WO2023181954A1 - 発電システムとそれを用いた電気駆動システム - Google Patents

発電システムとそれを用いた電気駆動システム Download PDF

Info

Publication number
WO2023181954A1
WO2023181954A1 PCT/JP2023/008936 JP2023008936W WO2023181954A1 WO 2023181954 A1 WO2023181954 A1 WO 2023181954A1 JP 2023008936 W JP2023008936 W JP 2023008936W WO 2023181954 A1 WO2023181954 A1 WO 2023181954A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
voltage
winding
command value
auxiliary
state quantity
Prior art date
Application number
PCT/JP2023/008936
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
興祐 松尾
和雄 西濱
悟 金子
正利 吉村
誠司 石田
聡彦 渡邉
▲徳▼磨 池上
Original Assignee
日立建機株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日立建機株式会社 filed Critical 日立建機株式会社
Publication of WO2023181954A1 publication Critical patent/WO2023181954A1/ja

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P9/00Arrangements for controlling electric generators for the purpose of obtaining a desired output

Definitions

  • the voltage command calculation unit 21 calculates the interference component occurring between the d and q axes and the induced voltage ⁇ r* ⁇ * into the proportional integral value of the difference between the q-axis auxiliary winding current command value Iaq* and the q-axis auxiliary winding current Iaq. ⁇ 2d and output as the q-axis auxiliary winding voltage command value Vaq*.
  • the interference component occurring between the d and q axes here is the integral value of the difference between the q-axis auxiliary winding current command value Iaq* and the q-axis auxiliary winding current Iaq using the auxiliary current control integral gain Kac_i, It is obtained by multiplying ⁇ 1*L ⁇ m/R ⁇ a.
  • Kac_p in the figure is an auxiliary machine side current control proportional gain
  • Kac_i is an auxiliary machine side current control integral gain.
  • FIG. 6 is a block diagram showing the processing of the frequency command calculation section 20.
  • the frequency command calculation unit 20 adds the frequency command value ⁇ 1* calculated by the slip frequency command calculation unit 20a to the frequency ⁇ r acquired from the rotation sensor 14, and outputs the result as a frequency command value ⁇ 1*.
  • the auxiliary machine side DC voltage VaDC can be adjusted. Fluctuations can be suppressed.
  • a generator 2 has a stator including a main winding and an auxiliary winding, and is connected to the main winding and converts the AC voltage generated by the main winding into a first DC voltage VmDC.
  • a power converter 7 connected to the rectifier 3 and the auxiliary winding, controls the voltages of the main winding and the auxiliary winding, and converts the AC voltage generated by the auxiliary winding into a second DC voltage VaDC. and a control device 11 that controls the power converter 7 according to the command value VmDC* of the first DC voltage and the command value VaDC* of the second DC voltage.
  • the electric drive system in this embodiment includes a power generation system 40, a running motor 5, and a load connected to the rectifier 3, which converts the first DC voltage VmDC into an AC voltage and supplies it to the running motor 5.
  • a running inverter 4 is provided.
  • the electric drive system in this embodiment includes an operating device 53 that instructs the required torque of the driving motor 5, and the control device 11 calculates the state quantity KR based on the operating amount Racc of the operating device 53.

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Control Of Eletrric Generators (AREA)

Abstract

本発明は、二巻線誘導発電機の主巻線から得られる直流電圧および補助巻線から得られる直流電圧の変動を1台の電力変換器で抑制することが可能な発電システムを提供することを目的とする。そのために、制御装置は、整流器または電力変換器に接続された負荷の要求電力の変動に応じて変化する状態量を算出し、前記状態量を基に、第1直流電圧の変動分を補償する第1電圧補正値、および第2直流電圧の変動分を補償する第2電圧補正値を算出し、前記第1直流電圧の指令値に前記第1電圧補正値を加算し、前記第2直流電圧の指令値に前記第2電圧補正値を加算する。

