WO2023145708A1 - 重合体粒子 - Google Patents

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Abstract

重合体粒子からなる成型片を用いた圧縮クリープ試験における、50℃、10秒後の変形率が0.30以下であって、80℃、10秒後の変形率が0.60以上である、重合体粒子。重合体粒子からなる粒子膜の表面自由エネルギーが15mN/m以上35mN/m以下であることが好ましい。重合体粒子がフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)由来の構造単位を含むことが好ましい。 他の塗膜を構成する成分に少量混合することにより、加熱プレス時の接着性、粘着抑制性及び溶媒に対する膨潤抑制性に優れた塗膜を形成し得る、重合体粒子を提供する。

Description

重合体粒子
 本発明は、加熱プレス時の接着性、粘着抑制性及び溶媒に対する膨潤抑制性に優れた塗膜を形成し得る、重合体粒子に関する。
 重合体粒子は、リチウムイオン2次電池の電池特性向上を狙ったバインダー用途や、種々基材へのコーティングによる密着性付与を目的として用いられている。重合体粒子は用いられる用途に応じて様々な特性が要求されており、かかる要求を満足すべく様々な提案がなされている(例えば特許文献1~3を参照)。
特許第6111895号公報 特許第6011608号公報 特許第5698127号公報
 しかしながら、加熱プレス時の接着性、粘着抑制性及び溶媒に対する膨潤抑制性に優れた塗膜を形成する重合体粒子は、未だ確立されていなかった。
 本発明は、他の塗膜を構成する成分に混合することにより、加熱プレス時の接着性、粘着抑制性及び溶媒に対する膨潤抑制性に優れた塗膜を形成し得る、重合体粒子を提供する。
 本発明の重合体粒子は、重合体粒子からなる成型片を用いた圧縮クリープ試験における、50℃、10秒後の変形率(X)が0.30以下であって、80℃、10秒後の変形率(Y)が0.60以上である、重合体粒子である。重合体粒子からなる粒子膜の表面自由エネルギーが15mN/m以上35mN/m以下であることが好ましい。重合体粒子がフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)由来の構造単位を含むことが好ましい。
 本発明の重合体粒子は、塗膜を構成する成分に添加することで、加熱プレス時の接着性、粘着抑制性及び溶媒に対する膨潤抑制性を発現させることができる。
 以下、本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、下記に記載された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含むものとして理解されるべきである。なお、本明細書における「~(メタ)アクリレート」とは、「~アクリレート」および「~メタクリレート」の双方を包括する概念である。
 本発明の重合体粒子は、重合体粒子からなる成型片を用いた圧縮クリープ試験における、50℃、10秒後の変形率(X)が0.30以下であって、80℃、10秒後の変形率(Y)が0.60以上である。重合体粒子からなる成型片を用いた圧縮クリープ試験における、50℃、10秒後の変形率(X)を上記範囲とすることにより、フィルムに対する粘着抑制性に優れた重合体粒子を得ることができる。また、重合体粒子からなる成型片を用いた圧縮クリープ試験における、80℃、10秒後の変形率(Y)を上記範囲とすることにより、加熱プレス時の接着性に優れた重合体粒子を得ることができる。
 重合体粒子からなる成型片を用いた圧縮クリープ試験における、50℃、10秒後の変形率(X)の上限値は、好ましくは0.3未満、より好ましくは0.26以下、特に好ましくは0.22以下であるとよい。重合体粒子からなる成型片を用いた圧縮クリープ試験における、50℃、10秒後の変形率(X)の下限値は、好ましくは0以上であるとよい。重合体粒子からなる成型片を用いた圧縮クリープ試験における、50℃、10秒後の変形率(X)は、単量体の種類および組成比を変更することにより調節することができる。
 重合体粒子からなる成型片を用いた圧縮クリープ試験における、80℃、10秒後の変形率(Y)の上限値は、好ましくは1.0以下であるとよい。重合体粒子からなる成型片を用いた圧縮クリープ試験における、80℃、10秒後の変形率(Y)の下限値は、好ましくは0.6超、特に好ましくは0.62以上であるとよい。重合体粒子からなる成型片を用いた圧縮クリープ試験における、80℃、10秒後の変形率(Y)は、単量体の種類および組成比を変更することにより調節することができる。
 なお、本明細書において、「重合体粒子からなる成型片を用いた圧縮クリープ試験における、50℃、10秒後の変形率(X)及び80℃、10秒後の変形率(Y)」は、以下の方法で測定する。重合体粒子からなる成型片は、重合体粒子を加熱プレスにより厚さ6mm程度の厚みのシート状に成型したものを、6mm角の立方体状に切断した成型片である。重合体粒子からなる成型片を用いて、以下の手順・条件で圧縮クリープ試験を実施する。
 測定手順は、以下の通りである。
(i)予め100℃に設定しておいた装置内に試料をセットし、加熱炉を素早く閉じる。
(ii)Gapを6mmに設定し、二枚の円板治具と試料を充分に接触させる。
(iii)各測定温度に素早く冷却し、温度が安定したことを確認した後に測定を開始する。
 測定条件は、以下の通りである。
圧縮荷重:20N、測定温度:50℃、80℃ 、測定雰囲気:窒素気流中。
