WO2023223478A1 - 光信号処理装置および光信号伝送システム - Google Patents

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Abstract

波長分割多重通信における波長分散の影響を低減することが可能な光信号処理装置が提供される。本開示の光信号処理装置は、波長多重信号を入力する入力導波路(301a)と、入力導波路からの波長多重信号を複数のアーム導波路に分岐するように構成された光分岐導波路(302)と、複数のアーム導波路の各々に接続された複数の波長選択導波路(303a、303b)であって、各々が分岐された波長多重信号のうちから光信号を選択するように構成されている、複数の波長選択導波路と、複数のアーム導波路からの光を合流するように構成された光合流導波路(302、304)とを備えている。

Description

光信号処理装置および光信号伝送システム
 本発明は、光通信ネットワークに用いられる光信号処理装置および光信号伝送システムに関する。
 インターネットなどのデータ通信ネットワークの爆発的な広がりにより、光通信ネットワークの大容量化の要求はますます拡大しつつある。このような光通信ネットワークに対する要求に対応するために波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)通信が実用化されている。とくに短距離の通信の規格であるイーサネット(登録商標)においても長延化のために光技術が適用され、さらに4波程度のWDMが適用されている。光イーサネットにおけるトランシーバは、したがって4波程度のWDM信号の合分波する波長合分波器を含んでいる。トランシーバの小型化のために、これまでに異なる波長透過特性を有する誘電体多層膜を複数実装した波長合分波器、または光導波路基板上に形成されたアレイ導波路格子を用いトランシーバが実用化されてきた。
 図1は、一般的な小型のトランシーバの構成例を示す図である。図1に示すトランシーバ10は、受信側のトランシーバに用いるものである。トランシーバ10は、シングルモードの入力導波路13、アレイ導波路格子12、およびマルチモードの4チャネルの出力導波路14が形成された光導波路基板11と、4チャネルのPD(PhotoDetector)アレイ18と、光信号を入力導波路13に結合するレンズ15と、4チャネルの出力導波路14からの光信号を4チャネルのPDアレイ18に結合するマイクロレンズアレイ(屈折率分布型(GRIN)レンズ)16を備える。4チャネルのPDアレイ18は、配線19が形成されたセラミック製のキャリア17に実装されている。4チャネルのPDアレイ18とマイクロレンズアレイ16との間の間隔は、スペーサ20により保たれている。図1に示すように、アレイ導波路格子12に入力された光信号は、アレイ導波路により4波の光信号に分波され、4チャネルのPDアレイ18に入力される。
Y. Doi, M. Oguma, M. Ito, I. Ogawa, T. Yoshimatsu, T. Ohno, E. Yoshida, H. Takahashi, "Compact ROSA for 100-Gb/s (4 × 25 Gb/s) Ethernet with a PLC-based AWG demultiplexer," 2013 Optical Fiber Communication Conference and Exposition and the National Fiber Optic Engineers Conference (OFC/NFOEC)
 一方で、光イーサネットにおいてはこれまで光ファイバの波長分散による波形ひずみを避けるために、シングルモード光ファイバのゼロ分散波長である1.3μm帯に通信波長が設定されてきた。しかしながら、大容量化に伴って信号のボーレートが高くなるとともに、1.3μmであっても光信号のひずみが無視できなくなりつつある。
 図2は、一般的なシングルモード光ファイバにおける波長と波長分散を示す図である。波長λと波長分散係数Dの関係は、式1および式2によって表される。λ0minは最小ゼロ分散波長であり、λ0maxは最大ゼロ分散波長であり、S0minは最小ゼロ分散スロープであり、S0maxは最大ゼロ分散スロープである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
 図2において、4本の縦の線は光イーサネットにおけるWDMの規格において標準化されたグリッド波長である(LAN-WDM:800 GHz間隔(約4nm間隔))。図2に示すとおり、ゼロ分散波長である1.31μmから短波になるにつれて、波長分散の絶対値はおおきくなり、波形ひずみが無視できなくなる。イーサネットにおける波長分割多重通信における波長分散の影響を低減することが望まれる。
