WO2023167072A1 - 端子 - Google Patents

Abstract

プラグ端子（１）において、第１プラグ弾性部（１３）は、第１基板に接続するプラグ基板接続部（１１）とリセプタクル端子の接点と接触するプラグ接点部（１２）とを接続する。第１プラグ弾性部（１３）は、第１プラグばね部（３０）と、第２プラグばね部（３１）と、第１連結部（３２）と、を備える。第１プラグばね部（３０）は、挿抜方向に見たときにプラグ接点部（１２）を内包するプラグ平面図形（Ｂ１１）を平面とする仮想的な第１立体（Ｃ１）の側面の一部である第１プラグ側面（Ｓ１１）に沿って形成され、第１プラグ側面（Ｓ１１）に対して変形可能である。第２プラグばね部（３１）は、第１立体（Ｃ１）の側面の一部であり、第１プラグ側面（Ｓ１１）とは法線方向が異なる第２プラグ側面（Ｓ１２）に沿って形成され、第２プラグ側面（Ｓ１２）に対して変形可能である。第１連結部（３２）は、第１プラグばね部（３０）と第２プラグばね部（３１）とを連結する。

Description

端子

　本発明は、端子に関する。

　特許文献１には、帯状の金属片を曲げることにより形成されたレセプタクルコンタクトが開示されている。レセプタクルコンタクトは、ばね部材を有することにより、コンタクト部材を相手コンタクトの横方向（Ｘ軸方向）の移動に追従させることができる。

特許４８８０９２４号公報

　上記特許文献１に開示されたレセプタクルコンタクト（端子）において、ばね部材が弾性変形できる方向は主にＸ軸方向であり、Ｙ軸方向及びＺ軸方向には弾性変形し難い。それゆえ、コンタクト部材を相手端子の移動に追従させることには限界がある。

　本発明は、上記実情の下になされたものであり、相手端子に対する追従性を向上できる端子を提供することを目的とする。

　上記目的を達成するために、本発明に係る端子は、
　導電性の材料で構成される端子であって、
　基板に接続する基板接続部と、
　前記基板の主面と交差する挿抜方向に挿抜される相手端子の接点と接触する接点部と、
　前記基板接続部と前記接点部とを接続する第１弾性部と、を備え、
　前記第１弾性部は、
　前記挿抜方向に見たときに前記接点部を内包する平面図形を平面又は底面とする、仮想的な立体の側面の一部である第１側面に沿って形成され、前記第１側面に対して変形可能な第１ばね部と、
　前記立体の側面の一部であり、前記第１側面とは法線方向が異なる第２側面に沿って形成され、前記第２側面に対して変形可能な第２ばね部と、
　前記第１ばね部と前記第２ばね部とを連結する第１連結部と、
　を備える。

　前記基板接続部と前記接点部とを接続する第２弾性部を備え、
　前記第２弾性部は、
　前記立体の側面の一部であり、前記第１側面に対向する第３側面に沿って形成され、前記第３側面に対して変形可能な第３ばね部と、
　前記立体の側面の一部であり、前記第２側面に対向する第４側面に沿って形成され、前記第４側面に対して変形可能な第４ばね部と、
　前記第３ばね部と前記第４ばね部とを連結する第２連結部と、
　を備える、
　こととしてもよい。

　前記第１弾性部及び前記第２弾性部と、前記接点部とを接続する接点接続部を備え、
　前記接点接続部は、
　前記基板接続部から前記接点部に向かって前記挿抜方向に沿って延びる切り欠きによって、前記第１弾性部と接続される第１接続部と、前記第２弾性部と接続される第２接続部と、に分けられている、
　こととしてもよい。

　前記第１弾性部及び前記第２弾性部が、前記挿抜方向に見て、前記接点部を中心に、点対称に配置されている、
　こととしてもよい。

　前記挿抜方向に見て、Ｓ字状に形成されている、
　こととしてもよい。

　本発明によれば、基板接続部と接点部とを接続する第１弾性部が、相手端子との挿抜方向に見たときに接点部を内包する平面図形を平面又は底面とする、仮想的な立体の側面の一部である第１側面に対して変形可能な第１ばね部と、第１側面とは法線方向が異なる第２側面に対して変形可能な第２ばね部と、を備えている。これにより、基板接続部に対する端子の相対位置を、相手端子との挿抜方向に交差する２方向にずらすことができるので、相手端子に対する追従性を向上できる。

本発明の実施の形態１に係るプラグ端子の第１斜視図である。 本発明の実施の形態１に係るプラグ端子の第２斜視図である。 折り曲げ加工を行う前の図１Ａのプラグ端子の平面図である。 折り曲げ加工の基準となる仮想的な立体を示すプラグ端子の第１斜視図である。 折り曲げ加工の基準となる仮想的な立体を示すプラグ端子の第２斜視図である。 図１Ａのプラグ端子の六面図である。 図１Ａのプラグ端子の構造を簡略化した模式図である。 本発明の実施の形態１に係るリセプタクル端子の第１斜視図である。 本発明の実施の形態１に係るリセプタクル端子の第２斜視図である。 折り曲げ加工を行う前の図６Ａのリセプタクル端子の平面図である。 折り曲げ加工の基準となる仮想的な立体を示す図６Ａに示すリセプタクル端子の第１斜視図である。 折り曲げ加工の基準となる仮想的な立体を示す図６Ａに示すリセプタクル端子の第２斜視図である。 図６Ａのリセプタクル端子の六面図である。 図６Ａのリセプタクル端子の構造を簡略化した模式図である。 図１Ａのプラグ端子と図６Ａのリセプタクル端子を嵌合させる様子を示す第１斜視図である。 図１Ａのプラグ端子と図６Ａのリセプタクル端子を嵌合させる様子を示す第２斜視図である。 図１Ａのプラグ端子と図６Ａのリセプタクル端子を嵌合させたときの側面図である。 図１１ＣのＸＩ－ＸＩ線断面図である。 図１Ａのプラグ端子と図６Ａのリセプタクル端子とが嵌合する例１を示す図である。 図１Ａのプラグ端子と図６Ａのリセプタクル端子とが嵌合する例２を示す図である。 本発明の実施の形態２に係るリセプタクル端子の第１斜視図である。 本発明の実施の形態２に係るリセプタクル端子の第２斜視図である。 折り曲げ加工を行う前の図１４Ａのリセプタクル端子の平面図である。 折り曲げ加工の基準となる仮想的な立体を示す図１４Ａに示すリセプタクル端子の第１斜視図である。 折り曲げ加工の基準となる仮想的な立体を示す図１４Ａに示すリセプタクル端子の第２斜視図である。 図１４Ａのリセプタクル端子の六面図である。 図１Ａのプラグ端子と図１４Ａのリセプタクル端子を嵌合させる様子を示す第１斜視図である。 図１Ａのプラグ端子と図１４Ａのリセプタクル端子を嵌合させる様子を示す第２斜視図である。 図１Ａのプラグ端子と図１４Ａのリセプタクル端子を嵌合させたときの側面図である。 図１８ＣのＸＶＩＩＩ－ＸＶＩＩＩ線断面図である。 本発明の実施の形態３に係るリセプタクル端子の斜視図である。 図１９のリセプタクル端子の六面図である。

　以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。各図面においては、同一又は同等の部分に同一の符号を付す。

実施の形態１
　まず、本発明の実施の形態１について説明する。本実施の形態では、互いに接続して基板間の信号伝送を可能とする２つの端子について説明する。図１Ａ及び図１Ｂに示すプラグ端子１と、図６Ａ及び図６Ｂに示すリセプタクル端子２Ａである。

［プラグ端子］
　まず、プラグ端子１について説明する。図１Ａ及び図１Ｂに示すように、プラグ端子１は、第１基板３に実装される。図１Ａ及び図１Ｂでは、第１基板３は、点線で示されている。本実施の形態では、プラグ端子１をＸ１軸、Ｙ１軸、Ｚ１軸から成る３軸直交座標系を参照して説明を行う。ここでは、Ｘ１軸、Ｙ１軸を、第１基板３の主面の面内方向として規定している。また、Ｚ１軸を、第１基板３の主面の法線方向として規定している。

　プラグ端子１は、後述する第２基板４に実装されたリセプタクル端子２Ａ（図６Ａ及び図６Ｂ参照）と接続され、第１基板３と第２基板４との間の電気信号の伝送又は接地に用いられる。

　プラグ端子１は、導電性の材料、例えば金属で構成される。この材料としては、例えば銅合金が用いられる。銅合金には、例えばベリリウム銅、リン青銅、およびチタン銅がある。