 得られた圧縮クリープ試験の結果を用いて、次式より、重合体粒子からなる成型片を用いた圧縮クリープ試験における、50℃、10秒後の変形率(X)及び80℃、10秒後の変形率(Y)を求める。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
 ここでTおよびΔTはそれぞれ試験前の成型片の厚み、各温度で10秒試験した後の成型片厚みの変位である。
 重合体粒子は、重合体粒子からなる粒子膜の表面自由エネルギーが15mN/m以上35mN/m以下であることにより、溶媒に対する膨潤抑制性に優れた重合体粒子を得ることができる。
 本明細書において「重合体粒子からなる粒子膜の表面自由エネルギー」とは、重合体粒子を固形分濃度が10質量%となるように水に分散させた分散液を調製し、この分散液をPET基材上にバーコーター(#3番手)で塗布し60℃で10分乾燥し塗膜層を形成し、塗膜層を既知の溶媒を用いた接触角測定を行い、Young-Dupreの式より求める。
 重合体粒子からなる粒子膜の表面自由エネルギーは、好ましくは15mN/m超、より好ましくは18mN/m以上、さらに好ましくは21mN/m以上、一層好ましくは24mN/m以上である。粒子膜の表面自由エネルギーは、好ましくは35mN/m未満、より好ましくは33mN/m以下、さらに好ましくは31mN/m以下、一層好ましくは29mN/m以下である。重合体粒子からなる粒子膜の表面自由エネルギーを上記範囲とし、塗膜に少量混合することにより、溶媒に対する膨潤抑制性に優れた塗膜を形成し得る粒子を安定的に製造できる。重合体粒子からなる粒子膜の表面自由エネルギーは、重合体粒子の単量体の種類および組成比を変更することにより調節することができる。
 重合体粒子は、フッ素含有(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)由来の構造単位を含むとよい。
 重合体粒子は、フッ素含有(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)及びその他のラジカル重合性化合物からなる単量体(B)の混合物を水性媒体中で乳化重合することにより得られる共重合粒子であるとよい。
 フッ素含有(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)は、そのエステル部分がフッ素を含む炭素数1~10の炭化水素基であるとよい。フッ素含有(メタ)アクリル酸エステル単量体として、例えば、2,2,2-トリフルオロエチルアクリレート、2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルアクリレート、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルメタクリレート、等が挙げられる。
 フッ素含有(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)の上限値は、重合体粒子単位100質量%中、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下、特に好ましくは35質量%以下であるとよい。フッ素含有(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)の下限値は、重合体粒子単位100質量%中、好ましくは10質量%超、より好ましくは14質量%以上、さらに好ましくは18質量%以上、特に好ましくは22質量%以上である。フッ素含有(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)を上記の範囲とすることにより、溶媒に対する膨潤抑制性に優れた重合体粒子を得ることができる。
 重合体粒子は、コア部及び前記コア部の外表面の少なくとも一部を覆うシェル部を備えるコアシェル構造を有するとよい。
 重合体粒子のコアシェル構造は、STEM(Scanning Transmission Electron Microscopy)-EDX(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)法により、重合体粒子の炭素及びフッ素の元素分布を評価することで確認できる。
 重合体粒子は、前記コア部と前記シェル部の合計に占める前記シェル部の割合が3質量%超40質量%未満であるとよい。前記コア部と前記シェル部の合計に占める前記シェル部の割合の上限値は、重合体粒子単位100質量%中、好ましくは40質量%未満、より好ましくは35質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、特に好ましくは25質量%以下であるとよい。前記コア部と前記シェル部の合計に占める前記シェル部の割合の下限値は、重合体粒子単位100質量%中、好ましくは3.0質量%超、より好ましくは5.0質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上、特に好ましくは15質量%以上であるとよい。前記コア部と前記シェル部の合計に占める前記シェル部の割合を上記の範囲とすることにより、加熱プレス時の接着性及び粘着抑制性に優れた重合体粒子を得ることができる。
 重合体粒子は、前記コア部のガラス転移温度が50℃未満であるとよい。なお、本明細書において、「重合体粒子のガラス転移温度(Tg)」とは、JIS K7121:2012に従って、示差走査熱量測定(DSC)により測定したものである。
 前記コア部のガラス転移温度の上限値は、好ましくは47℃以下、より好ましくは44℃以下、さらに好ましくは41℃以下、特に好ましくは38℃以下であるとよい。前記コア部のガラス転移温度の下限値は、好ましくは15℃以上、より好ましくは20℃以上、さらに好ましくは20℃超、特に好ましくは23℃以上であるとよい。前記コア部のガラス転移温度を上記の範囲とすることにより、加熱プレス時の接着性に優れた重合体粒子を得ることができる。
