ、接続軸237は回転可能になる。
図41に示すように、第4変形例では、接続軸237の前端は、ギヤケース241から前方に突出している。接続軸237の後端には後フランジ264Bが設けられ、接続軸237の前端には前フランジ264Cが設けられている。後フランジ264B及び前フランジ264Cは、接続軸237の前端に回転可能かつ軸線方向に移動不能に設けられている。付勢部材265は、前フランジ264Cとギヤケース241又は第1ブラケット242の前端とに結合されている。付勢部材265は、引っ張りコイルばねである。付勢部材265は、接続軸237を後方に付勢する。アクチュエータ261は、第2ブラケット251に設けられ、後フランジ264Bを前方に向けて押圧する。すなわち、第1係合部262は、ギヤケース241の前端及び後端に設けられているとよい。第2係合部263は、前後の第1係合部262に対応する位置に設けられているとよい。図41では、接続軸237は第1位置に位置し、第1係合部262と第2係合部263とが互いに係合している。接続軸237は、第1位置から、第2位置に向けて前方に移動する。接続軸237が第2位置にあるときに、第1係合部262と第2係合部263とが互いに離れ、接続軸237は回転可能になる。
図42に示すように、第5変形例では、フランジ264Aは、接続軸237の後端に回転可能かつ軸線方向に移動不能に設けられている。付勢部材265は、フランジ264Aと第2ブラケット251に結合されている。付勢部材265は、引っ張りコイルばねである。付勢部材265は、接続軸237を後方に付勢する。アクチュエータ261は、第2ブラケット251に設けられ、フランジ264Aを前方に向けて押圧する。すなわち、付勢部材265及びアクチュエータ261は、フランジ264Aと第2ブラケット251との間に設けられている。第1係合部262は、ギヤケース241の前端及び後端に設けられているとよい。第2係合部263は、前後の第1係合部262に対応する位置に設けられているとよい。図42では、接続軸237は第1位置に位置し、第1係合部262と第2係合部263とが互いに係合している。接続軸237は、第1位置から、第2位置に向けて前方に移動する。接続軸237が第2位置にあるときに、第1係合部262と第2係合部263とが互いに離れ、接続軸237は回転可能になる。
図43に示すように、第6変形例では、接続軸237の後端に後フランジ264Bが回転可能かつ軸線方向に移動不能に設けられている。また、ギヤケース241内において、接続軸237に中間フランジ264Dが回転不能かつ軸線方向に移動不能に設けられている。他の実施形態では、中間フランジ264Dは、回転可能かつ軸線方向に移動不能に設けられてもよい。付勢部材265は、ギヤケース241に設けられた支持壁277と中間フランジ264Dとに当接している。付勢部材265は、圧縮コイルばねであり、接続軸237を周囲に支持されている。付勢部材265の各端部は、支持壁277と中間フランジ264Dとに摺接している。中間フランジ264Dは、支持壁277の後方に配置されている。付勢部材265は、中間フランジ264D及び接続軸237を後方に付勢する。アクチュエータ261は、電動モータ236又は第2ブラケット251の前端に設けられ、後フランジ264Aを前方に向けて押圧する。第1係合部262は、ギヤケース241の前端及び後端に設けられているとよい。第2係合部263は、前後の第1係合部262に対応する位置に設けられているとよい。図43では、接続軸237は第1位置に位置し、第1係合部262と第2係合部263とが互いに係合している。接続軸237は、第1位置から、第2位置に向けて前方に移動する。接続軸237が第2位置にあるときに、第1係合部262と第2係合部263とが互いに離れ、接続軸237は回転可能になる。
<<第4実施形態>>
以下、第4実施形態に係るシートシステムが前席及び後席の2列の座席が設けられた自動車に適用された例について説明する。以下、自動車の前後方向を基準として、前後、左右、上下の各方向を定めて説明を行う。
以下、第4実施形態に係るシートシステムが前席及び後席の2列の座席が設けられた自動車に適用された例について説明する。以下、自動車の前後方向を基準として、前後、左右、上下の各方向を定めて説明を行う。
図44及び図45(A)に示すように、シートシステム301は、複数の乗物用シート303(図44参照)と、乗物用シート303それぞれの周辺情報を取得するセンサ305(図45(A)参照)と、車室内に報知を行う報知装置307(図45(A)参照)と、センサ305によって取得された情報に基づいて乗物用シート303を制御する制御装置309(図45(A)参照)と、を備えている。
図44、図45(A)及び図45(B)に示すように、自動車には、前席を構成する左右一対の乗物用シート303Aと、後席を構成する左右一対の乗物用シート303Bとが設けられている。乗物用シート303はそれぞれ、自動車の車室311内において、車室311を構成するフロア313上に載置されている。
以下では、まず、図44、図45(A)及び図45(B)に示すように、着座した使用者が前方に向くように、乗物用シート303がフロア313上に載置されているときを例示して、乗物用シート303の構成の概略について説明を行う。
乗物用シート303は、使用者が着座するシート本体315(図44参照)と、シート本体315を変位・変形させるべく駆動する駆動ユニット317(図48参照)と、を備えている。
図44、図45(A)及び図45(B)に示すように、シート本体315は、シートクッション319と、シートクッション319の後部に支持されたシートバック321とを備えている。シートクッション319は、使用者の臀部を下方から支持し、シートバック321は使用者の背部を後方から支持する。シートバック321の上端にはヘッドレスト323が設けられている。
本実施形態では、図44に示すように、シート本体315にそれぞれ足置きとして機能するオットマン325が設けられている。シートバック321の車外側側面にアームレスト327が回動可能に接続されている。更に、シートクッション319の車外側側面にはサイドカバー329が設けられている。シートバック321の車内側側面にもカップホルダ330を備えたアームレスト331が固定されている。
駆動ユニット317(駆動装置群や、単に駆動装置ともいう)は、電動モータ等の各種アクチュエータを含み、シート本体315を移動及び/又は変形させる。図46に示すように、駆動ユニット317は、スライド駆動装置335、リクライニング駆動装置337、回転駆動装置339及びチップアップ駆動装置341を含む。
スライド駆動装置335は、シート本体315をフロア313に対して平行移動(スライド移動)させる。詳細には、図45及び図47(A)に示すように、シート本体315とフロア313との間にスライド機構345が設けられている。シート本体315がスライド機構345を介してフロア313に接続されることによって、シート本体315はフロア313に対して前後方向に平行移動可能となっている。スライド駆動装置335(図46参照)は、スライド機構345を駆動し、シート本体315を前後方向に平行移動(スライド移動)させる。
リクライニング駆動装置337は、シートクッション319に対して、シートバック321を傾倒させる。詳細には、図45及び図47(B)に示すように、シートクッション319と、シートバック321との間に、リクライニング機構347が設けられている。シートバック321がリクライニング機構347を介してシートクッション319に接続されることによって、シートバック321はシートクッション319の後端に左右方向に延びる回転軸Y0を中心として回転可能に接続されている。リクライニング駆動装置337(図46参照)は、リクライニング機構347を駆動し、シートバック321をシートクッション319に対して回転させ、シートバック321をシートクッション319に対して後傾・起立させる。
回転駆動装置339は、シート本体315をフロア313に対して回転させ、前方に向く状態と、後方に向く状態との間で変位させる。詳細には、図45及び図47(C)に示すように、シート本体315とフロア313との間に、回転機構349が設けられている。シート本体315が回転機構349を介してフロア313に接続されることによって、シート本体315はフロア313に対して上下方向(鉛直方向)に延びる鉛直軸Zを中心として回転可能となっている。回転駆動装置339(図46参照)は、回転機構349を駆動し、鉛直軸Zを中心としてシート本体315を回転させる。