　プラグ端子１は、弾性を有する金属板に打ち抜き折り曲げ加工を施すことによって形成される。具体的には、プラグ端子１は、弾性を有する金属板が打ち抜き加工によって図２に示す形状に加工される。金属板の面内方向をα１軸、β１軸とし、金属板の板厚方向をγ１軸とする。この金属板は、β１軸に平行な中心線ＣＬに関して線対称な形状を有している。打ち抜き加工の後、金属板は、折り曲げ加工によって破線部分で折り曲げられ、図１Ａ及び図１Ｂに示す形状となる。金属板の板厚は例えば０．５ｍｍ程度であるが、これには限定されない。

　図１Ａ及び図１Ｂに戻り、プラグ端子１は、プラグ基板接続部１１と、プラグ接点部１２と、第１プラグ弾性部１３と、第２プラグ弾性部１４と、プラグ接点接続部１５と、を備える。

［プラグ基板接続部］
　プラグ基板接続部１１は、第１基板３に接続する。本実施の形態では、プラグ基板接続部１１として、一対のものが設けられている。第１基板３には、矩形状の貫通孔が設けられており、その貫通孔に、プラグ基板接続部１１が挿入され、はんだ付けされる。これにより、プラグ基板接続部１１が第１基板３の主面上に実装される。プラグ端子１では、第１基板３に対し傾斜して実装されることがないように、プラグ基板接続部１１の周囲にプラグ位置決め部１１ａが設けられている。第１基板３の主面には、電子部品が実装され、その電子部品を含む電気回路が構築されている。電気回路には、電極が接続されており、貫通孔に挿入されたプラグ基板接続部１１は、その電極に接続されている。

［プラグ接点部］
　プラグ接点部１２は、後述のリセプタクル端子２Ａのリセ接点部２２（図６Ａ及び図６Ｂ参照）と接触する。図１Ａ及び図１Ｂに示すように、プラグ接点部１２は、＋Ｚ１方向に突出する凸型の接点である。本実施の形態では、Ｚ１軸方向が、リセプタクル端子２Ａのリセ接点部２２に対してプラグ接点部１２が挿抜される挿抜方向となっている。プラグ接点部１２の大きさ、例えばＺ１軸方向の長さは、リセプタクル端子２Ａのリセ接点部２２との間で許容される位置ずれ量（フローティング量）を考慮して定められている。許容される位置ずれ量は、例えば１．０ｍｍであるが、これには限定されない。また、プラグ接点部１２のＺ１軸方向の長さは例えば４．０ｍｍであるが、これには限定されない。

［第１プラグ弾性部］
　第１プラグ弾性部１３は、一対のプラグ基板接続部１１のうち、一方のプラグ基板接続部１１とプラグ接点部１２とを接続する。図２に示すように、第１プラグ弾性部１３は、α１軸方向に延びる帯状の部材であり、＋α１側の一端でプラグ基板接続部１１と接続され、－α１側の他端でプラグ接点接続部１５を介してプラグ接点部１２と接続されている。

　第１プラグ弾性部１３は、第１プラグばね部３０と、第２プラグばね部３１と、第１連結部３２と、を備える。図２に示すように、第１プラグ弾性部１３では、プラグ接点部１２側から、＋α１方向に向かって、第１プラグばね部３０、第１連結部３２及び第２プラグばね部３１の順に並んでいる。第１プラグ弾性部１３は、第１プラグばね部３０とプラグ接点接続部１５との間でβ１軸に平行な折れ線で９０度に折り曲げられ、さらに、第１プラグばね部３０と第２プラグばね部３１とを連結する第１連結部３２におけるβ１軸に平行な折れ線で９０度に折り曲げられて、図１Ａ及び図１Ｂに示す形状となる。

　本実施の形態では、第１プラグ弾性部１３は、図３Ａ及び図３Ｂに示す仮想的な第１立体Ｃ１を基準として折り曲げ形成される。第１立体Ｃ１は、直方体、すなわち四角柱である。第１立体Ｃ１は、挿抜方向に見たときにプラグ接点部１２を内包しているプラグ平面図形Ｂ１１を平面とし、プラグ平面図形Ｂ１２を底面としている。プラグ平面図形Ｂ１１，Ｂ１２はＺ１軸方向を法線方向としている。第１立体Ｃ１は、その側面の一部として、第１プラグ側面Ｓ１１、第２プラグ側面Ｓ１２、第３プラグ側面Ｓ１３、第４プラグ側面Ｓ１４を有している。第１プラグ側面Ｓ１１及び第３プラグ側面Ｓ１３は、Ｘ１軸方向を法線方向とし、第２プラグ側面Ｓ１２及び第４プラグ側面Ｓ１４は、Ｙ１軸方向を法線方向としている。このように、第１プラグ側面Ｓ１１及び第３プラグ側面Ｓ１３と、第２プラグ側面Ｓ１２及び第４プラグ側面Ｓ１４とは、法線方向が異なる。

　第１プラグばね部３０は、図３Ａ及び図３Ｂに示すように、第１立体Ｃ１の第１プラグ側面Ｓ１１に沿って形成される。第１プラグばね部３０は、弾性力を有しており、第１プラグ側面Ｓ１１に対して変形可能である。

　第２プラグばね部３１は、図３Ａ及び図３Ｂに示すように、第１立体Ｃ１の第２プラグ側面Ｓ１２に沿って形成される。第２プラグばね部３１は、第２プラグ側面Ｓ１２に対して変形可能である。

　第１連結部３２は、図３Ａに示すように、第１プラグ側面Ｓ１１と第２プラグ側面Ｓ１２との間の角部に対応する位置に設けられている。第１連結部３２は、第１プラグばね部３０と第２プラグばね部３１とを連結する。

［第２プラグ弾性部］
　第２プラグ弾性部１４は、一対のプラグ基板接続部１１のうち、第１プラグ弾性部１３と連結されていないもう一方のプラグ基板接続部１１とプラグ接点部１２とを接続する。図２に示すように、第２プラグ弾性部１４は、α１軸方向に延びる帯状の部材であり、－α１側の一端でプラグ基板接続部１１と接続され、＋α１側の他端でプラグ接点接続部１５を介してプラグ接点部１２と接続されている。

　第２プラグ弾性部１４は、第３プラグばね部３３と、第４プラグばね部３４と、第２連結部３５と、を備える。図２に示すように、第２プラグ弾性部１４では、プラグ接点部１２側から、－α１方向に向かって、第３プラグばね部３３、第２連結部３５及び第４プラグばね部３４の順に並んでいる。第２プラグ弾性部１４は、第３プラグばね部３３とプラグ接点接続部１５との間でβ１軸に平行な折れ線で９０度に折り曲げられ、さらに、第３プラグばね部３３と第４プラグばね部３４とを連結する第２連結部３５におけるβ１軸に平行な折れ線で９０度に折り曲げられて、図１Ａ及び図１Ｂに示す形状となる。

　第２プラグ弾性部１４は、第１プラグ弾性部１３と同様に、図３Ａ、図３Ｂ及び図４に示す仮想的な第１立体Ｃ１を基準として折り曲げ形成される。

　第３プラグばね部３３は、図３Ａ、図３Ｂ及び図４に示すように、第１立体Ｃ１の側面の一部であり、第１プラグ側面Ｓ１１に対向する第３プラグ側面Ｓ１３に沿って形成される。第３プラグばね部３３は、第３プラグ側面Ｓ１３に対して変形可能である。

　第４プラグばね部３４は、図３Ａ、図３Ｂ及び図４に示すように、第１立体Ｃ１の側面の一部であり、第２プラグ側面Ｓ１２に対向する第４プラグ側面Ｓ１４に沿って形成される。第４プラグばね部３４は、第４プラグ側面Ｓ１４に対して変形可能である。

　第２連結部３５は、図３Ｂ及び図４に示すように、第１プラグ側面Ｓ１１と第２プラグ側面Ｓ１２との間の角部に対応する位置に設けられている。第２連結部３５は、第３プラグばね部３３と第４プラグばね部３４とを連結する。

［プラグ接点接続部］
　プラグ接点接続部１５は、第１プラグ弾性部１３及び第２プラグ弾性部１４と、プラグ接点部１２とを接続する。図２に示すように、プラグ接点接続部１５には、－β側の外辺からプラグ接点部１２に向かって挿抜方向に沿って延びるプラグスリット３６が形成されている。プラグスリット３６は、プラグ接点部１２まで延びている。このプラグスリット３６によって、プラグ接点接続部１５は、第１プラグ弾性部１３に接続される第１接続部３７と、第２プラグ弾性部１４に接続される第２接続部３８と、に分けられる。