 重合体粒子は、前記シェル部のガラス転移温度が80℃未満であるとよい。
 前記シェル部のガラス転移温度の上限値は、好ましくは77℃以下、より好ましくは74℃以下、さらに好ましくは71℃以下、特に好ましくは68℃以下であるとよい。前記シェル部のガラス転移温度の下限値は、好ましくは47℃超、さらに好ましくは50℃以上、特に好ましくは53℃以上であるとよい。前記シェル部のガラス転移温度を上記の範囲とすることにより、粘着抑制性に優れた重合体粒子を得ることができる。
 その他のラジカル重合性化合物からなる単量体(B)は、例えばベンジル基または炭素数5~10の環状炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体(C)、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体(D)、1分子あたり2個以上の反応性基を有する単量体(E)及びその他(メタ)アクリル酸エステル単量体(F)があげられる。
 ベンジル基または炭素数5~10の環状炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体(C)は、そのエステル部分がベンジル基または炭素数5~10の環状炭化水素基であるとよい。ベンジル基または炭素数5~10の環状炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体(C)として、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
 水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体(D)は、そのエステル部分が水酸基を含む炭素数1~10の炭化水素基であるとよい。水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体(D)として、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
 1分子あたり2個以上の反応性基を有する単量体(E)として、重合した際に架橋構造を形成しうる単量体を用いることができる。1分子あたり2個以上の反応性基を有する単量体(E)は、例えば、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、及びウレタンアクリレート、等が挙げられる。
 その他(メタ)アクリル酸エステル単量体(F)は、上述した(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)(C)(D)を除く(メタ)アクリル酸エステルであるとよい。例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸-n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリル酸-sec-ブチル、(メタ)アクリル酸-tert-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸-2-ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸-2-ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸-2-ジプロピルアミノエチル、(メタ)アクリル酸-2-ジフェニルアミノエチル、(メタ)アクリル酸3-(N,N-ジメチルアミノ)プロピル等が挙げられる。
 重合体粒子の体積平均粒子径は、100nm以上500nm以下であることが好ましい。重合体粒子の体積平均粒子径は、好ましくは100nm超、より好ましくは120nm以上、さらに好ましくは150nm以上であるとよい。重合体粒子の体積平均粒子径は、好ましくは500nm未満、より好ましくは450nm以下、さらに好ましくは400nm以下であるとよい。体積平均粒子径を前述の範囲以上とすることで、重合体粒子を分散させた分散液の粘度が上昇するのを抑制し、高固形分の水性分散液が得られやすくなる。また体積平均粒子径を前述の範囲以下とすることで、重合体粒子の分散液の貯蔵安定性を良好にでき、さらに形成される塗膜の均一性を良好にすることができる。重合体粒子の体積平均粒子径は、乳化剤の種類および組成比を変更することにより調節することができる。
 重合体粒子の粒度分布(体積平均粒子径/数平均粒子径)は、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.4以下、さらに好ましくは1.3以下、一層好ましくは1.2以下、なお好ましくは1.1以下であるとよい。粒度分布を1.5以下とすることで、重合体粒子を含む塗膜の均一性を良好にすることができる。重合体粒子の粒度分布は、単量体、乳化剤の種類、組成比および重合条件を変更することにより調節することができる。
 なお、重合体粒子は、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置を用いて、平均粒子径、粒度分布を測定することができる。このような粒度分布測定装置としては、例えば、HORIBA LB-550、SZ-100シリーズ(以上、(株)堀場製作所製)、FPAR-1000(大塚電子(株)製)等が挙げられる。
 本発明の重合体粒子は、水と混合することにより、分散液を調製することができる。この分散液は、重合体粒子の他に、アルミナやチタニアなどの無機粒子も混合することができる。分散液のpHは、好ましくは5.0以上10.0以下、より好ましくは6.0以上9.5以下であるとよい。分散液のpHをこのような範囲内にすることにより、分散安定性を改善することができる。
