WO2024004975A1

WO2024004975A1 - 蓄電装置

Info

Publication number: WO2024004975A1
Application number: PCT/JP2023/023698
Authority: WO
Inventors: 隆志池田; 伊吹綿野; 朋重井上
Original assignee: 株式会社Ｇｓユアサ
Priority date: 2022-06-28
Filing date: 2023-06-27
Publication date: 2024-01-04

Abstract

蓄電装置（１０）は、蓄電素子（２１１）を有する蓄電素子ユニット（２１０）と、第一方向の一方側に開口する外ケース本体（１１０）を有し、蓄電素子ユニット（２１０）を収容する外ケース（１００）と、蓄電素子ユニット（２１０）の第一方向の一方側に配置される第一部材（内ケース上壁（３１０））と、を備え、外ケース（１００）は、第一方向の他方側に配置される外ケース底壁（１１１）と、第一方向と交差する第二方向に対向する外ケース側壁（１１２）と、を有し、第一部材は、外ケース側壁（１１２）に固定された第二部材（ウェイト（４００））に固定される、または、外ケース側壁（１１２）に固定される。

Description

蓄電装置

　本発明は、蓄電素子を有する蓄電素子ユニットを備える蓄電装置に関する。

　従来、蓄電素子を有する蓄電素子ユニットと、蓄電素子ユニットを収容する外ケースと、を備える蓄電装置が知られている。特許文献１には、バッテリ（蓄電素子）が防水ケース（外ケース）に収納され、固定部材によって、防水ケース内でバッテリが固定された電源装置（蓄電装置）が開示されている。特許文献１では、バッテリは固定部材の底板に固定され、固定部材の天板の周縁が防水ケースの内壁に接触することで天板の水平方向の移動が抑制されて、固定部材が防水ケースの中で水平方向に移動することが抑制される。

特開２０１３－２０６８１６号公報

　上記従来の蓄電装置では、外ケースに対する蓄電素子ユニットの移動を容易に抑制できず、耐振動性または耐衝撃性を容易に向上できないおそれがある。特許文献１に開示された電源装置（蓄電装置）では、固定部材の天板の周縁を防水ケースの内壁に接触させる必要があるため、天板の寸法精度が要求される。天板の寸法が大きい場合には、固定部材を防水ケースに挿入できず、天板の寸法が小さい場合には、固定部材が防水ケース内で移動してしまうおそれがある。このように、上記従来の蓄電装置では、耐振動性または耐衝撃性を容易に向上できないおそれがある。

　本発明は、本願発明者が上記課題に新たに着目してなされたものであり、耐振動性または耐衝撃性を容易に向上できる蓄電装置を提供することを目的とする。

　本発明の一態様に係る蓄電装置は、蓄電素子を有する蓄電素子ユニットと、第一方向の一方側に開口する外ケース本体を有し、前記蓄電素子ユニットを収容する外ケースと、前記蓄電素子ユニットの前記第一方向の一方側に配置される第一部材と、を備え、前記外ケースは、前記第一方向の他方側に配置される外ケース底壁と、前記第一方向と交差する第二方向に対向する外ケース側壁と、を有し、前記第一部材は、前記外ケース側壁に固定された第二部材に固定される、または、前記外ケース側壁に固定される。

　本発明における蓄電装置によれば、耐振動性または耐衝撃性を容易に向上できる。

図１は、実施の形態に係る蓄電装置の構成を示す斜視図である。図２は、実施の形態に係る蓄電装置の外ケースの内部構成を示す斜視図である。図３は、実施の形態に係る蓄電装置が備える蓄電ユニットを分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。図４は、実施の形態に係る蓄電素子ユニットの構成を示す斜視図である。図５は、実施の形態に係る内ケース上壁がウェイトに固定される構成を示す斜視図である。図６は、実施の形態に係る内ケース上壁がウェイトに固定される構成を示す正面図である。図７は、実施の形態の変形例に係る内ケース上壁が外ケース側壁に固定される構成を示す正面図である。図８は、実施の形態の他の変形例に係る第一部材が外ケース側壁に固定される構成を示す正面図である。

　（１）本発明の一態様に係る蓄電装置は、蓄電素子を有する蓄電素子ユニットと、第一方向の一方側に開口する外ケース本体を有し、前記蓄電素子ユニットを収容する外ケースと、前記蓄電素子ユニットの前記第一方向の一方側に配置される第一部材と、を備え、前記外ケースは、前記第一方向の他方側に配置される外ケース底壁と、前記第一方向と交差する第二方向に対向する外ケース側壁と、を有し、前記第一部材は、前記外ケース側壁に固定された第二部材に固定される、または、前記外ケース側壁に固定される。

　これによれば、蓄電装置において、蓄電素子ユニットは、第一部材と外ケース底壁とで挟まれ、第一部材は、外ケース側壁に固定された第二部材または外ケース側壁に固定される。これにより、蓄電素子ユニットを外ケースに対して容易に固定できるため、簡易な構成で、外ケースに対する蓄電素子ユニットの移動を制限できる。したがって、蓄電装置の耐振動性または耐衝撃性を容易に向上できる。

　（２）上記（１）に記載の蓄電装置において、前記第二部材は、ウェイトとしてもよい。

　これによれば、第一部材が、外ケース側壁に固定されたウェイトに固定されることで、ウェイトを介して、第一部材を外ケース側壁に対して固定できる。これにより、蓄電素子ユニットを外ケースに対して容易に固定できるため、簡易な構成で、外ケースに対する蓄電素子ユニットの移動を制限できる。

　（３）上記（１）または（２）に記載の蓄電装置において、前記第一部材は、前記外ケース側壁に向けて延びる延出部を有し、前記延出部は、前記第二部材または前記外ケース側壁に固定される、としてもよい。

　これによれば、第一部材に延出部を設け、延出部を第二部材または外ケース側壁に固定することで、蓄電素子ユニットを外ケースに対して容易に固定できる。これにより、簡易な構成で、外ケースに対する蓄電素子ユニットの移動を制限できる。

　（４）上記（１）から（３）のいずれかひとつに記載の蓄電装置は、前記外ケースに収容され、前記蓄電素子ユニットを収容して保持する内ケースをさらに備え、前記第一部材は、前記内ケースの上壁である、としてもよい。

　これによれば、第一部材を、蓄電素子ユニットを収容する内ケースの上壁とすることで、内ケースの上壁を利用して、蓄電素子ユニットを外ケースに対して容易に固定できる。これにより、簡易な構成で、外ケースに対する蓄電素子ユニットの移動を制限できる。

　（５）上記（４）に記載の蓄電装置において、前記内ケースは、互いに別体で構成された３以上の壁を有する、としてもよい。

　これによれば、内ケースが、互いに別体で構成された３以上の壁から組み立てられることで、蓄電素子ユニットの外面に各壁を容易に配置できる。蓄電素子ユニットの外面に各壁を配置できるため、蓄電素子ユニットの移動を制限しやすい。

　（６）上記（４）または（５）に記載の蓄電装置において、前記蓄電素子ユニットは、前記蓄電素子の側方に配置されるサイド部材を有し、前記サイド部材は、前記内ケースの内面に接触している、としてもよい。

　これによれば、蓄電素子ユニットのサイド部材を内ケースの内面に接触させることで、内ケース内での蓄電素子ユニットの移動を制限できる。

　以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態（その変形例も含む）に係る蓄電装置について説明する。以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。各図において、同一または同様な構成要素については同じ符号を付している。