　図４には、プラグ端子１の六面図が示されている。図４に示すように、プラグ端子１の平面図及び底面図を見れば、第１プラグ弾性部１３及び第２プラグ弾性部１４が、挿抜方向（Ｚ１軸方向）に見て、プラグ接点部１２を中心に、より正確にはプラグ接点部１２の中心点Ｐを中心に、点対称に配置されている。より具体的には、プラグ端子１は、挿抜方向に見て、Ｓ字状に形成されている。更に具体的には、プラグ接点部１２、第１プラグ弾性部１３及び第２プラグ弾性部１４は、挿抜方向に見て、Ｓ字状に形成されている。

　図５には、第１プラグ弾性部１３及び第２プラグ弾性部１４の構造を簡略化した模式図が示されている。図５では、第１プラグ弾性部１３を構成する第１プラグばね部３０、第２プラグばね部３１は線状部材として示されている。また、第２プラグ弾性部１４を構成する第３プラグばね部３３、第４プラグばね部３４は線状部材として示されている。プラグ基板接続部１１及びプラグ接点部１２も同様である。

　第１基板３と接続されるプラグ基板接続部１１の位置は固定となっている。しかし、プラグ基板接続部１１とプラグ接点部１２とをつなぐ第１プラグ弾性部１３及び第２プラグ弾性部１４は、弾性力を有しているため、プラグ接点部１２から受ける力により、変形可能である。

　より具体的には、図５に示すように、第２プラグばね部３１は、プラグ基板接続部１１と接続する位置Ｐ１に対して、第１連結部３２と接続する端部の位置Ｐ２を、Ｘ１軸方向、Ｙ１軸方向、Ｚ１軸方向に変位させる弾性力を有している。また、第１プラグばね部３０は、第１連結部３２の位置Ｐ２に対して、第１接続部３７と接続する端部の位置Ｐ３を、Ｘ１軸方向、Ｙ１軸方向、Ｚ１軸方向に変位させる弾性力を有している。

　一方、第４プラグばね部３４は、プラグ基板接続部１１と接続する位置Ｐ４に対して、第２連結部３５と接続する端部の位置Ｐ５を、Ｘ１軸方向、Ｙ１軸方向、Ｚ１軸方向に変位させる弾性力を有している。また、第３プラグばね部３３は、第２連結部３５の位置Ｐ５に対して、第２接続部３８と接続する端部の位置Ｐ６を、Ｘ１軸方向、Ｙ１軸方向、Ｚ１軸方向に変位させる弾性力を有している。この結果、プラグ基板接続部１１に対して、位置Ｐ１，Ｐ２，Ｐ３の変位及び位置Ｐ４，Ｐ５，Ｐ６の変位により、プラグ接点部１２は、Ｘ１軸方向、Ｙ１軸方向及びＺ１軸方向に移動可能である。

　また、プラグスリット３６の存在により、プラグ接点接続部１５は、第１接続部３７と第２接続部３８とに分かれている。このため、第１接続部３７及び第２接続部３８がそれぞれ独立して変形することが可能である。これにより、プラグ基板接続部１１に対するプラグ接点部１２のＸ１軸方向、Ｙ１軸方向及びＺ１軸方向へのさらなる大きな相対移動が可能となっている。

　また、第２プラグばね部３１は、ねじり変形により、位置Ｐ１の部分に対して、位置Ｐ２の部分をＸ１軸回りに相対的に回転することが可能である。第１プラグばね部３０は、ねじり変形により、位置Ｐ２の部分に対して、位置Ｐ３の部分をＹ１軸回りに相対的に回転することが可能である。第４プラグばね部３４は、ねじり変形により、位置Ｐ４の部分に対して、位置Ｐ５の部分をＸ１軸回りに相対的に回転することが可能である。第３プラグばね部３３は、ねじり変形により、位置Ｐ５の部分に対して、位置Ｐ６の部分をＹ１軸回りに相対的に回転することが可能である。これにより、プラグ基板接続部１１に対してプラグ接点部１２のＸ１軸方向及びＹ１軸方向の傾斜が可能となっている。

　この他、第１プラグ弾性部１３及び第２プラグ弾性部１４の弾性変形及びプラグスリット３６によるプラグ接点接続部１５の分割により、プラグ接点部１２は、一対のプラグ基板接続部１１に対してＺ１軸周りに回転することも可能となっている。

［リセプタクル端子］
　次に、リセプタクル端子２Ａについて説明する。リセプタクル端子２Ａは、本実施の形態１に係るプラグ端子１と接続される。

　図６Ａ及び図６Ｂに示すように、リセプタクル端子２Ａは、第２基板４に実装される。図６Ａ及び図６Ｂでは、第２基板４は、点線で示されている。本実施の形態では、リセプタクル端子２ＡをＸ２軸、Ｙ２軸、Ｚ２軸から成る３軸直交座標系を参照して説明を行う。ここでは、Ｘ２軸、Ｙ２軸を、第２基板４の主面の面内方向として規定している。また、Ｚ２軸を、第２基板４の主面の法線方向と規定している。

　リセプタクル端子２Ａは、前述のように第１基板３に実装されたプラグ端子１（図１Ａ及び図１Ｂ参照）と接続され、第１基板３と第２基板４との間の電気信号の送信又は接地に用いられる。

　リセプタクル端子２Ａは、プラグ端子１と同様に、導電性の材料で構成される。リセプタクル端子２Ａの材質は、プラグ端子１と同じ材質である必要はないが、電気伝導性の観点から同じ材質であるのが好ましい。

　リセプタクル端子２Ａは、弾性を有する金属板に打ち抜き折り曲げ加工を施すことによって形成される。具体的には、リセプタクル端子２Ａは、弾性を有する金属板が打ち抜き加工によって図７に示す形状に加工される。金属板の面内方向をα２軸、β２軸とし、金属板の板厚方向をγ２軸とする。この金属板の形状は、中心点Ｏに関して点対称な形状となっている。打ち抜き加工の後、折り曲げ加工によって破線部分で折り曲げられて図６Ａ及び図６Ｂに示す形状に加工される。金属板の板厚は例えば０．５ｍｍ程度であるが、これには限定されない。

　図６Ａ及び図６Ｂに戻り、リセプタクル端子２Ａは、リセ基板接続部２１と、リセ接点部２２と、第１リセ弾性部２３と、第２リセ弾性部２４と、を備える。

［リセ基板接続部］
　リセ基板接続部２１は、第２基板４に接続する。本実施の形態では、リセ基板接続部２１として、一対のものが設けられている。第２基板４には、矩形状の貫通孔が設けられており、その貫通孔に、リセ基板接続部２１が挿入され、はんだ付けされる。これにより、リセ基板接続部２１が第２基板４の主面上に実装される。第２基板４に対し傾斜してリセ基板接続部２１が実装されることがないように、リセ基板接続部２１の周囲にリセ位置決め部２１ａが設けられている。第２基板４の主面には、電子部品が実装され、その電子部品を含む電気回路が構築されている。電気回路には、電極が接続されており、貫通孔に挿入されたリセ基板接続部２１は、その電極に接続されている。

［リセ接点部］
　リセ接点部２２は、第２基板４の主面と交差する挿抜方向に挿抜されるプラグ端子１のプラグ接点部１２（図１Ａ及び図１Ｂ参照）と接触する。図６Ａ及び図６Ｂに示すように、リセ接点部２２は、＋Ｚ２方向に突出する凹型の接点であり、挿抜方向に挿入される凸型のプラグ端子１のプラグ接点部１２と接触する。

　リセ接点部２２は、プラグ端子１のプラグ接点部１２に接触する第１接点４０と、第２接点４１と、を備えている。図６Ａ及び図６Ｂ、図７、図８Ａ及び図８Ｂ及び図９に示すように、第１接点４０と、第２接点４１とは、互いに対向して配置されている。後述するように、第１接点４０及び第２接点４１は、この間に挿入されたプラグ端子１のプラグ接点部１２を挟持する。この挟持部分の対向面において、第１接点４０と第２接点４１とは、互いに近づく方向に突出する打ち込み接点を有している。これにより、第１接点４０及び第２接点４１と、プラグ端子１のプラグ接点部１２との間に位置ずれが生じた場合にも、第１接点４０及び第２接点４１は、プラグ接点部１２に追従し易くなる。