 本発明の重合体粒子を含む分散液は、フィルム用に使用すること、すなわちフィルムに塗布し塗膜を形成することにより、フィルムの表面特性を改質することができる。フィルムは、特に制限されるものではなく、例えば、プラスチックフィルム、金属フィルム、紙、多孔質フィルム、多孔質基材、導電フィルム、等が挙げられる。
 単量体混合物の乳化重合の条件は特に制限されるものではなく、例えば、水性媒体中に、乳化剤および重合開始剤の存在下で、好ましくは50~100℃程度の温度で1~30時間程度反応を行えばよい。なお、必要に応じて連鎖移動剤、キレート化剤、pH調整剤、溶媒等を添加してもよい。
 乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との組み合わせ等が使用され、場合によっては両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤も用いることができる。
 アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステルナトリウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸ナトリウム塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム塩等が挙げられる。これらの中でも、ラウリル硫酸エステルナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム等が好ましい。
 非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。一般的には、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等が使用される。
 両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルベタイン、ヒドロキシエチルイミダゾリン硫酸エステルナトリウム塩、イミダゾリンスルホン酸ナトリウム塩等が挙げられる。
 カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルピリジニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
 また、乳化剤として、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルポリオキシエチレン、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルコキシフルオロカルボン酸アンモニウム等のフッ素系界面活性剤を使用することもできる。
 さらに、上記の単量体と共重合可能な、いわゆる反応性乳化剤、例えばスチレンスルホン酸ナトリウム塩、アリルアルキルスルホン酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアリルフェニルエーテル硫酸アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアリルフェニルエーテル等を使用することができ、特に2-(1-アリル)-4-ノニルフェノキシポリエチレングリコール硫酸エステルアンモニウム塩と2-(1-アリル)-4-ノニルフェノキシポリエチレングリコールとの併用が好ましい。
 乳化剤の使用量は、単量体混合物の合計量100質量部当たり、好ましくは0.05~10質量部程度である。
 重合開始剤としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等の水溶性重合開始剤、あるいはこれらの水溶性重合開始剤と還元剤とを組み合わせたレドックス系重合開始剤を使用することができる。これらの中でも、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムが好ましい。還元剤としては、例えば、ピロ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、L-アスコルビン酸またはその塩、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、硫酸第一鉄、グルコース等が挙げられる。これらの中でも、L-アスコルビン酸またはその塩が好ましい。
 また、油溶性重合開始剤も単量体あるいは溶媒に溶解して使用することができる。この油溶性重合開始剤としては、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス-(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、1,1’-アゾビスシクロヘキサン-1-カルボニトリル、2,2’-アゾビスイソバレロニトリル、2,2’-アゾビスイソカプロニトリル、2,2’-アゾビス(フェニルイソブチロニトリル)、ベンゾイルパーオキシド、ジ-t-ブチルパーオキシド、ジラウロイルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド、パラメンタンハイドロパーオキシド、t-ブチルハイドロパーオキシド、3,5,5-トリメチルヘキサノールパーオキシド、t-ブチルパーオキシ(2-エチルヘキサノエート)等が挙げられる。これらの中でも、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド、パラメンタンハイドロパーオキシド、t-ブチルハイドロパーオキシド、3,5,5-トリメチルヘキサノールパーオキシド、t-ブチルパーオキシ(2-エチルヘキサノエート)が好ましい。