　以下の説明及び図面中において、蓄電装置の外ケースの一対の短側壁の対向方向、蓄電素子ユニットが有する一対の外部端子の並び方向、蓄電素子ユニットが有する一対のサイド部材の対向方向、蓄電素子の長側面と蓄電素子ユニットのサイド部材との対向方向、蓄電素子ユニットのサイド部材と内ケースの短側壁との並び方向（対向方向）、または、蓄電素子の一対の長側面の対向方向を、Ｘ軸方向と定義する。蓄電装置の外ケースの長側壁の対向方向、蓄電素子ユニットの外部端子の突出方向、蓄電素子の容器の一対の短側面の対向方向、または、蓄電素子が有する一対の電極端子の並び方向を、Ｙ軸方向と定義する。蓄電装置の外ケースの本体の開口と外ケース底壁との並び方向、蓄電素子ユニットと外ケース底壁との並び方向、内ケース上壁と内ケース底壁との並び方向（対向方向）、蓄電素子の容器の本体と蓋との並び方向、蓄電素子の電極端子の突出方向、または、上下方向を、Ｚ軸方向と定義する。これらＸ軸方向、Ｙ軸方向及びＺ軸方向は、互いに交差（本実施の形態では直交）する方向である。

　以下の説明において、Ｘ軸プラス方向とは、Ｘ軸の矢印方向を示し、Ｘ軸マイナス方向とは、Ｘ軸プラス方向の反対方向を示す。単にＸ軸方向という場合は、Ｘ軸プラス方向及びＸ軸マイナス方向の双方向またはいずれか一方の方向を示す。Ｙ軸方向及びＺ軸方向についても同様である。以下では、Ｚ軸方向を第一方向（Ｚ軸プラス方向を第一方向の一方側、Ｚ軸マイナス方向を第一方向の他方側）とも呼び、Ｘ軸方向を第二方向とも呼び、Ｙ軸方向を第三方向とも呼ぶ場合がある。Ｘ軸方向を左右方向として説明することもある。平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。２つの方向が平行であるとは、当該２つの方向が完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行であること、すなわち、数％程度の差異を含むことも意味する。以下の説明において、「絶縁」と表現する場合、「電気的な絶縁」を意味する。

　（実施の形態）
　［１　蓄電装置１０の全般的な説明］
　まず、本実施の形態における蓄電装置１０の全般的な説明を行う。図１は、本実施の形態に係る蓄電装置１０の構成を示す斜視図である。図１では、蓄電装置１０が備える外ケース１００の外ケース本体１１０から外ケース蓋体１２０を取り外した状態を示している。図２は、本実施の形態に係る蓄電装置１０の外ケース１００の内部構成を示す斜視図である。図２では、蓄電装置１０が備える外ケース１００の内部の蓄電ユニット２０を外ケース本体１１０から取り出した状態を示している。図３は、本実施の形態に係る蓄電装置１０が備える蓄電ユニット２０を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。

　蓄電装置１０は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電できる装置であり、本実施の形態では、直方体形状を有している。蓄電装置１０は、電力貯蔵用途または電源用途等に使用される。蓄電装置１０は、自動車、自動二輪車、フォークリフト、ウォータークラフト、船舶、スノーモービル、農業機械、建設機械、または、電気鉄道用の鉄道車両等の移動体の駆動用またはエンジン始動用等のバッテリ等として用いられる。上記の自動車としては、電気自動車（ＥＶ）、ハイブリッド電気自動車（ＨＥＶ）、プラグインハイブリッド電気自動車（ＰＨＥＶ）、及び、化石燃料（ガソリン、軽油、液化天然ガス等）自動車が例示される。上記の電気鉄道用の鉄道車両としては、電車、モノレール、リニアモーターカー、並びに、ディーゼル機関及び電気モーターの両方を備えるハイブリッド電車が例示される。蓄電装置１０は、家庭用または事業用等に使用される定置用のバッテリ等としても用いることができる。

　図１～図３に示すように、蓄電装置１０は、外ケース１００と、蓄電ユニット２０と、ウェイト４００と、を備えている。蓄電ユニット２０は、複数の蓄電素子ユニット２１０からなる蓄電素子ユニット群２００と、内ケース３００と、を有している。蓄電装置１０は、上記構成の他、蓄電装置１０の正極及び負極の総端子、蓄電素子ユニット２１０同士または蓄電素子ユニット２１０と当該総端子とを接続する導電部材（電線、バスバー等）、並びに、蓄電素子ユニット２１０の状態（電圧、温度、充放電状態等）を監視または制御する回路基板、リレー、ヒューズ、電流センサ及びコネクタ等の電気部品等も備えているが、図示及び詳細な説明は省略する。

　外ケース１００は、蓄電素子ユニット２１０を収容するケースである。外ケース１００は、蓄電装置１０の外側のケース（外装体、筐体、外殻）を構成する直方体形状（箱形）の容器（外箱）である。外ケース１００は、蓄電ユニット２０（蓄電素子ユニット群２００、内ケース３００）及びウェイト４００等の外方に配置され、これらを所定の位置で固定し、衝撃等から保護する。外ケース１００は、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、鉄、メッキ鋼板等の金属製の部材によって形成された金属ケースである。外ケース１００は、後述する蓄電素子ユニット２１０のカバー部材２１６に使用可能ないずれかの樹脂材料等の絶縁性を有する部材で形成されてもよい。

　図１に示すように、外ケース１００は、外ケース１００の本体を構成する外ケース本体１１０と、外ケース１００の蓋体を構成する外ケース蓋体１２０と、を有している。外ケース本体１１０は、Ｚ軸プラス方向（第一方向の一方側）に開口する有底矩形筒状の容器であり、蓄電ユニット２０（蓄電素子ユニット群２００、内ケース３００）及びウェイト４００等を収容し、かつ、所定の位置で固定する。

　具体的には、図２に示すように、外ケース本体１１０は、Ｚ軸プラス方向（第一方向の一方側）に矩形状の開口１１０ａが形成され、Ｚ軸マイナス方向（第一方向の他方側）に、外ケースの上下方向における底壁である外ケース底壁１１１が形成されている。外ケース底壁１１１は、平板状かつ矩形状に形成されている。外ケース本体１１０は、Ｘ軸方向両側に、一対の平板状かつ矩形状の短側壁である外ケース側壁１１２を有し、Ｙ軸方向両側に、一対の平板状かつ矩形状の長側壁である外ケース側壁１１３を有している。外ケース側壁１１２は、Ｘ軸方向（第一方向と交差する第二方向）に対向する（直交する）壁であり、外ケース本体１１０のＸ軸方向（第二方向）の端部に配置される。外ケース側壁１１３は、Ｙ軸方向（第一方向及び第二方向と交差する第三方向）に対向する（直交する）壁であり、外ケース本体１１０のＹ軸方向（第三方向）の端部に配置される。一対の外ケース側壁１１２は、Ｘ軸方向（第一方向と交差する第二方向）において対向している。一対の外ケース側壁１１３は、Ｙ軸方向（第一方向及び第二方向と交差する第三方向）において対向している。

　外ケース蓋体１２０は、外ケース本体１１０の開口１１０ａを塞ぐ板状かつ矩形状の蓋である。外ケース本体１１０と外ケース蓋体１２０とは、ボルトによるネジ止め等によって接合される。これにより、外ケース１００は、内部が密閉（密封）された構造となる。外ケース本体１１０と外ケース蓋体１２０とは、溶接または接着等によって接合されてもよい。外ケース本体１１０と外ケース蓋体１２０とは、同じ材質の部材で形成されてもよいし、異なる材質の部材で形成されてもよい。外ケース１００の内容物の構成（数、大きさ及び形状等）等によっては、外ケース本体１１０（外ケース底壁１１１、外ケース側壁１１２、１１３）及び外ケース蓋体１２０は、どのような形状になってもよい。この場合、外ケース側壁１１２が長側壁になり、外ケース側壁１１３が短側壁になってもよい。