Description

発電システムとそれを用いた電気駆動システム
 本発明は、二巻線誘導発電機を備えた発電システムとそれを用いた電気駆動システムに関する。
 複数の巻線で回転機を制御するシステムが知られている。例えば、特許文献1では、複数組の巻線群を有する多重巻線電動機の各巻線群毎に、巻線群を駆動する電力変換器を備えた多重巻線電動機の駆動制御装置において、各巻線群のうちの第一巻線群を駆動する第一電力変換器を制御する第一制御部の信号を用いて、第一電力変換器以外の他の電力変換器を制御する他の制御部の信号を補償する補償量を求める補償量演算部を備え、他の制御部が、制御におけるむだ時間を有する制御系であって、補償量演算部により求めた補償量により他の制御部の信号を補償して他の電力変換器を制御し、第一制御部の信号は補償せずに第一電力変換器を制御することにより、片方向通信の制御構成においても巻線群間の干渉を抑制でき制御系を安定化できる、単純な構成の多重巻線電動機の駆動制御装置を提供している。
 また、特許文献2では、電気的仕様が互いに同等である複数の巻線群を有する多重巻線回転機と、複数の巻線群毎に設けられる複数の電力変換器と、電流検出器とを備える多重巻線回転機システムに適用される制御装置において、非干渉化部は、磁気結合による干渉電圧を補償する非干渉制御演算を行い、非干渉化部は、自系統の注目軸の制御器後指令電流に係る逆モデル項に、他系統の注目軸の制御器後指令電流に係る相互インダクタンス及び電流微分値を含む非干渉制御項を「統合」し、自系統の相手軸の制御器後指令電流に係る角速度及び自己インダクタンスを含む非干渉制御項と、他系統の相手軸の制御器後指令電流に係る角速度及び相互インダクタンスを含む非干渉制御項とを「統合」することにより、非干渉化部の制御構成を簡素化し、演算負荷を低減する多重巻線回転機の制御装置を提供している。
特開2016-101090号公報 特開2016-149904号公報
 主巻線と補助巻線を有する固定子を備えた誘導発電機(二巻線誘導発電機)では、主巻線と補助巻線とが磁気的に結合しているため、主巻線側に接続されている負荷の要求電力がオペレータ操作等に応じて変動した場合、主巻線から得られる直流電圧が変動し、それに伴って補助巻線から得られる直流電圧も変動する。
 特許文献1の多重巻線電動機の駆動制御装置では、多重巻線電動機の各巻線毎に電力変換器を設けており、第一電力変換器の指令値を用いて、第一電力変換器以外の電力変換器を制御する他の制御部の信号を補償することで、巻線間の干渉を抑制している。しかし、外乱発生時に各巻線に生じる電圧変動を抑制する手段については記載されていない。そして、各巻線毎に電力変換器を設ける構成であるため、その台数分のスペースを確保する必要がある。
 また、特許文献2の多重巻線回転機システムも、多重巻線回転機の各巻線毎に電力変換器を設ける構成であるため、特許文献1と同様、電力変換器の台数分のスペースを確保する必要がある。そして、外乱発生時に各巻線に生じる電圧変動を抑制する手段についても記載されていない。さらに、特許文献2に開示されている、非干渉化部の制御構成を簡素化する技術は、各巻線の電気的仕様が互いに同等であることを前提としているため、各巻線の電気的仕様が互いに異なる多重巻線回転機には適用できない。
 本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、二巻線誘導発電機の主巻線から得られる直流電圧および補助巻線から得られる直流電圧の変動を1台の電力変換器で抑制することが可能な発電システムとそれを用いた電気駆動システムを提供することにある。
 上記目的を達成するために、本発明は、主巻線と補助巻線とを含む固定子を有する発電機と、前記主巻線に接続され、前記主巻線で発電した交流電圧を第1直流電圧に変換する整流器と、前記補助巻線に接続され、前記主巻線および前記補助巻線の電圧を制御するとともに、前記補助巻線で発電した交流電圧を第2直流電圧に変換する電力変換器と、前記第1直流電圧の指令値および前記第2直流電圧の指令値に応じて前記電力変換器を制御する制御装置とを備えた発電システムにおいて、前記制御装置は、前記整流器または前記電力変換器に接続された負荷の要求電力の変動に応じて変化する状態量を算出し、前記状態量を基に、前記第1直流電圧の変動分を補償する第1電圧補正値、および前記第2直流電圧の変動分を補償する第2電圧補正値を算出し、前記第1直流電圧の指令値に前記第1電圧補正値を加算し、前記第2直流電圧の指令値に前記第2電圧補正値を加算するものとする。
 以上のように構成した本発明によれば、主巻線および補助巻線の電圧を制御する電力変換器が、負荷の要求電力の変動に応じて、主巻線から得られる直流電圧(第1直流電圧)および補助巻線から得られる直流電圧(第2直流電圧)の変動分を補償する。これにより、主巻線から得られる直流電圧および補助巻線から得られる直流電圧の変動を1台の電力変換器で抑制することが可能となる。
 本発明によれば、二巻線誘導発電機を備えた発電システム、または当該発電システムを用いた電気駆動システムにおいて、主巻線から得られる直流電圧および補助巻線から得られる直流電圧の変動を1台の電力変換器で抑制することが可能となる。
本発明の第1の実施例におけるダンプトラックの構成を示す図である。 本発明の第1の実施例における電気駆動システムの構成を示す図である。 本発明の第1の実施例における二巻線誘導発電機の構造を示す側面図および部分断面拡大図である。 本発明の第1の実施例における制御装置の機能ブロック図である。 本発明の第1の実施例における電流指令演算部および電圧指令演算部の処理を示すブロック図である。 本発明の第1の実施例における周波数指令演算部の処理を示すブロック図である。 本発明の第1の実施例における電圧指令補償部の処理を示すブロック図である。 本発明の第1の実施例における電圧指令補償部の処理の変形例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施例における直流電圧指令補正部の処理を示すブロック図である。 本発明の第1の実施例における状態量と直流電圧指令補正値との関係を示す図である。 本発明の第1の実施例における発電システムの各パラメータの時系列変化を示す図である。 本発明の第1の実施例において主機側負荷に外乱が生じた場合の二巻線誘導発電機の主巻線電流及び補助巻線電流の波形を示す図である。 本発明の第2の実施例における電気駆動システムの構成を示す図である。 本発明の第2の実施例における直流電圧指令補正部の処理を示すブロック図である。 本発明の第3の実施例における直流電圧指令補正部の処理を示すブロック図である。
 以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、各図中、同等の要素には同一の符号を付し、重複した説明は適宜省略する。また、本実施形態は、本発明に係る発電システムをダンプトラックの電気駆動システムに適用したものであるが、本発明の適用対象はこれに限定されない。
 図1は、本発明の第1の実施例におけるダンプトラックの構成を示す。図1において、ダンプトラックは、車体30と、原動機1と、車体30の上側後方に上下方向に回転可能に取り付けられた荷台31と、車体30の上側前方に設けられた運転席32とを備えている。また、車体30の下方前側には左右一対の従動輪33が配置されており、車体30の下方後側には左右一対の駆動輪34が配置されている。駆動輪34は、走行用モータ5によって駆動される。鉱山向けダンプトラックは、積み込み場で土砂を積載し、積み込み場から放土場まで走行し、放土場で放土し、放土場から積み込み場まで走行するという一連の作業サイクルを繰り返し行う。