　リセ接点部２２は、第１接点４０と第２接点４１との間隔の拡大を規制する規制部４２を備えている。図７に示すように、打ち抜き加工後において、リセ接点部２２は、全体的に矩形枠の形状を有しており、その矩形枠の中心に中心点Ｏが位置している。リセ接点部２２は、中心点Ｏを中心に、点対称な形状を有している。中心点Ｏから見て、＋α２寄りの矩形枠の内辺から、－α２方向に向かって中心点Ｏを超えない位置まで帯状の部材が張り出している。この帯状の部材がβ２軸方向に平行な折れ線で端部を含む複数箇所で折り曲げられて、第１接点４０が形成される。また、中心点Ｏから見て、－α２寄りの矩形枠の内辺から、＋α２方向に向かって中心点Ｏを超えない位置まで帯状の部材が張り出している。この帯状の部材がβ２軸方向に平行な折れ線で端部を含む複数箇所で折り曲げられて、第２接点４１が形成される。

　矩形枠のβ２軸方向に対向する内辺の間隔は、プラグ端子１のプラグ接点部１２のα１軸方向の幅よりも大きくなっている。規制部４２は、この矩形枠の＋β２側の辺と、－β２側の辺とに対応する。規制部４２は、β２軸方向に平行な折れ線で２箇所折り曲げられて形成される。

　図６Ａ及び図６Ｂに示すように、規制部４２は、挿抜方向に対して、リセ基板接続部２１に近づく方向、すなわち－Ｚ２方向に凹状に屈曲している。これは、金属板（図７参照）の折り曲げ加工によりリセ接点部２２を形成した時に第１接点４０と第２接点４１とを互いに近づけるためである。また、規制部４２をＺ２方向に凹状に屈曲させることにより、第１接点４０と第２接点４１との間にプラグ端子１のプラグ接点部１２が挿入されるときに、規制部４２が、プラグ接点部１２と干渉するのを防止することができる。

　図７に示すように、リセ接点部２２では、第１接点４０が第１リセ弾性部２３と接続され、第２接点４１が第２リセ弾性部２４と接続されている。

［第１リセ弾性部］
　第１リセ弾性部２３は、一対のリセ基板接続部２１のうち、一方のリセ基板接続部２１とリセ接点部２２とを接続する。図７に示すように、第１リセ弾性部２３は、α２軸方向及びβ２軸方向に折れ曲がって延びる帯状の部材であり、＋α２方向及び＋β２方向の一端でリセ基板接続部２１と接続され、－α２方向の他端でリセ接点部２２と接続されている。第１リセ弾性部２３には、リセ接点部２２に接続される端部と、リセ基板接続部２１に接続される端部との間に、＋β２側から－β２側に向かってβ２軸方向に延びるリセスリット５２が形成されている。このリセスリット５２により、第１リセ弾性部２３は、折れ曲がった形状となっている。

　第１リセ弾性部２３は、第１リセばね部４３と、第２リセばね部４４と、を備える。図７に示すように、第１リセ弾性部２３は、リセ接点部２２に対してβ２軸に平行な折れ線で９０度に折り曲げられ、第１リセばね部４３と第２リセばね部４４との境界がα２軸に平行な折れ線で９０度に折り曲げられて、図６Ａ及び図６Ｂに示す形状となる。

　本実施の形態では、第１リセ弾性部２３は、図８Ａ及び図８Ｂに示す仮想的な第２立体Ｃ２を基準として折り曲げ形成される。第２立体Ｃ２は、直方体、すなわち四角柱である。第２立体Ｃ２は、挿抜方向に見たときにリセ接点部２２を内包しているリセ平面図形Ｂ２１を平面とし、リセ平面図形Ｂ２２を底面としている。リセ平面図形Ｂ２１，Ｂ２２は、Ｚ２軸方向を法線方向としている。図９に示すように、第２立体Ｃ２は、その側面の一部として第１リセ側面Ｓ２１、第２リセ側面Ｓ２２、第３リセ側面Ｓ２３、第４リセ側面Ｓ２４を有している。第１リセ側面Ｓ２１及び第３リセ側面Ｓ２３は、Ｙ２軸方向を法線方向としている。また、第２リセ側面Ｓ２２及び第４リセ側面Ｓ２４は、Ｘ２軸方向を法線方向としている。このように、第１リセ側面Ｓ２１及び第３リセ側面Ｓ２３と、第２リセ側面Ｓ２２及び第４リセ側面Ｓ２４とは、法線方向が異なる。

　第１リセばね部４３は、図８Ａ及び図８Ｂに示すように、第２立体Ｃ２の第１リセ側面Ｓ２１に沿って形成される。第１リセばね部４３は、弾性力を有しており、第１リセ側面Ｓ２１に対して変形可能である。

　第２リセばね部４４は、図８Ａ及び図８Ｂに示すように、第２立体Ｃ２の第２リセ側面Ｓ２２に沿って形成される。第２リセばね部４４は、弾性力を有しており、第２リセ側面Ｓ２２に対して変形可能である。

　第１リセばね部４３には、図６Ａ及び図９に示すように、リセ接点部２２と接続する第１リセ接点接続部５０が形成されている。第１リセ接点接続部５０は、－Ｙ２寄りから見ると、Ｌ字状（Ｌを鏡面で見た形状）の部材であり、その一端（＋Ｚ２端）が、リセ接点部２２と接続され、その部分から－Ｚ２方向に延びて、－Ｘ２方向に折れ曲がっている。

　また、第１リセばね部４３及び第２リセばね部４４には、挿抜方向と交差する方向に延びるリセスリット５２が形成されている。図９に示すように、第１リセばね部４３では、リセスリット５２により、上述の第１リセ接点接続部５０と、第３延伸部５１とに分けられている。第２リセばね部４４では、このリセスリット５２によって、第１延伸部５３と、第２延伸部５４と、第１折り返し部５５と、が形成されている。

　図９に示すように、第１延伸部５３は、挿抜方向と交差する方向であるＹ２軸方向に延びている。第１延伸部５３は、その一端（－Ｙ２端）で、第１リセ接点接続部５０の－Ｘ２寄りの端部と接続されている。第２延伸部５４は、第１延伸部５３よりもリセ基板接続部２１の近くに配置されている。第２延伸部５４は、第１延伸部５３と平行に、すなわちＹ２軸方向に延びている。第１折り返し部５５は、第１延伸部５３の他端（＋Ｙ２端）と、当該他端に対向する第２延伸部５４の一端（＋Ｙ２端）とを挿抜方向、すなわちＺ２軸方向に連結する。

　さらに、第１リセばね部４３において、第３延伸部５１は、第１リセ接点接続部５０よりもリセ基板接続部２１の近くに位置しており、挿抜方向と交差するＸ２軸方向に延びている。第３延伸部５１の一端（－Ｘ２端）は、第２延伸部５４の他端（－Ｙ２端）と接続されている。また、第３延伸部５１は、リセ基板接続部２１と接続されている。

　上述したように、第１リセ弾性部２３では、リセ接点部２２から出発し、第１リセ接点接続部５０と、第１延伸部５３と、第１折り返し部５５と、第２延伸部５４と、第３延伸部５１とがこの順に連結されて、最終的にリセ基板接続部２１と接続されている。

［第２リセ弾性部］
　第２リセ弾性部２４は、一対のリセ基板接続部２１のうち、第１リセ弾性部２３と接続されていないもう一方のリセ基板接続部２１とリセ接点部２２とを接続する。図７に示すように、第２リセ弾性部２４は、α２軸方向及びβ２軸方向に折れ曲がって延びる帯状の部材であり、－α２方向及び－β２方向の一端でリセ基板接続部２１と接続され、＋α２方向の他端でリセ接点部２２と接続されている。第２リセ弾性部２４には、リセ接点部２２に接続される端部と、リセ基板接続部２１に接続される端部との間に、－β２側から＋β２側に向かってβ２軸方向に延びるリセスリット６２が形成されている。このリセスリット６２により、第２リセ弾性部２４は、折れ曲がった形状となっている。

　第２リセ弾性部２４は、第３リセばね部４５と、第４リセばね部４６と、を備える。図７に示すように、第２リセ弾性部２４は、リセ接点部２２に対してβ２軸に平行な折れ線で９０度に折り曲げられ、第３リセばね部４５と第４リセばね部４６との境界がα２軸に平行な折れ線で９０度折り曲げられて、図６Ａ及び図６Ｂに示す形状となる。第２リセ弾性部２４は、図８Ａ及び図８Ｂに示す仮想的な第２立体Ｃ２を基準として折り曲げ形成される。

　第３リセばね部４５は、図８Ａ及び図８Ｂに示すように、第２立体Ｃ２の第３リセ側面Ｓ２３に沿って形成される。第３リセばね部４５は、弾性力を有しており、第３リセ側面Ｓ２３に対して変形可能である。