　図３に示すように、蓄電素子ユニット群２００は、複数の蓄電素子ユニット２１０を有している。本実施の形態では、蓄電素子ユニット群２００は、Ｘ軸方向に並ぶ３つの蓄電素子ユニット２１０がＺ軸方向に２段並べられた６つの蓄電素子ユニット２１０から構成されている。蓄電素子ユニット群２００が有する蓄電素子ユニット２１０の個数は特に限定されず、Ｚ軸方向に何個の蓄電素子ユニット２１０が並べられてもよいし、Ｘ軸方向に何個の蓄電素子ユニット２１０が並べられてもよいし、Ｙ軸方向にも複数の蓄電素子ユニット２１０が並べられてもよい。蓄電素子ユニット群２００は、１つの蓄電素子ユニット２１０しか有していなくてもよい。本実施の形態では、Ｚ軸方向に並ぶ蓄電素子ユニット２１０同士は直列接続され、Ｘ軸方向に並ぶ蓄電素子ユニット２１０同士は並列接続されるが、いずれの蓄電素子ユニット２１０が直列接続または並列接続されてもよい。蓄電素子ユニット２１０の構成の詳細な説明については、後述する。

　内ケース３００は、蓄電素子ユニット２１０を収容するケースである。内ケース３００は、蓄電装置１０の内側のケース（筐体）を構成する略直方体形状（箱形）の容器（内箱）である。内ケース３００は、蓄電素子ユニット群２００の外方に配置され、蓄電素子ユニット群２００（蓄電素子ユニット２１０）を収容して保持し、衝撃等から保護する。内ケース３００は、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、鉄、メッキ鋼板等の金属製の部材によって形成された金属ケースである。本実施の形態では、内ケース３００は、外ケース１００と同じ材質の部材で形成されるが、外ケース１００とは異なる材質の部材で形成されてもよい。内ケース３００は、後述する蓄電素子ユニット２１０のカバー部材２１６に使用可能ないずれかの樹脂材料等の絶縁性を有する部材で形成されてもよい。本実施の形態では、蓄電素子ユニット２１０を収容した内ケース３００が、外ケース１００に収容されている。

　図２及び図３に示すように、内ケース３００は、内ケース３００の上下方向における上壁である内ケース上壁３１０と、内ケース３００の上下方向における底壁である内ケース底壁３２０と、を有している。内ケース３００は、内ケース３００のＸ軸方向またはＹ軸方向における、４つの側壁を構成する内ケース側壁３３０～３６０を有している。本実施の形態では、内ケース上壁３１０と内ケース底壁３２０と内ケース側壁３３０～３６０のそれぞれとは、全て別体で構成されている。つまり、内ケース３００は、互いに別体で構成された６つの壁を有している。

　内ケース上壁３１０は、蓄電素子ユニット群２００のＺ軸プラス方向（第一方向の一方側）に配置される、ＸＹ平面に平行な（Ｚ軸方向に対向する（直交する））平板状かつ矩形状の上壁である。内ケース上壁３１０は、Ｚ軸方向において、蓄電素子ユニット群２００と外ケース蓋体１２０との間に配置される。内ケース上壁３１０は、内ケース側壁３３０、３４０及び３６０のＺ軸プラス方向端部と、ネジ３１３によって接合される。本実施の形態では、内ケース上壁３１０は、内ケース側壁３３０、３４０及び３６０のＺ軸プラス方向に配置されて、内ケース側壁３３０、３４０及び３６０のＺ軸プラス方向端部とＺ軸方向で接合される。内ケース上壁３１０の上面には、蓄電素子ユニット２１０の状態（電圧、温度、充放電状態等）を監視または制御する回路基板、リレー、ヒューズ、電流センサ及びコネクタ等の電気部品等が配置されてもよい。

　本実施の形態では、内ケース上壁３１０は、ウェイト４００に固定される。具体的には、内ケース上壁３１０は、Ｘ軸方向両端部に、Ｘ軸方向両側に延びる延出部３１１を有しており、延出部３１１がウェイト４００に固定される。この内ケース上壁３１０がウェイト４００に固定される構成の詳細な説明については、後述する。内ケース上壁３１０は、「第一部材」の一例である。第一部材（内ケース上壁３１０）は、内ケース３００の一部であり、内ケース３００の他の部分（内ケース側壁３３０、３４０、３６０）と接合されている。

　内ケース底壁３２０は、蓄電素子ユニット群２００のＺ軸マイナス方向（第一方向の他方側）に配置される、ＸＹ平面に平行な（Ｚ軸方向に対向する（直交する））平板状かつ矩形状の底壁である。内ケース底壁３２０は、Ｚ軸方向において、蓄電素子ユニット群２００と外ケース底壁１１１との間に配置される。内ケース底壁３２０は、内ケース側壁３３０～３６０のＺ軸マイナス方向端部と、ボルトによるネジ止め等によって接合される。本実施の形態では、内ケース底壁３２０は、Ｘ軸方向において内ケース側壁３３０及び３４０の間に配置されて、内ケース側壁３３０及び３４０のＺ軸マイナス方向端部とＸ軸方向で接合される。内ケース底壁３２０は、Ｙ軸方向において内ケース側壁３５０及び３６０の間に配置されて、内ケース側壁３５０及び３６０のＺ軸マイナス方向端部とＹ軸方向で接合される。内ケース底壁３２０は、外ケース底壁１１１に、接着剤または両面テープ等により接着（固定）されてもよい。

　内ケース側壁３３０及び３４０は、蓄電素子ユニット群２００のＸ軸方向（第二方向）の両側に配置される、ＹＺ平面に平行な（Ｘ軸方向に対向する（直交する））平板状かつ矩形状の短側壁である。内ケース側壁３３０は、蓄電素子ユニット群２００のＸ軸プラス方向に配置され、内ケース側壁３４０は、蓄電素子ユニット群２００のＸ軸マイナス方向に配置される。内ケース側壁３３０及び３４０は、Ｘ軸方向において、蓄電素子ユニット群２００と外ケース側壁１１２との間（蓄電素子ユニット群２００とウェイト４００との間）に配置される。内ケース側壁３３０及び３４０は、内ケース上壁３１０、内ケース底壁３２０、内ケース側壁３５０及び３６０のＸ軸方向端部と、ボルトによるネジ止め等によって接合される。本実施の形態では、内ケース側壁３３０及び３４０は、内ケース底壁３２０及び内ケース側壁３６０のＸ軸方向外側に配置されて、内ケース底壁３２０及び内ケース側壁３６０のＸ軸方向両端部とＸ軸方向で接合される。具体的には、内ケース側壁３３０及び３４０の板厚内にボルト（図３のボルト３３１及び３４１等）を挿入して、内ケース底壁３２０及び内ケース側壁３６０のネジ孔（図３のネジ孔３２１及び３６１等）とネジ結合する。これにより、内ケース側壁３３０及び３４０で蓄電素子ユニット群２００を強固に拘束できる。内ケース３００内への蓄電素子ユニット群２００の収容も容易にできる。