 図2は、図1に示すダンプトラックに搭載された電気駆動システムの構成図である。図2において、電気駆動システムは、原動機1と、主巻線と補助巻線を有する固定子を備えた二巻線誘導発電機2と、整流器3と、走行用インバータ4と、走行用モータ5と、回生放電抵抗器6と、電力変換器7と、補機用インバータ8と、補機用モータ9と、始動用バッテリ10と、制御装置11と、第1電圧センサ12と、第1電流センサ13と、第1回転センサ14と、第2電圧センサ15と、第2電流センサ16と、第3電圧センサ17と、第2回転センサ50と、トルクセンサ51とを備えている。ここで、原動機1、二巻線誘導発電機2、整流器3、電力変換器7、制御装置11、第1電圧センサ12、第1電流センサ13、第1回転センサ14、第2電圧センサ15、第2電流センサ16、および第3電圧センサ17は、本実施例における発電システム40を構成している。
 原動機1は二巻線誘導発電機2の回転子を回転させる。二巻線誘導発電機2の主巻線は、整流器3を介して走行用インバータ4に接続されている。走行用インバータ4は走行用モータ5に接続されている。回生放電抵抗器6は走行用モータ5が発電しているときには整流器3と走行用インバータ4に接続されている。二巻線誘導発電機2の補助巻線は、電力変換器7を介して補機用インバータ8に接続されている。補機用インバータ8は補機用モータ9に接続されている。始動用バッテリ10は二巻線誘導発電機2が始動しているときに電力変換器7と補機用インバータ8に接続される。
 ここで、走行用モータ5の出力は補機用モータ9の出力よりも大きく、走行用インバータ4の要求電力は補機用インバータ8の要求電力よりも大きい。そのため、整流器よりも高価な電力変換器を走行用インバータ4ではなく要求電力の小さい補機用インバータ8に接続することにより、電力変換器を小容量化され、電気駆動システムのコストが低減される。
 図3は、本実施例における二巻線誘導発電機2の構造を示す側面図および部分断面拡大図である。二巻線誘導発電機2は固定子210と回転子220を備え、固定子210は、固定子鉄心211で形成された固定子スロット212に一次巻線213が設置され、一次巻線213は、主巻線2131と補助巻線2132を有している。一次巻線213は、楔214によって固定子スロット212に保持されている。回転子220は、回転子鉄心221で形成された回転子スロット222に回転子バー2231が設置され、回転子バー2231はエンドリング2232で端部を短絡されている。二次導体223は、回転子バー2231とエンドリング2232を有する。ギャップ230は、固定子210と回転子220の間の空隙である。
 次に、図4を参照し、電力変換器7を制御する制御装置11の構成について説明する。図4において、制御装置11は、3相/2相変換部18a,18b,18c、電流指令演算部19、周波数指令演算部20、電圧指令演算部21、電圧指令補償部22、巻数比換算部23、直流電圧指令補正部24、2相/3相変換部25、および制御信号生成部26から構成される。制御装置11は、演算処理機能を有するコントローラ、外部機器との間の信号入出力を行う入出力インタフェース等で構成され、ROM等の記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより各部の機能を実現する。本実施例において、制御装置11は、主機側直流電圧VmDC及び補機側直流電圧VaDCが、それぞれ補正後の主機側直流電圧指令値VmDC**及び補正後の補機側直流電圧指令値VaDC**と一致するように、電力変換器7を介して主巻線及び補助巻線の電圧制御及び電流制御を行う。
 電圧制御は、電流指令演算部19にて、第1電圧センサ12、第3電圧センサ17から取得した値(主機側直流電圧VmDC、補機側直流電圧VaDC)を用いて、例えば比例積分演算を行い、補助巻線電流指令値Iad*,Iaq*を出力する。電流制御は、電圧指令演算部21にて、第1電流センサ13から取得した値(補助巻線の3相電流Iau,Iav,Iaw)を、3相/2相変換部18cでdq軸上に座標変換した値(d軸補助巻線電流Iad、q軸補助巻線電流Iaq)を用いて、例えば比例積分演算を行い、補助巻線電圧指令値Vad*,Vaq*を出力する。電圧指令演算部21にて、回転センサ14から取得した値ωrと、周波数指令値ω1*は、それぞれ二巻線誘導発電機2の回転子が回転することにより生じる誘起電圧と、dq軸間の干渉成分を補償するために用いている。
 図5は、電流指令演算部19および電圧指令演算部21の処理を示すブロック図である。電流指令演算部19は、補正後の主機側直流電圧指令値VmDC**と直流電圧VmDCとの差分を比例積分し、d軸補助巻線電流指令値Iad*として出力する。図中のKmv_pは主機側電圧制御比例ゲインであり、Kmv_iは主機側電圧制御積分ゲインである。
 また、電流指令演算部19は、補正後の補機側直流電圧指令値VaDC**と直流電圧VaDCとの差分を比例積分し、d軸補助巻線電流指令値Iad*として出力する。なお、図中のKav_pは補機側電圧制御比例ゲインであり、Kav_iは補機側電圧制御積分ゲインである。
 電圧指令演算部21は、d軸補助巻線電流指令値Iad*とd軸補助巻線電流Iadとの差分の比例積分値から、dq軸間に生じる干渉成分を減算し、d軸補助巻線電圧指令値Vad*として出力する。ここでいうdq軸間に生じる干渉成分は、d軸補助巻線電流指令値Iad*とd軸補助巻線電流Iadとの差分の積分値にω1*Lσm/Rσaを乗算することで得られる。なお、図中のKmc_pは主機側電流制御比例ゲインであり、Kmc_iは主機側電流制御積分ゲインである。
 また、電圧指令演算部21は、q軸補助巻線電流指令値Iaq*とq軸補助巻線電流Iaqとの差分の比例積分値に、dq軸間に生じる干渉成分と誘起電圧ωr*μ*φ2dとを加算し、q軸補助巻線電圧指令値Vaq*として出力する。ここでいうdq軸間に生じる干渉成分は、補機側電流制御積分ゲインKac_iを用いた、q軸補助巻線電流指令値Iaq*とq軸補助巻線電流Iaqとの差分の積分値に、ω1*Lσm/Rσaを乗算することで得られる。なお、図中のKac_pは、補機側電流制御比例ゲインであり、Kac_iは補機側電流制御積分ゲインである。
 図6は、周波数指令演算部20の処理を示すブロック図である。周波数指令演算部20は、回転センサ14から取得した周波数ωrにすべり周波数指令演算部20aで算出した周波数指令値ω1*を加算し、周波数指令値ω1*として出力する。
 次に、電圧指令補償部22の役割について説明する。二巻線誘導発電機2は、主巻線と補助巻線が磁気的に結合していることにより、巻線間で干渉成分が生じる。この現象は、数1式に示す二巻線誘導発電機2の補助巻線部における微分方程式を用いて説明できる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
数1式における記号は以下の通りである。
 Rσm:dq軸モデルにおける補助巻線に係る主巻線抵抗
 Rσa:dq軸モデルにおける補助巻線に係る補助巻線抵抗
 Lσm:dq軸モデルにおける補助巻線に係る主巻線自己インダクタンス
 Lσa:dq軸モデルにおける補助巻線に係る補助巻線自己インダクタンス
 μ:補助巻線に係る一次換算係数
 τ2:二次時定数(=二次インダクタンス/二次抵抗)
 p:微分演算子
 Imd,Imq:d軸主巻線電流、q軸主巻線電流
 Vmd,Vmq:d軸主巻線電圧、q軸主巻線電圧
 Vad,Vaq:d軸補助巻線電圧、q軸補助巻線電圧
 φ2d,φ2q:d軸二次磁束、q軸二次磁束
 ω1:一次周波数