チップアップ駆動装置341(チルトアップ駆動装置ともいう)は、シートクッション319を、座面319Aが略水平をなす位置(以下、水平位置)と、前端が後端よりも持ち上げられ、座面319Aがはね上げられた位置(以下、上昇位置。跳ね上げ位置ともいう)との間で変位させる。詳細には、図45及び図48(A)に示すように、シート本体315に、シートクッション319を、水平位置と上昇位置とに変位可能とするためのチップアップ機構351(チルトアップ機構ともいう)が設けられている。チップアップ駆動装置341は、チップアップ機構351を駆動し、シートクッション319を回転軸Y1回りに回転させることで、シートクッション319を水平位置と上昇位置との間で変位させる。
本実施形態では、シートバック321の前面を着座者の体型に合わせて変形させる中折れ機構353(背凭れ面調節機構ともいう)が設けられている。図45及び図48(B)に示すように、中折れ機構353によって、シートバック321の上部前側が回転軸Y2を中心に回転し、傾倒可能に構成されている。すなわち、中折れ機構353によって、シートバック321の上部前面は、略上下方向に沿う初期位置と、上部前面が前方に傾斜する前傾位置とに変位自在となっている。シート本体315には、中折れ機構353を駆動するための中折れ駆動装置355が設けられている。
その他、シート本体315にオットマン325が設けられているときには、オットマン325は上端において、オットマン駆動機構357を介して、左右方向に延びる軸線を中心とする回転可能にシートクッション319の前端に接続されていてもよい。このとき、図48(C)に示すように、駆動ユニット317は、オットマン325をシートクッション319に対して回転させるオットマン駆動装置359を含んでいてもよい。
図46に示すように、センサ305は、車室311内の画像取得や、測距を行うことにより、乗物用シート303それぞれの周辺に位置する物体に係る情報を検出し、制御装置309に出力する。
図45に示すように、センサ305は車室311内を撮像するカメラ361(車内カメラ)によって構成されていてもよい。その場合には、カメラ361は車室311の上縁を画定する天井の左前縁、右前縁、左後縁、及び、右後縁において、それぞれ車室311側を向くように配置されているとよい。天井の左前縁に位置するカメラ361の撮像範囲は左前席を構成するシート本体315の移動範囲を網羅するように設定され、天井の右前縁に位置するカメラ361の撮像範囲は右前席を構成するシート本体315の移動範囲を網羅するように設定されているとよい。天井の左後縁に位置するカメラ361の撮像範囲は左後席を構成するシート本体315の移動範囲を網羅するように設定され、天井の右後縁に位置するカメラ361の撮像範囲は右後席を構成するシート本体315の移動範囲を網羅するように設定されているとよい。カメラ361はそれぞれ、CMOSイメージセンサによって構成されたものであってよい。カメラ361は複数の撮像素子を含む複眼カメラによって構成され、ステレオ計測や光切断法といった三角測量に基づく距離撮像が可能であることが好ましい。
センサ305はその他、シート本体315に設けられた測距センサ363によって構成されていてもよい。測距センサ363は光源と検出器とを含み、光源から発せられた光が検出器に到達するまでの時間を取得することにより測距を行うToF(Time of Flight)センサ305モジュールによって構成されていてもよい。センサ305は、例えば、シートクッション319の外周面に沿って配置されていてもよく、また、ヘッドレスト323の適所に設けられていてもよい。その他、センサ305は、ドアパネル364(図44参照)やフロア313において、前後に並ぶように配設されていてもよい。
図46に示すように、その他、センサ305はスライド駆動装置335、リクライニング駆動装置337、回転駆動装置339、チップアップ駆動装置341、中折れ駆動装置355及びオットマン駆動装置359にそれぞれ設けられ、対応する駆動ユニット317の駆動量を取得する駆動量センサ365によって構成されていてもよい。図45(B)にはスライド駆動装置335の駆動量を検出する駆動量センサ365が例示されている。
報知装置307は車室311内に向けて音や画面表示により報知を行う。図45(A)に示すように、報知装置307は車室311内に向けて音を発するスピーカ367であってもよく、また、車室311内に設けられ、画面表示を行うディスプレイ369であってもよい。スピーカ367はドアパネル364に設けられていてもよく、また、ヘッドレスト323に設けられていてもよい。
制御装置309はいわゆる電子制御ユニット(Electronic Control Unit)であって、センサ305によって取得された情報に基づいて乗物用シート303を制御する。図46に示すように、制御装置309は、CPU(中央演算処理装置)等によって構成されたプロセッサ371、RAM373(ランダムアクセスメモリ)やROM375(リードオンリーメモリ)等のメモリ377、SSD(ソリッドステートドライブ)やHDD(ハードディスクドライブ)等の記憶装置379を備えたコンピュータによって構成されている。制御装置309はセンサ305及び駆動ユニット317に信号線によって接続されている。駆動ユニット317及び制御装置309は車両に搭載されたバッテリ(不図示)に接続され、それぞれに対して電力が供給されている。制御装置309は、センサ305によって取得された情報に基づいて、乗物用シート303それぞれのシート本体315の前後位置や、シートバック321の位置及び姿勢、シートクッション319の位置及び姿勢等のシート本体315に係る情報を取得可能に構成されている。
制御装置309は、所定の切り替えを指示する指示信号を受信したときに、指示信号に応じて、乗物用シート303を駆動させて、シート本体315の姿勢を選択的に変更する。例えば、制御装置309は、駆動ユニット317を制御することにより、前席のシート本体315及び後席のシート本体315がそれぞれ前方を向く通常モード(図44及び図45(B)参照)と、前席のシート本体315が前方を向き、後席のシート本体315が後方を向くリラックスモード(図50(A)参照)とに、変更することができる。指示信号は、例えば、インスツルメントパネルやディスプレイ369に対する入力に基づいて、車両の制御を行う車両制御装置から送信されるものであってよい。指示信号はその他、車両を自律走行させることのできる車両制御装置から、手動運転と自動運転との間の切り替え時に送信されるものであってよい。
制御装置309(詳細には、プロセッサ371)は、所定の指示信号を受信したとき、切り替えプログラムを実行することにより、駆動ユニット317それぞれを制御し、リラックスモードから通常モードへの切り替え処理を行う。制御装置309は切り替え処理を行うための制御プログラムを実行し、フロア313上に載置された複数のシート本体315を鉛直軸Zの回りに回転させるための乗物用シート303の制御方法を実施する。
以下、切り替え処理の詳細について、図49に示すフローチャートを参照して説明する。
制御装置309は、切り替え処理の最初のステップST1において、センサ305によって取得したシート本体315それぞれの周辺に位置する物体の情報に基づき、全てのシート本体315の位置及び姿勢を取得する。その後、シート本体315は、前席のシート本体315に衝突することなく、後席のシート本体315が回転可能かを判定する。回転可能であると判定したときには、制御装置309はステップST2を実行し、回転できないと判定したときには制御装置309はステップST3を実行する。
制御装置309は、ステップST2において、後席のシート本体315の回転駆動装置339を駆動させて、後席のシート本体315を、それぞれが前方を向く位置になるまで回転させる。換言すれば、制御装置309は、ステップST2において、回転駆動装置339の駆動を許可し、回転駆動装置339に後席のシート本体315をそれぞれが前方を向く位置になるまで回転させる。後席のシート本体315がそれぞれ前方を向き位置になると、制御装置309はステップST4を実行する。
制御装置309は、ステップST3において、センサ305によって取得したシート本体315それぞれの周辺に位置する物体の情報に基づき、回転時に後席のシート本体315のシートクッション319が周辺に位置する物体に衝突するかを判定する。衝突するときには制御装置309はステップST5を、衝突しないときに制御装置309はステップST6をそれぞれ実行する。