　第４リセばね部４６は、図９に示すように、第２立体Ｃ２の第４リセ側面Ｓ２４に沿って形成される。第４リセばね部４６は、弾性力を有しており、第４リセ側面Ｓ２４に対して変形可能である。

　第３リセばね部４５には、図６Ｂ及び図９に示すように、リセ接点部２２と接続する第２リセ接点接続部６０が形成されている。第２リセ接点接続部６０は、＋Ｙ２寄りから見ると、Ｌ字状（Ｌを鏡面で見た形状）の部材であり、その一端（＋Ｚ２端）が、リセ接点部２２と接続され、その部分から－Ｚ２方向に延びて、＋Ｘ２方向に折れ曲がっている。

　また、第３リセばね部４５及び第４リセばね部４６には、挿抜方向と交差する方向に延びるリセスリット６２が形成されている。図９に示すように、第３リセばね部４５では、リセスリット６２により、上述の第２リセ接点接続部６０と、第７延伸部６１とに分けられている。第４リセばね部４６には、このリセスリット６２によって、第５延伸部６３と、第６延伸部６４と、第３折り返し部６５と、が形成されている。

　図９に示すように、第５延伸部６３は、挿抜方向と交差する方向であるＹ２軸方向に延びている。第５延伸部６３は、その一端（＋Ｙ２端）で、第２リセ接点接続部６０の＋Ｘ２寄りの端部と接続されている。第６延伸部６４は、第５延伸部６３よりもリセ基板接続部２１寄りに配置されている。第６延伸部６４は、第５延伸部６３と平行に、すなわちＹ２軸方向に延びている。第３折り返し部６５は、第５延伸部６３の他端（－Ｙ２端）と、当該他端に対向する第６延伸部６４の一端（－Ｙ２端）とを挿抜方向、すなわちＺ２軸方向に連結する。

　さらに、第３リセばね部４５において、第７延伸部６１は、第２リセ接点接続部６０よりもリセ基板接続部２１寄りに位置しており、挿抜方向と交差するＸ２軸方向に延びている。第７延伸部６１の一端（＋Ｘ２端）で第６延伸部６４の他端（＋Ｙ２端）と接続されている。また、第７延伸部６１は、リセ基板接続部２１と接続されている。

　上述したように、第２リセ弾性部２４では、リセ接点部２２から出発し、第２リセ接点接続部６０と、第５延伸部６３と、第３折り返し部６５と、第６延伸部６４と、第７延伸部６１とがこの順に連結されて、リセ基板接続部２１に接続されている。

　図９に示すように、第１リセ弾性部２３と、第２リセ弾性部２４とは、挿抜方向（Ｚ２軸方向）に見て、リセ接点部２２を中心に、点対称に配置されている。

　図１０には、第１リセ弾性部２３及び第２リセ弾性部２４の構造を簡略化した模式図が示されている。図１０では、第１リセ弾性部２３を構成する第１リセばね部４３、第２リセばね部４４を線状部材として示している。また、第２リセ弾性部２４を構成する第３リセばね部４５、第４リセばね部４６を線状部材として示している。リセ基板接続部２１及びリセ接点部２２も同様である。

　第２基板４と接続されるリセ基板接続部２１の位置は固定となっている。しかし、リセ基板接続部２１とリセ接点部２２とをつなぐ第１リセ弾性部２３及び第２リセ弾性部２４は、弾性力を有しているため、リセ接点部２２から受ける力により、変形可能である。

　より具体的には、図１０に示すように、第１リセ弾性部２３において、第３延伸部５１は、リセ基板接続部２１と接続する位置Ｐ１１に対して、第２延伸部５４と接続する端部の位置Ｐ１２を、Ｘ２軸方向、Ｙ２軸方向、Ｚ２軸方向に変位させ、Ｘ２軸回りにねじり回転させることができる。また、第２延伸部５４は、位置Ｐ１２に対して、第１折り返し部５５と接続する端部の位置Ｐ１３を、Ｘ２軸方向、Ｙ２軸方向、Ｚ２軸方向に変位させ、Ｙ２軸回りにねじり回転させることができる。また、第１折り返し部５５は、位置Ｐ１３に対して、第１延伸部５３と接続する端部の位置Ｐ１４を、Ｘ２軸方向、Ｙ２軸方向、Ｚ２軸方向に変位させ、Ｚ２軸回りにねじり回転させることができる。また、第１延伸部５３は、位置Ｐ１４に対して、第１リセ接点接続部５０と接続する端部の位置Ｐ１５を変位させ、Ｙ２軸回りにねじり回転させることができる。また、第１リセ接点接続部５０は、位置Ｐ１５に対して、リセ接点部２２と接続する端部の位置Ｐ１６を変位させ、Ｘ２軸回り、Ｚ２軸回りにねじり回転させることができる。

　また、第２リセ弾性部２４は、図１０に示すように、位置が固定となっているリセ基板接続部２１を基準として、リセ基板接続部２１からリセ接点部２２までの間に、位置Ｐ２１、Ｐ２２、Ｐ２３、Ｐ２４、Ｐ２５、Ｐ２６のＸ２軸、Ｙ２軸、Ｚ２軸方向の変位、及び延びる方向の軸回りの回転が可能である。このように、位置Ｐ１１～Ｐ１６の変位及び位置Ｐ２１～Ｐ２６の変位により、リセ接点部２２は、Ｘ２軸方向、Ｙ２軸方向、Ｚ２軸方向に移動可能であり、各軸周りの回転方向に回転可能である。

　言い換えると、リセスリット５２、６２の存在により、第１リセ弾性部２３及び第２リセ弾性部２４は、Ｘ２軸方向、Ｙ２軸方向、Ｚ２軸方向及び各軸周りの回転方向に大きく変位させることができる。

　次に、本実施の形態１に係るプラグ端子１及びリセプタクル端子２Ａの嵌合動作について説明する。プラグ端子１とリセプタクル端子２Ａとは、嵌合する際に、図１１Ａに示すように、＋Ｚ１方向と＋Ｚ２方向とが逆向きになるような向きに配置される。

　そして、図１１Ｂ、図１１Ｃ及び図１１Ｄに示すように、プラグ端子１の凸状のプラグ接点部１２が、リセプタクル端子２Ａの凹状のリセ接点部２２に挿入されることによってプラグ端子１とリセプタクル端子２Ａとが接続される。これにより、第１基板３の電気回路と、第２基板４の電気回路とが、プラグ端子１及びリセプタクル端子２Ａを介して電気的に接続され、第１基板３と第２基板４との間での信号の伝送又は接地が可能となる。

　図１２には、プラグ端子１とリセプタクル端子２Ａとが、嵌合された様子が示されている。図１２に示す例では、プラグ端子１のプラグ接点部１２が、リセプタクル端子２Ａのリセ接点部２２に対して＋Ｙ１方向（－Ｙ２方向）にずれて挿入されている。このため、プラグ端子１の第１プラグばね部３０及び第２プラグばね部３１と、プラグ端子１の第３プラグばね部３３及び第４プラグばね部３４とが変形してこのずれを吸収している。

　図１３には、プラグ端子１とリセプタクル端子２Ａとが、嵌合された様子が示されている。図１３に示す例では、プラグ端子１のプラグ接点部１２が、リセプタクル端子２Ａのリセ接点部２２に対して＋Ｘ１方向（＋Ｘ２方向）にずれて挿入されている。このため、プラグ端子１の第１プラグばね部３０及び第２プラグばね部３１と、プラグ端子１の第３プラグばね部３３及び第４プラグばね部３４とが変形し、このずれを吸収している。

　このように、プラグ端子１のプラグ接点部１２の位置と、リセプタクル端子２Ａのリセ接点部２２の位置とにずれがあっても、そのずれの差を、プラグ端子１の第１プラグばね部３０及び第２プラグばね部３１と、プラグ端子１の第３プラグばね部３３及び第４プラグばね部３４で吸収して、プラグ端子１とリセプタクル端子２Ａとの良好な接続が可能となる。

　なお、プラグ端子１のＸ１軸方向のサイズを例えば９ｍｍとし、Ｙ１軸方向のサイズを例えば６ｍｍとし、Ｚ１軸方向の高さを全体で２３ｍｍ程度とすることができるが、これに限定されない。また、リセプタクル端子２ＡのＸ２軸方向のサイズを例えば９ｍｍとし、Ｙ２軸方向のサイズを例えば８ｍｍとし、Ｚ２軸方向の高さを全体で９ｍｍ程度とすることができるが、これに限定されない。