　内ケース側壁３５０及び３６０は、蓄電素子ユニット群２００のＹ軸方向（第三方向）の両側に配置される、ＸＺ平面に平行な（Ｙ軸方向に対向する（直交する））平板状かつ矩形状の長側壁である。内ケース側壁３５０は、蓄電素子ユニット群２００のＹ軸マイナス方向に配置され、内ケース側壁３６０は、蓄電素子ユニット群２００のＹ軸プラス方向に配置される。内ケース側壁３５０及び３６０は、Ｙ軸方向において、蓄電素子ユニット群２００と外ケース側壁１１３との間に配置される。内ケース側壁３５０は、内ケース底壁３２０、内ケース側壁３３０及び３４０のＹ軸マイナス方向端部と、ボルトによるネジ止め等によって接合される。本実施の形態では、内ケース側壁３５０は、内ケース底壁３２０、内ケース側壁３３０及び３４０のＹ軸マイナス方向に配置されて、内ケース底壁３２０、内ケース側壁３３０及び３４０のＹ軸マイナス方向端部とＹ軸方向で接合される。内ケース側壁３６０は、内ケース上壁３１０、内ケース底壁３２０、内ケース側壁３３０及び３４０のＹ軸プラス方向端部と、ボルトによるネジ止め等によって接合される。本実施の形態では、内ケース側壁３６０は、内ケース底壁３２０のＹ軸プラス方向に配置されて、内ケース底壁３２０のＹ軸プラス方向端部とＹ軸方向で接合される。

　内ケース３００は、内ケース上壁３１０、内ケース底壁３２０及び内ケース側壁３３０～３６０の少なくとも１つの壁が蓄電素子ユニット群２００と接触することで、蓄電素子ユニット群２００の移動を制限する。本実施の形態では、内ケース上壁３１０、内ケース底壁３２０、内ケース側壁３３０、３４０及び３６０が蓄電素子ユニット群２００と接触するが、内ケース側壁３５０も蓄電素子ユニット群２００と接触してもよい。内ケース上壁３１０、内ケース底壁３２０及び内ケース側壁３３０～３６０の少なくとも１つの壁が、内面に、公差吸収用、振動抑制用または滑り止め用のゴム板または樹脂部材等の板状部材等を有しており、当該板状部材等で蓄電素子ユニット群２００と接触してもよい。

　内ケース上壁３１０、内ケース底壁３２０及び内ケース側壁３３０～３６０の壁同士は、溶接または接着等によって接合されてもよい。内ケース上壁３１０、内ケース底壁３２０及び内ケース側壁３３０～３６０は、全ての壁が同じ材質の部材で形成されてもよいし、いずれかの壁が異なる材質の部材で形成されてもよい。蓄電素子ユニット群２００の大きさ及び形状等によっては、内ケース上壁３１０、内ケース底壁３２０及び内ケース側壁３３０～３６０は、どのような形状の壁になってもよい。この場合、内ケース側壁３３０及び３４０が長側壁になり、内ケース側壁３５０及び３６０が短側壁になってもよい。

　ウェイト４００は、外ケース１００の内方、かつ、内ケース３００の外方に配置されるおもりである。ウェイト４００は、蓄電装置１０の重量を調整するウェイト（カウンタウェイト）である。本実施の形態では、ウェイト４００は、Ｘ軸方向に扁平な直方体形状を有している（図５参照）。ウェイト４００は、外ケース１００の外ケース本体１１０の外ケース側壁１１２に対向し、かつ、外ケース側壁１１２に接触した状態で配置される。本実施の形態では、ウェイト４００は、外ケース側壁１１２に溶接（スポット溶接等）等により接合（固定）される。ウェイト４００は、外ケース側壁１１２に、接着剤または両面テープ等による接着、溶着、ボルト結合、または、かしめ接合等により接合（固定）されてもよい。本実施の形態では、蓄電ユニット２０（蓄電素子ユニット群２００、内ケース３００）のＸ軸方向両側に、２つのウェイト４００が配置される（図５及び図６等参照）。具体的には、内ケース側壁３３０とＸ軸プラス方向の外ケース側壁１１２との間、及び、内ケース側壁３４０とＸ軸マイナス方向の外ケース側壁１１２との間に、２つのウェイト４００が配置される。

　ウェイト４００の重量は、蓄電装置１０の重量を調整するために必要な重量が適宜決定されるが、本実施の形態では、１つのウェイト４００の重量は、５０～６０ｋｇ程度である。蓄電装置１０が備える全て（本実施の形態では、２つ）のウェイト４００の合計重量は、蓄電装置１０の総重量の１／５以上であるのが好ましく、１／４以上であるのがより好ましく、１／３以上であるのがさらに好ましい。ウェイト４００の材質は特に限定されないが、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、鉄等の、外ケース１００及び内ケース３００に使用可能ないずれかの金属製の部材で形成できる。本実施の形態では、２つのウェイト４００は、外ケース１００及び内ケース３００と同じ材質の部材で形成されるが、外ケース１００及び内ケース３００とは異なる材質の部材で形成されてもよいし、２つのウェイト４００が異なる材質の部材で形成されてもよい。ウェイト４００は、「第二部材」の一例である。

　［２　蓄電素子ユニット２１０の説明］
　次に、蓄電素子ユニット２１０の構成について、詳細に説明する。図４は、本実施の形態に係る蓄電素子ユニット２１０の構成を示す斜視図である。図４は、図３に示した１つの蓄電素子ユニット２１０を拡大し、かつ、内部に位置する蓄電素子２１１と外部端子２１５とを破線で示している。蓄電装置１０（蓄電ユニット２０、蓄電素子ユニット群２００）が備える複数の蓄電素子ユニット２１０は、全て同様の構成を有するため、図４では、１つの蓄電素子ユニット２１０を示し、かつ、以下では、１つの蓄電素子ユニット２１０の構成について詳細に説明する。

　蓄電素子ユニット２１０は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電できる略直方体形状の電池モジュール（組電池）である。図４に示すように、蓄電素子ユニット２１０は、複数の蓄電素子２１１と、一対のエンドプレート２１２と、一対のサイドプレート２１３と、外装部材２１４と、一対（正極及び負極）の外部端子２１５と、一対（正極及び負極）のカバー部材２１６と、を有している。蓄電素子ユニット２１０は、上記構成の他、蓄電素子２１１間に配置されるスペーサ、複数の蓄電素子２１１の電極端子２１１ｂ同士を接続するバスバー、及び、バスバーの位置決めを行うバスバーフレーム等も備えているが、図示及び詳細な説明は省略する。

　蓄電素子２１１は、電気を充電し、電気を放電できる二次電池（単電池）であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。本実施の形態では、複数の蓄電素子２１１がＸ軸方向及びＹ軸方向に並んで配置されているが、蓄電素子２１１の並び方向及び個数は特に限定されず、１つの蓄電素子２１１しか配置されない構成でもよい。本実施の形態では、蓄電素子２１１は、一対の電極端子２１１ｂが並ぶ方向がＹ軸方向になるように蓄電素子２１１を配置した際に、Ｘ軸方向に扁平な直方体形状（角形）であり、長側面と短側面とを有している。蓄電素子２１１において、Ｘ軸方向は蓄電素子２１１の厚み方向となっている。蓄電素子２１１の形状は、直方体形状には限定されず、直方体形状以外の多角柱形状、円柱形状、長円柱形状、楕円柱形状等であってもよい。蓄電素子２１１は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。蓄電素子２１１は、二次電池ではなく、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。蓄電素子２１１は、固体電解質を用いた電池であってもよい。蓄電素子２１１は、パウチタイプの蓄電素子であってもよい。