制御装置309は、ステップST4において、全てのシート本体315の位置及び姿勢を取得し、駆動ユニット317を駆動させることによって、それぞれのシート本体315の位置及び姿勢が着座に適切な位置及び姿勢(以下、着座位置)となるように調整する。調整が完了すると、制御装置309は、切り替え処理を終える。
制御装置309は、ステップST5において、チップアップ駆動装置341を駆動させて、後席のシート本体315のシートクッション319をそれぞれ、水平位置から上昇位置に変位させる。上昇位置への変位が完了すると、制御装置309はステップST6を実行する。
制御装置309は、ステップST6において、センサ305によって取得したシート本体315それぞれの周辺に位置する物体の情報に基づき、回転時に後席のシート本体315のシートバック321が周辺に位置する物体に衝突するかを判定する。制御装置309はステップST6において、センサ305の検出結果を新たに取得し、物体に衝突するかを判定するとよい。衝突するときには制御装置309はステップST7を、衝突しないときに制御装置309はステップST8それぞれ実行する。
制御装置309は、ステップST7において、リクライニング駆動装置337を駆動させて、前席のシート本体315のシートバック321と、後席のシート本体315のシートバック321とをそれぞれ起立させる。全てのシートバック321の起立が完了すると、制御装置309はステップST8を実行する。
制御装置309は、ステップST8において、センサ305によって取得したシート本体315それぞれの周辺に位置する物体の情報に基づき、前席のシート本体315を車両前方に、後席のシート本体315を車両後方にそれぞれスライド移動させることによって、後席のシート本体315の鉛直軸Z回りの回転が可能となるかを判定する。制御装置309はステップST8において、センサ305の検出結果を新たに取得し、回転が可能となるかを判定するとよい。スライド移動によって回転可能となるときには、制御装置309はステップST9を、スライド移動によっても回転可能とならない場合には、制御装置309はステップST10をそれぞれ実行する。
制御装置309は、ステップST9において、スライド駆動装置335を駆動させて、前席のシート本体315と、後席のシート本体315とをそれぞれ後席のシート本体315が鉛直軸Z回りに回転可能となる位置に移動させる。制御装置309は、このとき、例えば、前席のシート本体315を車両前方に移動させ、後席のシート本体315を車両後方に移動させるとよい。
制御装置309は前席のシート本体315と後席のシート本体315との移動が完了すると、制御装置309はステップST2を実行する。
但し、制御装置309は、ステップST8において、センサ305によって取得したシート本体315それぞれの周辺に位置する物体の情報に基づき、前席及び後席のシート本体315をスライド移動させることなく、後席のシート本体315を回転させることができる場合には、ステップST9において制御装置309はスライド駆動装置335を駆動させることなく、ステップST2を実行してもよい。
制御装置309はステップST10において、報知装置307によってリラックスモードから通常モードへの切り替えが不可能である旨の報知を行う。報知装置307がスピーカ367を含むときには、制御装置309はステップST10においてスピーカ367から切り替えが不可能であることを通知する音を発生させてもよい。報知装置307がディスプレイ369を含むときには、制御装置309はステップST10においてディスプレイ369に切り替えが不可能であることを通知する表示を行わせてもよい。報知が完了すると、制御装置309は切り替え処理を終える。
次に、このように構成したシートシステム301の動作について説明する。
以下では前席のシート本体315と後席のシート本体315とが互い近接しており、後席のシート本体315の回転に、シートクッション319のチップアップ(跳ね上げ)と、シートバック321の起立と、スライド移動とが全て必要となる場合を例示して説明する。
制御装置309は、リラックスモード(図50(A))から通常モード(図51(C)参照)への切り替えを指示する指示信号を受信すると、切り替え処理を開始する。
制御装置309は切り替え処理の最初のステップST1において、センサ305によって取得した情報に基づいて後席のシート本体315が回転可能であるかを判定する。回転可能である場合には(ST1においてNo)、制御装置309は後席のシート本体315を回転させる(ST2)。
制御装置309はステップST1において、後席のシート本体315が回転不能であると判定(ST1においてNo)し、回転時にシートクッション319が衝突すると判定する(ST3においてYes)。これにより、制御装置309は、図50(B)に示すように、後席のシート本体315に設けられたチップアップ駆動装置341を駆動し、シートクッション319を上昇位置に変位させる(ST5)。
後席のシートクッション319が上昇位置となると、制御装置309はなお、回転時に前席のシートバック321と、後席のシートバック321とが衝突すると判定し(ST6においてYes)、図50(C)に示すように、前席及び後席のリクライニング駆動装置337を駆動させて、それぞれのシートバック321を起立させる(ST7)。
シートバック321を起立させた後、制御装置309は、前席及び/又は後席をスライド移動させることにより、後席の回転が可能となるかを判定し(ST8)、回転が可能となるときには、図51(A)に示すように、前席及び後席のシート本体315をそれぞれ互いに離れるようにスライド移動させる(ST9)。
その後、制御装置309は、図51(B)に示すように、後席のシート本体315の回転を許可し、回転駆動装置339に後席のシート本体315を回転させる(ST2)。その後、制御装置309は、図51(C)に示すように、前席及び後席のシート本体315をそれぞれ着座に適した位置や姿勢になるように調整し(ST4)、切り替え処理を終える。
次に、このように構成したシートシステム301の効果について説明する。
制御装置309はセンサ305によって取得された情報に基づいて、シート本体315の回転が可能であるかを判定し、回転が可能であると判定したときに、シート本体315の回転が許可される。そのため、回転時に、周辺に位置する物体(例えば、前席のシート本体315)等に後席のシート本体315が衝突することが防止できる。
前席のシート本体315と後席のシート本体315とが互い近接しているとき、制御装置309は必要に応じて後席のシートクッション319を跳ね上げて上昇位置に移動させる(ST5)。一方、シートクッション319が上昇位置にある場合には、上昇位置にない場合に比べて、シートクッション319が鉛直軸Zに近接するため、後席のシート本体315の回転半径を小さくすることができる。よって、回転時に後席のシート本体315が周辺の物体に衝突し難くなる。
また、前席のシート本体315と後席のシート本体315とが互い近接しているとき、制御装置309は必要に応じて、前席及び後席それぞれのリクライニング駆動装置337にシートバック321をシートクッション319に対して回転させ、前席及び後席のシートバック321を起立位置に移動させる。これにより、前席のシート本体315と後席のシート本体315とが近接し難くなるとともに、後席のシートバック321が鉛直軸Zに近接するため、後席のシート本体315の回転半径を小さくすることができる。よって、回転時に後席のシート本体315が周辺の物体に衝突し難くなる。
また、前席のシート本体315と後席のシート本体315とが互い近接しているとき、制御装置309は必要に応じて、前席及び後席のシート本体315を互いに避けた位置に移動させる。これにより、前席のシート本体315と後席のシート本体315とをそれぞれ、周辺に位置するシート本体315から離れた衝突し難い位置に移動させることができるため、回転時に後席のシート本体315が他のシート本体315に衝突し難くなる。
<変形例1>
また、制御装置309は、ステップST9におけるシート本体315のスライド駆動装置335による移動が完了する前に、ステップST2を実行し、回転駆動装置339によるシート本体315の回転を開始するように構成されていてもよい。これにより、後席のシート本体315が鉛直軸Z回りに回転された状態となるまでの時間を短縮することができる。