実施の形態２
　本発明の実施の形態２について説明する。本実施の形態２では、プラグ端子１は、上記実施の形態１と同じである。本実施の形態２では、リセプタクル端子２Ａの代わりに図１４Ａ及び図１４Ｂに示すリセプタクル端子２Ｂが用いられる。

　図１４Ａ及び図１４Ｂに示すように、リセプタクル端子２Ｂは、リセ基板接続部２１と、リセ接点部２２と、第１リセ弾性部２３と、第２リセ弾性部２４と、を備える点がリセプタクル端子２Ａと同じである。リセプタクル端子２Ｂにおいて、第１リセ弾性部２３が第１リセばね部４３と、第２リセばね部４４と、を備え、第２リセ弾性部２４が第３リセばね部４５と、第４リセばね部４６と、を備える点もリセプタクル端子２Ａと同じである。図１６Ａ、図１６Ｂ及び図１７に示すように、リセプタクル端子２Ｂにおいて、第１リセばね部４３が、第２立体Ｃ２の第１リセ側面Ｓ２１に沿って形成される点、第２リセばね部４４が、第２立体Ｃ２の第２リセ側面Ｓ２２に沿って形成される点、第３リセばね部４５が、第２立体Ｃ２の第３リセ側面Ｓ２３に沿って形成される点、第４リセばね部４６が、第２立体Ｃ２の第４リセ側面Ｓ２４に沿って形成される点もリセプタクル端子２Ａと同じである。

　リセプタクル端子２Ｂは、第１リセばね部４３、第２リセばね部４４、第３リセばね部４５、第４リセばね部４６の構成が、リセプタクル端子２Ａと異なる。

　リセプタクル端子２Ｂの材質は、リセプタクル端子２Ａと同じである。リセプタクル端子２Ｂは、弾性を有する金属板が打ち抜き加工によって図１５に示す形状に加工された後、折り曲げ加工によって破線部分で折り曲げられて、図１６Ａ及び図１６Ｂに示す第２立体Ｃ２の第１リセ側面Ｓ２１～第４リセ側面Ｓ２４に沿った形状に加工される。図１５に示す金属板は、図７に示す金属板に対して、構成が若干異なる。詳細には、図１５に示す金属板では、第３延伸部５１の代わりに第４延伸部５６及び第２折り返し部５７が設けられ、第７延伸部６１の代わりに第８延伸部６６及び第４折り返し部６７が設けられている。図１５に示す金属板では、第２延伸部５４と第４延伸部５６との間に、第１延伸部５３と第２延伸部５４との間に設けられたリセスリット５２とは逆向きのリセスリット５２が設けられ、そのリセスリット５２により、第４延伸部５６及び第２折り返し部５７が形成されている。また、第６延伸部６４と第８延伸部６６との間には、第５延伸部６３と第６延伸部６４との間に設けられたリセスリット６２とは逆向きのリセスリット６２が設けられ、このリセスリット６２により、第８延伸部６６及び第４折り返し部６７が形成されている。

　このように、リセプタクル端子２Ｂでは、第２リセばね部４４に、第４延伸部５６と、第２折り返し部５７と、が形成されている。図１６Ａ及び図１７に示すように、第４延伸部５６は、第２延伸部５４よりもリセ基板接続部２１寄りに配置されている。第４延伸部５６は、第２延伸部５４と平行にＹ２軸方向に延びており、リセ基板接続部２１と接続されている。第２折り返し部５７は、第２延伸部５４の他端（－Ｙ２端）と、当該他端に対向する第４延伸部５６の一端（－Ｙ２端）とを挿抜方向（Ｚ２軸方向）に連結する。

　また、リセプタクル端子２Ｂでは、第４リセばね部４６に、第８延伸部６６と、第４折り返し部６７と、が形成されている。図１６Ｂ及び図１７に示すように、第８延伸部６６は、第６延伸部６４よりもリセ基板接続部２１寄りに配置されている。第８延伸部６６は、第６延伸部６４と平行にＹ２軸方向に延びており、リセ基板接続部２１と接続されている。第４折り返し部６７は、第６延伸部６４の他端（＋Ｙ２端）と、当該他端に対向する第８延伸部６６の一端（＋Ｙ２端）とを挿抜方向（Ｚ２軸方向）に連結する。

　リセプタクル端子２Ｂにおいても、第１リセばね部４３、第２リセばね部４４、第３リセばね部４５及び第４リセばね部４６により、リセ基板接続部２１に対して、リセ接点部２２をＸ２軸方向、Ｙ２軸方向及びＺ２軸方向、各軸の回転方向に変位させることができる。リセプタクル端子２Ｂは、リセプタクル端子２Ａよりも、リセスリット５２，６２の数が多いため、Ｘ２軸方向、Ｙ２軸方向及びＺ２軸方向、各軸の回転方向の変位量を大きくすることができる。

　次に、本実施の形態２に係るプラグ端子１及びリセプタクル端子２Ｂの嵌合動作について説明する。プラグ端子１とリセプタクル端子２Ｂとは、嵌合する際に、図１８Ａに示すように、＋Ｚ１方向と＋Ｚ２方向とが逆向きになるような向きに配置される。

　そして、図１８Ｂ、図１８Ｃ及び図１８Ｄに示すように、プラグ端子１の凸状のプラグ接点部１２が、リセプタクル端子２Ｂの凹状のリセ接点部２２に挿入されることによってプラグ端子１とリセプタクル端子２Ｂとが接続される。これにより、第１基板３の電気回路と、第２基板４の電気回路とが、プラグ端子１及びリセプタクル端子２Ｂを介して電気的に接続され、第１基板３と第２基板４との間での信号の伝送又は接地が可能となる。

実施の形態３
　本発明の実施の形態３について説明する。本実施の形態３では、プラグ端子１は、上記実施の形態１と同じである。本実施の形態３では、リセプタクル端子２Ａの代わりに図１９、図２０に示すリセプタクル端子２Ｃが用いられる。

　図１９、図２０に示すように、リセプタクル端子２Ｃでは、リセ基板接続部２１と、リセ接点部２２と、第１リセ弾性部２３と、第２リセ弾性部２４と、を備える点がリセプタクル端子２Ａと同じである。リセプタクル端子２Ｃにおいて、第１リセ弾性部２３が第１リセばね部４３と第２リセばね部４４とを備え、第２リセ弾性部２４が第３リセばね部４５と第４リセばね部４６とを備える点もリセプタクル端子２Ａと同じである。リセプタクル端子２Ｃにおいて、第１リセばね部４３が第２立体Ｃ２の第１リセ側面Ｓ２１に沿って形成される点、第２リセばね部４４が第２立体Ｃ２の第２リセ側面Ｓ２２に沿って形成される点、第３リセばね部４５が第２立体Ｃ２の第３リセ側面Ｓ２３に沿って形成される点、第４リセばね部４６が第２立体Ｃ２の第４リセ側面Ｓ２４に沿って形成される点もリセプタクル端子２Ａと同じである。

　本実施の形態でも、第１リセばね部４３及び第２リセばね部４４に挿抜方向と交差する方向に延びる切り欠きであるリセスリット５２が形成される。また、第１リセばね部４３ではリセスリット５２により第１リセ接点接続部５０と第３延伸部５１とに分けられている。また、第２リセばね部４４では、このリセスリット５２によって、第１延伸部５３と、第２延伸部５４と、第１折り返し部５５と、が形成されている。ただし、本実施の形態では、第１延伸部５３及び第２延伸部５４のＹ２軸方向の長さは、リセプタクル端子２ＣのＹ２軸方向の幅の半分未満となっている。

　また、第３リセばね部４５及び第４リセばね部４６には、挿抜方向と交差する方向に延びるリセスリット６２が形成されている。第３リセばね部４５では、リセスリット６２により、第２リセ接点接続部６０と、第７延伸部６１とに分けられている。第４リセばね部４６には、このリセスリット６２によって、第５延伸部６３と、第６延伸部６４と、第３折り返し部６５と、が形成されている。ただし、本実施の形態では、第５延伸部６３及び第６延伸部６４のＹ２軸方向の長さは、リセプタクル端子２ＣのＹ２軸方向の幅の半分未満となっている。

　本実施の形態では、第１リセ弾性部２３は、第１リセばね部４３及び第２リセばね部４４に加え、第５リセばね部４７を備える。第２リセ弾性部２４は、第３リセばね部４５及び第４リセばね部４６に加え、第６リセばね部４８を備える。