 本開示は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、波長分割多重通信における波長分散の影響を低減することにある。
 本発明の一実施形態の光信号処理装置は、波長多重信号を入力する入力導波路と、入力導波路からの波長多重信号を複数のアーム導波路に分岐するように構成された光分岐導波路と、複数のアーム導波路の各々に接続された複数の波長選択導波路であって、各々が分岐された波長多重信号のうちから光信号を選択するように構成されている、複数の波長選択導波路と、複数のアーム導波路からの光を合流するように構成された光合流導波路とを備えている。
 この構成によれば、波長分割多重通信における波長分散の影響を低減することが可能となる。
一般的な小型のトランシーバの構成例を示す図である。 一般的なシングルモード光ファイバにおける波長と波長分散を示す図である。 本開示の一実施形態にかかる光信号処理装置の概略構成を示す図である。 図3Aの光信号処理装置の変形形態の概略構成を示す図である。 本開示において単位ブロックと称する光信号処理装置における波長選択導波路の概略構成を示す図である。 本開示において光信号処理装置における波長選択導波路の幅を決定する方法を説明するための図である。 本開示において光信号処理装置における波長選択導波路の幅の分布を示すグラフである。 本開示の一実施形態にかかる光伝送システムの送信側の合波フィルタおよび受信側の分波フィルタにおいて付与する分散量を説明するための図である。 (a)は、一実施形態にかかる送信側のトランシーバにおける光信号処理装置の透過スペクトルおよび反射スペクトルを示す図であり、(b)は、送信側のトランシーバにおける光信号処理装置の透過スペクトルおよび反射スペクトルを示す図である。 (a)および(b)は、本開示の一実施形態にかかる光信号処理装置の概略構成を示す図である。
 以下、図面を参照して、本開示の光信号処理装置の実施形態を説明する。同一または類似の符号は同一または類似の要素を示し、繰り返しの説明を省略する場合がある。以下の説明における数値は例示であり、要旨を逸脱しない限り他の数値で本開示の光信号処理装置を実施することができる。
 以下、受信側のトランシーバが、送信側のトランシーバが光ファイバを介して送信した波長多重(WDM)信号から波長λ0、λ1、λ2、およびλ3の4つの光信号を分離して受光するものとして、本開示の一実施形態を説明する。
(実施形態1)
 図3Aを参照して、本開示の一実施形態にかかる光信号処理装置を説明する。図3Aは、本開示の一実施形態にかかる光信号処理装置の概略構成を示す図である。本実施形態では、受信側のトランシーバにおける波長分波器(分波フィルタ)として動作する光信号処理装置について説明するが、光信号を以下の説明と逆向きに伝搬させることで送信側のトランシーバの波長合波器(合波フィルタ)として動作させることも可能である。
 図3Aに示す光信号処理装置は、4つの光信号処理装置300a、300b、300c、および300dを縦列に接続した構成を示すが、縦列に接続した構成ではなく単一の光信号処理装置で構成することもできる。
 光信号処理装置300aは、入力導波路301aと、光を複数のアーム導波路に分岐する第一の光分岐・合流導波路302と、複数のアーム導波路の各々に接続された複数の波長選択導波路303aおよび303bと、光を合流するように構成された第二の光分岐・合流導波路304とを備えている。また、光信号処理装置300aは、第一の光分岐・合流導波路302と接続された出力導波路301bと、第二の光分岐・合流導波路304と接続された出力導波路305aおよび305bとを備えている。波長選択導波路303の構成については、後述する。
 光信号処理装置300aは、波長多重(WDM)信号を入力する入力導波路301aを備える。
 第一の光分岐・合流導波路302は、入力導波路301aからのWDM信号を複数のアーム導波路に分岐するように構成されている。また、第一の光分岐・合流導波路302は、複数のアーム導波路からの光を合流して出力導波路301bへ結合するように構成されている。本実施形態では、アーム導波路の2つの場合を説明するが、アーム導波路の数は3つ以上とすることができる。
 2つの波長選択導波路303aおよび303bの各々は、分岐されたWDM信号のうちから光信号を選択するように構成されている。波長選択導波路303a及び303bは、WDM波長のうち特定の一波長λ0を選択的に反射し、WDM信号の残り(波長λ1、λ2、およびλ3)を透過する。波長選択導波路303aおよび303bの構成の詳細は、後述する。