数1式を整理すると、数2式が得られる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
 数2式より、補助巻線電圧について、dq軸上の主巻線電流Imd,Imq及び主巻線電圧Vmd,Vmqが含まれていることが分かる。この主巻線電流及び主巻線電圧に係る項が、補助巻線に対する主巻線の干渉成分であり、二巻線誘導発電機2を制御する上で不安定化の原因となる。従って、この干渉成分を制御装置11で補償することで、主巻線及び補助巻線間に磁気的な結合がある場合でも、二巻線誘導発電機2を安定して制御することができる。具体的には、電圧指令演算部21で算出した補助巻線電圧指令値Vad*,Vaq*に対して、電圧指令補償部22で算出した電圧補償量ΔVad*,ΔVaq*をそれぞれ加算し、補償後の補助巻線電圧指令Vad**,Vaq**として巻数比換算部23への入力とする。
 巻数比換算部23は、補償後の補助巻線電圧指令Vad**,Vaq**に対して、dq軸モデルにおける補助巻線に係る主巻線自己インダクタンスLσmとdq軸モデルにおける補助巻線に係る補助巻線自己インダクタンスLσaとの比を、それぞれ乗じる。巻数比換算部23で巻数比換算後の補助巻線電圧指令Vad***、Vaq***を2相から3相に変換する2相/3相変換部25に入力し、変換された3相の電圧指令値Vau*,Vav*,Vaw*を制御信号生成部26の入力とする。ここで、3相/2相変換部18a,18b,18c、および2相/3相変換部25において、座標変換に用いる位相は、例えば、周波数指令値ω1*を積分することで得られる値を用いる。制御信号生成部26では、例えば、3相の電圧指令値Vau*,Vav*,Vaw*から算出されるデューティー信号と搬送波との比較に基づき、電力変換器7に送信する制御信号を生成する。
 図7は、電圧指令補償部22の処理を示すブロック図である。第2電圧センサ15、第2電流センサ16から取得した値(主巻線の3相電流Imu,Imv,Imw、主巻線の3相電圧Vmu,Vmv,Vmw)をそれぞれ3相/2相変換部18a,18bで座標変換し、その座標変換した値(Imd,Imq,Vmd,Vmq)を電圧指令補償部22の入力とする。d軸電圧補償量ΔVad*は、d軸主巻線電圧Vmdと、d軸主巻線電流Imdと補助巻線に係る主巻線抵抗Rσmの乗算値との差分であり、q軸電圧補償量ΔVaq*は、q軸主巻線電圧Vmqと、q軸主巻線電流Imqと補助巻線に係る主巻線抵抗Rσmの乗算値との差分である。このように電圧センサ15,16から取得した値を直接使用することで、演算遅れなく補償電圧量ΔVad*,ΔVaq*を算出することができる。
 図8は、図7で示した処理の変形例として考え得る、第2電圧センサ15を使用しない場合の電圧指令補償部の処理を示すブロック図である。図8において、電圧指令補償部22には、第2電圧センサ15で検出した主巻線電圧Vmd,Vmqに代えて、電圧指令演算部21から出力される補助巻線の電圧指令値Vad*,Vaq*が入力される。電圧指令補償部22は、二巻線誘導発電機2の主巻線の電圧が補助巻線の電圧に概ね比例するという性質を利用し、補助巻線の電圧指令値Vad*,Vaq*に補正ゲインK(補助巻線電圧に対する主巻線電圧の比)を乗じて主巻線電圧Vmd,Vmqの推定値を算出する。このような構成でも、図7の構成と同等の効果を達成することができ、主巻線電圧Vmd,Vmqを検出する第2電圧センサ15が不要となるため、発電システム40の構成を簡素化することが可能となる。
 次に、直流電圧指令補正部24について説明する。主機側の要求電力が急激に増加した場合、主機側直流電圧VmDCは低下し、電流指令演算部19は、低下した主機側直流電圧VmDCを上昇させるためにd軸補助巻線電流指令値Iad*を上昇させる。これにより、補助巻線電流が上昇するため、補機側直流電圧VaDCは主機側直流電圧VmDCとは逆に上昇してしまう。この主機側直流電圧VmDCと補機側直流電圧VaDCに同時に生じる過渡的な変動を抑制するため、直流電圧指令補正部24で主機側直流電圧指令値VmDC*及び補機側直流電圧指令値VaDC*をそれぞれ補正する。
 図9は、直流電圧指令補正部24の処理を示すブロック図である。直流電圧指令補正部24は、状態量演算部24aの出力結果(状態量KR)に基づき、主機側直流電圧指令値VmDC*の補正値ΔVmDC*を主機側直流電圧指令補正部24bで算出し、補機側直流電圧指令値VaDC*の補正値ΔVaDC*を補機側直流電圧指令補正部24cで算出する。ここで、状態量KRとは、整流器3または電力変換器7に接続された負荷の要求電力の変動に応じて変化する値であり、本実施例では走行用インバータ4の要求電力に応じて変化する値とする。
 状態量演算部24aは、例えば、単位時間Δt当たりの、走行用モータ5の回転数ωmと走行用モータ5へのトルク指令値Tm*の積の変化量を状態量KRとして算出し(数3式)、主機側直流電圧指令補正部24bと補機側直流電圧指令補正部24cへの入力とする。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000003
 数3式による状態量KRの算出方法では、例えば、走行用モータ5のトルク指令値Tm*に対して、走行用モータ5の回転数ωmが急激に上昇することで状態量KRが上昇する。この状態量KRの上昇は、主機側の要求電力が急激に増加することを意味しており、主機側直流電圧VmDCの過渡的な電圧低下を予め検知することができる。逆に、状態量KRが負になる場合は要求電力が急激に減少することを意味しており、このときの主機側直流電圧VmDCは過渡的に上昇する。ここで、状態量KRの算出に走行用モータ5のトルク指令値Tm*を使用しているが、トルクセンサ51で検出したトルク検出値Tmを用いてもよい。
 主機側直流電圧指令補正部24bは、状態量演算部24aで算出した状態量KRに基づいて、図10(a)のマップ特性に従って主機側直流電圧指令値VmDC*の補正値ΔVmDC*を算出する。図10(a)は、状態量KRと主機側直流電圧指令値VmDC*の補正値ΔVmDC*との関係を示すマップの一例である。図10(a)のマップ特性では、その傾きが大きいほど、状態量KRにおける主機側直流電圧指令値VmDC*の補正値ΔVmDC*が正方向に大きくなる。このマップ特性は、予め計算もしくは実験によって決定される。また、図10(a)では状態量KRが負の場合、主機側直流電圧指令値VmDC*の補正値ΔVmDC*は0になるようにしている。本実施例において状態量KRが負になる場合は、走行用モータ5が回生したときを想定している。走行用モータ5が回生したときは、回生放電抵抗器6がONになり、回生電力を吸収するため、主機側直流電圧VmDCの上昇は抑制される。従って、状態量KRが負の場合は主機側直流電圧指令値VmDC*の補正値ΔVmDC*は0とし、主機側直流電圧指令値VmDC*の補正を行わないものとする。ただし、本実施例で使用している回生放電抵抗器6を使用しない構成の場合は、図10(b)に示す、状態量KRが負のときも考慮したマップで主機側直流電圧指令値VmDC*の補正値ΔVmDC*を算出してもよい。主機側直流電圧指令補正部24bで算出した主機側直流電圧指令値VmDC*の補正値ΔVmDC*を、主機側直流電圧指令値VmDC*に加算することで、主機側直流電圧VmDCの変動を抑制できる。