　蓄電素子２１１は、長側面と短側面を有する容器２１１ａと、一対（正極及び負極）の電極端子２１１ｂと、を有している。容器２１１ａの内方には、電極体、一対（正極及び負極）の集電体、及び、電解液（非水電解質）等が収容されているが、これらの図示及び詳細な説明は省略する。容器２１１ａは、開口が形成された容器本体と、容器本体の当該開口を閉塞する蓋部とを有しており、電極端子２１１ｂは、当該蓋部からＺ軸プラス方向に突出した状態で配置される。電極端子２１１ｂは、導電性の集電体を介して、電極体の正極板及び負極板に電気的に接続されている。電極体は、正極板と負極板とセパレータとが積層されて形成された蓄電要素（発電要素）である。

　エンドプレートは、複数の蓄電素子を各蓄電素子の長側面が対向するように配列する際に、配列の両端に配置される部材である。サイドプレートは、両端のエンドプレートに接続される部材である。一対のエンドプレート２１２は、複数の蓄電素子２１１を各蓄電素子２１１の長側面が対向するように配置した際に、並び方向（Ｘ軸方向）の両側から挟み込む。一対のエンドプレート２１２は、複数の蓄電素子２１１を当該並び方向（Ｘ軸方向）の両側から圧迫（拘束）する拘束部材である。一対のサイドプレート２１３は、複数の蓄電素子２１１を拘束する一対のエンドプレートに接続されている。エンドプレート２１２及びサイドプレート２１３は、強度確保の観点等から、鋼またはステンレス等の金属製の部材で形成されているが、その材質は特に限定されず、強度の高い絶縁性の部材で形成されてもよいし、金属製の部材に絶縁処理が施されてもよい。

　エンドプレート２１２は、蓄電素子２１１のＸ軸方向に配置される、板状かつ矩形状の部材である。一対のエンドプレート２１２は、複数の蓄電素子２１１のＸ軸方向両側に配置され、当該複数の蓄電素子２１１をＸ軸方向（蓄電素子２１１の配列方向）の両側から挟み込んで保持する。エンドプレート２１２は、蓄電素子２１１の長側面に対向して配置される。エンドプレート２１２は、板状ではなく、扁平なブロック状の部材等でもよい。エンドプレート２１２は、蓄電素子２１１の側方に配置される「サイド部材」の一例である。つまり、「サイド部材」は、蓄電素子２１１の側方に配置され、蓄電素子ユニット２１０の外部端子２１５が配置される面と交差する面に配置される部材である。

　蓄電素子ユニット２１０（蓄電素子ユニット群２００）が内ケース３００内に配置された状態において、Ｘ軸方向端部に位置する蓄電素子ユニット２１０のエンドプレート２１２（サイド部材）は、内ケース３００の内面に接触している（図６参照）。つまり、蓄電素子ユニット群２００が有するＸ軸方向両端部に位置するエンドプレート２１２が、内ケース側壁３３０及び３４０の内面に接触（面接触）している。上述の通り内ケース側壁３３０または３４０が内面に板状部材を有している場合には、エンドプレート２１２は、当該板状部材に接触（面接触）する。エンドプレート２１２と内ケース３００の内面との間に他の部材（板状部材）が挟まれる場合には、エンドプレート２１２は、内ケース３００の内面に他の部材（板状部材）を介して間接的に接触する。Ｘ軸方向で隣り合う２つの蓄電素子ユニット２１０は、Ｘ軸方向で互いに対向するエンドプレート２１２同士が接触（面接触）した（Ｘ軸方向で重なり合った）状態で配置される。同様に、Ｚ軸方向で隣り合う２つの蓄電素子ユニット２１０は、Ｚ軸方向で互いに対向するエンドプレート２１２同士が接触した（Ｚ軸方向で重なり合った）状態で配置される。当該エンドプレート２１２同士の間に他の部材が挟まれる場合には、当該エンドプレート２１２同士は、他の部材を介して間接的に接触する。

　このように、蓄電素子ユニット２１０の外形は、Ｙ軸マイナス方向の面を除いて、エンドプレート２１２から突出する部分がない。エンドプレート２１２は、Ｘ軸方向の外面が平坦（平面）であり、Ｙ軸方向両側及びＺ軸方向両側の端面も全て平坦（平面）である。このため、蓄電素子ユニット２１０同士をＸ軸方向でガタツキなく接触させて配置でき、Ｚ軸方向に直接段積みできる。蓄電素子ユニット２１０と内ケース３００の内面ともガタツキなく接触させて配置できる。

　サイドプレート２１３は、蓄電素子２１１のＹ軸方向に配置される、板状かつ矩形状の部材である。つまり、一対のサイドプレート２１３が、複数の蓄電素子２１１のＹ軸方向両側に配置される。サイドプレート２１３は、蓄電素子２１１の短側面に対向して配置される。サイドプレート２１３は、Ｘ軸方向両端部が一対のエンドプレート２１２のＹ軸方向端部に取り付けられて、一対のエンドプレート２１２を繋ぐことで、複数の蓄電素子２１１を拘束する。つまり、サイドプレート２１３は、複数の蓄電素子２１１を跨ぐようにＸ軸方向に延び、当該複数の蓄電素子２１１に対してＸ軸方向における拘束力を付与する。本実施の形態では、サイドプレート２１３は、エンドプレート２１２に、ボルト及びナット（図示せず）によって接合（固定）されるが、溶接または接着等により接合（固定）されてもよい。サイドプレート２１３は、板状ではなく、長尺な帯状の部材等でもよい。

　外装部材２１４は、複数の蓄電素子２１１等のＺ軸プラス方向を覆う部材であり、複数の蓄電素子２１１等を外部からの衝撃等から保護する。外装部材２１４は、一対のサイドプレート２１３に取り付けられて固定される。本実施の形態では、外装部材２１４は、金属製の部材であるが、樹脂製の部材でもよい。

　外部端子２１５は、蓄電素子２１１の電極端子２１１ｂに電気的に接続されて、外部からの電気を充電し、外部へ電気を放電するための外部端子である。つまり、外部端子２１５は、蓄電素子２１１の電極端子２１１ｂとは異なる端子部材である。外部端子２１５は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、ニッケル等の金属製の導電部材若しくはそれらの組み合わせ、または、金属以外の導電性の部材で形成されている。外部端子２１５は、蓄電素子ユニット２１０のＹ軸方向の端部に配置される。本実施の形態では、蓄電素子ユニット２１０のＹ軸マイナス方向端部における、Ｚ軸プラス方向端部かつＸ軸方向両端部に、Ｘ軸方向に並ぶ一対（正極及び負極）の外部端子２１５が配置されている。外部端子２１５は、蓄電素子ユニット２１０の本体部分（蓄電素子２１１が配置されている部分）から、Ｙ軸マイナス方向に突出した状態で配置される。具体的には、外部端子２１５は、Ｙ軸マイナス方向のサイドプレート２１３のＹ軸マイナス方向の面、及び、外装部材２１４のＹ軸マイナス方向の面から、Ｙ軸マイナス方向に突出する。

　カバー部材２１６は、外部端子２１５を覆うように配置されて外部端子２１５を絶縁保護する、外部端子２１５のカバー部材である。カバー部材２１６は、ポリカーボネート（ＰＣ）、ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリエチレン（ＰＥ）、ポリスチレン（ＰＳ）、ポリフェニレンサルファイド樹脂（ＰＰＳ）、ポリフェニレンエーテル（ＰＰＥ（変性ＰＰＥを含む））、ポリエチレンテレフタラート（ＰＥＴ）、ポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル（ＰＦＡ）、ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）、ポリエーテルサルフォン（ＰＥＳ）、ポリアミド（ＰＡ）、ＡＢＳ樹脂、若しくは、それらの複合材料等の絶縁部材により形成されている。カバー部材２１６は、絶縁塗装された金属等により形成されてもよい。カバー部材２１６は、これにより、外部端子２１５を保護し、外部端子２１５が外部の金属部材等に接触することを回避する。