また、制御装置309は、ステップST9におけるシート本体315のスライド駆動装置335による移動が完了する前に、ステップST2を実行し、回転駆動装置339によるシート本体315の回転を開始するように構成されていてもよい。これにより、後席のシート本体315が鉛直軸Z回りに回転された状態となるまでの時間を短縮することができる。
<変形例2>
また、制御装置309は、ステップST7におけるシートバック321のリクライニング駆動装置337による起立が完了する前に、ステップST2を実行し、回転駆動装置339によるシート本体315の回転を開始するように構成されていてもよい。例えば、制御装置309は、リクライニング駆動装置337による起立が完了する前に、ステップST8を実行し、スライド駆動装置335を駆動することなく、回転駆動装置339による後席のシート本体315の回転が回転であるときに、ステップST2の実行を開始するとよい。これにより、後席のシート本体315が鉛直軸Z回りに回転された状態となるまでの時間を短縮することができる。
また、制御装置309は、ステップST7におけるシートバック321のリクライニング駆動装置337による起立が完了する前に、ステップST2を実行し、回転駆動装置339によるシート本体315の回転を開始するように構成されていてもよい。例えば、制御装置309は、リクライニング駆動装置337による起立が完了する前に、ステップST8を実行し、スライド駆動装置335を駆動することなく、回転駆動装置339による後席のシート本体315の回転が回転であるときに、ステップST2の実行を開始するとよい。これにより、後席のシート本体315が鉛直軸Z回りに回転された状態となるまでの時間を短縮することができる。
<変形例3>
また、制御装置309は、ST5におけるチップアップ駆動装置341によるシートクッション319の回転が完了する前に、ステップST2を実行し、回転駆動装置339によるシート本体315の回転を開始するように構成されていてもよい。例えば、制御装置309は、チップアップ駆動装置341による回転が完了する前に、ステップST6においてシートバック321が衝突しないと判定し、且つ、ST8においてスライドすることなく後席のシート本体315が回転可能であると判定したときに、ステップST2を実行し、回転駆動装置339によるシート本体315の回転を開始するとよい。これにより、後席のシート本体315が鉛直軸Z回りに回転された状態となるまでの時間を短縮することができる。
また、制御装置309は、ST5におけるチップアップ駆動装置341によるシートクッション319の回転が完了する前に、ステップST2を実行し、回転駆動装置339によるシート本体315の回転を開始するように構成されていてもよい。例えば、制御装置309は、チップアップ駆動装置341による回転が完了する前に、ステップST6においてシートバック321が衝突しないと判定し、且つ、ST8においてスライドすることなく後席のシート本体315が回転可能であると判定したときに、ステップST2を実行し、回転駆動装置339によるシート本体315の回転を開始するとよい。これにより、後席のシート本体315が鉛直軸Z回りに回転された状態となるまでの時間を短縮することができる。
<変形例4>
制御装置309は、ステップST4において、前席及び後席のシート本体315の前後位置をそれぞれ、切り替え処理が開始される前の位置(初期位置)に戻すように構成されていてもよい。その他、制御装置309は、ステップST4において、前席及び後席のリクライニング角度を、切り替え処理が開始される前の角度(初期リクライニング角度、単に初期角度ともいう)に戻すように構成されていてもよい。その他、制御装置309は、ステップST4において、後席のシートクッション319の跳ね上げ角度を、切り替え処理が開始される前の角度(初期跳ね上げ角度。単に初期角度ともいう)に戻すように構成されていてもよい。
制御装置309は、ステップST4において、前席及び後席のシート本体315の前後位置をそれぞれ、切り替え処理が開始される前の位置(初期位置)に戻すように構成されていてもよい。その他、制御装置309は、ステップST4において、前席及び後席のリクライニング角度を、切り替え処理が開始される前の角度(初期リクライニング角度、単に初期角度ともいう)に戻すように構成されていてもよい。その他、制御装置309は、ステップST4において、後席のシートクッション319の跳ね上げ角度を、切り替え処理が開始される前の角度(初期跳ね上げ角度。単に初期角度ともいう)に戻すように構成されていてもよい。
このように構成した場合には、シート本体315の回転が完了したときに、着座者が着座可能となるとともに、前席及び後席のシート本体315の位置や姿勢が着座者の好みに即した位置となる。
その他、ステップST4の着座位置等の調整は、シート本体315の鉛直軸Z回りの回転が完了する前に開始されてもよい。これにより、シート本体315の変位が完了するまでの時間を短縮することができる。
<シート本体315の構造>
次に、シート本体315の構造の詳細について、車両右側に位置するシート本体315を例示して、図面を参照して説明する。図44に示すように、車両左側に位置するシート本体315と、車両右側に位置するシート本体315とは、車両の中心を通過し、前後方向に延びる線を中心として左右対称をなすように構成されている。以下、例示して説明する車両右側に位置するシート本体315においては、シート左側が車内側、シート右側が車外側に対応する。
次に、シート本体315の構造の詳細について、車両右側に位置するシート本体315を例示して、図面を参照して説明する。図44に示すように、車両左側に位置するシート本体315と、車両右側に位置するシート本体315とは、車両の中心を通過し、前後方向に延びる線を中心として左右対称をなすように構成されている。以下、例示して説明する車両右側に位置するシート本体315においては、シート左側が車内側、シート右側が車外側に対応する。
図52に示すように、シート本体315は、シートクッション319の骨組みを構成するクッションフレーム401と、シートバック321の骨組みを構成するバックフレーム403と、ヘッドレスト323の骨組みを構成するヘッドレストフレーム(不図示)と、を有している。
<クッションフレーム401>
図53に示すように、クッションフレーム401は前後方向に延在する左右一対のクッションサイドフレーム405と、左右一対のクッションサイドフレーム405の間に配置された座部フレーム407と、を有している。座部フレーム407は、クッションパッド(図示省略)を下方から支持する。クッションフレーム401にはその他、左右方向に延在し、左右のサイドフレームの中央部分を接続するフレーム(メンバともいう)等が設けられていてもよい。
図53に示すように、クッションフレーム401は前後方向に延在する左右一対のクッションサイドフレーム405と、左右一対のクッションサイドフレーム405の間に配置された座部フレーム407と、を有している。座部フレーム407は、クッションパッド(図示省略)を下方から支持する。クッションフレーム401にはその他、左右方向に延在し、左右のサイドフレームの中央部分を接続するフレーム(メンバともいう)等が設けられていてもよい。
本実施形態では、クッションサイドフレーム405は前後に延在するように設けられた内側サイドフレーム409と、内側サイドフレーム409に対してシート外側に設けられ、前後に延在する外側サイドフレーム411とを備えている。内側サイドフレーム409と外側サイドフレーム411とはそれぞれ板金部材によって構成されている。内側サイドフレーム409と外側サイドフレーム411とは少なくとも一部において結合され、部分的に閉断面413を構成するとよい。このように、サイドフレームを内側サイドフレーム409と外側サイドフレーム411との2つの板金部材によって構成することで、内側サイドフレーム409のみや、外側サイドフレーム411のみでクッションサイドフレーム405を構成した場合に比べて、クッションサイドフレーム405の剛性が高められる。
座部フレーム407にはオットマン325の骨格を構成するオットマンフレーム415が設けられている。オットマンフレーム415は略前方を向く面を有する板状をなしている。座部フレーム407には金属製の線状部材417が溶接され、その線状部材417にオットマンフレーム415がブラケット419を介して結合されている。これにより、オットマンフレーム415は座部フレーム407に固定されている。線状部材417は中実の部材(ワイヤ)によって構成されていてもよく、また、中空の部材(パイプ)によって構成されていてもよい。