 重合開始剤の使用量は、単量体混合物100質量部当たり、好ましくは0.1~3質量部程度である。
 連鎖移動剤としては、ハロゲン化炭化水素(例えば四塩化炭素、クロロホルム、ブロモホルム等)、メルカプタン類(例えばn-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン、n-オクチルメルカプタン、n-ヘキサデシルメルカプタン等)、キサントゲン類(例えばジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド等)、テルペン類(例えばジペンテン、ターピノーレン等)、チウラムスルフィド類(例えばテトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチルチウラムジスルフィド等)が挙げられる。
 連鎖移動剤の使用量は、単量体混合物100質量部当たり、好ましくは0~10質量部程度である。
 pH調整剤としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア等が挙げられる。また、pH調整剤の使用量は、単量体混合物100質量部当たり、好ましくは0~3質量部程度である。
 水性媒体中で単量体混合物を乳化重合する際には、単量体混合物は種々の方法で添加することができる。添加方法としては、単量体混合物の全量を一括して添加する方法、単量体混合物の一部を仕込んで反応させた後、残りの単量体混合物を連続または分割して仕込む方法、反応させた粒子の一部を仕込んだ後、残りの単量体混合物を連続または分割して仕込む方法、単量体混合物の全量を連続または逐次分割して仕込む方法などがあるが、単量体混合物の一部を仕込んで反応させた後、残りの単量体混合物を連続または分割して仕込む方法もしくは、反応させた粒子の一部を仕込んだ後、残りの単量体混合物を連続または分割して仕込む方法が好ましい。
 本発明の重合体粒子は、電池材料の結着剤として好ましく使用できる。特に、リチウムイオン2次電池のセパレータフィルム(バッテリーセパレータフィルム)上の塗膜に添加することで、電極との加熱プレス時の接着性に優れたバッテリーセパレータフィルムを作成でき、リチウムイオン2次電池を高い生産性で作成することが可能となる。
 本発明のバッテリーセパレータフィルムは、多孔質基材上に、重合体粒子を含む塗膜を有するバッテリーセパレータフィルムであって、該重合体粒子が前記の重合体粒子である。ここで、多孔質基材とは、内部に微細孔を有し、これら微細孔が一方の面から他方の面へと連結された構造を有する。多孔質基材を構成する材料としては、電気絶縁性であり、電気的に安定で、電解液にも安定である樹脂から構成されていることが好ましい。また、シャットダウン機能を付与する観点から用いる樹脂は融点が200℃以下の熱可塑性樹脂が好ましい。ここでのシャットダウン機能とは、リチウムイオン2次電池が異常発熱した場合に、熱で溶融することで多孔構造を閉鎖し、イオン移動を停止させて、放電を停止させる機能のことである。
 このような熱可塑性樹脂としては、例えばポリオレフィン系樹脂が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、およびこれらを組み合わせた混合物などが挙げられ、例えばポリエチレンを90質量%以上含有する単層の多孔質基材、ポリエチレンとポリプロピレンからなる多層の多孔質基材などが挙げられる。
 バッテリーセパレータフィルムの厚みは、3μm以上50μm以下が好ましく、より好ましくは5μm以上、また30μm以下である。バッテリーセパレータフィルムの厚みが50μm以下とすることで多孔質基材の内部抵抗の増加を抑制できる。また、バッテリーセパレータフィルムの厚みが3μm以上とすることで、多孔質基材の製造が可能となり、また十分な力学特性を得られる。
 バッテリーセパレータフィルムの透気度は、50秒/100cc以上1,000秒/100cc以下であることが好ましい。より好ましくは50秒/100cc以上500秒/100cc以下である。透気度を50秒/100cc以上とすることで十分な力学特性を得ることができる。また、1,000秒/100cc以下とすることで、十分なイオン移動性が得られ、電池特性が良好となる。
 リチウムイオン2次電池は、正極と負極との間に、バッテリーセパレータフィルムと電解液が介在した構成となっている。
 正極は、活物質、バインダー樹脂、および導電助剤からなる正極材が集電体上に積層されたものである。活物質としては、LiCoO、LiNiO、Li(NiCoMn)O、などの層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物、LiMnなどのスピネル型マンガン酸化物、およびLiFePOなどの鉄系化合物などが挙げられる。バインダー樹脂としては、耐酸化性が高い樹脂を使用すればよい。具体的にはフッ素樹脂、アクリル樹脂、スチレン-ブタジエン樹脂などが挙げられる。導電助剤としては、カーボンブラック、黒鉛などの炭素材料が用いられている。集電体としては、金属箔が好適であり、特にアルミニウム箔が用いられることが多い。
 負極は、活物質およびバインダー樹脂からなる負極材が集電体上に積層されたものである。活物質としては、人造黒鉛、天然黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボンなどの炭素材料、スズやシリコンなどのリチウム合金系材料、Liなどの金属材料、およびチタン酸リチウム(LiTi12)などが挙げられる。バインダー樹脂としては、フッ素樹脂、アクリル樹脂、スチレン-ブタジエン樹脂などが用いられる。集電体としては、金属箔が好適であり、特に銅箔が用いられることが多い。