　［３　内ケース上壁３１０がウェイト４００に固定される構成の説明］
　次に、内ケース上壁３１０（第一部材）がウェイト４００（第二部材）に固定される構成について、詳細に説明する。図５は、本実施の形態に係る内ケース上壁３１０がウェイト４００に固定される構成を示す斜視図である。図５は、内ケース上壁３１０（蓄電ユニット２０）がウェイト４００に固定される前の状態を示している。内ケース上壁３１０（蓄電ユニット２０）がウェイト４００に固定される際には、ウェイト４００は外ケース１００の外ケース側壁１１２に固定されているが、図５においては、説明の便宜のため、外ケース１００の図示を省略している。図６は、本実施の形態に係る内ケース上壁３１０がウェイト４００に固定される構成を示す正面図である。図６は、内ケース上壁３１０（蓄電ユニット２０）がウェイト４００に固定された後の状態を示している。図６は、外ケース本体１１０に、蓄電ユニット２０（蓄電素子ユニット群２００、内ケース３００）及びウェイト４００を収容した状態から、説明の便宜のためＹ軸マイナス方向の外ケース側壁１１３及び内ケース側壁３５０を取り除いた構成を、Ｙ軸マイナス方向から見た図である。

　内ケース上壁３１０（第一部材）は、外ケース側壁１１２に固定されたウェイト４００（第二部材）に固定されている。具体的には、内ケース上壁３１０（第一部材）は、外ケース側壁１１２に向けて延びる延出部３１１を有しており、延出部３１１が、ウェイト４００（第二部材）または外ケース側壁１１２に固定される。本実施の形態では、図５及び図６に示すように、内ケース上壁３１０（第一部材）は、外ケース側壁１１２に固定されたウェイト４００（第二部材）に固定される。つまり、内ケース上壁３１０（第一部材）は、外ケース側壁１１２に向けて延びる延出部３１１が、ウェイト４００（第二部材）に固定される。

　延出部３１１は、内ケース上壁３１０のＸ軸方向両端部に配置されている。延出部３１１は、Ｙ軸方向に長い板状の部位である。延出部３１１は、内ケース３００の側壁からＸ軸方向に延びる部位である。延出部３１１は、Ｙ軸方向から見て、蓄電素子ユニット群２００の端部よりも延びている。Ｘ軸プラス方向の延出部３１１は、内ケース側壁３３０からＸ軸プラス方向に延びており、Ｘ軸マイナス方向の延出部３１１は、内ケース側壁３４０からＸ軸マイナス方向に延びている。

　延出部３１１には、ウェイト４００に固定するための固定部材３１１ａが配置されている。本実施の形態では、１つの延出部３１１に、Ｙ軸方向に並ぶ３つの固定部材３１１ａが配置されている。ウェイト４００には、Ｚ軸プラス方向端部の３つの固定部材３１１ａに対応する位置に、Ｙ軸方向に並ぶ３つの被固定部４００ａが形成されている。本実施の形態では、固定部材３１１ａは、Ｚ軸マイナス方向に延びる、雄ネジ部を有するボルトであり、被固定部４００ａは、Ｚ軸マイナス方向に凹んだ、雌ネジ部が形成されたネジ孔である。固定部材３１１ａが被固定部４００ａに挿入されて接続（結合）されることにより、延出部３１１がウェイト４００に固定される。これにより、内ケース上壁３１０は、延出部３１１がウェイト４００のＺ軸プラス方向に重ねられて配置され、Ｚ軸方向でウェイト４００に固定される。

　このように、内ケース上壁３１０は、内ケース３００のうちのＺ軸プラス方向端部のＸ軸方向両端部で、Ｘ軸方向両側の２つのウェイト４００に固定される。つまり、内ケース上壁３１０は、内ケース３００のうちの外ケース本体１１０の開口１１０ａに近い位置で、ウェイト４００に固定される。これにより、内ケース上壁３１０をウェイト４００に固定する際に、固定作業が容易になり、作業性を向上できる。

　内ケース上壁３１０がウェイト４００に固定された状態においては、内ケース３００とウェイト４００との間には隙間が形成される。つまり、内ケース側壁３３０とＸ軸プラス方向のウェイト４００との間には隙間が形成され、内ケース側壁３４０とＸ軸マイナス方向のウェイト４００との間には隙間が形成される。内ケース側壁３５０及び３６０と外ケース本体１１０との間にも、隙間が形成される。つまり、内ケース側壁３５０とＹ軸マイナス方向の外ケース側壁１１３との間には隙間が形成され、内ケース側壁３６０とＹ軸プラス方向の外ケース側壁１１３との間には隙間が形成される（図示省略）。これにより、外ケース本体１１０に蓄電ユニット２０を挿入する際に、挿入作業が容易になり、作業性を向上できる。当該隙間が形成されることで、蓄電装置１０にＸ軸方向からの衝撃が加えられた際に、当該隙間が当該衝撃の力を吸収できる。

　蓄電素子ユニット２１０は、Ｚ軸方向（第一方向）において内ケース上壁３１０（第一部材）と外ケース底壁１１１とに挟まれて配置される。２つの部材に挟まれるとは、他の部材を介さずに２つの部材に直接的に接触している状態、または、他の部材を介して２つの部材に間接的に接触している状態をいう。つまり、蓄電素子ユニット２１０は、Ｚ軸方向において、内ケース上壁３１０と外ケース底壁１１１とに、直接的または間接的に接触する。本実施の形態では、蓄電素子ユニット２１０は、他の蓄電素子ユニット２１０及び内ケース底壁３２０を介して、内ケース上壁３１０と外ケース底壁１１１とに間接的に接触することで、内ケース上壁３１０と外ケース底壁１１１とに挟まれる（挟持される）こととなる。複数の蓄電素子ユニット２１０（蓄電素子ユニット群２００）が、内ケース底壁３２０を介して、内ケース上壁３１０と外ケース底壁１１１とに間接的に接触することで、内ケース上壁３１０と外ケース底壁１１１とに挟まれる（挟持される）とも言える。

　内ケース底壁３２０と外ケース底壁１１１との間に、公差吸収用、振動抑制用または滑り止め用のゴム板または樹脂部材等の板状部材、または、ウェイト等の他の部材が配置されてもよい。この場合、内ケース底壁３２０または外ケース底壁１１１が、当該板状部材またはウェイト等の他の部材を有していると定義してもよい。この場合でも、蓄電素子ユニット２１０は、内ケース上壁３１０と外ケース底壁１１１とに挟まれて配置されると言える。

　［４　効果の説明］
　以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電装置１０によれば、蓄電素子ユニット２１０（蓄電素子ユニット群２００）は、第一部材と外ケース底壁１１１とで挟まれ、第一部材は、外ケース側壁１１２に固定された第二部材に固定される。これにより、蓄電素子ユニット２１０（蓄電素子ユニット群２００）を外ケース１００に対して容易に固定できるため、簡易な構成で、外ケース１００に対する蓄電素子ユニット２１０（蓄電素子ユニット群２００）の移動を制限できる。したがって、蓄電装置１０の耐振動性または耐衝撃性を容易に向上できる。第一部材が、外ケース側壁１１２に溶接等で固定された第二部材に固定される場合、外ケース側壁１１２に第一部材とを接続するためのネジ穴等を設ける必要がないため、防水の観点において効果的である。