 補機側直流電圧指令補正部24cは、状態量演算部24aで算出した状態量KRに基づいて、図10(c)のマップ特性に従って補機側直流電圧指令値VaDC*の補正値ΔVaDC*を算出する。図10(c)は、状態量KRと補機側直流電圧指令値VaDC*の補正値ΔVaDC*との関係を示すマップの一例である。図10(c)のマップ特性では、その傾きが大きいほど、状態量KRにおける補機側直流電圧指令値VaDC*の補正値ΔVaDC*が負方向に大きくなる。このマップ特性は、予め計算もしくは実験によって決定される。補機側直流電圧指令補正部24cで算出した補機側直流電圧指令値VaDC*の補正値ΔVaDC*を、補機側直流電圧指令値VaDC*に加算することで、補機側直流電圧VaDCの変動を抑制できる。
 以下、図11を参照して、本実施例における発電システム40の主な動作と作用効果について説明する。図11は、本実施例における発電システム40の各パラメータ(状態量KR、主機側直流電圧指令値VmDC*の補正値ΔVmDC*、補機側直流電圧指令値VaDC*の補正値ΔVaDC*、主機側直流電圧VmDC、補機側直流電圧VaDC)の時系列変化を示す図である。以下では、主機側の要求電力が変化した場合の動作の一例について説明する。また、本実施例の作用効果を明確にするため、主機側直流電圧指令補正部24bで算出した主機側直流電圧指令値VmDC*の補正値ΔVmDC*と補機側直流電圧指令補正部24cで算出した補機側直流電圧指令値VaDC*の補正値ΔVaDC*によって主機側直流電圧指令値VmDC*と補機側直流電圧指令値VaDC*を補正しない場合と比較して説明する。なお、本実施例における発電システム40と比較例における発電システムとでは、主機側の要求電力の変化量は同じであるものとする。
 図11において、本実施例の各パラメータの時系列変化は実線で示し、比較例の各パラメータの時系列変化は破線で示す。図11(a)~(e)の横軸は、時刻(経過時間)を示す。図11(a)の縦軸は状態量KRを示し、図11(b)の縦軸は主機側直流電圧指令値VmDC*の補正値ΔVmDC*を示し、図11(c)の縦軸は補機側直流電圧指令値VaDC*の補正値ΔVaDC*を示し、図11(d)の縦軸は第3電圧センサ17で検出された主機側直流電圧VmDCを示し、図11(e)の縦軸は第1電圧センサ12で検出された補機側直流電圧VaDCを示す。
 図11において、時刻t0は、状態量KRが変動し始めた時刻である。時刻t1は、状態量KRが要求量まで達して変動が停止した時刻である。
 図11(a)に示すように、本実施例の場合、時刻t0からのトルクTm*または回転数ωmの増加に伴い、状態量KRが正方向に増加する。
 図11(b)に示すように、本実施例の場合、時刻t0から状態量KRの増加に応じて主機側直流電圧指令値VmDC*の補正値ΔVmDC*が正方向に増加する。これにより、状態量KRが増加中は、主機側直流電圧指令値VmDC*を主機側直流電圧指令値VmDC*の補正値ΔVmDC*によって補正した主機側直流電圧指令値VmDC**が、電流指令演算部19の入力となる。
 図11(c)に示すように、本実施例の場合、時刻t0から状態量KRの増加に応じて補機側直流電圧指令値VaDC*の補正値ΔVaDC*が負方向に増加する。これにより、状態量KRが増加中は、補機側直流電圧指令値VaDC*を補機側直流電圧指令値VaDC*の補正値ΔVaDC*によって補正した補機側直流電圧指令値VaDC**が、電流指令演算部19の入力となる。
 図11(d)に示すように、比較例の場合、時刻t0で状態量KRが増加し始めた直後、主機側直流電圧VmDCが減少し始めているが、電流指令演算部19が主機側直流電圧指令値VmDC*に追従させようと動作するため、復帰している。
 これに対して、本実施例の場合、時刻t0から状態量KRの増加に応じた主機側直流電圧指令値VmDC*の補正値ΔVmDC*で主機側直流電圧指令値VmDC*を補正することで、状態量KRの変動直後の主機側直流電圧VmDCの減少量を低減している。
 図11(e)に示すように、比較例の場合、時刻t0で状態量KRが増加し始めた直後、補機側直流電圧VaDCが増加し始める。これは、低下した主機側直流電圧VmDCを増加させるために、電流指令演算部19がd軸補助巻線電流指令値Iad*を増加させ、それによって補助巻線電流が増加するためである。状態量KRの増加直後は、補機側直流電圧VaDCが増加しているが、電流指令演算部19が補機側直流電圧指令値VaDC*に追従させようと動作するため、比例積分系の応答で復帰している。
 これに対して、本実施例の場合、時刻t0から状態量KRの増加に応じた補機側直流電圧指令値VaDC*の補正値ΔVaDC*で補機側直流電圧指令値VaDC*を補正することで、状態量KRの変動直後の補機側直流電圧VaDC増加量を低減している。このように、状態量KRに基づいて算出した主機側直流電圧指令値VmDC*の補正値ΔVmDC*及び補機側直流電圧指令値VaDC*の補正値ΔVaDC*を、主機側直流電圧指令値VmDC*及び補機側直流電圧指令値VaDC*にそれぞれ加算することで、主機側の急激な要求電力の増加に伴う主機側直流電圧VmDC及び補機側直流電圧VaDCの過渡的な変動を抑制することができる。
 次に、本実施例の構成が発電システム40に正しく実装されているか否かを検証する方法について説明する。本実施例の構成はソフトウェア(制御装置11のプログラム)に実装される可能性が高いため、発電システム40の外観等に基づいて検証を行うことが困難であると予想される。そこで、発電システム40を動作させ、その挙動に基づいて検証を行う。
 検証を行う際は、例えば二巻線誘導発電機2(図2に示す)の主巻線側あるいは補助巻線側に電流センサを接続する。さらに、二巻線誘導発電機2の主機側に負荷を変動させるための外乱発生装置を接続し、外乱発生装置による外乱が生じたときの主巻線電流あるいは補助巻線電流を電流センサで測定する。ただしこのとき、主機側直流電圧指令値VmDC*、補機側直流電圧指令値VaDC*、補機側負荷は一定とし、主機側の外乱発生装置はステップ状に外乱を発生するものとする。
 図12は主機側に外乱が生じたときの主巻線の3相電流Imu,Imv,Imw及び補助巻線の3相電流Iau,Iav,Iawの波形である。図12中の(a)は比較例として、本実施例を適用していないときの結果であり、(b)は本実施例を適用したときの結果である。図12中の(b)より、本実施例を適用した場合は、外乱発生時において、主機側直流電圧指令値VmDC*の補正値ΔVmDC*と補機側直流電圧指令値VaDC*の補正値ΔVaDC*による過渡的な応答を確認することができる。逆に、本実施例を適用していない場合は、外乱発生時において、過渡的な応答は確認できない。このように、二巻線誘導発電機2における主巻線電流あるいは補助巻線電流を測定することで、本実施例の構成が実装されているか否かを検証できる。
 (まとめ)
 本実施例では、主巻線と補助巻線とを含む固定子を有する発電機2と、前記主巻線に接続され、前記主巻線で発電した交流電圧を第1直流電圧VmDCに変換する整流器3と、前記補助巻線に接続され、前記主巻線および前記補助巻線の電圧を制御するとともに、前記補助巻線で発電した交流電圧を第2直流電圧VaDCに変換する電力変換器7と、第1直流電圧の指令値VmDC*および第2直流電圧の指令値VaDC*に応じて電力変換器7を制御する制御装置11とを備えた発電システム40において、制御装置11は、整流器3または電力変換器7に接続された負荷4の要求電力の変動に応じて変化する状態量KRを算出し、状態量KRを基に、第1直流電圧VmDCの変動分を補償する第1電圧補正値ΔVmDC*、および第2直流電圧VaDCの変動分を補償する第2電圧補正値ΔVaDC*を算出し、第1直流電圧VmDCの指令値VmDC*に第1電圧補正値ΔVmDC*を加算し、第2直流電圧VaDCの指令値VaDC*に第2電圧補正値ΔVaDC*を加算する。