 第二の光分岐・合流導波路304は、波長選択導波路303aおよび303bからの光を合流して出力導波路305aおよび305bへ結合するように構成されている。また、第二の光分岐・合流導波路304は、出力導波路305aおよび305bからの光を分岐して波長選択導波路303aおよび303bへ結合するように構成されている。
 第一の光分岐・合流導波路302および第二の光分岐・合流導波路304は、例えば、分岐比が50%の、2つの入力ポートおよび2つの出力ポートを有する光導波路基板上に形成された2×2方向性結合器、2×2多モード干渉(MMI)カプラ、または2×2交差導波路とすることができる。第一の光分岐・合流導波路302と第二の光分岐・合流導波路304とを接続する2本のアーム導波路は、等しい長さを有している。これにより、マッハツェンダ干渉計型の導波路回路の一般的な特徴にしたがって、波長選択導波路303aおよび303bで反射された2つの波長λ0の光信号の位相状態は第一の光分岐・合流導波路302において出力導波路301bへ結合される状態となる。また、波長選択導波路303aおよび303bを透過した2つの波長λ1、λ2、およびλ3の光信号の位相状態は、第二の光分岐・合流導波路304において出力導波路305aへ結合される状態となる。ただし、光分岐・合流導波路の波長依存性や製造誤差に依存して、2のアーム導波路からの光が合流して入力導波路301aへ結合する場合がある。したがって、送信側のトランシーバに向かって伝搬することを防止するために、入力導波路301aにアイソレータ(不図示)を配置してもよい。なお、入力ポートの数および出力ポートの数は、2つに限定されず、3つ以上であってよい。例えば、第一の光分岐・合流導波路302を3×3方向性結合器を用いて構成し、3つの入力ポートのうちの1つから入力されたWDM信号を3つの出力ポートに接続された3つのアーム導波路に分岐し、3つの波長選択導波路で反射された3つの波長λ0の光信号を3つの入力ポートのうちの残りの入力ポートの1つまたは2つに結合することができる。
 図3Aにおいて、WDM in/WDM outと記載した入力導波路301aから入力されたWDM信号は、第一の光分岐・合流導波路302により2分岐されたのち、それぞれ波長選択導波路303aおよび303bへと伝搬する。波長選択導波路303a及び303bにおいて反射した波長λ0の光信号は、第一の光分岐・合流導波路302へと伝搬し、Lane#0と記載した出力導波路301bへと結合する。さらに、波長λ0の光信号は、出力導波路301bの先に配置されたPD(不図示)で受光される。一方、波長選択導波路303a及び303bを透過したWDM信号の残り(波長λ1、λ2、およびλ3)は第二の光分岐・合流導波路304へと伝搬し、出力導波路305bへと結合する。
 図3Aに示す光信号処理装置は、上述した光信号処理装置300aを単位ブロックとして、複数の単位ブロックを縦列に接続した構成を有する。すなわち、図3Aに示す光信号処理装置において、第一の単位ブロック300aの出力導波路305aが第二の単位ブロック300bの入力導波路301aに接続され、第二の単位ブロック300bの出力導波路305aが第三の単位ブロック300cの入力導波路301aに接続され、第三の単位ブロック300cの出力導波路305aが第四の単位ブロック300dの入力導波路301aに接続されている。ここで、単位ブロック300a~300dにおける波長選択導波路303aおよび303b、303cおよび303d、303dおよび303e、並びに303fおよび303gは、選択される波長が異なるように構成する。
 具体的には、波長選択導波路303cおよび303dが特定の一波長λ1を選択的に反射し、波長選択導波路303eおよび303fが特定の一波長λ2を選択的に反射し、波長選択導波路303gおよび303hがWDM波長のうち特定の一波長λ3を選択的に反射するように構成する。
 これにより、図3Aに示す光信号処理装置は、第一の入力ブロックの入力導波路301aから入力したWDM波長に含まれる異なる波長の光信号をそれぞれLane#0、1、2、および3に選択的に分離する合波フィルタとして機能するようになる。
 なお、上述したように、図3Aの光信号処理装置を送信側のトランシーバの合波フィルタとして動作させる場合は、波長λ0、λ1、λ2、およびλ3の光信号をLane#0、1、2、および3から入力し、WDM in/WDM outと記載した入力導波路301aから出力するようにすればよい。この場合は、波長選択導波路303aおよび303bの製造誤差により、入力した波長の光信号が完全に反射されずに、Monitore#0,1、2、および3と記載した出力導波路305に結合で、出力導波路305をモニターポートとして利用することができる。なお、4つのLaneに対応する4つの単位ブロックを縦列に接続した構成を説明したが、Laneおよび単位ブロックの数は、4以上であってもよい。