　第一部材が、外ケース側壁１１２に固定されたウェイト４００に固定されることで、ウェイト４００を介して、第一部材を外ケース側壁１１２に対して固定できる。これにより、蓄電素子ユニット２１０（蓄電素子ユニット群２００）を外ケース１００に対して容易に固定できるため、簡易な構成で、外ケース１００に対する蓄電素子ユニット２１０（蓄電素子ユニット群２００）の移動を制限できる。ウェイトは重量物であるため、耐振動性または耐衝撃性を向上できる。

　第一部材を、蓄電素子ユニット２１０（蓄電素子ユニット群２００）を収容する内ケース３００の上壁である内ケース上壁３１０とすることで、内ケース上壁３１０を利用して、蓄電素子ユニット２１０（蓄電素子ユニット群２００）を外ケース１００に対して容易に固定できる。これにより、簡易な構成で、外ケース１００に対する蓄電素子ユニット２１０（蓄電素子ユニット群２００）の移動を制限できる。

　内ケース３００は、互いに別体で構成された３以上の壁（本実施の形態では、内ケース上壁３１０、内ケース底壁３２０、及び、内ケース側壁３３０～３６０の６つの壁）から組み立てられる。これにより、蓄電素子ユニット２１０（蓄電素子ユニット群２００）の外面に各壁を容易に配置できる。蓄電素子ユニット２１０（蓄電素子ユニット群２００）の外面に各壁を配置できるため、蓄電素子ユニット２１０（蓄電素子ユニット群２００）の移動を制限しやすい。

　内ケース上壁３１０（第一部材）に延出部３１１を設け、延出部３１１をウェイト４００（第二部材）に固定することで、蓄電素子ユニット２１０（蓄電素子ユニット群２００）を外ケース１００に対して容易に固定できる。これにより、簡易な構成で、外ケース１００に対する蓄電素子ユニット２１０（蓄電素子ユニット群２００）の移動を制限できる。

　蓄電素子ユニット２１０のエンドプレート２１２（サイド部材）を内ケース３００（内ケース側壁３３０、３４０）の内面に接触させることで、内ケース３００内での蓄電素子ユニット２１０（蓄電素子ユニット群２００）の移動を制限できる。エンドプレート２１２（サイド部材）を内ケース３００の内面に面接触させた上で、内ケース３００で強固に拘束できるため、蓄電装置１０の耐振動性または耐衝撃性を向上できる。

　［５　変形例の説明］
　以上、本発明の実施の形態に係る蓄電装置１０について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されない。今回開示された実施の形態は全ての点で例示であり、本発明の範囲には、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。

　上記実施の形態では、内ケース上壁３１０（第一部材）は、外ケース側壁１１２に固定されたウェイト４００（第二部材）に固定されることとしたが、内ケース上壁３１０（第一部材）は、外ケース側壁１１２に固定されてもよい。図７は、本実施の形態の変形例に係る内ケース上壁３１０Ａが外ケース側壁１１２に固定される構成を示す正面図である。図７は、図６に対応する図である。

　図７に示すように、本変形例では、内ケース３００は、上記実施の形態における内ケース上壁３１０に代えて、内ケース上壁３１０Ａを有している。内ケース上壁３１０Ａは、Ｘ軸方向両端部に、延出部３１１Ａを有している。延出部３１１Ａは、上記実施の形態における延出部３１１からさらにＸ軸方向に延び、かつ、Ｚ軸プラス方向に折れ曲がったＬ字状の固定部３１２を有している。固定部３１２は、Ｚ軸プラス方向に延びた部分が、外ケース側壁１１２にＸ軸方向で接触し、かつ、外ケース側壁１１２にＸ軸方向で固定される。

　本変形例では、固定部材３１２ａが、固定部３１２及び外ケース側壁１１２に形成された貫通孔に挿入されて、固定部３１２及び外ケース側壁１１２を固定する。具体的には、固定部材３１２ａはボルトであり、外ケース側壁１１２の貫通孔に挿入された後に、固定部３１２の貫通孔内の雌ネジ部と結合することで、固定部３１２及び外ケース側壁１１２が固定される。本変形例では、延出部３１１Ａには、上記実施の形態における固定部材３１１ａは配置されておらず、ウェイト４００には、上記実施の形態における被固定部４００ａは形成されていない。本変形例のその他の構成については、上記実施の形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。

　以上のように、本変形例に係る蓄電装置によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏する。特に、本変形例では、蓄電素子ユニット２１０（蓄電素子ユニット群２００）は、内ケース上壁３１０Ａ（第一部材）と外ケース底壁１１１とで挟まれ、内ケース上壁３１０Ａ（第一部材）は、外ケース側壁１１２に固定される。これにより、蓄電素子ユニット２１０（蓄電素子ユニット群２００）を外ケース１００に対して容易に固定できるため、簡易な構成で、外ケース１００に対する蓄電素子ユニット２１０（蓄電素子ユニット群２００）の移動を制限できる。したがって、蓄電装置１０の耐振動性または耐衝撃性を容易に向上できる。内ケース上壁３１０Ａ（第一部材）に延出部３１１Ａを設け、延出部３１１Ａを外ケース側壁１１２に固定することで、蓄電素子ユニット２１０（蓄電素子ユニット群２００）を外ケース１００に対して容易に固定できる。これにより、簡易な構成で、外ケース１００に対する蓄電素子ユニット２１０（蓄電素子ユニット群２００）の移動を制限できる。

　上記変形例において、内ケース上壁３１０Ａ（延出部３１１Ａ）は、上記実施の形態における内ケース上壁３１０（延出部３１１）よりも厚みが薄く形成され、かつ、Ｘ軸方向端部が折り曲げられることで、固定部３１２が形成されてもよい。内ケース上壁３１０Ａ（延出部３１１Ａ）は、平板状部材に、固定部３１２としてのＬ字状の別体の部材が接合されることで形成されてもよい。固定部３１２の貫通孔に雌ネジ部を形成するのではなく、固定部３１２にナットを溶接等で配置して、当該ナットに固定部材３１２ａを結合してもよい。外ケース側壁１１２に凹部（座繰り）を形成し、当該凹部（座繰り）内に固定部材３１２ａとしてのボルトの頭部を配置してもよい。固定部３１２は、Ｌ字状ではなく、平板状等でもよい。内ケース上壁３１０Ａは、外ケース側壁１１３に固定されてもよい。上記変形例において、外ケース１００自体が重かったり、ウェイト４００以外のウェイトが配置される等により、ウェイト４００で蓄電装置の重量を調整する必要がない場合には、蓄電装置は、ウェイト４００（第二部材）を備えていなくてもよい。

　（その他の変形例）
　上記実施の形態において、蓄電装置１０は、ウェイト４００に代えて、または、ウェイト４００に加えて、外ケース本体１１０の外ケース側壁１１３に沿って配置されて外ケース側壁１１３に固定されるウェイトを備えてもよい。この場合、内ケース上壁３１０は、ウェイト４００に代えて、または、ウェイト４００に加えて、外ケース側壁１１３に固定されたウェイトに固定されてもよい。蓄電装置１０は、これらのウェイトに加えて、外ケース底壁１１１に沿って配置されるウェイト等の他のウェイトも備えてもよい。

　上記実施の形態では、内ケース上壁３１０は、Ｘ軸方向に延びる延出部３１１でウェイト４００に固定されることとしたが、内ケース上壁３１０に固定された別部材がウェイト４００に固定されてもよい。蓄電素子ユニット群２００のＸ軸方向の端部からＸ軸方向に延びた部位がウェイト４００に固定されてもよい。