 電解液は、二次電池の中で正極と負極との間でイオンを移動させる場となっており、電解質を有機溶媒にて溶解させた構成をしている。電解質としては、LiPF、LiBF、LiClOおよびLiTFSIなどが挙げられるが、有機溶媒への溶解性、イオン電導度の観点からLiPFが好適に用いられている。有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどが挙げられ、これらの有機溶媒を2種類以上混合して使用してもよい。
 本発明の重合体粒子は、バッテリーセパレータフィルム以外の電池材料にも好ましく使用することができる。具体的には、電極のバインダー樹脂として好適に用いることができる。ここで、電極とは、上記のリチウムイオン2次電池の正極または負極である。すなわち、本発明の電極は、バインダー樹脂を含む材料が集電体上に積層された電極であって、該バインダー樹脂が本発明の重合体粒子を含む電極である。
 以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、これにより本発明が制限されるものではない。なお、以下の記載において「%」および「部」は、「質量%」および「質量部」を表わす。本実施例で用いた測定法を以下に示す。
 (1)重合体粒子の体積平均粒子径、数平均粒子径および粒度分布
 重合体粒子の体積平均粒子径、数平均粒子径を、動的光散乱法(ELSZ、大塚電子株式会社製)を用いて測定した。重合体粒子を固形分濃度が0.2質量%となるように水に分散させた分散液を動的光散乱法で測定し、Marquardt Methodで解析し、体積平均粒子径、数平均粒子径を算出し、得られた値から粒度分布(体積平均粒子径/数平均粒子径)を求めた。
 (2)重合体粒子を含む分散液の加熱残分
 JIS K5601-1-2:2008に従って、重合体粒子の水分散液の加熱残分を測定した。
 (3)重合体粒子を含む分散液のpH
 重合体粒子を固形分濃度が10質量%となるように水に分散させた分散液のpHを測定した。
 (4)重合体粒子のガラス転移温度
 重合体粒子の水分散液を凍結乾燥した粒子粉末10mg程度を用いて、JIS K7121:2012に従って、示差走査熱量測定装置(DSC Pyris1 DSC、Perkin Elmer社製)により測定した。
 (5)重合体粒子からなる成型片を用いた圧縮クリープ試験における、50℃、10秒後の変形率(X)
 重合体粒子からなる成型片を用いた圧縮クリープ試験における、50℃、10秒後の変形率(X)は、以下の方法で測定した。重合体粒子からなる成型片は、重合体粒子を加熱プレスにより厚さ6mm程度の厚みのシート状に成型したものを、6mm角の立方体状に切断した成型片を用いた。重合体粒子からなる成型片を用いて、以下の手順・条件で圧縮クリープ試験を実施した。
 測定手順は、以下の通りで実施した。
(i)予め100℃に設定しておいた装置内に試料をセットし、加熱炉を素早く閉じた。
(ii)Gapを6mmに設定し、二枚の円板治具と試料を充分に接触させた。
(iii)各測定温度に素早く冷却し、温度が安定したことを確認した後に測定を開始した。
 測定条件は、以下の通りである。
装置:ARES-G2(TA Instruments社製)、測定モード:圧縮(上下方向)、ジオメトリー:平行円板型(直径8mm)、圧縮荷重:20N、圧縮方法:円板で試料を圧縮、測定温度:50℃、測定雰囲気:窒素気流中
 得られた圧縮クリープ試験の結果を用いて、次式より、重合体粒子からなる成型片を用いた圧縮クリープ試験における、50℃、10秒後の変形率(X)を求めた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000003
 ここでT50およびΔT50はそれぞれ試験前の成型片の厚み、50℃で10秒試験した後の成型片厚みの変位である。
 (6)重合体粒子からなる成型片を用いた圧縮クリープ試験における、80℃、10秒後の変形率(Y)
 重合体粒子からなる成型片を用いた圧縮クリープ試験における、80℃、10秒後の変形率(Y)は、以下の方法で測定した。重合体粒子からなる成型片は、重合体粒子を加熱プレスにより厚さ6mm程度の厚みのシート状に成型したものを、6mm角の立方体状に切断した成型片を用いた。重合体粒子からなる成型片を用いて、以下の手順・条件で圧縮クリープ試験を実施した。
 測定手順は、以下の通りで実施した。
(i)予め100℃に設定しておいた装置内に試料をセットし、加熱炉を素早く閉じた。
(ii)Gapを6mmに設定し、二枚の円板治具と試料を充分に接触させた。
(iii)各測定温度に素早く冷却し、温度が安定したことを確認した後に測定を開始した。
 測定条件は、以下の通りである。
装置:ARES-G2(TA Instruments社製)、測定モード:圧縮(上下方向)、ジオメトリー:平行円板型(直径8mm)、圧縮荷重:20N、圧縮方法:円板で試料を圧縮、測定温度:80℃、測定雰囲気:窒素気流中。
 得られた圧縮クリープ試験の結果を用いて、次式より、重合体粒子からなる成型片を用いた圧縮クリープ試験における、80℃、10秒後の変形率(Y)を求めた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000004
 ここでT80およびΔT80はそれぞれ試験前の成型片の厚み、80℃で10秒試験での成型片厚みの変位である。
 (7)加熱プレス時の接着性
 重合体粒子を水にて濃度5質量%に希釈した塗工液を、#10のワイヤーバーを用いてポリエチレン多孔質基材(厚み9μm、透気度70秒/100cc)上へ塗工し、熱風オーブン(乾燥設定温度60℃)内で1分間乾燥し、多孔性フィルムを得た。