(変形形態)
 上述したように、マッハツェンダ干渉計型の導波路回路の構成を有する単位ブロック300では、入力導波路301aから入力された光信号は、アーム導波路を伝搬した後に合流して、入力導波路301aに対してクロスポート側の出力導波路305aへ伝搬する。
 一般に、マッハツェンダ干渉計型の導波路回路は、入力導波路301aに対して、バーポート側の出力導波路305bは損失が小さく、クロスポート側の出力導波路305aは損失が大きいという特徴を有する。マッハツェンダ干渉計を構成する分岐合流回路の分岐比または結合率が50%からずれた場合に、クロスポート側の出力導波路305aに損失が発生し、バーポート側の出力導波路305bでは消光比が劣化することが知られている。
 したがって、図3Aの光信号処理装置の構成では、光信号処理装置300aの入力導波路301aから入力されたWDM信号のうち波長λ3の光信号は、Lane#3の記載された出力導波路301bから出力されるまでにクロスポートを3回通過することになり損失が増大する。
 図3Bを参照して、本開示の一実施形態にかかる光信号処理装置の変形形態を説明する。図3Bに示す光信号処理装置は、この損失が増大する問題を解決する構成である。
 図3Bに示す光信号処理装置は、単位ブロック300a~300dの各々において、第一の光分岐・合流導波路302と第二の光分岐・合流導波路304とを接続する2つのアーム導波路の一方が、波長選択導波路303aまたは303bと第二の光分岐・合流導波路304との間に、伝搬する光の光路長を調整する光路長調整導波路306を備えている点で、図3Aに示す光信号処理装置と異なる。また、図3Bに示す光信号処理装置は、第二の単位ブロック300bの出力導波路305bが第三の単位ブロック300cの出力導波路301bに接続されている点で図3Aに示す光信号処理装置と異なる。さらに、第一の単位ブロック300aの出力導波路301bからWDM信号が入力され、第一の単位ブロック300aの入力導波路301a(Lane#0)からλ0の光信号が出力され、第三の単位ブロック300cの入力導波路301a(Lane#2)からλ2の光信号が出力され、第二の単位ブロック300bおよび第四の単位ブロック300dの出力導波路305aがそれぞれLane#2および#3のモニターポートとして利用できる点で図3Aに示す光信号処理装置と異なる。
 図3Bにおいて、第一の光分岐・合流導波路302と波長選択導波路303a及び303bとの間のアームの長さは同一に設定されるため反射されたλ0の光信号はLane#0に出力される。一方で、波長選択導波路303a及び303bを透過した残りのWDM信号(λ1、λ2、およびλ3)はマッハツェンダ干渉計のバーポート(出力導波路305a)に出力されるように、光路長調整導波路306を2つアーム導波路の一方に設置している。第二、第三、第四の単位ブロック300b、300c、および300dについても同様に光路長調整導波路を設置している。これにより、各信号λ1~λ4の光信号が図3Bの左側のLane#0~#3出力されるまでに、単位ブロックのクロスポートに対して出力させるのは一度のみとなる。すなわち、図3Bの構成によれば、損失の小さな光信号処理装置を構成することが可能となる。
(実施形態2)
 図4を参照して、本開示の一実施形態にかかる光信号処理装置を説明する。図4は、図3Aおよび図3Bの単位ブロックと称した光信号処理装置300における波長選択導波路303の概略構成を示す図である。上述した説明と重複する説明は省略する。
 図4において波長選択導波路303は、幅が光の伝搬方向に複数の周期で変化する導波路であり、Bragg格子を構成する。図4に示すように、波長選択導波路303は、(K-1)個(Kは1以上の整数)の領域sgを有する。各領域sgi(i=0~K-1)において、周期Λi(i=1~K-1)の周期で幅がWnとWwで交互に入れ替わる導波路がBragg格子を構成している。領域sgiにおける周期Λiは、徐々に変化し、光の伝搬方向にしたがって徐々に長くなる。すなわち、全体としてチャープトBragg格子(CGB)の構成を有する。