クッションフレーム401は、フロア313にスライド機構345、回転機構349を介して支持されている。
<スライド機構345・スライド駆動装置335>
スライド機構345は左右一対のスライドレール421によって構成されている。スライドレール421はそれぞれ、フロア313に対してブラケット423を介して固定され、前後に延在するロアレール425と、ロアレール425に摺動可能に接続されたアッパレール427とを備えている。アッパレール427がロアレール425に対してスライド移動することによって、クッションフレーム401は前後方向にスライド移動可能となっている。
スライド機構345は左右一対のスライドレール421によって構成されている。スライドレール421はそれぞれ、フロア313に対してブラケット423を介して固定され、前後に延在するロアレール425と、ロアレール425に摺動可能に接続されたアッパレール427とを備えている。アッパレール427がロアレール425に対してスライド移動することによって、クッションフレーム401は前後方向にスライド移動可能となっている。
スライド駆動装置335は、公知の電動モータ(不図示)と、電動モータからの出力をロアレール425に対するアッパレール427のスライド移動に変換するための公知の変換機構(不図示)とを備えている。電動モータは電流が流れる方向に応じて、正転・逆転可能に構成されている。
2つのアッパレール427の上面には左右に延在し、2つのアッパレール427を接続するベース部材429が設けられている。
<回転機構349・回転駆動装置339>
回転機構349は、ベース部材429に回転可能に支持された回転部材431(回転デバイス)を備えている。本実施形態では、ベース部材429の上面に円環状の凹部(不図示)が設けられている。ベース部材429の凹部にはボール(不図示)が周方向に並ぶように配置されている。
回転機構349は、ベース部材429に回転可能に支持された回転部材431(回転デバイス)を備えている。本実施形態では、ベース部材429の上面に円環状の凹部(不図示)が設けられている。ベース部材429の凹部にはボール(不図示)が周方向に並ぶように配置されている。
回転部材431は凹部に沿って延在する円環状をなしている。回転部材431はそのボールを介してベース部材429に支持されている。これにより、ボールが凹部に沿って転動することによって、回転部材431は凹部の軸線を中心とする回転可能にベース材に支持される。回転部材431には、上下方向を向く面を有する連結部材433が固定されている。
回転駆動装置339は、電動モータ(不図示)と、電動モータからの出力を回転部材431のベース部材429に対する回転に変換するための公知の変換機構(不図示)とを備えている。電動モータは電流が流れる方向に応じて、正転・逆転可能に構成されている。
<チップアップ機構351・チップアップ駆動装置341>
座部フレーム407はチップアップ機構351を介してクッションサイドフレーム405に結合されている。チップアップ機構351は左右一対の連結ブラケット441を含む。
座部フレーム407はチップアップ機構351を介してクッションサイドフレーム405に結合されている。チップアップ機構351は左右一対の連結ブラケット441を含む。
連結ブラケット441はそれぞれ一端において対応するクッションサイドフレーム405に左右に延びる回転軸Y1を中心として回転可能に結合されている。本実施形態では、連結ブラケット441は内側サイドフレーム409に対してシート内側に配置され、その一端において内側サイドフレーム409に回転可能に結合されている。
連結ブラケット441は他端において座部フレーム407に固定されている。本実施形態では、連結ブラケット441は他端において線状部材417に固定され、線状部材417を介して座部フレーム407に固定されている。
連結ブラケット441を回転軸Y1回りに回転させることによって、座部フレーム407は上方を向く面を有し、パッド部材を下方から支持する支持位置と、前方側が後方側に対し上方に押し上げられた押上位置との間で変位する。
チップアップ駆動装置341は電動モータ443と、電動モータ443の動力により、連結ブラケット441を回転させる動力伝達装置445とを備えている。
電動モータ443及び動力伝達装置445はそれぞれ座部フレーム407の下方に配置されている。これにより、乗物用シート303をコンパクトに構成することができる。また、電動モータ443及び動力伝達装置445は、回転部材431の上方に配置されている。これにより、回転機構349と、チップアップ機構351とを乗物用シート303に設けることができる。
動力伝達装置445は、ロッド447と、電動モータ443の回転駆動力をロッド447に伝達するための複数のギヤ(不図示)と、ギヤを収容するギヤボックス449とを備えている。
ロッド447は棒状をなし、前後方向に延在するように配置されている。ロッド447は一端側において連結ブラケット441の一方に結合されている。具体的には、ロッド447は一端側において左側の連結ブラケット441の下端部に枢支されている。詳細には、ロッド447と左側の連結ブラケット441との連結位置Pは、連結ブラケット441とクッションサイドフレーム405との回転軸Y1とは異なる位置に設定されている。詳細には、ロッド447と左側の連結ブラケット441との連結位置Pは、連結ブラケット441とクッションサイドフレーム405との回転軸Y1に対して、下方且つ前方に設定されている。ギヤボックス449の適所には、ロッド447の他端側が挿通されるロッド挿通穴(不図示)が設けられている。
ギヤボックス449内のギヤは互いに噛合い、協働して、電動モータ443の動力をロッド447の略前後方向の往復運動に変換する。動力伝達装置445はギヤとして、モータの回転軸から回転駆動力が入力される入力ギヤと、ギヤボックス449に挿通されたロッド447のネジ溝と噛み合う出力ギヤと、入力ギヤに入力された回転駆動力を減速して出力ギヤに伝達する伝達ギヤを有している。
座部フレーム407が支持位置にあるときに、電動モータ443の回転軸(駆動軸)が第1方向に回転駆動すると、入力ギヤが回転し、入力ギヤの回転によって、出力ギヤが回転する。これにより、ロッド447は、回転しながら略前方にスライド移動する。ロッド447の略前方へのスライド移動によって、左側の連結ブラケット441の下端部が前方に移動するように、シート内側から見て反時計回りに回転する。左右の連結ブラケット441がともにクッションフレーム401に接続されているため、左側の連結ブラケット441の回転に伴い、右側の連結ブラケット441も回転する。これにより、座部フレーム407は支持位置から押上位置に移動し、シートクッション319は、座面319Aが略水平をなす位置(水平位置)から、前端が後端よりも持ち上げられ、座面319Aがはね上げられた位置(上昇位置)に変位する。
座部フレーム407が押上位置にあるときに、電動モータ443の回転軸が第1方向とは逆の第2方向に回転駆動すると、ロッド447は、回転しながら略後方にスライド移動し、左側の連結ブラケット441の下端部が後方に移動するように回転する。左側の連結ブラケット441の回転に伴い、右側の連結ブラケット441も回転して、座部フレーム407は押上位置から支持位置に移動する。これにより、シートクッション319は、上昇位置から水平位置に変位する。
このように、チップアップ駆動装置341(チップアップアクチュエータともいう)が電動モータ443と、ロッド447、ギヤ及びギヤボックス449を含む動力伝達装置445とによって構成されることによって、シートクッション319をチップアップ(跳ね上げる)ためのチップアップ駆動装置341を簡素に構成することができる。
<バックフレーム403>
次に、シートバック321を構成するバックフレーム403の構成について詳細に説明する。バックフレーム403はシートバック321の縁形状を形成するメインフレーム461と、バックフレーム403の上半部に設けられた可動フレーム463とを有している。
次に、シートバック321を構成するバックフレーム403の構成について詳細に説明する。バックフレーム403はシートバック321の縁形状を形成するメインフレーム461と、バックフレーム403の上半部に設けられた可動フレーム463とを有している。