　上記実施の形態では、内ケース３００とウェイト４００との間には隙間が形成されることとしたが、内ケース３００とウェイト４００とが接触してもよい。この場合、ウェイト４００は、内ケース側壁３３０または３４０と外ケース側壁１１２とに挟持されて外ケース側壁１１２に対して固定されるのであれば、外ケース側壁１１２に溶接等で直接接合されていなくてもよい。つまり、ウェイト４００（第二部材）は、外ケース側壁１１２に溶接またはボルト等で固定されるのではなく、蓄電素子ユニット２１０または蓄電ユニット２０と外ケース側壁１１２との間に隙間なく挿入または圧入されることで外ケース側壁１１２に固定されてもよい。内ケース側壁３５０または３６０と外ケース側壁１１３とが接触してもよい。

　上記実施の形態では、内ケース３００は、互いに別体で構成された６つの壁を有していることとしたが、互いに別体で構成された３以上の壁を有していればよい。つまり、内ケース３００は、６つの壁の任意の複数の壁が一体化されてもよいし、いずれかの壁が配置されていなくてもよい。内ケース底壁３２０と、内ケース側壁３３０～３６０のうちの少なくとも１つの壁とが一体化（一体に形成）されてもよいし、内ケース上壁３１０と、内ケース側壁３３０～３６０のうちの少なくとも１つの壁とが一体化（一体に形成）されてもよい。内ケース底壁３２０及び内ケース側壁３３０～３６０のうちの少なくとも１つの壁が配置されていなくてもよい。内ケース３００は、板状の壁に代えて、棒状の梁等を有してもよい。内ケース３００は、互いに別体で構成された２つの部材、または、１つの部材しか有していなくてもよい。

　上記実施の形態では、内ケース上壁３１０（第一部材）が固定される第二部材は、蓄電装置１０の重量を調整するウェイト４００であることとしたが、蓄電装置１０の重量を調整する機能を有しないスペーサ等の部材でもよい。上記実施の形態では、第二部材に固定される第一部材は、内ケース上壁３１０であることとしたが、これには限定されない。第一部材は、蓄電素子ユニット２１０の第一方向の一方側に配置されて、第一方向において外ケース底壁１１１とで蓄電素子ユニット２１０を挟む部材であれば、どのような部材でもよく、単なる板状部材または棒状部材等でもよい。この場合、蓄電装置１０は、内ケース３００を備えていなくてもよい。

　具体的には、図８に示すような構成でもよい。図８は、本実施の形態の他の変形例に係る第一部材３１０Ｂが外ケース側壁１１２に固定される構成を示す正面図である。図８は、図６及び図７に対応する図である。図８に示すように、本変形例では、図７に示した構成から、内ケース３００の内ケース上壁３１０Ａ以外の部材、及び、ウェイト４００を取り除き、内ケース上壁３１０ＡからＸ軸方向に延びる部分を取り除いて第一部材３１０Ｂとしたものである。つまり、第一部材３１０Ｂは、蓄電素子ユニット２１０の第一方向の一方側（Ｚ軸プラス方向）に配置されて、第一方向（Ｚ軸方向）において外ケース底壁１１１とで蓄電素子ユニット２１０を挟み、外ケース側壁１１２に固定される部材である。本変形例のその他の構成については、図７に示した構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。

　上記実施の形態では、蓄電素子ユニット２１０において、エンドプレート２１２をサイド部材の一例としたが、サイドプレートをサイド部材の一例としてもよいし、その他の部材をサイド部材の一例としてもよい。蓄電素子ユニット２１０は、Ｙ軸方向に扁平な複数の蓄電素子２１１がＹ軸方向に並べられている場合、蓄電素子ユニット２１０のＹ軸方向の両端にエンドプレートが配置され、蓄電素子ユニット２１０のＸ軸方向の両端にサイドプレートが配置される。この場合、サイドプレートが、サイド部材の一例として、内ケース３００（内ケース側壁３３０、３４０）の内面に接触してもよい。外部端子２１５は、蓄電素子ユニット２１０のＹ軸方向の端部に配置される。

　上記実施の形態では、蓄電装置１０のＸ軸方向両端部（内ケース上壁３１０のＸ軸方向両端部及びその周囲の構成）が、上記の構成を有することとしたが、蓄電装置１０のＸ軸方向両端部のうちのいずれかの端部が、上記の構成を有していなくてもよい。

　上記実施の形態では、蓄電装置は、内ケースを収容する外ケースと、蓄電素子ユニットを収容する内ケースとを有していたが、蓄電装置は内ケースを有さなくてもよい。蓄電素子ユニットのＺ軸方向プラス側に配置される第一部材を有していればよい。

　上記実施の形態において、外ケース１００は、外ケース蓋体１２０を有していなくてもよい等、蓄電装置１０は、上述した全ての構成を備えることには限定されない。蓄電素子ユニット２１０は、エンドプレート２１２及びサイドプレート２１３を有していなくてもよい。つまり、蓄電素子ユニット２１０は、エンドプレート２１２及びサイドプレート２１３に拘束される構造ではなく、樹脂成形された一体型の箱（容器）に蓄電素子２１１が収容される等の構造でもよい。

　上記実施の形態及び上記変形例を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。

　本発明は、二次電池等の蓄電素子を有する蓄電素子ユニットを備える蓄電装置等に適用できる。

　１０　蓄電装置
　２０　蓄電ユニット
　１００　外ケース
　１１０　外ケース本体
　１１０ａ　開口
　１１１　外ケース底壁
　１１２、１１３　外ケース側壁
　１２０　外ケース蓋体
　２００　蓄電素子ユニット群
　２１０　蓄電素子ユニット
　２１１　蓄電素子
　２１２　エンドプレート
　２１３　サイドプレート
　２１５　外部端子
　３００　内ケース
　３１０、３１０Ａ　内ケース上壁
　３１０Ｂ　第一部材
　３１１、３１１Ａ　延出部
　３１１ａ、３１２ａ　固定部材
　３１２　固定部
　３２０　内ケース底壁
　３３０、３４０、３５０、３６０　内ケース側壁
　４００　ウェイト
　４００ａ　被固定部

Claims

　蓄電素子を有する蓄電素子ユニットと、
　第一方向の一方側に開口する外ケース本体を有し、前記蓄電素子ユニットを収容する外ケースと、
　前記蓄電素子ユニットの前記第一方向の一方側に配置される第一部材と、を備え、
　前記外ケースは、前記第一方向の他方側に配置される外ケース底壁と、前記第一方向と交差する第二方向に対向する外ケース側壁と、を有し、
　前記第一部材は、前記外ケース側壁に固定された第二部材に固定される、または、前記外ケース側壁に固定される
　蓄電装置。
　前記第二部材は、ウェイトである
　請求項１に記載の蓄電装置。
　前記第一部材は、前記外ケース側壁に向けて延びる延出部を有し、
　前記延出部は、前記第二部材または前記外ケース側壁に固定される
　請求項１または２に記載の蓄電装置。
　前記外ケースに収容され、前記蓄電素子ユニットを収容して保持する内ケースをさらに備え、
　前記第一部材は、前記内ケースの上壁である
　請求項１または２に記載の蓄電装置。
　前記内ケースは、互いに別体で構成された３以上の壁を有する
　請求項４に記載の蓄電装置。
　前記蓄電素子ユニットは、前記蓄電素子の側方に配置されるサイド部材を有し、
　前記サイド部材は、前記内ケースの内面に接触している
　請求項４に記載の蓄電装置。