 以上のように構成した本実施例によれば、主巻線および補助巻線の電圧を制御する電力変換器7が、負荷4の要求電力の変動に応じて、主巻線から得られる直流電圧(第1直流電圧VmDC)および補助巻線から得られる直流電圧(第2直流電圧VaDC)の変動分ΔVmDC,ΔVaDCを補償する。これにより、主巻線から得られる直流電圧VmDCおよび補助巻線から得られる直流電圧VaDCの変動を1台の電力変換器7で抑制することが可能となる。
 また、本実施例における電気駆動システムは、発電システム40と、走行用モータ5と、整流器3に接続された負荷であり、第1直流電圧VmDCを交流電圧に変換して走行用モータ5に供給する走行用インバータ4とを備える。これにより、電気駆動システムにおいて、主巻線から得られる直流電圧VmDCおよび補助巻線から得られる直流電圧VaDCの変動を1台の電力変換器7で抑制することが可能となる。
 また、本実施例における制御装置11は、走行用モータ5のトルクTm*と回転数ωmとに基づいて状態量KRを算出する。これにより、走行用インバータ4の要求電力の変動に応じて、主巻線から得られる直流電圧(第1直流電圧VmDC)および補助巻線から得られる直流電圧(第2直流電圧VaDC)の変動分ΔVmDC,ΔVaDCを補償することが可能となる。
 本発明の第2の実施例について、第1の実施例との相違点を中心に説明する。
 図13は、本実施例における電気駆動システムの構成図である。図13において、電気駆動システムは、原動機1と、主巻線と補助巻線を有する固定子を備えた二巻線誘導発電機2と、整流器3と、走行用インバータ4と、走行用モータ5と、回生放電抵抗器6と、電力変換器7と、補機用インバータ8と、補機用モータ9と、始動用バッテリ10と、制御装置11と、第1電圧センサ12と、第1電流センサ13と、第1回転センサ14と、第2電圧センサ15と、第2電流センサ16と、第3電圧センサ17と、第2回転センサ50と、トルクセンサ51とを備えている。制御装置11には、走行用モータ5の操作装置としてのアクセル53の操作量Raccが入力される。
 図14は、本実施例における直流電圧指令補正部24の処理を示すブロック図である。図14において、状態量演算部24aは、アクセル53の操作量Raccに基づいて状態量KRを算出する。主機側直流電圧VmDCは負荷の要求電力に応じて変動するが、負荷の要求電力が変動する要因として、オペレータによるアクセル53の操作が挙げられる。そこで本実施例では、単位時間Δt当たりのアクセル操作量の変化量ΔRaccを、負荷の要求電力の変動に応じて変化する状態量KRとして算出する(数4式)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000004
 数4式による状態量KRの算出方法では、単位時間Δt当たりのアクセル操作量の変化量ΔRaccが正方向に増加すれば状態量KRは増加し、単位時間Δt当たりのアクセル操作量の変化量ΔRaccが負方向に増加すれば状態量KRは減少する。この状態量KRが大きいほど、主機側直流電圧指令値VmDC*の変動が大きいことを意味しており、状態量KRから主機側直流電圧VmDCの過渡的な変動を予め検知することができる。状態量KRを算出した後は、第1の実施例と同様に、図10(a)または図10(b)のマップ特性に従って主機側直流電圧指令値VmDC*の補正値ΔVmDC*を算出し、図10(c)のマップ特性に従って補機側直流電圧指令値VaDC*の補正値ΔVaDC*を算出する。続いて、主機側直流電圧指令値VmDC*に補正値ΔVmDC*を加算し、補機側直流電圧指令値VaDC*に補正値ΔVaDC*加算する。これにより、主機側直流電圧VmDCと補機側直流電圧VaDCの変動が抑制される。
 (まとめ)
 本実施例における電気駆動システムは、走行用モータ5の要求トルクを指示する操作装置53を備え、制御装置11は、操作装置53の操作量Raccに基づいて状態量KRを算出する。
 以上のように構成した本実施例においても、第1の実施例と同様に、二巻線誘導発電機2の主巻線側直流電圧VmDCおよび補助巻線側直流電圧VaDCの変動を1台の電力変換器7で抑制することが可能となる。
 本発明の第3の実施例について、第1の実施例との相違点を中心に説明する。
 図15は、本発実施例における直流電圧指令補正部24の処理を示すブロック図である。図15において、状態量演算部24aは、単位時間Δt当たりの主機側直流電圧指令値VmDC*に対する主機側直流電圧VmDCの変動量を状態量KRとして算出する(数5式)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000005
 数5式による状態量KRの算出方法では、単位時間Δt当たりの主機側直流電圧VmDCの変動量が正方向に増加すれば状態量KRは増加し、単位時間Δt当たりの主機側直流電圧VmDCの変動量が負方向に増加すれば状態量KRは減少する。状態量KRを算出した後は、第1の実施例と同様に、図10(a)または図10(b)のマップ特性に従って主機側直流電圧指令値VmDC*の補正値ΔVmDC*を算出し、図10(c)のマップ特性に従って補機側直流電圧指令値VaDC*の補正値ΔVaDC*を算出する。続いて、主機側直流電圧指令値VmDC*に補正値ΔVmDC*を加算し、補機側直流電圧指令値VaDC*に補正値ΔVaDC*加算する。これにより、主機側直流電圧VmDCと補機側直流電圧VaDCの変動が抑制される。
 (まとめ)
 本実施例における発電システム40は、第1直流電圧VmDCを検出する電圧センサ17を備え、制御装置11は、電圧センサ17で検出した第1直流電圧VmDCと第1直流電圧VmDCの指令値VmDC*との偏差に基づいて状態量KRを算出する。
 以上のように構成した本実施例においても、第1の実施例と同様に、二巻線誘導発電機2の主巻線側直流電圧および補助巻線側直流電圧の変動を1台の電力変換器7で抑制することが可能となる。また、第2回転センサ50とトルクセンサ51が不要となるため、発電システム40の構成を簡素化することが可能となる。
 以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、本発明は必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成の一部を加えることも可能であり、ある実施例の構成の一部を削除し、あるいは、他の実施例の一部と置き換えることも可能である。
 1…原動機、2…二巻線誘導発電機、3…整流器、4…走行用インバータ(負荷)、5…走行用モータ、6…回生放電抵抗器、7…電力変換器、8…補機用インバータ、9…補機用モータ、10…始動用バッテリ、11…制御装置、12…第1電圧センサ、13…第1電流センサ、14…第1回転センサ、15…第2電圧センサ、16…第2電流センサ、17…第3電圧センサ、18a,18b,18c…3相/2相変換部、19…電流指令演算部、20…周波数指令演算部、20a…すべり周波数指令演算部、21…電圧指令演算部、22…電圧指令補償部、23…巻数比換算部、24…直流電圧指令補正部、24a…状態量演算部、24b…主機側直流電圧指令補正部、24c…補機側直流電圧指令補正部、25…2相/3相変換部、26…制御信号生成部、30…車体、31…荷台、32…運転席、33…従動輪、34…駆動輪、40…発電システム、50…第2回転センサ、51…トルクセンサ、53…アクセル(操作装置)、210…固定子、211…固定子鉄心、212…固定子スロット、213…一次巻線、214…楔、220…回転子、221…回転子鉄心、222…回転子スロット、223…二次導体、2131…主巻線、2132…補助巻線、2231…回転子バー、2232…エンドリング、230…ギャップ。