メインフレーム461は、上下に延在する左右一対のバックサイドフレーム465と、バックサイドフレーム465の上部を互いに接続するアッパフレーム467と、バックサイドフレーム465の下部を互いに接続するロアフレーム469とを有している。バックサイドフレーム465の下部は、クッションサイドフレーム405の後部にリクライニング機構347を介して左右方向に延びる回転可能に接続されている。
可動フレーム463は、左右一対の可動サイドフレーム471と、可動サイドフレーム471の上端部を接続する可動アッパフレーム473とを備えている。可動サイドフレーム471は上部を構成する上部サイドフレーム475と、上部サイドフレーム475の下部に結合された取付フレーム477とによって構成されていてもよい。本実施形態では、可動アッパフレーム473にヘッドレスト323のピラーがそれぞれ挿入される左右一対のピラーガイド478が設けられている。
可動サイドフレーム471のシート外側の外面には保形部材479が設けられている。保形部材479は中実のワイヤによって構成されている。保形部材479を構成するワイヤは一端において可動サイドフレーム471の外面に溶接され、シート外方に延び、更に、下方に延びた後、シート内方に延びて可動サイドフレーム471の前面に溶接されている。本実施形態では保形部材479は中実のワイヤによって構成されていたが、中空のパイプ材によって構成されていてもよい。
<中折れ機構353・中折れ駆動装置355>
中折れ機構353は可動フレーム463とメインフレーム461との間に設けられ、可動フレーム463をメインフレーム461に対して左右方向に延びる軸線を中心とした回転可能に接続する。中折れ機構353は、可動サイドフレーム471の下部と、バックサイドフレーム465の上下方向中央部分とを回転可能に連結する連結部481と、可動サイドフレーム471の回転範囲を規制する規制機構483とを含むとよい。
中折れ機構353は可動フレーム463とメインフレーム461との間に設けられ、可動フレーム463をメインフレーム461に対して左右方向に延びる軸線を中心とした回転可能に接続する。中折れ機構353は、可動サイドフレーム471の下部と、バックサイドフレーム465の上下方向中央部分とを回転可能に連結する連結部481と、可動サイドフレーム471の回転範囲を規制する規制機構483とを含むとよい。
シートバック321の上部前面が略上下方向に沿う初期位置にあるときには、可動サイドフレーム471の前面は概ねバックサイドフレーム465の前面に対して前後方向に揃うように構成されている。
中折れ駆動装置355は、可動フレーム463をメインフレーム461に対して回動させる。中折れ駆動装置355は電動モータ485と、電動モータ485の出力を可動フレーム463の回転に変換する変換機構487とを備えている。
中折れ駆動装置355はバックフレーム403の左右一方側にのみ設けられている。そのため、中折れ駆動装置355をバックフレーム403の左右両側に設けた場合に比べて、電動モータ485や変換機構487の数を少なくすることができる。
電動モータ485は電流が流れる方向に応じて、正転・逆転可能に構成されている。電動モータ485はバックサイドフレーム465に固定されている。本実施形態では、電動モータ485は、その回転軸(駆動軸)が下方に延びるように配置されて、バックサイドフレーム465にモータブラケット489を介して、バックサイドフレーム465に固定されている。モータブラケット489はバックサイドフレーム465のシート内方において間隔をおいて配置され、カラー等を介してバックサイドフレーム465に結合されているとよい。
電動モータ485は、左側の可動サイドフレーム471と、左側のバックサイドフレーム465との間に配置されている。これにより、電動モータ485は可動サイドフレーム471にシート外側に配置されるため、可動サイドフレーム471のシート内側に電動モータ485を配置した場合と比べて、シートバック321に凭れかかった着座者が違和感(異物感)を覚えることを防止することができる。
シートバック321の上部前面が初期位置及び前傾位置のいずれの位置にあるときにも、電動モータ485は保形部材479(詳細には、保形部材479を構成するワイヤ)の後方に位置している。これにより、着座した乗員の荷重が電動モータ485に加わることを防止することができる。
変換機構487は、電動モータ485の回転軸の回転をシート内方に突出する軸部491(図54参照)の回転に変換する変換ボックス493と、軸部491に同軸をなすように固定され、軸部491とともに回転するピニオンギヤ495と、ピニオンギヤ495に噛合うセクタギヤ497とを有している。
変換ボックス493は複数のギヤと、ギヤを収容するギヤボックス494と有し、軸部491はギヤボックス494に回転可能に支持されている。軸部491は変換ボックス493に収容されたギヤを介して電動モータ485に接続され、電動モータ485の駆動によって回転する。電動モータ485及び変換ボックス493はそれぞれ締結具493A(ボルトなど)によって、軸部491がシート内方に突出するようにバックサイドフレーム465に固定されている。本実施形態では、変換ボックス493は左側のバックサイドフレーム465に固定されている。軸部491はモータブラケット489に設けられた貫通孔(不図示)を介して、モータブラケット489に対してシート内側(右側。図54の紙面裏側)に突出している。ピニオンギヤ495は軸部491に結合されている。
本実施形態では、図55に示すように、モータブラケット489には支持ブラケット498が結合されている(図52では、支持ブラケット498は省略されている)。支持ブラケット498は上下に延びる板金部材によって構成されている。支持ブラケット498は上部において、ピニオンギヤ495及びセクタギヤ497の上方にて支持ブラケット498のシート内側の側面に溶接されている。支持ブラケット498は下部において、ピニオンギヤ495及びセクタギヤ497に対してシート内方から対向している。ピニオンギヤ495は支持ブラケット498に枢支されている。これにより、支持ブラケット498及びモータブラケット489を介して、ピニオンギヤ495はバックサイドフレーム465に回転可能に支持される。
図56に示すように、ピニオンギヤ495には軸部491の突端を受容する凹部495Aが設けられている。ピニオンギヤ495の凹部495Aに軸部491が突入することにより軸部491の突端と凹部495Aとが噛合う。これにより、軸部491とピニオンギヤ495とが結合し、軸部491の回転によってピニオンギヤ495が回転する。
セクタギヤ497の一端にはシート内外方向に突出するギヤ支持軸501が設けられている。ギヤ支持軸501はモータブラケット489に設けられた貫通孔503(図54参照)と、支持ブラケット498の下部498Aに設けられた貫通孔505(図55参照)とに回転可能に受容されている。これにより、ギヤ支持軸501はモータブラケット489及び支持ブラケット498にシート内外方向から回転可能に支持される。モータブラケット489及び支持ブラケット498はともにバックサイドフレーム465に固定されているため、セクタギヤ497はバックサイドフレーム465に回転可能に結合される。
図52に示すように、セクタギヤ497は他端において上部サイドフレーム475(詳細には、左側の上部サイドフレーム475)に複数のブラケット507(本実施形態では2つのブラケット507)を介して固定されている(図55も参照)。これにより、セクタギヤ497は、ブラケット507と協働して、図56に示すように、左側の可動サイドフレーム471の下端部分、すなわち、取付フレーム477を構成する。セクタギヤ497はピニオンギヤ495に設けられた歯(不図示)に噛合う歯497Aを備えている。
図52の矢印に示すように、ピニオンギヤ495が回転するとセクタギヤ497はギヤ支持軸501の軸線を中心に回転する。セクタギヤ497は可動フレーム463に固定されているため、可動フレーム463もまたギヤ支持軸501の軸線を中心に回転し、可動フレーム463はメインフレーム461に対してギヤ支持軸501の軸線を中心に傾倒する。すなわち、ギヤ支持軸501の軸線が可動フレーム463とメインフレーム461との回転軸Y2に相当している。ギヤ支持軸501によって可動サイドフレーム471の下部と、バックサイドフレーム465の上下方向中央部分とを回転可能に連結する連結部481が構成される。また、セクタギヤ497は、電動モータ485の回転軸の回転に伴って回転し、可動フレーム463を傾倒させる係合部に相当する。