　第５リセばね部４７は、第２立体Ｃ２の側面の一部であり、第２リセ側面Ｓ２２に対向する第４リセ側面Ｓ２４に沿って形成される。第５リセばね部４７は、第４リセ側面Ｓ２４に対して変形可能である。第５リセばね部４７には、挿抜方向と交差する方向に延びる切り欠きであるリセスリット５２が形成されている。第５リセばね部４７には、リセスリット５２によって、挿抜方向と交差する方向に延び、一端で第１リセ接点接続部５０と接続される第９延伸部７１と、第９延伸部７１よりもリセ基板接続部２１寄りに配置され、第９延伸部７１と平行に延びる第１０延伸部７２と、第９延伸部７１の他端と、その他端に対向する第１０延伸部７２の一端とを挿抜方向に連結する第５折り返し部７３と、が形成されている。第３延伸部５１は、他端で第１０延伸部７２の他端と接続する。第９延伸部７１と第１０延伸部７２と第５折り返し部７３とを連結して形成される部材の形状及び大きさは、第１延伸部５３と第２延伸部５４と第１折り返し部５５とを連結して形成される部材の形状及び大きさと同じである。

　第６リセばね部４８は、第２立体Ｃ２の側面の一部であり、第２リセ側面Ｓ２２に沿って形成される。第６リセばね部４８は、第２リセ側面Ｓ２２に対して変形可能である。第６リセばね部４８には、挿抜方向と交差する方向に延びる切り欠きであるリセスリット６２が形成されている。第６リセばね部４８には、リセスリット６２によって、挿抜方向と交差する方向に延び、一端で第２リセ接点接続部６０と接続される第１１延伸部７４と、第１１延伸部７４よりもリセ基板接続部２１寄りに配置され、第１１延伸部７４と平行に延びる第１２延伸部７５と、第１１延伸部７４の他端と、その他端に対向する第１２延伸部７５の一端とを挿抜方向に連結する第６折り返し部７６と、が形成されている。第７延伸部６１は、他端で第１２延伸部７５の他端と接続する。第１１延伸部７４と第１２延伸部７５と第６折り返し部７６とを連結して形成される部材の形状及び大きさは、第５延伸部６３と第６延伸部６４と第３折り返し部６５とを連結して形成される部材の形状及び大きさと同じである。

　本実施の形態に係るリセプタクル端子２Ｃは、その形状が、中心点Ｏを通りＸ２軸に平行な軸を基準として線対称であり、中心点Ｏを通りＹ２軸に平行な軸を基準として線対称である。このような形状とすれば、＋Ｘ方向に力がかかった場合と、－Ｘ方向に力がかかった場合とで端子の変形を均等にすることができるうえ、＋Ｙ方向に力がかかった場合と、－Ｙ方向に力がかかった場合とで端子の変形を均等にすることができる。

［プラグ端子の効果］
　以上詳細に説明したように、本実施の形態に係るプラグ端子１によれば、プラグ基板接続部１１とプラグ接点部１２とを接続する第１プラグ弾性部１３が、プラグ接点部１２を内包するプラグ平面図形Ｂ１１を平面とする、仮想的な第１立体Ｃ１の側面の一部である第１プラグ側面Ｓ１１に対して変形可能な第１プラグばね部３０と、第２プラグ側面Ｓ１２に対して変形可能な第２プラグばね部３１と、を備えている。これにより、プラグ基板接続部１１に対するプラグ接点部１２の相対位置を、リセプタクル端子２Ａ，２Ｂ，２Ｃとの挿抜方向に交差するＸ１軸方向、Ｙ１軸方向にずらすことができる。また、プラグ基板接続部１１に対するプラグ接点部１２の相対位置を、挿抜方向に平行なＺ１軸方向にずらすことができる。さらには、プラグ基板接続部１１に対するプラグ接点部１２の回転位置を、各軸の回転方向にずらすことができる。それゆえ、リセプタクル端子２Ａ，２Ｂ，２Ｃに対する追従性を向上できる。

　また、プラグ端子１によれば、プラグ基板接続部１１とプラグ接点部１２とを接続する第２プラグ弾性部１４が、相手端子であるリセプタクル端子２Ａ，２Ｂ，２Ｃとの挿抜方向に見たときにプラグ接点部１２を内包するプラグ平面図形Ｂ１１を平面とする、又はプラグ平面図形Ｂ１２を底面とする、仮想的な第１立体Ｃ１の側面の一部である第３プラグ側面Ｓ１３に対して変形可能な第３プラグばね部３３と、第４プラグ側面Ｓ１４に対して変形可能な第４プラグばね部３４と、を備えている。これにより、プラグ基板接続部１１に対するプラグ接点部１２の相対位置を、リセプタクル端子２Ａ，２Ｂ，２Ｃとの挿抜方向に交差するＸ１軸方向、Ｙ１軸方向、挿抜方向と平行なＺ１軸方向及び各軸の回転方向にずらすことができるので、リセプタクル端子２Ａ，２Ｂ，２Ｃに対する追従性を向上できる。

　なお、Ｘ１軸方向の変位量（フローティング量）、Ｙ１軸方向の変位量及びＺ１軸方向の変位量は異なっていてもよい。例えば、Ｘ１軸方向の最大変位量とＹ軸方向の最大変位量とは異なっていてもよいし、Ｚ１軸方向の変位量は、Ｘ１軸方向の変位量、Ｙ１軸方向の変位量と比較して小さくてもよい。

　また、このプラグ端子１によれば、第１プラグ弾性部１３及び第２プラグ弾性部１４をＸ１軸方向及びＹ１軸方向に折り曲げて形成しているため、小型ながらにして、プラグ基板接続部１１に対するプラグ接点部１２の変位量を大きくすることができる。逆に言えば、プラグ基板接続部１１に対するプラグ接点部１２の変位量を保ちつつ、プラグ端子１全体を小型化することができる。

　また、プラグ端子１では、プラグ接点部１２と、第１プラグ弾性部１３及び第２プラグ弾性部１４とを接続するプラグ接点接続部１５にプラグスリット３６が設けられている。これにより、プラグ基板接続部１１に対するプラグ接点部１２の変位をより大きくすることができる。また、第１プラグ弾性部１３及び第２プラグ弾性部１４の変形により生じる応力を軽減することができる。

　また、プラグ端子１では、第１プラグ弾性部１３及び第２プラグ弾性部１４が、挿抜方向に見て、プラグ接点部１２を中心に、点対称に配置されている。これにより、プラグ接点部１２の変位量を各軸のプラス方向とマイナス方向とで、同じとすることができる。また、プラグ接点部１２がプラグ基板接続部１１に対してずれ、第１プラグ弾性部１３及び第２プラグ弾性部１４が変形した場合でも、双方に係る応力を均等化することができる。

　また、プラグ端子１は、挿抜方向に見て、Ｓ字状に形成されている。このようにすれば、プラグ接点部１２がプラグ基板接続部１１に対してＺ１軸周りの回転方向にずれたとしても、第１プラグ弾性部１３及び第２プラグ弾性部１４が、同じように変形するようになり、双方に係る応力を均等化することができる。

［リセプタクル端子の効果］
　また、本実施の形態に係るリセプタクル端子２Ａ，２Ｂ，２Ｃによれば、リセ基板接続部２１とリセ接点部２２とを接続する第１リセ弾性部２３が、リセ平面図形Ｂ２１を平面とし、又はリセ平面図形Ｂ２２を底面とする、仮想的な第２立体Ｃ２の側面の一部である第１リセ側面Ｓ２１に対して変形可能な第１リセばね部４３と、第２リセ側面Ｓ２２に対して変形可能な第２リセばね部４４と、を備えている。これにより、リセ基板接続部２１に対するリセ接点部２２の相対位置を、リセプタクル端子２Ａ，２Ｂ，２Ｃとの挿抜方向に交差するＸ２軸方向、Ｙ２軸方向、挿抜方向に平行なＺ２軸方向及びＸ２，Ｙ２，Ｚ２各軸の回転方向にずらすことができるので、リセプタクル端子２Ａ，２Ｂ，２Ｃに対する追従性を向上できる。

　また、第１リセばね部４３には、リセ接点部２２と接続する第１リセ接点接続部５０が形成されている。さらに、第２リセばね部４４には、挿抜方向と交差する方向に延びるリセスリット５２が形成され、リセスリット５２によって、第１延伸部５３と、第２延伸部５４と、第１折り返し部５５と、が形成されている。このように、挿抜方向と交差する方向に延びるリセスリット５２を第２リセばね部４４に形成することにより、第２リセばね部４４によるリセ接点部２２の変位量を大きくすることが可能となる。