Claims (5)

  1.  主巻線と補助巻線とを含む固定子を有する発電機と、
     前記主巻線に接続され、前記主巻線で発電した交流電圧を第1直流電圧に変換する整流器と、
     前記補助巻線に接続され、前記主巻線および前記補助巻線の電圧を制御するとともに、前記補助巻線で発電した交流電圧を第2直流電圧に変換する電力変換器と、
     前記第1直流電圧の指令値および前記第2直流電圧の指令値に応じて前記電力変換器を制御する制御装置とを備えた発電システムにおいて、
     前記制御装置は、
     前記整流器または前記電力変換器に接続された負荷の要求電力の変動に応じて変化する状態量を算出し、
     前記状態量を基に、前記第1直流電圧の変動分を補償する第1電圧補正値、および前記第2直流電圧の変動分を補償する第2電圧補正値を算出し、
     前記第1直流電圧の指令値に前記第1電圧補正値を加算し、
     前記第2直流電圧の指令値に前記第2電圧補正値を加算する
     ことを特徴とする発電システム。
  2.  請求項1に記載の発電システムにおいて、
     前記第1直流電圧を検出する電圧センサを備え、
     前記制御装置は、前記電圧センサで検出した前記第1直流電圧と前記第1直流電圧の指令値との偏差に基づいて前記状態量を算出する
     ことを特徴とする発電システム。
  3.  請求項1に記載の発電システムと、
     走行用モータと、
     前記整流器に接続された負荷であり、前記第1直流電圧を交流電圧に変換して前記走行用モータに供給する走行用インバータとを備える
     ことを特徴とする電気駆動システム。
  4.  請求項3に記載の電気駆動システムにおいて、
     前記制御装置は、前記走行用モータのトルクと回転数とに基づいて前記状態量を算出する
     ことを特徴とする電気駆動システム。
  5.  請求項3に記載の電気駆動システムにおいて、
     前記走行用モータの要求トルクを指示する操作装置を備え、
     前記制御装置は、前記操作装置の操作量に基づいて前記状態量を算出する
     ことを特徴とする電気駆動システム。
PCT/JP2023/008936 2022-03-24 2023-03-08 発電システムとそれを用いた電気駆動システム WO2023181954A1 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022049122A JP2023142292A (ja) 2022-03-24 2022-03-24 発電システムとそれを用いた電気駆動システム
JP2022-049122 2022-03-24