 活物質が黒鉛、バインダーがフッ化ビニリデン樹脂、導電助剤がカーボンブラックの負極(幅20mm×長さ70mm)を電極として用いた。多孔性フィルム(幅25mm×長さ80mm)を、電極と多孔性フィルムの長さ方向に端部が下揃えで重なるように、また活物質と多孔質層が接触するように設置して、80℃/5MPa/7秒で熱プレスを行い、電極と多孔性フィルムを接着させて試験片を作製した。次に得られた試験片の負極側を厚み2mmのアクリル板に貼り付けた。その後、多孔性フィルムを180°で剥離し、剥離の程度を元に接着性を「S」「A」「C」で評価した。
「S」:極めて良好な接着性を示した。
「A」:十分な接着性を示した。
「C」:接着性が不十分であった。
 (8)粒子の粘着抑制性
 重合体粒子を水にて濃度0.01質量%に希釈した分散液をアルミホイル上に滴下し、室温乾燥させた試料と、50℃で乾燥させた試料を調製した。その後、走査型電子顕微鏡(Hitachi,SU8220)を用いて、加速電圧2.0kV,50,000倍で2視野観察した。無作為に100個の粒子の算術平均粒子径を測定した。室温乾燥させた試料の算術平均粒子径に対する、50℃で乾燥させた試料の算術平均粒子径の変化率[変化率=50℃で乾燥させた試料の算術平均粒子径/室温乾燥させた試料の算術平均粒子径]を分析した。変化率が1.5未満であれば「融着なし」、変化率が1.5以上2.0未満であれば「融着が少ない」、変化率が2.0以上3.0未満であれば「融着がある」、変化率が3.0以上であれば「融着が多い」と評価し、変化率が2.0未満のとき良好な粘着抑制性と判定する。表1記載の「粘着抑制性」は、上記変化率の値である。
 (9)溶媒に対する膨潤抑制性
 重合体粒子を加熱プレスにより厚さ1~2mm程度の厚みのシート状に成型した粒子膜を用いて、溶媒に対して試料を浸漬し、試料の膨潤による重量増分から膨潤度を求める方法を適用した。
 重合体粒子からなる粒子膜を数mm角に切り出した試験片を3~6枚(約0.15g)を秤量し、Wとした。その後、約3mLの1M LiPF EC/EMC=3/7(v/v)(以下、EC/EMC=3/7)に浸漬し、室温下で20日程度静置した。
 試験片を溶媒から引き上げ、各試料片の表面に付着した試験溶媒をワイプなどで拭き取った後、試料片重量のWを秤量した。
 次式より、膨潤度Sを求めた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000005
 ここでVおよびVはそれぞれ溶媒浸漬前、後の試験片の体積であり、次式より求めた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000006
 ρ、ρは、それぞれポリマー、試験液体の密度を用いた。
 膨潤度Sが1.0以上3.0未満であれば「S」、変化率が3.0以上3.5未満であれば「A」、変化率が3.5以上4.5未満であれば「B」、変化率が4.5以上(粒子が溶媒に溶解し粒子径を測定不可な場合を含む)であれば「C」と評価し、変化率が3.5未満のとき良好な膨潤抑制性と判定した。
 (10)重合体粒子からなる粒子膜の表面自由エネルギー
 重合体粒子を固形分濃度が10質量%となるように水に分散させた分散液をPET基材上にバーコーター(#3番手)で塗布し60℃で10分乾燥し塗膜層(重合体粒子からなる粒子膜)を形成した。塗膜層を溶媒に水、エチレングリコール、ヨウ化メチレン、ホルムアミドを用いた接触角測定を行い、Young-Dupreの式より重合体粒子からなる粒子膜の表面自由エネルギーを求めた。
 (実施例1)
 イオン交換水120部、アデカリアソーブSR-1025(アデカ(株)製乳化剤)1部を反応器に仕込み、撹拌を開始した。これに窒素雰囲気下で2,2’-アゾビス(2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン)(和光純薬工業(株)製)0.4部を添加し、2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート(3FMA)50部、シクロヘキシルアクリレート(CHA)41部、4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)2部、ポリアルキレングリコールジメタクリレート(「ブレンマー」(登録商標)PDE-600(日油(株)製))7部、アデカリアソーブSR-1025(アデカ(株)製乳化剤)9部、イオン交換水115部からなる単量体混合物のうち20質量部を60℃でシェル粒子を重合した。その後、2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート(3FMA)18部、シクロヘキシルアクリレート(CHA)73部、4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)2部、ポリアルキレングリコールジメタクリレート(「ブレンマー」(登録商標)PDE-600(日油(株)製))7部、アデカリアソーブSR-1025(アデカ(株)製乳化剤)9部、イオン交換水115部からなる単量体混合物のうち80質量部を60℃で2時間かけて連続的に滴下し、滴下終了後4時間にわたり重合処理を行った。得られた重合体粒子は表1に示す通りであった。なお、表1に示した単量体の組成比は単量体成分の総量に対する各成分の割合である。
 なお、表1における各成分の略称は、それぞれ以下の意味である。
・3FMA:2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート(式(1)中、R:-CH、R:-CHCF