　また、リセプタクル端子２Ａ，２Ｃでは、第１リセばね部４３には、挿抜方向と交差する方向に延び、一端で第２延伸部５４の他端と接続し、リセ基板接続部２１と接続する第３延伸部５１が設けられている。これにより、第１リセ弾性部２３を、第１リセばね部４３から第２リセばね部４４まで二重に延びる構成とすることができるので、第１リセ弾性部２３の変形による変位量を大きくすることができる。

　また、リセプタクル端子２Ｂでは、第２リセばね部４４に、リセ基板接続部２１に接続される第４延伸部５６と、第２延伸部５４の他端と、当該他端に対向する第４延伸部５６の一端とを挿抜方向に連結する第２折り返し部５７が形成されている。これにより、第２リセばね部４４の構成をメアンダ状とすることができるので、第２リセばね部４４の変形による変位量を大きくすることができる。

　また、リセプタクル端子２Ａ，２Ｂ，２Ｃでは、第１リセ弾性部２３と、第２リセ弾性部２４とが、挿抜方向に見て、リセ接点部２２を中心に、点対称に配置されている。これにより、リセ接点部２２がリセ基板接続部２１に対してずれ、第１リセ弾性部２３及び第２リセ弾性部２４が変形した場合でも、双方に係る応力を均等にすることができる。

　また、リセプタクル端子２Ａ，２Ｂ，２Ｃでは、リセ接点部２２は、プラグ端子１のプラグ接点部１２に接触する第１接点４０と、第１接点４０に対向して配置され、プラグ端子１の接点を第１接点４０と挟持する第２接点４１と、を備える。このようにすれば、プラグ端子１のプラグ接点部１２を、第１接点４０と第２接点４１とで挟持し、その接触状態を確実なものとすることができる。第１接点４０が第１リセ弾性部２３と接続され、第２接点４１が第２リセ弾性部２４と接続されている。

　また、リセプタクル端子２Ａ，２Ｂ，２Ｃは、第１接点４０と第２接点４１との間隔の拡大を規制する規制部４２を備える。これにより、第１接点４０と第２接点４１とで、プラグ端子１のプラグ接点部１２を確実に挟持することができる。

　また、リセプタクル端子２Ａ，２Ｂ，２Ｃでは、規制部４２は、挿抜方向に対して、リセ基板接続部２１に近づく方向に凹状に屈曲している。これにより、規制部４２が、プラグ端子１のプラグ接点部１２と干渉するのを防ぐことができる。

　なお、第１基板３には、複数のプラグ端子１が実装され、第２基板４には、複数のリセプタクル端子２Ａ，２Ｂ，２Ｃが実装される場合がある。この場合、プラグ端子１及びリセプタクル端子２Ａ，２Ｂ，２Ｃは、第１基板３及び第２基板４におけるプラグ端子１及びリセプタクル端子２Ａ，２Ｂ，２Ｃの実装位置の誤差による位置ずれを、第１プラグ弾性部１３、第２プラグ弾性部１４、第１リセ弾性部２３、第２リセ弾性部２４の弾性変形により吸収し、端子間の良好な接続を実現することができる。

　なお、上記実施の形態に係るプラグ端子１及びリセプタクル端子２Ａ，２Ｂ，２Ｃにおいて、仮想的な第１立体Ｃ１及び第２立体Ｃ２を直方体であるものとしている。しかしながら、これには限られない。第１立体Ｃ１又は第２立体Ｃ２は、三角柱又は五角柱など、四角柱以外の角柱であってもよいし、円柱であってもよいし、円柱と角柱を組み合わせた形状となっていてもよい。円柱の場合には、第１立体Ｃ１の第１プラグ側面Ｓ１１～第４プラグ側面Ｓ１４及び第２立体Ｃ２の第１リセ側面Ｓ２１～第４リセ側面Ｓ２４は、全体で円筒側面を形成するようになっていてもよい。

　この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。

　なお、本願については、２０２２年３月３日に出願された日本国特許出願２０２２－３２３１８号を基礎とする優先権を主張し、本明細書中に日本国特許出願２０２２－３２３１８号の明細書、請求の範囲、図面全体を参照として取り込むものとする。

　本発明は、基板に実装される端子に適用することができる。

　１　プラグ端子（端子）、２Ａ，２Ｂ，２Ｃ　リセプタクル端子（相手端子）、３　第１基板（基板）、４　第２基板、１１　プラグ基板接続部（基板接続部）、１１ａ　プラグ位置決め部、１２　プラグ接点部（接点部）、１３　第１プラグ弾性部（第１弾性部）、１４　第２プラグ弾性部（第２弾性部）、１５　プラグ接点接続部（接点接続部）、１７　第１プラグ接続部、１８　第２プラグ接続部、２１　リセ基板接続部、２１ａ　リセ位置決め部、２２　リセ接点部、２３　第１リセ弾性部、２４　第２リセ弾性部、３０　第１プラグばね部（第１ばね部）、３１　第２プラグばね部（第２ばね部）、３２　第１連結部、３３　第３プラグばね部（第３ばね部）、３４　第４プラグばね部（第４ばね部）、３５　第２連結部、３６　プラグスリット（切り欠き）、３７　第１接続部、３８　第２接続部、４０　第１接点（接点）、４１　第２接点（接点）、４２　規制部、４３　第１リセばね部、４４　第２リセばね部、４５　第３リセばね部、４６　第４リセばね部、４７　第５リセばね部、４８　第６リセばね部、５０　第１リセ接点接続部、５１　第３延伸部、５２　リセスリット、５３　第１延伸部、５４　第２延伸部、５５　第１折り返し部、５６　第４延伸部、５７　第２折り返し部、６０　第２リセ接点接続部、６１　第７延伸部、６２　リセスリット、６３　第５延伸部、６４　第６延伸部、６５　第３折り返し部、６６　第８延伸部、６７　第４折り返し部、７１　第９延伸部、７２　第１０延伸部、７３　第５折り返し部、７４　第１１延伸部、７５　第１２延伸部、７６　第６折り返し部、Ｂ１１，Ｂ１２　プラグ平面図形（平面図形）、Ｂ２１，Ｂ２２　リセ平面図形、Ｃ１　第１立体（立体）、Ｃ２　第２立体、Ｓ１１　第１プラグ側面（第１側面）、Ｓ１２　第２プラグ側面（第２側面）、Ｓ１３　第３プラグ側面（第３側面）、Ｓ１４　第４プラグ側面（第４側面）、Ｓ２１　第１リセ側面、Ｓ２２　第２リセ側面、Ｓ２３　第３リセ側面、Ｓ２４　第４リセ側面

Claims (5)

1. 　導電性の材料で構成される端子であって、
   　基板に接続する基板接続部と、
   　前記基板の主面と交差する挿抜方向に挿抜される相手端子の接点と接触する接点部と、
   　前記基板接続部と前記接点部とを接続する第１弾性部と、を備え、
   　前記第１弾性部は、
   　前記挿抜方向に見たときに前記接点部を内包する平面図形を平面又は底面とする、仮想的な立体の側面の一部である第１側面に沿って形成され、前記第１側面に対して変形可能な第１ばね部と、
   　前記立体の側面の一部であり、前記第１側面とは法線方向が異なる第２側面に沿って形成され、前記第２側面に対して変形可能な第２ばね部と、
   　前記第１ばね部と前記第２ばね部とを連結する第１連結部と、
   　を備える、
   　端子。
2. 　前記基板接続部と前記接点部とを接続する第２弾性部を備え、
   　前記第２弾性部は、
   　前記立体の側面の一部であり、前記第１側面に対向する第３側面に沿って形成され、前記第３側面に対して変形可能な第３ばね部と、
   　前記立体の側面の一部であり、前記第２側面に対向する第４側面に沿って形成され、前記第４側面に対して変形可能な第４ばね部と、
   　前記第３ばね部と前記第４ばね部とを連結する第２連結部と、
   　を備える、
   　請求項１に記載の端子。
3. 　前記第１弾性部及び前記第２弾性部と、前記接点部とを接続する接点接続部を備え、
   　前記接点接続部は、
   　前記基板接続部から前記接点部に向かって前記挿抜方向に沿って延びる切り欠きによって、前記第１弾性部と接続される第１接続部と、前記第２弾性部と接続される第２接続部と、に分けられている、
   　請求項２に記載の端子。
4. 　前記第１弾性部及び前記第２弾性部が、前記挿抜方向に見て、前記接点部を中心に、点対称に配置されている、
   　請求項２又は３に記載の端子。
5. 　前記挿抜方向に見て、Ｓ字状に形成されている、
   　請求項４に記載の端子。

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