図56に示すように、支持ブラケット498にはセクタギヤ497に向けて突出する突出部515が設けられている。セクタギヤ497には突出部515を受容する受容孔517が設けられている。支持ブラケット498はバックサイドフレーム465に、セクタギヤ497は可動フレーム463にそれぞれ固定されているため、突出部515が受容孔517に受容されることにより、セクタギヤ497の回転範囲を規制される。すなわち、突出部515と受容孔517とによって、規制機構483が構成されている。受容孔517の縁部にはセクタギヤ497の回転範囲の両端に位置する部分においてシート外側に向けて起立する突出壁517Aが設けられているとよい。突出壁517Aは受容孔517の縁部にはセクタギヤ497の回転範囲の両端に位置する部分の剛性を高めるとともに、突出部515が回転範囲の端部にあるときに、突出部515に当接する面を形成する。
<その他>
図52に示すように、バックフレーム403にはシートベルトが挿通されるベルトガイドを設けるためのガイドブラケット521が設けられている。更に、バックフレーム403には、シートベルトの巻き取りを行うベルト巻き取り装置(不図示)を固定するための巻取装置用ブラケット523が取り付けられている。ベルト巻き取り装置は巻取装置用ブラケット523を介して、バックフレーム403に固定される。
図52に示すように、バックフレーム403にはシートベルトが挿通されるベルトガイドを設けるためのガイドブラケット521が設けられている。更に、バックフレーム403には、シートベルトの巻き取りを行うベルト巻き取り装置(不図示)を固定するための巻取装置用ブラケット523が取り付けられている。ベルト巻き取り装置は巻取装置用ブラケット523を介して、バックフレーム403に固定される。
ガイドブラケット521はバックフレーム403の車外側上部(図中のシートでは右側上部)に設けられている。巻取装置用ブラケット523もまたバックフレーム403の車外側上部(図中のシートでは右側上部)に設けられている。中折れ機構353の電動モータ485及び変換機構487はバックフレーム403の車内側(図中のシートでは左側)の中央部に設けられている。このように、ともに重量が重いベルト関連部品(ガイドブラケット521)と、電動モータ485とが、左右に分けて配置されているため、バックフレーム403の重量の左右差を抑えることできる。
次に、乗物用シート303、及び、シートシステム301の製造方法について説明する。
乗物用シート303を製造する作業者は、シートクッション319の左右のクッションサイドフレーム405に連結部材433を取り付けるステップと、連結ブラケット441を左右のクッションサイドフレーム405に回動可能に取り付けるステップとを順に実行する。
連結ブラケット441を左右のクッションサイドフレーム405に回動可能に取り付けるステップにおいて、作業者は、連結ブラケット441をクッションサイドフレーム405のうち、内側サイドフレーム409に回動可能に取り付ける。
その後、作業者は、連結部材433に、電動モータ443、複数のギヤを備えたギヤボックス449、ロッド447等を備えたチップアップ駆動装置341を取り付けるステップを行う。このとき、作業者はチップアップ駆動装置341を座部フレーム407の下方に配置し、連結部材433に固定する。
作業者はまた、バックフレーム403に中折れ駆動装置355を取り付けるステップを実行する。このとき、作業者は、電動モータ485の回転軸をギヤボックス449内のギヤ及びピニオンギヤ495を介して、セクタギヤ497に係合させる。これにより、電動モータ485の駆動によって、可動フレーム463は傾倒可能となる。
その後、作業者は、シートバック321のメインフレーム461の車外側上部にガイドブラケット521を取り付け、シートバック321のメインフレーム461の車外側上部に巻取装置用ブラケット523を取り付けるステップを行う。ガイドブラケット521及び巻取装置用ブラケット523の取り付けが完了すると、作業者は、可動フレーム463にセクタギヤ497及び保形部材479を結合させるステップと、可動フレーム463をメインフレーム461に回転可能に取り付けるステップとを順に行う。
次に、作業者は可動フレーム463とメインフレーム461との間に中折れ機構353の電動モータ485、変換ボックス493とを配置して、メインフレーム461に取り付けるステップを行う。このとき、作業者は電動モータ485を保形部材479の後方であって、車外側の可動サイドフレーム471と車外側のバックサイドフレーム465の間の空間内に配置し、バックサイドフレーム465のシート内側の側面に結合させる。これにより、電動モータ485はシートバック321のメインフレーム461の車内側であって、上下方向略中央部分に取り付けられる。また、このとき、作業者はピニオンギヤ495と可動フレーム463のセクタギヤ497とが係合するように、変換ボックス493をメインフレーム461に取り付ける。これにより、電動モータ485の回転駆動力がセクタギヤ497に伝えられ、可動フレーム463が電動モータ485の駆動によって傾倒する。
その後、作業者は、パッド部材及び表皮材をクッションフレーム401及び、バックフレーム403にそれぞれ被せるステップを実行することによって、シート本体315を構成する。
次に、作業者は、ベース部材429と、ベース部材429に設けられたボールと、ボールを介して回転可能に支持された回転部材431とを順に重ねた介在部材を用意するステップを実行する。その後、作業者は、その介在部材の下面(すなわち、ベース部材429の下面)に左右一対のロアレール425及びアッパレール427を備えたスライド機構345を結合させるステップを実行する。このとき、ロアレール425には、ロアレール425をフロア313に取り付けるためのフット(ブラケット)が設けられているとよい。
次に、作業者は、介在部材の上面(すなわち、回転部材431の上面)に連結部材433を結合させることにより、シート本体315を介在部材に結合させるステップを実行する。このとき、回転部材431は連結部材433の下側に配置され、連結部材433の上面にチップアップ駆動装置341が設けられているため、チップアップ駆動装置341の電動モータ443は回転部材431の上方に配置される。その後、作業者はロアレール425をフロア313に固定することによって、シート本体315はフロア313に組付けられる。
その後、作業者が車両の適所に設けられた制御装置309に、各種電動モータを接続することによって、シートシステム301が完成する。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。
第1実施形態では、スライド装置1は、筒状部材61によって螺子部材27を側壁41に押し付けることによって摩擦係止し、螺子部材27の自由な回転を規制するように構成されていたが、螺子部材27の自由な回転を規制する構成であればいかなる態様であってもよい。例えば、スライド装置1は、回転規制装置55が螺子部材27を側壁41に押し付けるコイルばねを含み、そのコイルばねによって螺子部材27が側壁41に押し付けされることによって、螺子部材27の自由な回転が阻止される構成であってもよい。
上記第3実施形態では、例えばレール211が左右方向、或いは上下方向に延びるように、電動スライドレール201は対象物に配置されてもよい。レール211及びスライダ212の形状は目的に合わせて適宜変更することができる。また、上記第3実施形態では、駆動ギヤ237Aは前後一対設けられてもよく、第1ギヤ238B及び第2ギヤ239Bは駆動ギヤ237Aに対応して前後一対設けられてもよい。
上記第3実施形態及びその変形例では、アクチュエータ261が駆動していないときに接続軸237が第1位置に位置し、第1係合部262と第2係合部263とが互いに係合する構成としたが、他の実施形態では、アクチュエータ261が駆動していないときに接続軸237が第2位置に位置し、第1係合部262と第2係合部263とが互いに離れる構成にしてもよい。この場合、付勢部材265は接続軸237を第2位置に付勢し、アクチュエータ261は駆動時に接続軸237を第1位置に押すとよい。
上記第4実施形態では、シートシステム301において制御装置309が複数の乗物用シート303の制御を行うように構成されていたが、制御装置309はそれぞれの乗物用シート303に設けられて、対応する乗物用シート303を制御するように構成されていてもよい。制御装置309は互いに通信を行うことによって、対応する乗物用シート303を自律的に移動させるとよい。このとき、制御装置309はシート本体315を鉛直軸Z回りに回転させるときに、他の乗物用シート303のシート本体315と衝突すると判定したときには、対応する制御装置309に対して、衝突しない位置へのシート本体315の移動やシート本体315の変形を指示する指示信号を送信するとよい。