 図4において左側から入力されたWDM信号(波長λ0、λ1、・・・、およびλK)は領域sg0において、neffをBragg格子の透過屈折率として、そのBragg波長λ0=2neff×Λで表される波長の光信号のみが反射され、それ以外の波長は透過する。続いて、領域sg0を透過したWDM信号の残り(波長λ1、λ2、・・・、およびλ(K-1))は、領域sg2において、λ1=2neff×Λで表される波長の光信号のみが反射され、それ以外の波長が透過する。同様に、領域sg(K-2)を透過したWDM信号の残り(波長λ(K-1))は、領域sg(K-1)において、λ(K-1)=2neff×Λ(K-1)で表される波長の光信号のみが反射され、それ以外の波長が透過する。このように異なる周期のBragg格子を接続し、その格子周期Λiを連続的に変化させることで、WDM波長信号のうちの特定の波長の光信号を選択的に、矩形に反射できる。
 さらに、各領域sg(i=0~K-1)において光信号が反射される光の伝搬方向の位置は、波長λに応じて異なる。したがって、異なる位置で反射される光信号間に、時間的に遅延が発生する。すなわち、反射される光信号の位相は波長によって変化するため、波長選択導波路303は、反射される光信号に群遅延を付与することができる。群遅延量は、領域sg0から領域sg(K-1)までの距離を変更することで変化させることができる。
 周期Λ0~Λ(K-0)までの変化は線形である必要がなく、任意の分布を付与することが可能であるため、任意のスペクトル形状の群遅延を与えることができる。
 光ファイバによるBragg格子がUV光の照射とその干渉を使って製造するため、長手方向の周期の変更が困難であることに対して、本開示の波長選択導波路303は、フォトリソグラフィによりその周期Λを設定するため、群遅延スペクトルの設定自由度が高いという利点を有する。ここでは、各領域sg0~sg(K-1)には複数の周期構造が含まれるように記載したが、周期構造は一つでも構わない。また、波長選択導波路303の細い部分の幅Wnおよび太い部分の幅Wwが徐々に変化するように設定しても構わない。
(実施形態3)
 図5および6を参照して、本開示の一実施形態にかかる光信号処理装置300における波長選択導波路303の概略構成を説明する。図5は、導波路幅の決定方法を説明するための図である。図6はBragg格子全体における幅の分布を示すグラフである。
 一般に、Bragg格子は格子の空間的な分布のフーリエ変換のスペクトル特性を有する。したがって、図4に示す波長選択導波路303の幅WnとWwを単純に互に入れ替えたBragg格子には、分波スペクトルにサイドローブを生じるという課題が存在する。
 この解決にはアポダイゼーションが効果的である。光ファイバBragg格子では照射するUV光の分布により自動的にアポダイゼーションが行われるのに対して、導波路によるBragg格子では導波路の幅を制御することによりアポダイゼーションを行う必要がある。
 さらに、Bragg格子の透過屈折率neffは、長手方向に一定である必要がある。
 図5は、石英系光導波路における導波路の幅wと透過屈折率neffとの関係を示す図である。透過屈折率neffは、式2の近似式で表すことができる。nMax、nMin、およびwは、実験的もしくは数値計算で求めた定数である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000003
 図5において、導波路の比屈折率差は2%である。まず、中心となる平均透過屈折率ncを設定する。次に導波路幅を変調することで誘起する屈折率変動量δnを設定し、最大屈折率nh=nc+δnおよび最小屈折率nl=nc-δnを決定する。δnはBragg波長の帯域幅および反射率に影響し、大きいほうが好ましい。最後に、図5から最大屈折率nhおよび最小屈折率nlを与える導波路幅WnおよびWwを決定する。
 アポダイゼーションを設定するには、上記においてBragg格子を構成する全体領域の最初と最後の領域においてδnを徐々に大きくする。すなわち、最初の領域では端部から中央の領域に向かって屈折率変化が大きくなるようし、最後の領域では中央の領域から端部に向かって屈折率変化が小さくなるようにすること(アポダイゼーションを設定すること)によって、サイドローブを抑える。図6はBragg格子全体における幅の分布を示すグラフである。
(実施形態4)
 図7を参照して、本開示の一実施形態にかかる光伝送システムを説明する。本実施形態の光伝送システムは、上述した光信号処理装置を波長合波器として含む送信側のトランシーバ(Tx)と、光信号処理装置を波長分波器として含む受信側のトランシーバ(Rx)とを光ファイバで接続したシステムである。以下、各光信号処理装置におけるBragg格子の設計例を説明する。