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2023181954A1 true WO2023181954A1 (ja) 2023-09-28

Family

ID=88100775

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2023/008936 WO2023181954A1 (ja) 2022-03-24 2023-03-08 発電システムとそれを用いた電気駆動システム

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2023142292A (ja)
WO (1) WO2023181954A1 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0851798A (ja) * 1994-08-09 1996-02-20 Nippondenso Co Ltd 車両用発電機の制御装置
WO2020013015A1 (ja) * 2018-07-09 2020-01-16 日立三菱水力株式会社 可変速発電電動装置
WO2022024515A1 (ja) * 2020-07-28 2022-02-03 日立建機株式会社 ドライブシステム

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0851798A (ja) * 1994-08-09 1996-02-20 Nippondenso Co Ltd 車両用発電機の制御装置
WO2020013015A1 (ja) * 2018-07-09 2020-01-16 日立三菱水力株式会社 可変速発電電動装置
WO2022024515A1 (ja) * 2020-07-28 2022-02-03 日立建機株式会社 ドライブシステム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2023142292A (ja) 2023-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5379573B2 (ja) モータ駆動システム
US7034493B2 (en) Motor control apparatus and motor control method
JP4205157B1 (ja) 電動機の制御装置
RU2392732C1 (ru) Устройство управления вектором асинхронного двигателя, способ управления вектором асинхронного двигателя и устройство управления приводом асинхронного двигателя
JP4706324B2 (ja) モータ駆動システムの制御装置
US7728541B2 (en) Electric motor drive control method and apparatus
JP4709218B2 (ja) 界磁巻線型同期モータの制御装置,電動駆動システム,電動4輪駆動車およびハイブリッド自動車
KR100795283B1 (ko) 유도 전동기의 벡터 제어 장치
WO2011039993A1 (ja) 電力変換装置
US11152881B2 (en) Permanent magnet synchronous electric motor control device, electric power steering device, and electric vehicle
EP2940858B1 (en) Motor control device and motor control method
JP2006094601A5 (ja)
JP7107385B2 (ja) 電動車両の制御方法、及び、制御装置
WO2023181954A1 (ja) 発電システムとそれを用いた電気駆動システム
JP2007082325A (ja) 多相モータ
WO2023074446A1 (ja) 発電システム
JP2011250616A (ja) モータ駆動装置及びモータ駆動車両
JP3840030B2 (ja) 電気車の駆動制御装置
US11705845B2 (en) Motor control device
JP3323900B2 (ja) リニアモータ電気車の制御装置
JP7225561B2 (ja) モータ制御方法、及び、モータ制御装置
JP3323901B2 (ja) リニアモータ電気車の制御装置
JP2023158899A (ja) 電動機の制御方法、及び電動機の制御装置
JP4835812B2 (ja) 電力変換装置
JP5446070B2 (ja) ジェネレータ及びモータの制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application

Ref document number: 23774553

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1