上記実施形態では、本発明を車両用のシートに適用した例を説明したが、本発明に係る乗物シートは航空機用や鉄道用等の様々なシートに適用することもできる。
1 :スライド装置
11 :レール
12 :スライダ
15 :係止孔
20 :ギヤボックス
21 :電気モータ
21A :回転軸
26 :ハウジング
27 :螺子部材
36 :軸部
37 :雄ネジ部
37A :ネジ山
41 :側壁
43 :開口
48 :駆動歯車
49 :従動歯車
51 :ツール孔
55 :回転規制装置
57 :伸縮装置
59 :付勢装置
61 :筒状部材
63 :第1筒状部材(筒状部材)
64 :第2筒状部材(筒状部材)
65 :主傾斜面(傾斜面)
67 :第1付勢部材(付勢部材)
68 :第2付勢部材(付勢部材)
70 :突出片(係止部)
75 :第2ばね用貫通孔(貫通孔)
76 :補助傾斜面(逆傾斜面)
78 :ストッパ
80 :ツール
11 :レール
12 :スライダ
15 :係止孔
20 :ギヤボックス
21 :電気モータ
21A :回転軸
26 :ハウジング
27 :螺子部材
36 :軸部
37 :雄ネジ部
37A :ネジ山
41 :側壁
43 :開口
48 :駆動歯車
49 :従動歯車
51 :ツール孔
55 :回転規制装置
57 :伸縮装置
59 :付勢装置
61 :筒状部材
63 :第1筒状部材(筒状部材)
64 :第2筒状部材(筒状部材)
65 :主傾斜面(傾斜面)
67 :第1付勢部材(付勢部材)
68 :第2付勢部材(付勢部材)
70 :突出片(係止部)
75 :第2ばね用貫通孔(貫通孔)
76 :補助傾斜面(逆傾斜面)
78 :ストッパ
80 :ツール
Claims (12)
- スライド装置であって、
複数の係止孔が延在方向に並んで設けられたレールと、
前記レールに対してスライド移動可能に支持されたスライダと、
前記係止孔に噛合う螺子部材を含み、前記スライダに固定されたギヤボックスと、
前記螺子部材を回転駆動させて、前記スライダを前記レールに対してスライドさせる電気モータと、を有し、
前記ギヤボックスには、前記螺子部材を摩擦係止し、前記螺子部材の回転を規制する回転規制装置が設けられているスライド装置。 - 前記螺子部材は所定の軸線に沿って延びる円柱状の軸部と、前記軸部の外周面に設けられ、且つ、らせん状のネジ山を有する雄ネジ部とを備え、
前記ギヤボックスは、前記螺子部材を回転可能に支持すると共に、前記雄ネジ部の軸線方向両端に位置する端面それぞれに対向する側壁を備えたハウジングを有し、
前記回転規制装置は、前記螺子部材を前記側壁の一方に押し付けることにより、前記螺子部材の回転を摩擦係止する請求項1に記載のスライド装置。 - 前記回転規制装置は、付勢装置と、前記付勢装置の付勢力により伸長し、前記螺子部材と前記側壁に押し付けて摩擦係止する伸縮装置とを備える請求項2に記載のスライド装置。
- 前記伸縮装置は、前記軸部が貫通する内孔を有し、互いに隣接して配置された2つの筒状部材を備え、
前記筒状部材はそれぞれ互いに対向する面に、前記螺子部材の前記軸線の周方向に互いに同じ方向に傾斜する傾斜面を有し、
前記付勢装置は、2つの前記筒状部材を逆向きに回転させて前記傾斜面に沿って摺動させることにより、前記伸縮装置を伸長させるべく付勢する請求項3に記載のスライド装置。 - 前記伸縮装置と、前記側壁の他方との互いに対向する面にはそれぞれ、前記軸線の回りに前記傾斜面とは逆向きに傾斜する逆傾斜面が設けられている請求項4に記載のスライド装置。
- 前記付勢装置は、前記ハウジングと、2つの前記筒状部材とにそれぞれに接続され、前記筒状部材を逆向きに回転させる方向に付勢する2つの付勢部材を備える請求項4に記載のスライド装置。
- 前記筒状部材は前記付勢部材を結合させるための係止部を備え、
前記ハウジングには前記係止部の少なくとも一つが通過可能な貫通孔が設けられ、
前記貫通孔を介して、2つの前記筒状部材が視認可能となっている請求項6に記載のスライド装置。 - 前記側壁の側に位置する前記筒状部材には、前記側壁に向く側の端面に、前記側壁に係合して、前記側壁の側に位置する前記筒状部材の回転を規制するストッパが設けられている請求項5に記載のスライド装置。
- 前記筒状部材はそれぞれ、前記ハウジングの内部に収容されている請求項4~請求項8のいずれか1つの項に記載のスライド装置。
- 前記ギヤボックスには、前記電気モータの回転軸の回転に伴って回転する駆動歯車と、前記螺子部材に設けられ、前記駆動歯車に噛合う従動歯車とが設けられている請求項1~請求項8のいずれか1つの項に記載のスライド装置。
- 前記ギヤボックスには前記駆動歯車を回転させるためのツールを挿入するためのツール孔が設けられている請求項10に記載のスライド装置。
- 請求項1に記載のスライド装置の組み立て方法であって、
前記ギヤボックス及び前記電気モータに前記スライダを組み付けるステップと、
前記スライダを前記レールに組み付けるステップと、を含むスライド装置の組み立て方法。
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US202263367408P | 2022-06-30 | 2022-06-30 | |
US63/367,408 | 2022-06-30 | ||
US202263368430P | 2022-07-14 | 2022-07-14 | |
US63/368,430 | 2022-07-14 | ||
US202263370284P | 2022-08-03 | 2022-08-03 | |
US63/370,284 | 2022-08-03 | ||
US202263373394P | 2022-08-24 | 2022-08-24 | |
US202263373393P | 2022-08-24 | 2022-08-24 | |
US63/373,394 | 2022-08-24 | ||
US63/373,393 | 2022-08-24 | ||
US202263425811P | 2022-11-16 | 2022-11-16 | |
US63/425,811 | 2022-11-16 | ||
JP2023-030157 | 2023-02-28 | ||
JP2023030157A JP2024022453A (ja) | 2022-08-03 | 2023-02-28 | シートシステム及びシートの制御方法 |
JP2023-105923 | 2023-06-28 | ||
JP2023105923A JP2024007444A (ja) | 2022-06-30 | 2023-06-28 | 電動スライドレール及び電動スライドレールを備えた乗物用シート |
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WO (1) | WO2024005205A1 (ja) |
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JPH1086707A (ja) * | 1996-09-18 | 1998-04-07 | Jidosha Denki Kogyo Co Ltd | シートスライド装置 |
JP2003065419A (ja) * | 2001-08-24 | 2003-03-05 | Aisin Seiki Co Ltd | スライド機構及びシート用のパワースライド装置 |
-
2023
- 2023-06-30 WO PCT/JP2023/024496 patent/WO2024005205A1/ja unknown
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH1086707A (ja) * | 1996-09-18 | 1998-04-07 | Jidosha Denki Kogyo Co Ltd | シートスライド装置 |
JP2003065419A (ja) * | 2001-08-24 | 2003-03-05 | Aisin Seiki Co Ltd | スライド機構及びシート用のパワースライド装置 |
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