 上述したチャープトBragg格子(CBG)では、波長分散の設定値がゼロの場合、Bragg格子全体の長さを十分な長さに設定することができないため、十分な反射率を得ることができない。これは例えば、ゼロ分散波長にグリッドが設定されるLane#0の場合に顕著に影響する。同様に送信側の合波フィルタまたは受信側の分波フィルタのいずれか一方で全分散を補償してしまう場合、受信側の分波フィルタまたは送信側の合波フィルタのいずれか他方で付与すべき分散値がゼロである必要があり、同様に十分な長さのBragg格子全長を確保することができず、十分なフィルタ反射率を得ることができない。
 したがって、本開示では光ファイバで発生する波長分散を補償するための所要分散量に加えて特定の分散量を付与することで上記問題を解決する。
 図7は、光ファイバで発生する波長分散を補償するために、送信側の合波フィルタおよび受信側の分波フィルタにおいて付与する分散量を説明するための図である。光ファイバにおいてWDM信号のレーンごとに発生する分散量、すなわち補償すべき所要分散量Df[ps/nm](図7ではDf<0)に対して、送信側で与える分散量DTx[ps/nm](図7ではDTx>0)、受信側で与える分散量DRx[pnm](図7ではDRx<0)を、DTx+Df+DRx=0を満たすように設定する。
 これにより、信側のトランシーバが波長合波器として有する光信号処理装置、およびを含む受信側のトランシーバが波長分波器として有する光信号処理装置の双方において、十分な長さのBragg格子全長を確保でき、十分なフィルタ反射率を得ることができるようになる。
 図8(a)および(b)はそれぞれ、本実施形態にかかる送信側のトランシーバおよび受信側のトランシーバにおける石英系光導波路による光信号処理装置のBragg格子の透過スペクトルおよび反射スペクトルである。図8(a)および(b)に示すグラフには、反射光の光信号強度のスペクトル(実線)および透過光の光強度スペクトル(破線)とともに群遅延(一点鎖線)を表記している。
 図8(a)および(b)では、イーサネットで用いられる4波長の波長多重を想定したLAN-WDM波長(800GHz間隔)のフィルタリングであり、図7を参照して上述した分散を付与する方法を考慮したグラフとなっている。
 なお、Bragg格子のパラメータは、図2考慮し、10km伝送を想定して以下の表1に示す値を用いた。
 図8(a)および(b)に示したように、各レーンに対して良好な透過特性および分散特性が得られることがわかる。
(実施形態5)
 図9を参照して、本開示の一実施形態にかかる光信号処理装置を説明する。図9(a)および(b)それぞれは、本開示の一実施形態にかかる光信号処理装置の概略構成を示す図である。図9(a)および(b)の光信号処理装置は、縦列接続された第一の単位ブロック300a、第二の単位ブロック300b、第三の単位ブロック300cおよび第四の単位ブロック300dのレイアウトが図3Aおよび3Bの光信号処理装置と異なる。
 図9(a)に光信号処理装置は、隣接する単位ブロックにおける光の伝搬方向が180度変わるように、第一の単位ブロック300a、第二の単位ブロック300b、第三の単位ブロック300cおよび第四の単位ブロック300dを配置した構成である。このように、単位ブロックを折り返して(向きを180度変えて)配置すると光信号処理装置全体のチップのフットプリントが削減できる。
 図9(b)に示す光信号処理装置は、光の伝搬方向が180度より多く反転するように、第一の単位ブロック300a、第二の単位ブロック300b、第三の単位ブロック300cおよび第四の単位ブロック300dを配置した構成である。このよう単位ブロックの向きを180度よりも多く変えて折り返して配置することで光信号処理装置全体のチップのさらなる小型化が可能である。
 すなわち、図9(a)のように180度の折り返しで配置する場合、導波路の最小曲げ半径をRとして図9(a)の縦方向のサイズは6R+Sである。ただし、Sはマッハツェンダ干渉計の二つのアーム間の分離幅である。一方、図9(b)の縦方向のサイズは4R+2S程度のサイズである。一般的にSは隣接する導波路が結合しない程度に小さくできるのに対して、Rは損失が発生しない程度に大きくする必要がある。一例をあげると、1.5%の比屈折率差を有する石英系光導波路の場合R=2mm程度である。一方で、Sは光ファイバの外形程度に設定されるため、S=0.125μmである。したがって縦方向のサイズは、図9(a)の構成の場合、12.125mmであるのに対して、図9(b)の構成の場合、8.25mmとなり、図9(a)に比べて小型化可能である。
 本開示の光信号処理装置によれば、波長分割多重通信における波長分散の影響を低減することが可能となる。
300 光信号処理装置
301a 入力導波路
301b 出力導波路
302 光分岐・合流導波路
303a、303b、303c、303d、303e、303f、303g、303h 波長選択導波路