・CHA:シクロヘキシルアクリレート(式(1)中、R:-H、R:シクロヘキシル基)
・4HBA:4-ヒドロキシブチルアクリレート(式(1)中、R:-H、R:4-ヒドロキシブチル基)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
 (実施例2)
 単量体混合物の組成比を、表1に示す組成に変更したこと以外は、実施例1と同様にして重合体粒子を得た。得られた重合体粒子は表1に示す通りであった。
 (実施例3)
 単量体混合物の組成比を、表1に示す組成に変更したこと以外は、実施例1と同様にして重合体粒子を得た。得られた重合体粒子は表1に示す通りであった。
 (実施例4)
 単量体混合物の組成比を、表1に示す組成に変更したこと以外は、実施例1と同様にして重合体粒子を得た。得られた重合体粒子は表1に示す通りであった。
 (比較例1)
 イオン交換水120部、アデカリアソーブSR-1025(アデカ(株)製乳化剤)1部を反応器に仕込み、撹拌を開始した。これに窒素雰囲気下で2,2’-アゾビス(2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン)(和光純薬工業(株)製)0.4部を添加し、2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート(3FMA)30部、シクロヘキシルアクリレート(CHA)61部、4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)2部、ポリアルキレングリコールジメタクリレート(「ブレンマー」(登録商標)PDE-600(日油(株)製))7部、アデカリアソーブSR-1025(アデカ(株)製乳化剤)9部、イオン交換水115部からなる単量体混合物を60℃で2時間かけて連続的に滴下し、滴下終了後4時間にわたり重合処理を行った。得られた重合体粒子は表1に示す通りであった。なお、表1に示した単量体の組成比は単量体成分の総量に対する各成分の割合である。
 (比較例2)
 単量体混合物の組成比を、表1に示す組成に変更したこと以外は、比較例1と同様にして重合体粒子を得た。得られた重合体粒子は表1に示す通りであった。
 (比較例3)
 単量体混合物の組成比を、表1に示す組成に変更したこと以外は、比較例1と同様にして重合体粒子を得た。得られた重合体粒子は表1に示す通りであった。
 (比較例4)
 単量体混合物の組成比を、表1に示す組成に変更したこと以外は、比較例1と同様にして重合体粒子を得た。得られた重合体粒子は表1に示す通りであった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000008
 本発明の重合体粒子は、電池材料の結着剤として好ましく使用される。特に、リチウムイオン2次電池のセパレータフィルム(バッテリーセパレータフィルム)上の塗膜を構成する成分に少量添加することで、加熱プレス時の接着性、粘着抑制性及び溶媒に対する膨潤抑制性に優れた塗膜を形成するフィルムを高い生産性で提供可能となる。これにより、特にリチウムイオン電池に用いられるバッテリーセパレータフィルムの表面を改質するコート剤として有用である。バッテリーセパレータフィルムの性能が向上することにより、EV/PHEV普及促進による地球温暖化ガス排出削減への貢献が期待できる。
 

Claims (13)

  1. 重合体粒子からなる成型片を用いた圧縮クリープ試験における、50℃、10秒後の変形率(X)が0.30以下であって、80℃、10秒後の変形率(Y)が0.60以上である、重合体粒子。
  2. 前記重合体粒子からなる粒子膜の表面自由エネルギーが15mN/m以上35mN/m以下である、請求項1記載の重合体粒子。
  3. 前記重合体粒子がフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)由来の構造単位を含む、請求項1または2記載の重合体粒子。
  4. フッ素含有(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)由来の構造単位を10質量%超50質量%以下含む、請求項3記載の重合体粒子。
  5. 前記重合体粒子がコア部及び前記コア部の外表面の少なくとも一部を覆うシェル部を備えるコアシェル構造を有する、請求項1または2記載の重合体粒子。
  6. 前記コア部と前記シェル部の合計に占める前記シェル部の割合が3質量%超40質量%未満である、請求項5記載の重合体粒子。
  7. 前記コア部のガラス転移温度が50℃未満である、請求項6記載の重合体粒子。
  8. 前記シェル部のガラス転移温度が80℃未満である、請求項6記載の重合体粒子。
  9. 前記重合体粒子の体積平均粒子径が100nm以上500nm以下であって、粒度分布(体積平均粒子径/数平均粒子径)が1.50以下である、請求項1~8いずれかに記載の重合体粒子。
  10. 請求項1~9いずれかに記載の重合体粒子と水からなる分散液であり、pHが5.0以上10.0以下である、重合体粒子を含む分散液。
  11. バッテリーセパレータフィルムに使用される請求項1~9いずれかに記載の重合体粒子を含む分散液。
  12. 多孔質基材上に、重合体粒子を含む塗膜を有するバッテリーセパレータフィルムであって、該重合体粒子が請求項1~9いずれかに記載の重合体粒子であるバッテリーセパレータフィルム
  13. バインダー樹脂を含む材料が集電体上に積層された電極であって、該バインダー樹脂が請求項1~9に記載の重合体粒子を含む電極。
     
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