304 光分岐・合流導波路
305a,305b 出力導波路
306 光路長調整導波路

Claims (6)

  1.  波長多重信号を入力する入力導波路と、
     前記入力導波路からの前記波長多重信号を複数のアーム導波路に分岐するように構成された光分岐導波路と、
     前記複数のアーム導波路の各々に接続された複数の波長選択導波路であって、各々が前記分岐された波長多重信号のうちから光信号を選択するように構成されている、複数の波長選択導波路と、
     前記複数のアーム導波路からの光を合流するように構成された光合流導波路と
    を備えている、光信号処理装置。
  2.  前記複数のアーム導波路の少なくとも1つが光路長調整導波路を備えている、請求項1に記載の光信号処理装置。
  3.  前記複数の波長選択導波路の各々は、前記分岐された波長多重信号から選択した光信号を反射し、前記分岐された波長多重信号の残りを透過するように構成されており、
     前記複数のアーム導波路からの光を合流するように構成された前記光合流導波路は、
      前記複数のアーム導波路からの前記反射された光信号同士を合流し、
      前記複数のアーム導波路からの前記透過した波長多重信号の残り同士を合流する
    ように構成されており、
     前記光信号処理装置は、
     前記合流された波長多重信号の残りを第2の波長多重信号として入力する第2の入力導波路と、
     前記第2の入力導波路からの前記第2の波長多重信号を複数の第2のアーム導波路に分岐するように構成された第2の光分岐導波路と、
     前記複数の第2のアーム導波路の各々に接続された複数の第2の波長選択導波路であって、各々が前記分岐された第2の波長多重信号のうちから光信号を選択するように構成されている、複数の第2の波長選択導波路と、
     前記複数の第2のアーム導波路からの光を合流するように構成された第2の光合流導波路と
    をさらに備えている、請求項1に記載の光信号処理装置。
  4.  前記複数の第2の波長選択導波路の各々は、前記分岐された第2の波長多重信号から選択した光信号を反射し、前記分岐された第2の波長多重信号の残りを透過するように構成されており、
     前記複数の第2のアーム導波路からの光を合流するように構成された前記第2の光合流導波路は、
      前記複数の第2のアーム導波路からの前記反射された光信号同士を合流し、
      前記複数の第2のアーム導波路からの前記透過した波長多重信号の残り同士を合流する
    ように構成されており、
     前記光信号処理装置は、
     前記第2の光合流導波路により合流された光を第3の波長多重信号として入力する第3の入力導波路と、
     前記第3の入力導波路からの前記第3の波長多重信号を複数の第3のアーム導波路に分岐するように構成された第3の光分岐導波路と、
     前記複数の第3のアーム導波路の各々に接続された複数の第3の波長選択導波路であって、各々が前記分岐された第3の波長多重信号のうちから光信号を選択するように構成されている、複数の第3の波長選択導波路と、
     前記複数の第3のアーム導波路からの光を合流するように構成された第3の光合流導波路と
    をさらに備えている、請求項3に記載の光信号処理装置。
  5.  前記波長選択導波路は、光の伝搬方向に1つまたは複数の領域を有し、
     前記波長選択導波路は、幅が周期的に変化する導波路であり、
     前記1つまたは複数の領域における前記幅が変化する周期が異なり、
     前記複数の領域の各々において、始端および終端における前記幅の変化量が前記始端および終端以外における前記幅の変化量に比較して小さい、請求項1に記載の光信号処理装置。
  6.  光ファイバで接続された送信側トランスポンダおよび受信側トランスポンダを備えた光信号伝送システムであって、
     前記送信側トランスポンダおよび前記受信側トランスポンダはそれぞれ、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光信号処理装置を備え、
     前記送信側トランスポンダが有する前記波長選択導波路は、有限の分散量DTxが設定されており、
     前記受信側トランスポンダが有する前記波長選択導波路は、有限の分散量DRxが設定されており、
     前記光ファイバで付与される分散量がDfであることを条件に、
    DTx+DRx=Df
    を満たしている、光信号伝送システム。
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